JP2009216327A - 加湿装置 - Google Patents

加湿装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009216327A
JP2009216327A JP2008061585A JP2008061585A JP2009216327A JP 2009216327 A JP2009216327 A JP 2009216327A JP 2008061585 A JP2008061585 A JP 2008061585A JP 2008061585 A JP2008061585 A JP 2008061585A JP 2009216327 A JP2009216327 A JP 2009216327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
discharge
storage tank
air
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008061585A
Other languages
English (en)
Inventor
Korehiro Odo
維大 大堂
Toshio Tanaka
利夫 田中
Kanji Mogi
完治 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2008061585A priority Critical patent/JP2009216327A/ja
Publication of JP2009216327A publication Critical patent/JP2009216327A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】放電による活性種の生成量を安定させて水の浄化効率を向上させることができる加湿装置を提供する。
【解決手段】貯留タンク(41)内の水の増減に応じて浮遊部材(51)を上下方向に移動させ、その動きに同期して、水浄化用放電部(53)を、水面(L)との間隔を略一定に保ちながら上下方向に移動させるとともに、水面(L)に向かって放電を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、加湿装置に関するものである。
従来より、水を貯留するための貯留タンクを備え、この貯留タンク内の水を空気中へ付与して空気を加湿する加湿装置が広く知られている。例えば、特許文献1に記載されている加湿装置は、空気通路に跨るように配置される円板状の加湿ロータを備え、その下部が貯留タンク内の水中に配置されている。加湿装置の運転時には、加湿ロータが連続的に回転する。加湿ロータでは、貯留タンク内で水分を含んだ部位が前記空気通路まで変位する。この部位を空気が通過することで、加湿ロータ中の水分が空気へ付与される。以上のようにして加湿された空気は、空気通路を流出して室内等へ供給される。
ところで、このような加湿装置では、貯留タンク内に水が貯留されるので、この水中で菌が増殖して水が汚染されることがある。また、例えば空気通路を流れる空気中にアンモニア等の物質(有害物質や臭気物質)が含まれている場合、この物質が水中に溶解して貯留タンク内の水が汚染されることもある。
そこで、水を浄化する技術として、特許文献2には、放電が行われる放電処理手段としての放電電極を水面より上方に配置して、水面に対して放電照射を行う浄化装置が開示されている。この技術を加湿装置における加湿水の浄化に適用すれば、水面に放電照射を行って水中にラジカル等の活性種を生成することで、活性種により水中の殺菌を行ったり、水中に溶存する有害物質等を酸化分解して除去できる。
特開2007−139251号公報 特許第3322654号公報
しかしながら、従来の加湿装置では、加湿装置の動作に伴う加湿水の消費や、貯留タンク内への加湿水の補充により水位が大きく変動して、放電電極と水面との間隔を一定に保つことができず、その間隔が短くなり過ぎてスパーク等の異常放電が生じたり、間隔が長くなり過ぎて活性種の生成量が減少したりするという問題がある。
また、加湿装置に振動等が加わることで貯留タンク内の水面が波打ちすると、放電電極と水面との間隔が断続的に変化して、放電による活性種の生成量が不安定になるため水の浄化効率が悪くなるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、放電による活性種の生成量を安定させて水の浄化効率を向上させることができる加湿装置を提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明は、貯留タンク内に貯留された水の水位が変動しても放電処理手段と水面との間隔を一定に保つことができるようにした。
具体的に、本発明は、水を貯留するための貯留タンク(41)を備え、該貯留タンク(41)内の水を空気中へ付与して空気を加湿する加湿装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明に係る加湿装置は、前記貯留タンク(41)内に貯留された水の水面(L)又は水中に浮遊する浮遊部材(51)と、
前記貯留タンク(41)内の水面(L)より上方に配置され且つ前記浮遊部材(51)に取り付けられて、水を浄化するための活性種を生成するように放電が行われる放電処理手段(53)とを備え、
前記放電処理手段(53)は、前記貯留タンク(41)内の水の増減に応じた前記浮遊部材(51)の上下方向への移動に同期して、水面(L)と略一定の間隔を保ちながら上下方向に移動するとともに水面(L)に向かって放電が行われるように構成されていることを特徴とするものである。
第1の発明に係る加湿装置によれば、貯留タンク(41)内の水面(L)又は水中には浮遊部材(51)を浮遊させている。そして、放電処理手段(53)は水面(L)よりも上方に所定の間隔をあけて配置され、浮遊部材(51)に取り付けられている。また、放電処理手段(53)は、水面(L)に向かって放電を行うことで活性種を生成して水を浄化するように構成されている。
このような構成とすれば、浮遊部材(51)は、貯留タンク(41)内の水の増減に応じて上下方向に移動し、その動きに同期して、放電処理手段(53)は、水面(L)との間隔を略一定に保ちながら上下方向に移動するとともに、水面(L)に向かって放電を行うので、活性種の生成量を安定させて水の浄化効率を向上させることができる。
第2の発明に係る加湿装置は、第1の発明に係る加湿装置において、
前記放電処理手段(53)と対向して前記浮遊部材(51)に設けられ、水面(L)との間に水膜(85)が形成されるように水中で且つ水面(L)付近に配置された対向部材(51)を備え、
前記放電処理手段(53)は、前記水膜(85)に向かって放電が行われるように構成されていることを特徴とするものである。
第2の発明に係る加湿装置によれば、浮遊部材(51)には、放電処理手段(53)と対向して水中で且つ水面(L)付近に対向部材(51)が設けられ、その上面と水面(L)との間には水膜(85)が形成されている。そして、放電処理手段(53)は、水膜(85)に向かって放電が行われるように構成されている。
このような構成とすれば、水膜(85)に表面張力が働いて水面(L)よりも隆起するので、貯留タンク(41)に振動等が加わることで水面(L)が波打ちしても、その揺れの影響が水膜(85)に伝わるのを抑制することができ、放電処理手段(53)により、水膜(85)との間隔を略一定に保ちながら水膜(85)に向かって放電を行うことで、活性種の生成量を安定させて水の浄化効率を向上させることができる。
第3の発明に係る加湿装置は、第2の発明に係る加湿装置において、
前記対向部材(51)における少なくとも水膜(85)が形成される面には、凹凸部(56)が形成されていることを特徴とするものである。
第3の発明に係る加湿装置によれば、対向部材(51)の水膜(85)が形成される面には凹凸部(56)が形成されている。これにより、表面積が大きくなるので水が保持され易くなり、多量の水と活性種とを反応させることができ、水の浄化効率を向上させることができる。
第4の発明に係る加湿装置は、第1乃至第3のうち何れか1つの発明に係る加湿装置において、
前記貯留タンク(41)内を、外部から水が供給される水供給領域(S1)と、前記放電処理手段(53)が配置されて放電が行われる放電領域(S2)とに区画する区画部材(57)を備え、
前記区画部材(57)には、前記水供給領域(S1)と前記放電領域(S2)とを連通する連通孔(57a)が形成されていることを特徴とするものである。
第4の発明に係る加湿装置によれば、貯留タンク(41)内は、区画部材(57)により外部から水が供給される水供給領域(S1)と、放電処理手段(53)が配置されて放電が行われる放電領域(S2)とに区画されている。そして、区画部材(57)には、水供給領域(S1)と放電領域(S2)とを連通する連通孔(57a)が形成され、水供給領域(S1)に供給された水が放電領域(S2)に徐々に流入するようになっている。
ここで、貯留タンク(41)内を、水供給領域(S1)と放電領域(S2)とに区画しなかった場合、水の補充時において、貯留タンク(41)内に多量の水が一斉に供給されると、貯留タンク(41)内の水位が急激に変動することになる。そうすると、水の増加に伴う浮遊部材(51)の上方向への移動が水位の変動に追従できなくなって、放電処理手段(53)と水面(L)との間隔を一定に保てないおそれがある。
これに対して本発明では、貯留タンク(41)内を区画部材(57)で水供給領域(S1)と放電領域(S2)とに区画したから、水供給領域(S1)に多量の水が一斉に供給されても、供給された水が連通孔(57a)を介して放電領域(S2)に徐々に流入するので、放電領域(S2)における水位の急激な変動が抑制され、放電処理手段(53)と放電領域(S2)の水面(Lb)との間隔を略一定に保つことができる。
第5の発明に係る加湿装置は、第1の発明に係る加湿装置において、
前記放電処理手段(53)と対向して前記浮遊部材(51)に設けられた吸水性を有する吸水部材(59)を備え、
前記吸水部材(59)は、その上面が水面(L)よりも上方に配置され、且つ該貯留タンク(41)内の水を吸い上げることで上面に水膜(85)が形成されるように構成され、
前記放電処理手段(53)は、前記水膜(85)に向かって放電が行われるように構成されていることを特徴とするものである。
第5の発明に係る加湿装置によれば、浮遊部材(51)には、吸水性を有する吸水部材(59)が放電処理手段(53)と対向して設けられている。そして、吸水部材(59)は、その上面が水面(L)よりも上方に配置され、貯留タンク(41)内の水を吸い上げることで、上面に水膜(85)が形成されるように構成されている。そして、放電処理手段(53)は、吸水部材(59)の上面に形成された水膜(85)に向かって放電が行われるように構成されている。
このような構成とすれば、吸水部材(59)で水を吸い上げて、その上面に水膜(85)を形成するようにしたから、貯留タンク(41)に振動等が加わることで水面(L)が波打ちしても、その揺れの影響が水膜(85)に伝わるのを抑制することができ、放電処理手段(53)により、水膜(85)との間隔を略一定に保ちながら水膜(85)に向かって放電を行うことで、活性種の生成量を安定させて水の浄化効率を向上させることができる。
第6の発明に係る加湿装置は、第1の発明に係る加湿装置において、
前記放電処理手段(53)と対向して設けられ、水面(L)が波打つのを抑制するように水中で且つ水面(L)付近に配置された防波手段(55)を備えていることを特徴とするものである。
第6の発明に係る加湿装置によれば、放電処理手段(53)と対向して、水中で且つ水面(L)付近に防波手段(55)が設けられている。このような構成とすれば、防波手段(55)の上側の水面(L)である防波水面(La)から防波手段(55)の上面までの水位は、水面(L)から貯留タンク(41)の底面(41b)までの水位よりも低いので、貯留タンク(41)に振動等が加わることで水面(L)が波打ちしても、その揺れの影響が防波水面(La)に伝わるのを抑制することができる。
その結果、放電処理手段(53)により、防波水面(La)との間隔を略一定に保ちながら防波水面(La)に向かって放電を行うことで、活性種の生成量を安定させて水の浄化効率を向上させることができる。
第7の発明に係る加湿装置は、水を貯留するための貯留タンク(41)を備え、該貯留タンク(41)内の水を空気中へ付与して空気を加湿する加湿装置であって、
前記貯留タンク(41)内に貯留された水の水面(L)又は水中に浮遊する浮遊部材(51)と、
前記貯留タンク(41)内の水面(L)より上方に配置され且つ前記浮遊部材(51)に取り付けられて、水を浄化するための活性種を生成するように放電が行われる放電処理手段(53)と、
前記貯留タンク(41)内において上下方向に延びるように配設され、その側壁面に水膜(85)が形成される水膜形成部材(60)とを備え、
前記放電処理手段(53)は、前記貯留タンク(41)内の水の増減に応じた前記浮遊部材(51)の上下方向への移動に同期して、前記水膜形成部材(60)の側壁面に形成された水膜(85)と略一定の間隔を保ちながら上下方向に移動するとともに該水膜(85)に向かって放電が行われるように構成されていることを特徴とするものである。
第7の発明に係る加湿装置によれば、貯留タンク(41)内の水面(L)又は水中には浮遊部材(51)を浮遊させている。そして、放電処理手段(53)は水面(L)よりも上方に配置され、浮遊部材(51)に取り付けられている。また、貯留タンク(41)内には、側壁面に水膜(85)が形成される水膜形成部材(60)が上下方向に延びるように配設されている。そして、放電処理手段(53)は、水膜(85)と略一定の間隔を保ちながら上下方向に移動するとともに、水膜(85)に向かって放電を行うことで活性種を生成して水を浄化するように構成されている。
ここで、放電処理手段(53)の位置を固定して水膜(85)に対して放電を行う場合には、水膜(85)の表面積が大きいと全面に放電を行うことができないおそれがある。これに対して本発明では、放電処理手段(53)を上下方向に移動させて水膜(85)の全面に亘って放電を行うようにしたから、活性種と水膜(85)との接触面積を広くすることができる。
第8の発明に係る加湿装置は、第7の発明に係る加湿装置において、
前記水膜形成部材(60)における少なくとも水膜(85)が形成される面には、凹凸部(56)が形成されていることを特徴とするものである。
第8の発明に係る加湿装置によれば、水膜形成部材(60)の水膜(85)が形成される面に、凹凸部(56)が形成されている。これにより、表面積が大きくなるので水が保持され易くなり、多量の水と活性種とを反応させることができ、水の浄化効率を向上させることができる。
第9の発明に係る加湿装置は、第1乃至第8のうち何れか1つの発明に係る加湿装置において、
前記放電処理手段(53)の水平方向への移動を規制して、上下方向への移動のみを許容するガイド部材(58)を備えていることを特徴とするものである。
第9の発明に係る加湿装置によれば、放電処理手段(53)は、ガイド部材(58)により水平方向の移動が規制されている。ここで、ガイド部材(58)が設けられていない場合には、貯留タンク(41)に振動等が加わることで水面(L)が波打ちすると、放電処理手段(53)が貯留タンク(41)の壁面付近に移動してしまい、その位置で放電を行っても貯留タンク(41)内の水全体に活性種が循環しにくくなり、浄化効率が低下するおそれがある。
これに対して本発明では、上下方向への移動のみを許容するようにしたから、活性種が循環し易い位置、例えば貯留タンク(41)内の中央付近に放電処理手段(53)を配置することで、その位置で放電を行うことができ、活性種が水全体に循環し易くなり、浄化効率を向上させることができる。
本発明によれば、放電処理手段(53)は、水面(L)との間隔を略一定に保ちながら貯留タンク(41)内の水の増減に応じて上下方向に移動するとともに、水面(L)に向かって放電を行うから、放電による活性種の生成量を安定させて水の浄化効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<実施形態1>
(空気浄化装置の全体構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る加湿装置を備えた空気浄化装置の全体構成を示す斜視図、図2は、空気浄化装置の内部構成を示す側面断面図である。
図1及び図2に示すように、前記空気浄化装置(10)は、ケーシング(11)を有している。ケーシング(11)は、前後に扁平な矩形状に形成されている。ケーシング(11)には、その前側(図1における左側寄り)に前面パネル(11a)が形成されている。前面パネル(11a)には、空気をケーシング(11)内に導入するための吸込口(12)が形成されている(図2を参照)。吸込口(12)は、例えば前面パネル(11a)の左右側方にそれぞれ形成されている。また、ケーシング(11)には、その上部後方寄りの部位にケーシング(11)内の空気を吹き出すための吹出口(13)が形成されている。そして、ケーシング(11)の内部には、吸込口(12)から吹出口(13)に亘って空気が流通する空気通路(14)が形成されている。
図2に示すように、前記空気通路(14)には、空気の流れの上流側から下流側に向かって順に、プレフィルタ(21)、イオン化部(22)、プリーツフィルタ(23)、脱臭部材(24)、加湿装置(40)、及び遠心ファン(17)が設けられている。
また、前記遠心ファン(17)の上方で且つ吹出口(13)の下側には、返送通路(15)の流入端が開口している。つまり、返送通路(15)には、空気通路(14)から吹出口(13)へ流出する空気の一部が分流する。返送通路(15)は、空気通路(14)と区画されるように前後に延びる空間を構成している。返送通路(15)の流出端は、プレフィルタ(21)の上流側と繋がっている。また、返送通路(15)の流出端近傍には、空気浄化用放電部(25)が形成されている。
図3に示すように、前記プレフィルタ(21)の前側には、返送通路(15)と連通する案内通路(16)が形成されている。案内通路(16)は、例えば前面パネル(11a)の背面側に形成される仕切部材等によって区画形成されている。案内通路(16)は、返送通路(15)を流出した空気をプレフィルタ(21)の幅方向の中間部まで案内し、この空気を左右側方に流出させてプレフィルタ(21)側へ送るように構成されている(図3の矢印を参照)。
以上のように、本実施形態1の空気浄化装置(10)は、空気通路(14)の流出側の空気の一部を空気浄化用放電部(25)を通じて空気通路(14)の流入側へ返送するように構成されている。
(空気浄化手段の構成)
図2に示すように、前記空気浄化装置(10)は、空気を浄化するための空気浄化手段として、前述したプレフィルタ(21)、イオン化部(22)、プリーツフィルタ(23)、脱臭部材(24)、及び空気浄化用放電部(25)を有している。
前記プレフィルタ(21)は、空気中に含まれる比較的大きな塵埃を物理的に捕捉する集塵用のフィルタを構成している。
前記イオン化部(22)は、空気中の塵埃を帯電させる塵埃荷電手段を構成している。イオン化部(22)には、例えば線状の電極と、この線状の電極に対向する板状の電極とが設けられている。イオン化部(22)では、両者の電極に電源(18)から電圧が印加されることで、両電極の間でコロナ放電が行われる。このコロナ放電により、空気中の塵埃が所定の電荷(正又は負の電荷)に帯電される。
前記プリーツフィルタ(23)は、波板状の静電フィルタを構成している。つまり、プリーツフィルタ(23)では、イオン化部(22)で帯電された塵埃が電気的に誘引されて捕捉される。なお、プリーツフィルタ(23)に光触媒等の脱臭用の材料を担持させても良い。
前記脱臭部材(24)は、ハニカム構造の基材の表面に空気を脱臭するための脱臭剤が担持されて構成されている。脱臭剤は、空気中の被処理成分(臭気物質や有害物質)を吸着する吸着剤や、該被処理成分を酸化分解するための触媒等が用いられる。
前記空気浄化用放電部(25)では、空気を浄化するためにストリーマ放電が行われる。空気浄化用放電部(25)には、棒状あるいは線状の電極(26)と、平板状の電極(27)とが設けられている。両者の電極(26,27)は、互いに平行に配置されている。電源(18)から両電極(26,27)に電圧が印加されると、棒状の電極(26)の先端から平板状の電極(27)に向かってストリーマ放電が生起される。このストリーマ放電により、空気中には活性種(ラジカル、オゾン、高速電子、励起分子等)が発生する。この活性種が空気中の被処理成分と反応することで、この被処理成分が酸化分解されて除去される。
(加湿装置の構成)
図2及び図4に示すように、前記加湿装置(40)は、水を貯留するための貯留タンク(41)と、貯留タンク(41)内の水を汲み上げる水車(42)と、水車(42)によって汲み上げられた水を空気中へ付与する加湿手段を構成する加湿ロータ(43)と、加湿ロータ(43)を回転駆動するための駆動モータ(44)と、貯留タンク(41)内の水を浄化する水浄化ユニット(50)(図2にのみ記載)とを備えている。水浄化ユニット(50)の構成については後述する。
図4に示すように、前記貯留タンク(41)は、上側が開口する横長の水容器を構成している。貯留タンク(41)は、ケーシング(11)内の下部の空間に設置され、ケーシング(11)の引出口(11b)を通じて出し入れ自在に構成されている(図1を参照)。これにより、ユーザー等は貯留タンク(41)内に加湿用の水を適宜補充することができる。また、貯留タンク(41)の底面(41b)には、水車(42)を回転自在に保持するための軸受部材(41a)が立設している。
前記水車(42)は、前後に扁平な略円板状に形成され、その軸心部に回転軸(42a)が突設されている。回転軸(42a)は、軸受部材(41a)の上端に枢支されている。水車(42)は、貯留タンク(41)内の加湿水中に一部(下端部を含む所定部位)が浸漬するように回転自在に設けられている。
前記水車(42)には、その後側の側面(加湿ロータ(43)に面する側面)の軸周りに複数の後側凹部(42b)が形成されている。後側凹部(42b)は、加湿水を加湿ロータ(43)側へ汲み上げるためのものである。複数の後側凹部(42b)は、径方向外側に向かうに連れて幅が拡大されるような略台形形状の開口を有している。また、後側凹部(42b)の開口の周方向の幅は、該後側凹部(42b)の内部空間の周方向の幅よりも狭くなっている。
さらに、前記後側凹部(42b)の径方向内側の内壁は、開口端に向かうに連れて徐々に軸心側に近づくように傾斜している。各後側凹部(42b)は、水車(42)の径方向外側端部において周方向に等間隔で配列されている。回転動作中の水車(42)では、後側凹部(42b)が貯留タンク(41)内の水中に浸漬する位置と、水中から引き出される位置とを交互に変位する。
また、前記水車(42)の後側の側面には、その軸心寄りの部位に歯車(42c)が一体的に形成されている。歯車(42c)は、後述する加湿ロータ(43)の従動歯車(43a)と噛み合うように構成されている。
前記加湿ロータ(43)は、環状の従動歯車(43a)と、この従動歯車(43a)に内嵌して保持される円板状の吸湿部材(43b)とを有している。吸湿部材(43b)は、吸水性を有する不織布によって構成されている。加湿ロータ(43)は、貯留タンク(41)の満水時の水位よりも高い位置において、回転軸を介して回転自在に保持されている。また、加湿ロータ(43)は、その下端を含む所定部位が水車(42)と実質的に接触するように配置されている。つまり、加湿ロータ(43)は、水車(42)の後側凹部(42b)と軸方向に一致する部位を有している。これにより、加湿ロータ(43)には、水車(42)の後側凹部(42b)によって汲み上げられた加湿水が吸湿部材(43b)に吸収可能に構成されている。
前記駆動モータ(44)は、駆動歯車(44a)を有している。駆動歯車(44a)は、ピニオン(45)を介して加湿ロータ(43)の従動歯車(43a)と歯合している。即ち、駆動モータ(44)が駆動歯車(44a)を回転駆動させると、ピニオン(45)及び従動歯車(43a)が回転し、更に従動歯車(43a)と歯合する水車(42)が回転する。
(水浄化ユニットの構成)
図2及び図5に示すように、前記水浄化ユニット(50)は、板状に形成された浮遊部材(51)と、貯留タンク(41)内に貯留された水の水面(L)に向かって放電を行う水浄化用放電部(53)とを備えている。
前記浮遊部材(51)は、水平な姿勢を保ちながら貯留タンク(41)内の水面(L)から所定深さまで沈んだ位置で浮力と釣り合うことで水中に浮遊している。
前記水浄化用放電部(53)は、断面円形に形成された棒状電極(53a)を備えている。この棒状電極(53a)は、水平な姿勢で且つ水面(L)から所定の放電距離(h)だけ離れた位置で絶縁碍子(52)を介して浮遊部材(51)に取り付けられている。
前記絶縁碍子(52)は、棒状電極(53a)を電気的に絶縁して支持するものであり、浮遊部材(51)の上面から水面(L)よりも上方に延びるように取り付けられている。
このように構成された水浄化ユニット(50)は、前記電源(18)から棒状電極(53a)に電圧が印加され、棒状電極(53a)と水面(L)との間に電位差が付与されると、棒状電極(53a)の先端から水面(L)に向かってストリーマ放電が行われ、加湿水を浄化するための活性種を生成するようになっている。
ここで、前記棒状電極(53a)が正極側となり、水面(L)が負極側を構成している。なお、電源(18)から棒状電極(53a)へは、直流の高圧電圧が供給されることが好ましく、更には棒状電極(53a)の放電電流が一定となるような、いわゆる定電流制御を行うことが好ましい。
−運転動作−
本実施形態1に係る空気浄化装置(10)は、室内を加湿する加湿運転を行いながら、空気浄化手段による空気の浄化や、水浄化ユニット(50)による加湿水の浄化が同時に行われる。
(加湿運転)
加湿運転では、駆動モータ(44)によって加湿ロータ(43)及び水車(42)が回転駆動される。また、遠心ファン(17)が運転されることで、室内の空気が吸込口(12)を通じて空気通路(14)内に導入されると共に、電源(18)からは空気浄化用放電部(25)及びイオン化部(22)の各電極へ電圧が印加される。
図2に示すように、空気通路(14)に流入した空気は、プレフィルタ(21)を通過して塵埃が捕捉された後、イオン化部(22)を通過する。イオン化部(22)では、電極間でコロナ放電が行われており、空気中の塵埃が帯電される。イオン化部(22)を流出した空気は、プリーツフィルタ(23)を通過する。プリーツフィルタ(23)では、帯電した塵埃が電気的に誘引されて捕捉される。プリーツフィルタ(23)を流出した空気は、脱臭部材(24)を通過する。脱臭部材(24)では、空気中に含まれる被処理成分が吸着剤に吸着され、あるいは触媒によって酸化分解される。
ところで、空気通路(14)の流出端部では、遠心ファン(17)の吹出側(陽圧側)の空気の一部が返送通路(15)に流入している。返送通路(15)を流れる空気は、前方に送られて空気浄化用放電部(25)を流れる。空気浄化用放電部(25)では、互いに対向する電極(26,27)の間でストリーマ放電が行われている。
その結果、空気浄化用放電部(25)では、ストリーマ放電に伴い前述の活性種が発生する。この活性種を含んだ空気は、返送通路(15)及び案内通路(16)を通じて、プレフィルタ(21)の上流側を流れる空気と合流する。従って、空気通路(14)では、その流入端から流出端に亘って活性種が流れることになり、空気中の被処理成分と活性種との反応時間が確保されて脱臭性能が向上する。そして、清浄化された空気は、加湿ロータ(43)へ流入する。
ここで、加湿装置(40)では、水車(42)が回転することで、貯留タンク(41)内の加湿水が加湿ロータ(43)の吸湿部材(43b)に適宜供給される。具体的に、水車(42)では、貯留タンク(41)に貯留された加湿水中に後側凹部(42b)が浸漬する。これにより、加湿水中では、後側凹部(42b)内に加湿水が侵入して保持される。加湿水を保持した状態の後側凹部(42b)は、加湿水中から引き上げられて更に上方へ変位する。この後側凹部(42b)が加湿ロータ(43)に徐々に近接していくと、後側凹部(42b)内に保持された加湿水も自重により徐々に後側凹部(42b)内から流出する。そして、後側凹部(42b)が最上端位置に変位する際には、後側凹部(42b)内の加湿水が概ね全量流出することになる。
そして、後側凹部(42b)から流出した加湿水は、該後側凹部(42b)と近接する加湿ロータ(43)と接触し、吸湿部材(43b)に吸収される。このような動作により、加湿装置(40)では、加湿ロータ(43)に連続的に加湿水が供給される。
そして、加湿ロータ(43)では、水分が補給された部位を空気が流通する。その結果、吸湿部材(43b)に含まれた加湿水が空気中へ放出され、これにより空気の加湿が行われる。以上のようにして清浄化及び加湿された空気は、吹出口(13)を通じて室内へ供給される。
(水浄化動作)
また、空気浄化装置(10)では、前述した加湿運転に連動するように水浄化動作が行われる。
具体的に、加湿運転中に水浄化動作を行うときには、電源(18)から水浄化用放電部(53)へ電圧が供給される。その結果、図5に示すように、棒状電極(53a)から対向する水面(L)に向かってストリーマ放電が行われ、これにより活性種が生成される。この活性種は、水中に含まれている有害物質を酸化分解して除去し、加えて加湿水の殺菌に利用される。このように、貯留タンク(41)内では、活性種により加湿水中の有害物質の除去や殺菌が継続して行われる。
ここで、加湿運転を行っていると、貯留タンク(41)内に貯留されている加湿水は、空気中に付与されることで減少し、水位が低下していく。そうすると、水位の低下に応じて浮遊部材(51)は下方に移動し、その移動に同期して棒状電極(53a)は放電距離(h)を略一定に保ちながら下方に移動するとともに放電を行うので、活性種の生成量を安定させて加湿水の浄化効率を向上させることができる。
一方、貯留タンク(41)内へ加湿水を補充すると水位が上昇していく。そうすると、水位の上昇に応じて浮遊部材(51)は上方に移動し、その移動に同期して棒状電極(53a)は放電距離(h)を略一定に保ちながら上方に移動するとともに放電を行うので、活性種の生成量を安定させて加湿水の浄化効率を向上させることができる。
なお、本実施形態1では、浮遊部材(51)を水中に浮遊させる構成について説明したが、図6に示すように、浮遊部材(54)を水面(L)に浮遊させる構成としても良い。
具体的に、前記浮遊部材(54)には、幅方向の略中央に厚さ方向に貫通する貫通孔(54a)が形成されている。そして、棒状電極(53a)は、その先端部が貫通孔(54a)と対向するように配置され、貫通孔(54a)を介して放電を行うように構成されている。
このような構成とすれば、棒状電極(53a)から水面(L)に向かって放電距離(h)を略一定に保ちながら放電を行うことができる。
ここで、貯留タンク(41)に振動等が加わることで水面(L)が波打ちすると、放電距離(h)が断続的に変化してその距離を一定に保つことができないおそれがある。そこで、図7に示すように、水面(L)が波打つのを抑制するために、例えば金網等で構成された防波部材(55)を、棒状電極(53a)と対向するように水中で且つ水面(L)付近に配置しても良い。
このような構成とすれば、防波部材(55)の上側の水面(L)である防波水面(La)から防波部材(55)の上面までの水位は、水面(L)から貯留タンク(41)の底面(41b)までの水位よりも低いので、貯留タンク(41)に振動等が加わることで水面(L)が波打ちしても、その揺れの影響が防波水面(La)に伝わるのを抑制することができる。
その結果、棒状電極(53a)により、防波水面(La)との間隔を略一定に保ちながら防波水面(La)に向かって放電を行うことで、活性種の生成量を安定させて水の浄化効率を向上させることができる。
なお、加湿運転では、電源(18)からイオン化部(22)や空気浄化用放電部(25)への電圧の供給を停止させることで、空気の浄化を積極的に行わない運転を行うことも可能である。また、加湿装置(40)の加湿動作を実質的に停止させる一方、イオン化部(22)や空気浄化用放電部(25)で放電を行うことで、空気の加湿を行わずに空気の浄化を行う空気清浄運転を行うことも可能である。
さらに、加湿運転を行う前に、水浄化用放電部(53)で水面(L)に向かって放電を行うことで、水の浄化を行う水浄化運転を行うことも可能である。
<実施形態2>
図8は、本実施形態2に係る水浄化ユニットの構成を示す側面図である。前記実施形態1との違いは、浮遊部材(51)の上面に水膜を形成する点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図8に示すように、前記浮遊部材(51)は、水平な姿勢を保ちながら貯留タンク(41)内の水中で且つ水面(L)付近に浮遊することで、棒状電極(53a)と対向する対向部材を構成している。そして、浮遊部材(51)の上面と水面(L)との間には、水膜(85)が形成されている。
前記棒状電極(53a)は、水平な姿勢で且つ水膜(85)から所定の放電距離(h)だけ離れた位置で絶縁碍子(52)を介して浮遊部材(51)に取り付けられ、水膜(85)に向かって放電を行うように構成されている。
このような構成とすれば、水膜(85)には表面張力が働いて水面(L)よりも隆起するので、貯留タンク(41)に振動等が加わることで水面(L)が波打ちしても、その揺れの影響が水膜(85)に伝わるのを抑制することができる。また、棒状電極(53a)により、放電距離(h)を一定に保ちながら水膜(85)に向かって放電を行うことで、活性種の生成量を安定させて水の浄化効率を向上させることができる。
なお、本実施形態2では、対向部材を浮遊部材(51)と一体に形成した構成について説明したが、対向部材を浮遊部材(51)と別体に形成した構成としても良い。例えば、対向部材を、その上面に水膜(85)が形成されるように棒状電極(53a)と対向させて水中で且つ水面(L)付近に配置して浮遊部材(51)に取り付け、浮遊部材(51)とともに上下方向に移動させる構成としても良い。このような構成とすれば、棒状電極(53a)により放電距離(h)を一定に保ちながら水膜(85)に向かって放電を行うことができる。
さらに、図9に示すように、浮遊部材(51)の上面に、凹凸部(56)を設けても良い。このような構成とすれば、浮遊部材(51)の上面の表面積が大きくなるので水が保持され易くなり、多量の水と活性種とを反応させることができ、水の浄化効率を向上させることができる。
なお、本実施形態2では、水浄化ユニット(50)の水平方向及び上下方向への移動は規制されていないが、水平方向への移動のみを規制するようにしても良い。具体的に、貯留タンク(41)に振動等が加わることで水面(L)が波打ちすると、水浄化ユニット(50)が貯留タンク(41)の壁面付近に移動してしまい、その位置で放電を行っても貯留タンク(41)内の水全体に活性種が循環しにくくなり、浄化効率が低下するおそれがある。
そこで、図10に示すように、水浄化ユニット(50)の水平方向への移動を規制して上下方向への移動のみを許容するように一対のガイド部材(58,58)を設けても良い。このガイド部材(58)は、貯留タンク(41)内に上下方向に延びるように配置され、浮遊部材(51)を水平に保つように浮遊部材(51)の幅方向両端部を支持している。そして、この浮遊部材(51)は、ガイド部材(58)に沿って上下方向に移動するように構成されている。
このような構成とすれば、上下方向への移動のみを許容するようにしたから、活性種が循環し易い位置、例えば貯留タンク(41)内の中央付近に水浄化ユニット(50)を配置することで、その位置で放電を行うことができ、活性種が水全体に循環し易くなり、浄化効率を向上させることができる。
<実施形態3>
図11は、本実施形態3に係る水浄化ユニットの構成を示す側面図である。前記実施形態1との違いは、貯留タンク(41)内に区画タンク(57)設けた点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図11に示すように、貯留タンク(41)内には、中空に形成された区画タンク(57)(区画部材)が、その底面が貯留タンク(41)の底面(41b)と対向するように配置されている。また、区画タンク(57)の底面には、連通孔(57a)が形成されている。そして、区画タンク(57)よりも外側には、外部から貯留タンク(41)内に水が供給される水供給領域(S1)が形成され、区画タンク(57)の内側には、水浄化ユニット(50)が配置されて放電が行われる放電領域(S2)が形成されている。つまり、区画タンク(57)は、貯留タンク(41)内を、水供給領域(S1)と放電領域(S2)とに区画しており、水供給領域(S1)と放電領域(S2)との間において、水が連通孔(57a)を介して流入及び流出するように構成されている。
ここで、外部から水が水供給領域(S1)に供給されると、その水が連通孔(57a)を介して流量が絞られながら放電領域(S2)に流入するようになっている。そして、放電領域(S2)に流入した水は、区画タンク(57)内部の空気圧によって、その水面(Lb)が水供給領域(S1)の水面(L)よりも低い位置で停止するようになっている。
前記水浄化ユニット(50)の浮遊部材(51)は、水平な姿勢を保ちながら放電領域(S2)の水中で且つ水面(Lb)付近に浮遊している。そして、浮遊部材(51)の上面と水面(Lb)との間には水膜(85)が形成されている。
また、前記棒状電極(53a)は、水平な姿勢で且つ水膜(85)から所定の放電距離(h)だけ離れた位置で絶縁碍子(52)を介して浮遊部材(51)に取り付けられ、水膜(85)に向かって放電を行うように構成されている。
このような構成とすれば、放電領域(S2)の水位の急激な変動が抑制されるので、棒状電極(53a)と水膜(85)との放電距離(h)を略一定に保つことができる。
具体的に、貯留タンク(41)内を水供給領域(S1)と放電領域(S2)とに区画しなかった場合には、加湿水の補充時において、貯留タンク(41)内に多量の加湿水が一斉に供給されると、貯留タンク(41)内の水位が急激に変動することになる。そうすると、加湿水の増加に伴う浮遊部材(51)の上方向への移動が、水位の変動に追従できなくなって、棒状電極(53a)と貯留タンク(41)内の水面(L)との間隔を一定に保てないおそれがある。
これに対して本発明では、区画タンク(57)を設けて、貯留タンク(41)内を水供給領域(S1)と放電領域(S2)とに区画したから、水供給領域(S1)に多量の加湿水が一斉に供給されて水位が急激に変動しても、供給された加湿水は連通孔(57a)を介して流量が絞られながら放電領域(S2)に流入するとともに、区画タンク(57)内部の空気圧によって流入量が制限されて、水位の急激な変動が抑制される。その結果、放電領域(S2)において、棒状電極(53a)と水膜(85)との放電距離(h)を略一定に保つことができる。
<実施形態4>
図12は、本実施形態4に係る水浄化ユニットの構成を示す一部断面図である。前記実施形態1との違いは、吸水性を有する吸水部材(59)を設けた点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図12に示すように、前記水浄化ユニット(50)は、浮遊部材(54)と、棒状電極(53a)と、吸水性を有する吸水部材(59)とを備えている。
前記浮遊部材(54)は、水平な姿勢を保ちながら貯留タンク(41)内の水面(L)に浮遊している。そして、浮遊部材(54)には、左右方向の略中央に厚さ方向に貫通する貫通孔(54a)が形成されている。
前記吸水部材(59)は、例えば多孔質体等で形成され、その下面を水面(L)に浸した状態で貫通孔(54a)に嵌合され、下面から水を吸い上げることで上面に水膜(85)を形成するように構成されている。
前記棒状電極(53a)は、水平な姿勢で且つ吸水部材(59)の上面に形成された水膜(85)から所定の放電距離(h)だけ離れた位置で絶縁碍子(52)を介して浮遊部材(51)に取り付けられ、水膜(85)に向かって放電を行うように構成されている。
このような構成とすれば、吸水部材(59)で水を吸い上げて、その上面に水膜(85)を形成するようにしたから、貯留タンク(41)に振動等が加わることで水面(L)が波打ちしても、その揺れの影響が水膜(85)に伝わるのを抑制することができる。また、棒状電極(53a)により、放電距離(h)を一定に保ちながら水膜(85)に向かって放電を行うことで、活性種の生成量を安定させて水の浄化効率を向上させることができる。
<実施形態5>
図13は、本実施形態5に係る水浄化ユニットの構成を示す側面図である。前記実施形態1との違いは、貯留タンク(41)内に水膜形成部材(60)を設けた点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図13に示すように、前記貯留タンク(41)内には、水浄化ユニット(50)と、上下方向に延びる板状体で形成された水膜形成部材(60)とが配設されている。
前記水膜形成部材(60)は、吸水性を有する例えば多孔質体等で形成され、貯留タンク(41)内の水中に下部を浸した状態で配設されている。そして、水中から水を吸い上げることで、水面(L)より上側の側壁面に水膜(85)を形成するように構成されている。
前記水浄化ユニット(50)は、浮遊部材(51)と、棒状電極(53a)とを備えている。そして、浮遊部材(51)は、水平な姿勢を保ちながら水面(L)に浮遊している。
前記棒状電極(53a)は、水膜形成部材(60)の側壁面と略平行な姿勢で且つ水膜形成部材(60)に形成された水膜(85)から所定の放電距離(h)だけ離れた位置で絶縁碍子(52)を介して浮遊部材(51)に取り付けられ、水膜(85)に向かって放電を行うように構成されている。
このような構成とすれば、棒状電極(53a)を、水膜(85)と放電距離(h)を保ちながら水の増減に応じて上下方向に移動させて、水膜(85)の全面に亘って放電を行うことができる。具体的に、棒状電極(53a)の位置を固定して水膜(85)に対して放電を行う場合には、水膜(85)の表面積が大きいと全面に放電を行うことができないおそれがある。
これに対して本発明では、棒状電極(53a)を上下方向に移動させて水膜(85)の全面に亘って放電を行うようにしたから、活性種と水膜(85)との接触面積を広くすることができる。
なお、図14に示すように、水膜形成部材(60)において、水膜(85)が形成される面に凹凸部(56)を設けても良い。このような構成とすれば、水膜(85)が形成される面の表面積が大きくなるので、水が保持され易くなり、多量の水と活性種とを反応させることができ、水の浄化効率を向上させることができる。
なお、本実施形態5では、吸水性を有する水膜形成部材(60)で水を吸い上げて水面より上側の側壁面に水膜(85)を形成するようにしたが、水膜形成部材(60)を、吸水性を有しない板状体で形成しても良い。この場合には、貯留タンク(41)内の水を水ポンプ(図示せず)等により汲み上げて、水膜形成部材(60)の側壁面に膜状に流すことで、水膜(85)を形成すれば良い。
以上説明したように、本発明は、放電による活性種の生成量を安定させて水の浄化効率を向上させることができる加湿装置を提供することができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
本発明の実施形態1に係る加湿装置を備えた空気浄化装置の全体構成を示す斜視図である。 空気浄化装置の内部構成を示す側面断面図である。 空気浄化装置の前側寄りの内部を表した概略を示す側面断面図である。 本実施形態1に係る加湿装置の構成を示す斜視図である。 本実施形態1に係る水浄化ユニットの構成を示す側面図である。 本実施形態1に係る水浄化ユニットの変形例を示す一部断面図である。 本実施形態1に係る水浄化ユニットの変形例を示す一部断面図である。 本実施形態2に係る水浄化ユニットの構成を示す側面図である。 本実施形態2に係る水浄化ユニットの変形例を示す側面図である。 本実施形態2に係る水浄化ユニットの変形例を示す側面図である。 本実施形態3に係る水浄化ユニットの構成を示す側面図である。 本実施形態4に係る水浄化ユニットの構成を示す一部断面図である。 本実施形態5に係る水浄化ユニットの構成を示す側面図である。 本実施形態5に係る水浄化ユニットの変形例を示す側面図である。
符号の説明
L 水面
S1 水供給領域
S2 放電領域
40 加湿装置
41 貯留タンク
51 浮遊部材(対向部材)
53 水浄化用放電部(放電処理手段)
55 防波部材(防波手段)
56 凹凸部
57 区画タンク(区画部材)
57a 連通孔
58 ガイド部材
59 吸水部材
60 水膜形成部材
85 水膜

Claims (9)

  1. 水を貯留するための貯留タンク(41)を備え、該貯留タンク(41)内の水を空気中へ付与して空気を加湿する加湿装置であって、
    前記貯留タンク(41)内に貯留された水の水面(L)又は水中に浮遊する浮遊部材(51)と、
    前記貯留タンク(41)内の水面(L)より上方に配置され且つ前記浮遊部材(51)に取り付けられて、水を浄化するための活性種を生成するように放電が行われる放電処理手段(53)とを備え、
    前記放電処理手段(53)は、前記貯留タンク(41)内の水の増減に応じた前記浮遊部材(51)の上下方向への移動に同期して、水面(L)と略一定の間隔を保ちながら上下方向に移動するとともに水面(L)に向かって放電が行われるように構成されていることを特徴とする加湿装置。
  2. 請求項1において、
    前記放電処理手段(53)と対向して前記浮遊部材(51)に設けられ、水面(L)との間に水膜(85)が形成されるように水中で且つ水面(L)付近に配置された対向部材(51)を備え、
    前記放電処理手段(53)は、前記水膜(85)に向かって放電が行われるように構成されていることを特徴とする加湿装置。
  3. 請求項2において、
    前記対向部材(51)における少なくとも水膜(85)が形成される面には、凹凸部(56)が形成されていることを特徴とする加湿装置。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1項において、
    前記貯留タンク(41)内を、外部から水が供給される水供給領域(S1)と、前記放電処理手段(53)が配置されて放電が行われる放電領域(S2)とに区画する区画部材(57)を備え、
    前記区画部材(57)には、前記水供給領域(S1)と前記放電領域(S2)とを連通する連通孔(57a)が形成されていることを特徴とする加湿装置。
  5. 請求項1において、
    前記放電処理手段(53)と対向して前記浮遊部材(51)に設けられた吸水性を有する吸水部材(59)を備え、
    前記吸水部材(59)は、その上面が水面(L)よりも上方に配置され、且つ該貯留タンク(41)内の水を吸い上げることで上面に水膜(85)が形成されるように構成され、
    前記放電処理手段(53)は、前記水膜(85)に向かって放電が行われるように構成されていることを特徴とする加湿装置。
  6. 請求項1において、
    前記放電処理手段(53)と対向して設けられ、水面(L)が波打つのを抑制するように水中で且つ水面(L)付近に配置された防波手段(55)を備えていることを特徴とする加湿装置。
  7. 水を貯留するための貯留タンク(41)を備え、該貯留タンク(41)内の水を空気中へ付与して空気を加湿する加湿装置であって、
    前記貯留タンク(41)内に貯留された水の水面(L)又は水中に浮遊する浮遊部材(51)と、
    前記貯留タンク(41)内の水面(L)より上方に配置され且つ前記浮遊部材(51)に取り付けられて、水を浄化するための活性種を生成するように放電が行われる放電処理手段(53)と、
    前記貯留タンク(41)内において上下方向に延びるように配設され、その側壁面に水膜(85)が形成される水膜形成部材(60)とを備え、
    前記放電処理手段(53)は、前記貯留タンク(41)内の水の増減に応じた前記浮遊部材(51)の上下方向への移動に同期して、前記水膜形成部材(60)の側壁面に形成された水膜(85)と略一定の間隔を保ちながら上下方向に移動するとともに該水膜(85)に向かって放電が行われるように構成されていることを特徴とする加湿装置。
  8. 請求項7において、
    前記水膜形成部材(60)における少なくとも水膜(85)が形成される面には、凹凸部(56)が形成されていることを特徴とする加湿装置。
  9. 請求項1乃至8のうち何れか1項において、
    前記放電処理手段(53)の水平方向への移動を規制して、上下方向への移動のみを許容するガイド部材(58)を備えていることを特徴とする加湿装置。
JP2008061585A 2008-03-11 2008-03-11 加湿装置 Pending JP2009216327A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008061585A JP2009216327A (ja) 2008-03-11 2008-03-11 加湿装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008061585A JP2009216327A (ja) 2008-03-11 2008-03-11 加湿装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009216327A true JP2009216327A (ja) 2009-09-24

Family

ID=41188372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008061585A Pending JP2009216327A (ja) 2008-03-11 2008-03-11 加湿装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009216327A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101957039A (zh) * 2010-10-15 2011-01-26 美的集团有限公司 一种悬浮式超声波空气加湿器
JP2012066209A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Panasonic Corp 水溶性成分除去装置
CN102989624A (zh) * 2012-11-05 2013-03-27 杨义根 雾化装置及超声波加湿器
WO2014067418A1 (zh) * 2012-11-05 2014-05-08 Yang Yigen 雾化装置及超声波加湿器
JP2015142730A (ja) * 2013-12-27 2015-08-06 ダイキン工業株式会社 空気清浄ユニット及び空気処理装置
EP2600071A4 (en) * 2010-07-26 2018-03-21 Daikin Industries, Ltd. Humidifier
CN109539445A (zh) * 2018-12-28 2019-03-29 四川中邦模具有限公司 筛孔式蒸发叶片及其应用的加湿器蒸发组件
KR20190047594A (ko) 2017-10-27 2019-05-08 삼성전자주식회사 플라즈마 발생 장치 및 이를 가지는 가전 제품
WO2019083329A3 (en) * 2017-10-27 2019-05-23 Samsung Electronics Co., Ltd. Plasma generator and home appliance having the same
JP2019128316A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 ダイハツ工業株式会社 リーク試験装置
CN110168287A (zh) * 2017-12-04 2019-08-23 株式会社康友 超声波加湿器
CN113864939A (zh) * 2021-09-03 2021-12-31 珠海格力电器股份有限公司 一种加湿器的聚能环及加湿器

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2600071A4 (en) * 2010-07-26 2018-03-21 Daikin Industries, Ltd. Humidifier
JP2012066209A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Panasonic Corp 水溶性成分除去装置
CN101957039B (zh) * 2010-10-15 2013-04-17 美的集团股份有限公司 一种悬浮式超声波空气加湿器
CN101957039A (zh) * 2010-10-15 2011-01-26 美的集团有限公司 一种悬浮式超声波空气加湿器
WO2014067418A1 (zh) * 2012-11-05 2014-05-08 Yang Yigen 雾化装置及超声波加湿器
CN102989624A (zh) * 2012-11-05 2013-03-27 杨义根 雾化装置及超声波加湿器
JP2015142730A (ja) * 2013-12-27 2015-08-06 ダイキン工業株式会社 空気清浄ユニット及び空気処理装置
KR20190047594A (ko) 2017-10-27 2019-05-08 삼성전자주식회사 플라즈마 발생 장치 및 이를 가지는 가전 제품
WO2019083329A3 (en) * 2017-10-27 2019-05-23 Samsung Electronics Co., Ltd. Plasma generator and home appliance having the same
US11091376B2 (en) 2017-10-27 2021-08-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Plasma generator and home appliance having the same
CN110168287A (zh) * 2017-12-04 2019-08-23 株式会社康友 超声波加湿器
JP2019128316A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 ダイハツ工業株式会社 リーク試験装置
CN109539445A (zh) * 2018-12-28 2019-03-29 四川中邦模具有限公司 筛孔式蒸发叶片及其应用的加湿器蒸发组件
CN113864939A (zh) * 2021-09-03 2021-12-31 珠海格力电器股份有限公司 一种加湿器的聚能环及加湿器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009216327A (ja) 加湿装置
JP4656138B2 (ja) 空気処理装置
JP2009145023A (ja) 調湿装置
JP4737338B2 (ja) 液処理用放電ユニット、調湿装置、及び給湯器
JP2009145022A (ja) 調湿装置
JP2009133505A (ja) 調湿装置
JP4737330B2 (ja) 液処理用放電ユニット、調湿装置、及び給湯器
JP6948520B2 (ja) 空気清浄機
JP5287857B2 (ja) 調湿装置
JP4656137B2 (ja) 空気浄化装置
JP5761424B2 (ja) 放電装置及び空気処理装置
JP2010025384A (ja) 調湿装置
JP2009198067A (ja) 加湿装置
WO2015098127A1 (ja) 空気清浄ユニット及び空気処理装置
JP4985353B2 (ja) 調湿装置
JP5245469B2 (ja) 調湿装置
JP2010121850A (ja) 調湿装置
JP6229494B2 (ja) 空気処理装置
JP2009168292A (ja) 調湿装置
JP2015127992A (ja) 放電装置
JP5239575B2 (ja) 調湿装置
JP2009133502A (ja) 調湿装置
JP2010043833A (ja) 調湿装置
WO2015098128A1 (ja) 空気清浄ユニット及び空気処理装置
JP2012075964A (ja) 洗浄器及び該洗浄器を備えた加湿装置