JP2009215439A - 塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬質塩化ビニル系樹脂製品を原料として半硬質乃至軟質塩化ビニル系樹脂製品を製造する塩化ビニル樹脂製品のリサイクル方法を提供する。
【解決手段】硬質塩化ビニル系樹脂成形品又はその粉砕物100重量部に対して、可塑剤10〜40重量部及びDOP吸収量が(B)ml/100gの無機充填材30〜100重量部を、[(B)/100 ]×(C)>(A)、[但し、Aは可塑剤の添加量(重量部)、Cは充填材の添加量(重量部)。] となるように添加し、加熱混練機により加熱混練して半硬質乃至軟質塩化ビニル系樹脂を得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬質塩化ビニル系樹脂製品を再利用して、半硬質乃至軟質の塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品を製造する方法に関する。
塩化ビニル系樹脂は価格と物性のバランスの取れた汎用樹脂であり、配合により硬質、軟質いずれの製品にも利用できることから広く用いられている。硬質製品としてはパイプ、工業板、ボトル等が代表的であり、軟質製品としては農業用シートや防水シート等のシート類、電線被覆材、玩具、壁紙等あらゆる分野で広く用いられている。
近年、環境問題からプラスチックのリサイクルが積極的に進められ、包材や家電製品等に見られるように法律が整備されてリサイクルが進められてきている。塩化ビニル系樹脂についても農業用ビニルやパイプ等に代表されるようにリサイクルが進められてきている。
塩化ビニル系樹脂製品のうち、硬質製品は、一般的に可塑剤を殆ど含んでいない。この硬質製品については、例えば、代表的製品であるパイプを三層パイプとしてリサイクルする方法が提案されている(特許文献1参照。)。一方、一般的に半硬質乃至軟質製品は、塩化ビニル系樹脂に可塑剤を添加して柔軟性を持たせている。しかし、一旦パイプなどに成形された硬質塩化ビニル製品は、一度加熱溶融しているため可塑剤を内部に吸収できるような空隙がほとんどないことから、これを粉砕して可塑剤を添加しても、可塑剤が粉砕物の表面にしか存在せず、加熱混練する際に表面しかゲル化せず、しかも加熱混練時にフリー可塑剤が滑剤的な役割をするためにせん断力が加わらず、粉砕物の内部までゲル化せずブツとして残ることから、半硬質乃至軟質塩化ビニル製品として商品価値のあるものを作ることが困難であった。このため、硬質製品の廃材を半硬質乃至軟質製品にリサイクルすることは困難で、半硬質乃至軟質塩化ビニル系樹脂廃材が集まらないと半硬質乃至軟質塩化ビニル系樹脂のリサイクル製品は作れないといった問題があった。
ところで、前記のような硬質塩化ビニル系樹脂廃材から軟質塩化ビニル系樹脂製品を製造する方法も提案されてはいる(特許文献2参照。)。この方法では、塩化ビニル樹脂及び可塑剤、安定剤等の配合材を溶解する溶剤に硬質塩化ビニル系樹脂廃材と軟質塩化ビニル系樹脂廃材を溶解させた後、水蒸気を吹き込みながら溶剤を揮散除去することにより可塑剤、安定剤等を含んだ塩化ビニル樹脂を析出させ、脱水、乾燥を行って軟質塩化ビニル系樹脂粒子を得、これを成形加工して軟質塩化ビニル系樹脂製品を製造するとしている。
特開2004−188813号公報 特開2007−70383号公報
しかし、前記の方法では大量の溶剤を使用するため、溶剤を回収精製するための大掛りな設備が必要となり、また、ランニングコストも多大なものとなるためリサイクル材料としては非常に高価となり、商業的に成り立たない。
本発明者らは上記硬質塩化ビニル系樹脂製品の再利用における課題を解決するため鋭意検討した結果、可塑剤とともに所定の充填材を添加することにより、半硬質乃至軟質塩化ビニル系樹脂として再利用可能となることを見出した。
即ち、本発明は、以下のとおりのものである。
(1) 硬質塩化ビニル系樹脂成形品又はその粉砕物100重量部に対して、可塑剤10〜40重量部及びDOP吸収量が(B)ml/100gの無機充填材30〜100重量部を、
[(B)/100 ]×(C)>(A)
[但し、Aは可塑剤の添加量(重量部)、Cは充填材の添加量(重量部)。]
となるように添加し、加熱混練機により加熱混練することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
なお、本発明において、硬質塩化ビニル系樹脂製品とは、可塑剤量が樹脂成分100重量部に対して10重量部未満の塩化ビニル系樹脂製品をいい、軟質塩化ビニル系樹脂製品とは、可塑剤量が樹脂成分100重量部に対して30重量部を超える塩化ビニル系樹脂製品をいう。
(2) 前記無機充填材を可塑剤と同時に添加するか又は可塑剤より先に添加する前記(1)記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
(3) 加熱混練機がバンバリーミキサー又は加圧ニーダーである(1)又は(2)に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
(4) 前記硬質塩化ビニル系樹脂成形品又はその粉砕物の径が20mm以下である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
なお、本発明で前記硬質塩化ビニル系樹脂成形品又はその粉砕物の径とは、最大径のことであり、通常は通過する篩やスクリーンの目開きや開口径で表される。
(5) 前記硬質塩化ビニル系樹脂成形品又はその粉砕物が、可塑剤を含まないもの又は樹脂成分100重量部に対して可塑剤を10重量部未満の含有量で含むものである前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
(6) 前記無機充填材が炭酸カルシウムである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
(7) 前記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法により塩化ビニル系樹脂組成物を製造した後、該塩化ビニル系樹脂組成物を成形することを特徴とする塩化ビニル系樹脂成形品の製造方法。
(8) 前記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法により塩化ビニル系樹脂組成物を製造し、該塩化ビニル系樹脂組成物に軟質塩化ビニル系樹脂材料を混合し、加熱混練することを特徴とする軟質塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
(9) 前記(8)記載の方法により軟質塩化ビニル系樹脂組成物を製造した後、該軟質塩化ビニル系樹脂組成物を成形することを特徴とする軟質塩化ビニル系樹脂成形品の製造方法。
本発明によれば、回収された硬質塩化ビニル系樹脂成形品(廃棄物)から半硬質乃至軟質塩化ビニル系樹脂製品用材料を安価に製造することができ、半硬質乃至軟質塩化ビニル系樹脂製品廃材の供給の多寡や価格に左右されずにリサイクル半硬質乃至軟質塩化ビニル系樹脂製品を安定的に製造できる。また、硬質塩化ビニル系樹脂製品廃材の再生利用の範囲が広がるとともに、リサイクル半硬質乃至軟質塩化ビニル系樹脂製品用原料の供給元を広げることができ、塩化ビニル系樹脂のリサイクルを更に推進することができる。
本発明では、硬質塩化ビニル系樹脂成形品(廃棄物など)又はその粉砕物を可塑剤とともに加熱混練機により加熱混練することにより、塩化ビニル樹脂100重量部に対して可塑剤を10〜40重量部含有する半硬質乃至軟質の塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品(以下、これら塩化ビニル系組成物及び成形品をまとめて「塩化ビニル系樹脂」ということもある。)を得るものである。
本発明で使用される塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独の重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニルと塩化ビニル以外の重合成モノマーとの共重合体樹脂、塩化ビニル樹脂を、後塩素化して得られる塩素化塩化ビニル樹脂、これらの一種又は二種以上から選ばれるものである。
前記硬質塩化ビニル系樹脂製品の具体例としては、塩ビパイプや継ぎ手等の管材、建材、工業板、波板、窓枠、フィルム、シート等があるが、硬質塩化ビニル系樹脂製品であればその他の用途のものでも用いられる。
前記軟質塩化ビニル系樹脂材料の具体例としては、農業用シート、防水シート等の塩化ビニルシート、電線、壁紙、床材、容器、包材、玩具等があるが、その他の用途の製品やバージンの塩化ビニル系樹脂組成でも最終製品である軟質塩化ビニル系樹脂製品の機械的特性や表面性等の要求品質を満たすものであれば用いることができる。
前記硬質塩化ビニル系樹脂製品に含まれる成分としては、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルと共重合可能な単量体と塩化ビニルとの共重合体等の塩化ビニル系樹脂成分の他、必要に応じて各種熱安定剤、滑剤、加工性改良剤、衝撃性改良剤、炭酸カルシウム等の無機充填材、少量の可塑剤、顔料、染料等があるが、その他の成分であっても最終製品である半硬質又は軟質塩化ビニル系樹脂の機械的特性や表面性等の要求品質を満たすものであれば含まれていても良い。
本発明において用いられる可塑剤としては、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)、ジイソノニルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル、トリメリット酸エステル類、ポリエステル類、リン酸エステル類等が例示されるが、一般的にジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)が多く使用されており安価であることから好ましい。その他の可塑剤でも最終製品である半硬質又は軟質塩化ビニル系樹脂製品の機械的特性や表面性等の要求品質を満たすものであれば用いることができる。
本発明で塩化ビニル系樹脂組成物を製造する際に使用する加熱混練機は一般に塩化ビニル系樹脂の加工に用いられているものであれば何でも良いが、バンバリーミキサー又は加圧ニーダーが好ましい。押出機の場合には、硬質塩化ビニル系樹脂製品又はその粉砕物に可塑剤とその他の配合剤をブレンダーにより混合した後、押出機に供給する必要があるが、ブレンド工程が必要となる他、混合物がドライアップしないためブレンダーからの排出が難しく、また押出機に定量的に供給するのが難しく工夫が必要である。
本発明で半硬質塩化ビニル系樹脂製品を製造する際に添加する無機充填材量は、硬質塩化ビニル系樹脂製品又はその粉砕物100重量部に対して30重量部〜100重量部が好ましい。無機充填材量が100重量部を超えると機械的物性が低下し、30重量部より少ないと一般の無機充填材では可塑剤を十分に吸収できず好ましくない。
添加できる可塑剤量は、硬質塩化ビニル系樹脂又はその粉砕物100重量部に対して10〜40重量部の範囲内で、無機充填材量(C)部と無機充填材のDOP吸収量(B)ml/100gにより定まり、
[(B)/100]×(C)>(A)
[但し、Aは可塑剤の添加量(重量部)、Cは充填材の添加量(重量部)。]
となるように添加するのが好ましい。可塑剤量(A)が[(B)/100]×(C)より多いと無機充填材が可塑剤を吸収しきれず、フリーに存在する可塑剤が滑剤的な役割をするために、せん断力が加わらず硬質塩化ビニル成形品(廃材)又はその粉砕物の内部までゲル化せずブツとして残り商品価値を低下させるので好ましくない。本発明においてDOP吸収量とはJIS K5101に準じて無機充填材がDOPを吸収する量をいう。具体的な測定方法は、測定板に1〜5gの試料を精秤後、ビュレットから1回に4、5滴ずつDOPを滴下し、都度、パレットナイフでDOPを試料に練り込むことを繰り返す。試料の塊ができた後、以後、1滴ずつ滴下し、ペーストが滑らかな硬さになった時のDOP滴下量から試料100gあたりのDOP吸収量を算出する。
無機充填材の種類としては、一般に塩化ビニル系樹脂の充填材として用いられるものであれば何でも良く、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク等が例示される。
さらに、本発明においては、製造される半硬質乃至軟質塩化ビニル系樹脂成形品の機械的特性や表面性等の必要特性に応じて、熱安定剤、滑剤、加工性改良剤、衝撃性改良剤、顔料等からなる配合剤を添加して混合することができ、これにより、加熱混練機で混練する時の加工性や得られる半硬質乃至軟質塩化ビニル系樹脂成形品の機械的特性や表面性等の特性を改良することができる。
具体的には、熱安定剤として、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸Ca−Zn、ステアリン酸Ba−Zn、Pb系金属石鹸、有機錫系安定剤等が挙げられるが、その中でも、硬質塩化ビニル系樹脂成形品に多く使用されているステアリン酸Ca−Zn、有機錫系安定剤を用いることが好ましい。また、滑剤としては、通常一般的に塩化ビニル系樹脂の成形材料に使用される、滑剤が使用される。例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、脂肪酸エステル類、オレフィン類等が挙げられる。また、加工助剤として、アクリル系高分子加工助剤が挙げられ、塩化ビニル系樹脂の添加することで溶融弾性の向上と塩化ビニル系樹脂のゲル化の促進を図ることができる。顔料その他配合剤は、通常一般的に塩化ビニル樹脂の成形材料に使用される顔料や紫外線吸収剤、酸化防止剤等が適量使用される。
本発明で用いられる硬質塩化ビニル系樹脂成形品(廃棄物)又はその粉砕物の大きさ特に制限はないが、その径が20mm以下であること好ましい。硬質塩化ビニル系樹脂成形品(廃材)又はその粉砕物の径が20mmを超える場合にはブツが残らないようにするために加熱混練時間を長くする等の調整が必要となる。
前記充填材と可塑剤との添加順については、充填材より可塑剤を先に添加すると加熱混練時に可塑剤が滑剤的な役割をし、せん断力が加わらず硬質塩化ビニル成形品(廃材)又はその粉砕物の内部までゲル化せずブツとして残り商品価値を低下させるので好ましくない。
本発明で可塑剤10〜40重量部を添加して半硬質乃至軟質塩化ビニル系樹脂を製造する際の加熱混練時の樹脂温度は180℃〜200℃が好ましい。加熱混練時の樹脂温度が180℃より低いと十分に溶融せずブツとして残り、200℃を超えると塩化ビニル系樹脂が分解を開始しヤケを生じる。
上記のように可塑剤を添加して塩化ビニル系樹脂を製造する工程は2回以上経ても良い。例えば1回目で可塑剤を10部添加し、2回目でさらに10部添加しても良い。しかし、回数が多くなれば工程が増えコストアップになるので好ましくない。
本発明で上記可塑剤を含有させた塩化ビニル系樹脂組成物と軟質塩化ビニル系樹脂材料から軟質塩化ビニル樹脂を製造する際の前記塩化ビニル系樹脂組成物と軟質塩化ビニル系樹脂材料との混合割合は特に規定されず、軟質製品としての硬度等の要求品質が満たされるような割合で混合すれば良い。
本発明で前記塩化ビニル系樹脂組成物と軟質塩化ビニル系樹脂材料を混合して加熱混練する装置は軟質塩化ビニル系樹脂の製造に一般的に使用されているものであれば何でも良いが、押出機のような連続式の混練機の場合には予め前記塩化ビニル系樹脂組成物と軟質塩化ビニル系樹脂材料とが均一になるように混合しておくか、それぞれが定量的に供給されるようにする等の工夫が必要である。
本発明で可塑剤を添加した前記塩化ビニル系樹脂組成物と軟質塩化ビニル系樹脂材料を混合して加熱混練する際の加熱混練時の樹脂温度は170℃〜200℃が好ましい。加熱混練時の樹脂温度が180℃より低いと十分に溶融せずブツとして残り、200℃を超えると塩化ビニル系樹脂が分解を開始しヤケを生じる。
本発明で軟質塩化ビニル系樹脂を製造する工程は2回以上経ても良い。例えば1回目で軟質材料を10部添加し、2回目でさらに10部添加しても良い。しかし、回数が多くなれば工程が増えコストアップになるので好ましくない。
以下に実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、これにより本発明がなんら制限されるものではない。
(実施例1)
重合度800の硬質塩化ビニル製シート(可塑剤は不使用)を、20mmスクリーンを取り付けた粉砕機で粉砕した粉砕物75kgとDOP吸収量44ml/100gの炭酸カルシウム(日東粉化製;NS100)22.5kgと加工助剤(カネカ製アクリル系加工助剤;PA−40:スチレン換算の重量平均分子量500万)750gとステアリン酸(ADEKA製;SA200)1.5kgを70Lバンバリーミキサーに投入して混練を開始し、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(ジェイ・プラス製;DOP)7.5kgを添加して10分間加熱混練した。この時の樹脂温度は181℃であった。その後、ミキシングロール、ウォーミングロール、カレンダーロールを経て半硬質シートとした。
塩化ビニル樹脂(カネカ製;S1008)70kg、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(ジェイ・プラス製;DOP)42kg、安定剤(ADEKA製;アデカスタブRUP14)1.4kg、炭酸カルシウム(日東粉化製;NS100)35kg、加工助剤(カネカ製;PA−40)1.4kgを500Lスーパーミキサーで混合してドライアップさせたコンパウンドと、上記で作成した半硬質シート14kgを100Lバンバリーミキサーに投入して6分間加熱混練した。その後、ミキシングロール、ウォーミングロール、カレンダーロールを経て軟質シート製品を得た。
得られた半硬質シート及び軟質シート製品について、シート表面のブツの状況を目視で評価した。
(実施例2)
硬質塩化ビニル樹脂製シートを、50mmスクリーンを取り付けた粉砕機で粉砕した材料を用い、バンバリーミキサーで20分混練した以外は実施例1と同様に行った。
(実施例3)
半硬質シート作成時に重合度800の硬質塩化ビニル製シートを、20mmスクリーンを取り付けた粉砕機で粉砕した粉砕物を63kg、DOPを12.6kg、NS100を31.5kg、SA200を1.26kg、PA−40を630g添加した以外は実施例1と同様に行った。
(実施例4)
半硬質シート作成時に重合度800の硬質塩化ビニル製シートを、20mmスクリーンを取り付けた粉砕機で粉砕した粉砕物を47kg、DOPを18.8kg、NS100を47kg、SA200を940g、PA−40を470g添加して軟質シートとした以外は実施例1と同様に行った。
(実施例5)
半硬質シート作成時に重合度800の硬質塩化ビニル製シートを、20mmスクリーンを取り付けた粉砕機で粉砕した粉砕物を59kg、DOPを5.9kg、NS100を59kg、SA200を1.18kg、PA−40を590g添加した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例1)
半硬質シート作成時に重合度800の硬質塩化ビニル製シートを、20mmスクリーンを取り付けた粉砕機で粉砕した粉砕物78kg、DOPを7.8kg、NS100を15.6kg、SA200を1.56kg、PA−40を780g添加しバンバリーミキサーで20分混練した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例2)
半硬質シート作成時に重合度800の硬質塩化ビニル製シートを、20mmスクリーンを取り付けた粉砕機で粉砕した粉砕物を44kg、DOPを22kg、NS100を44kg、SA200を880g、PA−40を440g添加し、バンバリーミキサーで20分混練して軟質シートとした以外は実施例1と同様に行った。
(比較例3)
充填材としてDOP吸収量が26mL/100gの炭酸カルシウムであるスーパーSS(丸尾カルシウム製)を47kg添加し、バンバリーミキサーで20分混練した以外は実施例4と同様に行った。
以上の実施例及び比較例で得られた半硬質乃至軟質シート及び軟質シート製品についての評価結果を表1に示す。
表1に示すとおり、無機充填材の量が少ない場合やその吸油量(DOP吸収量)が低い場合には、加熱混練時にせん断力不足に起因すると思われる外観不良が発生する。

Claims (9)

  1. 硬質塩化ビニル系樹脂成形品又はその粉砕物100重量部に対して、可塑剤10〜40重量部及びDOP吸収量が(B)ml/100gの無機充填材30〜100重量部を、
    [(B)/100 ]×(C)>(A)
    [但し、Aは可塑剤の添加量(重量部)、Cは充填材の添加量(重量部)。]
    となるように添加し、加熱混練機により加熱混練することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記無機充填材を可塑剤と同時に添加するか又は可塑剤より先に添加する請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  3. 加熱混練機がバンバリーミキサー又は加圧ニーダーである請求項1又は2に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記硬質塩化ビニル系樹脂成形品又はその粉砕物の径が20mm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記硬質塩化ビニル系樹脂成形品又はその粉砕物が、可塑剤を含まないもの又は樹脂成分100重量部に対して可塑剤を10重量部未満の含有量で含むものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記無機充填材が炭酸カルシウムである請求項1〜5のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法により塩化ビニル系樹脂組成物を製造した後、該塩化ビニル系樹脂組成物を成形することを特徴とする塩化ビニル系樹脂成形品の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法により塩化ビニル系樹脂組成物を製造し、該塩化ビニル系樹脂組成物に軟質塩化ビニル系樹脂材料を混合し、加熱混練することを特徴とする軟質塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  9. 請求項8記載の方法により軟質塩化ビニル系樹脂組成物を製造した後、該軟質塩化ビニル系樹脂組成物を成形することを特徴とする軟質塩化ビニル系樹脂成形品の製造方法。
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