JP2009168292A - 調湿装置 - Google Patents

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維大 大堂
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利夫 田中
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Abstract

【課題】水タンク内の水を空気中へ付与する加湿手段を備えた調湿装置において、水タンク内の水を効率よく浄化する。
【解決手段】調湿装置は、水が貯留された水タンク(41)と、水タンク(41)内の貯留水を空気中に付与する加湿ロータとを備えている。また、調湿装置は、オゾンガスを生成するオゾン生成手段としての放電部(51)と、放電部(51)から水タンク(41)内へオゾンガスを導く搬送路(55)とを有するオゾン供給ユニット(50)と、搬送路(55)の下流側端部に設けられ、搬送路(55)から水タンク(41)内へ導入されるオゾンガスの気泡を微細化する連続気泡体の多孔質部材(82)とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、水タンク内の水を空気中へ付与する加湿手段を備えた調湿装置に関し、特に水タンク内の水の浄化対策に関するものである。
従来より、水タンク内の水を空気中へ付与する加湿手段を備えた調湿装置が広く知られている。また、この種の調湿装置の中には、水タンク内にオゾンガスを供給し、該水とオゾンガスとを接触させて該水中の雑菌や有害物質を除去することにより該水の水質浄化を図る調湿装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された調湿装置では、水タンクの底部にオゾンガス吹出口を形成し、該吹出口の上方に略均一な細孔を有する多孔質板が設けられている。上記調湿装置では、該底部の吹出口から吹き出されたオゾンガスの気泡を、上記多孔質板の略均一な細孔を通過させることにより水タンク内に均一に拡散させて水タンク内全体の浄化を図っていた。
特開2001−153409号公報
ところで、オゾンガスを水中に吹き込む際、吹き込まれる個々の気泡が大きい程、オゾンガスの単位体積あたりの水との接触面積が小さくなる。そのため、吹き込まれるオゾンガスの気泡が大きいと浄化効率が低下することとなる。そこで、水タンク内の水の浄化を効率よく行うためには、吹き込むオゾンガスの気泡を微細化することが好ましい。
特許文献1に開示された調湿装置において、上記多孔質板の孔を微細化することによりオゾンガスの気泡を微細化することができる。しかしながら、上記多孔質板は水タンク内を上下に仕切るように設けられ、多孔質板の前後の圧力は略等しい。従って、水中に吹き出されたオゾンガスの気泡は浮力による力のみで微細孔を通過することになり、該気泡を十分に微細化できないという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、水タンク内の水を空気中へ付与する加湿手段を備えた調湿装置において、水タンク内の水を効率よく浄化することにある。
本発明は、水が貯留された水タンク(41)と、前記水タンク(41)内の貯留水を空気中に付与する加湿手段(43)とを備えた調湿装置であって、オゾンガスを生成するオゾン生成手段(51)と、前記オゾン生成手段(51)から前記水タンク(41)内へオゾンガスを導く搬送路(55)とを有するオゾン供給装置(50)と、前記搬送路(55)の下流側端部に設けられ、前記搬送路(55)から前記水タンク(41)内へ導入されるオゾンガスの気泡を微細化する微細化手段(80)とを備えている。
本発明では、オゾン生成手段(51)によって生成されたオゾンガスは、搬送路(55)を介して水タンク(41)内へ搬送され、該水タンク(41)内において水と接触することにより該水を浄化する。なお、本発明では搬送路(55)の下流側端部に微細化手段(80)が設けられている。そのため、水タンク(41)内には、微細化手段(80)によって微細化されたオゾンガスの気泡が供給される。気泡が微細化されると、気泡の総数は増加する。そのため、水タンク(41)内に供給されたオゾンガスの単位体積あたりの水との接触面積が大きくなる。これにより、水タンク(41)内の水が浄化され易くなり、比較的少量のオゾンガスであっても水タンク(41)内の水中の有害物質や雑菌等が除去されることとなる。また、微細化手段(80)が搬送路(55)の下流側端部に設けられているため、オゾンガスは搬送路(55)から水タンク(41)内に吹き込まれる際に微細化手段(80)を勢いよく通過し、微細化されることとなる。
第2の発明は、第1の発明において、前記微細化手段(80)は、連続気泡体の多孔質部材(82)によって構成されている。
第2の発明では、オゾン生成手段(51)によって生成されたオゾンガスは、搬送路(55)を流れ、搬送路(55)の下流側端部に設けられた連続気泡体の多孔質部材(82)を通過して水タンク(41)内に吹き込まれる際に微細化される。そして、微細化されたオゾンガスの微細気泡は水タンク(41)内の水中に供給され、該微細気泡に接触することによって水タンク(41)内の水が浄化される。
第3の発明は、第1の発明において、前記微細化手段(80)は、複数の微細な孔(92)が形成された板状部材(81,85)によって構成されている。
第3の発明では、オゾン供給装置(50)のオゾン生成手段(51)によって生成されたオゾンガスは、搬送路(55)を流れ、搬送路(55)の下流側端部に設けられた板状部材(81,85)に形成された複数の微細な孔(92)を通過して水タンク(41)内に吹き込まれる際に微細化される。そして、微細化されたオゾンガスの微細気泡は水タンク(41)内の水中に供給され、該微細気泡に接触することによって水タンク(41)内の水が浄化される。
第4の発明は、第1の発明において、前記微細化手段(80)は、複数のスリット(90,91)が形成された板状部材(83,84)によって構成されている。
第4の発明では、オゾン供給装置(50)のオゾン生成手段(51)によって生成されたオゾンガスは、搬送路(55)を流れ、搬送路(55)の下流側端部に設けられた板状部材(83,84)に形成された複数のスリット(90,91)を通過して水タンク(41)内に吹き込まれる際に微細化される。そして、微細化されたオゾンガスの微細気泡は水タンク(41)内の水中に供給され、該微細気泡に接触することによって水タンク(41)内の水が浄化される。
第5の発明は、第3又は第4の発明において、前記オゾン供給装置(50)は、少なくとも下流側端部(63a)が前記水タンク(41)内の水中に浸漬され、前記搬送路(55)を形成する搬送管(63)を有し、前記微細化手段(80)は、前記搬送管(63)に設けられている。
第5の発明では、オゾン生成手段(51)によって生成されたオゾンガスは、搬送路(55)を形成する搬送管(63)内を流れ、該搬送管(63)に設けられた微細化手段(80)を通過して水タンク(41)内に吹き込まれる際に微細化される。そして、微細化されたオゾンガスの微細気泡は水タンク(41)内の水中に供給され、該微細気泡に接触することによって水タンク(41)内の水が浄化される。
第6の発明は、第3又は第4の発明において、前記微細化手段(80)は、前記水タンク(41)の壁面(41b)に設けられている。
第6の発明では、オゾン生成手段(51)によって生成されたオゾンガスは、搬送路(55)を流れ、水タンク(41)の壁面に設けられた微細化手段(80)を通過して水タンク(41)内に吹き込まれる際に微細化される。そして、微細化されたオゾンガスの微細気泡は水タンク(41)内の水中に供給され、該微細気泡に接触することによって水タンク(41)内の水が浄化される。
第7の発明は、第1から第4のいずれか1つの発明において、前記微細化手段(80)は着脱自在に構成されている。
第7の発明では、微細化手段(80)は着脱自在に構成されている。そのため、例えば、目詰まり等により微細化手段が機能しなくなった場合に、容易に取り外すことができる。
本発明によれば、微細化手段(80)によって水タンク(41)内の水に供給されるオゾンガスの気泡が微細化されるので気泡の総数を増加させることができる。そのため、水タンク(41)内において単位体積あたりのオゾンガスと水との接触面積を拡大することができる。その結果、水タンク(41)内の水が浄化され易くなり、水タンク(41)内へのオゾンガスの供給量が比較的少なくても、水タンク(41)内の水中の有害物質や雑菌等を除去することができる。従って、本発明によれば、水タンク(41)内の水を効率よく浄化することができる。
また、本発明によれば、微細化手段(80)を搬送路(55)の下流側端部に設けることにより、オゾンガスが搬送路(55)から水タンク(41)内に吹き込まれる際の勢いに乗じてオゾンガスの気泡を容易に微細化することができる。
また、上記第2から第4の発明によれば、微細化手段(80)として、連続気泡体の多孔質部材(82)、複数の微細な孔(92)が形成された板状部材(81,85)又は複数のスリット(90,91)が形成された板状部材(83,84)を用いることにより微細化手段(80)を容易に構成することができる。
また、上記第5又第6の発明によれば、微細化手段(80)を別途新たな部材を設けることなく搬送管(63)又は水タンク(41)の壁面(41b)に設けることにより、部品点数を増加させずに微細化手段(80)を設けることができる。
また、上記第7の発明によれば、微細化手段(80)が着脱自在に構成されているため、例えば、目詰まり等により微細化手段(80)が機能しなくなった場合に、容易に取り外すことができる。従って、容易にメンテナンスを行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態》
実施形態に係る調湿装置(10)は、室内空気を浄化しながら該室内空気を加湿する運転が可能に構成されている。
〈調湿装置の全体構成〉
図1及び図2に示すように、調湿装置(10)は、樹脂製のケーシング(11)を有している。ケーシング(11)は略直方体形状に形成され、前面(図2の左側端面)は前面パネル(11a)によって構成されている。
上記ケーシング(11)の左右両側部の前部には、空気をケーシング(11)内に導入するための吸込口(12)が形成されている(図1参照)。また、上記ケーシング(11)の上部で且つ後方側にケーシング(11)内の空気をケーシング(11)外へ吹き出すための吹出口(13)が形成されている。上記ケーシング(11)の内部には、上記吸込口(12)から吹出口(13)に向かって空気が流れる空気通路(14)が形成されている。
そして、上記調湿装置(10)は、図2に示すように、空気通路(14)の空気の流れの上流側から下流側に向かって順に配置された、空気浄化手段(20)と、加湿ユニット(40)と、遠心ファン(15)とを備えると共に、オゾン供給ユニット(50)を備えている。
〈空気浄化手段の構成〉
図2に示すように、上記空気浄化手段(20)は、空気を浄化するためのものであり、プレフィルタ(21)、イオン化部(22)及びプリーツフィルタ(23)を有している。
プレフィルタ(21)は、空気中に含まれる比較的大きな塵埃を捕捉する集塵用のフィルタを構成している。
イオン化部(22)は、空気中の塵埃を帯電させる塵埃荷電手段を構成している。イオン化部(22)には、例えば線状の電極と、この線状の電極に対向する板状の電極とが設けられている。イオン化部(22)は、両電極に電源(図示省略)から電圧を印加してコロナ放電を生起させ、空気中の塵埃を所定の電荷(正又は負の電荷)に帯電させるように構成されている。
プリーツフィルタ(23)は、波板状の静電フィルタを構成している。つまり、プリーツフィルタ(23)は、上記イオン化部(22)で帯電された塵埃を電気的に誘引して捕捉する。なお、プリーツフィルタ(23)に光触媒等の脱臭用の材料を担持させてもよい。
〈加湿ユニットの構成〉
図2に示すように、加湿ユニット(40)は、水を貯留するための水タンク(41)と、水タンク(41)内の水を汲み上げる水車(42)と、水車(42)によって汲み上げられた水を空気中へ付与する加湿手段を構成する加湿ロータ(43)と、加湿ロータ(43)を回転駆動するための駆動モータ(44)とを備えている。また、加湿ユニット(40)は、加湿ロータ(43)を加熱するためのヒータ(48)を備えている。
上記水タンク(41)は、ケーシング(11)内の下部の空間に設置され、ケーシング(11)の引出口(11b)を通じて出し入れ自在に構成されている(図1参照)。これにより、ユーザー等は水タンク(41)内に加湿用の水(例えば水道水)を適宜補充することができる。また、水タンク(41)は、上側が開口する横長の容器によって構成されている(図3参照)。
上記水車(42)は、略円板状に形成され、その軸心部に回転軸(42a)が突設されている。回転軸(42a)は、水タンク(41)の底面に立設された軸受部材(図示省略)に回転自在に支持されている。水車(42)は、水タンク(41)の加湿水中に一部(下端部を含む所定部位)が浸漬するように設けられている。
上記水車(42)の後側の側面(上記加湿ロータ(43)に面する側面)には、軸周りに複数の凹部(42b)が形成されている。複数の凹部(42b)は、水車(42)の径方向外側端部において周方向に等間隔で配列されている。各凹部(42b)は、水車(42)の回転動作中、水タンク(41)内の水中に浸漬する位置と、水中から引き出される位置とを交互に変位する。
また、上記水車(42)の後側の側面には、その軸心寄りの部位に歯車(42c)が一体的に形成されている。歯車(42c)は、後述する加湿ロータ(43)の従動歯車(43a)と噛み合うように構成されている。
上記加湿ロータ(43)は、円盤状の吸着部材(43b)と、該吸着部材(43b)の外周面に形成された環状の従動歯車(43a)とを有している。吸着部材(43b)は、水分を吸着する吸水材を構成している。さらに詳細には、吸着部材(43b)は、ハニカム構造の基材の表面に吸着剤を担持させて構成されている。上記吸着剤としては、粒状のゼオライト等、水分に対する吸着性能に優れた材料が用いられる。また、吸着剤を基材に担持させるためのバインダーとしては、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ABS樹脂(アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂)等の熱可塑性樹脂が用いられる。
上記加湿ロータ(43)は、上記水タンク(41)の満水時の水位よりも高い位置において、回転軸を介して回転自在に保持されている。また、加湿ロータ(43)は、その下端を含む所定部位が上記水車(42)と実質的に接触するように配置されている。つまり、加湿ロータ(43)は、その軸方向視において水車(42)の凹部(42b)と重なる部位を有している。これにより、加湿ロータ(43)には、水車(42)の凹部(42b)によって汲み上げられた加湿水が該凹部(42b)から流れ落ちる際に、吸着部材(43b)に付着し、吸着部材(43b)に吸着される。
駆動モータ(44)は、歯車等の動力伝達手段(図示省略)を介して加湿ロータ(43)の従動歯車(43a)に連結されている。これにより、駆動モータ(44)の回転力は、動力伝達手段を介して加湿ロータ(43)の従動歯車(43a)に伝達されて該従動歯車(43a)を回転させる。さらに、従動歯車(43a)が回転すると、該従動歯車(43a)と歯合する歯車(42c)が回転し、これと共に水車(42)が回転する。
上記ヒータ(48)は、加湿ロータ(43)の上流側の側面の上端部に近接して配置されている。ヒータ(48)は、加湿ロータ(43)へ流入する空気を加熱可能に構成されている。
〈オゾン供給ユニットの構成〉
上記オゾン供給ユニット(50)は、加湿ロータ(43)に供給される水タンク(41)内の水にオゾンガスを供給して浄化するためのものである。図3に示すように、オゾン供給ユニット(50)は、オゾン生成手段としての放電部(51)と、放電部(51)において生成されたオゾンガスを水タンク(41)内に導く搬送路(55)と、該搬送路(55)を介してオゾンガスを水タンク(41)内に圧送するための加圧ポンプ(64)とを備えている。
上記放電部(51)は、オゾンガス生成室(62)内に配設されている。オゾンガス生成室(62)には、該オゾンガス生成室(62)内に空気を導入するための導入管(61)と、上記搬送路(55)を形成する搬送管(63)とが接続されている。
上記放電部(51)は、ストリーマ放電によりオゾンガスを生成するように構成されている。具体的には、放電部(51)は、棒状電極(52)と平板電極(53)とを有している。棒状電極(52)は、オゾンガス生成室(62)内に設けられた基板(52a)に支持板(52b)を介して支持されている。棒状電極(52)は、細長い線状に形成され、略円形状の縦断面を有している。平板電極(53)は、平板状に形成されている。棒状電極(52)と平板電極(53)とは、互いに平行な姿勢となるように配置されている。棒状電極(52)の先端は、平板電極(53)と対向している。
棒状電極(52)は電源(18)の正極側に接続され、平板電極(53)は上記電源(18)の負極側(又はアース側)に接続されている。電源(18)から両電極(52,53)に電位差が付与されると、棒状電極(52)の先端から平板電極(53)に向かってストリーマ放電が生起する。その結果、両電極(52,53)間を流れた酸素分子が解離し、他の酸素分子と再結合することによってオゾンガスが発生する。なお、電源(18)から放電部(51)へは、直流の高圧電圧が供給されることが好ましく、さらには放電電流が一定となるような、いわゆる定電流制御を行うことが好ましい。
導入管(61)は、その流入端が上記空気通路(14)に開口している。導入管(61)には空気通路(14)を流れる空気の一部が分岐して導入される。一方、搬送管(63)は、その下流側端部(63a)が水タンク(41)内の水中に浸漬されている。
また、調湿装置(10)は、搬送路(55)から水タンク(41)内へ導入されるオゾンガスの気泡を微細化する微細化手段(80)をさらに備えており、実施形態では、該微細化手段(80)は、搬送管(63)の下流側端部(63a)に設けられている。
具体的には、微細化手段(80)は、連続気泡体の多孔質部材(82)によって構成されており、該多孔質部材(82)が搬送管(63)の下流側端部(63a)に取り付けられている。また、該多孔質部材(82)は、水タンク(41)内の下部空間に配置されており、水タンク(41)内の水中に浸漬されている。なお、ここで、連続気泡体の多孔質部材(82)には連続する微細な孔によって複数の極めて細い貫通孔が形成されている。そのため、オゾンガス生成室(62)内で生成されたオゾンガスは、搬送管(63)によって形成された搬送路(55)を流れた後、連続気泡体の多孔質部材(82)の複数の極めて細い貫通孔から水タンク(41)内に吹き出され、微細化されることとなる。
−運転動作−
本実施形態に係る調湿装置(10)では、室内空気を浄化すると同時に室内空気を加湿する加湿運転が行われる。
加湿運転では、遠心ファン(15)が駆動されると共に加湿ロータ(43)が回転駆動され、ヒータ(48)が通電状態となる。また、イオン化部(22)の電極に電圧が印加される。
図2に示すように、遠心ファン(15)が駆動されると、室内の空気が吸込口(12)を通じて空気通路(14)内に導入される。空気通路(14)に導入された空気は、プレフィルタ(21)を通過して塵埃が捕捉された後、イオン化部(22)を通過する。イオン化部(22)では、電極間でコロナ放電が行われており、空気中の塵埃が帯電される。イオン化部(22)を流出した空気は、プリーツフィルタ(23)を通過する。プリーツフィルタ(23)では、帯電した塵埃が電気的に誘引されて捕捉される。プリーツフィルタ(23)を流出した空気は、ヒータ(48)で加熱された後、加湿ロータ(43)を通過する。
ここで、加湿ユニット(40)では、水車(42)が回転し、水タンク(41)内の加湿水が加湿ロータ(43)の吸着部材(43b)に適宜供給される。具体的には、水車(42)が回転して凹部(42b)が水タンク(41)内の加湿水中に浸漬することにより、凹部(42b)内に加湿水が浸入し、凹部(42b)内に保持される。さらに水車(42)の回転が進むと、加湿水を保持した状態の凹部(42b)は、加湿水中から引き上げられてさらに上方へ変位する。なお、凹部(42b)が引き上げられるにつれて、凹部(42b)は加湿ロータ(43)に徐々に近接していく。また、凹部(42b)が引き上げられるにつれて、凹部(42b)内に保持された加湿水は自重により徐々に凹部(42b)内から流出する。そして、凹部(42b)が最上端位置まで到達すると、凹部(42b)内の加湿水は概ね全量流出する。
なお、凹部(42b)から流出した加湿水は、該凹部(42b)と近接する加湿ロータ(43)に付着し、吸着部材(43b)に吸着される。このような動作により、加湿ユニット(40)では、加湿ロータ(43)に連続的に加湿水が供給される。
そして、空気通路(14)を流れる空気が該吸着部材(43b)を流通すると、吸着部材(43b)に吸着していた水分が空気中へ放出される。その結果、空気の加湿が行われる。以上のようにして清浄化及び加湿された空気は、吹出口(13)を通じて室内へ供給される。なお、この加湿運転では、電源(18)からイオン化部(22)への電圧の供給を停止させることで、空気の浄化を積極的に行わない運転を行うことも可能である。
〈加湿水の浄化動作〉
ところで、水タンク(41)内に水が長時間に亘って貯留されると、水中で菌が増殖することにより、水タンク(41)内の水が汚染されることがある。また、例えば空気通路(14)を流れる空気中にアンモニア等の物質(有害物質や臭気物質)が含まれている場合、この物質が水中に溶解して水タンク(41)内の水が汚染されることもある。従って、このような汚染水が加湿水として室内へ供給されると、室内の清浄度が損なわれてしまう。そこで、本実施形態の調湿装置(10)では、上記オゾン供給ユニット(50)を用いて水タンク(41)内の水にオゾンガスを供給することにより、該水を浄化する水浄化動作が可能となっている。
具体的に、水浄化動作は例えば上記加湿運転と同時に行われる。この水浄化動作では、加圧ポンプ(64)が稼働されると共に電源(18)から放電部(51)へ電圧が印加される。加圧ポンプ(64)が稼働されると、導入管(61)を介してオゾンガス生成室(62)内に空気が導入される(図3参照)。また、オゾンガス生成室(62)では、電源(18)から電圧が印加された放電部(51)がストリーマ放電を生起する。その結果、オゾンガス生成室(62)内でオゾンガスが発生する。該オゾンガスは、加圧ポンプ(64)によって圧送されて搬送管(63)内の搬送路(55)を水タンク(41)に向かって流れ、水タンク(41)内の水中に吹き込まれる。
その際、オゾンガスは、搬送路(55)の下流側端部である搬送管(63)の下流側端部(63a)に設けられた微細化手段(80)としての連続気泡体の多孔質部材(82)を通過して水タンク(41)内の水中に吹き込まれる。ここで、連続気泡体の多孔質部材(82)には連続する微細な孔によって複数の極めて細い貫通孔が形成されている。そのため、オゾンガス生成室(62)内で生成されたオゾンガスは、搬送路(55)が形成された搬送管(63)内を流れた後、連続気泡体の多孔質部材(82)の複数の極めて細い貫通孔を通過して水タンク(41)内に供給される。その結果、オゾンガスは、多孔質部材(82)の複数の極めて細い貫通孔によって微細化されて微細気泡となって水タンク(41)内に供給される。
このようにして微細化されたオゾンガスの微細気泡によって、水タンク(41)内の水中に含まれた有害物質や雑菌等が分解除去され、水タンク(41)内の水質が浄化される。従って、加湿運転時には、水タンク(41)内の清浄な加湿水が加湿ロータ(43)によって空気中へ付与されるので、室内の清浄度が損なわれてしまうことがない。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、連続気泡体の多孔質部材(82)によって、搬送路(55)から水タンク(41)内へ導入されるオゾンガスの気泡が微細化されるので、気泡の総数を増加させることができる。そのため、オゾンガスの単位体積あたりの水との接触面積を拡大することができる。その結果、オゾンガスと水タンク(41)内の水との接触効率を向上させることができる。これにより、比較的少量のオゾンガスであっても水タンク(41)内の水中の有害物質や雑菌等を十分に除去することができる。従って、実施形態に係る調湿装置(10)によれば、水タンク(41)内の水をより効率よく浄化することができる。
また、上記実施形態によれば、微細化手段(80)を搬送路(55)の下流側端部に設けることとしている。そのため、オゾンガスが搬送路(55)から水タンク(41)内に吹き込まれる際の勢いに乗じてオゾンガスの気泡を容易に微細化することができる。また、オゾンガスが水タンク(41)内に吹き込まれる際の勢いに乗じて微細気泡を広い範囲に亘って分散させることができる。その結果、水タンク(41)内において広い浄化領域を確保することができるので、水タンク(41)内の水を効率よく浄化することができる。
−実施形態の変形例−
上記実施形態において、搬送路(55)から水タンク(41)内へ導入されるオゾンガスの気泡を微細化する微細化手段(80)として、以下のような各変形例の構成を採用することもできる。
〈変形例1〉
実施形態では、図3に示すように、搬送管(63)の下流側端部(63a)には、微細化手段(80)として、連続気泡体の多孔質部材(82)が取り付けられていたが、連続気泡体の多孔質部材(82)の代わりに、図4に示すような複数のスリット(90)が形成された有底円筒形状の板状部材(83)を搬送管(63)の下流側端部に取り付けることとしてもよい。このような場合であっても、複数のスリット(90)によってオゾンガスは微細化され、水タンク(41)内の水が浄化され易くなる。なお、図4では、説明の便宜上スリット(90)を幅広に示しているが、スリット(90)は気泡を微細化するのに好適な幅で形成されているものとする
また、微細化手段(80)としての板状部材(83)を搬送管(63)に取り付けるのではなく、図5に示すように、複数のスリット又は切り欠き(91)が形成された板状部材(84)を搬送管(63)の一部として搬送管(63)に設けることとしてもよい。つまり、搬送管(63)の下端部に複数のスリット又は切り欠き(91)を形成する。図5では、搬送管(63)の下端側面から下面に亘って複数の切り欠き(91)が形成されている。
このような形態であっても、搬送管(63)の下端部に形成された複数のスリット又は切り欠き(91)によってオゾンガスは微細化され、水タンク(41)内の水が浄化され易くなる。
さらに、複数のスリット又は切り欠き(91)の代わりに、図6に示すような、複数の微細な孔(92)が形成された板状部材(85)を、搬送管(63)の一部として搬送管(63)に設けることとしてもよい。なお、このとき、搬送管(63)の下端は閉口している又は複数の微細な孔(92)が形成された板状部材(85)によって覆われているものとする。
このような場合であっても同様の効果を得ることができる。また、微細化手段(80)を別途新たな部材を設けることなく搬送管(63)に設けることにより、部品点数を増加させずに微細化手段(80)を設けることができる。
〈変形例2〉
実施形態では、搬送管(63)は、その下流側端部(63a)が水タンク(41)内の水中に浸漬されるように水タンク(41)内に配されていた。そして、搬送管(63)の下流側端部(63a)に、微細化手段(80)としての連続気泡体の多孔質部材(82)が取り付けられていた。変形例2では、図7に示すように、搬送管(63)は水タンク(41)の外部に配され、水タンク(41)の下部に形成された吹出口(41a)に接続されている。そして、水タンク(41)内には、微細化手段(80)としての複数の微細な孔が形成された板状部材(81)が吹出口(41a)を覆うように取り付けられている。
このような形態であっても、水タンク(41)に取り付けられた板状部材(81)によってオゾンガスは微細化され、水タンク(41)内の水が浄化され易くなる。なお、微細化手段(80)として、複数の微細な孔の代わりに複数のスリットが形成された板状部材を用いてもよい。また、連続気泡体の多孔質部材を用いてもよい。このような場合であっても、複数のスリット又は多孔質部材によってオゾンガスは微細化され、水タンク(41)内の水が浄化され易くなる。
〈変形例3〉
また、変形例2では、微細化手段(80)として、複数の微細な孔が形成された板状部材(81)を水タンク(41)内に取り付けていたが、図8に示すように、該板状部材(81)を水タンク(41)の壁面の一部として壁面に設けることとしてもよい。つまり、水タンク(41)の搬送管(63)が接続される壁面(41b)の一部分に複数の微細な孔を形成し、該一部分に搬送管(63)を接続する。
このような形態であっても、水タンク(41)の壁面(41b)に形成された複数の微細な孔によってオゾンガスは微細化され、水タンク(41)内の水が浄化され易くなる。また、微細化手段(80)を別途新たな部材を設けることなく水タンクの壁面(41b)に設けることにより、部品点数を増加させずに微細化手段(80)を設けることができる。なお、複数の微細な孔の代わりに複数のスリットを形成することとしても勿論よい。
〈変形例4〉
図9に示すように、変形例4は、微細化手段(80)を、着脱自在に構成した例である。変形例4では、変形例2と同様に水タンク(41)の下部に吹出口(41a)を形成し、さらに該吹出口(41a)の外側に微細化手段(80)を収容する収容部(86)を形成し、微細化手段(80)を該収容部(86)に対して着脱自在に構成している。具体的には、収容部(86)は上部が開放された筺状体によって構成され、一方の側面には搬送管(63)が接続される開口部(86a)が形成され、他方の側面には吹出口(41a)と連通する開口部(86b)が形成されている。また、収容部(86)の上部開口部(86c)は、着脱自在な蓋(87)によって閉塞されている。そして、収容部(86)の内部には、微細化手段(80)が収容されている。
なお、微細化手段(80)は、複数の孔が形成された板状部材であってもよく、複数の貫通孔が形成された厚みのある部材であってもよい。また、連続気泡体の多孔質部材であってもよい。さらに、微細化手段(80)は、オゾンガスと共に開口部(86b)及び吹出口(41a)を通過して水タンク(41)内に入り込まないように、開口部(86b)及び吹出口(41a)とは異なる形状又は大きさに形成されている。
このような形態であっても、収容部(86)に収容された微細化手段(80)によってオゾンガスが微細化され、上述の効果と同様の効果を奏することができる。また、このような形態によれば、着脱自在な蓋(87)を取り外すことにより、収容部(86)の上部開口部(86c)から微細化手段(80)を容易に抜き出すことができる。そのため、例えば、目詰まり等により微細化手段(80)が機能しなくなった場合に、微細化手段(80)を容易に取り外すことで、微細化手段(80)のメンテナンスを容易に行うことができる。
《その他の実施形態》
上記の実施形態及び各変形例では、オゾン生成手段は、ストリーマ放電によりオゾンガスを生成する放電部(51)によって構成されていた。しかし、本発明に係るオゾン生成手段は、これに限られず、紫外線によってオゾンガスを生成する紫外線ランプを用いたものであってもよい。また、放電部(51)はストリーマ放電を生起するものに限られない。
また、上記の各実施形態及び各変形例では、調湿装置(10)は、空気浄化手段(20)及び加湿ユニット(40)を備え、空気浄化及び加湿運転が可能に構成されていたが、調湿装置(10)は除湿ユニットをさらに備え、除湿運転が可能なものであってもよい。
なお、本発明には、上記の実施形態や各変形例に示したものだけでなく、これらを適宜組み合わせたものも含まれる。
以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、水タンク内の水を空気中へ付与する加湿手段を備えた調湿装置に適し、特に水タンク内の水の浄化について有用である。
実施形態に係る調湿装置の全体構成を示し、水タンクをケーシングから引き出した状態を示す斜視図である。 調湿装置の内部を表した概略の縦断面図である。 オゾン供給ユニットと水タンクの概略の縦断面図である。 変形例1の微細化手段を示す側面図である。 変形例1の微細化手段の変形例を示す側面図である。 変形例1の微細化手段の変形例を示す側面図である。 変形例2のオゾン供給ユニットと水タンクの概略の縦断面図である。 変形例3のオゾン供給ユニットと水タンクの概略の縦断面図である。 変形例4の微細化手段付近の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
10 調湿装置
41 水タンク
41b 壁面
43 加湿ロータ(加湿手段)
50 オゾン供給ユニット(オゾン供給装置)
51 放電部(オゾン生成手段)
55 搬送路
63 搬送管
63a 下流側端部
80 微細化手段
81 板状部材
82 多孔質部材
83 板状部材
84 板状部材
85 板状部材
90 スリット
91 切り欠き
92 孔

Claims (7)

  1. 水が貯留された水タンク(41)と、前記水タンク(41)内の貯留水を空気中に付与する加湿手段(43)とを備えた調湿装置であって、
    オゾンガスを生成するオゾン生成手段(51)と、前記オゾン生成手段(51)から前記水タンク(41)内へオゾンガスを導く搬送路(55)とを有するオゾン供給装置(50)と、
    前記搬送路(55)の下流側端部に設けられ、前記搬送路(55)から前記水タンク(41)内へ導入されるオゾンガスの気泡を微細化する微細化手段(80)とを備えている
    ことを特徴とする調湿装置。
  2. 請求項1において、
    前記微細化手段(80)は、連続気泡体の多孔質部材(82)によって構成されている
    ことを特徴とする調湿装置。
  3. 請求項1において、
    前記微細化手段(80)は、複数の微細な孔(92)が形成された板状部材(81,85)によって構成されている
    ことを特徴とする調湿装置。
  4. 請求項1において、
    前記微細化手段(80)は、複数のスリット(90,91)が形成された板状部材(83,84)によって構成されている
    ことを特徴とする調湿装置。
  5. 請求項3又は4において、
    前記オゾン供給装置(50)は、少なくとも下流側端部(63a)が前記水タンク(41)内の水中に浸漬され、前記搬送路(55)を形成する搬送管(63)を有し、
    前記微細化手段(80)は、前記搬送管(63)に設けられている
    ことを特徴とする調湿装置。
  6. 請求項3又は4において、
    前記微細化手段(80)は、前記水タンク(41)の壁面(41b)に設けられている
    ことを特徴とする調湿装置。
  7. 請求項1から4のいずれか1つにおいて、
    前記微細化手段(80)は着脱自在に構成されている
    ことを特徴とする調湿装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011080676A (ja) * 2009-10-06 2011-04-21 Zojirushi Corp 空気調和機、空気調和方法および加湿部材
KR20210028536A (ko) * 2019-09-04 2021-03-12 동의대학교 산학협력단 기포 발생형 향균 가습기

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