JP2009216125A - 動力断続機 - Google Patents

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Abstract

【課題】配管や配線を増やすことなく、動力断続機に対して冷却用の流体を供給する状態と、バイパス流路を介して排出する状態とを切り替える。
【解決手段】湿式多板型のブレーキ装置40において、冷却用の流体をブレーキ装置40の収容ケース44内に供給する状態と、バイパス流路85を経由して冷却用の流体をタンクに直接排出する状態とに切り替える切替弁94を配置した。この切替弁94は、ブレーキを作動させる押圧ピストン70の摺動と連動して作動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建設車両のアクスル装置に用いられる湿式ブレーキ又は湿式クラッチ等の動力断続機に関する。
車重が重い不整地運搬車や建設車両等のアクスル装置における制動装置として、アクスル装置に湿式多板型のブレーキを配置した構成が用いられている。湿式多板型のブレーキでは、制動時の運動エネルギーを熱に変換する際に、多板間に介在している流体の有する粘性の性質を用いている。そのため、多板の耐久性が優れており、小型ながら大きな制動力を得ることができるという構造上の特徴がある。更に、湿式多板型のブレーキは、運転者による微妙な制動指示に対して良好な制動応答が得られるので、車両のブレーキやリターダとして多用されている。
このように、湿式多板型のブレーキは種々の特徴を備えているが、多板間に介在している流体の冷却を十分に行わないと、制動力が極端に低下してしまうといった不具合を生ずる。そこで、多板を湿潤している流体を強制的に循環させることによって、多板間に介在している流体の温度上昇を抑え、連続制動時における制動力の低下を防止している。
更に、この流体を強制的に循環させるポンプの負荷を減らすため、動力断続機が動力を伝達していない状況下において、冷却用の流体の供給を遮断する発明が特許文献1(特開2001−99190号公報)に記載されている。
特許文献1に記載されている動力断続機は、回転力が入力される回転ディスクと、当該回転ディスクからの回転力が伝達される従動プレートと、作動油を用いて回転ディスク及び従動プレートを圧接状態又は開放状態に切替える押圧ピストンと、これらを密閉収容する収容ケースとを備えた構成になっている。
更に、特許文献1に記載されている動力断続機では、押圧ピストンにおける押圧端部の裏面側には、当該押圧ピストンの摺動位置に応じて、オリフィス開口端の開口面積が変化するように構成された外側リングが配置されている。この外側リングに開設されたオリフィスは、押圧ピストンの摺動位置に応じて収容ケース内に供給する冷却用の流体の流量を調節するものである。
例えば、押圧ピストンが回転ディスクと従動プレートとを圧接させる位置に摺動して動力を伝達させる際には、オリフィス開口端の開口面積が増大して、収容ケース内に冷却用の流体が供給される。他方、押圧ピストンが回転ディスクと従動プレートとの圧接を開放する位置に摺動して動力を遮断する際には、オリフィス開口端が押圧ピストンにおける押圧端部の裏面側で閉鎖されることになり、収容ケース内に流入していた冷却用の流体の供給が停止される。
冷却用の流体の供給が停止されると、収容ケース内に存在する冷却用の流体は、収容ケースの排出口から外部に排出される。冷却用の流体が収容ケースから排出されることで、回転ディスクと従動プレートとの間で発生する流体の粘性抗力を減少させることができるとしている。
特開2001−99190号公報
特許文献1に記載されている動力断続機では、動力の伝達が遮断されている際には、ケース内に流れていた冷却用の流体の供給が停止されることになり、行き場を失った流体はリリーフバルブを経由してタンクに戻る構成となっている。流体がリリーフバルブを通過するためには所定のリリーフ圧力が必要となる。このため、流体を圧送しているポンプの負荷が増大し、燃費の悪化を招くことになる。
そこで、図10の油圧回路図に示すように、ポンプと動力断続機940との間に電磁弁として構成された冷却油量切替弁を配置して、動力断続機940が動力を伝達している際には冷却用の流体を動力断続機940に供給し、動力を伝達しない際にはバイパス流路902を経由して直接タンク900に戻すことによって、ポンプの負荷を減少させることも考えられる。
しかし、この場合には、流体を動力断続機940に給排するための配管に加え、冷却油量切替弁と、バイパス用の配管902と、配線904とをそれぞれ配置する必要が生じる。したがって、この場合には、配管及び配線が煩雑になるという不具合を生ずる。
本発明は上述した不具合を解決するためになされたものであり、配管や配線を増やすことなく、動力を伝達する場合には動力断続機に対して冷却用の流体を供給し、動力を伝達しない場合にはポンプから圧送されてくる冷却用の流体を、バイパス流路を経由してタンクに戻す動力断続機を提供することを目的としている。
前述の目的を達成すべく本発明は、回転力が入力される回転ディスクと、前記回転ディスクからの回転力が伝達される従動プレートと、前記回転ディスクと前記従動プレートとの圧接及び開放を行う押圧ピストンとを収容した収容ケースを備え、前記回転ディスク及び前記従動プレートに対して冷却を行う流体が前記収容ケース内に給排される湿式ブレーキ又は湿式クラッチ等の動力断続機において、前記押圧ピストンの摺動に連動して作動する切替弁を備え、前記切替弁は、前記押圧ピストンが前記回転ディスクと前記従動プレートとを圧接させる位置に摺動した際には、バイパス流路を介してタンクに戻す前記流体の流量を減少させるとともに前記収納ケース内に供給する流量を増大させる位置に切替わり、前記押圧ピストンが前記回転ディスクと前記従動プレートとの圧接を開放する位置に摺動した際には、前記バイパス流路を介してタンクに戻す前記流体の流量を増大させるとともに前記収納ケース内に供給する流量を減少させる位置に切替わることを特徴とする。
また、前記ポンプから圧送された前記流体を前記収納ケース内に供給する導入流路と、前記導入流路を途中で分岐した分岐流路とを備え、前記切替弁には、前記分岐流路に連通するバイパス流入ポートと、前記バイパス流路に連通するバイパス流出ポートとが開設されるとともに前記押圧ピストンの摺動と連動して摺動するスプールが配置され、前記押圧ピストンが、前記回転ディスクと前記従動プレートとを圧接させる位置へ摺動することにより、前記スプールは、前記バイパス流入ポートとバイパス流出ポートとを連通させる開口面積を減少させる位置に摺動してなり、前記押圧ピストンが、前記回転ディスクと前記従動プレートとの圧接を開放させる位置へ摺動することにより、前記スプールは、前記バイパス流入ポートとバイパス流出ポートとを連通させる流路の開口面積を増大させる位置に摺動してなることが好ましい。
更に、前記切替弁のバイパス流入ポート及びバイパス流出ポートを、前記押圧ピストンを摺動自在に収容する押圧シリンダに形成し、前記切替弁のスプールを、前記押圧ピストンの外周に形成することが好ましい。
また、前記流体を前記収納ケース内に供給する導入流路が、前記押圧ピストンを収容する押圧シリンダに形成した供給ポートに接続され、前記押圧ピストンが、前記回転ディスクと前記従動プレートとを圧接させる位置へ摺動することにより、前記供給ポートの開口面積を増大させ、前記押圧ピストンが、前記回転ディスクと前記従動プレートとの圧接を開放させる位置へ摺動することにより、前記供給ポートの開口面積を減少させることが好ましい。
また、前記切替弁を、前記押圧ピストンに作用する作動油の圧力に応じて、前記流体を前記収納ケース内に供給する流量と、前記流体をバイパス流路を介してタンクに戻す流量とを切り替えるように構成することが好ましい。
本発明に係る動力断続機では、湿式多板型の動力断続機において、湿式多板同士の圧接と開放とを行なう押圧ピストンに連動して作動する切替弁を設けている。押圧ピストンが湿式多板同士の圧接を開放する位置に摺動して動力の伝達を遮断している場合には、この切替弁は、バイパス流路を経由して冷却用の流体をタンクに戻す位置に切替わる。
これにより、動力断続機が動力を伝達していない場合には、冷却用の流体を圧送する際の抵抗を減ずることができ、不必要となるポンプの負荷を減少させておくことができる。また、前記切替弁の位置は、押圧ピストンに連動して切替わることができるので、切替弁を制御する配線や切替弁を制御するための配管が不要となる。
また、切替弁のスプールを押圧ピストンの摺動と連動させた構成としていることにより、簡単な構成でありながら冷却用の流体を、バイパス流路を経由してタンクに戻すことができる。
更に、切替弁のバイパス流入ポート及びバイパス流出ポートを、押圧シリンダに形成し、切替弁のスプールを押圧ピストンの外周に形成しておくこともできる。このように構成しておくことにより、切替弁を専用のバルブとして別途配置することなく、冷却用の流体を、バイパス流路を介してタンクに戻すことができる。
また、押圧ピストンを収容する押圧シリンダに、収容ケース内に供給する冷却用の流体の流量を制御する供給ポートを備え、押圧ピストンの摺動に応じて供給ポートの開口面積が制御されるように構成しておくことにより、専用の供給用バルブを別途配置することなく、湿式多板に対する冷却用の流体の供給量を調節することができる。
また、本発明に係る動力断続機では、湿式多板型の動力断続機において、湿式多板同士の圧接と開放とを行なう押圧ピストンを作動させる作動油の圧力を用いることにより、冷却用の流体の流路を切り替える切替弁を配した。作動油の圧力が、動力断続機における湿式多板同士の圧接を開放する位置に摺動して、動力の伝達を遮断する圧力である場合には、切替弁は、バイパス流路を経由して冷却用の流体をタンクに戻す位置に切替わる。
これにより、動力断続機が動力を伝達していない場合には、冷却用の流体を圧送する際の抵抗を減ずることができ、不必要となるポンプの負荷を減少させておくことができる。また、前記切替弁は、押圧ピストンを作動させる作動油の圧力に応じて切替わるので、切替弁を制御するための配線が不要となる。
以下、本発明に係る動力断続機を、建設車両のブレーキ装置に適用した実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る動力断続機を配置したリダクション型アクスル装置10におけるサイドアクスルハウジング36の平面断面図であり、図2は、ブレーキ装置40の部分拡大図である。
図1に示すように、リダクション型アクスル装置10は、車両のデファレンシャルギヤユニットから出力されるドライブシャフト34と、ドライブシャフト34の側端部に嵌入されている太陽歯車52を有する遊星歯車機構50とを備えた構成となっている。遊星歯車機構50は、太陽歯車52と噛合してドライブシャフト34の回転を減速して車両のホイールに伝達する遊星歯車54と、遊星歯車54を回動自在に保持する遊星歯車軸受59と、遊星歯車軸受59の内輪を固定する遊星軸56と、複数の遊星軸56を保持するキャリア57と、遊星歯車機構50を外部から遮断して覆うキャリアカバー57Aとを備えた構成となっている。
また、リダクション型アクスル装置10は、キャリア57の回転力を車両のホイールに伝達するホイールハブ61と、複数の遊星歯車54に対して外周から噛合している内歯の外輪歯車58と、外輪歯車58を固定するインナーハブ37と、インナーハブ37を固定するサイドアクスルハウジング36とを備えている。
サイドアクスルハウジング36は、車両の車体側にサスペンションを介して懸架される部材である。ホイールハブ61は、2組のホイールベアリング64により、サイドアクスルハウジング36に対して回動自在に軸支されている。車両のホイール(図示せず。)は、ホイール取付ボルト60を用いてホイールハブ61のフランジに取り付けられる。
ホイールハブ61とサイドアクスルハウジング36との間には、走行中の車両に対して制動を行うブレーキ装置40が配置されている。ブレーキ装置40の収容ケース44は、押圧シリンダ45を介してサイドアクスルハウジング36に固定されており、固定手段として、押圧シリンダ取付ボルト66が用いられている。他方、ブレーキ装置40のブレーキロータ41は、ブレーキロータ取付ボルト62を介してホイールハブ61に固定されている。
次に、ブレーキ装置40の構造について、図2の断面図を用いて説明する。
図2に示すようにブレーキ装置40は、車両のホイールと共に回転するブレーキロータ41と、複数枚の回転ディスク42と、固定プレート43(従動プレート)と、収容ケース44と共に車体側に固定される押圧シリンダ45とを備えている。
複数枚の回転ディスク42は、ブレーキロータ41の外周に形成されたスプライン状の溝に内歯部分を嵌入し、ブレーキロータ41と共に回転する構成となっている。固定プレート43は、回転ディスク42と交互に差し込まれた配置構成となっており、収容ケース44内面に形成されたスプライン状の溝に外歯部分が嵌入されている。
押圧シリンダ45の内部には、押圧ピストン70が摺動自在に配置されている。押圧ピストン70は、交互に差し込まれている回転ディスク42及び固定プレート43を、作動油の圧力に応じて、互いに圧接させたり開放したりする。そして、回転ディスク42と固定プレート43の間に冷却油等の流体を介在させることにより、回転ディスク42及び固定プレート43は湿潤された状態となり、回転ディスク42と固定プレート43の間に介在させた流体の粘性を利用して、回転ディスク42から固定プレート43に対して動力を伝達させることができる。
作動油をブレーキチャンバ49B内に圧送すると、作動油の圧力によって押圧ピストン70が図2に示すように右方向に摺動し、複数枚の回転ディスク42と固定プレート43とが互いに圧接された状態となる。このときの作動油の圧力に応じて、回転ディスク42と固定プレート43との間に介在している流体の厚さが変化する。そして、流体の粘性によって伝達される動力(トルク)を、回転ディスク42と固定プレート43とが離間した遮断状態から、回転ディスク42と固定プレート43とが圧接した密着状態までの間で、微妙に動力伝達を調節することができる。すなわち、ブレーキとしての制動力を自在に調節することができる。
ブレーキチャンバ49B内に圧送されていた作動油の圧力を減じると、リターンスプリング71の付勢力によって押圧ピストン70は、図2に示す状態から左方向に摺動する。すると、複数枚の回転ディスク42と固定プレート43とが互いに圧接された状態から開放され、回転ディスク42と固定プレート43との回転差によって回転ディスク42と固定プレート43との間に流体が巻き込まれる。そして、それぞれの回転ディスク42と固定プレート43との隙間が広がることになり、回転ディスク42と固定プレート43との間に介在している流体の厚さが増大して、流体の粘性により伝達されていた動力が極端に減少することになる。そして、動力が遮断された状態となる。
また、図2に示す実施形態では、上述の作動油の圧送による制動力の調節機構に加えて、車両停止時のパーキングブレーキ機構を併設してある。図2に示すように、押圧ピストン70の内周部、且つパークシリンダ46の外周部には、押圧ピストン70と同方向に摺動自在なパークブレーキピストン72が配置されている。
このパークブレーキピストン72は、常時パークスプリング73によって図2に示す右方向に付勢されている。したがって、パークシリンダ46とパークブレーキピストン72との間に形成されているパークブレーキチャンバ49P内に、作動油が圧送されていない状態(例えばパーキングブレーキがかけられた状態、又はエンジン停止時等)においては、パークブレーキピストン72は、押圧ピストン70を内側から図2に示す右方向に摺動させる。
そして、押圧ピストン70の摺動によって、複数枚の回転ディスク42と固定プレート43とが、互いに圧接する。これにより、収容ケース44とブレーキロータ41との間における回動が制限され、坂道などに停車した車両が、移動してしまうことを防止する。
他方、車両を走行させる際には、作動油をパークブレーキチャンバ49Pに圧送する。すると、パークブレーキピストン72は、パークスプリング73の付勢力に逆らって図2に示す左方向に摺動する。そして、押圧ピストン70を介して回転ディスク42と固定プレート43とを圧接させていた力が開放されることになり、パーキングブレーキとしての制動力が開放される。
ブレーキチャンバ49B内に作動油を圧送して制動力を発生させると、走行している車両を減速させることができる。このとき、減少した車両の運動エネルギーは熱に変換されるが、熱に変換されるエネルギーのほとんどは、ブレーキ装置40の内部において回転ディスク42と固定プレート43とを湿潤させている流体が吸収する。したがって、流体の温度は急激に上昇することになる。回転ディスク42と固定プレート43とを湿潤させている流体が過度に温度上昇するのを避けるため、ポンプにて圧送した流体を、ブレーキ装置40の内部に導入して循環させた後に、排出口(図示せず。)を経由してタンクに排出するように構成している。これにより、回転ディスク42と固定プレート43との間で発生した熱を、ブレーキ装置40の外部に放出することができる。
図2に示す実施例では、ブレーキ装置40を作動させて車両を制動させる際には、ポンプから圧送された冷却用の流体を押圧ピストン70の後端縁(図2に示す押圧ピストン70の左端縁部分。)側から導入し、パークスプリング73の間を通ってブレーキ装置40の中心側に向かって進行させる。ブレーキ装置40の中心側に向かって進行した冷却用の流体は、押圧シリンダ45に開設したオイル流路45A及びパークシリンダ46に開設したオイル流路46Aを通過して、パークシリンダ46の内側に流入する。そして、パークシリンダ46の内側に流入した冷却用の流体は、サイドアクスルハウジング36(図1参照。)の外周に沿って、ブレーキロータ41の内側に移送される。
ブレーキロータ41の内側に移送した冷却用の流体は、ブレーキロータ41に放射状に多数開設されているオイル流路41Aを通って、回転ディスク42と固定プレート43とを湿潤させている流体と内側から入れ代わる。回転ディスク42及び固定プレート43の外側に排出された流体は、図示しない排出口を経由してブレーキ装置40から排出され、タンクに戻る。なお、シールリング47,48は、冷却用の流体(潤滑油)が摺動部から外部に流出することを防止するとともに、パッキンを保持する部材である。
更に本発明では、ブレーキ装置が作動している状況下においてのみ、冷却用の流体を循環させるために、押圧ピストン70の摺動に連動して供給ポート80の開口面積を増大させて、冷却用の流体の給排を促進させている。他方、ブレーキ装置が作動していない状況下においては、ポンプにて圧送されている冷却用の流体を、バイパス流路を経由してタンクに戻すように構成している。
この湿式多板型のブレーキ装置40における切替弁94の構成例について、図3及び図4を用いて説明する。
図3は、図2に示した押圧ピストン70の部分拡大図であり、作動油をブレーキチャンバ49Bに圧送して押圧ピストン70を右側に摺動させ、回転ディスク42と固定プレート43を圧接することにより、制動力を得ている状態を示す図である。他方、図4は、図3に示す状態から作動油の圧送を停止し、リターンスプリング71の付勢力によって押圧ピストン70が左側に摺動して、回転ディスク42と固定プレート43の圧接が開放された状態を示す図である。
図3及び図4に示す実施例では、シリンダ内壁45Sにおける押圧ピストン70の後端部付近には、供給ポート80が開設されている。供給ポート80には、ポンプから冷却用の流体が供給される導入流路81が連通している。この供給ポート80は、回転ディスク42及び固定プレート43の周辺に供給する冷却用の流体の流量を制御するポートである。
供給ポート80は、押圧ピストン70が回転ディスク42と固定プレート43とを圧接させる位置に摺動すると、その開口面積が増大するように形成されている(図3参照。)。したがって、押圧ピストン70が回転ディスク42と固定プレート43とを圧接させる位置に摺動すると、ポンプの吐出側に接続されている導入流路81を経由して供給ポート80から多量の冷却用の流体がブレーキ装置40内に供給され、制動により発生した熱を吸収した冷却用の流体は、排出口(図示せず。)から排出される。
他方、図4に示すように、押圧ピストン70が回転ディスク42と固定プレート43との圧接を開放する位置に摺動すると、供給ポート80の開口部は押圧ピストン外周90及び押圧ピストン後端部92によって狭められるので、供給ポート80の開口面積は減少する。
したがって、押圧ピストン70が回転ディスク42と固定プレート43との圧接を開放する位置に摺動すると、供給ポート80からブレーキ装置40の内部に供給される冷却用の流体が減少し、これに伴いブレーキ装置40内に存在する冷却用の流体の液面も低下する。この液面の低下により、走行時などにおいて増大する流体の粘性抗力を減少させることができる。
ところが、単に供給ポート80の開口面積を減少させるのみではポンプに負荷がかかる状態が続くので、無駄な損失馬力が発生する。そこで図3及び図4に示す実施例では、押圧ピストン70が、回転ディスク42と固定プレート43との圧接を開放する位置に摺動した際には、ポンプから圧送されてくる流体をバイパス流路を経由して直接タンクに戻すための切替弁94を設けている。この切替弁94を構成するスプール87は、押圧ピストン70の後端部に連接された構成となっているので、押圧ピストン70の摺動に連動してバイパス流路への切替動作を行うことができる。
例えば図3に示すように、押圧ピストン70が回転ディスク42と固定プレート43とを圧接させる位置(図3に示す右側。)に摺動すると、スプール87も連動して右側に摺動し、導入流路81から分岐した分岐流路96と連通するバイパス流入ポート82は、スプール大径部86により開口面積が減少した状態(又は閉鎖した状態)となる。したがって、この場合には、導入流路81からバイパス流路85に流出する流体の流量は減少する。
他方、図4に示すように、押圧ピストン70が回転ディスク42と固定プレート43との圧接を開放する位置(図4に示す左側。)に摺動すると、スプール87も連動して左側に摺動し、バイパス流入ポート82及びバイパス流出ポート84に架かるスプール小径部88の割合が増大することになる。したがって、バイパス流入ポート82及びバイパス流出ポート84の開口面積が増大して、ポンプから導入流路81を経由して流れてきた冷却用の流体の多くは、分岐流路96、バイパス流入ポート82及びバイパス流出ポート84を経由して、バイパス流路85に排出される。したがって、この場合には、バイパス流路85に流出する流体の流量が増大するので、ポンプに加わる負荷が減少し、損失馬力を減少させることができる。
なお、図3及び図4に示す実施例では、バイパス流路85をバイパス流出ポート84から流出する流体をタンクに戻すための通路として記載してあるが、これに加えて、回転ディスク42及び固定プレート43の近傍に供給した冷却用の流体を排出する排出口を、押圧シリンダ45の部品の内部にて接続する構成としておくことができる。排出口をバイパス流路85に連通させることによって、冷却用の流体をタンクに戻すための配管を簡素化することができる。
また、図3及び図4に示す実施例では、押圧ピストン70が回転ディスク42と固定プレート43とを圧接させる位置に摺動した際には、完全にバイパス流出ポート84を閉じる構成となっている旨の説明を行なったが、本発明は完全に閉じてしまう構成に限定するものではなく、バイパス流出ポート84の開口面積を減少させる構成としておくこともできる。
次に、湿式多板型のブレーキ装置における切替弁に関わる他の構成例について、図5及び図6を用いて説明する。
図5は、図3に示した断面図と同様に、ブレーキ装置における押圧ピストン170の部分について、拡大して示した図である。図5は、作動油をブレーキチャンバ49Bに圧送して押圧ピストン170を右側に摺動させ、回転ディスク42と固定プレート43を圧接させて、制動力を得ている状態を示す図である。他方、図6は、図5に示す状態から作動油の圧送を停止し、リターンスプリング71の付勢力によって押圧ピストン170が左側に摺動して、回転ディスク42と固定プレート43の圧接が開放された状態を示す図である。
先に説明した図3及び図4では、バイパス流路85に対して流体の流出及び停止を制御するスプール87を押圧ピストン70の後端縁に連接した実施例を示したが、図5及び図6に示す実施例では、スプール87と同等の機能を、押圧ピストン170の押圧ピストン外周190に形成した切欠193を用いて実現している。
図5に示すように、押圧ピストン外周190の一部には、切欠193(分岐流路の一形態。)が成形されている。この切欠193は、押圧ピストン外周190の一部をDカットした溝形状として形成することも、押圧ピストン外周190の全周に亘る溝として形成することもできる。この切欠193と対峙するシリンダ内壁145Sには、ポンプの吐出側に接続されている導入流路81と連通する導入ポート182と、供給ポート180と、ポンプから圧送されてくる冷却用の流体をバイパス流路85に対して排出するバイパス流出ポート184とが形成されている。
導入ポート182は、常時切欠193に架かっている構成となっている。供給ポート180は、供給流路83及び押圧ピストン170の後端部を経由して、回転ディスク42及び固定プレート43の周辺に流体を供給することができるポートとして構成されている。この導入ポート182は、バイパス流入ポートの機能を兼ねている。
押圧ピストン170が回転ディスク42と固定プレート43とを圧接させる位置に摺動すると、図5に示すように、導入ポート182と供給ポート180とが連通した状態となる。すると、ポンプから流入する冷却用の流体は、導入流路81と切欠193と供給流路83とを経由して、押圧ピストン170の後端縁に流入する。そして、オイル流路145A、オイル流路46A、及びオイル流路41A(図1参照。)を経由して回転ディスク42及び固定プレート43の周辺に流入し、制動時に発生する熱を吸収した後に排出される。なお、図5に示す実施例では、冷却用の流体をタンクに戻すためのバイパス流出ポート184は、閉じている状態を示しているので、ポンプから流入する冷却用の流体は、全てブレーキ装置内に供給されることになる。
他方、図6に示すように、押圧ピストン170が回転ディスク42と固定プレート43との圧接を開放する位置に摺動すると、供給ポート180の開口面積が減少し、バイパス流出ポート184の開口面積が増大して、導入ポート182とバイパス流出ポート184とが連通する。すると、ポンプから流入する冷却用の流体は、切欠193とバイパス流路85とを経由してタンクに排出される。したがって、回転ディスク42と固定プレート43との圧接が開放された場合には、バイパス流路85に流出する流体の流量を増大させることができるので、ポンプが吐出する圧油をタンクに直接排出してポンプに加わる負荷を減少させ、損失馬力を減少させることができる。
なお、図5及び図6に示す実施例では、バイパス流路85はバイパス流出ポート184から流出する流体を、タンクに戻す通路として記載してあるが、これに加えて、回転ディスク42及び固定プレート43の近傍に供給した冷却用の流体を排出する排出口を、押圧シリンダ145の部品の内部にて、バイパス流路85と接続する構成を採用することもできる。排出口をバイパス流路85に連通させることによって、冷却用の流体をタンクに戻すための配管を簡素化することができる。
また、図5及び図6に示す実施例では、押圧ピストン170が、回転ディスク42と固定プレート43とを圧接させる位置に摺動した際には、完全にバイパス流出ポート184を閉じ、押圧ピストン170が回転ディスク42と固定プレート43との圧接を開放する位置に摺動した際には、完全に供給ポート180を閉じる構成として説明を行なった。しかし、本発明は、バイパス流出ポート184や供給ポート180を完全に閉じる構成に限定するものではなく、バイパス流出ポート184と供給ポート180との開口面積の割合を変更するように構成しておくこともできる。
上記の実施例では、動力断続機における押圧ピストンの摺動に連動して、冷却用の流体を、収容ケース内に供給する状態と、バイパス流路を介してタンクに排出する状態とを切り替える実施例を示した。この構成の他にも、図7〜図9に示すように、動力断続機の押圧ピストンを作動させる作動油の圧力に応じて、冷却用の流体の流路を切り替えるオペレートバルブを用いる構成とすることも可能である。
図7〜図9は、図3及び図4に示した押圧ピストン70と連動して作動するスプール87に代えて、押圧ピストン70を作動させる作動油の圧力に応じて冷却用の流体の流路を切り替えるスプール208を配した実施例を示す図である。なお、図3及び図4に示す部品と同一の機能を有する部品については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図7は、図3に示した図と同様に、作動油をブレーキチャンバ49Bに圧送して押圧ピストン70を右側に摺動させ、回転ディスク42と固定プレート43(図2参照)を圧接することにより、制動力を得ている状態を示す図である。図8は、図7及び図9に示すブレーキ作動油流路203に沿って切断し、左側方から観察したVIII−VIII断面図である。図9は、図7に示す状態から作動油の圧送を停止し、リターンスプリング71の付勢力によって押圧ピストン70が左側に摺動して、回転ディスク42と固定プレート43(図2参照)の圧接が開放された状態を示す図である。
図7に示すように、切替弁194のシリンダの左端部には、ブレーキ作動油流路202から分岐したブレーキ作動油流路203に連通する開口部が開設されている。切替弁194のシリンダの内部には、図7の左右方向に対して摺動自在なスプール208が配されている。切替弁194のシリンダの右端部は、プラグ210により封止されている。当該プラグ210とスプール208との間のシリンダ内壁には、バイパス流路85に連通する通気路204が開設されている。また、プラグ210とスプール208との間には、スプール208を常時左方向に付勢するリターンスプリング206が配されている。
ブレーキを作動させる際に作動油の圧力が高くなると、作動油がブレーキ作動油流路203を経由して切替弁194のシリンダ内に流入し、スプール208を右側に押す力が働く。すると、リターンスプリング206が撓み、スプール208の右側に存在していた冷却用の流体、又は空気が通気路204を介してバイパス流路85に逃げるので、スプール208が押圧ピストン70と同様に右方向に摺動する。
他方、作動油の圧力が低くなると、リターンスプリング206の付勢力によってスプール208が左側に摺動する。このとき、作動油は切替弁194のシリンダ内から排出されてブレーキ作動油流路203を経由してブレーキ作動油流路202に戻る。このとき通気路204を介してバイパス流路85から、空気又は冷却用の流体がスプール208の右側に流入することになる。
次に、押圧ピストン70とスプール208とが連動する際の作用について説明する。
図7に示すように、作動油がブレーキ作動油流路202を経由してブレーキチャンバ49B内に流入すると、押圧ピストン70が回転ディスク42と固定プレート43(図2参照)とを圧接させる位置(図7に示す右側)に摺動し、供給ポート80の開口面積が増大する。同様に、切替弁194においても、作動油がブレーキ作動油流路203を経由してスプール208の左側に流入するので、スプール208も連動して右側に摺動する。
すると、導入流路81から分岐した分岐流路96と連通するバイパス流入ポート82は、スプール大径部186により開口面積が減少した状態(又は閉鎖した状態)となる。したがって、この場合には、導入流路81からバイパス流路85に流出する流体の流量は減少して、ブレーキ装置の内部に供給される冷却用の流体が増大することになる。
他方、作動油の圧力が低くなると、図9に示すように押圧ピストン70が回転ディスク42と固定プレート43との圧接を開放する位置に摺動し、供給ポート80の開口面積は減少する。同様に、切替弁194においても、作動油がスプール208の左側からブレーキ作動油流路203を経由してブレーキ作動油流路202に戻るので、リターンスプリング206の付勢力によりスプール208は左側に摺動する。
すると、バイパス流入ポート82及びバイパス流出ポート84に架かるスプール小径部188の割合が増大する。したがって、バイパス流入ポート82及びバイパス流出ポート84の開口面積が増大して、ポンプから導入流路81を経由して流れてきた冷却用の流体の多くは、分岐流路96、バイパス流入ポート82及びバイパス流出ポート84を経由して、バイパス流路85に排出される。したがって、この場合には、バイパス流路85に流出する流体の流量が増大するので、ポンプに加わる負荷が減少し、損失馬力を減少させることができる。
なお、図7〜図9に示す実施例では、作動油の圧力が高い場合に、ブレーキ装置における回転ディスク42と固定プレート43(図2参照)とを圧接させる位置に摺動し、ブレーキ装置の内部に供給される冷却用の流体が増大する位置に切替弁194のスプールが摺動する実施例を示してあるが、作動油の圧力の論理を逆にすることもできる。すなわち、作動油の圧力が低い場合に、ブレーキ装置における回転ディスクと固定プレートとを圧接させる位置に摺動し、ブレーキ装置の内部に供給される冷却用の流体が増大する位置に切替弁のスプールが摺動するように構成してもよい。
本発明に係る動力断続機は、上記の説明のように建設車両のブレーキ装置に適用することができるほか、無限軌道車両における方向転換用のクラッチや、変速機用のクラッチ、その他の動力断続機に適用することができる。
本発明に係る動力断続機を配置したリダクション型アクスル装置におけるサイドアクスルハウジングの平面断面図である。 図1に示したブレーキ装置の部分拡大図である。 図2に示した押圧ピストン及び切替弁の部分拡大図であり、押圧ピストンが右側に摺動することにより制動力を得ている状態を示す図である。 図3に示した状態から、リターンスプリングの付勢力によって押圧ピストンが左側に摺動して制動力が開放され、バイパス流路に流出する流体の流量が増大した状態を示す図である。 ブレーキ装置とバイパス流路とに冷却用の流体を切り替える切替弁の他の実施例を示す図であり、押圧ピストンが右側に摺動することにより制動力を得ている状態を示す図である。 図5に示した状態からリターンスプリングの付勢力によって押圧ピストンが左側に摺動し、制動力が開放された状態を示す図である。 本発明に係る切替弁の他の実施例を表す図であり、作動油をブレーキチャンバ内に圧送して制動力を得ている状態を示す図である。 図7に示すVIII−VIII矢視断面図である。 図7に示した状態から、リターンスプリングの付勢力によって押圧ピストンが左側に摺動して制動力が開放され、バイパス流路に流出する流体の流量が増大した状態を示す図である。 ブレーキ装置とバイパス流路とに冷却用の流体を切り替えるために、電磁弁を用いた従来の構成を示す図である。
符号の説明
10・・・リダクション型アクスル装置、34・・・ドライブシャフト、36・・・サイドアクスルハウジング、37・・・インナーハブ、40・・・ブレーキ装置、41・・・ブレーキロータ、41A・・・オイル流路、42・・・回転ディスク、43・・・固定プレート、44・・・収容ケース、45,145・・・押圧シリンダ、45A,145A・・・オイル流路、45S,145S・・・シリンダ内壁、46・・・パークシリンダ、46A・・・オイル流路、47・・・シールリング、48・・・シールリング、49B・・・ブレーキチャンバ、49P・・・パークブレーキチャンバ、50・・・遊星歯車機構、52・・・太陽歯車、54・・・遊星歯車、56・・・遊星軸、57・・・キャリア、57A・・・キャリアカバー、58・・・外輪歯車、59・・・遊星歯車軸受、60・・・ホイール取付ボルト、61・・・ホイールハブ、62・・・ブレーキロータ取付ボルト、64・・・ホイールベアリング、66・・・押圧シリンダ取付ボルト、70,170・・・押圧ピストン、71・・・リターンスプリング、72・・・パークブレーキピストン、73・・・パークスプリング、80,180・・・供給ポート、81・・・導入流路、82・・・バイパス流入ポート、83・・・供給流路、84,184・・・バイパス流出ポート、85・・・バイパス流路、86,186・・・スプール大径部、87・・・スプール、88,188・・・スプール小径部、90,190・・・押圧ピストン外周、92・・・押圧ピストン端部壁、94,194・・・切替弁、96・・・分岐流路、182・・・導入ポート、193・・・切欠、202・・・ブレーキ作動油流路、203・・・ブレーキ作動油流路、204・・・通気路、206・・・リターンスプリング、208・・・スプール、210・・・プラグ

Claims (5)

  1. 回転力が入力される回転ディスクと、前記回転ディスクからの回転力が伝達される従動プレートと、前記回転ディスクと前記従動プレートとの圧接及び開放を行う押圧ピストンと、を収容した収容ケースを備え、前記回転ディスク及び前記従動プレートに対して冷却を行う流体が前記収容ケース内に給排される湿式ブレーキ又は湿式クラッチ等の動力断続機において、
    前記押圧ピストンの摺動に連動して作動する切替弁を備え、前記切替弁は、前記押圧ピストンが前記回転ディスクと前記従動プレートとを圧接させる位置に摺動した際には、バイパス流路を介してタンクに戻す前記流体の流量を減少させるとともに前記収納ケース内に供給する流量を増大させる位置に切替わり、前記押圧ピストンが前記回転ディスクと前記従動プレートとの圧接を開放する位置に摺動した際には、前記バイパス流路を介してタンクに戻す前記流体の流量を増大させるとともに前記収納ケース内に供給する流量を減少させる位置に切替わることを特徴とする動力断続機。
  2. ポンプから圧送された前記流体を前記収納ケース内に供給する導入流路と、前記導入流路を途中で分岐した分岐流路とを備え、
    前記切替弁には、前記分岐流路に連通するバイパス流入ポートと、前記バイパス流路に連通するバイパス流出ポートとが開設されるとともに前記押圧ピストンの摺動と連動して摺動するスプールが配置され、
    前記押圧ピストンが、前記回転ディスクと前記従動プレートとを圧接させる位置へ摺動することにより、前記スプールは、前記バイパス流入ポートとバイパス流出ポートとを連通させる開口面積を減少させる位置に摺動してなり、
    前記押圧ピストンが、前記回転ディスクと前記従動プレートとの圧接を開放させる位置へ摺動することにより、前記スプールは、前記バイパス流入ポートとバイパス流出ポートとを連通させる流路の開口面積を増大させる位置に摺動してなることを特徴とする請求項1に記載の動力断続機。
  3. 前記切替弁のバイパス流入ポート及びバイパス流出ポートは、前記押圧ピストンを摺動自在に収容する押圧シリンダに形成されており、
    前記切替弁のスプールは、前記押圧ピストンの外周に形成されてなることを特徴とする請求項2に記載の動力断続機。
  4. 前記流体を前記収納ケース内に供給する導入流路が、前記押圧ピストンを収容する押圧シリンダに形成した供給ポートに接続され、
    前記押圧ピストンが、前記回転ディスクと前記従動プレートとを圧接させる位置へ摺動することにより、前記供給ポートの開口面積が増大し、
    前記押圧ピストンが、前記回転ディスクと前記従動プレートとの圧接を開放させる位置へ摺動することにより、前記供給ポートの開口面積が減少してなることを特徴とする請求項2に記載の動力断続機。
  5. 前記切替弁は、前記押圧ピストンに作用する作動油の圧力に応じて、前記流体を前記収納ケース内に供給する流量と、前記流体をバイパス流路を介してタンクに戻す流量とを切り替えてなることを特徴とする請求項1に記載の動力断続機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011214642A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 湿式動力断続装置の冷却構造

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