JP2009217862A - 情報記録媒体、並びにターゲットおよびそれを用いた情報記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録層と接する界面層に結晶化能を促進する材料を提供し、高線速度での書換えと高信号信頼性を両立した情報記録媒体を提供する。
【解決手段】酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)および酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)を含む酸化物誘電体層を第2界面層14および第1界面層16として備えることを特徴とする情報記録媒体。
【選択図】図1
【解決手段】酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)および酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)を含む酸化物誘電体層を第2界面層14および第1界面層16として備えることを特徴とする情報記録媒体。
【選択図】図1
Description
本発明は光学的手段によって情報を記録または再生する情報記録媒体とその製造方法および製造時に使用するターゲットに関するものである。
光学的情報記録媒体の一例として、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc)がある。その媒体の層構成として、基板の表面上に、反射層、第2誘電体層、第2界面層、記録層、第1界面層、第1誘電体層、カバー層がこの順に形成されたものが挙げられる。
第1誘電体層と第2の誘電体層は、光学距離(=屈折率×物理距離)を調節することで記録層の光吸収効率を高め、結晶相における反射率と非晶質相における反射率の差を大きくし、信号振幅を大きくする機能を有する。また、記録層を水分等から保護する機能も兼ね備える。これら誘電体層の材料の一例として、80mol%のZnSと20mol%のSiO2の混合物(以下、(ZnS)80(SiO2)20と表記する。)が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。この材料は、非晶質材料であり、熱伝導率が低く、高屈折率で高透明性という特性を有する。また、膜形成時の成膜速度が速く、機械的特性や耐湿性にも優れている。このような優れた特性を有するため(ZnS)80(SiO2)20は誘電体層を形成するのに非常に適した材料として、実用化されてきた。
第1界面層と第2界面層は、レーザ光を記録層に照射し、繰り返し書き換え記録を行う際、(ZnS)80(SiO2)20中のSが記録層に拡散するのを防止する目的で設けられる。記録層中にSが拡散すると、媒体の反射率が著しく低下し、記録媒体の繰り返し書き換え特性が著しく悪化する。この界面層の材料としては、例えばZrO2とCr2O3を含む材料が開示されている(例えば特許文献2参照。)。この材料は、S元素を含まず、青紫色波長領域(405nm付近)レーザに対して透明性が高く、また高融点であるため耐熱性も高い優れた材料である。
反射層は、光学的には記録層に吸収される光量を増大させ、熱的には記録層で生じた熱を速やかに拡散させ、記録層を急冷し非晶質化し易くする機能を有する。さらに、記録層、界面層および誘電体層を使用環境から保護する機能をも有する。このため反射層の材料として、熱伝導率の高いAg合金が好ましく適用されてきた。
特公平06−090808号公報
特開2003−323743号公報
本発明者らは、相変化形情報記録媒体において、高速書き換えにおける高結晶化能と非晶質部の安定性に注目し、課題を見出した。
高速での良好な書き換え特性を得るには情報記録媒体の記録層に結晶化能を高めた(結晶化速度を向上した)材料を用いる必要がある。しかしながら、そのような材料は非晶質(マーク部)の安定性が悪く、信号信頼性が乏しくなってしまう。つまり、記録層材料組成を選定し、高速書き換えに対応できるよう高結晶化能をもたせた場合は、信号信頼性に欠け、信号信頼性を満足できるよう非晶質の安定性をもたせた場合は、高速書き換えに対応できなくなるというトレードオフの関係が生じ、記録層の材料選定だけでは高結晶化能と非晶質部の安定性の両立ができないという課題が生じた。
そこで本発明者らは、記録層と接して設けられる界面層からの結晶化能促進を考えた。具体的には、まず記録層には非晶質を安定に形成できる材料を適用し、界面層材料に結晶化能を促進する元素を含む誘電体を混合させることにより、高速書き換えに対応できる結晶化能をもたせた。このように記録時に界面層からの結晶化促進を行わせるためには、必ずしもその限りではないが、従来の融点1500℃以上のような高融点な誘電体材料ではなく、融点1000℃以下のような低融点材料であることが好ましい。
本発明は上記の課題を解決するもので、高融点の誘電体に結晶化能を促進する低融点の誘電体を混合した誘電体材料を提供する。これにより、高信号品質で高速書き換えが可能であり、信号信頼性に優れた情報記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明における情報記録媒体は、酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)および酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)を含む酸化物誘電体層を備えることを特徴としている。
また、本発明の情報記録媒体の製造方法は、酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)および酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)を含む酸化物誘電体層を有する情報記録媒体において、前記酸化物誘電体層を酸化物D1および酸化物D2を含むターゲットを用いて、スパッタリング法により形成する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の製造工程で用いるターゲットは、酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)および酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)を含むことを特徴とする。
本発明の界面層材料により、母体となる高融点の誘電体材料に、記録時の結晶化を促進させる低融点の誘電体材料を混合することで、高信号品質で高速書き換え特性を得ることができる。また、母体が高融点の誘電体であるため、高い信号信頼性も得ることができる。
また、本発明の情報記録媒体の製造方法によれば、上記のような効果を有する情報記録媒体を作製することができる。
また、本発明のターゲットを用いることにより、上記のような効果を有する情報記録媒体を作製することができる。
本発明の情報記録媒体は、少なくとも記録層を有し、前記記録層がレーザ光の照射により、情報を記録または再生する情報記録媒体であって、酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)および酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)を含む酸化物誘電体層を備える。
また、前記酸化物誘電体層が前記酸化物D2を30%以下で含むことでより高い信号信頼性を得ることができる。
また、前記酸化物D2がSbからなる酸化物であることで、より高い信号品質で書き換え特性を得ることができる。
また、少なくとも第2界面層、前記記録層、第1界面層をこの順に備え、前記第1界面層からレーザ光が入射する情報記録媒体であって、前記第1界面層および前記第2界面層のうち少なくとも一方が前記酸化物層であってもよい。
さらに前記第1および第2界面層の膜厚が2nm以上10nm以下であることが好ましい。
また、レーザ光入射側から第N情報層〜第1情報層(Nは2以上の整数)を有し、少なくとも一つの前記情報層が第1界面層、前記記録層、第2界面層をこの順に備え、前記第2界面層からレーザ光が入射する情報記録媒体であって、前記第1界面層および前記第2界面層のうち少なくとも一方が前記酸化物層であってもよい。
また、前記記録層がSbTeGeM1(但し、M1はAu、In、Al、Ga、C、Si、Zn、Mn、SnおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素)であってもよい。
さらに、前記記録層をSbaTebGecM1(100−a−b−c)(原子%)と表した場合、70≦a≦90、0≦b≦25、3≦c≦25であることが好ましい。
次に本発明における情報記録媒体の製造方法について述べる。本発明における酸化物層はスパッタリング法を用いて形成した。スパッタリング法を用いると、スパッタリングターゲットの組成と略同じ組成を有する誘電体薄膜を形成することができる。そこで本発明の情報記録媒体の製造方法は、酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)および酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)を含む酸化物誘電体層を酸化物D1および酸化物D2を含むターゲットを用いて、スパッタリング法により形成するというものである。
また、前記ターゲットにおいて、前記酸化物D2を40%以下で含むことが好ましい。
また、前記ターゲットにおいて、前記酸化物D2がSbからなる酸化物であることが好ましい。
また、前記酸化物誘電体層を酸化物D1からなるターゲットと酸化物D2からなるターゲットを用いて、2つのカソードより同時にスパッタリングする共スパッタ工程を用いてもよい。
また、前記ターゲットにおいて、前記酸化物D2がSbからなる酸化物であることが好ましい。
上記製造方法で用いるターゲットは、酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)および酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)を含んでおり、好ましくは酸化物D2を40%以下で含むことである。
また、前記ターゲットにおいて、前記酸化物D2がSbからなる酸化物であることが好ましい。
以下、本発明における実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態は例示的なものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1として、レーザ光を用いて情報の記録及び再生を行う情報記録媒体の一例を説明する。図1に、その光学的情報記録媒体の一部断面を示す。
本発明の実施の形態1として、レーザ光を用いて情報の記録及び再生を行う情報記録媒体の一例を説明する。図1に、その光学的情報記録媒体の一部断面を示す。
図1に示す情報記録媒体1は、基板11の表面上に、反射層12、第2誘電体層13、第2界面層14、記録層15、第1界面層16、第1誘電体層17、カバー層18がこの順に積層されることにより形成されている。この情報記録媒体には第1誘電体層17側から記録・再生用のエネルギービーム(一般的には、レーザ光)19が照射される。
カバー層18は、例えば、光硬化型樹脂(特に紫外線硬化型樹脂)や遅効性熱硬化型樹脂等の樹脂、または誘電体等からなり、使用するレーザ光に対して光吸収が小さいことが好ましい。またカバー層18には、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、またはポリメチルメタクリレート(PMMA)等の樹脂、あるいはガラスを用いてもよい。これらの材料を使用する場合は、カバー層18を、例えば、光硬化型樹脂(特に紫外線硬化型樹脂)や遅効性熱硬化型樹脂等の樹脂によって第1の誘電体層17に張り合わせることにより形成する。
基板11は円盤状の透明な基板である。基板11の材料には、例えばポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、またはPMMA等の樹脂、あるいはガラスを用いることができる。基板11の記録層15側の表面には、必要に応じてレーザ光を導くための案内溝(例えばトラックピッチ0.32μm)が形成されていてもよい。基板11の記録層15との反対側の面は、平滑であることが好ましい。なお、基板11の厚さは500μm〜1300μm程度であるが、特にカバー層18厚みが100μm程度(NA=0.85で良好な記録・再生が可能な厚みである。)の場合、基板11の厚みは1050μm〜1150μmの範囲にあることが好ましい。
記録層15は、例えば、レーザ光の照射によって結晶相と非晶質相の間で可逆的な相変化を起こす材料からなる。この材料としては例えば、組成式:SbaTebGecM1(100−a−b−c)(原子%)(但し、M1はAu、In、Al、Ga、C、Si、Zn、Mn、SnおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素)で表される材料を用いることができる。このような材料によれば、非晶質相が安定で信号振幅が大きく、高結晶化能を有する記録膜を形成することができる。a、b、cは70≦a≦90、0≦b≦25、3≦c≦25を満たすことが好ましく、この範囲では高い結晶化能が得られ高い転送レートにおいても良好な書き換え性能が得られるとともに、大きな反射率変化を得ることができる。記録層15の膜厚は良好な記録特性を得るため5nm〜20nmの範囲内にあることが好ましい。記録層15が厚すぎる場合は、熱の面内方向への拡散による隣接領域への熱的影響が大きくなる。また、記録層15が薄すぎる場合は情報記録媒体1の反射率の変化量が小さくなるため、膜厚は8nm〜13nmであることがさらに好ましい。
また記録層15の材料としては例えば、組成式:GedM2eM3fTe100−(d+e+f)(原子%)で表されるであってもよい。M2はSbおよびBiより選ばれる元素である。M3はSi、Ti、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Se、Ru、Rs、Pd、Mn、Ag、Al、Cr、Sn、Ga、In、Ta、Dy、Gd、Td、Os、Ir、W、PtおよびAuより選ばれる元素である。dは30≦d<50を満たすことが好ましく、さらにdは35≦d≦45を満たすことが好ましい。また、eは0<e≦20を満たすことが好ましい。また、fは0≦f≦20を満たすことが好ましい。また、35≦d+e+f≦60を満たすことが好ましい。
また、記録層15は、非可逆的相変化材料で形成することができる。非可逆的相変化材料としては、例えば日本国特許公報平7−25209公報(特許第2006849号)に開示されるように、TeOx+M4(但し、M4はPdやGeなどの元素。)を用いることが好ましい。記録層が非可逆的相変化材料の場合、1回のみ書き込み可能な追記形の情報記録媒体となるが、そのような情報記録媒体においても、記録感度、信号保存性の課題を改善するため、本発明が好ましく適用される。
なお、記録層15は相変化に限らず磁場の印加と光の照射で記録消去再生を行う光磁気材料を用いてもよい。その材料としては、Tb、Gd、Dy、Nd、Smより成る希土類金属群のうち少なくとも一つの元素と、Sc、Cr、Fe、Co、Niより成る遷移金属群のうち少なくとも一つの元素を含む材料を用いることができる。具体的には、Tb−Fe、Te−Fe−Co、Gd−Fe、Gd−Fe−Co、Dy−Fe−Co、Nd−Fe−Co、Sm−Co、Tb−Fe−Ni、Gd−Tb−Fe−Co、Dy−Sc−Fe−Coなどが挙げられる。記録層の材料が光磁気材料である場合、情報記録媒体の構成は図1と必ずしも一致しないが、本発明における記録層の両側の界面層構成及び材料は、好ましく適用することができる。
反射層12は、記録層15に吸収される光量を増大させるという光学的な機能を有する。また、反射層12は、記録層15で生じた熱を速やかに拡散させ、記録層15を非晶質化しやすくするという熱的な機能も有する。さらに、反射層12は、使用する環境から多層膜を保護するという機能も有する。
反射層12の材料には、例えばAg、Au、Cu、Al、Pt、TiおよびWといった熱伝導率が高い単体金属を用いることができる。また、AlにCr、Ni、Tiなどを添加したAl合金、AuにCu、Cr、Ndなどを添加したAu合金、AgにCu、Pd、Ga、In、Ndなどを添加したAg合金、Ag−CuにPd、Ti、Al、Au、Ni、Nd、Ga、Ca、Mg、In、Yなどを添加したAg合金、またはAg−NdにAuやPdなどを添加したAg合金、Ag−Mgに希土類元素などを添加したAg合金等を用いることもできる。特にAg合金は熱伝導率が大きいため、反射層12の材料として好ましい。なお、添加濃度は、5原子%以下が好ましい。反射層12の膜厚は、熱拡散機能が十分となる30nm以上であることが好ましい。この範囲内においても、反射層12が240nmより厚い場合には、その熱拡散機能が大きくなりすぎて記録感度が低下する。したがって、反射層12の膜厚は30nm〜240nmの範囲内であることがより好ましい。
第1誘電体層17は記録層15を水分等から保護する働きと、光学的距離を調節して記録層15の光吸収率を高める働きと、記録前後での反射光量の変化率を大きくして信号振幅を大きくする働きとを有する。第1誘電体17には、例えば、TiO2、ZrO2、HfO2、SiO2、MgO、ZnO、Nb2O5、Ta2O5およびAl2O3等の酸化物やC−N、Ti−N、Zr−N、Nb−N、Ta−N、Si−N、Ge−N、Cr−N、Al−N、Ge−Si−NおよびGe−Cr−N等の窒化物を用いることができる。また、ZnS等の硫化物やSiC等の炭化物も用いることができる。また、上記材料の混合物も用いることができる。これらの材料において、例えば、ZnSとSiO2の混合物は非晶質材料で、成膜速度が速く、また屈折率が高く、機械的強度や耐湿性が良好であるため、第1誘電体層17に適用する材料として特に優れている。第1誘電体層17の膜厚はマトリクス法(例えば、久保田広著「波動光学」岩波書店、1971年、第3章参照。)に基づく計算により、記録層15が結晶相の場合と非晶質相の場合との反射光量の変化率を大きくし、また記録層15での光吸収が大きくなる条件により、決定することができる。具体的な膜厚としては、10nm〜150nmの範囲内にあることが望ましく、30nm〜80nmの範囲内にあることがより好ましい。
第2誘電体層13は第1誘電体層17同様、光学的距離を調節して記録層15の光吸収率を高める働きと、記録前後での反射光量の変化率を大きくして信号振幅を大きくする働きとを有する。また記録層15において発生した熱を速やかに反射層12へ拡散し、記録層15を冷却する働きも有する。この熱拡散効果が優れている場合、記録層15への熱的負荷が軽減されて、良好な繰り返し書き換え特性が得られる。
第2誘電体層13には、前記第1誘電体層17と同様の材料を用いることができる。その中でも反射層12にAg合金を用いた場合には、Sを含まず高透明性を有する誘電体であるZrO2、SiO2、Nb2O5、Cr2O3、Al2O3、TiO2およびIn2O3といった酸化物やLaF3、CeF3、YF3といったフッ化物、またはそれらの混合誘電体を用いることが好ましい。また具体的な膜厚としては、3nm〜40nmの範囲内にあることが望ましく、5nm〜25nmの範囲内にあることがより好ましい。また、本発明における酸化物誘電体層を用いることができる(詳しくは、次の第1および第2界面層において説明する。)。
第1界面層16、第2界面層14は本発明の特徴と成す部分である。第1界面層16、第2界面層14は前述のように記録層への元素の拡散や水分の混入を防止するバリアとしての働きを有するとともに、記録層15と接して設けられているため記録層の結晶化能を促進または抑制する効果があり、Sbやカルコゲナイド材料からなる記録層15と密着性に優れていることが望まれる。
これらの界面層にはZrO2、HfO2、SiO2、MgO、Cr2O3、Ga2O3、In2O3、TiO2、Y2O3およびAl2O3等の酸化物、C−N、Ti−N、Zr−N、Nb−N、Ta−N、Si−N、Ge−N、Cr−N、Al−N、Ge−Si−NおよびGe−Cr−N等の窒化物、SiC等の炭化物およびLaF3、CeF3およびYF3等のフッ化物、またそれらより選ばれる混合物を用いることができるが、そのような誘電体材料の中でも特に本発明の酸化物誘電体層を用いることが好ましい。
ここで本発明の酸化物誘電体層において、酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)は高融点の誘電体(例えば化学便覧より、ZrO2は約2700℃、TiO2は1800℃、Cr2O3は約2300℃、SiO2は約1700℃)であり、記録におけるレーザ照射時においても、その構造を安定して保っている。そのため、前述した高いバリア効果を得ることができる。しかし、その安定性のため、記録時における結晶化促進効果は少なく、高速記録に求められる高結晶化能を記録層にもたせる働きとしては不十分である。
そこで記録時に結晶化能を促進させるためには、記録時の到達温度に近いより低融点な誘電体が効果的であると考えた。低融点な誘電体の中でも結晶化速度の速い元素から成る酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)が適している(例えば化学便覧より、Sb2O3は約650℃、SnOは1000℃、TeO2は約730℃、Bi2O3は約820℃)と考え、界面層に本発明の酸化物誘電体層の適用を試みた。
具体的に、前記酸化物誘電体層を構成する元素の系を挙げると、例えば、Zr−Sb−O、Hf−Sb−O、In−Sb−O、Al−Sb−O、Ti−Sb−O、Cr−Sb−O、Si−Sb−O、Zr−Sn−O、Ti−Sn−O、Cr−Sn−O、Si−Sn−O、Zr−Te−O、Ti−Te−O、Cr−Te−O、Si−Te−O、Zr−Bi−O、Ti−Bi−O、Cr−Bi−O、Si−Bi−O、Zr−Y−Sb−O、Zr−In−Sb−O、Zr−Al−Sb−O、Zr−Ti―Sb―O、Zr−Cr―Sb―O、Zr−Si−Sb−O、Hf−Y−Sb−O、Hf−Cr−Sb−O、Hf−Si−Sb−O、In−Ti−Sb−O、In−Cr−Sb−O、In−Si−Sb−O、Ti−Cr−Sb−O、Ti−Si−Sb−O、Cr−Si−Sb−O、Zr−Y−Sn−O、Zr−Sn−Bi−O、Zr−Cr−Sn−O、Zr−Si−Sn−O、Ti−Cr−Sn−O、Zr−Y−Te−O、Zr−Ti−Te−O、Zr−Cr−Te−O、Zr−Si−Te−O、Ti−Cr−Te−O、Zr−Y−Bi−O、Zr−Ti−Bi−O、Zr−Cr−Bi−O、Zr−Si−Bi−O、Ti−Cr−Bi−O、Zr−In−Y−Sb−O、Zr−In−Al−Sb−O、Zr−In−Ti−Sb−O、Zr−In−Cr−Sb−O、Zr−In−Si−Sb−O、Zr−Y−Ti−Sb−O、Zr−Y−Cr−Sb−O、Zr−Y−Si−Sb−O、Zr−Cr−Ti−Sb−O、Zr−Cr−Si−Sb−O、Zr−In−Si−Sn−O、Zr−Cr−Si−Sn−O、Zr−In−Si−Te−O、Zr−Cr−Si−Te−O、Zr−In−Si−Bi−O、Zr−Cr−Si−Bi−O、Zr−Y−In−Cr−Sb−O、Zr−Y−In−Si−Sb−O、Zr−In−Cr−Si−Sb−O、Zr−Sb−Sn−O、Zr−Sb−Te−O、Zr−Sb−Bi−O、Hf−Sb−Sn−O、Hf−Sb−Te−O、Hf−Sb−Bi−O、Al−Sb−Sn−O、Al−Sb−Te−O、Al−Sb−Bi−O、In−Sb−Sn−O、In−Sb−Te−O、In−Sb−Bi−O、Ti−Sb−Sn−O、Ti−Sb−Te−O、Ti−Sb−Bi−O、Cr−Sb−Sn−O、Cr−Sb−Te−O、Cr−Sb−Bi−O、Si−Sb−Sn−O、Si−Sb−Te−O、Si−Sb−Bi−O、Zr−Y−Sb−Sn−O、Zr−Y−Sb−Te−O、Zr−Y−Sb−Bi−O、Zr−In−Sb−Sn−O、Zr−In−Sb−Te−O、Zr−In−Sb−Bi−O、Zr−Cr−Sb−Sn−O、Zr−Cr−Sb−Te−O、Zr−Cr−Sb−Bi−O、Zr−Si−Sb−Sn−O、Zr−Si−Sb−Te−O、Zr−Si−Sb−Bi−O、Zr−Y−In−Sb−Bi−O、Zr−Y−Cr−Sb−Bi−O、Zr−Y−Si−Sb−Bi−O、Zr−In−Cr−Sb−Bi−O、Zr−In−Si−Sb−Bi−O、Zr−Cr−Si−Sb−Bi−O、Zr−Y−In−Cr−Sb−Bi−O、Zr−Y−Cr−Si−Sb−Bi−OおよびZr−In−Cr−Si−Sb−Bi−Oなどが挙げられる。
また、高信号品質の書き換え特性と優れた信号信頼性を両立するためには、酸化物D2を30%以下で含むことが好ましい。また、第1界面層16および第2界面層14の膜厚は、0.5nm〜10nmの範囲内が好ましい。
次に、本実施の形態で説明した情報記録媒体1の製造方法について説明する。
反射層12、第2誘電体層13、第2界面層14、記録層15、第1界面層16および第1誘電体層17は、気相成膜法の一つであるスパッタリング法により形成できる。
ここで、スパッタリング装置の(成膜)装置の一例を説明する。図2に、二極グロー放電型スパッタリング装置100の一例を示す。スパッタ室101内は、排気口102に真空ポンプ103が接続され、高真空状態に保たれる。スパッタガス(例えばArガス等)導入口104からは例えばマスフローコントローラーの制御により、一定量のスパッタガスが導入される。基板105は基板ホルダー(陽極)106に取り付けられ、ターゲット(陰極)107はターゲット電極108に固定されており、電源109に接続されている。両極間に高電圧を印加することにより、グロー放電が発生し、例えばAr正イオンを加速してターゲット107に衝突させ、スパッタリングさせる。スパッタされた粒子は、基板105上に堆積し薄膜が形成される。スパッタ中、ターゲット107を冷却するために、ターゲット電極108には例えば水を循環される(110)。陰極へ印加する電源の種類によって、直流型と高周波型に分けられる。スパッタリング装置100は、スパッタ室101を複数個つないでもよいし、スパッタ室101に複数個のターゲット107を配置してもよい。そのような構造により、複数の成膜工程を実施して、多層に膜を積層することができる。以下の実施の形態のスパッタリングでも、同様の装置を用いることができる。
次に本発明のターゲットの製造方法について説明する。具体的にはZrO2とCr2O3とSb2O3とを含むターゲットの製造法について説明する。所定の粒径を有する高純度なZrO2の粉末、Cr2O3の粉末、Sb2O3の粉末を準備し、これらを所定の混合比になるように秤量して混合し、ホットプレス装置に入れる。ホットプレス装置を必要に応じて真空状態にし、所定の高圧力と高温条件下で所定の時間保持して、混合粉末を焼結させる。混合を十分に行うことにより、ターゲットの面内および厚み方向の組成が均一となる。また、圧力、温度および時間の条件を最適にすることにより、充填性が向上し、高密度のターゲットを製造することが可能になる。
このようにして、ZrO2とCr2O3とSb2O3とを所定の混合比で含むターゲットが完成する。焼結後、ターゲットは必要に応じてIn等の半田を用いて、例えば表面が平滑な銅板に接着させてもよい。これによりスパッタリング装置等に取り付けてスパッタリングすることができる。ターゲットは高い密度(粉末の充填率を示し、全く隙間無く粉末が充填されている状態を100%と定義する)を有していることが好ましい。ターゲットの密度は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である。
まず、基板11(例えば、厚み1100μm)を成膜装置内に配置する。
続けて、まず、反射層12を成膜する。このとき、基板11に案内溝が形成されているときは、この案内溝側に反射層12を成膜する。反射層12は、反射層12を構成する金属または合金からなるターゲットを、Ar、Xe、Krといった希ガス雰囲気中、または前記の希ガスと反応ガス(例えば、酸素ガスや窒素ガス)との混合ガス雰囲気中でスパッタリングすることにより形成される。
続いて、反射層12上に第2誘電体層13を成膜する。第2誘電体層13は第2誘電体層13を構成する誘電体の混合物からなるターゲットを用いて、Arガス雰囲気中、またはArと反応ガスとの混合ガス雰囲気中におけるスパッタリングにより形成できる。または構成する金属元素を含むターゲットを用いて、Arと反応ガスとの混合ガス雰囲気中における反応性スパッタリングにより形成もできる。
続いて、第2誘電体層13上に第2界面層14を成膜する。第2界面層14は、第2界面層14を構成する誘電体の混合物からなるターゲットを用いて、Arガス雰囲気中、またはArと反応ガスとの混合ガス雰囲気中におけるスパッタリングにより形成できる。または構成する金属元素を含むターゲットを用いて、Arと反応ガスとの混合ガス雰囲気中における反応性スパッタリングにより形成もできる。
また、第2界面層14に本発明の酸化物誘電体層を適用するときは、酸化物D1および酸化物D2から構成されるターゲットを用いて、Arガス雰囲気中、またはArと反応ガスとの混合ガス雰囲気中におけるスパッタリングにより形成できる。このターゲットにおけるD2の混合割合は40%以下であることが望ましい。さらには、D1およびD2中の必要な誘電体を含むターゲットを複数の電源を用いて同時にスパッタリングする共スパッタにより形成することもできる。
続いて、第2界面層14上に記録層15を成膜する。記録層15は、その組成に応じて、Sb−Te−Ge−M1やGe−M2−M3−Te合金からなるターゲットを用いて、Arガス雰囲気中、Krガス雰囲気中、Arと反応ガスとの混合ガス雰囲気中またはKrと反応ガスとの混合ガス雰囲気中におけるスパッタリングにより形成できる。
続いて、記録層15上に第1界面層16を成膜する。第1界面層16の形成方法は、第2界面層14と同様である。
続いて、第1界面層16上に第1誘電体層17を成膜する。第1誘電体層17は、第2誘電体層13と同様である。
上記各スパッタリング工程における電源は、直流(DC:Direct Current)電源および高周波(RF:Radio Frequency)電源を用いることができ、供給電力はともに1W〜10kWとした。なお、DC電源を用いて行うスパッタリングをDCスパッタリング、RF電源を用いて行うスパッタリングをRFスパッタリングと呼ぶ。
また、スパッタリング中における成膜室の圧力は、0.01Pa〜10Paとした。
最後に、第1誘電体層17上にカバー層18を形成する。カバー層18は、光硬化型樹脂(特に紫外線硬化型樹脂)や遅効性熱硬化型樹脂等の樹脂を第1の誘電体層17上に塗布しスピンコートとした後に、樹脂を硬化させることにより形成できる。またカバー層18には、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、またはポリメチルメタクリレート(PMMA)等の樹脂、あるいはガラスの円盤状の基板を用いてもよい。この場合は、第1誘電体層17に光硬化型樹脂(特に紫外線硬化型樹脂)や遅効性熱硬化型樹脂等の樹脂を塗布し、これらの基板を密着させ、スピンコートにより均一に延ばし、樹脂を硬化させることで形成できる。
なお、各層の成膜方法として、スパッタリング法以外に、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相堆積法(CVD法:Chemical Vapor Deposition)および分子線エピタキシー法(MBE法:Molecular Beam Epitaxy)を用いることも可能である。
なお、第1誘電体層17を成膜した後、またはカバー層18を形成した後、必要に応じて記録層15の全面を結晶化させる初期化工程を行ってもよい。この初期化は、レーザ光の照射により行うことができる。
上記は一例として、書換え形の情報記録媒体を中心に説明したが、本実施の形態は、追記形の情報記録媒体においても同様に適用できる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2として、レーザ光を用いて情報の記録及び再生を行う情報記録媒体のさらに別の一例を説明する。図3に、その光学的情報記録媒体の一部断面を示す。
本発明の実施の形態2として、レーザ光を用いて情報の記録及び再生を行う情報記録媒体のさらに別の一例を説明する。図3に、その光学的情報記録媒体の一部断面を示す。
図3に示す情報記録媒体2は、基板11の表面上に、反射層12、第2界面層14、記録層15、第1界面層16、第1誘電体層17、カバー層18がこの順に積層されることにより形成されている。この情報記録媒体2には第1誘電体層17側から記録・再生用のエネルギービーム(一般的には、レーザ光)19が照射される。
基板11、反射層12、第2界面層14、記録層15、第1界面層16、第1誘電体層17およびカバー層18は、それぞれ実施の形態1で示したものと材料、機能および形状も同様である。
第2界面層14の材料は実施の形態1で示したものと同様のものを用いることができる。また本実施の形態では、実施の形態1で示した第2誘電体層13の機能も有するため、膜は3nm〜40nmであることが好ましい。
まず、基板11(例えば、厚み1100μm)を成膜装置内に配置する。
続けて、反射層12、第2界面層14、記録層15、第1界面層16、第1誘電体層17を順次成膜する。形成方法はそれぞれ実施の形態1で示したものと同様である。最後にカバー層18を実施の形態1と同様の方法で形成する。
なお、第1誘電体層17を成膜した後、またはカバー層18を形成した後、必要に応じて記録層15の全面を結晶化させる初期化工程を行ってもよい。この初期化は、レーザ光の照射により行うことができる。
上記は一例として、書換え形の情報記録媒体について説明したが、本実施の形態は、追記形の情報記録媒体においても同様に適用できる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3として、レーザ光を用いて情報の記録及び再生を行う情報記録媒体のさらに別の一例を説明する。図4に、その光学的情報記録媒体の一部断面を示す。本実施の形態の情報記録媒体3は、情報を記録再生する情報層を2つ(第1情報層301および第2情報層302と記す。)含んでおり、片面からのエネルギービーム(一般的には、レーザ光)19の照射により、各情報層に対して情報を記録再生できる情報記録媒体である。
本発明の実施の形態3として、レーザ光を用いて情報の記録及び再生を行う情報記録媒体のさらに別の一例を説明する。図4に、その光学的情報記録媒体の一部断面を示す。本実施の形態の情報記録媒体3は、情報を記録再生する情報層を2つ(第1情報層301および第2情報層302と記す。)含んでおり、片面からのエネルギービーム(一般的には、レーザ光)19の照射により、各情報層に対して情報を記録再生できる情報記録媒体である。
まず、第1情報層301の構成について説明する。第1情報層301は基板11の表面上に、反射層12、第2誘電体層13、第2界面層14、記録層15、第1界面層16、第1誘電体層17がこの順に積層されることにより形成されている。基板11、反射層12、第2誘電体層13、第2界面層14、記録層15、第1界面層16および第1誘電体層17は、それぞれ実施の形態1および2で示したものと材料、機能および形状も同様である。なお、第1情報層301において、第2界面層14は必ずしも設ける必要はない。
光学分離層31は、光硬化型樹脂(特に紫外線硬化型樹脂)や遅効性熱硬化型樹脂等の樹脂、または誘電体等からなり、使用するレーザ光に対して光吸収が小さいことが好ましい。光学分離層31は、第1情報層301および第2情報層302のフォーカス位置を区別するために用いられ、厚さは対物レンズの開口数(NA)とレーザ光の波長λによって決定される焦点深度ΔZ以上であることが必要である。焦点の光強度の基準を無収差の場合の80%と仮定した場合、ΔZはΔZ=λ/{2(NA)}で近似できる。また、光学分離層31においてレーザ光の入射側に案内溝が形成されていてもよい。
次に第2情報層302の構成について説明する。第2情報層302は光学分離層31の表面上に、透過率調整層32、反射層33、第2誘電体層34、第2界面層35、記録層36、第1界面層37、第1誘電体層38がこの順に積層されることにより形成されている。なお、第2情報層302において、第2誘電体層34は必ずしも設ける必要はない。
透過率調整層32は、第1情報層302の透過率を調整する働きを有する。この層を設けることにより、記録層が結晶相時における第2情報層302の透過率Tc(%)と、記録層が非晶質相時における第2情報層302の透過率Ta(%)を共に高くすることができる。具体的には、透過率調整層32を設けた場合、透過率調整層32が無い場合に比べ、TcおよびTaを2〜10%向上することができる。また、記録層36において発生した熱を速やかに反射層33へ拡散し、記録層36を冷却する働きも有する。透過率をより高めるため、透過率調整層32の屈折率n1および減衰係数k1は、n1≧2.0およびn1≦0.1を満たすことが好ましく、さらにn1≧2.4およびk1≦0.05を満たすことがより好ましい。透過率調整層32には、TiO2、ZrO2、HfO2、ZnO、Nb2O5、Ta2O5、Al2O3、Bi2O3、Y2O3およびCeO2等の酸化物やTi−N、Zr−N、Nb−N、Ta−N、Si−N、Ge−N、Cr−N、Al−N、Ge−Si−NおよびGe−Cr−N等の窒化物を用いることができ、その膜厚d1は、(1/16)λ/n1≦d1≦(7/32)λ/n1または(9/16)λ/n1≦d1≦(21/32)λ/n1を満たすことが好ましい。
反射層33には、実施の形態1で示した反射層12と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。膜厚としては、4nm〜20nmの範囲内にあることが望ましく、7nm〜14nmの範囲内にあることがより好ましい。
第2誘電体層34には、実施の形態1で示した第2誘電体層13と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。膜厚としては、3nm〜30nmの範囲内にあることが望ましく、5nm〜17nmの範囲内にあることがより好ましい。
第2界面層35は、実施の形態1で示した第2界面層14と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。なお、第2誘電体層34を設けない場合は、膜厚としては、3nm〜30nmの範囲内にあることが望ましく、5nm〜17nmの範囲内にあることがより好ましい。
記録層36は、実施の形態1で示した記録層15と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様であるが、膜厚はレーザ光の透過率を上げるため、なるべく薄くすることが好ましく、4nm〜9nm範囲内にあることがより好ましい。
第1界面層37は、実施の形態1で示した第1界面層16と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。
第1誘電体層38は、実施の形態1で示した第1誘電体層17と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。膜厚としては、10nm〜120nmの範囲内にあることが望ましく、20nm〜70nmの範囲内にあることがより好ましい。
カバー層18は、実施の形態1で示したものと材料、機能および形状も同様である。
次に、本実施の形態で説明した情報記録媒体3の製造方法について説明する。
まず、基板11(例えば、厚み1100μm)を成膜装置内に配置する。
続けて第1情報層301を形成のため、反射層12、第2誘電体層13、第2界面層14、記録層15、第1界面層16、第1誘電体層17を順次成膜する。形成方法はそれぞれ実施の形態1で示したものと同様である。
続いて、第1誘電体層17上に光学分離層31を形成する。光学分離層31は、光硬化型樹脂(特に紫外線硬化型樹脂)や遅効性熱硬化型樹脂等の樹脂を第1情報層301上に塗布しスピンコートとした後に、樹脂を硬化させることにより形成できる。なお、光学分離層31に案内溝を設ける場合は表面に所定の形状の溝が形成された転写用基板(型)を硬化前の樹脂上に密着させた後、基板11と転写用基板とをスピンコートし、その後樹脂を硬化させる。さらにその後、転写用基板を硬化した樹脂から剥がすことにより、所定の案内溝が形成された光学分離層31が形成できる。
続けて第2情報層302を形成する。第2情報層302の形成にはまず透過率調整層32を形成する。透過率調整層32は、透過率調整層32を構成する誘電体からなるスパタリングターゲットを用いて、Arガス雰囲気中、またはArと反応ガスとの混合ガス雰囲気中におけるスパッタリングにより形成できる。また、透過率調整層32は、構成する金属元素を含むスパタリングターゲットを用いて、Arと反応ガスとの混合ガス雰囲気中における反応性スパッタリングにより形成もできる。
続けて、透過率調整層32上に反射層33を形成する。反射層33は、実施の形態1で説明した反射層12と同様の方法で形成できる。
続けて、反射層33上に第2誘電体層34を形成する。第2誘電体層34は、実施の形態1で説明した第2誘電体層13と同様の方法で形成できる。
続けて、第2誘電体層34上に第2界面層35を形成する。第2界面層35は、実施の形態1で説明した第2界面層14と同様の方法で形成できる。
続けて、第2界面層35上に記録層36を形成する。記録層36は、実施の形態1で説明した記録層15と同様の方法で形成できる。
続けて、記録層36上に第1界面層37を形成する。第1界面層37は、実施の形態1で説明した第1界面層16と同様の方法で形成できる。
続けて、第1界面層37上に第1誘電体層38を形成する。第1誘電体層38は、実施の形態1で説明した第1誘電体層17と同様の方法で形成できる。
最後に、第1誘電体層38上にカバー層18を実施の形態1と同様の方法で形成する。
なお、第1誘電体層17を成膜した後、光学分離層31またはカバー層18を形成した後、必要に応じて記録層15の全面を結晶化させる初期化工程を行ってもよい。また、第1誘電体層38を成膜した後、またはカバー層18を形成した後、必要に応じて記録層36の全面を結晶化させる初期化工程を行ってもよい。いずれの場合の初期化も、レーザ光の照射により行うことができる。
上記は一例として、書換え形の情報記録媒体について説明したが、本実施の形態は、追記形の情報記録媒体においても同様に適用できる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4として、レーザ光を用いて情報の記録及び再生を行う情報記録媒体のさらに別の一例を説明する。図5に、その光学的情報記録媒体の一部断面を示す。本実施の形態の情報記録媒体4は、情報を記録再生する情報層を3つ以上(第N情報層402(N>2の整数)〜第1情報層401)含んでおり、片面からのエネルギービーム(一般的には、レーザ光)19の照射により、各情報層に対して情報を記録再生できる情報記録媒体である。
本発明の実施の形態4として、レーザ光を用いて情報の記録及び再生を行う情報記録媒体のさらに別の一例を説明する。図5に、その光学的情報記録媒体の一部断面を示す。本実施の形態の情報記録媒体4は、情報を記録再生する情報層を3つ以上(第N情報層402(N>2の整数)〜第1情報層401)含んでおり、片面からのエネルギービーム(一般的には、レーザ光)19の照射により、各情報層に対して情報を記録再生できる情報記録媒体である。
まず、第1情報層401の構成について説明する。第1情報層401は基板11の表面上に、反射層12、第2誘電体層13、第2界面層14、記録層15、第1界面層16、第1誘電体層17がこの順に積層されることにより形成されている。基板11、反射層12、第2の誘電体層13、第2界面層14、記録層15、第1界面層16および第1誘電体層17は、それぞれ実施の形態1、2および3で示したものと材料、機能および形状も同様である。なお、第1情報層401において、第2誘電体層13は必ずしも設ける必要はない。
第2〜第(N−1)情報層および各情報層の間に設けられる光学分離層は、実施の形態3における第2情報層302および光学分離層31と同様の構成であり、各情報層の所望の透過率を得るために、各層の膜厚を調整したものである。
光学分離層41は、実施の形態3で示した光学分離層31と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。
次に第N情報層402の構成について説明する。第N情報層402は光学分離層41の表面上に、透過率調整層42、反射層43、第2誘電体層44、第2界面層45、記録層46、第1界面層47、第1誘電体層48がこの順に積層されることにより形成されている。なお、第N情報層402において、第2誘電体層44は必ずしも設ける必要はない。
透過率調整層42は、実施の形態3で示した光学分離層31と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。
反射層43には、実施の形態3で示した反射層33と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。
第2誘電体層44には、実施の形態3で示した第2誘電体層34と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。
第2界面層45は、実施の形態3で示した第2界面層35と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。
記録層46は、実施の形態3で示した記録層35と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。
第2界面層47は、実施の形態1で示した第2界面層37と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。
第1誘電体層48は、実施の形態1で示した第1誘電体層38と同様の材料を用いることができ、また、機能および形状も同様である。
カバー層18は、実施の形態1で示したものと材料、機能および形状も同様である。
次に、本実施の形態で説明した情報記録媒体4の製造方法について説明する。
まず、基板11(例えば、厚み1100μm)を成膜装置内に配置する。
続けて第1情報層401を形成のため、反射層12、第2誘電体層13、第2界面層14、記録層15、第1界面層16、第1誘電体層17を順次成膜する。形成方法はそれぞれ実施の形態1で示したものと同様である。
続いて、第1誘電体層17上に光学分離層を形成し、実施の形態3と同様に第2情報層から第(N−1)情報層を順次形成していく。形成方法はそれぞれ実施の形態3で示したものと同様である。
第(N−1)情報層上に光学分離層41を形成する。光学分離層41はそれぞれ実施の形態3で説明した光学分離層31と同様の方法で形成できる。
続けて第N情報層402を形成する。第N情報層402の形成にはまず透過率調整層42を形成する。透過率調整層42は、実施の形態3で説明した透過率調整層32と同様の方法で形成できる。
続けて、透過率調整層42上に反射層43を形成する。反射層43は、実施の形態3で説明した反射層33と同様の方法で形成できる。
続けて、反射層43上に第2誘電体層44を形成する。第2誘電体層44は、実施の形態3で説明した第2誘電体層34と同様の方法で形成できる。
続けて、第2誘電体層44上に第2界面層45を形成する。第2界面層45は、実施の形態3で説明した第2界面層35と同様の方法で形成できる。
続けて、第2界面層45上に記録層46を形成する。記録層46は、実施の形態3で説明した記録層36と同様の方法で形成できる。
続けて、記録層46上に第1界面層47を形成する。第1界面層47は、実施の形態3で説明した第1界面層37と同様の方法で形成できる。
続けて、第1界面層47上に第1誘電体層48を形成する。第1誘電体層48は、実施の形態3で説明した第1誘電体層38と同様の方法で形成できる。
最後に、第1誘電体層48上にカバー層18を実施の形態1と同様の方法で形成する。
なお、第1誘電体層17を成膜した後、またはカバー層18を形成した後、必要に応じて記録層15の全面を結晶化させる初期化工程を行ってもよい。同様に、各情報層における記録層の初期化を行うときは、最もレーザ入射側に近い誘電体層形成後、また前記誘電体層上の光学分離層形成後、またはカバー層18を形成した後に必要に応じて行えばよい。いずれの場合の初期化も、レーザ光の照射により行うことができる。
上記は一例として、書換え形の情報記録媒体について説明したが、本実施の形態は、追記型の情報記録媒体においても同様に適用できる。
(実施例1)
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
本実施例では情報記録媒体1の一例を説明する。以下、実施例1の情報記録媒体の製造方法である。
まず、基板11として、案内溝(深さ20nm、トラックピッチ0.32μm)が形成されたポリカーボネート基板を用意した。その基板上に、反射層12としてAg−Pd−Cu膜を100nm、第2誘電体層13としてTiO2を13nm、第2界面層14を5nm、記録層15として、組成式:Sb80.0Te14.0Ge6.0(原子%)で表されるものを10nm、第1界面層16を5nm、第1誘電体層17して、(ZnS)80(SiO2)20(mol%)を順次スパッタリング法により成膜した。その後に紫外線硬化樹脂を第1誘電体層17に塗布し、スピンコートした後に、紫外線により樹脂を硬化させ、カバー層18を形成し、情報記録媒体1を作製した。最後に、記録層15の全面をレーザビームで結晶化させる初期化工程を行った。
第1誘電体層17の膜厚は、マトリクス法に基づく計算により決定した。具体的には、405nmのレーザ光を入射したとき、記録層15が結晶相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が15%〜25%、記録層15が非晶質相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が3%〜6%となるように決定した。
以上のように作製された情報記録媒体1および従来例の情報記録媒体について、記録特性および信号信頼性を評価した。
記録特性の評価は、図6で示した記録再生装置5を用いて行った。レーザ光の波長は405nm、対物レンズの開口数NAは0.85、記録時の線速度は19.76m/sおよび9.84m/s、再生時の線速度は4.92m/s、最短マーク長は0.149μmであり、グルーブに情報の記録を行った。
記録は、0.149μm(2T)から0.596μm(8T)までのランダムな信号をBlu−ray Disc規格におけるDOW10方式で行い、前端ジッタ(記録マークの前端部のジッタ)、後端ジッタ(記録マークの後端部のジッタ)、および前端ジッタと後端ジッタの平均ジッタをタイム・インターバル・アナライザにより測定した。
また記録パルス(変調方式)は、Blu−ray Disc規格におけるN/2ライトストラテジを用いた。
信号信頼性の評価は、信号を記録した情報記録媒体を温度80℃、相対湿度20%の条件の恒温槽に50時間放置した後、同じ信号を再生し、加速試験前後でのジッタ変化量を評価する形で行った。
本実施例では、初期の記録特性において線速度19.76m/s記録のDOW10平均ジッタが7.0%以下のものを○、7.0%より大きく7.5%以下のものを△、7.5%より大きいものを×とした。また、信号信頼性評価において、線速度9.84m/s記録のジッタ変化量が2.0%以下のものを○、2.0%より大きく3.0%以下のものを△、3.0%より大きいものを×とした。
また総合評価として、DOW10と信号信頼性がともに○のものを◎、いずれか一方が○でもう一方が△のものを○、ともに△のものを△、いずれか一方でも×のものを×とした。
本実施例の情報記録媒体1の一例として、第2界面層14および第1界面層16に、組成式:(D1)(100−x)(D2)x(%)(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)で表される本発明の酸化物誘電体層において、x=10とし、(D1、D2)=(ZrO2、Sb2O3)、(ZrO2、SnO2)、(ZrO2、Bi2O3)、(HfO2、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Bi2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、SnO2)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)50(SiO2)50、Sb2O3)、((ZrO2)75(In2O3)25、Sb2O3)、((HfO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)25(In2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(Al2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(TiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、(ZrO2、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)および((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)としたものを適用した。これらのディスクNo.をそれぞれ1−101〜1−120とする。
なお本実施例では、誘電体層や界面層等での誘電体膜の形成には、上記組成のターゲットを用いてスパッタリングにより成膜しており、成膜中の酸素欠損等により、ターゲット組成と膜組成が必ずしも一致するとは限らない。
従来の界面層と比較するため、上記記載の構成の情報記録媒体における、第2界面層14および第1界面層16として(ZnS)80(SiO2)20、ZrO2および(ZrO2)50(SiO2)50を適用した情報記録媒体(ディスクNo.を1−001〜1−003とする。)を作製し、同様の評価を行った。結果に(表1)に示す。
(表1)に示すように本実施例におけるいずれの情報記録媒体1においても、従来例1−001、1−002より初期記録特性が改善した結果が得られた。つまり酸化物D2の添加により、高線速度記録に対応できる結晶化能が得られた。また、信号信頼性も従来例より上回る特性が得られた。これらの中でも1−107や1−113のようにD2をSbの酸化物にした場合に特に優れた特性が得られた。
次に、第1界面層16を(ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50とし、第2界面層14に本発明の酸化物誘電体層を適用した例を示す。
前記D1とD2の組成式においてx=20とし、(D1、D2)=(ZrO2、Sb2O3)、(ZrO2、SnO2)、(ZrO2、Bi2O3)、(HfO2、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Bi2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、SnO2)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)50(SiO2)50、Sb2O3)、((ZrO2)75(In2O3)25、Sb2O3)、((HfO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)25(In2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(Al2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(TiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、(ZrO2、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)および((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)としたものを適用した。これらのディスクNo.をそれぞれ1−201〜1−220とする。
従来の界面層と比較するため、上記記載の構成の情報記録媒体における、第2界面層14として(ZnS)80(SiO2)20、ZrO2および(ZrO2)50(SiO2)50を適用した情報記録媒体(ディスクNo.を1−004〜1−006とする。)を作製し、同様の評価を行った。結果を(表2)に示す。
(表2)に示すように第2界面層14に本発明の酸化物誘電体層を適用した場合も、上記第2界面層14および第1界面層16に適用したときと同様、従来例より上回る特性が得られた。
次に、第2界面層14を(ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50とし、第1界面層16に本発明の酸化物誘電体層を適用した例を示す。
前記D1とD2の組成式においてx=20とし、(D1、D2)=(ZrO2、Sb2O3)、(ZrO2、SnO2)、(ZrO2、Bi2O3)、(HfO2、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Bi2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、SnO2)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)50(SiO2)50、Sb2O3)、((ZrO2)75(In2O3)25、Sb2O3)、((HfO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)25(In2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(Al2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(TiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、(ZrO2、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)および((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)としたものを適用した。これらのディスクNo.をそれぞれ1−301〜1−320とする。
従来の界面層と比較するため、上記記載の構成の情報記録媒体における、第1界面層16として(ZnS)80(SiO2)20、ZrO2および(ZrO2)50(SiO2)50を適用した情報記録媒体(ディスクNo.を1−007〜1−009とする。)を作製し、同様の評価を行った。結果を(表3)に示す。
(表3)に示すように第1界面層16に本発明の酸化物誘電体層を適用した場合も、上記第2界面層14および第1界面層16に適用したときと同様、従来例より上回る特性が得られた。
次に、第2界面層14および第1界面層16を前記D1とD2の組成式において、D1=(ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、D2=Sb2O3およびBi2O3の酸化物誘電体層とし、組成比xをx=5、10、20、30および40とした情報記録媒体の評価を行った。これらのディスクNo.をそれぞれ1−401〜1−410とする。結果を(表4)に示す。
(表4)に示すようにD2の組成比が増えると、マークの安定性が乏しくなり信号信頼性が悪化する。また、結晶化能も過剰になりすぎ、初期記録特性も悪化する。そのため、D2の組成比としては30%以下が好ましい。
次に、第2界面層14および第1界面層16を(ZrO2)25(SiO2)20(Cr2O3)45(Sb2O3)10とし、第1誘電体層の膜厚を1nm、2nm、3nm、5nm、10nmおよび15nmとした情報記録媒体の評価を行った。これらのディスクNo.をそれぞれ1−501〜1−506とする。結果を(表5)に示す。
(表5)に示すように第1界面層16の膜厚が1nmと薄くなると、記録時の第1誘電体層からの元素拡散を抑制する機能が弱まることで、結晶化能の低下につながり、初期記録特性が悪化する。また15nmと厚い場合は、界面層における光吸収が増え、記録層におけるマークの信号品質の劣化につながる。そのため初期記録特性が悪化する。よって界面層の膜厚は2nm以上10nm以下であることが好ましい。
上記と同様にD1およびD2におけるすべての酸化物で検証を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
以上のように、本発明において、従来を上回る特性を有する情報記録媒体が得られた。
(実施例2)
本実施例では情報記録媒体2の一例を説明する。以下、実施例2の情報記録媒体の製造方法である。
本実施例では情報記録媒体2の一例を説明する。以下、実施例2の情報記録媒体の製造方法である。
まず、基板11として、案内溝(深さ20nm、トラックピッチ0.32μm)が形成されたポリカーボネート基板を用意した。その基板上に、反射層12としてAg−Pd−Cu膜を100nm、第2界面層14、記録層15として、組成式:Sb80.0Te14.0Ge6.0(原子%)で表されるものを10nm、第1界面層16を5nm、第1誘電体層17して、(ZnS)80(SiO2)20(mol%)を順次スパッタリング法により成膜した。その後に紫外線硬化樹脂を第1誘電体層17に塗布し、スピンコートした後に、紫外線により樹脂を硬化させ、カバー層18を形成し、情報記録媒体12を作製した。最後に、記録層15の全面をレーザビームで結晶化させる初期化工程を行った。
第2界面層14および第1誘電体層17の膜厚は、マトリクス法に基づく計算により決定した。具体的には、405nmのレーザ光を入射したとき、記録層15が結晶相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が15%〜25%、記録層15が非晶質相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が3%〜6%となるように決定した。
以上のように作製された情報記録媒体2および従来例の情報記録媒体について、実施例2と同様の方法で、記録特性および信号信頼性を評価した。
まず、第2界面層14に(ZrO2)35(SiO2)35(Cr2O3)40を起用し、第1界面層16に本発明の酸化物誘電体層を適用した例を示す。
実施例1中のD1とD2の組成式においてx=10とし、(D1、D2)=(ZrO2、Sb2O3)、(ZrO2、SnO2)、(ZrO2、Bi2O3)、(HfO2、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Bi2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、SnO2)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)50(SiO2)50、Sb2O3)、((ZrO2)75(In2O3)25、Sb2O3)、((HfO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)25(In2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(Al2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(TiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、(ZrO2、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)および((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)としたものを適用した。これらのディスクNo.をそれぞれ2−101〜2−120とする。
従来の界面層と比較するため、上記記載の構成の情報記録媒体における、第1界面層16として(ZnS)80(SiO2)20、ZrO2および(ZrO2)50(SiO2)50を適用した情報記録媒体(ディスクNo.を2−001〜2−003とする。)を作製し、同様の評価を行った。結果を(表6)に示す。
(表6)に示すように実施例1同様に、従来例より上回る特性が得られた。
次に、第2界面層14に(ZrO2)25(SiO2)20(Cr2O3)45(Sb2O3)10を起用し、第1界面層16に本発明の酸化物誘電体層を適用した例を示す。
実施例1中のD1とD2の組成式においてx=10とし、(D1、D2)=(ZrO2、Sb2O3)、(ZrO2、SnO2)、(ZrO2、Bi2O3)、(HfO2、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Bi2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、SnO2)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)50(SiO2)50、Sb2O3)、((ZrO2)75(In2O3)25、Sb2O3)、((HfO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)25(In2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(Al2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(TiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、(ZrO2、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)および((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)としたものを適用した。これらのディスクNo.をそれぞれ2−201〜2−220とする。
従来の界面層と比較するため、上記記載の構成の情報記録媒体における、第1界面層16として(ZnS)80(SiO2)20、ZrO2および(ZrO2)50(SiO2)50を適用した情報記録媒体(ディスクNo.を2−004〜2−006とする。)を作製し、同様の評価を行った。結果を(表7)に示す。
(表7)に示すように実施例1同様に、従来例より上回る特性が得られた。
上記と同様にD1およびD2におけるすべての酸化物で検証を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
以上のように、本発明において、従来を上回る特性を有する情報記録媒体が得られた。
(実施例3)
本実施例では情報記録媒体3の一例を説明する。情報記録媒体3の情報層301の形成方法は実施例1と同様である。本実施例においては、第2界面層14および第1界面層16に本発明の酸化物誘電体層を適用した例を示す。実施例1中のD1とD2の組成式においてx=10とし、(D1、D2)=(ZrO2、Sb2O3)、(ZrO2、SnO2)、(ZrO2、Bi2O3)、(HfO2、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Bi2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、SnO2)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)50(SiO2)50、Sb2O3)、((ZrO2)75(In2O3)25、Sb2O3)、((HfO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)25(In2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(Al2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(TiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、(ZrO2、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)および((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)としたものを適用した。これらのディスクNo.をそれぞれ3−101〜3−120とする。
本実施例では情報記録媒体3の一例を説明する。情報記録媒体3の情報層301の形成方法は実施例1と同様である。本実施例においては、第2界面層14および第1界面層16に本発明の酸化物誘電体層を適用した例を示す。実施例1中のD1とD2の組成式においてx=10とし、(D1、D2)=(ZrO2、Sb2O3)、(ZrO2、SnO2)、(ZrO2、Bi2O3)、(HfO2、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Bi2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、SnO2)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)50(SiO2)50、Sb2O3)、((ZrO2)75(In2O3)25、Sb2O3)、((HfO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)25(In2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(Al2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(TiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、(ZrO2、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)および((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)としたものを適用した。これらのディスクNo.をそれぞれ3−101〜3−120とする。
情報層301上に案内溝の設けられた光学分離層31を形成した。
続けて、光学分離層31上に情報層302を形成する。情報層302は透過率調整層32としてTiO2を20nm(≒(11/80)λ/n)、反射層33としてAg−Pd−Cu膜を9nm、第2誘電体層34としてAl2O3膜、第2界面層35として、組成式:(ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50(mol%)を3nm、記録層36として、組成式:Ge34.9Bi6.4Te51.7Sn6.5In0.5(原子%)で表されるものを7.5nm、第1界面層37としてZrO2−SiO2−Cr2O3膜(具体的には、組成式:(ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50(mol%))を5nm、第1誘電体層38して、(ZnS)80(SiO2)20(mol%)を順次スパッタリング法により成膜した。最後に紫外線硬化樹脂を第1誘電体層38に塗布し、スピンコートした後に、紫外線により樹脂を硬化させ、カバー層18を形成し、情報記録媒体3を作製した。
第2誘電体層34および第1誘電体層38の膜厚は、マトリクス法に基づく計算により決定した。具体的には、405nmのレーザ光を入射したとき、記録層36が結晶相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が3.5%〜8%、記録層36が非晶質相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が0.5%〜5%、透過率Tc(%)および透過率Ta(%)がともに45%〜55%となるように決定した。
以上のように作製された情報記録媒体3(ディスクNo.を3−101〜3−120)について、情報層301の評価を実施例1と同様に行った。
以上のように作製された情報記録媒体3(ディスクNo.を3−101〜3−120)について、情報層301の評価を実施例1と同様に行った。
従来の界面層と比較するため、情報層301の第2界面層14および第1界面層16として(ZnS)80(SiO2)20、ZrO2および(ZrO2)50(SiO2)50を適用した情報記録媒体(ディスクNo.を3−001〜3−003とする。)を作製し、同様の評価を行った。結果を(表8)に示す。
(表8)に示すように実施例1同様に、従来例より上回る特性が得られた。
上記と同様にD1およびD2におけるすべての酸化物で検証を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
以上のように、本発明において、従来を上回る特性を有する情報記録媒体が得られた。
(実施例4)
本実施例では実施例3に記載の情報記録媒体3において、情報層302の第2界面層35および第2界面層37に本発明の酸化物誘電体層を適用した例を示す。
本実施例では実施例3に記載の情報記録媒体3において、情報層302の第2界面層35および第2界面層37に本発明の酸化物誘電体層を適用した例を示す。
本実施例では、情報記録媒体3の情報層301の第2界面層14および第1界面層16には、(ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50を適用した。
また、情報層302の第2界面層37および第1界面層35には、実施例1中のD1とD2の組成式においてx=10とし、(D1、D2)=(ZrO2、Sb2O3)、(ZrO2、SnO2)、(ZrO2、Bi2O3)、(HfO2、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Bi2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、SnO2)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)50(SiO2)50、Sb2O3)、((ZrO2)75(In2O3)25、Sb2O3)、((HfO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)25(In2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(Al2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(TiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、(ZrO2、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)および((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)としたものを適用した。これらのディスクNo.をそれぞれ4−101〜4−120とする。
本実施例における評価は、実施例1と同様、図6で示した記録再生装置5を用いて行った。レーザ光の波長や光学系は実施例1と同様である。
記録は、まず0.671μm(9T)の単一信号を1トラックに10回オーバーライトし、スペクトラム・アナライザによりAmp.およびCNR値を測定した。その上に0.149μm(2T)の単一信号を1回オーバーライトし、消去率を測定した。記録パルス(変調方式)は、実施例1と同様、Blu−ray Disc規格におけるN/2ライトストラテジを用いた。
信号信頼性の評価は、信号を記録した情報記録媒体を温度80℃、相対湿度20%の条件の恒温槽に50時間放置した後、同じ信号を再生し、加速試験前後でのCNR変化量を評価する形で行った。
本実施例では、初期の記録特性において線速度19.76m/s記録の消去率が28以上のものを○、28dBより小さく24dB以上のものを△、24dBより小さいものを×とした。また、信号信頼性評価において、線速度9.84m/s記録のCNR変化量が1dB以下のものを○、1dBより大きく2dB以下のものを△、2dBより大きいものを×とした。
また総合評価として、DOW10と信号信頼性がともに○のものを◎、いずれか一方が○でもう一方が△のものを○、ともに△のものを△、いずれか一方でも×のものを×とした。
従来の界面層と比較するため、情報層302の第2界面層35および第1界面層37として(ZnS)80(SiO2)20、ZrO2および(ZrO2)50(SiO2)50を適用した情報記録媒体(ディスクNo.を4−001〜4−003とする。)を作製し、同様の評価を行った。結果を(表9)に示す。
(表9)に示すように実施例1同様に、従来例より上回る特性が得られた。
上記と同様にD1およびD2におけるすべての酸化物で検証を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
以上のように、本発明において、従来を上回る特性を有する情報記録媒体が得られた。
(実施例5)
本実施例では情報記録媒体4の一例を説明する。本実施例では情報層を3つ有する情報記録媒体を作製した。情報記録媒体4の第1情報層401の形成方法は実施例1と同様である。第1誘電体層17の膜厚は、マトリクス法に基づく計算により決定した。具体的には、405nmのレーザ光を入射したとき、記録層15が結晶相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が18%〜28%、記録層15が非晶質相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が3%〜8%となるように決定した。本実施例においては、第2界面層14および第1界面層16に本発明の酸化物誘電体層を適用した例を示す。実施例1中のD1とD2の組成式においてx=10とし、(D1、D2)=(ZrO2、Sb2O3)、(ZrO2、SnO2)、(ZrO2、Bi2O3)、(HfO2、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Bi2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、SnO2)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)50(SiO2)50、Sb2O3)、((ZrO2)75(In2O3)25、Sb2O3)、((HfO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)25(In2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(Al2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(TiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、(ZrO2、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)および((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)としたものを適用した。これらのディスクNo.をそれぞれ5−101〜5−120とする。
本実施例では情報記録媒体4の一例を説明する。本実施例では情報層を3つ有する情報記録媒体を作製した。情報記録媒体4の第1情報層401の形成方法は実施例1と同様である。第1誘電体層17の膜厚は、マトリクス法に基づく計算により決定した。具体的には、405nmのレーザ光を入射したとき、記録層15が結晶相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が18%〜28%、記録層15が非晶質相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が3%〜8%となるように決定した。本実施例においては、第2界面層14および第1界面層16に本発明の酸化物誘電体層を適用した例を示す。実施例1中のD1とD2の組成式においてx=10とし、(D1、D2)=(ZrO2、Sb2O3)、(ZrO2、SnO2)、(ZrO2、Bi2O3)、(HfO2、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Bi2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、SnO2)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)50(SiO2)50、Sb2O3)、((ZrO2)75(In2O3)25、Sb2O3)、((HfO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)25(In2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(Al2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(TiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、(ZrO2、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)および((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)としたものを適用した。これらのディスクNo.をそれぞれ5−101〜5−120とする。
続けて、実施例3同様に光学分離層と第2および第3情報層402を形成する。
第2情報層は透過率調整層としてTiO2を20nm(≒(11/80)λ/n)、反射層としてAg−Pd−Cu膜を8nm、第2誘電体層としてAl2O3膜、第2界面層として、組成式:(ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50(mol%)を3nm、記録層として、組成式:Ge34.9Bi6.4Te51.7Sn6.5In0.5(原子%)で表されるものを7.5nm、第1界面層として、組成式:(ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50(mol%)を5nm、第1誘電体層38して、(ZnS)80(SiO2)20(mol%)を順次スパッタリング法により成膜した。第2誘電体層および第1誘電体層の膜厚は、マトリクス法に基づく計算により決定した。具体的には、405nmのレーザ光を入射したとき、記録層が結晶相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が1%〜8%、記録層が非晶質相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が0.5%〜5%、透過率Tc(%)および透過率Ta(%)がともに45%〜60%となるように決定した。
第3情報層402は透過率調整層42としてTiO2を16nm(≒(10/80)λ/n)、反射層43としてAg−Pd−Cu膜を7nm、第2誘電体層44としてAl2O3膜、第2界面層45として、組成式:(ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50(mol%)を3nm、記録層46として、組成式:Ge34.9Bi6.4Te51.7Sn6.5In0.5(原子%)で表されるものを6.0nm、第1界面層47として、組成式:(ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50(mol%)を5nm、第1誘電体層48して、(ZnS)80(SiO2)20(mol%)を順次スパッタリング法により成膜した。最後に紫外線硬化樹脂を第1誘電体層48に塗布し、スピンコートした後に、紫外線により樹脂を硬化させ、カバー層18を形成し、情報記録媒体4を作製した。第2誘電体層44および第1誘電体層48の膜厚は、マトリクス法に基づく計算により決定した。具体的には、405nmのレーザ光を入射したとき、記録層が結晶相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が1%〜6%、記録層が非晶質相時の情報記録媒体の反射率(基板の鏡面部における反射)が0.2%〜4%、透過率Tc(%)および透過率Ta(%)がともに50%〜65%となるように決定した。
以上のように作製された情報記録媒体4(ディスクNo.を5−101〜5−120)について、情報層301の評価を実施例1と同様に行った。
ただし本実施例では、初期の記録特性において線速度19.76m/s記録のDOW10平均ジッタが8.0%以下のものを○、8.0%より大きく9%以下のものを△、9%より大きいものを×とした。また、信号信頼性評価において、線速度9.84m/s記録のジッタ変化量が2.0%以下のものを○、2.0%より大きく3.0%以下のものを△、3.0%より大きいものを×とした。
また総合評価として、DOW10と信号信頼性がともに○のものを◎、いずれか一方が○でもう一方が△のものを○、ともに△のものを△、いずれか一方でも×のものを×とした。
従来の界面層と比較するため、情報層401の第2界面層14および第1界面層16として(ZnS)80(SiO2)20、ZrO2および(ZrO2)50(SiO2)50を適用した情報記録媒体(ディスクNo.を5−001〜5−003とする。)を作製し、同様の評価を行った。結果を(表10)に示す。
(表10)に示すように実施例1同様に、従来例より上回る特性が得られた。
上記と同様にD1およびD2におけるすべての酸化物で検証を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
以上のように、本発明において、従来を上回る特性を有する情報記録媒体が得られた。
(実施例6)
本実施例では実施例5に記載の情報記録媒体4において、第3情報層402の第2界面層45および第1界面層47に本発明の酸化物誘電体層を適用した例を示す。
本実施例では実施例5に記載の情報記録媒体4において、第3情報層402の第2界面層45および第1界面層47に本発明の酸化物誘電体層を適用した例を示す。
本実施例では、情報記録媒体4の情報層401の第2界面層14および第1界面層16には、(ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50を適用した。
また、第3情報層402の第2界面層45および第1界面層47には、実施例1中のD1とD2の組成式においてx=10とし、(D1、D2)=(ZrO2、Sb2O3)、(ZrO2、SnO2)、(ZrO2、Bi2O3)、(HfO2、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Sb2O3)、((ZrO2)90(Y2O3)10、Bi2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、SnO2)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)50(SiO2)50、Sb2O3)、((ZrO2)75(In2O3)25、Sb2O3)、((HfO2)50(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、Bi2O3)、((ZrO2)25(In2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(Al2O3)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、((ZrO2)25(TiO2)25(Cr2O3)50、Sb2O3)、(ZrO2、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)、((ZrO2)50(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)および((ZrO2)25(SiO2)25(Cr2O3)50、(Sb2O3)75(Bi2O3)25)としたものを適用した。これらのディスクNo.をそれぞれ6−101〜6−120とする。
本実施例における評価は、実施例4と同様の方法で行った。
従来の界面層と比較するため、第3情報層402の第2界面層45および第1界面層47として(ZnS)80(SiO2)20、ZrO2および(ZrO2)50(SiO2)50を適用した情報記録媒体(ディスクNo.を6−001〜6−003とする。)を作製し、同様の評価を行った。結果を(表11)に示す。
(表11)に示すように実施例1同様に、従来例より上回る特性が得られた。
上記と同様にD1およびD2におけるすべての酸化物で検証を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
以上のように、本発明において、従来を上回る特性を有する情報記録媒体が得られた。
以上、本発明の実施の形態について例を取り上げ説明したが、前述したように本発明は上記の実施の形態に限定されず本発明の技術発想に基づいて他の実施の形態にも適用できる。例えば、実施の形態4で示すような複数の情報層を有する多層情報記録媒体においては、いずれかの情報層に追記形や再生専用形の情報層を含んでいてもよい。
本発明の情報記録媒体とその製造方法は、優れた誘電体材料を有し、大容量な光学的情報記録媒体として、例えばBlu−ray Disc、HD−DVD、DVD−RAMのようなDVD(Digital Versatile Disc)に有用である。また、直径6cmや8cmのような小径ディスクに応用することもできる。さらに、電気的情報記録媒体として、電気的なスイッチング素子としても有用である。いずれも書換え形や追記形に応用することが可能である。
1,2,3,4,55 情報記録媒体
5 記録再生装置
11,105 基板
12,33,43 反射層
13,34,44 第2誘電体層
14,35,45 第2界面層
15,36,46 記録層
16,37,47 第1界面層
17,38,48 第1誘電体層
18 カバー層
19,56 エネルギービーム(レーザ光)
31,41 光学分離層
32,42 透過率調整層
51 スピンドルモータ
52 半導体レーザ
53 光学ヘッド
54 対物レンズ
100 スパッタリング装置
101 スパッタ室
102 排気口
103 真空ポンプ
104 スパッタガス導入口
106 基板ホルダー
107 ターゲット
108 ターゲット電極
109 電源
110 水循環系
301,302,401,402 情報層
5 記録再生装置
11,105 基板
12,33,43 反射層
13,34,44 第2誘電体層
14,35,45 第2界面層
15,36,46 記録層
16,37,47 第1界面層
17,38,48 第1誘電体層
18 カバー層
19,56 エネルギービーム(レーザ光)
31,41 光学分離層
32,42 透過率調整層
51 スピンドルモータ
52 半導体レーザ
53 光学ヘッド
54 対物レンズ
100 スパッタリング装置
101 スパッタ室
102 排気口
103 真空ポンプ
104 スパッタガス導入口
106 基板ホルダー
107 ターゲット
108 ターゲット電極
109 電源
110 水循環系
301,302,401,402 情報層
Claims (16)
- 少なくとも記録層を有し、前記記録層がレーザ光の照射により、情報を記録または再生する情報記録媒体であって、酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)および酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)を含む酸化物誘電体層を備えることを特徴とする情報記録媒体。
- 前記酸化物誘電体層が前記酸化物D2を30%以下で含むことを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- 前記酸化物D2がSbからなる酸化物である請求項1に記載の情報記録媒体。
- 少なくとも第2界面層、前記記録層、第1界面層をこの順に備え、前記第1界面層からレーザ光が入射する情報記録媒体であって、前記第1界面層および前記第2界面層のうち少なくとも一方が前記酸化物誘電体層であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- 前記第1界面層および第2界面層の膜厚が2nm以上10nm以下である請求項4に記載の情報記録媒体。
- レーザ光入射側から第N情報層〜第1情報層(Nは2以上の整数)を有し、少なくとも一つの前記情報層が第1界面層、前記記録層、第2界面層をこの順に備え、前記第2界面層からレーザ光が入射する情報記録媒体であって、前記第1界面層および前記第2界面層のうち少なくとも一方が前記酸化物層であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- 前記記録層がSbTeGeM1(但し、M1はAu、In、Al、Ga、C、Si、Zn、Mn、SnおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素)からなることを特徴とする請求項1〜6に記載の情報記録媒体。
- 前記記録層をSbaTebGecM1(100−a−b−c)(原子%)と表した場合、70≦a≦90、0≦b≦25、3≦c≦25である請求項7に記載の情報記録媒体。
- 少なくとも記録層と、酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)および酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)を含む酸化物誘電体層を有する情報記録媒体において、前記酸化物誘電体層を酸化物D1および酸化物D2を含むターゲットを用いて、スパッタリング法により形成する工程を含むことを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
- 前記ターゲットにおいて、前記酸化物D2を40%以下で含むことを特徴とする請求項9に記載の情報記録媒体の製造方法。
- 前記ターゲットにおいて、前記酸化物D2がSbからなる酸化物であることを特徴とする請求項9に記載の情報記録媒体の製造方法。
- 少なくとも記録層および酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)、および酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)を含む酸化物誘電体層を有する情報記録媒体において、前記酸化物誘電体層を酸化物D1からなるターゲットと酸化物D2からなるターゲットを用いて、2つのカソードより同時にスパッタリングすることにより形成する工程を含むことを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
- 前記ターゲットにおいて、前記酸化物D2がSbからなる酸化物であることを特徴とする請求項12に記載の情報記録媒体の製造方法。
- 酸化物D1(但し、D1はZr、Hf、Y、In、Al、Ti、CrおよびSiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)および酸化物D2(但し、D2はSb、Sn、TeおよびBiより選ばれる少なくとも一つの元素を有する酸化物)を含むターゲット。
- 前記ターゲットにおいて、酸化物D2を40%以下で含むことを特徴とする請求項14に記載のターゲット。
- 前記ターゲットにおいて、前記酸化物D2がSbからなる酸化物であることを特徴とする請求項14に記載のターゲット。
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JP2008057441A JP2009217862A (ja) | 2008-03-07 | 2008-03-07 | 情報記録媒体、並びにターゲットおよびそれを用いた情報記録媒体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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-
2008
- 2008-03-07 JP JP2008057441A patent/JP2009217862A/ja active Pending
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