JP2009214995A - 記録装置、および記録装置における記録媒体位置検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録用紙に画像が記録されている等、記録用紙に着色等が施されている場合であっても端縁の検出精度の低下を抑えることができる記録装置および記録装置における記録媒体位置検出方法を提供すること。
【解決手段】記録装置1において、記録媒体検出手段6の投光部30の発光量を記録媒体Pが白色である場合に記録媒体検出手段6において白色の記録媒体Pの存在を検出することができる発光量よりも高い発光量で発光し、また、投光部30の投光域内に記録媒体Pが無い場合に、投光部30からの光を受ける受光部27は、投光部30から投光された光を記録媒体検出手段6の光センサ31の方向に反射させないこと。
【選択図】 図4
【解決手段】記録装置1において、記録媒体検出手段6の投光部30の発光量を記録媒体Pが白色である場合に記録媒体検出手段6において白色の記録媒体Pの存在を検出することができる発光量よりも高い発光量で発光し、また、投光部30の投光域内に記録媒体Pが無い場合に、投光部30からの光を受ける受光部27は、投光部30から投光された光を記録媒体検出手段6の光センサ31の方向に反射させないこと。
【選択図】 図4
Description
本発明は、記録装置、および記録装置における記録媒体位置検出方法に関する。
記録装置の中には、記録用紙を搬送させると共に、この搬送方向に対し直交し、かつ、記録媒体の被記録面に平行な方向に記録ヘッドを往復移動させることで、記録ヘッドと記録用紙との相対位置を変え、記録用紙の所望の位置に記録を行うことができるものがある。なお、以下の説明において、記録ヘッドが往復移動する方向を主走査方向と記載し、これと直交する方向である記録用紙の搬送方向を副走査方向と記載する。
記録ヘッドの主走査方向における位置検出は、主走査方向に沿って配設されるリニアスケールと記録ヘッドの側に備えられる投光部および光センサとにより構成されるリニアエンコーダを用いて行われる。一方、記録ヘッドの側には、記録ヘッドが往復移動する際に、記録用紙の端縁を検出するための投光部と光センサを有する記録用紙検出装置が備えられている。したがって、記録ヘッドを主走査方向に移動させていったときに、記録用紙の端縁が検出されたときの記録ヘッドの位置をリニアエンコーダにより検出することで、記録ヘッドの記録用紙に対する位置を検出することができる。(例えば、特許文献1参照)
ところで、上述の記録用紙検出装置の投光部と光センサによる記録用紙の端縁の検出は、投光部が記録用紙の白色部を投光するとき反射光と、記録用紙を支持する一般に黒色のプラテン部を投光するときの反射光との反射量の変化を利用しているものである。したがって、例えば、既に画像が記録されていたり、あるいは記録用紙自体に着色が施されている記録用紙の端縁の検出を行う場合には、記録用紙と黒色のプラテン部との光の反射率の差が少なくなり、端縁の検出精度が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、記録用紙に画像が記録されている等、記録用紙に着色等が施されている場合であっても端縁の検出精度の低下を抑えることができる記録装置および記録装置における記録媒体位置検出方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、搬送される記録媒体に対して記録ヘッドにより記録を行う記録装置において、投光部および光センサを有し、投光部から投光された光が記録媒体に投光されているときと、記録媒体に投光されていないときとの光センサに入射する光の光量の変化に基づいて、投光部から投光された光の投光域内に記録媒体が在るか否かを検出する記録媒体検出手段を有し、投光部は、記録媒体が白色である場合に記録媒体検出手段において白色の記録媒体の存在を検出することができる発光量よりも高い発光量で発光し、投光部の投光域内に記録媒体が無い場合に、投光部からの光を受ける受光部は、投光部から投光された光を光センサの方向に反射させないこととする。
記録装置をこのように構成することで、記録媒体に着色がされている場合であっても記録媒体の検出精度の低下を抑えることができる。
また、他の発明は、上述の発明に加え、記録媒体検出手段は、記録ヘッドに対して記録媒体が搬送される方向に配置されることとする。
記録装置をこのように構成することで、記録ヘッドにより記録された後の着色されている記録媒体の検出精度を向上させることができる。
また、他の発明は、上述の発明に加え、記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向に直交し、かつ、記録媒体の被記録面に対して平行な方向に往復移動しながら記録媒体に記録を行い、記録媒体検出手段は、記録ヘッドと一体に移動し、記録ヘッドは、投光部から投光される光の投光域を、記録媒体の前端が通過する位置に位置させる位置に移動可能であり、かつ、投光域が、記録媒体の記録ヘッドの移動方向における幅を超えて、幅方向における記録媒体の端縁を通過するように移動可能であることとする。
記録装置をこのように構成することで、1つの記録媒体検出手段により、記録媒体の先端部の検出と、記録媒体の記録ヘッドの移動方向における端縁の検出を行うことができ、記録装置の部品点数の削減を図ることができる。
また、他の発明は、上述の発明に加え、投光部の発光量を調整する調整手段を有し、この調整手段により、投光部の発光量を、記録媒体が白色である場合に記録媒体検出手段において白色の記録媒体の存在を検出することができる発光量よりも高い発光量に調整することとする。
記録装置をこのように構成することで、投光部の発光量を、記録媒体の光の反射量、あるいは記録装置の周囲の明るさ等に対応した発光量を設定でき、記録媒体の検出精度を高くすることができる。
上述の課題を解決するため、記録媒体の検出を行う記録媒体検出方法において、投光部および光センサを有し、投光部から投光された光が記録媒体に投光されているときと、記録媒体に投光されていないときとの光センサに入射する光の光量の変化に基づいて、投光部から投光された光の投光域内に記録媒体が在るか否かを検出する記録媒体検出手段を有し、投光部の投光域内に記録媒体が無い場合に、投光部からの光を受ける部分は、投光部から投光された光を光センサの方向に反射させない部分であり、投光部は、記録媒体が白色である場合に記録媒体検出手段において白色の記録媒体の存在を検出することができる発光量よりも高い発光量で発光することとする。
記録媒体検出方法をこのように構成することで、記録媒体に着色がされている場合であっても記録媒体の検出精度の低下を抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態にかかるプリンタ1ついて、図面を参照しながら説明をする。なお、プリンタ1における記録媒体位置検出方法については、プリンタ1の動作に併せて説明する。
(プリンタ1の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る記録装置としてのインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタと言う。)1の概略の構成を示す構成図であり、プリンタ1を左方から見た側面図である。また、図2は、図1に示すプリンタ1の電気的な構成の該略を説明する回路ブロック図である。本実施の形態では、プリンタ1は、記録媒体として帯状の記録用紙Pが巻かれた用紙ロール2がセット可能であり、用紙ロール2から引き出された帯状の記録用紙Pに対して記録を行うことができる、いわゆるロール紙用プリンタとして構成されている。図1において、矢印X方向を前方(前側)とし、その反対側を後方(後側)として、矢印Y方向を上方(上側)とし、その反対側を下方(下側)とする。また、後方から見て右手側が右方(右側)、左手側を左方(左側)とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る記録装置としてのインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタと言う。)1の概略の構成を示す構成図であり、プリンタ1を左方から見た側面図である。また、図2は、図1に示すプリンタ1の電気的な構成の該略を説明する回路ブロック図である。本実施の形態では、プリンタ1は、記録媒体として帯状の記録用紙Pが巻かれた用紙ロール2がセット可能であり、用紙ロール2から引き出された帯状の記録用紙Pに対して記録を行うことができる、いわゆるロール紙用プリンタとして構成されている。図1において、矢印X方向を前方(前側)とし、その反対側を後方(後側)として、矢印Y方向を上方(上側)とし、その反対側を下方(下側)とする。また、後方から見て右手側が右方(右側)、左手側を左方(左側)とする。
プリンタ1は、帯状の記録用紙Pが巻かれた用紙ロール2が収容されるロールセット部3と、ロールセット部3に収容される用紙ロール2から引き出された記録用紙Pを前方に搬送する搬送機構4と、記録用紙Pに対して記録を行う記録機構5と、記録用紙Pの端縁を検出する記録媒体検出手段としての記録用紙検出装置6等を備え、これらの各機構部が外装筐体7内に収容されている。
ロールセット部3には、ロールを回転させるロールモータ8(図2参照)が備えられ、用紙ロール2は、このロールモータ8により回転することができるようになっている。ロールモータ8は、用紙ロール2に巻かれている記録用紙Pを前方に送り出す方向に回転する正転方向と、記録用紙Pを用紙ロール2に巻き取る方向に回転する逆転方向の2方向に回転可能に構成されている。
搬送機構4は、後方送りローラ9と前方送りローラ10を備え、それぞれ紙送りモータ11(図2参照)により回転駆動させられる。後方送りローラ9と前方送りローラ10の上側には各ローラ9,10に圧接して従動回転する従動ローラ12,13が備えられている。
紙送りモータ11にはその回転量を検出する光学式のロータリエンコーダ14(図2参照)が備えられている。したがって、紙送りモータ11が回転駆動すると、回転に従ってHi−Lowのパルス信号であるエンコーダ信号が出力され、このエンコーダ信号に基づいて紙送りモータ11の回転量と回転速度を検出することができる。つまり、ロータリエンコーダ14から出力されるエンコーダ信号に基づいて、記録用紙Pの搬送量と搬送速度を検出することができる。
ユーザにより記録用紙Pを後方送りローラ9と従動ローラ12との間、および前方送りローラ10と従動ローラ13との間に挟みこまれた状態にセットした後、紙送りモータ11により後方送りローラ9と前方送りローラ10を回転駆動すると共に、ロールモータ8により用紙ロール2を正転方向に回転する。これにより、記録用紙Pは、記録機構5の下側を通って前方に搬送され、外装筐体7に形成される排出口15から排紙させられる。
記録機構5は、記録ヘッド16と、記録ヘッド16が取り付けられるキャリッジ17と、キャリッジ17の主走査方向への移動をガイドするキャリッジガイド軸18と、キャリッジ17を図示省略するタイミングベルトを介して主走査方向へ移動するキャリッジモータ19(図2参照)等を備えている。
キャリッジ17は、キャリッジモータ19の駆動力を受けてキャリッジガイド軸18に沿って主走査方向に往復移動させられ、記録ヘッド16もキャリッジ17と一体に主走査方向に移動する。そして、記録ヘッド16の主走査方向への移動と、記録用紙Pの搬送機構4による後方から前方への移動とにより、記録ヘッド16を記録用紙Pの所定位置に移動し、記録用紙Pに対し記録を行う。
記録機構5には、キャリッジ17の位置と移動速度を検出する光学式のリニアエンコーダ20が備えられている。リニアエンコーダ20は、キャリッジガイド軸18に平行に配設されるリニアスケール21と、リニアスケール21を読み取るためのエンコーダセンサ22等を有している。エンコーダセンサ22は、キャリッジ17に取り付けられ、リニアスケール21を挟んで配置される投光部23と光センサ24を備えている。
キャリッジモータ19が駆動されキャリッジが主走査方向に移動すると、投光部23から光センサ24に投光された光は、リニアスケール21により遮光と通過が行われる。したがって、エンコーダセンサ22の光センサ24からは、投光された光の遮光と通過に対応したHi−Lowのパルス信号であるエンコーダ信号が出力され、このエンコーダ信号に基づいて、キャリッジ17の移動位置と移動速度を検出することができる。なお、エンコーダ信号のパルス数を所定の基準位置から計数することにより、キャリッジ17の現在位置を所定の基準位置からの距離として知ることができる。
ロールセット部3から排出口15にかけて、記録用紙Pの下面を支持するガイド板25が備えられている。ロールセット部3から引き出された記録用紙Pは、ガイド板25の上面にガイドされながら後方から前方に送られ排出口15から排紙させられる。後方送りローラ9と前方送りローラ10の間のガイド板25は、記録用紙Pの記録ヘッド16により記録が行われる範囲を下側から支持するいわゆるプラテン26として機能する。また、ガイド板25の前方送りローラ10の前側には、主走査方向に伸びる溝部27が形成されている。溝部27の主走査方向の長さは、記録用紙Pの主走査方向の幅よりも長く構成されている。また、溝部27の後側の側面は上方から下方に傾斜する斜面28として構成されている。なお、ガイド板25上の搬送される記録用紙Pは、溝部27の開口29の上を搬送されることになる。
記録用紙検出装置6は、キャリッジ17の前側に取り付けられ、キャリッジ17と一体に主走査方向に移動する。記録用紙検出装置6は、投光部30と光センサ31を有している。投光部30と光センサ31は、図3に示すように、主走査方向に配設されている。図3は、キャリッジ17の部分を前方から見た図である。図1においては、左側に配設される投光部30が図示されている。この投光部30の右側(紙面裏側方向)に光センサ31が配設されている。投光部30と光センサ31は、投光部30と光センサ31とに対して所定の位置に物体があるときは、投光部30から投光された光(以下、検出光と記載する。)が該物体で反射し、この反射された光が光センサ31に入射するように構成されている。つまり、光センサ31における受光の有無を検出することで、該所定位置に記録用紙Pが在るか否かを検出することができる。
記録用紙Pの先端部が所定の位置に位置しているか否かの検出を次のようにして行うことができる。記録用紙Pの先端部が位置すべき位置に検出光を投光し、記録用紙Pを前方または後方に搬送すると、光センサ31において所定の受光量が得られる(得られない)状態から得られない(得られる)状態に変化する。変化する状態のときは、記録用紙Pの先端部が検出光の投光域を通過する場合である。つまり、光センサ31において所定の受光量が得られる(得られない)状態から得られない(得られる)状態に変化する状態を検出することで、記録用紙Pの先端部が検出光の投光域に位置しているかどうかを判断することができる。
また、キャリッジ17を主走査方向に移動することで検出光を主走査方向に走査し、記録用紙Pの左右の縁部におけるガイド板25と記録用紙Pの光の反射率の差による検出光の反射量の変化を光センサ31で検出することで、記録用紙Pの左右の端縁を検出することができる。
プリンタ1においては、溝部27内を含めてガイド板25は例えば黒色等の有色で構成され、また、記録用紙Pは記録がされる前は白色となっているものとする。この場合、ガイド板25の上側では、記録用紙Pが在る部分と無い部分とでは光の反射率が異なる。つまり、検出光がガイド板25の記録用紙Pが無い部分に投光されている場合には、光センサ31に入射する光の光量は少ない。一方、検出光がガイド板25の記録用紙Pが在る部分に投光されている場合には、光センサ31に入射する光の光量は多くなる。したがって、光センサ31における受光量を測定することで、検出光の投光域に記録用紙Pがあるかどうかを知ることができる。
本実施の形態におけるプリンタ1においては、特に、ガイド板25における検出光が投光される部分は受光部としての斜面28となっている。したがって、溝部27の上に記録用紙Pが無いときは、検出光はこの斜面28で前方斜め上方、すなわち光センサ31の無い方向に反射され、光センサ31に入射し難いものとなっている。つまり、検出光の投光域に記録用紙Pが無い場合の投光域を斜面28とすることで、検出光の投光域に記録用紙Pが在る場合と無い場合とにおける光センサ31の受光量の差を大きなものとすることができ、記録用紙Pの有無の検出精度を向上させることができる。
(回路ブロック図の構成)
次に図2を参照しながら図1に示すプリンタ1の電気的な構成の該略を説明する。
次に図2を参照しながら図1に示すプリンタ1の電気的な構成の該略を説明する。
プリンタ1は、ホストコンピュタHCから入力された画像形成データ等を受け取るインターフェース32と、制御部33と、ロールモータ8と、このロールモータ8を駆動するロールモータドライバ8Dと、紙送りモータ11と、この紙送りモータ11を駆動する紙送りモータドライバ11Dと、記録ヘッド16と、記録ヘッド16を駆動制御する記録ヘッドドライバ16Dと、キャリッジモータ19と、このキャリッジモータ19を駆動するキャリッジモータドライバ19Dと、ロータリエンコーダ14と、リニアエンコーダ20と、記録用紙検出装置6等を有する。
制御部33は、記録開始信号や、ロータリエンコーダ14、リニアエンコーダ20および記録用紙検出装置6からの出力信号および画像形成データ等に基づいて記録ヘッド16の記録制御や、ロールモータ8や、紙送りモータ11およびキャリッジモータ19等の駆動制御の他、プリンタ1の様々な動作制御を司るCPU(Central Processing Unit)34と、プリンタ1の各種動作に係る処理プログラム等が記憶されているPROM(Programmable Read−Only Memory)35と、ホストコンピュタHCからインターフェース32を介して入力される画像形成データ等が格納・記憶される他、作業用のメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)36と、プリンタ1に関する諸情報を記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)37等を備える。なお、制御部33あるいはCPU34については、ホストコンピュタHCを利用するように構成してもよい。
(プリンタの動作)
続いて、上述の構成を有するプリンタ1の動作と記録用紙Pの先端位置の検出および左右の端縁の検出について説明する。図4は、プリンタ1の動作の概略を示すフローチャートである。
続いて、上述の構成を有するプリンタ1の動作と記録用紙Pの先端位置の検出および左右の端縁の検出について説明する。図4は、プリンタ1の動作の概略を示すフローチャートである。
プリンタ1においては、先ず、ユーザがロールセット部3にセットされている用紙ロール2から記録用紙Pを引き出し、そして搬送機構4にセットする。すなわち、ユーザは、記録用紙Pを後方送りローラ9と従動ローラ12との間、および前方送りローラ10と従動ローラ13との間に通し、記録用紙Pの先端部が溝部27よりも前方に位置するようにセットする。
このように記録用紙Pがプリンタ1にセットされた状態で、例えば、図示を省略する記録開始ボタンが押下されると、これを受けてCPU34は、キャリッジモータ19を駆動し、キャリッジ17を主走査方向の移動範囲の中央位置に移動する(ステップS10)。
続いて、ロールモータ8を逆転方向に駆動し、記録用紙Pを後方に巻き戻す(ステップS20)。そして、記録用紙Pを後方に巻き戻しながら記録用紙検出装置6により記録用紙Pの先端位置を検出する(ステップS30)。記録用紙Pの先端位置が検出されない場合は(ステップS30においてNo)巻き戻しを継続し(ステップS20)、記録用紙Pの先端位置が検出された場合は(ステップS30においてYes)巻き戻しを終了する(ステップS40)。
記録用紙Pの先端位置の検出(ステップS30)は次のように行われる。
記録用紙検出装置6の投光部30は、記録用紙Pの先端部がセットされるべき位置に検出光を投光するように投光方向等が設定されている。また、溝部27はその斜面28が記録用紙Pの先端部がセットされるべき位置の下側に位置するよう形成されている。記録用紙Pは記録前であるため白色であり、投光部30から投光された検出光が記録用紙P上に投光されているときは、記録用紙Pで反射されて光センサ31に入射する光の光量は高いものとなっている。一方、記録用紙Pが巻き戻され(ステップS20)、記録用紙Pの先端が投光部30の投光位置より後方になった場合には、検出光は斜面28に入射する。斜面28は黒色であるため検出光の反射率は白色の記録用紙Pに比べて小さい。これに加えて、検出光は斜面28の傾斜により、光センサ31の方向とは異なる斜め前方に反射され、光センサ31に入射する光の光量はより小さなものとなる。したがって、光センサ31における受光量の変化を検出することで、記録用紙Pの先端部が所定位置に位置しているかどうかを判断することができる。
図5は、光センサ31から出力される受光量についての信号のレベルVと、記録用紙Pの先端部の位置Sとの関係を説明するものである。ユーザが記録用紙Pを搬送機構4にセットしたままの状態、すなわち、記録用紙Pの先端部を溝部27よりも前方に引き出してセットした状態のときは、検出光は記録用紙Pの上面に投光されているため、光センサ31に入射する光の光量は高いものであり、光センサ31から出力される信号のレベルは図5に示す低いレベルVaとなっている。
記録用紙Pが巻き戻され(ステップS20)、記録用紙Pの先端部が検出光の投光域に差し掛かると、記録用紙Pで反射される検出光の光量が減り、光センサ31から出力される信号のレベルが図5に示すように低いレベルVaから高いレベルVbへと大きく変化する。CPU34は、光センサ31から出力される信号と所定の閾値Vsとを比較し、光センサ31から出力される信号が閾値Vsになったときに、記録用紙Pの先端部が記録用紙検出装置6に検出されたとして記録用紙Pの先端部が所定の位置に位置していると判断し(ステップS30においてYes)、巻き戻しを停止する(ステップS40)。
続いて、記録用紙Pの主走査方向における端縁を検出するために、CPU34は、投光部30の発光量をステップS30における発光量よりも高くする設定を行う(ステップS50)。そして、この高い発光量の投光部30から投光される検出光により記録用紙Pの主走査方向にある端縁の検出を行いながら記録動作(ステップS60)を実行する。
記録動作(ステップS60)においては、記録用紙Pを前方(副走査方向)に移動させながら、キャリッジ17の主走査方向への往復移動により記録ヘッド16を主走査方向に往復移動させながら記録用紙Pに記録を行う。この際、記録ヘッド16は、投光部30の検出光が、記録用紙Pの主走査方向における幅を超えて移動し、記録用紙Pの幅方向における記録用紙の端縁を通過するように移動させられる。そして、記録用紙検出装置6とリニアエンコーダ20とにより記録用紙Pの端縁の主走査方向における位置を検出し、この端縁からの移動距離をリニアエンコーダ20により測定することで主走査方向の所定位置に記録を行う。記録用紙Pの端縁の主走査方向における位置は、記録用紙検出装置6により記録用紙Pの端縁が検出されたときのキャリッジ17の主走査方向における位置をリニアエンコーダ20により検出することで知ることができる。
ところで、プリンタ1においては、記録用紙検出装置6が記録ヘッド16より前方に配設されているため、検出光は、記録が行われた後の着色されている記録用紙Pに投光されることになる。つまり、記録がされる前の白色の記録用紙Pに比べて反射率の低い記録用紙Pに検出光が投光されることになる。そのため、ステップS30において記録用紙Pの先端を検出したときの発光量で着色された記録用紙Pの端縁の検出を行おうとした場合には、光センサ31から出力される信号のレベル変化は例えば図6に示すようになる。図6は、縦軸に光センサ31からの出力信号のレベルVを示し、横軸に検出光の主走査方向の検出位置Wを示している。
図6は、プリンタ1における光センサ31の出力変化を示すものではなく、従来のプリンタにおいて、黒色のガイド板の上に白色の記録用紙が載置されている場合と、黒色に着色された記録用紙が載置されている場合とにおいて、キャリッジを主走査方向に移動して検出光を主走査方向に走査したときの光センサ31からの出力信号の変化を説明するためのグラフである。グラフ線(1)は白色の記録用紙に対するものであり、グラフ線(2)は黒色の記録用紙に対するものである。グラフ線(1)の閾値Vsとなったときの検出光の投光位置は記録用紙の主走査方向の端縁の位置であり、W1は記録用紙の主走査方向の幅に対応している。検出光がガイド板上に投光されている場合は、光センサ31への反射光の光量が少なく光センサ31からの信号の出力レベルはレベルV1と高い。これに対し、検出光が記録用紙(白色)上に投光されている場合は、光センサ31への反射光の光量が多く光センサ31からの信号の出力レベルはレベルV2と低くなる。
一方、グラフ線(2)から判るように記録用紙が黒色の場合は、検出光が記録用紙(黒色)上に投光されている場合であっても、光センサ31への反射光の光量が少なく光センサ31からの信号の出力レベルはレベルV3であり、記録用紙が白色の場合(グラフ線(1)の場合)に比べて低くならず、また、出力信号のレベルの変化が緩やかとなっている。そのため、閾値Vsを基準にして記録用紙の端縁を判断すると記録用紙を幅W2として測定してしまい、実際の記録用紙の幅W1より狭い幅として測定されてしまう。すなわち、閾値Vsを基準にして検出した端縁の位置と記録用紙の実際の端縁の位置とに大きなずれを生じてしまう。
図6は記録用紙が黒色に着色された場合であるが、記録ヘッド16を通過した後の記録用紙は黒色の他、何がしらかの色が着色されている。したがって、記録が行われた後の記録用紙Pを検出光で走査する場合、反射率が低くなる傾向がある。そのため、記録用紙P(有色)を検出光が走査しても出力信号のレベルが低くならず、また出力信号のレベルの変化が緩やかとなってしまい記録用紙Pの端縁の検出精度が低下してしまうと考えられる。
そこで、本実施の形態にかかるプリンタ1においては、上述したようにステップS50において投光部30の発光量を高くすることに加えて、検出光が記録用紙Pから外れた部分を走査するときには斜面28に投光されるように構成されている。発光量を高くするのは下記の理由である。投光部30の発光量を高くすることで、記録用紙Pに着色がされている場合でも、記録用紙Pから反射される光の光量を増やすことができ、検出光が記録用紙Pを走査している際の出力信号のレベルを低くすることができる。
一方、このままだとガイド板25を走査した検出光の反射光の光量も高くなり、検出光の反射光がガイド板25と記録用紙Pのいずれからのものかがを判断し難いものとなってしまう。そこで、プリンタ1においては、投光部30の主走査方向の移動範囲に亘って、投光部30と対向する位置に溝部27を形成し、検出光が溝部27内の斜面28に投光される構成としている。溝部27の上の記録用紙Pが位置している範囲では、光センサ31には記録用紙Pで反射した検出光が入射する。一方、溝部27の上に記録用紙Pが位置していない範囲では、検出光は斜面28に当り、検出光のほとんどが前方に反射され光センサ31に入射する光量は僅かかあるいは入射しない。したがって、光センサ31からの出力信号は図7に示すような図6のグラフ線(1)に近いものとなる。つまり、出力信号が閾値Vsを基準にして検出した記録用紙Pの端縁の位置は、記録用紙Pの実際の主走査方向の端縁の位置とずれの少ないものとして検出される。すなわち、幅W3を記録用紙Pの主走査方向の幅に対応したものと判断できる。なお、図7も図6と同様に縦軸に光センサ31からの出力信号のレベルVを示し、横軸に検出光の主走査方向の検出位置Wを示すものである。検出光が斜面28に投光されている場合は、光センサ31への反射光の光量が少なく光センサ31からの信号の出力レベルは閾値Vsより高いレベルV1’であり、検出光が記録用紙上に投光されている場合は、光センサ31への反射光の光量が多く光センサ31からの信号の出力レベルは閾値Vsより低いレベルV2’となっている。
なお、投光部30の発光量を高くする程度は、光センサ31から出力される出力信号Vaと出力信号Vbのレベル差がはっきり出るように、記録用紙Pの着色の程度や光センサ31の感度等を考慮しつつ、予め実験等により求める。例えば、ステップS30において記録用紙Pの先端部を検出する際の2倍あるいは3倍程度の光量に設定する。
上述のように、斜面28を有する溝部27を形成し、また投光部30の発光量を増やすことで、記録が行われた後の記録用紙Pの端縁を検出することができる。そのため、記録用紙検出装置6をキャリッジ17の前側に配設することができる。記録用紙検出装置6をキャリッジ17の前側に配置することで、一台の記録用紙検出装置6により記録用紙Pの先端位置の検出(ステップS30)と記録動作時(ステップS60)における記録用紙Pの端縁の検出を行なうことができる。
また、記録用紙Pの左右幅(主走査方向の幅)一杯に記録を行う、いわゆる縁なし印字を行う場合には、記録用紙Pの左右幅一杯に記録が行われた状態で記録機構5から記録用紙Pが送り出されている。かかる縁なし印字を行う場合には、確実に縁なし状態になるように、記録用紙Pの幅よりも若干広めに記録を行う。このため、記録用紙Pからはみ出て記録が行われた分のインクが、ガイド板25(プラテン)等のプリンタ1の構成部品に付着してしまうという問題や、インクを浪費してしまうという問題がある。しかしながら、斜面28を有する溝部27を形成すると共に投光部30の発光量を増やすことで、記録用紙Pの端縁の検出精度を高いものとすることができ、記録用紙Pからはみ出て記録を行なってしまう量を少なくできる。そのため、プリンタ1の構成部品の汚れを少なくでき、また、記録ヘッド16のインクの消費量を少なくできる。
なお、ステップS50において高い発光量に設定される投光部30の発光量は、上述したように予め実験等により求めておく他、ステップS15において、発光量を求めるようにしてもよい。
ステップS15の処理段階は、記録用紙Pを搬送機構4にセットした状態であり、投光部30から投光される検出光は白色の記録用紙P上に投光される。そこで、例えば、CPU34により機能的に構成される発光量調整手段により、投光部30に印加する電圧を0Vから所定値(例えば、3.3V)まで変化させる。そして、このときの投光部30の発光量の変化による光センサ31からの出力信号と投光部30への印加電圧の関係が例えば図8に示すものとなったとする。
図8は、横軸に投光部30に印加する0Vから所定値までの値をDAC値で表わし、縦軸に光センサ31からの出力信号のレベルを表わしている。このとき、記録用紙Pが検出されたと判断できるときの光センサ31からの出力信号が、例えば、1.3Vであり、そのときのDAC値が60であるときは、発光量調整手段として機能するCPU34は、ステップS30における記録用紙Pの先端部の検出に際しては、DAC値60に対応する印加電圧で投光部30を発光させる。これに対し、着色された記録用紙Pの左右の端縁の検出を行うための投光部30の発光量についは、例えば、DAC値が60に対して、その65%の値、すなわち129(=255−{(255−60)×0.65})に対応する印加電圧で投光部30を発光させるように発光量を調整することとする。そして、この発光量の値をEEPROM37に記憶し、ステップS50でEEPROM37に記憶されているこの値を読み出し設定を行う。このように、記録動作の開始に先立って投光部30の発光量を決定することで、記録用紙Pの光の反射量、あるいは周囲の明るさ等に対応した発光量を設定でき、記録用紙Pの検出精度を高くすることができる。
なお、溝部27は、上述の構成の他に、図9に示す溝部27Aの構成としてもよい。つまり、断面を矩形とし、投光部30からの検出光が溝部27Aの底面27Bに投光されるようにしてもよい。投光部30と光センサ31は、投光部30から投光された検出光が記録用紙Pで反射し光センサ31に入射するように配置されている。一方、底面27Bは、記録用紙Pと投光部30および光センサ31との間の距離よりも遠くに位置している。したがって、投光部30から底面27Bに投光された検出光の反射光は光センサ31の方向とはずれた方向となる。そのため、溝部27の記録用紙Pが位置していない範囲では、検出光は底面27Bに当り、検出光のほとんどは光センサ31の方向とはずれた方向に反射し光センサ31に入射する光量は僅かであるか、あるいは入射しないようにすることができる。
また、溝部27、溝部27Aの替わりに、図10に示すようにスリット38としてもよい。このように構成することで、記録用紙Pから外れた位置に投光された検出光は、スリット38からガイド板25の下方に通過し、光センサ31に入射しないようにすることができ、光センサ31からに出力信号のレベルVaとレベルVb間の変化量をより大きくとることができる。
上述の実施の形態では、本発明の記録装置をインクジェットプリンタとして説明したが、インクジェットプリンタの他、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体、流体として流して噴射できる固体を記録ヘッド(噴射ヘッド)から噴射できる流体噴射装置としても具現化でき、また、インパクトプリンタにも適用できる。
1 ・・・ プリンタ(記録装置),6 ・・・ 記録用紙検出手段(記録媒体検出手段),8 ・・・ 斜面(受光部),16 ・・・ 記録ヘッド,30 ・・・ 投光部,P ・・・ 記録用紙(記録媒体),31 ・・・ 光センサ
Claims (5)
- 搬送される記録媒体に対して記録ヘッドにより記録を行う記録装置において、
投光部および光センサを有し、上記投光部から投光された光が上記記録媒体に投光されているときと、上記記録媒体に投光されていないときとの上記光センサに入射する光の光量の変化に基づいて、上記投光部から投光された光の投光域内に上記記録媒体が在るか否かを検出する記録媒体検出手段を有し、
上記投光部は、上記記録媒体が白色である場合に上記記録媒体検出手段において上記白色の記録媒体の存在を検出することができる発光量よりも高い発光量で発光し、
上記投光部の投光域内に上記記録媒体が無い場合に、上記投光部からの光を受ける受光部は、上記投光部から投光された光を上記光センサの方向に反射させないことを特徴とする記録装置。 - 前記記録媒体検出手段は、前記記録ヘッドに対して前記記録媒体が搬送される方向に配置されることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記記録ヘッドは、前記記録媒体の搬送方向に直交し、かつ、前記記録媒体の被記録面に対して平行な方向に往復移動しながら前記記録媒体に記録を行い、
前記記録媒体検出手段は、前記記録ヘッドと一体に移動し、
前記記録ヘッドは、前記投光部から投光される光の投光域を、前記記録媒体の前端が通過する位置に位置させる位置に移動可能であり、かつ、上記投光域が、前記記録媒体の前記記録ヘッドの移動方向における幅を超えて、上記幅方向における前記記録媒体の端縁を通過するように移動可能である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。 - 前記投光部の発光量を調整する調整手段を有し、この調整手段により、前記投光部の発光量を、前記記録媒体が白色である場合に前記記録媒体検出手段において前記白色の記録媒体の存在を検出することができる発光量よりも高い発光量に調整することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
- 記録媒体の検出を行う記録媒体検出方法において、
投光部および光センサを有し、上記投光部から投光された光が記録媒体に投光されているときと、上記記録媒体に投光されていないときとの上記光センサに入射する光の光量の変化に基づいて、上記投光部から投光された光の投光域内に上記記録媒体が在るか否かを検出する記録媒体検出手段を有し、
上記投光部の投光域内に上記記録媒体が無い場合に、上記投光部からの光を受ける部分は、上記投光部から投光された光を上記光センサの方向に反射させない部分であり、
上記投光部は、上記記録媒体が白色である場合に上記記録媒体検出手段において上記白色の記録媒体の存在を検出することができる発光量よりも高い発光量で発光することを特長とする記録媒体検出方法。
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- 2008-03-11 JP JP2008060678A patent/JP2009214995A/ja not_active Withdrawn
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