JP2009214436A - 電子情報記録素子付き可逆性感熱記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)基材の一方の面に可逆性感熱記録層を有し、前記基材の他方の面には、裏面保護層、及び、電気的接続部を介してアンテナ回路と接続された電子情報記録素子を備えた電子情報記録部材を有し、該電子情報記録部材が、前記裏面保護層中に埋め込まれ裏面保護層材料により全体を包まれた状態で設置されており、前記裏面保護層がシリコーン系材料からなる可逆性感熱記録媒体。
(2)基材の一方の面に可逆性感熱記録層を有し、前記基材の他方の面上には、アンテナ回路及び該アンテナ回路と電気的接続部を介して接続された電子情報記録素子が、裏面保護層により被覆された状態で設置され、該裏面保護層がシリコーン系材料からなる可逆性感熱記録媒体。
【選択図】図1
Description
そこで、従来の大量生産、大量消費、大量廃棄等の経済社会やライフスタイルを見直し、物資の効率的な利用やリサイクルを進めることにより、資源の消費を抑え、環境への負荷が少ない循環型社会を形成することが急務になっている。
例えば、電子情報記録素子(以下、「ICチップモジュール」、「ICチップ」と称することもある)を組み込んだ可逆性感熱記録媒体は、ICチップの内部情報を書き換えると共に、記録されている情報を可視画像として可逆性感熱記録媒体に表示できるため、廃棄物の発生量を減らすことが可能である。
前記指示書に画像を形成する場合、及び指示書に形成された画像を消去する場合には、該指示書をプリンターのサーマルヘッド、消去バー、消去ローラ、消去板等の加熱装置に押し当てる。このため、指示書を書き換える際に、ICチップモジュールが破損しないようにすると共に、ICチップモジュールと可逆性感熱記録媒体の接着部から接着剤が流出しないようにする必要がある。また、プリンターのサーマルヘッドや消去バーの熱で可逆性感熱記録媒体がカールしないようにすると共に、静電気によりICチップモジュールが破損しないようにする必要がある。また、指示書を洗浄する際には、ICチップモジュールが可逆性感熱記録媒体から剥がれたり腐食したりしないようにする必要がある。更に、指示書は、可とう性を有すると共に、画像の品質が良好であることが望まれている。
また、特許文献3には、ICチップとアンテナからなるRFIDタグに係る発明が開示されており、その表面及び裏面をシリコンゴムで覆うことも記載されている。
しかし、上記特許文献2、3に係る発明は、何れもタグの耐久性、信頼性、低価格化などを課題とするものであって、可逆性感熱記録媒体に関する記載はなく、本発明の課題である可逆性感熱記録媒体のカール防止について示唆を与えるような記載は見当たらない。
1) 基材の一方の面に可逆性感熱記録層を有し、前記基材の他方の面には、裏面保護層、及び、電気的接続部を介してアンテナ回路と接続された電子情報記録素子を備えた電子情報記録部材を有し、該電子情報記録部材が、前記裏面保護層中に埋め込まれ裏面保護層材料により全体を包まれた状態で設置されており、前記裏面保護層がシリコーン系材料からなることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
2) 基材の一方の面に可逆性感熱記録層を有し、前記基材の他方の面上には、アンテナ回路及び該アンテナ回路と電気的接続部を介して接続された電子情報記録素子が、裏面保護層により被覆された状態で設置され、該裏面保護層がシリコーン系材料からなることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
3) 前記シリコーン系材料がシリコーン樹脂であることを特徴とする1)又は2)記載の可逆性感熱記録媒体。
4) 前記シリコーン系材料がシリコーン接着剤又はシリコーン粘着剤であることを特徴とする1)又は2)記載の可逆性感熱記録媒体。
5) 前記シリコーン系材料が湿気硬化型であることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体。
6) 前記シリコーン系材料が熱硬化型であることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体。
本発明は、基材の一方の面(表面)に可逆性感熱記録層を有し、本発明1のように、前記基材の他方の面(裏面)に、電気的接続部を介してアンテナ回路と接続された電子情報記録素子を備えた電子情報記録部材が、裏面保護層中に埋め込まれ裏面保護層材料により全体を包まれた状態で設置された構成(図1の例参照)、又は、本発明2のように、前記基材の他方の面(裏面)上に、アンテナ回路及び該アンテナ回路と電気的接続部を介して接続された電子情報記録素子が、裏面保護層で被覆された状態で設置された構成を有し、前記裏面保護層がシリコーン系材料からなることを特徴とする。本発明2におけるアンテナ回路と電子情報記録素子は、両者が予め一体化された電子情報記録部材として設置しても、アンテナ回路と電子情報記録素子を基材の裏面上に順に設けてもよい。図2として後者の例を示した。
そして、このような構成とすることにより、前記課題を解決した高品質の電子情報記録素子付き可逆性感熱記録媒体を得ることができる。
裏面保護層にはシリコーン系材料を用いる。シリコーン系材料としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、シリコーンゴム、変性シリコーゴムなどがあり、これらをベースとした湿気硬化型シリコーン接着剤、熱硬化型シリコーン接着剤、湿気硬化型シリコーン粘着剤、熱硬化型シリコーン粘着剤などの中から適宜選択して用いることができる。
中でもシリコーン樹脂が好ましく、その具体例としては、東レダウコーニング社製の湿気硬化型シリコーン接着剤SE9188RTV、熱硬化型シリコーン接着剤SE1720、熱硬化型シリコーン粘着剤SD4560、熱硬化型シリコーン粘着剤SH4280、熱硬化型シリコーン接着剤SE9186、熱硬化型シリコーン接着剤SE1701などが挙げられるが、これらに限られる訳ではない。
シリコーン系材料中の低分子シロキサンは、アンテナ回路と電子情報記録素子を結ぶ電気的接続部の動作不良の原因となるので少ない方が好ましく、その含有率は0.1重量%以下程度とする。更に好ましくは0.05重量%以下である。
裏面保護層の膜厚は、100〜600μm程度が好ましく、200〜500μm程度が更に好ましい。
また、基材と裏面保護層の間に、密着性、接着性を高めるために易接着層を設けてもよく、該易接着層に、電気特性、耐薬品性、難燃性、熱伝導性、電気伝導性を付与するために添加剤を添加してもよい。
また、裏面保護層の上に補強用の樹脂シートを積層してもよい。このような樹脂シートの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ナイロン、紙、合成紙などが挙げられる。
電子情報記録部材(「インレット」と称することもある)は、電子情報記録素子、アンテナ回路、及び導通部材(電気的接続部)を有し、更にアンテナ回路基板や、必要に応じてその他の部材を有する。アンテナ回路の材料としては、通常、導電性のよい銅、アルミニウムなどが挙げられる。
図3に、本発明で用いられる電子情報記録部材10の一例を示す。
この電子情報記録部材10は、プラスチックフィルム等のアンテナ回路基板10a上に、コイル状のアンテナ回路10cを形成し、該コイルと容量素子とによりLC共振回路を形成して一定周波数の電波を受信すると共に、電子情報記録素子10bの情報を発信源に送信して返すことができる。交信周波数としては、一般的には125kHz、13.56MHz、2.45GHz、5.8GHz(マイクロ波)及びUHF帯などの周波数帯から適宜選択して使用される。10dは導通部材(電気的接続部)である。
アンテナ回路基板10aに使用する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するとができ、例えば、コンポジット等のリジッドタイプ、ポリイミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、紙、合成紙等のフレキシブルタイプ及び両者の複合タイプを用いることができる。
電子情報記録素子10bの厚さ(高さ)は、200μm以下が好ましく、25〜140μmがより好ましい。また、電子情報記録素子10bを保護するために、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、紙等の保護膜を接着させてもよい。保護膜の厚さは、10〜60μmが好ましい。
このような電子情報記録部材10としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばUPM社製、オムロン社製、エイリアンテクノロジー社製、ソニー株式会社製、富士通株式会社製、日立製作所製、テキサス・インスツルメンツ社製等のインレットを用いることができる。
可逆性感熱記録層を設ける基材の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、形状としては、膜状、シート状などが挙げられ、また、その平面形状としては、四角形、円形などが挙げられ、構造としては、単層構造、積層構造などが挙げられ、大きさとしては、用途等に応じて適宜選択することができる。
また、基材の材料としては、樹脂、ゴム、合成紙、金属、ガラス又はこれらの複合体などを用いることができる。これらの中でも特に樹脂が好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
基材の厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、20〜200μmが好ましく、50〜190μmがより好ましい。
基材の一方の面には可逆性感熱記録層を設ける。更に必要に応じて中間層、保護層などを積層してもよい。通常はこの積層物をシート状に形成し、可逆性感熱記録シートとして用いる。図4に、その一例を示す。
可逆性感熱記録層は、色調が可逆的に変化する感熱記録層であり、温度変化によって色の状態が可逆的に変化する可逆性感熱記録材料を含有する。可逆性感熱記録材料は透過率、反射率、吸収波長、散乱度等の変化の組み合わせにより色の状態が変化する。
可逆性感熱記録材料としては、熱により透明度や色調が可逆的に変化する材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、常温より高い第一の温度で第一の色の状態となり、第一の温度よりも高い第二の温度で加熱し、その後、冷却することにより第二の色の状態となる材料が挙げられる。これらの中でも、第一の温度と第二の温度で色の状態が変化する材料が特に好ましい。
前記ロイコ染料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばフタリド化合物、アザフタリド化合物、フルオラン化合物などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平5−124360号公報、特開平6−210954号公報、特開平10−95175号公報等に開示されているものなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
このような顕色剤としては、例えば特開平9−290563号公報、特開平11−188969号公報に開示されているものが挙げられる。これらの中でも、下記一般式(1)及び(2)で表される化合物の少なくとも1種が好ましい。これらの顕色剤は、感度が非常に高いため、同じ画像濃度を出力する場合、従来の顕色剤と比べて、与える印加エネルギーを10%〜30%程度削減することができる。与える印加エネルギーが少なければ、顕色剤の熱分解が緩和されると共に、可逆性感熱記録媒体の表面及び媒体自身に与えるダメージも緩和され、これにより繰り返し耐久性の劣化も緩和されるので、画像の品質を向上させることができる。
可逆性感熱記録層は、ロイコ染料、顕色剤及び添加剤をバインダー樹脂と共に含有することが好ましい。バインダー樹脂としては、基材上に、これらの材料を結着できさえすれば特に限定されないが、繰り返し時の耐久性を向上させるため、熱、紫外線(UV)、電子線(EB)等を用いて硬化させた樹脂が好ましく、硬化剤を用いて熱硬化させた樹脂が特に好ましい。これにより、ゲル分率を向上させることができる。
熱硬化させることが可能な樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどが挙げられる。
ゲル分率(%)=〔(乾燥後の重量)/(初期重量)〕×100
このとき、可逆性感熱記録層中のバインダー樹脂以外の成分(有機低分子物質粒子等)の重量を除いて計算を行う。なお、予め有機低分子物質粒子の重量が分からないときは、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)等の断面観察により、単位面積当たりに占める面積比と、バインダー樹脂と有機低分子物質粒子の比重から重量比を求めて、有機低分子物質粒子の重量を算出すればよい。
可逆性感熱記録層の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜20μmが好ましく、3〜15μmがより好ましい。厚さが1μm未満の場合、発色濃度が低下して画像のコントラストが低下することがあり、20μmを超えると、可逆性感熱記録層の熱分布が大きくなって、発色温度に達せず発色しない部分が発生し、目的とする発色濃度が得られなくなることがある。
前記溶媒としては、例えばアルコール類、ケトン類、エーテル類、グリコールエーテル類、エステル類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。
塗布液は、例えばペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サンドミル、ダイノミル、コロイドミル等の分散装置を用いて調製することができる。このとき、分散装置を用いて各材料を溶媒中に分散させてもよいし、各材料を分散させたものを混合してもよい。更に、各材料を加熱溶解させて急冷又は徐冷することによって析出させてもよい。
塗布方法としては、ブレード塗工法、ワイヤーバー塗工法、スプレー塗工法、エアナイフ塗工法、ビード塗工法、カーテン塗工法、グラビア塗工法、キス塗工法、リバースロール塗工法、ディップ塗工法、ダイ塗工法等が挙げられる。
紫外線(電子線)を用いて硬化させることが可能な樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系等のオリゴマー;各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーが挙げられる。なお、紫外線を用いて架橋させる際には、光重合開始剤、光重合促進剤を用いることが好ましい。また、熱硬化させることが可能な樹脂としては、前記可逆性感熱記録層の場合と同様の樹脂を用いることができ、同様にして硬化させることができる。
前記可逆性感熱記録層の保護層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましい。
中間層は、熱、紫外線、電子線等を用いて硬化させた樹脂、熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられる。また、熱、紫外線、電子線等を用いて硬化させることが可能な樹脂としては、前記可逆性感熱記録層の場合と同様のものを用いることができ、同様にして硬化させることができる。なお、中間層の形成方法は、可逆性感熱記録層の場合と同様である。
中間層は、必要に応じて、フィラー、紫外線吸収剤等を含有してもよい。中間層中のフィラーの含有量は、1〜95体積%が好ましく、5〜75体積%が更に好ましい。また、中間層中の紫外線吸収剤の含有量は、樹脂に対して、0.5〜10重量%であることが好ましい。
中間層の厚さは0.1〜20μmが好ましく、0.3〜3μmが更に好ましい。
なお、可逆性感熱記録層と基材の間にアンダー層を設けてもよい。これにより、可逆性感熱記録層の発色感度及び可逆性感熱記録層と基材の接着性を向上させることができる。
また、レーザー光を用いて、可逆性感熱記録層を発色させるために、レーザー光を吸収して光を熱に変換する光熱変換層を設けてもよい。更に、放熱を防止するために、空気層等の断熱層を設けてもよい。
また、図6に、本発明の可逆性感熱記録媒体に画像の形成及び消去を行うプリンターの他の一例を示す。このプリンターでは、可逆性感熱記録媒体60が矢印の向きに搬送され、熱ロール61、サーマルヘッド62、プラテンロール63、及び搬送ローラ64を通って系外に排出される。この場合、熱ロール61により画像の消去が行われ、サーマルヘッド62とプラテンロール63により画像の形成が行われる。
また、加熱処理により画像の形成及び消去が正確に行われるように、可逆性感熱記録媒体及びプリンターが構成されている。また、プリンターが小型である場合には、画像の形成及び消去が連続して行われるため、加熱処理時の加熱エネルギーを調整することにより、画像の形成及び消去が正確に行われるように構成されている。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、可逆性感熱記録層と電子情報記録素子(ICチップ)の両方を有するため、ICチップに書き込まれた情報を可逆性感熱記録層に表示することにより情報を容易に確認することができ、利便性が向上する。
本発明の電子情報記録素子付き可逆性感熱記録媒体は、入出チケット、冷凍食品用容器、工業製品、各種薬品容器等のステッカー、物流管理用途、製造工程管理、文書管理用途等の一般文書サイズに加工されたシートとして広く用いることができる。
更に、静電気による電子情報記録素子の破壊、洗浄液による媒体・電子情報記録素子の破壊、折れ・曲がりによる媒体・電子情報記録素子の破壊等も防止できる。
基材の一方の面(表面)に可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録シートを用意し、該基材の他方の面(裏面)にシリコーン系材料を厚さ10μm塗工し、その上に電子情報記録部材を貼り合わせ、次いで、裏面側全体を覆うようにシリコーン系材料を厚さ240μm塗工した後、20℃55%RH・24時間の条件下で硬化させて、電子情報記録部材が裏面保護層中に埋め込まれ裏面保護層材料で全体を包まれた状態で設置された可逆性感熱記録媒体を作製した。
可逆性感熱記録シートには、リコー社製RECO−View CRフィルム 630BDを用い、電子情報記録部材には、UPM Rafsec社製HFインレイSC3000835を用い、シリコーン系材料には、東レダウコーニング社製湿気硬化型シリコーン接着剤SE9188RTV(低分子シロキサン成分含有率0.06重量%)を用いた。
基材の一方の面(表面)に可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録シートを用意し、該基材の他方の面(裏面)上に電子情報記録部材を置き、次いで、裏面側全体を覆うようにシリコーン系材料を厚さ500μm塗工した後、150℃・1時間の条件下で硬化させて、電子情報記録部材が裏面保護層材料で被覆された状態で設置された可逆性感熱記録媒体を作製した。
可逆性感熱記録シート及び電子情報記録部材には実施例1と同じものを用い、シリコーン系材料には、東レダウコーニング社製熱硬化型シリコーン接着剤SE1720(低分子シロキサン成分含有率0.01重量%)を用い、東レダウコーニング社製硬化剤SRX212を、前記接着剤100重量部に対して1重量部添加した。
基材の一方の面(表面)に可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録シートを用意し、該基材の他方の面(裏面)にシリコーン系材料を厚さ50μm塗工し、その上に電子情報記録部材を貼り合わせ、次いで、裏面側全体を覆うようにシリコーン系材料を厚さ300μm塗工し、更に補強用裏面シートを設けた後、120℃・20分の条件下で硬化させて、電子情報記録部材が裏面保護層中に埋め込まれ裏面保護層材料で全体を包まれた状態で設置された可逆性感熱記録媒体を作製した。
可逆性感熱記録シート及び電子情報記録部材には実施例1と同じものを用い、シリコーン系材料には、東レダウコーニング社製熱硬化型シリコーン粘着剤SD4560を用い、東レダウコーニング社製硬化剤SRX212を、前記粘着剤100重量部に対して1重量部添加した。補強用裏面シートには帝人社製:白色PET E28G(厚さ100μm)を用いた。
基材の一方の面(表面)に可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録シートを用意し、該基材の他方の面(裏面)上に電子情報記録部材を置き、次いで、裏面側全体を覆うように、シリコーン系材料を厚さ300μm塗工し、更に補強用裏面シートを設けた後、150℃・15分の条件下で硬化させて、電子情報記録部材が裏面保護層材料で被覆された状態で設置された可逆性感熱記録媒体を作製した。
可逆性感熱記録シート及び電子情報記録部材には実施例1と同じものを用い、シリコーン系材料には、東レダウコーニング社製熱硬化型シリコーン粘着剤SH4280を用い、硬化剤の過酸化ベンゾイルを、前記粘着剤100重量部に対して1重量部添加した。補強用裏面シートには、帝人社製:白色PET E28G(厚さ100μm)を用いた。
基材の一方の面(表面)に可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録シートを用意し、該基材の他方の面(裏面)に、銅ペーストを用いてスクリーン印刷でアンテナ回路パターンを形成した後、乾燥炉で加熱して印刷された銅ペーストを硬化させた。アンテナ回路に対する電子情報記録素子(ICチップ)の搭載はフリップチップ搭載装置により行った。即ち、可逆性感熱記録シートをその下に配置されたホットプレートにより加熱し、ICチップを搭載用コレットに内蔵されたヒーターにより90℃で加熱することにより、銅ペーストに含まれる飽和共重合ポリエステル樹脂を軟化させた。次いで、飽和共重合ポリエステル樹脂が軟化した状態で、バンプ電極(電気的接続部)を介してアンテナ回路と接続されるようにICチップを搭載した。その後、可逆性感熱記録シート及びICチップに対する加熱を中止し、軟化していた飽和共重合ポリエステル樹脂の温度を低下させ、再び硬化させた。このプロセスにより、バンプ電極をアンテナ回路に対して接着固定した。次いでバンプ電極とアンテナと回路が接着固定されている部位の周辺にペースト状のエポキシ樹脂を供給することにより、可逆性感熱記録シートの基材の裏面上に、アンテナ回路、バンプ電極、及びICチップを備えた電子情報記録部材を作製した。
次いで、裏面側全体を覆うように、シリコーン系材料を厚さ400μm塗工し、20℃55%RH・24時間の条件下で硬化させて、電子情報記録部材が裏面保護層材料で被覆された状態で設置された可逆性感熱記録媒体を作製した。
可逆性感熱記録シートには実施例1と同じものを用い、ICチップには、PHILIPS社製チップ:I・CODE SLIを用い、シリコーン系材料には東レダウコーニング社製熱硬化型シリコーン接着剤SE9186(低分子シロキサン成分含有率0.01重量%)を用いた。
基材の一方の面(表面)に可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録シートを用意し、該基材の他方の面(裏面)に、接着剤層となるセメダイン社製セメダインEP−001(弾性エポキシ接着剤)を塗工し、その上に電子情報記録部材を貼り合わせ、次いで、裏面側全体を覆うように、セメダインEP−001を塗工し、裏面保護層として厚さ300μmの東レ社製ハイトレル4057(ポリエステルエラストマー)を貼り合せて、可逆性感熱記録媒体を作製した。
可逆性感熱記録シート及び電子情報記録部材には実施例1と同じものを用いた。
<カールの評価>
神鋼電機社製のRP−K8520HF−5A1プリンター(搬送速度3IPS)を用いて、マクベスRD−914による画像濃度値が1.2になる全ベタ画像の印字及び180℃での消去を200回繰り返し、可逆性感熱記録媒体のカール特性を測定した。カールの程度は、試験サンプルを平らな台の上に置き、4つのコーナー部の台からの距離をJIS1級スケールで測定した。表1に4つのコーナー部の平均値を示す。
<アンテナ回路腐食特性>
神鋼電機社製のRP−K8520HF−5A1プリンター(搬送速度3IPS)を用いて、マクベスRD−914による画像濃度値が1.2になる全ベタ画像の印字及び180℃での消去の600回の繰り返しを3ヶ月間かけて行った。
評価基準は次のとおりである。
○:RFIDリーダライタで通信性を確認したときに、初期の状態と同じ距離・指向で通信することが出来た。
×:RFIDリーダライタで通信性を確認したときに、通信することが出来なかった。(内部を分解して確認したところ、電気的接続部であるバンプ電極において導通不良が発生していた。)
51 セラミックバー
52 搬送ローラ
53 サーマルヘッド
54 プラテンロール
60 可逆性感熱記録媒体
61 熱ロール
62 サーマルヘッド
63 プラテンロール
64 搬送ローラ
Claims (6)
- 基材の一方の面に可逆性感熱記録層を有し、前記基材の他方の面には、裏面保護層、及び、電気的接続部を介してアンテナ回路と接続された電子情報記録素子を備えた電子情報記録部材を有し、該電子情報記録部材が、前記裏面保護層中に埋め込まれ裏面保護層材料により全体を包まれた状態で設置されており、前記裏面保護層がシリコーン系材料からなることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
- 基材の一方の面に可逆性感熱記録層を有し、前記基材の他方の面上には、アンテナ回路及び該アンテナ回路と電気的接続部を介して接続された電子情報記録素子が、裏面保護層により被覆された状態で設置され、該裏面保護層がシリコーン系材料からなることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
- 前記シリコーン系材料がシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記シリコーン系材料がシリコーン接着剤又はシリコーン粘着剤であることを特徴とする請求項1又は2記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記シリコーン系材料が湿気硬化型であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記シリコーン系材料が熱硬化型であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の可逆性感熱記録媒体。
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