JP2011214642A - 湿式動力断続装置の冷却構造 - Google Patents

湿式動力断続装置の冷却構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2011214642A
JP2011214642A JP2010082505A JP2010082505A JP2011214642A JP 2011214642 A JP2011214642 A JP 2011214642A JP 2010082505 A JP2010082505 A JP 2010082505A JP 2010082505 A JP2010082505 A JP 2010082505A JP 2011214642 A JP2011214642 A JP 2011214642A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricating oil
casing
flow path
cooling
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010082505A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Hasegawa
修 長谷川
Takashi Shibuya
高 渋谷
Daichi Yoshii
大智 吉井
Masataka Kawaguchi
正隆 川口
Kisho Minato
起彰 湊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2010082505A priority Critical patent/JP2011214642A/ja
Publication of JP2011214642A publication Critical patent/JP2011214642A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】ケーシング内で発生する熱を効率的に冷却し、Oリング周辺部位を含むケーシング内の温度上昇を抑制できる湿式動力断続装置の冷却構造を提供する。
【解決手段】密封されたケーシング11A内の空間12に交互に積層された摩擦板及び相手板をピストンにより押圧して相互に摩擦係合させるとともに、ケーシング11Aの内部に潤滑油供給源から潤滑油を供給して循環させる湿式多板ブレーキ装置の冷却構造において、ケーシング11Aを複数の部材に分割し、各部材間の結合部にOリング17を配設して密封する分割構造とし、潤滑油供給源から供給される潤滑油をOリング17の内周側に沿って流す冷却流路20を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえばフォークリフトのような産業用車両等に適用される湿式動力断続装置(湿式ブレーキ装置や湿式多板クラッチ装置等)の冷却構造に関する。
従来、産業用車両、農業機械、建設機械及び大型産業機械等のブレーキ装置には、耐環境性やメンテナンス性の良さから、密閉容器内に貯めた潤滑油(冷却オイル)内に摩擦板を配置した湿式ブレーキ装置が使われている。
図5は、湿式動力断続装置の冷却構造に係る従来構造として、湿式多板ブレーキ装置の構成例を示す部分断面図である。
図5において、湿式多板ブレーキ装置10は、密封されたケーシング11内の空間12に交互に積層された複数の摩擦板13及び相手板14をピストン15により押圧し、隣接する摩擦板13及び相手板14を相互に摩擦係合させてブレーキ力を得る装置である。この場合、一方の摩擦板13が回転軸16側に固定支持されているので、この摩擦板13に相手板14を摩擦係合させると回転軸16にブレーキ力が発生する。
上述した湿式多板ブレーキ装置10は、摩擦板13及び相手板14の摩擦係合時に発熱するので、潤滑油供給源から供給される潤滑油がケーシング11内の空間12内を循環することで冷却する冷却構造を備えている。図示の冷却構造は、オイルクーラ(不図示)等を通して冷却された潤滑油をケーシング11の上部等から空間12内に直接導入し、空間12内を通って摩擦板13及び相手板14を冷却するとともに、ケーシング11の冷却も行っていた。
従来のケーシング11は、たとえば図6に示す概略構造のように、内部の空間12に摩擦板13及び相手板14等を組み込んで組み立てるため、開口部を備えたケーシング本体11aや開口部を密閉する蓋部11b等のように、複数部材により構成される分割構造が採用されている。
このため、ケーシング本体11aに蓋部11bを取り付けた組立状態において、空間12内を循環する潤滑油をシールするため、ケーシング本体11aと蓋部11bとの接合面にはOリング17が配設されている。また、図6に示すケーシング11は、ケーシング本体11aの周壁を貫通して潤滑油(冷却オイル)の供給流路18及び排出流路19が形成されている。この供給流路18及び排出流路19には、潤滑油供給源と間を連結して潤滑油の循環流路を形成する配管が接続される。
なお、図5における符号17aは、ケーシング11を構成する他の接合部に配設されたOリングである。
湿式動力断続装置の冷却構造に係る従来技術としては、たとえば湿式多板クラッチの潤滑構造において、クラッチセンタのクラッチピストン側端面に形成されて潤滑油室から複数の摩擦板へ潤滑油を供給するための油通路と、端部摩擦板よりもクラッチピストン側に形成された潤滑油を排出する油孔とを備えた構造が開示されている。(たとえば、特許文献1参照)
また、湿式多板型のブレーキ装置に係る従来技術においては、冷却用の流体を収容ケース内に供給する状態と、バイパス流路を経由して冷却用の流体をタンクに直接排出する状態とに切り替える切替弁を配置した構成が開示されている。この切替弁は、ブレーキを作動させる押圧ピストンの摺動に連動して作動する。(たとえば、特許文献2参照)
また、摩擦装置に係る従来技術においては、液圧ピストンの動作により、クラッチまたはブレーキが係合した時には選択的に冷却し、非係合状態にすべき時は冷却液を選択的に遮断することが開示されている。(たとえば、特許文献3参照)
特許第2884483号公報 特開2009−216125号公報 特開2001−99190号公報
上述したように、湿式ブレーキ装置10のような湿式動力断続装置においては、走行時の流動仕事や制動時の摩擦仕事等による発熱で潤滑油の温度が上昇する。このため、油温を適正に保つために潤滑油を強制循環させているが、そのヒートバランスを適切に設計する必要がある。
しかし、前述したヒートバランスを正確に予測するのは困難であり、従って、湿式動力断続装置を新たに開発する場合や設計変更を行う場合等には、複数回の試作/検証が必要となるため、多大な開発コストを要していた。
特に、摩擦板13及び相手板14を収納して潤滑油を循環させる湿式動力断続装置のケーシング11は、潤滑油を流す空間12内の密閉性を保つためにOリング17,17a等のシール材が使用されている。このようなシール材には、通常耐熱性の低い樹脂が使用されているので、このシール部分は、潤滑油のヒートバランスを設計する場合にボトルネックとなることが多い。
また、Oリング17,17aを設置する位置は、ケーシング11の周辺部となることが多く、特に蓋部11bとケーシング本体11aと接合面に配設されたOリング17の周辺は、ケーシング内を循環する潤滑油の流れが淀んで滞留しやすい領域となりやすい。このような潤滑油の滞留領域は、低温の潤滑油による冷却が行われにくいため、ケーシング11全体の中でも温度条件が厳しくなりがちである。
従って、上述した湿式動力断続装置においては、ケーシング11内で発生する熱を効率的に冷却し、特に、潤滑油の滞留領域近傍に配設されたOリング周辺部位の温度上昇を抑制できる冷却構造の開発が望まれる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ケーシング内で発生する熱を効率的に冷却し、Oリング周辺部位を含むケーシング内の温度上昇を抑制できる湿式動力断続装置の冷却構造を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る湿式動力断続装置の冷却構造は、密封されたケーシング内の空間に交互に積層された摩擦板及び相手板をピストンにより押圧して相互に摩擦係合させるとともに、前記ケーシングの内部に潤滑油供給源から潤滑油を供給して循環させる湿式動力断続装置の冷却構造において、前記ケーシングを複数の部材に分割し、各部材間の結合部にOリングを配設して密封する分割構造とし、前記潤滑油供給源から供給される潤滑油を前記Oリングの内周側に沿って流す冷却流路を設けたことを特徴とするものである。
このような湿式動力断続装置の冷却構造によれば、ケーシングを複数の部材に分割し、各部材間の結合部にOリングを配設して密封する分割構造とし、潤滑油供給源から供給される潤滑油をOリングの内周側に沿って流す冷却流路を設けたので、Oリング周辺を流れる低温の潤滑油によって効率のよい冷却を確実に行うことができる。
上記の発明において、前記冷却流路は、前記Oリングの内周側を通るとともに前記ケーシング内をバイパスさせたOリング専用流路であることが好ましく、これにより、Oリング専用流路に対して、潤滑油供給源から供給される低温の潤滑油を確実に流すことができる。
上記の発明において、前記冷却流路は、前記Oリングの内周側を通った後に前記ケーシング内へ連通していることが好ましく、これにより、Oリング専用流路に対して、潤滑油供給源から供給される低温の潤滑油を最初に流して確実に冷却することができる。
上記の発明において、前記潤滑油供給源から前記ケーシング内及び前記冷却流路へ潤滑油を供給する潤滑油主流路から流路切換弁を介して分岐するバイパス流路を設け、前記流路切換弁は、前記ピストンによる押圧が所定時間以上行われない場合に前記潤滑油を前記バイパス流路側へ流すことが好ましく、これにより、油圧回路上の無用な流動仕事が低減するので、ケーシング内における潤滑油の発熱量を抑制することができる。
上述した本発明によれば、湿式ブレーキ装置や湿式多板クラッチ装置等の湿式動力断続装置において、特に高温に弱いとされるOリングの周辺部に潤滑油を流す冷却流路を設けたので、Oリング及びその周辺を効果的に冷却することが可能になる。すなわち、ケーシング内で発生する熱を効率的に冷却し、Oリング周辺部位を含むケーシング内の温度上昇を抑制できる湿式動力断続装置の冷却構造を提供することができる。この結果、Oリングの耐久性や対環境性能が向上するので、湿式動力断続装置全体としての耐熱性や信頼性を向上させることができる。
また、Oリングを含む湿式動力断続装置の耐熱設計条件が緩和されることで、湿式動力断続装置の開発コストを低減できるため、結果的に湿式動力断続装置の低コスト化が可能となる。
本発明の一実施形態に係る湿式動力断続装置の冷却構造として、ケーシングに設けた冷却流路の設置例を示す概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る湿式動力断続装置の冷却構造として、湿式多板ブレーキ装置の構成例を示す部分断面図である。 ケーシングに設けた冷却流路の変形例を示す概略斜視図である。 バイパス流路を備えた潤滑油供給系統の一例を示す系統図である。 湿式動力断続装置の冷却構造に係る従来構造を示す部分断面図である。 ケーシングの従来例を示す概略斜視図である。
以下、本発明に係る湿式動力断続装置の冷却構造の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図1及び図2は、湿式動力断続装置の冷却構造の一例として、本発明を湿式多板ブレーキ装置に適用した構成例を示している。
図2に示す湿式多板ブレーキ装置(以下、「ブレーキ装置」と呼ぶ)10Aは、密封されたケーシング11A内の空間12において、交互に積層されている摩擦板13及び相手板14をピストン15により押圧し、隣接する摩擦板13及び相手板14を相互に摩擦係合させてブレーキ力を得る装置である。すなわち、ブレーキ装置10Aでは、一方の摩擦板13が車輪の回転軸16側に固定支持されているので、この摩擦板13と相手板14とが摩擦係合することにより、回転軸16の回転に対するブレーキ力が発生する。
このように、密封されたケーシング11内の空間12に交互に積層された摩擦板13及び相手板14をピストン15により押圧して相互に摩擦係合させるブレーキ装置10Aには、ケーシング11の内部に後述する潤滑油供給源から潤滑油(冷却オイル)を供給して循環させる冷却構造が採用されている。この場合のケーシング11は、ケーシング本体11a及び蓋部11b等の複数部材により構成される分割構造とされ、各部材間の結合部にはOリング17,17a等のシール部材を配設することにより密封している。
なお、図中の符号18は潤滑油の供給流路、19は潤滑油の排出流路であり、潤滑油供給源から供給した冷却用の潤滑油がケーシング11内の空間12を循環するようになっている。
そして、本実施形態の冷却構造では、潤滑油供給源から供給される潤滑油をOリング17の内周側に沿って流す冷却流路20を設け、Oリング17の周辺を流れる低温の潤滑油によって効率のよい冷却を行うようになっている。
すなわち、図1に示す実施形態のケーシング11Aでは、ケーシング本体11a及び蓋部11bの両部材間を接合する結合部にOリング17が配設され、このOリング17の内周側に潤滑油を流すための冷却流路20を形成している。この冷却流路20は、Oリング17の内周側(空間12側)を通るとともに、ケーシング11内の空間12をバイパスさせたOリング17の専用冷却流路である。
上述した冷却流路20は、ケーシング本体11aの蓋取付面11cに設けられている。図1に示す構成例では、蓋取付面11cが円筒形状としたケーシング本体11aの端面になり、蓋取付面11cの内周側に冷却流路20となる凹溝部が形成され、外周側にOリング17が取り付けられている。なお、Oリング17は、蓋取付面11cの全周にわたって取り付けられ、冷却流路20は、隣接して設けた潤滑油入口21から潤滑油出口22までの間に、略全周にわたって設けられている。
また、冷却流路20は、蓋部材11bを貫通して設けた潤滑油入口流路23及び潤滑油出口流路24を備えており、蓋部材11bを取り付ける所定位置において、潤滑油入口21と潤滑油入口流路23とが連通し、かつ、潤滑油出口22と潤滑油出口流路24とが連通するようになる。
従って、上述した潤滑油入口流路23には潤滑油供給源から低温の潤滑油が供給され、この潤滑油が冷却流路20を通って流れた後、温度上昇した潤滑油が潤滑油出口流路24から潤滑油供給源に戻される。
この場合、潤滑油供給源から潤滑油入口流路23に低温の潤滑油を供給する潤滑油流路は、空間12の内部に低温の潤滑油を供給する供給流路18から独立したOリング専用の供給系統となる。なお、Oリング専用の供給系統は、潤滑油供給源から専用の潤滑油流路を設けたものでもよいし、あるいは、潤滑油入口流路23及び供給流路18の上流側適所において互いに分岐したものでもよく、潤滑油供給源から供給される低温の潤滑油をそのまま冷却流路20に供給できればよい。
このようなパラレル方式の冷却流路20を設けたことにより、ケーシング11A内において潤滑油が滞留しやすく、潤滑油の温度上昇によりケーシング11及びOリング17の温度も上昇しやすい領域は、常に冷却流路20を流れる低温の潤滑油により冷却される。このため、ケーシング11及びOリング17の温度上昇が抑制され、耐熱性の低いOリング17が設置される温度環境を改善できる。
すなわち、上述したパラレル方式の冷却流路20を設けたことにより、実質的にOリング17の専用冷却流路が形成され、この専用冷却流路に対して、潤滑油供給源から供給される低温の潤滑油を流して確実に冷却することができる。
ところで、上述した冷却流路20は、たとえば図3に示す変形例のように、Oリング17の内周側を通った後にケーシング11B内の空間12へ連通するシリアル方式のものでもよい。
すなわち、図3に示す変形例のケーシング11Bでは、冷却流路20Aが螺旋状に形成されており、最終的に螺旋の内側先端部に設けた開口部25で空間12に連通している。この場合、潤滑油供給源から供給された低温の潤滑油は、潤滑油入口流路23及び潤滑油入口21から冷却流路20Aに流入し、Oリング17の内周側を略全周にわたって流れた後、開口部25から空間12内へ流入する。
このため、実質的にOリング17の専用冷却流路となる冷却流路20Aに対して、潤滑油供給源から供給される低温の潤滑油を最初に流して確実に冷却することができる。
こうして冷却流路20Aから空間12内に流入した潤滑油は、多少の温度上昇はあるものの、空間12内の冷却には十分に使用可能である。従って、この潤滑油は、空間12内を循環しての冷却により温度上昇した後、排出流路19から潤滑油供給源に戻される。
図4は、潤滑油供給系統の一例を示す系統図であり、ブレーキ装置10Aのピストン15を操作する油圧系統と共用した構成となっているが、これに限定されることはない。
図示の潤滑油供給系統30において、図中の符号31は潤滑油タンク、32は潤滑油供給ポンプ、33はポンプ駆動源、34は安全弁、35はバイパス弁、36はフィルタであり、太い実線で示した潤滑油供給配管37により、閉回路の潤滑油供給系統が構成されている。
図4に示す潤滑油供給配管37は、図3に示した変形例のケーシング11Bを採用した場合であり、潤滑油タンク31内にある低温の潤滑油は、潤滑油供給ポンプ31の駆動により、潤滑油入口通路23から左右両輪のブレーキ装置10Aに潤滑油が供給され、冷却流路20A及び空間12を通って冷却した潤滑油が排出流路19から流出して潤滑油タンク31に戻る。この場合の潤滑油供給配管37については、図1に示したケーシング11Aを採用したものでもよい。
なお、図中に細い実線で示す油圧配管系40は、シリンダ15に油圧を供給するブレーキ操作の油圧系であり、図中に破線で示す油圧配管系50は、パーキングブレーキを操作する油圧系である。
そして、図示の構成例では、潤滑油供給源からケーシング11B内及び冷却流路20Aへ潤滑油を供給する潤滑油主流路の潤滑油供給配管37から、流路切換弁となるバイパス弁35を介して分岐するバイパス流路38を設けている。
この場合のバイパス弁35は、たとえばブレーキ操作用のピストン15による押圧が所定時間以上行われない場合に開閉操作される電磁弁等の流路切換弁であり、潤滑油の流路をケーシング11Bまたはバイパス流路38のいずれか一方へ流す三方弁が使用される。すなわち、摩擦板13及び相手板14が相互に摩擦係合して発熱しない時間が所定時間以上続いた場合には、Oリング17及び空間12内の冷却負荷が小さいと判断できるため、潤滑油をバイパス流路38側へ流して流動仕事を低減する。
より具体的に説明すると、潤滑油供給系統を構成する油圧回路上において潤滑油が空間12内を流れると、摩擦板13及び相手板14間の狭い流路を通過する際の流路抵抗等により無用な流動仕事が生じるので、潤滑油の温度上昇やポンプ駆動源33の動力消費量増大の原因となる。従って、ブレーキ操作が所定時間以上行われていない運転状況では、図示しない制御部が潤滑油によるケーシング11B内の冷却は不要と判断し、潤滑油がケーシング11Bをバイパスして流れるようにバイパス弁35を操作することにより、流動仕事の低減が可能になる。
このようなバイパス弁35の操作は、たとえば車速センサで検出される車輪回転数(車両の速度)が一定時間以上続いた場合にブレーキ操作はないと判断し、制御部からバイパス弁35の切換信号を出力してバイパス流路38側へ潤滑油を流すように変更すると、ケーシング11B内における潤滑油の発熱量を抑制することができる。
上述した本実施形態及びその変形例によれば、湿式多板ブレーキ装置10Aや湿式多板クラッチ装置等の湿式動力断続装置において、特に高温に弱いとされるOリング17の周辺部に潤滑油を流す冷却流路20,20Aを設けたので、Oリング17及びその周辺を効果的に冷却することが可能になる。この結果、耐熱性の特に低いOリング17が接触しているケーシング11A,11Bは、Oリング17の付近を積極的に冷却することで、Oリング17の劣化を防止できる。
すなわち、ケーシング11A,11B内で発生する熱を効率的に冷却し、Oリング17の周辺部位を含むケーシング11A,11B内の温度上昇を抑制できる湿式動力断続装置の冷却構造となる。この結果、Oリング17の耐久性や対環境性能が向上するので、湿式多板ブレーキ装置10Aのような湿式動力断続装置全体としての耐熱性や信頼性を向上させることができる。
また、Oリング17を含む湿式動力断続装置の耐熱設計条件が緩和されることにより、湿式動力断続装置の開発コストを低減できるため、結果的に湿式動力断続装置の低コスト化が可能となる。
さらに、湿式動力断続装置の冷却が不要な場合には、潤滑油をバイパスさせて循環させないようにしたので、潤滑油の流動仕事による温度上昇を極力低減できるようになり、装置動作時の潤滑油温度を低めに保つことが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10A 湿式多板ブレーキ装置(湿式動力断続装置)
11A,11B ケーシング
11a ケーシング本体
11b 蓋部
11c 蓋取付面
12 空間
13 摩擦板
14 相手板
15 ピストン
17,17a Oリング
18 供給流路
19 排出流路
20,20A 冷却流路
21 潤滑油入口
22 潤滑油出口
23 潤滑油入口流路
24 潤滑油出口流路
25 開口部
35 バイパス弁
37 潤滑油供給配管
38 バイパス流路

Claims (4)

  1. 密封されたケーシング内の空間に交互に積層された摩擦板及び相手板をピストンにより押圧して相互に摩擦係合させるとともに、前記ケーシングの内部に潤滑油供給源から潤滑油を供給して循環させる湿式動力断続装置の冷却構造において、
    前記ケーシングを複数の部材に分割し、各部材間の結合部にOリングを配設して密封する分割構造とし、前記潤滑油供給源から供給される潤滑油を前記Oリングの内周側に沿って流す冷却流路を設けたことを特徴とする湿式動力断続装置の冷却構造。
  2. 前記冷却流路は、前記Oリングの内周側を通るとともに前記ケーシング内をバイパスさせたOリング専用流路であることを特徴とする請求項1に記載の湿式動力断続装置の冷却構造。
  3. 前記冷却流路は、前記Oリングの内周側を通った後に前記ケーシング内へ連通していることを特徴とする請求項1に記載の湿式動力断続装置の冷却構造。
  4. 前記潤滑油供給源から前記ケーシング内及び前記冷却流路へ潤滑油を供給する潤滑油主流路から流路切換弁を介して分岐するバイパス流路を設け、前記流路切換弁は、前記ピストンによる押圧が所定時間以上行われない場合に前記潤滑油を前記バイパス流路側へ流すことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の湿式動力断続装置の冷却構造。
JP2010082505A 2010-03-31 2010-03-31 湿式動力断続装置の冷却構造 Pending JP2011214642A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010082505A JP2011214642A (ja) 2010-03-31 2010-03-31 湿式動力断続装置の冷却構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010082505A JP2011214642A (ja) 2010-03-31 2010-03-31 湿式動力断続装置の冷却構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011214642A true JP2011214642A (ja) 2011-10-27

Family

ID=44944593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010082505A Pending JP2011214642A (ja) 2010-03-31 2010-03-31 湿式動力断続装置の冷却構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011214642A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103967963A (zh) * 2014-05-21 2014-08-06 合肥工业大学 基于神经网络预测的dct湿式离合器温度的测量方法
CN107654627A (zh) * 2017-09-29 2018-02-02 格特拉克(江西)传动系统有限公司 一种湿式双离合器自动变速器内置冷却系统

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55107132A (en) * 1979-02-09 1980-08-16 Akebono Brake Ind Co Ltd Working oil circulation circuit for wet type disc brake
JPH0942319A (ja) * 1995-07-26 1997-02-10 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 油圧クラッチの回転部におけるシール冷却構造
JP2009216125A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Komatsu Ltd 動力断続機

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55107132A (en) * 1979-02-09 1980-08-16 Akebono Brake Ind Co Ltd Working oil circulation circuit for wet type disc brake
JPH0942319A (ja) * 1995-07-26 1997-02-10 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 油圧クラッチの回転部におけるシール冷却構造
JP2009216125A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Komatsu Ltd 動力断続機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103967963A (zh) * 2014-05-21 2014-08-06 合肥工业大学 基于神经网络预测的dct湿式离合器温度的测量方法
CN103967963B (zh) * 2014-05-21 2016-08-17 合肥工业大学 基于神经网络预测的dct湿式离合器温度的测量方法
CN107654627A (zh) * 2017-09-29 2018-02-02 格特拉克(江西)传动系统有限公司 一种湿式双离合器自动变速器内置冷却系统
CN107654627B (zh) * 2017-09-29 2023-11-10 麦格纳动力总成(江西)有限公司 一种湿式双离合器自动变速器内置冷却系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110953376B (zh) 阀装置
US8376112B2 (en) Drive force transmitting apparatus
US9353813B2 (en) Wet brake device
KR101597425B1 (ko) 냉각된 회전자 샤프트를 갖는 전기 기계
US9000631B2 (en) Electric drive unit
US20120309577A1 (en) Revolving apparatus for construction machine
CN101484728B (zh) 具有集成的旁通阀的热交换器和具有热交换器 的变速器
CN102947146A (zh) 液力减速器和用于运行液力减速器的方法
JP2008501566A (ja) ハイブリッド駆動系用湿式ダブルクラッチおよび冷却方法
JP2017133622A (ja) フェールセーフ機構付弁装置
CN104443807A (zh) 具有挡板的衬垫
EP1843933A1 (en) Power steering gear cooling
KR100456401B1 (ko) 동력전달장치의냉각구조
JP2011214642A (ja) 湿式動力断続装置の冷却構造
US20100044973A1 (en) Seals for transmission drive motors
JP2012240449A (ja) 動力伝達装置
JP6202733B2 (ja) ポンプスプライン潤滑構造
US20150240886A1 (en) Breather structure
JP4516878B2 (ja) アクスル装置
CN115681461A (zh) 减速器壳体、减速器和电动车辆
CN109104029B (zh) 汽车电机冷却系统及汽车电机
US20240027145A1 (en) Apparatus
CN219549525U (zh) 一种液力变矩器和油底壳的油温控制系统
JP2014185615A (ja) ウォータポンプ
JP2024525107A (ja) タンブラー駆動装置およびタンブラー駆動装置を備えた無限軌道車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130313

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130508

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131203

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140401