JP2009210817A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の撮像素子を備えた撮像装置において、撮像素子へ光を入射させつつ、焦点を迅速に合わせることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】カメラ100は、被写体からの光を複数に分解する分解プリズム9と、分解プリズム9によって分解された光をそれぞれ受けて光電変換を行う第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lとを備えている。輝度用撮像素子10Lは、光を通過させるように構成されている。輝度用撮像素子10Lを通過した光を受光して位相差検出を行う位相差検出ユニット20をさらに備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換を行う撮像素子を備えた撮像装置に関するものである。
近年、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を用いて、被写体像を電気信号に変換し、この電気信号をデジタル化して記録するデジタルカメラが普及している。
デジタル一眼レフカメラは、被写体像の位相差を検出する位相差検出部を有し、これによりオートフォーカス(以下、単にAFともいう)を行う位相差検出方式AF機能を備えている。位相差検出方式AF機能によれば、デフォーカス方向及びデフォーカス量を検出できるため、フォーカスレンズの移動時間を短縮でき、迅速にフォーカスできるという利点を有する(例えば、特許文献1)。従来のデジタル一眼レフカメラでは、位相差検出部に被写体からの光を導くために、レンズ鏡筒から撮像素子への光路上に進出/退避可能に構成された可動ミラーを設けている。
また、いわゆるコンパクトデジタルカメラは、撮像素子を用いたビデオAFによるオートフォーカス機能を採用している(例えば、特許文献2)。こうして、コンパクトデジタルカメラでは、被写体からの光を位相差検出部へ導くためのミラーをなくすことにより小型化を実現している。このようなコンパクトデジタルカメラでは、撮像素子を露光しながらオートフォーカスを行うことができる。すなわち、オートフォーカスを行いながら、撮像素子を用いた種々の処理、例えば、カメラの背面に設けた画像表示部への撮像素子上に結像する画像の表示や、撮像素子上に結像する画像の撮影を行うことができる。このビデオAFによるオートフォーカス機能は、一般的に位相差検出方式AFに比べて精度が高いという利点がある。
また、別の構成として、被写体からの光を分解する色分解プリズムと複数(具体的には、3つ)の撮像素子とを備え、複数の撮像素子を被写体からの光路長が互いに異なるように配設し、各撮像素子ごとにボケ特性情報を取得し、該ボケ特性情報に基づいてオートフォーカス機能を実現するものがある(例えば、特許文献3)。
特開2007−163545号公報 特開2007−135140号公報 特開2001−61155号公報
ところで、特許文献2に係るデジタルカメラのようにビデオAFではデフォーカス方向及びデフォーカス量を瞬時に検出することができない。例えば、コントラスト検出方式AFによれば、コントラストピークを検出することで焦点を検出するが、フォーカスレンズを現在の位置から前後に移動させる等しないと、コントラストピークの方向、即ち、デフォーカス方向を検出することができない。また、コントラストピークを一旦通り過ぎるまでフォーカスレンズを移動させなければ、合焦位置を検出することができず、その後、フォーカスレンズを合焦位置まで戻す必要がある。そのため、焦点検出に時間がかかってしまう。
一方、位相差検出方式AFによれば、瞬時にデフォーカス方向及びデフォーカス量を検出することができ、焦点を迅速に検出することができるが、特許文献1に係るデジタル一眼レフカメラのように位相差検出方式AFを採用している撮像装置においては、被写体からの光を位相差検出部へ導くために、レンズ鏡筒から撮像素子への光路上に可動ミラーを進出させる必要がある。そのため、小型化に不利であることに加えて、位相差検出方式AFを行いながら、撮像素子を用いた種々の処理を行うことができないという問題がある。また、位相差検出方式AFにより焦点を合わせてから撮像するまでの間に可動ミラーを退避させる必要があり、レリーズタイムラグが長くなるという問題もある。
その点、特許文献3に係る複数の撮像素子を備えたデジタルカメラによれば、位相差検出方式AFを行う特許文献1に係るデジタルカメラのように可動ミラーを設ける必要もないため、撮像素子を用いた処理とAFとを並行して行うことができ、レリーズタイムラグを短縮できると共に、コントラスト検出方式AFを行う特許文献2に係るデジタルカメラのようにフォーカスレンズを一旦移動させてみることでデフォーカス方向やデフォーカス量を検出する必要がないため、焦点を迅速に合わせることができる。
しかしながら、特許文献3に係るデジタルカメラでは、複数の撮像素子はそれぞれの光路長が異なるように配置されているため、何れかの撮像素子に対して焦点を合わせて撮影を行うと、その他の撮像素子に対しては焦点が合っておらず、画像信号にボケ成分が含まれることになってしまう。
そこで、特許文献3に係る構成とは異なる構成で、撮像素子を用いた処理とAFとを並行して行うことができると共に、焦点を迅速に合わせることができる撮像装置が望まれている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の撮像素子を備えた撮像装置において、撮像素子へ光を入射させつつ、焦点を迅速に合わせることができる撮像装置を提供することにある。
本発明に係る撮像装置は、被写体からの光を複数に分解する分解部と、前記分解部によって分解された光をそれぞれ受けて光電変換を行う複数の撮像素子とを備え、前記撮像素子のうちの少なくとも1つの撮像素子は、光を通過させるように構成されており、該撮像素子を通過した光を受光して位相差検出を行う位相差検出部をさらに備えているものとする。
本発明によれば、複数の撮像素子のうちの少なくとも1つの撮像素子を光が透過するように構成すると共に、該撮像素子を透過した光を位相差検出部に受光させることによって、撮像素子に光を入射させつつ、位相差検出部で位相差検出を行うことができる。そして、この位相差検出部による位相差検出を利用することにより焦点を迅速に合わせることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1に係る撮像装置としてのカメラについて説明する。
実施形態1に係るカメラ100は、図1に示すように、交換レンズ式の一眼レフデジタルカメラであり、主に、カメラシステムの主要な機能を有するカメラ本体4と、カメラ本体4に取り外し可能に装着された交換レンズ7とから構成されている。交換レンズ7は、カメラ本体4の前面に設けられたボディマウント41に装着されている。ボディマウント41には電気切片41aが設けられている。
−カメラ本体の構成−
カメラ本体4は、被写体からの光を3つの光に分解する分解プリズム9と、被写体像を撮影画像として取得する3つの撮像ユニット1a,1b,1Lと、撮像ユニット1a,1b,1Lに入射する被写体像の赤外光除去とモアレ現象を軽減するためのIRカット兼OLPF(Optical Low Pass Filter)43と、液晶モニタで構成され、撮影画像やライブビュー画像や各種情報を表示する画像表示部44と、ボディ制御部5とを有している。このカメラ本体4が撮像装置本体を構成する。
カメラ本体4には、カメラシステムの電源の入切を操作する電源スイッチ40aと、撮影者がフォーカシング時およびレリーズ時に操作するレリーズボタン40bと、種々の撮影モード及び機能のON/OFFを切り替える設定スイッチ40c,40dとが設けられている。
電源スイッチ40aにより電源がON状態になると、カメラ本体4および交換レンズ7の各部に電源が供給される。
レリーズボタン40bは、2段式であって、半押しすることで後述するオートフォーカスやAE等を行う一方、全押しすることでレリーズが行われる。
AF設定スイッチ40cは、後述する3つのオートフォーカス機能を切り替えるためのスイッチである。カメラ本体4は、このAF設定スイッチ40cが切り替えられることによって、オートフォーカス機能を3つのうちの何れかに設定するように構成されている。
連写設定スイッチ40dは、後述する連写モードの設定/解除を行うためのスイッチである。カメラ本体4は、この連写設定スイッチ40dが操作されることによって、通常撮影モードと連写モードとを切替可能に構成されている。
また、これらの設定スイッチ40c,40dは、カメラ撮影機能を種々選択するメニュー内の選択項目であってもよいことは言うまでもない。
分解プリズム9は、第1プリズム91と、該第1プリズム91に接合された第2プリズム92と、該第2プリズム92に接合された第3プリズム93と、第1プリズム91と第2プリズム92との接合面に設けられた第1半透過膜94と、第2プリズム92と第3プリズム93との接合面に設けられた第2半透過膜95とを含んでいる。この分解プリズム9が被写体からの光の分解部を構成する。
このように構成された分解プリズム9においては、第1プリズム91の入射面91aから入射した入射光の一部の光が第1半透過膜94及び第1プリズム91内で反射して第1プリズム91の出射面91bから出射する。一方、残りの光は第1半透過膜94を透過する。そして、第1半透過膜94を透過した光のさらに一部の光が第2半透過膜95で反射して第2プリズム92の出射面92bから出射する。一方、第1半透過膜94を透過した光のうちの残りの光は、第2半透過膜95を透過して第3プリズム93の出射面93bから出射する。分解プリズム9に入射した光が3等分されて3つの出射面91b,92b,93bから出射されるように、第1及び第2半透過膜94,95が構成されている。
撮像ユニット1a,1b,1Lは、光電変換により被写体像を電気信号に変換するものである。第1色用撮像ユニット1aは、第1プリズム91の出射面91bに対向して配設され、該出射面91bから出射される光を光電変換して、第1色信号(即ち、第1の色に関する情報)として取得する。第2色用撮像ユニット1bは、第2プリズム92の出射面92bに対向して配設され、該出射面92bから出射される光を光電変換して、第2色信号(即ち、第2の色に関する情報)として取得する。輝度用撮像ユニット1Lは、第3プリズム93の出射面93bに対向して配設されて、該出射面93bから出射される光を光電変換して、輝度信号(即ち、輝度に関する情報)として取得する。これら撮像ユニット1a,1b,1Lは、被写体からの光路長(詳しくは、被写体から第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lの各撮像面までの光路長)が等しくなるように分解プリズム9に対して配設されている。また、撮像ユニット1a,1b,1Lは、ブレ補正ユニット45,45,…によって光軸Xに直行する平面内で移動可能に構成されている。撮像ユニット1a,1b,1Lの詳しい構成については後述する。
ボディ制御部5は、ボディマイコン50と、不揮発性メモリ50aと、撮像ユニット1の動作を制御すると共に撮像ユニット1からの電気信号をA/D変換してボディマイコン50へ出力する撮像ユニット制御部52と、例えばカード型記録媒体や内部メモリである画像格納部58からの画像データの読み出し及び該画像格納部58への画像データの記録を行う画像読み出し/記録部53と、画像読み出し/記録部53を制御する画像記録制御部54と、画像表示部44の表示を制御する画像表示制御部55と、カメラ本体4のブレにより生じる像ブレ量を検出するブレ検出部56と、ブレ補正ユニット45を制御する補正ユニット制御部57とを含む。このボディ制御部5が制御部を構成する。
ボディマイコン50は、カメラ本体4の中枢を司る制御装置であり、各種シーケンスの制御を行う。ボディマイコン50には、例えば、CPU,ROM,RAMが搭載されている。そして、ROMに格納されたプログラムがCPUに読み込まれることで、ボディマイコン50は様々な機能を実現することができる。
このボディマイコン50は、電源スイッチ40a、レリーズボタン40b及び各設定スイッチ40c,40dからの入力信号が入力されると共に、撮像ユニット制御部52、画像読み出し/記録部53、画像記録制御部54及び補正ユニット制御部57等に対し制御信号を出力するように構成されており、撮像ユニット制御部52、画像読み出し/記録部53、画像記録制御部54及び補正ユニット制御部57等にそれぞれの制御を実行させる。また、ボディマイコン50は、後述するレンズマイコン80とマイコン間通信を行う。
例えば、ボディマイコン50の指示により、撮像ユニット制御部52が撮像ユニット1からの電気信号をA/D変換してボディマイコン50へ出力する。ボディマイコン50は、取り込んだ電気信号に所定の画像処理を施して画像信号を作成する。そして、ボディマイコン50は、画像読み出し/記録部53に画像信号を送信すると共に、画像記録制御部54に画像の記録及び表示の指示を行って、画像格納部58への画像信号の保存と画像表示制御部55への画像信号の送信を行わせる。画像表示制御部55は、送信されてきた画像信号に基づいて画像表示部44を制御して、該画像表示部44に画像を表示させる。
不揮発性メモリ50aには、カメラ本体4に関する各種情報(本体情報)が格納されている。この本体情報には、例えば、カメラ本体4のメーカー名、製造年月日、型番、ボディマイコン50にインストールされているソフトのバージョン、およびファームアップに関する情報などのカメラ本体4を特定するための型式に関する情報(本体特定情報)、カメラ本体4がブレ補正ユニット45及びブレ検出部56等の像ブレを補正するための手段を搭載しているか否かに関する情報、ブレ検出部56の型番および感度などの検出性能に関する情報、エラー履歴なども含まれている。尚、これらの情報は、不揮発性メモリ50aの代わりにボディマイコン50内のメモリ部に格納されていてもよい。
ブレ検出部56は、手ブレなどに起因するカメラ本体4の動きを検出する角速度センサを備える。角速度センサは、カメラ本体4が静止している状態での出力を基準としてカメラ本体4が動く方向に応じて正負の角速度信号を出力する。尚、本実施の形態では、ヨーイング方向及びピッチング方向の2方向を検出するために角速度センサを2個設けている。出力された角速度信号は、フィルタ処理、アンプ処理等を経て、A/D変換部によりデジタル信号に変換されてボディマイコン50に与えられる。
−交換レンズの構成−
交換レンズ7は、カメラ本体4内の撮像ユニット1に被写体像を結ぶための撮像光学系を構成しており、主に、フォーカシングを行うフォーカス調節部7Aと、絞りを調節する絞り調節部7Bと、光路を調節することで像ブレを補正するレンズ用像ブレ補正部7Cと、撮像ユニット1a,1b,1Lの露光状態を調節するシャッタユニット75と、交換レンズ7の動作を制御するレンズ制御部8とを有している。
交換レンズ7は、レンズマウント71を介して、カメラ本体4のボディマウント41に取り付けられている。また、レンズマウント71には、交換レンズ7がカメラ本体4に取り付けられてときにボディマウント41の電気切片41aと電気的に接続される電気切片71aが設けられている。
フォーカス調節部7Aは、フォーカスを調節するフォーカスレンズ群72で構成されている。フォーカスレンズ群72は、交換レンズ7の規格として定められた最至近合焦位置から無限合焦位置までの区間で光軸X方向に移動可能である。また、フォーカスレンズ群72は、後述するコントラスト検出方式による合焦位置検出の場合、合焦位置を挟んで光軸X方向前後に移動可能である必要があるため、上述の最至近合焦位置から無限合焦位置までの区間よりもさらに光軸X方向前後に移動可能なレンズシフト余裕区間を有している。なお、フォーカスレンズ群72は、必ずしも複数のレンズで構成される必要はなく、1枚のレンズで構成されていてもよい。
絞り調節部7Bは、絞りまたは開放を調節する絞り部73で構成されている。この絞り部73が光量調節部を構成する。
レンズ用像ブレ補正部7Cは、ブレ補正レンズ74と、ブレ補正レンズ74を光軸Xに直行する平面内で移動させるブレ補正レンズ駆動部74aとを有している。
レンズ制御部8は、レンズマイコン80と、不揮発性メモリ80aと、フォーカスレンズ群72の動作を制御するフォーカスレンズ群制御部81と、フォーカスレンズ群制御部81の制御信号を受けてフォーカスレンズ群72を駆動するフォーカス駆動部82と、絞り部73の動作を制御する絞り制御部83と、交換レンズ7のブレを検出するブレ検出部84と、ブレ補正レンズ駆動部74aを制御するブレ補正レンズユニット制御部85と、シャッタユニット75の駆動を制御するシャッタ制御部86とを有する。
レンズマイコン80は、交換レンズ7の中枢を司る制御装置であり、交換レンズ7に搭載された各部に接続されている。具体的には、レンズマイコン80には、CPU、ROM、RAMが搭載されており、ROMに格納されたプログラムがCPUに読み込まれることで、様々な機能を実現することができる。例えば、レンズマイコン80は、ボディマイコン50からの信号に基づいてレンズ用像ブレ補正装置(ブレ補正レンズ駆動部74a等)を補正可能状態または補正不能状態に設定する機能を有している。また、レンズマウント71に設けられた電気切片71aとボディマウント41に設けられた電気切片41aとの接触により,ボディマイコン50およびレンズマイコン80は電気的に接続されており、互いに情報の送受信が可能となっている。
また、不揮発性メモリ80aには、交換レンズ7に関する各種情報(レンズ情報)が格納されている。このレンズ情報には、例えば、交換レンズ7のメーカー名、製造年月日、型番、レンズマイコン80にインストールされているソフトのバージョンおよびファームアップに関する情報などの交換レンズ7を特定するための型式に関する情報(レンズ特定情報)、交換レンズ7がブレ補正レンズ駆動部74a及びブレ検出部84等の像ブレを補正するための手段を搭載しているか否かに関する情報、像ブレを補正するための手段を搭載している場合は、ブレ検出部84の型番および感度などの検出性能に関する情報、ブレ補正レンズ駆動部74aの型番および最大補正可能角度などの補正性能に関する情報(レンズ側補正性能情報)、像ブレ補正を行うためのソフトのバージョンなどが含まれている。さらに、レンズ情報には、ブレ補正レンズ駆動部74aの駆動に必要な消費電力に関する情報(レンズ側消費電力情報)およびブレ補正レンズ駆動部74aの駆動方式に関する情報(レンズ側駆動方式情報)も含まれている。尚、不揮発性メモリ80aは、ボディマイコン50から送信された情報を格納可能である。尚、これらの情報は、不揮発性メモリ80aの代わりに、レンズマイコン80内のメモリ部に格納されていてもよい。
フォーカスレンズ群制御部81は、フォーカスレンズ群72の光軸方向の絶対位置を検出する絶対位置検出部81aと、フォーカスレンズ群72の光軸方向の相対位置を検出する相対位置検出部81bとを有している。絶対位置検出部81aは、交換レンズ7の筐体におけるフォーカスレンズ群72の絶対位置を検出するものである。絶対位置検出部81aは、例えば、数bitの接触型エンコーダ基板とブラシとによって構成され、絶対位置を検出可能に構成されている。相対位置検出部81bは、それのみではフォーカスレンズ群72の絶対位置を検出することができないが、フォーカスレンズ群72の移動方向は検出可能であり、例えば二相エンコーダを用いている。二相エンコーダは回転パルスエンコーダや、MR素子、ホール素子など、フォーカスレンズ群72の光軸方向の位置に応じて等しいピッチで2値の信号を交互に出力するものが2つ設けられており、これらのピッチの位相をずらすように設置されている。レンズマイコン80は、相対位置検出部81bの出力からフォーカスレンズ群72の光軸方向の相対位置を算出する。
ブレ検出部84は,手ブレなどに起因する交換レンズ7の動きを検出する角速度センサを備える。角速度センサは、交換レンズ7が静止している状態での出力を基準として交換レンズ7が動く方向に応じて正負の角速度信号を出力する。尚、本実施の形態では、ヨーイング方向及びピッチング方向の2方向を検出するために角速度センサを2個設けている。出力された角速度信号は、フィルタ処理、アンプ処理等を経て、A/D変換部によりデジタル信号に変換されてレンズマイコン80に与えられる。
ブレ補正レンズユニット制御部85は、移動量検出部(図示せず)を備える。移動量検出部は、ブレ補正レンズ74の実際の移動量を検出する検出部である。ブレ補正レンズユニット制御部85は、移動量検出部からの出力に基づいて、ブレ補正レンズ74を帰還制御している。
シャッタ制御部86は、レンズマイコン80からの制御信号を受けて、シャッタユニット75を駆動制御する。詳しくは、レンズマイコン80は、ボディマイコン50からの制御信号を受けてシャッタユニット75に制御信号を出力する。
尚、カメラ本体4及び交換レンズ7の両方にブレ検出部56,84とブレ補正装置45,74aを搭載した例を示したが、カメラ本体4及び交換レンズ7の何れかにブレ検出部及びブレ補正装置が搭載されていてもよく、何れにもブレ検出部及びブレ補正装置が搭載されていない場合であってもよい(その場合は、上述のブレ補正に関するシーケンスを排除すればよい)。
−撮像ユニットの構成−
まずは、第1色用及び第2色用撮像ユニット1a,1bについて説明する。第1色用及び第2色用撮像ユニット1a,1bは、図2に示すように、被写体像を電気信号に変換するための第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bと、撮像素子10を保持するためのパッケージ31とを有している。尚、図2において、第2色用撮像ユニット1bに関する符号は括弧付きで付している(図3において同様)。ただし、第1色用撮像素子10aと第2色用撮像素子10bとの構成は同様であるため、以下では、第1色用撮像素子10aについてのみ説明し、第2色用撮像素子10bの説明を省略する。
第1色用撮像素子10aは、インターライン型CCDイメージセンサであって、図3に示すように、半導体材料で構成された光電変換部11と、垂直レジスタ12と、転送路13と、マスク14と、カラーフィルタ15と、マイクロレンズ16とを有している。
光電変換部11は、基板11aと、基板11a上に配列された複数の受光部(画素ともいう)11b,11b,…とを有している。
基板11aは、Si(シリコン)ベースで構成されている。詳しくは、基板11aは、Si単結晶基板又はSOI(Silicon On Insulator wafer)で構成されている。特に、SOI基板は、Si薄膜とSiO薄膜のサンドイッチ構造をなし、エッチングの処理などにおいてSiO層で反応をとめることが可能であり、安定した基板加工を行う上で有利である。
また、受光部11bは、フォトダイオードで構成されていて、光を吸収して電荷を発生する。受光部11b,11b,…は、基板11a上において行列状に配列された微小な方形の画素領域内にそれぞれ設けられている(図4参照)。
垂直レジスタ12は、受光部11bごとに設けられており、受光部11bに蓄積された電荷を一時蓄積する役割を有する。つまり、受光部11bに蓄積された電荷は、垂直レジスタ12に転送される。垂直レジスタ12に転送された電荷は、転送路13を介して水平レジスタ(図示省略)に転送され、増幅器(図示省略)に送られる。増幅器に送られた電荷は、増幅され電気信号として取り出される。
マスク14は、受光部11bを被写体側に露出させる一方、垂直レジスタ12及び転送路13を覆うように設けられていて、垂直レジスタ12及び転送路13に光が入射することを防止している。
カラーフィルタ15及びマイクロレンズ16は、各受光部11bに対応して前記微小な方形の画素領域ごとに設けられている。
カラーフィルタ15は、特定の色だけを透過させるためのものであり、原色フィルタ又は補色フィルタが用いられる。本実施形態では、図4に示すように、いわゆるベイヤー型の原色フィルタが用いられている。すなわち、第1色用撮像素子10a全体としては、2行2列に隣接する4つのカラーフィルタ15,15,…(又は4つの画素領域)を1つの繰り返し単位としたときに、該繰り返し単位中において、一方の対角方向に2つの緑のカラーフィルタ(即ち、緑色の可視光波長域に対して緑色以外の他の色の可視光波長域よりも高い透過率を持つカラーフィルタ)15g,15gが配列され、他方の対角方向に赤のカラーフィルタ(即ち、赤色の可視光波長域に対して赤色以外の他の色の可視光波長域よりも高い透過率を持つカラーフィルタ)15rと青のカラーフィルタ(即ち、青色の可視光波長域に対して青色以外の他の色の可視光波長域よりも高い透過率を持つカラーフィルタ)15bとが配列されている。全体として緑のカラーフィルタ15g,15g,…が縦横に1つおきに配置されている。
マイクロレンズ16は、光を集光して受光部11bに入射させるものである。このマイクロレンズ16によって受光部11bを効率良く照射できる。
このように構成された第1色用撮像素子10aは、パッケージ31に保持されている(図2参照)。このパッケージ31が保持部を構成する。
詳しくは、パッケージ31は、平板状の底板31aにフレーム32が設けられていると共に、四方には立壁31b,31b,…が設けられている。第1色用撮像素子10aは、立壁31b,31b,…により四方を覆われるようにして、フレーム32にマウントされると共に、フレーム32に対してボンディングワイヤを介して電気的に接続されている。
また、パッケージ31の立壁31b,31b,…の先端には、第1色用撮像素子10aの撮像面(受光部11b,11b,…が設けられている面)を覆うようにカバーガラス33が取り付けられている。このカバーガラス33によって、第1色用撮像素子10aがパッケージ内に密封されており、第1色用撮像素子10aの撮像面はゴミの付着などから保護されている。
次に、輝度用撮像ユニット1Lについて説明する。輝度用撮像ユニット1Lは、図5に示すように、被写体像を電気信号に変換するための輝度用撮像素子10Lと、輝度用撮像素子10Lを保持するための輝度用パッケージ31Lと、位相差検出方式の焦点検出を行うための位相差検出ユニット20とを有している。
輝度用撮像素子10Lの基本的な構成は、前記第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bと同様である。ただし、輝度用撮像素子10Lは、図6に示すように、該第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bと異なり、カラーフィルタを有さず、さらに、照射された光を透過させる透過部17,17,…が基板11aに複数形成されている。
すなわち、輝度用撮像素子10Lは、カラーフィルタを有さないため、マイクロレンズ16,16,…に照射された光は、該マイクロレンズ16,16,…により集光された後、受光部11b,11b,…に到達する。つまり、輝度用撮像素子10Lにおいては、カラーフィルタによる光の損失がないため、より多くの光を受光部11b,11b,…に到達させることができる。
また、前記透過部17は、基板11aにおける受光部11bが設けられている面とは反対側の面(以下、単に裏面ともいう)11cを切削、研磨又はエッチングにより凹状に陥没させることによって形成されており、周辺部よりも薄く形成されている。さらに詳しくは、透過部17は、最も薄肉になっている陥没面17aと、該陥没面17aと裏面11cとを繋ぐ傾斜面17b,17bとを有している。
この基板11aにおける透過部17を光が透過する程度の厚みに形成することによって、光電変換部11に照射された光のうち該透過部17に照射された光の一部は電荷に変換されずに該光電変換部11を透過する。例えば、透過部17における基板11aの厚みを2〜3μmに設定することによって、近赤外光より長波長側の光を約50%透過させることができる。
また、傾斜面17b,17bは、透過部17を透過する際に該傾斜面17bで反射する光が後述する位相差検出ユニット20のコンデンサレンズ21a,21a,…へ向かわない角度に設定されている。こうすることで、後述するラインセンサ24aに実像でない像が形成されることを防止している。
この透過部17が、輝度用撮像素子10Lに入射する光を透過、即ち、通過させる薄肉部を構成する。ここで、少なくとも本明細書においては、「通過」は「透過」を含む概念である。
また、輝度用パッケージ31Lの基本的な構成も、前記第1色用及び第2色用撮像ユニット1a,1bのパッケージ31と同様である。ただし、輝度用パッケージ31Lは、図6に示すように、該パッケージ31と異なり、開口31c,31c,…が形成されている。
詳しくは、輝度用パッケージ31Lは、平板状の底板31aにフレーム32が設けられていると共に、四方には立壁31b,31b,…が設けられている。輝度用撮像素子10Lは、立壁31b,31b,…により四方を覆われるようにして、フレーム32にマウントされると共に、フレーム32に対してボンディングワイヤを介して電気的に接続されている。
また、輝度用パッケージ31Lの立壁31b,31b,…の先端には、輝度用撮像素子10Lの撮像面を覆うようにカバーガラス33が取り付けられている。このカバーガラス33によって、輝度用撮像素子10Lの撮像面はゴミの付着などから保護されている。
ここで、輝度用パッケージ31Lの底板31aには、輝度用撮像素子10Lの透過部17,17,…に対応する位置に該透過部17,17,…と同じ個数だけ開口31c,31c,…が貫通形成されている。この開口31c,31c,…により、輝度用撮像素子10Lを透過した光が、後述する位相差検出ユニット20まで到達する。この開口31cが通過部を構成する。
尚、輝度用パッケージ31Lの底板31aには、必ずしも開口31cが貫通形成される必要はない。すなわち、輝度用撮像素子10Lを透過した光が位相差検出ユニット20まで到達する構成であれば、底板31aに透明部若しくは半透明部を形成する等の構成であってもよい。
位相差検出ユニット20は、輝度用撮像素子10Lの背面側(被写体と反対側)に設けられて、輝度用撮像素子10Lからの通過光を受光して位相差検出を行う。詳しくは、位相差検出ユニット20は、受光した通過光を測距のための電気信号に変換する。この位相差検出ユニット20が位相差検出部を構成する。
この位相差検出ユニット20は、図5,7に示すように、コンデンサレンズユニット21と、マスク部材22と、セパレータレンズユニット23と、ラインセンサユニット24と、これらコンデンサレンズユニット21、マスク部材22、セパレータレンズユニット23及びラインセンサユニット24を取り付けるためのモジュール枠25とを有している。コンデンサレンズユニット21、マスク部材22、セパレータレンズユニット23及びラインセンサユニット24は、輝度用撮像素子10Lの厚さ方向に沿って該輝度用撮像素子10L側からこの順で並んでいる。
コンデンサレンズユニット21は、複数のコンデンサレンズ21a,21a,…を一体的にユニット化したものである。コンデンサレンズ21a,21a,…は、透過部17,17,…と同じ数だけ設けられている。各コンデンサレンズ21aは、入射する光を集光するためのものであり、輝度用撮像素子10Lを透過して拡がりつつある光を集光して、セパレータレンズユニット23の後述するセパレータレンズ23aへと導く。各コンデンサレンズ21aは、入射面21bが凸状に形成されていると共に、入射面21b近傍が円柱状に形成されている。
このコンデンサレンズ21aを設けることによって、セパレータレンズ23aへの入射角度が立つ(入射角が小さくなる)ため、セパレータレンズ23aの収差を抑えることができると共に、後述するラインセンサ24a上の被写体像間隔を小さくすることができる。その結果、セパレータレンズ23a及びラインセンサ24aを小型化することができる。また、撮像光学系からの被写体像の焦点位置が輝度用撮像ユニット1Lから大きく外れたとき(詳しくは、輝度用撮像ユニット1Lの輝度用撮像素子10Lから大きく外れたとき)、その像のコントラストが著しく下がるが、本実施形態によれば、コンデンサレンズ21aとセパレータレンズ23aによる縮小効果によりコントラストの低下を抑え、焦点検出範囲を広くすることもできる。尚、焦点位置近傍における高精度な位相差検出等の場合、セパレータレンズ23aやラインセンサ24a等の寸法に余裕がある場合等においては、コンデンサレンズユニット21を設けなくてもよい。
マスク部材22は、コンデンサレンズユニット21とセパレータレンズユニット23との間に配設される。マスク部材22は、各セパレータレンズ23aに対応する位置ごとに2つのマスク開口22a,22aが形成されている。つまり、マスク部材22は、セパレータレンズ23aのレンズ面を2つの領域に分割して、該2つの領域だけをコンデンサレンズ21a側に露出させている。すなわち、マスク部材22は、コンデンサレンズ21aにより集光された光を2つの光束に瞳分割して、セパレータレンズ23aへ入射させる。このマスク部材22により隣り合う一方のセパレータレンズ23aからの有害光などが他方のセパレータレンズ23aに入らないようにすることができる。尚、光学設計上に上記有害光の発生の懸念がない場合は、このマスク部材22は、設けなくともよい。
セパレータレンズユニット23は、複数のセパレータレンズ23a,23a,…を有し、これら複数のセパレータレンズ23a,23a,…を一体的にユニット化したものである。セパレータレンズ23a,23a,…は、コンデンサレンズ21a,21a,…と同様に、透過部17,17,…と同じ数だけ設けられている。各セパレータレンズ23aは、マスク部材22を通過して入射してきた2つの光束を、同一の2つの被写体像としてラインセンサ24a上に結像させる。
ラインセンサユニット24は、複数のラインセンサ24a,24a,…と該ラインセンサ24a,24a,…を設置する設置部24bとを有する。ラインセンサ24a,24a,…は、コンデンサレンズ21a,21a,…と同様に、透過部17,17,…と同じ数だけ設けられている。各ラインセンサ24aは、撮像面上に結像する像を受光して電気信号に変換する。つまり、ラインセンサ24aの出力から、2つの被写体像の間隔を検出することができ、その間隔によって輝度用撮像素子10Lに結像する被写体像の焦点のずれ量(即ち、デフォーカス量(Df量))及び焦点がどちらの方向にずれているか(即ち、デフォーカス方向)を求めることができる(以下、これらDf量及びデフォーカス方向等をデフォーカス情報ともいう)。
このように構成されたコンデンサレンズユニット21、マスク部材22、セパレータレンズユニット23及びラインセンサユニット24は、モジュール枠25に配設されている。
モジュール枠25は、枠状に形成された部材であって、その内周には、内側に向かって突出する取付部25aが設けられている。取付部25aの輝度用撮像素子10L側には、階段状に第1取付部25b及び第2取付部25cが形成されている。また、取付部25aの輝度用撮像素子10Lと反対側には、第3取付部25dが形成されている。
そして、輝度用撮像素子10L側から、モジュール枠25の第2取付部25cにマスク部材22が取り付けられ、第1取付部25bにコンデンサレンズユニット21が取り付けられている。これらコンデンサレンズユニット21及びマスク部材22は、それぞれ第1取付部25b及び第2取付部25cに取り付けられる際に、図5,7に示すように、周縁部がモジュール枠25に嵌り込むように形成されており、それによりモジュール枠25に対して位置決めされる。
一方、輝度用撮像素子10Lの反対側から、モジュール枠25の第3取付部25dにセパレータレンズユニット23が取り付けられている。第3取付部25dには、コンデンサレンズユニット21と反対側に突出する位置決めピン25eと方向基準ピン25fとが設けられている。一方、セパレータレンズユニット23には、これら位置決めピン25e及び方向基準ピン25fにそれぞれ対応する位置決め孔23b及び方向基準孔23cが形成されている。位置決めピン25eと位置決め孔23bとは嵌合するようにそれぞれの径が設定されている。一方、方向基準ピン25fと方向基準孔23cとは緩やかに嵌るようにそれぞれの径が設定されている。すなわち、セパレータレンズユニット23は、位置決め孔23b及び方向基準孔23cをそれぞれ第3取付部25dの位置決めピン25e及び方向基準ピン25fに挿通させることによって、第3取付部25dに取り付ける際の方向等の姿勢が規定されると共に、位置決め孔23bと位置決めピン25eとの嵌合によって第3取付部25dに対して位置決めされる。こうして、セパレータレンズユニット23が姿勢及び位置を決めて取り付けられたとき、セパレータレンズ23a,23a,…の各レンズ面は、コンデンサレンズユニット21の側を向くと共に、マスク開口22a,22aと対向した状態になる。
こうして、コンデンサレンズユニット21、マスク部材22及びセパレータレンズユニット23は、モジュール枠25に対して位置決めされた状態で取り付けられる。すなわち、これらコンデンサレンズユニット21、マスク部材22及びセパレータレンズユニット23は、モジュール枠25を介して、互いの位置関係が位置決めされる。
そして、ラインセンサユニット24が、セパレータレンズユニット23の背面側(コンデンサレンズユニット21と反対側)からモジュール枠25に対して取り付けられる。このとき、ラインセンサユニット24は、各セパレータレンズ23aを透過した光がラインセンサ24aに入射するように位置決めされた状態でモジュール枠25に取り付けられる。
したがって、コンデンサレンズユニット21、マスク部材22、セパレータレンズユニット23及びラインセンサユニット24をモジュール枠25に取り付けることによって、コンデンサレンズ21a,21a,…に入射した光が、該コンデンサレンズ21a,21a,…を透過して、マスク部材22を介してセパレータレンズ23a,23a,…に入射し、セパレータレンズ23a,23a,…を透過した光がラインセンサ24a,24a,…上に結像するように、コンデンサレンズ21a,21a,…、マスク部材22、セパレータレンズ23a,23a,…及びラインセンサ24a,24a,…がそれぞれ位置決めされた状態で配列される。
このように構成された輝度用撮像素子10Lと位相差検出ユニット20とは、互いに接合される。詳しくは、輝度用撮像素子10Lにおける輝度用パッケージ31Lの開口31cと位相差検出ユニット20におけるコンデンサレンズ21aとが、互いに嵌合するように構成されている。つまり、位相差検出ユニット20におけるコンデンサレンズ21a,21a,…を、輝度用撮像素子10Lにおける輝度用パッケージ31Lの開口31c,31c,…に嵌め込んだ状態で、モジュール枠25を輝度用パッケージ31Lに接着する。こうすることで輝度用撮像素子10Lと位相差検出ユニット20とを互いに位置決めした状態で接合することができる。このように、コンデンサレンズ21a,21a,…、セパレータレンズ23a,23a,…及びラインセンサ24a,24a,…は、一体的にユニット化されると共に、ユニット化された状態で輝度用パッケージ31Lに取り付けられる。
このとき、全ての開口31c,31c,…と全てのコンデンサレンズ21a,21a,…とを互いに嵌合するように構成してもよい。あるいは、そのうちのいくつかの開口31c,31c,…とコンデンサレンズ21a,21a,…だけを嵌合状態とし、残りの開口31c,31c,…とコンデンサレンズ21a,21a,…とは緩やかに嵌るように構成してもよい。後者の場合には、最も撮像面中央に近いコンデンサレンズ21aと開口31cとが嵌合するように構成して撮像面内における位置決めを行い、さらに、撮像面中央から最も離れたコンデンサレンズ21aと開口31cとが嵌合するように構成して撮像面中央のコンデンサレンズ21a及び開口31c回り(即ち、回転角度)の位置決めを行うことが好ましい。
こうして、輝度用撮像素子10Lと位相差検出ユニット20とを接合した結果、基板11aの背面側には、各透過部17ごとに、コンデンサレンズ21a、マスク部材22の一対のマスク開口22a,22a、セパレータレンズ23a及びラインセンサ24aが配置される。
このように、光を透過させるように構成した輝度用撮像素子10Lに対して、輝度用撮像素子10Lを収容する輝度用パッケージ31Lの底板31aに開口31c,31c,…を形成することによって、輝度用撮像素子10Lを透過した光を輝度用パッケージ31Lの背面側まで容易に到達させることができると共に、輝度用パッケージ31Lの背面側に位相差検出ユニット20を配設することによって、輝度用撮像素子10Lを透過した光を位相差検出ユニット20で受光する構成を容易に実現することができる。
また、輝度用パッケージ31Lの底板31aに形成される開口31c,31c,…は輝度用撮像素子10Lを透過した光を輝度用パッケージ31Lの背面側に通過させる構成であれば任意の構成を採用することができるが、貫通孔である開口31c,31c,…を形成することによって、輝度用撮像素子10Lを透過した光を減衰させることなく輝度用パッケージ31Lの背面側まで到達させることができる。
また、コンデンサレンズ21a,21a,…を開口31c,31c,…に嵌合させることによって、開口31c,31c,…を利用して、輝度用撮像素子10Lに対する位相差検出ユニット20の位置決めを行うことができる。尚、コンデンサレンズ21a,21a,…を設けない場合は、セパレータレンズ23a,23a,…を開口31c,31c,…に嵌合させるように構成すれば、同様に、輝度用撮像素子10Lに対する位相差検出ユニット20の位置決めを行うことができる。
それと共に、コンデンサレンズ21a,21a,…に輝度用パッケージ31Lの底板31aを貫かせて、基板11aに接近させて配設することができるため、撮像ユニット1をコンパクトに構成することができる。
このように構成された第1色用、第2色用及び輝度用撮像ユニット1a,1b,1Lについて、まず、第1色用及び第2色用撮像ユニット1a,1bの動作を説明する。
第1色用撮像ユニット1aには、前述の如く、第1プリズム91の入射面91aを介して分解プリズム9に入射した入射光のうち第1半透過膜94で反射した光が入射する。また、第2色用撮像ユニット1bには、該入射光のうち第1半透過膜94を透過して第2半透過膜95で反射した光が入射する。
尚、第1色用撮像ユニット1aと第2色用撮像ユニット1bの動作は、同様であるため、以下では、第1色用撮像ユニット1aの動作について説明し、第2色用撮像ユニット1bについての説明を省略する。
第1色用撮像ユニット1aに被写体からの光が入射すると、該光は、カバーガラス33を透過し第1色用撮像素子10aに入射する。該光は、第1色用撮像素子10aのマイクロレンズ16,16,…により集光された後、カラーフィルタ15,15,…に入射し、各カラーフィルタに応じた色の光だけが該カラーフィルタ15,15,…を透過して、受光部11b,11b,…に到達する。受光部11bは光を吸収して電荷を発生する。発生した電荷は垂直レジスタ12及び転送路13を介して増幅器に送られ、電気信号として出力される。つまり、受光部11b,11b,…からは、各カラーフィルタに対応した色の受光光量が出力として得られる。こうして、第1色用撮像素子10aは、その撮像面全体における受光部11b,11b,…で光電変換を行うことによって、撮像面に形成された被写体像を電気信号に変換する。
次に、輝度用撮像ユニット1Lの動作について説明すると、輝度用撮像ユニット1Lには、前述の如く、第1プリズム91の入射面91aを介して分解プリズム9に入射した入射光のうち第1及び第2半透過膜94,95を透過した光が入射する。
輝度用撮像ユニット1Lに被写体からの光が入射すると、該光は、カバーガラス33を透過し輝度用撮像素子10Lに入射する。該光は、輝度用撮像素子10Lのマイクロレンズ16により集光された後、受光部11bに到達する。受光部11bは光を吸収して電荷を発生する。発生した電荷は垂直レジスタ12及び転送路13を介して増幅器に送られ、電気信号として出力される。こうして、輝度用撮像素子10Lは、その撮像面全体において各受光部11bが光を電気信号に変換することによって、撮像面に形成された被写体像を、画像信号を作成するための電気信号に変換する。輝度用撮像素子10Lには、第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bのようにカラーフィルタが設けられていないため、カラーフィルタ透過時の光の損失がなく、より多くの光が受光部11b,11b,…に到達する。
ここで、輝度用撮像素子10Lにおいては、基板11aに透過部17,17,…が設けられており、該透過部17,17,…では、輝度用撮像素子10Lに照射された光の一部が輝度用撮像素子10Lを透過する。輝度用撮像素子10Lを透過した光は、輝度用パッケージ31Lの開口31c,31c,…に嵌合されたコンデンサレンズ21a,21a,…へ入射する。各コンデンサレンズ21aを透過することにより集光された光は、マスク部材22に形成された各対のマスク開口22a,22aを通過する際に2つの光束に分割されて各セパレータレンズ23aに入射する。こうして瞳分割された光は、セパレータレンズ23aを透過して、ラインセンサ24a上の2つの位置に同一の被写体像として結像する。ラインセンサ24aは、光電変換により被写体像から電気信号を作成し出力する。
こうして、第1色用、第2色用及び輝度用撮像ユニット1a,1b,1Lから出力される電気信号は、撮像ユニット制御部52を介してボディマイコン50に入力される。そして、ボディマイコン50は、第1色用撮像素子10aからの出力データをLab色空間のa成分信号に変換し、第2色用撮像素子10bからの出力データをLab色空間のb成分信号に変換し、輝度用撮像素子10Lからの出力データをLab色空間のL成分信号に変換する。尚、輝度用撮像素子10Lからの出力データをそのままL成分信号としてもよい。また、第1色用撮像素子10aからの出力データと第2色用撮像素子10bからの出力データとを合成した上で、a成分信号とb成分信号に変換してもよい。そして、ボディマイコン50は、L成分信号、a成分信号及びb成分信号を合成することによって画像信号を作成する。こうして、ボディマイコン50は、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lの撮像面に形成された被写体像の画像信号が得られる。
ここで、第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bからの出力は、ボディマイコン50に入力されるときに補正される。具体的には、受光部11b,11b,…では同じ光量の光を受光しても光の波長が異なると蓄積電荷量が異なるため、撮像素子10の受光部11b,11b,…からの出力がそれぞれに設けられているカラーフィルタ15r,15g,15bの種類に応じて補正される。例えば、赤のカラーフィルタ15rが設けられたR画素11br、緑のカラーフィルタ15gが設けられたG画素11bg及び青のカラーフィルタ15bが設けられたB画素11bbがそれぞれのカラーフィルタに対応する色の光を同じ光量だけ受光したときに、R画素11br、G画素11bg、B画素11bbからの出力が同じレベルとなるように各画素の補正量が設定される。
また、輝度用撮像素子10Lからの出力も、ボディマイコン50に入力されるときに補正される。具体的には、輝度用撮像素子10Lでは基板11aの透過部17,17,…における光電変換効率がそれ以外の部分に比べて低くなるため、透過部17,17,…における各画素11bの出力が補正される。つまり、同じ光量の光を受光しても、透過部17,17,…に対応する位置に設けられた画素11b,11b,…の蓄積電荷量の方がそれ以外の部分に設けられた画素11b,11b,…の蓄積電荷量よりも少なくなってしまう。その結果、透過部17,17,…に対応する位置に設けられた画素11b,11b,…から出力された出力データにそれ以外の部分に設けられた画素11b,11b,…から出力された出力データと同様の画像処理を施したのでは、透過部17,17,…に対応する部分の画像が適切に撮影されない(例えば、暗く撮影されてしまう)可能性がある。そこで、透過部17,17,…における各画素11bの出力は、例えば、透過部17からの出力と透過部17以外からの出力とにより表示される画像のホワイトバランス及び/又は輝度が等しくなるように増幅する等して、透過部17,17,…の影響がなくなるように補正される。このように輝度用撮像素子10Lからの出力を補正することによって、透過部17,17,…が設けられた輝度用撮像素子10Lであっても、被写体像を適切に撮影することができる。
第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lからの出力はこのように補正された後、Lab変換されると共に、その前後において所定の信号処理が施される。
一方、ラインセンサユニット24から出力される電気信号も、ボディマイコン50に入力される。そして、ボディマイコン50は、ラインセンサユニット24からの出力に基づいて、ラインセンサ24a上に結像する2つの被写体像の間隔を求め、求めた間隔から、輝度用撮像素子10Lに結像する被写体像の焦点状態を検出することができる。例えば、ラインセンサ24a上に結像する2つの被写体像は、撮像レンズを透過して輝度用撮像素子10Lに結像する被写体像が正確に結像しているとき(合焦)には、所定の基準間隔を開けて所定の基準位置に位置する。それに対し、被写体像が輝度用撮像素子10Lよりも光軸方向手前側に結像しているとき(前ピン)には、2つの被写体像の間隔が合焦時の基準間隔よりも狭くなる。一方、被写体像が輝度用撮像素子10Lよりも光軸方向奥側に結像しているとき(後ピン)には、2つの被写体像の間隔が合焦時の基準間隔よりも広くなる。つまり、ラインセンサ24aからの出カを増幅した後、演算回路にて演算することによって、合焦か非合焦か、前ピンか後ピンか、Df量はどの位かを知ることができる。
ここで、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lは被写体からの光路長がそれぞれ等しくなるように配設されているため、輝度用撮像素子10Lに対する焦点状態は第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bに対する焦点状態と等しくなる。つまり、輝度用撮像素子10Lについて被写体の焦点を合わせれば、第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bについての焦点も合うことになる。
尚、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lそれぞれの、被写体からの光路長が等しくない場合であっても、位相差検出ユニット20を輝度用撮像ユニット1Lに設けることによって高解像度の画像を取得することができる。つまり、人間の色情報に対する感度は輝度情報に比べてかなり低いため、輝度信号を取得するための輝度用撮像素子10Lについての焦点が合っていれば、色信号を取得するための第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bについての焦点が多少ずれていても、人間の目には問題がないレベルの高解像度の画像を取得することができる。
尚、本実施形態では、透過部17は基板11aにおいて周辺部よりも薄肉状に形成されているが、これに限られるものではない。例えば、基板11aに照射される光が基板11aを透過して基板11a背面側の位相差検出ユニット20に十分到達するように、基板11a全体の厚さを設定してもよい。この場合、基板11a全体が透過部となる。
また、本実施形態では、基板11aに3つの透過部17,17,17が形成されると共に、コンデンサレンズ21a,セパレータレンズ23a及びラインセンサ24aが透過部17,17,17に対応して3セット設けられているが、これに限られるものではない。これらの個数は3つに限定されるものではなく、任意の個数に設定し得る。例えば、図8に示すように、基板11aに9つの透過部17,17,…を形成すると共に、コンデンサレンズ21a,セパレータレンズ23a及びラインセンサ24aを9セット設けるようにしてもよい。
さらに、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lは、CCDイメージセンサに限られるものではなく、図9に示すように、CMOSイメージセンサであってもよい。
例えば、CMOSイメージセンサで構成される輝度用撮像素子210Lは、半導体材料で構成された光電変換部211と、トランジスタ212と、信号線213と、マスク214と、マイクロレンズ216とを有している。
光電変換部211は、基板211aと、フォトダイオードで構成された受光部211b,211b,…とを有している。各受光部211bごとに、トランジスタ212が設けられている。受光部211bで蓄積された電荷は、トランジスタ212で増幅され、信号線213を介して外部へ出力される。マスク214及びマイクロレンズ216は、前記マスク14及びマイクロレンズ16と同様の構成である。
そして、基板211aには、CCDイメージセンサと同様に、照射された光を透過させる透過部17,17,…が形成されている。透過部17は、基板211aにおける受光部211bが設けられている面とは反対側の面(以下、単に裏面ともいう)211cを切削、研磨又はエッチングにより凹状に陥没させることによって形成されており、周辺部よりも薄肉に形成されている。
また、CMOSイメージセンサにおいては、トランジスタ212の増幅率を受光部211bごとに設定することができるため、各トランジスタ212の増幅率を各受光部11bが透過部17に対応する位置に位置するか否かに基づいて設定することによって、透過部17,17,…に対応する部分の画像が、適切に撮影されないことを防止することができる。
さらにまた、位相差検出ユニット20は、前述の構成に限られるものではない。例えば、輝度用撮像素子10Lの透過部17に対してコンデンサレンズ21aやセパレータレンズ23aが位置決めされる構成であれば、コンデンサレンズ21aと輝度用パッケージ31Lの開口31cとの嵌合は必ずしも必要ない。また、コンデンサレンズを有さない構成でもよい。あるいは、コンデンサレンズ及びセパレータレンズが一体的に形成されたものであってもよい。
さらに、別の例としては、図10,11に示すように、輝度用撮像ユニット401Lの輝度用撮像素子10Lの背面側において、コンデンサレンズユニット421と、マスク部材422と、セパレータレンズユニット423と、ラインセンサユニット424とが輝度用撮像素子10Lの撮像面と平行な方向に並んで配置される位相差検出ユニット420であってもよい。
詳しくは、コンデンサレンズユニット421は、複数のコンデンサレンズ421a,421a,…を一体的にユニット化していると共に、入射面421bと反射面421cと出射面421dとを有している。すなわち、コンデンサレンズユニット421は、コンデンサレンズ421a,421a,…によって集光された光を反射面421cにより略90°の角度で反射させ、出射面421dから出射させる。その結果、輝度用撮像素子10Lを透過してコンデンサレンズユニット421へ入射した光は、反射面421cによってその光路が略垂直に曲げられて、出射面421dから出射してセパレータレンズユニット423のセパレータレンズ423aへ向かう。セパレータレンズ423aへ入射した光は、該セパレータレンズ423aを透過して、ラインセンサ424aに結像する。
このように構成されたコンデンサレンズユニット421、マスク部材422、セパレータレンズユニット423及びラインセンサユニット424は、モジュール枠425に配設されている。
モジュール枠425は、箱状に形成されており、その内部には、コンデンサレンズユニット421を取り付けるための段差部425aが形成されている。コンデンサレンズユニット421は、コンデンサレンズ421a,421a,…がモジュール枠425の外方を向くようにして該段差部425aに取り付けられている。
また、モジュール枠425には、コンデンサレンズユニット421の出射面421dと対向する位置に、マスク部材422及びセパレータレンズユニット423を取り付けるための取付壁部425bが立設されている。この取付壁部425bには、開口425cが形成されている。
マスク部材422は、取付壁部425bに対してコンデンサレンズユニット421の側から取り付けられている。一方、セパレータレンズユニット423は、取付壁部425bに対してコンデンサレンズユニット421と反対側から取り付けられている。
こうして、輝度用撮像素子10Lの背面側において、輝度用撮像素子10Lを通過した光の光路を折り曲げることによって、コンデンサレンズユニット421、マスク部材422、セパレータレンズユニット423及びラインセンサユニット424等を、輝度用撮像素子10Lの厚さ方向に並べるのではなく、輝度用撮像素子10Lの撮像面に平行な方向に並べることができるため、輝度用撮像ユニット401Lの、輝度用撮像素子10Lの厚さ方向の寸法を小さくすることができる。つまり、輝度用撮像ユニット401Lをコンパクトに形成することができる。
このように、輝度用撮像素子10Lの背面側において、輝度用撮像素子10Lを通過した光を受けて位相差検出を行うことができる構成であれば、任意の構成の位相差検出ユニットを採用することができる。
−カメラの動作説明−
このように構成されたカメラ100は、種々の撮影モード及び機能を備えている。以下、カメラ100の種々の撮影モード及び機能と共にそのときの動作を説明する。
−AF機能−
カメラ100は、レリーズボタン40bが半押しされると、AFにより焦点を合わせるが、このAFとして、位相差検出方式AFと、コントラスト検出方式AFと、ハイブリッド方式AFとの3つのオートフォーカス機能を有している。これら3つのオートフォーカス機能は、カメラ本体4に設けられたAF設定スイッチ40cを操作することによって、撮影者が選択可能となっている。
以下に、各オートフォーカス機能によるカメラシステムの撮影動作を通常撮影モードを前提に説明する。ここで、通常撮影モードとは、後述する連写モードではない、通常の撮影を行うためのカメラ100の最も基本的な撮影モードである。
(位相差検出方式AF)
まず、位相差検出方式AF方式によるカメラシステムの撮影動作について、図12,13を参照して説明する。
電源スイッチ40aがONされると(ステップSa1)、カメラ本体4と交換レンズ7との交信が行われる(ステップSa2)。詳しくは、カメラ本体4内のボディマイコン50及び各種ユニットに電力が供給され、ボディマイコン50が起動する。同時に、電気切片41a,71aを介して、交換レンズ7内のレンズマイコン80及び各種ユニットに電極が供給され、レンズマイコン80が起動する。ボディマイコン50及びレンズマイコン80は、起動時に互いに情報を送受信するようプログラミングされており、例えばレンズマイコン80のメモリ部からボディマイコン50へ交換レンズ7に関するレンズ情報が送信され、このレンズ情報はボディマイコン50のメモリ部に格納される。
続いて、ボディマイコン50は、レンズマイコン80を介してフォーカスレンズ群72を予め設定された所定の基準位置に位置させる(ステップSa3)と共に、それと並行して、レンズマイコン80を介してシャッタユニット75を開状態にする(ステップSa4)。その後、ステップSa5へ進み、撮影者によりレリーズボタン40bが半押しされるまで待機する。
こうすることで、被写体からの光が交換レンズ7を透過してカメラ本体4内に入射する。カメラ本体4内に入射した光はIRカット兼OLPF43を透過し、分解プリズム9へ入射する。分解プリズム9へ入射した光は3つに分解されて、それぞれ第1色用、第2色用及び輝度用撮像ユニット1a,1b,1Lへ入射する。そして、第1色用、第2色用及び輝度用撮像ユニット1a,1b,1Lにて結像した被写体像は各撮像ユニットで電気信号に変換される。ボディマイコン50は、この電気信号に基づいて被写体像の画像信号を作成し、画像表示部44に表示させる。撮影者は画像表示部44を介して被写体の正立像を観察できる。詳しくは、ボディマイコン50は、撮像ユニット制御部52を介して第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lからの電気信号を一定の周期で読み込み、読み込んだ電気信号に対して所定の画像処理を施すと共に、Lab変換により画像信号を作成し、画像表示制御部55を制御して画像表示部44にライブビュー画像を表示させる。
また、輝度用撮像ユニット1Lへ入射した光の一部は、輝度用撮像素子10Lの透過部17,17,…を透過して位相差検出ユニット20へ入射する。
ここで、撮影者によりレリーズボタン40bが半押しされる(即ち、S1スイッチ(図示省略)がONされる)と(ステップSa5)、ボディマイコン50は、位相差検出ユニット20のラインセンサ24aからの出カを増幅した後、演算回路にて演算することによって、合焦か非合焦か、前ピンか後ピンか、Df量はどの位かを求める(ステップSa6)。
その後、ボディマイコン50は、ステップSa6で取得したDf量分だけデフォーカス方向にフォーカスレンズ群72をレンズマイコン80を介して駆動させる(ステップSa7)。
このとき、本実施形態に係る位相差検出ユニット20は、コンデンサレンズ21a、マスク開口22a,22a、セパレータレンズ23a及びラインセンサ24aのセットを3セット、即ち、位相差検出を行う測距ポイントを3つ有している。そして、位相差検出方式AFやハイブリッド方式AFにおける位相差検出では、撮影者が任意に選択した測距ポイントに対応したセットのラインセンサ24aの出力に基づいてフォーカスレンズ群72を駆動させる。
あるいは、複数の測距ポイントのうち最もカメラに近接した測距ポイントを選択してフォーカスレンズ群72の駆動を行うように、ボディマイコン50に自動最適化アルゴリズムを設定しておいてもよい。この場合、中抜け写真などが発生する確率を低減することができる。
尚、この測距ポイントの選択は、位相差検出方式AFに限られるものではなく、位相差検出ユニット20を用いてフォーカスレンズ群72を駆動させる構成であれば、任意の方式のAFに採用できる。
そして、合焦したか否かを判定する(ステップSa8)。詳しくは、ラインセンサ24aの出力から得られるDf量が所定値以下であるときには合焦した(YES)と判定してステップSa11へ進む一方、ラインセンサ24aの出力から得られるDf量が所定値より大きいときには合焦していない(NO)と判定してステップSa6へ戻り、ステップSa6〜Sa8を繰り返す。
こうして焦点状態の検出とフォーカスレンズ群72の駆動を繰り返し、Df量が所定量以下になったときに合焦と判断され、フォーカスレンズ群72の駆動が停止される。ここで、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lは被写体からの光路長が等しくなるように配置されているため、輝度用撮像素子10Lについて合焦させることで、第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bについても合焦させることができる。
また、ステップSa6〜Sa8における位相差検出方式AFと並行して、測光を行う(ステップSa9)と共に、像ブレ検出を開始する(ステップSa10)。
すなわち、ステップSa9においては、輝度用撮像素子10Lによって該輝度用撮像素子10Lに入射してくる光の光量が測定される。つまり、本実施形態においては、輝度用撮像素子10Lに入射して該輝度用撮像素子10Lを透過した光を用いて上述の位相差検出方式AFを行っているため、該位相差検出方式AFと並行して、輝度用撮像素子10Lを用いて測光を行うことができる。
詳しくは、ボディマイコン50が、撮像ユニット制御部52を介して輝度用撮像素子10Lからの電気信号を取り込み、該電気信号に基づいて被写体光の強度を測定することによって測光を行う。そして、ボディマイコン50は、測光の結果から、撮影モードに応じた露光時におけるシャッタスピードと絞り値を所定のアルゴリズムに従って決定する。尚、測光は、第1色用又は第2色用撮像素子10a,10bで行ってもよい。
そして、ステップSa9において測光が終了すると、ステップSa10において像ブレ検出を開始する。尚、ステップSa9とステップSa10とは並行して行ってもよい。
また、撮影者によりレリーズボタン40bが半押しされると、画像表示部44には、撮影画像と共に撮影に係る各種情報表示が表示され、撮影者は画像表示部44を介して各種情報を確認することができる。
ステップSa11では、撮影者にレリーズボタン40bが全押しされる(即ち、S2スイッチ(図示省略)がONされる)まで待機する。撮影者によりレリーズボタン40bが全押しされると、ボディマイコン50は、シャッタユニット75を一旦、閉状態にする(ステップSa12)。こうして、シャッタユニット75を閉状態にしている間に、後述する露光に備えて、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lの受光部11b,11b,…に蓄積されている電荷を転送してしまう。
その後、ボディマイコン50は、カメラ本体4と交換レンズ7との交信情報、又は撮影者の任意の指定情報を基に像ブレの補正を開始する(ステップSa13)。具体的には、カメラ本体4内のブレ検出部56の情報を基に交換レンズ7内のブレ補正レンズ駆動部74aを駆動する。また、撮影者の意図に応じて、(i)交換レンズ7内のブレ検出部84とブレ補正レンズ駆動部74aを用いる、(ii)カメラ本体4内のブレ検出部56とブレ補正ユニット45を用いる、(iii)交換レンズ7内のブレ検出部84とカメラ本体4内のブレ補正ユニット45を用いる、の何れかが選択可能である。
尚、像ブレ補正手段の駆動開始は、レリーズボタン40b半押し時点から開始することで、合焦させたい被写体の動きが軽減され、位相差検出方式AFをより正確に行うことが可能となる。
また、ボディマイコン50は、像ブレの補正開始と並行して、ステップSa9における測光の結果から求められた絞り値となるようにレンズマイコン80を介して絞り部73を絞り込む(ステップSa14)。
こうして、像ブレの補正が開始されると共に、絞り込みが完了すると、ボディマイコン50は、ステップSa9における測光の結果から求められたシャッタスピードに基づいてシャッタユニット75を開状態にする(ステップSa15)。こうして、シャッタユニット75を開状態にすることで、被写体からの光が第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lに入射するようになり、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lでは所定時間だけ電荷の蓄積を行う(ステップSa16)。
そして、ボディマイコン50は、該シャッタスピードに基づいて、シャッタユニット75を閉状態にして、露光を終了する(ステップSa17)。露光完了後、ボディマイコン50では、撮像ユニット制御部52を介して第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lから画像データを読み出し、所定の画像処理後、画像読み出し/記録部53を介して画像表示制御部55へ画像データ(画像信号)を出力する。これにより、画像表示部44へ撮影画像が表示される。また、ボディマイコン50は、必要に応じて、画像記録制御部54を介して画像格納部58に画像データを格納する。
その後、ボディマイコン50は、像ブレ補正を終了する(ステップSa18)共に、絞り部73を開放する(ステップSa19)。そして、ボディマイコン50は、シャッタユニット75を開状態とする(ステップSa20)。
レンズマイコン80は、リセットが完了すると、ボディマイコン50にリセット完了を伝える。ボディマイコン50は、レンズマイコン80からのリセット完了情報と露光後の一連処理の完了を待ち、その後、レリーズボタン40bの状態が、押し込みされていないことを確認し、撮影シーケンスを終了する。その後、ステップSa5へ戻り、レリーズボタン40bが半押しされるまで待機する。
尚、電源スイッチ40aがOFFされる(ステップSa21)と、ボディマイコン50は、フォーカスレンズ群72を予め設定された所定の基準位置に移動させる(ステップSa22)と共に、シャッタユニット75を閉状態にする(ステップSa23)。そして、カメラ本体4内のボディマイコン50及び各種ユニット、並びに交換レンズ7内のレンズマイコン80及び各種ユニットの作動を停止する。
このように、位相差検出方式AFによるカメラシステムの撮影動作においては、位相差検出ユニット20に基づいたオートフォーカスと並行して、輝度用撮像素子10Lにより測光が行われる。すなわち、位相差検出ユニット20は輝度用撮像素子10Lを透過した光を受けてデフォーカス情報を取得するため、デフォーカス情報を取得する際には必ず、被写体からの光が輝度用撮像素子10Lに照射されている。そこで、オートフォーカス時に輝度用撮像素子10Lを透過する光を用いて測光を行う。こうすることで、測光用のセンサを別途設ける必要がなくなると共に、レリーズボタン40bが全押しされる前に測光を行っておくことができるため、レリーズボタン40bが全押しされてから露光が完了するまでの時間(以下、レリーズタイムラグともいう)を短縮することができる。
尚、本実施形態においては、位相差検出ユニット20に被写体からの光が入射しているときには、輝度用撮像素子10Lだけでなく、第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bにも被写体からの光が入射しているため、第1色用又は第2色用撮像素子10a,10bによって測光を行うこともできる。ただし、輝度用撮像素子10Lにはあらゆる帯域の光が入射しているため、輝度用撮像素子10Lを用いて測光を行う方が測光を精度良く行うことができる点で好ましい。
また、レリーズボタン40bの全押し前に測光を行う構成であっても、測光をオートフォーカスと並行して行うことによって、レリーズボタン40b半押し後の処理時間を長くしてしまうことも防止できる。その際、被写体からの光を測光用センサや位相差検出ユニットへ導くためのミラーを設ける必要がない。
また、従来は、被写体から撮像装置に導かれる光の一部をミラー等で、撮像装置外に設けられた位相差検出ユニットへ導いていたのに対し、輝度用撮像ユニット1Lに導かれた光をそのまま用いて位相差検出ユニット20によって焦点状態を検出することができるため、焦点状態を非常に高精度に能力することができる。
(コントラスト検出方式AF)
次に、コントラスト検出方式AFによるカメラシステムの撮影動作について、図14を参照して説明する。
電源スイッチ40aがONされると(ステップSb1)、カメラ本体4と交換レンズ7との交信が行われ(ステップSb2)、フォーカスレンズ群72を所定の基準位置に位置させ(ステップSb3)、それと並行して、シャッタユニット75を開状態にし(ステップSb4)、レリーズボタン40bが半押しされるのを待機する(ステップSb5)ところまでは、位相差検出方式AFにおけるステップSa1〜Sa5と同じである。
撮影者によりレリーズボタン40bが半押しされると(ステップSb5)、ボディマイコン50は、レンズマイコン80を介してフォーカスレンズ群72を駆動させる(ステップSb6)。詳しくは、被写体像の焦点が光軸方向の所定の方向(例えば、被写体側)に移動するようにフォーカスレンズ群72を駆動する。
そして、ボディマイコン50は、撮像ユニット制御部52を介して取り込んだ輝度用撮像素子10Lからの出力に基づいて被写体像のコントラスト値を求め、該コントラスト値が低く変化したか否かを判定する(ステップSb7)。その結果、コントラスト値が低くなった(YES)ときにはステップSb8へ進む一方、コントラスト値が高くなった(NO)ときにはステップSb9へ進む。
コントラスト値が低くなったときには、フォーカスレンズ群72を焦点が合う方向とは反対方向に駆動したということであるため、被写体像の焦点が光軸方向の前記所定の方向とは反対方向(例えば、被写体と反対側)に移動するようにフォーカスレンズ群72を反転駆動する(ステップSb8)。その後、コントラストピークを検出したか否かを判定し(ステップSb10)、コントラストピークを検出されない(NO)間はフォーカスレンズ群72の反転駆動(ステップSb8)を繰り返す。そして、コントラストピークが検出された(YES)ときには、フォーカスレンズ群72の反転駆動を停止すると共に、フォーカスレンズ群72をコントラスト値がピークとなった位置まで移動させ、ステップSa11へ進む。
一方、ステップSb6でフォーカスレンズ群72を駆動させて、コントラスト値が高くなったときには、フォーカスレンズ群72を焦点が合う方向に駆動させているため、そのままフォーカスレンズ群72の駆動を継続して(ステップSb9)、コントラスト値のピークを検出したか否かを判定する(ステップSb10)。その結果、コントラストピークを検出されない(NO)間はフォーカスレンズ群72の駆動(ステップSb9)を繰り返す一方、コントラストピークが検出された(YES)ときには、フォーカスレンズ群72の駆動を停止すると共に、フォーカスレンズ群72をコントラスト値がピークとなった位置まで移動させ、ステップSa11へ進む。
このように、コントラスト検出方式では、フォーカスレンズ群72をとりあえず駆動してみて(ステップSb6)、コントラスト値が低く変化したときにはフォーカスレンズ群72を反転駆動してコントラスト値のピークを探す(ステップSb8,Sb10)一方、コントラスト値が高く変化したときにはフォーカスレンズ群72をそのまま駆動してコントラスト値のピークを探す(ステップSb9,Sb10)。
また、このコントラスト検出方式AF(ステップSb6〜Sb10)と並行して、測光を行う(ステップSb11)と共に、像ブレ検出を開始する(ステップSb12)。これらステップSb11,Sb12は、位相差検出方式AFのステップSa9,Sa10と同様である。
ステップSa11では、撮影者にレリーズボタン40bが全押しされるまで待機する。レリーズボタン40bが全押しされてからのフローは、位相差検出方式AFと同様である。
このコントラスト検出方式AFでは、ダイレクトにコントラストピークを捕らえることが可能となり、位相差検出方式AFと異なり、開放バック補正(絞りの開口度合いによるピントズレ)などの様々な補正演算が必要ないため高精度なピント性能を得ることができる。ただし、コントラスト値のピークを検出するためには、コントラスト値のピークを一旦超えるまでフォーカスレンズ群72を駆動する必要がある。こうして、フォーカスレンズ群72をコントラスト値のピークを一旦越えるところまで移動させた後、検出されたコントラスト値のピークの位置まで戻す必要があるため、フォーカスレンズ群72の往復駆動動作によりフォーカスレンズ群駆動系に生じるバッククラッシュ分を取り除く必要がある。
(ハイブリッド方式AF)
続いて、ハイブリッド方式AFによるカメラシステムの撮影動作について、図15を参照して説明する。
電源スイッチ40aがONされてからレリーズボタン40bの半押しを待機する(ステップSc1〜Sc5)までは、位相差検出方式AFにおけるステップSa1〜Sa5と同じである。
撮影者によりレリーズボタン40bが半押しされると(ステップSc5)、ボディマイコン50は、位相差検出ユニット20のラインセンサ24aからの出カを増幅した後、演算回路にて演算して、合焦か非合焦かを検出する(ステップSc6)。さらに、ボディマイコン50は、前ピンか後ピンか、デフォーカス量はどの位かを求め、デフォーカス情報を取得する(ステップSc7)。その後、ステップSc10へ進む。
一方、ステップSc6,Sc7と並行して、測光を行う(ステップSc8)と共に、像ブレ検出を開始する(ステップSc9)。これらステップSc6,Sc7は、位相差検出方式AFのステップSa9,Sa10と同様である。その後、ステップSc10へ進む。尚、ステップSc9の後は、ステップSc10ではなく、ステップSa11へ進んでもよい。
このように、本実施形態においては、輝度用撮像素子10Lに入射して該輝度用撮像素子10Lを透過した光を用いて上述の位相差に基づく焦点検出を行っているため、該焦点検出と並行して、輝度用撮像素子10Lを用いて測光を行うことができる。
ステップSc10では、ボディマイコン50は、ステップSc7で取得したデフォーカス情報に基づいて、フォーカスレンズ群72を駆動する。
そして、ボディマイコン50は、輝度用撮像素子10Lからの出力に基づいて被写体像のコントラスト値を求め、コントラストピークが検出されたか否かを判定する(ステップSc11)。コントラストピークが検出されていない(NO)ときにはフォーカスレンズ群72の駆動(ステップSc10)を繰り返す一方、コントラストピークが検出された(YES)ときにはフォーカスレンズ群72の駆動を停止して、フォーカスレンズ群72をコントラスト値がピークとなった位置まで移動させた後、ステップSa11へ進む。
具体的には、ステップSc10,Sc11において、ステップSc7で算出したデフォーカス方向及びデフォーカス量に基づき、フォーカスレンズ群72を高速に移動させた後、フォーカスレンズ群72を前述の速度よりも低速で移動させてコントラストピークを検出することが好ましい。
このとき、算出したデフォーカス量に基づいて移動させるフォーカスレンズ群72の移動量(どこまで移動させるか)を位相差検出方式AFにおけるステップSa7と異ならせることが好ましい。詳しくは、位相差検出方式AFにおけるステップSa7では、デフォーカス量に基づいて合焦位置と予測される位置までフォーカスレンズ群72を移動させるのに対し、ハイブリッド方式AFにおけるステップSc10では、デフォーカス量に基づいて合焦位置と予測される位置よりも前後に離れた位置までフォーカスレンズ群72を駆動する。ハイブリッド方式AFでは、その後、合焦位置と予測される位置に向かってフォーカスレンズ群72を駆動しながらコントラストピークを検出する。
ステップSa11では、撮影者にレリーズボタン40bが全押しされるまで待機する。レリーズボタン40bが全押しされてからのフローは、位相差検出方式AFと同様である。
このように、ハイブリッド方式AFでは、まず、位相差検出ユニット20によってデフォーカス情報を取得し、これらのデフォーカス情報に基づいてフォーカスレンズ群72を駆動する。そして、輝度用撮像素子10Lからの出力に基づいて算出されるコントラスト値がピークとなるフォーカスレンズ群72の位置を検出し、フォーカスレンズ群72を該位置に位置させる。こうすることで、フォーカスレンズ群72の駆動前にデフォーカス情報を検出することができるため、コントラスト検出方式AFのようにフォーカスレンズ群72をとりあえず駆動してみるというステップが必要ないため、オートフォーカスの処理時間を短縮することができる。また、最終的にはコントラスト検出方式AFによって焦点を合わすため、特に繰り返しパターンのある被写体やコントラストが極端に低い被写体などに対して、位相差検出方式AFよりも精度良く焦点を合わせることができる。
そして、ハイブリッド方式AFは位相差検出を含んでいるにもかかわらず、輝度用撮像素子10Lを透過した光を用いて位相差検出ユニット20によりデフォーカス情報を取得しているため、輝度用撮像素子10Lによる測光と位相差検出ユニット20によるデフォーカス情報の取得とを並行して行うことができる。その結果、位相差検出用に、被写体からの光の一部を分割させるミラーを設ける必要がなく、また、測光用のセンサを別途設ける必要もなく、さらに、レリーズボタン40bが全押しされる前に測光を行っておくことができるため、レリーズタイムラグを短縮することができる。そして、レリーズボタン40bが全押しされる前に測光を行う構成において、測光をデフォーカス情報の取得と並行して行うことによって、レリーズボタン40b半押し後の処理時間を長くしてしまうことも防止できる。
−変形例−
以上の説明では、レリーズボタン40bの全押し後であって露光の直前に絞り込みを行っているが、以下では、位相差検出方式AF及びハイブリッド方式AFにおいて、レリーズボタン40bの全押し前であって、さらにオートフォーカス前に絞り込みを行うように構成した変形例について説明する。
(位相差検出方式AF)
具体的に、まず、変形例に係る位相差検出方式AFによるカメラシステムの撮影動作について、図16を参照して説明する。
電源スイッチ40aがONされてからレリーズボタン40bの半押しを待機する(ステップSd1〜Sd5)までは、上述の位相差検出方式AFにおけるステップSa1〜Sa5と同じである。
撮影者によりレリーズボタン40bが半押しされると(ステップSd5)、像ブレ検出を開始する(ステップSd6)と共に、それと並行して、測光を行う(ステップSd7)。これらステップSd5,Sd6は、位相差検出方式AFのステップSa9,Sa10と同様である。
その後、ステップSd7の測光の結果に基づいて露光時の絞り値を求め、求めた絞り値が所定の絞り閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップSd8)。そして、求めた絞り値が所定の絞り閾値よりも大きい(YES)ときにはステップSd10に進む一方、求めた絞り値が所定の絞り閾値以下(NO)のときにはステップSd9へ進む。ステップSd9では、ボディマイコン50は、求めた絞り値になるようにレンズマイコン80を介して絞り部73を駆動する。
ここで、所定の絞り閾値は、位相差検出ユニット20のラインセンサ24aの出力に基づいてデフォーカス情報の取得ができる程度の絞り値に設定されている。つまり、測光の結果に基づいて求めた絞り値が絞り閾値よりも大きい場合には、該絞り値まで絞り部73を絞ると、後述する位相差検出ユニット20によるデフォーカス情報の取得ができないため、絞り部73を絞ることなく、ステップSd10へ進む。一方、測光の結果に基づいて求めた絞り値が絞り閾値以下の場合には、該絞り値まで絞り部73を絞ってから、ステップSd10へ進む。
ステップSd10〜Sd12では、上述の位相差検出方式AFにおけるステップSa6〜Sa8と同様に、ボディマイコン50が、位相差検出ユニット20のラインセンサ24aからの出カに基づいてデフォーカス情報を求め(ステップSd10)、該デフォーカス情報に基づいてフォーカスレンズ群72を駆動し(ステップSd11)、合焦したか否かを判定する(ステップSd12)。合焦後は、ステップSa11へ進む。
ステップSa11では、撮影者によりレリーズボタン40bが全押しされるまで待機する。レリーズボタン40bが全押しされてからのフローは、上述の位相差検出方式AFと同様である。
ただし、ステップSd8において測光の結果に基づいて求めた絞り値が所定の絞り閾値よりも大きいと判定されたときにのみ、ステップSa14において絞り部73の絞り込みを行う。つまり、ステップSd8において測光の結果に基づいて求めた絞り値が所定の絞り閾値以下であると判定されたときにステップSd9において絞り部73の絞り込みが予め行われているため、ステップSa14を行う必要はない。
このように、変形例に係る位相差検出方式AFによるカメラシステムの撮影動作においては、測光の結果に基づいて求められる露光時の絞り値が位相差検出方式AFを行うことができる程度の値であるときには、露光に先立ってオートフォーカス前に絞り部73を絞っておく。こうすることで、レリーズボタン40b全押し後に絞り部73の絞り込みを行う必要がなく、レリーズタイムラグを短縮することができる。
(ハイブリッド方式AF)
次に、変形例に係るハイブリッド方式AFによるカメラシステムの撮影動作について、図17を参照して説明する。
電源スイッチ40aがONされてからレリーズボタン40bの半押しを待機する(ステップSe1〜Se5)までは、上述の位相差検出方式AFにおけるステップSa1〜Sa5と同じである。
撮影者によりレリーズボタン40bが半押しされると(ステップSe5)、像ブレ検出を開始する(ステップSe6)と共に、それと並行して、測光を行う(ステップSe7)。これらステップSe6,Se7は、位相差検出方式AFのステップSa9,Sa10と同様である。
その後、ステップSe7の測光の結果に基づいて露光時の絞り値を求め、求めた絞り値が所定の絞り閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップSe8)。そして、求めた絞り値が所定の絞り閾値よりも大きい(YES)ときにはステップSe10に進む一方、求めた絞り値が所定の絞り閾値以下(NO)のときにはステップSe9へ進む。ステップSe9では、ボディマイコン50は、求めた絞り値になるようにレンズマイコン80を介して絞り部73を駆動する。
ここで、所定の絞り閾値は、輝度用撮像素子10Lの出力から算出されるコントラスト値のピークが検出できる程度の絞り値に設定されている。つまり、測光の結果に基づいて求めた絞り値が絞り閾値よりも大きい場合には、該絞り値まで絞り部73を絞ると、後述するコントラストピークの検出ができないため、絞り部73を絞ることなく、ステップSe10へ進む。一方、測光の結果に基づいて求めた絞り値が絞り閾値以下の場合には、該絞り値まで絞り部73を絞ってから、ステップSe10へ進む。
ステップSe10〜Se12では、上述の通常のハイブリッド方式AFにおけるステップSc6,Sc7,Sc10,Sc11と同様に、ボディマイコン50は、位相差検出ユニット20のラインセンサ24aからの出カに基づいてデフォーカス情報を求め(ステップSe10,Se11)、該デフォーカス情報に基づいてフォーカスレンズ群72を駆動させ(ステップSe12)、コントラストピークを検出してフォーカスレンズ群72をコントラスト値がピークとなった位置に移動させる(ステップSe13)。
その後、ステップSa11において、撮影者によりレリーズボタン40bが全押しされるまで待機する。レリーズボタン40bが全押しされてからのフローは、上述の通常の位相差検出方式AFと同様である。
ただし、ステップSe8において測光の結果に基づいて求めた絞り値が所定の絞り閾値よりも大きいと判定されたときにのみ、ステップSa14において絞り部73の絞り込みを行う。つまり、ステップSe8において測光の結果に基づいて求めた絞り値が所定の絞り閾値以下であると判定されたときにステップSe9において絞り部73の絞り込みが予め行われているため、ステップSa14を行う必要はない。
このように、変形例に係るハイブリッド方式AFによるカメラシステムの撮影動作においては、測光の結果に基づいて求められる露光時の絞り値がコントラスト検出方式AFを行うことができる程度の値であるときには、露光に先立ってオートフォーカス前に絞り部73を絞っておく。こうすることで、レリーズボタン40b全押し後に絞り部73の絞り込みを行う必要がなく、レリーズタイムラグを短縮することができる。
−連写モード−
以上の説明では、レリーズボタン40bが全押しされるごとに1つの画像が撮影されるが、カメラ100は、レリーズボタン40bの1回の全押し操作で複数の画像が撮影される連写モードを備えている。
以下に、連写モードについて、図18,19を参照して説明する。ここでは、変形例に係るハイブリッド方式AFを行うものを前提に説明をする。尚、連写モードは、変形例に係るハイブリッド方式AFに限られず、位相差検出方式AF、コントラスト検出方式AF、ハイブリッド方式AF、変形例に係る位相差検出方式AF等、任意の構成に採用することができる。
電源スイッチ40aがONされてから、レリーズボタン40bが半押しされて、フォーカスレンズ群72をコントラスト値がピークとなった位置に移動させるまで(ステップSf1〜Sf13)は、変形例に係るハイブリッド方式AFにおけるステップSe1〜Se13と同じである。
そして、フォーカスレンズ群72をコントラスト値がピークとなった位置に移動させた後、ボディマイコン50は、そのとき(即ち、コントラスト検出方式AFにより合焦したとき)の、ラインセンサ24a上に結像する2つの被写体像の間隔をメモリ部に記憶させる(ステップSf14)。
その後、ステップSf15において、撮影者にレリーズボタン40bが全押しされるまで待機する。そして、撮影者によりレリーズボタン40bが全押しされると、位相差検出方式AFにおけるステップSa12〜Sa17と同様に、露光を行う。
具体的には、ボディマイコン50は、シャッタユニット75を一旦、閉状態にし(ステップSf16)、像ブレの補正を開始し(ステップSf17)、ステップSf9で絞り部73を絞っていないときには測光の結果に基づいて絞り部73を絞り込み(ステップSf18)、その後、シャッタユニット75を開状態にして(ステップSf19)、露光を開始し(ステップSf20)、シャッタユニット75を閉状態にして(ステップSf21)露光を終了する。
そして、露光終了後、レリーズボタン40bの全押しが解除されたか否かを判定する(ステップSf22)。そして、レリーズボタン40bが解除された(YES)ときには、ステップSf29,Sf30へ進む一方、レリーズボタン40bの全押しが継続されている(NO)ときには、連写を行うべく、ステップSf23へ進む。
レリーズボタン40bの全押しが継続されているときには、ボディマイコン50は、シャッタユニット75を開状態にして(ステップSf23)、位相差検出方式AFを行う(ステップSf24〜Sf26)。
詳しくは、位相差検出ユニット20を介して輝度用撮像素子10Lにおける被写体像の焦点状態を検出し(ステップSf24)、デフォーカス情報を取得し(ステップSf25)、そのデフォーカス情報に基づいてフォーカスレンズ群72を駆動する(ステップSf26)。
ここで、レリーズボタン40b全押し前のハイブリッド方式AFでは、ラインセンサ24a上に結像する2つの被写体像の間隔と予め設定された基準間隔とを比較してデフォーカス情報が求められる(ステップSf11)のに対し、レリーズボタン40b全押し後のステップSf24,Sf25では、ラインセンサ24a上に結像する2つの被写体像の間隔を、ステップSf14で記憶した、ハイブリッド方式AFにおけるコントラスト検出方式AF後のラインセンサ24a上に結像する2つの被写体像の間隔と比較して焦点状態及びデフォーカス情報を求める。
こうして位相差検出方式AFを行った後、ボディマイコン50は、ボディマイコン50からシャッタ制御部86及び撮像ユニット制御部52へ露光を開始する信号(即ち、露光開始信号)を出力するタイミングが到来したか否かを判定する(ステップSf27)。この露光開始信号の出力タイミングは、連写モードにおける連写のタイミングである。そして、露光開始信号の出力タイミングでない(NO)ときには位相差検出方式AFを繰り返す(ステップSf24〜Sf26)一方、露光開始信号の出力タイミングが到来している(YES)ときにはフォーカスレンズ群72の駆動を停止し(ステップSf28)、露光を行う(ステップSf20)。
尚、フォーカスレンズ群72の停止後、露光を開始する前には、位相差検出方式AF中に第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lの受光部11b,11b,…に蓄積された電荷を掃き出す必要がある。そのため、電子シャッタにより受光部11b,11b,…の電荷を掃き出すか、あるいは、シャッタユニット75を一旦、閉状態として、受光部11b,11b,…の電荷を掃き出した後、シャッタユニット75を開状態として露光を開始する。
そして、露光終了後は、再度、レリーズボタン40bの全押しが解除されたか否かを判定し(ステップSf22)、レリーズボタン40bが全押しされている限り、位相差検出方式AF及び露光を繰り返す(Sf23〜Sf28,Sf20,Sf21)。
一方、レリーズボタン40bの全押しが解除されたときには、像ブレ補正を終了する(ステップSf29)と共に、絞り部73を開放し(ステップSf30)、シャッタユニット75を開状態にする(ステップSf31)。
リセット完了後、撮影シーケンスを終了すると、ステップSa5へ戻り、レリーズボタン40bが半押しされるまで待機する。
尚、電源スイッチ40aがOFFされる(ステップSf32)と、ボディマイコン50は、フォーカスレンズ群72を予め設定された所定の基準位置に移動させる(ステップSf33)と共に、シャッタユニット75を閉状態にする(ステップSf34)。そして、カメラ本体4内のボディマイコン50及び各種ユニット、並びに交換レンズ7内のレンズマイコン80及び各種ユニットの作動を停止する。
このように、連写モードにおけるカメラシステムの撮影動作においては、連写中の各露光間において位相差検出方式AFを行うことができるため、高いピント性能を実現することができる。
また、このときのオートフォーカスが位相差検出方式AFであるため、デフォーカス方向を瞬時に取得することができ、連写間の短い時間であっても、瞬時に焦点を合わせることができる。
さらに、位相差検出方式AFであっても、従来のように位相差検出用の可動ミラーを設ける必要がないため、レリーズタイムラグを短縮することができると共に、電力消費を抑制することができる。さらにまた、従来であれば可動ミラーの上げ下げ動作の分だけレリーズタイムラグがあるため、被写体が動体である場合には、該レリーズタイムラグ中の動体の動きを予測して撮影する必要があったが、本実施形態では、可動ミラーの上げ下げ動作に対応するレリーズタイムラグがないため、露光直前まで被写体の動きを追尾しながら焦点を合わせることができる。
また、連写中の位相差検出方式AFにおいて、合焦を判定する、ラインセンサ24a上の2つの被写体像間の基準距離として、レリーズボタン40bの半押し時にコントラスト検出方式AFにより合焦させたときのラインセンサ24a上の2つの被写体像間距離を用いることによって、実機及び実際の撮影条件に即した、高精度のオートフォーカスを行うことができる。
尚、連写モードにおける1コマ目の撮影時には、ハイブリッド方式AFに限られるものではない。位相差検出方式AFでも、コントラスト検出方式AFでもよい。ただし、1コマ目の撮影時には、ハイブリッド方式AFやコントラスト検出方式AFのように、最終的にはコントラスト値に基づいて焦点を調節するAFを採用することによって、前述の如く、1コマ目撮影時の高い精度で合焦した状態を基準に2コマ目以降の撮影時の位相差検出方式AFを行うことができる。尚、位相差検出方式AFの場合は、ステップSf14を行わず、ステップSf24,Sf25では、ラインセンサ24a上に結像する2つの被写体像の間隔を予め設定された基準間隔と比較して焦点状態及びデフォーカス情報を求める。
また、連写モードに限られず、通常の撮影においても、被写体が動体である場合には、一旦、焦点が合った後も、レリーズボタン40bが全押しされるまで位相差検出方式AFを行うように構成してもよい。
−ローコンモード−
本実施形態に係るカメラ100は、被写体像のコントラストに応じてオートフォーカスの方式を切り替えるように構成されている。つまり、カメラ100は、コントラストが低い条件下で撮影を行うローコンモードを備えている。
以下に、ローコンモードについて、図20を参照して説明する。ここでは、ハイブリッド方式AFを行うものを前提に説明をする。尚、ローコンモードは、ハイブリッド方式AFに限られず、位相差検出方式AF、コントラスト検出方式AF、変形例に係る位相差検出方式AF、変形例に係るハイブリッド方式AF等、任意の構成に採用することができる。
電源スイッチ40aがONされてからレリーズボタン40bの半押しを待機する(ステップSg1〜Sg5)までは、位相差検出方式AFにおけるステップSa1〜Sa5と同じである。
撮影者によりレリーズボタン40bが半押しされると(ステップSg5)、ボディマイコン50は、位相差検出ユニット20のラインセンサ24aからの出カを増幅した後、演算回路にて演算する(ステップSg6)。そして、ローコントラスト状態か否かを判定する(ステップSg7)。具体的には、ラインセンサ24a上に結像される2つの被写体像の位置を、ラインセンサ24aからの出力に基づいて検出できる程度にコントラスト値が高いか否かを判定する。
その結果、2つの被写体像の位置を検出できる程度にコントラスト値が高い(NO)ときには、ローコントラスト状態ではないとして、ステップSg8へ進んでハイブリッド方式AFを行う。尚、ステップSg8〜Sg10は、ハイブリッド方式AFにおけるステップSc7,Sc10,Sc11と同様である。
一方、2つの被写体像の位置を検出できる程度までコントラスト値が高くない(YES)ときには、ローコントラスト状態であるとして、ステップSg11へ進んでコントラスト検出方式AFを行う。尚、ステップSg11〜Sg15は、コントラスト検出方式AFにおけるステップSb6〜Sb10と同様である。
こうして、ハイブリッド方式AF又はコントラスト検出方式AFを行った後は、ステップSa11へ進む。
また、このオートフォーカス動作(ステップSg6〜Sg15)と並行して、測光を行う(ステップSg16)と共に、像ブレ検出を開始する(ステップSg17)。これらステップSg16,Sg17は、位相差検出方式AFのステップSa9,Sa10と同様である。その後、ステップSa11へ進む。
ステップSa11では、撮影者にレリーズボタン40bが全押しされるまで待機する。レリーズボタン40bが全押しされてからのフローは、通常のハイブリッド方式AFと同様である。
すなわち、ローコンモードにおいては、撮影時のコントラストが位相差検出方式AFを行うことができる程度に高いときにはハイブリッド方式AFを行う一方、撮影時のコントラストが位相差検出方式AFを行うことができない程度に低いときにはコントラスト検出方式AFを行う。
尚、本実施形態では、まず、位相差検出ユニット20のラインセンサ24aからの出力に基づいて位相差検出方式による合焦状態の検出が可能か否かを判定して、ハイブリッド方式AFかコントラスト検出方式AFかを決定しているが、これに限られるものではない。例えば、レリーズボタン40bが半押しされた後、位相差焦点を検出する前に(即ち、図20におけるステップSg5とステップSg6との間に)、輝度用撮像素子10Lの出力からコントラスト値を求め、この輝度用撮像素子10Lの出力から求めたコントラスト値が所定値より高いか否かを判定するように構成してもよい。ここで、所定値は、ラインセンサ24a上に結像される被写体像の位置を検出できる程度のコントラスト値に設定する。すなわち、輝度用撮像素子10Lの出力から求めたコントラスト値が位相差検出方式による合焦状態の検出が可能な程度の値以上であるときにはハイブリッド方式AFを行う一方、輝度用撮像素子10Lの出力から求めたコントラスト値が位相差検出方式による合焦状態の検出が可能な程度の値未満であるときにはコントラスト検出方式AFを行うように構成してもよい。
また、本実施形態では、位相差検出方式による合焦状態の検出が可能なときには、ハイブリッド方式AFを行うように構成しているが、位相差検出方式AFを行うように構成してもよい。
このように、輝度用撮像素子10Lを透過する光を位相差検出ユニット20により受光する輝度用撮像ユニット1Lを備えたカメラ100においては、従来のような光を位相差検出ユニットに導くための可動ミラーを設けることなく、位相差検出方式AF(ハイブリッド方式AFを含む)とコントラスト検出方式AFとを行うことができる。そのため、コントラストに応じて、位相差検出方式AFとコントラスト検出方式AFとを選択することによって、高精度なピント性能を実現することができる。
−交換レンズの種類によるAF切替−
さらに、本実施形態に係るカメラ100は、カメラ本体4に取り付けられた交換レンズ7の種類に応じてオートフォーカスの方式を切り替えるように構成されている。
以下に、交換レンズの種類によるAFの切替機能について、図21を参照して説明する。ここでは、ハイブリッド方式AFを行うものを前提に説明をする。尚、交換レンズによるAFの切替機能は、ハイブリッド方式AFに限られず、位相差検出方式AF、コントラスト検出方式AF、変形例に係る位相差検出方式AF、変形例に係るハイブリッド方式AF等、任意の構成に採用することができる。
電源スイッチ40aがONされてからレリーズボタン40bの半押しを待機する(ステップSh1〜Sh5)までは、位相差検出方式AFにおけるステップSa1〜Sa5と同じである。
撮影者によりレリーズボタン40bが半押しされると(ステップSh5)、測光を行う(ステップSh6)と共に、それと並行して、像ブレ検出を開始する(ステップSh7)。これらステップSh6,Sh7は、位相差検出方式AFのステップSa9,Sa10と同様である。尚、これら測光及び像ブレ検出は、後述するオートフォーカス動作と並行して行ってもよい。
その後、ボディマイコン50は、レンズマイコン80からの情報に基づいて、交換レンズ7がサードパーティー製の反射望遠レンズか否かを判定する(ステップSh8)。交換レンズ7がサードパーティー製の反射望遠レンズである(YES)ときにはステップSh13へ進んでコントラスト検出方式AFを行う。尚、ステップSh13〜Sh17は、コントラスト検出方式AFにおけるステップSb6〜Sb10と同様である。
一方、交換レンズ7がサードパーティー製の反射望遠レンズでない(NO)ときにはステップSh9へ進んでハイブリッド方式AFを行う。尚、ステップSh9〜Sh12は、ハイブリッド方式AFにおけるステップSc6,Sc7,Sc10,Sc11と同様である。
こうして、コントラスト検出方式AF又はハイブリッド方式AFを行った後は、ステップSa11へ進む。
ステップSa11では、撮影者にレリーズボタン40bが全押しされるまで待機する。レリーズボタン40bが全押しされてからのフローは、ハイブリッド方式AFと同様である。
つまり、交換レンズ7がサードパーティー製の反射望遠レンズであるときには、位相差検出を精度良く行えない可能性があるため、ハイブリッド方式AF(詳しくは、位相差検出方式AF)を行わず、コントラスト検出方式AFを行う。一方、交換レンズ7がサードパーティー製の反射望遠レンズでないときには、ハイブリッド方式AFを行う。すなわち、ボディマイコン50は、交換レンズ7の光軸が位相差検出方式AFを行える程度に合っている保証があるか否かを判定し、位相差検出方式AFが行える程度に光軸が合っている保証がある交換レンズ7のみハイブリッド方式AFを行う一方、位相差検出方式AFが行える程度に光軸が合っている保証がない交換レンズ7についてはコントラスト検出方式AFを行うように構成されている。
このように、輝度用撮像素子10Lを透過する光を位相差検出ユニット20により受光する撮像ユニット1を備えたカメラ100においては、従来のような光を位相差検出ユニットに導くための可動ミラーを設けることなく、位相差検出方式AF(ハイブリッド方式AFを含む)とコントラスト検出方式AFとを行うことができる。そのため、交換レンズ7の種類に応じて、位相差検出方式AFとコントラスト検出方式AFとを選択することによって、高精度なピント性能を容易に実現することができる。
尚、本実施形態では、交換レンズ7がサードパーティー製の反射望遠レンズであるか否かによって、ハイブリッド方式AFを行うかコントラスト検出方式AFを行うかを決定しているが、これに限られるものではない。反射望遠レンズであるか否かまでは問題とせず、交換レンズ7がサードバーティー製か否かによってハイブリッド方式AFを行うかコントラスト検出方式AFを行うかを決定するように構成してもよい。
また、本実施形態では、交換レンズ7がサードパーティー製の反射望遠レンズでないときには、ハイブリッド方式AFを行うように構成しているが、位相差検出方式AFを行うように構成してもよい。
したがって、本実施形態によれば、輝度用撮像素子10Lを光が通過するように構成し且つ該輝度用撮像素子10Lを通過した光を受光して位相差検出を行う位相差検出ユニット20を設けることによって、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lを用いた種々の処理と位相差検出ユニット20を用いたオートフォーカス(前記位相差検出方式AFやハイブリッド方式AF)とを並行して行うことができ、処理時間を短縮することができる。そして、このときのオートフォーカスが被写体像の位相差を用いたものであるため、デフォーカス方向及びデフォーカス量を迅速に検出することができ、焦点を迅速に合わせることができる。
ここで、輝度用撮像素子10Lにおいては、カラーフィルタが設けられていないため、マイクロレンズ16に入射してきた光が光電変換部11に到達するまでにあまり減衰せず、第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bに比べて、より多くの光が光電変換部11まで到達する。そのため、輝度用撮像素子10Lにおいては、第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bに比べて、光電変換部11を透過する光量が多くなる。つまり、該第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bではなく、輝度用撮像素子10Lの基板11aに透過部17,17,…を設けることによって、より多くの光を基板11aを透過させて、位相差検出ユニット20に入射させることができ、位相差検出を精度良く行うことができる。あるいは、位相差検出ユニット20で位相差検出を行うのに最低限の光を第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lの背面側に透過させるにあたって、透過部17,17,…を輝度用撮像素子10Lに設ける方が第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bに設けるよりも、透過部17における基板11aの厚さを可及的に厚くすることができる。つまり、基板11aの厚さを薄くし過ぎると、光電変換部11で電荷に変換される光量が減少するが、基板11aの厚さを可及的に厚くすることによって、光電変換部11において変換される電荷量を増加させることができる。その結果、輝度用撮像素子10Lにおいて電荷に変換される光量を確保しつつ、位相差検出ユニット20にも十分な光量の光を入射させることができる。
また、被写体から第1色用、第2色用及び輝度用撮像ユニット1a,1b,1Lまでの光路長を等しくすることによって、輝度用撮像ユニット1Lについて焦点を合わせることで第1色用及び第2色用撮像ユニット1a,1bについても焦点を合わせることができる。
ただし、各光路長がずれている場合であっても、位相差検出ユニット20を輝度用撮像ユニット1Lに設けることによって、少なくとも輝度情報は焦点を合わせた状態で取得することができるため、輝度情報に敏感な人間の目にとっては焦点が合った高解像度の画像信号を取得することができる。すなわち、本発明は必ずしも各光路長が等しくなければならないわけではなく、設計によっては撮像ユニットの各光路長をずらして配置してもよい。かかる場合であっても、前述の如く、位相差検出ユニット20を輝度用撮像ユニット1Lに設けることによって、人間の目にとっては焦点が合った高解像度の画像信号を取得することができる。
また、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lを用いた種々の処理と位相差検出ユニット20を用いたオートフォーカスとを並行して行わないとしても、前記構成によれば輝度用撮像素子10Lに光が入射しているときには位相差検出ユニット20にも光が入射しているため、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lを用いた種々の処理と位相差検出ユニット20を用いたオートフォーカスとをボディ制御部5の制御の切替により容易に切り替えることができる。すなわち、従来のように被写体からの光の進む方向を可動ミラーを進退させて撮像素子と位相差検出ユニットとに切り替える構成と比較して、可動ミラーを進退させる必要がないため、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lを用いた種々の処理と位相差検出ユニット20を用いたオートフォーカスとを即座に切り替えることができると共に、可動ミラーの進退に伴う音も生じ得ないため、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lを用いた種々の処理と位相差検出ユニット20を用いたオートフォーカスとを静かに切り替えることができる。こうして、カメラ100の利便性を向上させることができる。
具体的には、輝度用撮像素子10Lを光が通過するように構成し且つ該輝度用撮像素子10Lを通過した光を受光して位相差検出を行う位相差検出ユニット20を設けることによって、位相差検出ユニット20を用いたAFと輝度用撮像素子10Lを用いた測光とを並行して行うことができる。こうすることによって、レリーズボタン40bの全押し後に測光を行う必要がなくなり、レリーズタイムラグを短縮することができる。また、レリーズボタン40bの全押し前に測光を行う構成であっても、測光をオートフォーカスと並行して行うことによって、レリーズボタン40b半押し後の処理時間を長くしてしまうことも防止できる。さらに、輝度用撮像素子10Lを用いて測光を行うため、測光用センサを別途設ける必要がない。さらにまた、被写体からの光を測光用センサや位相差検出ユニットへ導くための可動ミラーを設ける必要がない。そのため、電力消費を抑制することができる。
また、輝度用撮像素子10Lを光が通過するように構成し且つ該輝度用撮像素子10Lを通過した光を受光して位相差検出を行う位相差検出ユニット20を設けることによって、前記ハイブリッド方式AFのように、まず、位相差検出ユニット20の検出結果に基づいてフォーカスレンズ群72の駆動方向を決定し、その後、輝度用撮像素子10Lの出力に基づいたコントラスト検出方式AFを迅速に行うことができる。つまり、位相差検出ユニット20による位相差検出から輝度用撮像素子10Lを用いたコントラスト検出への切り替えを、従来の可動ミラーを用いた光路の切り替え等を行うことなく、ボディ制御部5内の制御で即座に行うことができるため、ハイブリッド方式AFに要する時間を短縮することができる。また、可動ミラーが不要なため、可動ミラーによる騒音もなくなり、ハイブリッド方式AFを静かに行うことができる。
また、被写体から第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lへ向かう光を可動ミラー等を用いて、輝度用撮像素子10Lの背面側とは別の場所に配設された位相差検出ユニットへ向かわせる従来の構成においては、露光時の光路と位相差検出時の光路とが異なることや可動ミラーの設置誤差等によって焦点調節の精度が高くないが、本実施形態においては位相差検出ユニット20が輝度用撮像素子10Lを通過する光を受けて位相差検出を行うため、露光時の光路と同じ光路のまま位相差検出を行うことができると共に、可動ミラーのような誤差を生じさせる部材がないため、位相差検出に基づく焦点調節の精度を向上させることができる。
尚、前記実施形態では、画素11bの総数(即ち、画素数)及び画素11bのサイズが第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lにおいて等しくなるように構成されているが、これに限られるものではない。すなわち、色信号よりも輝度信号の方が人間の目に与える影響が大きいため、輝度用撮像素子10Lの画素数を第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bの画素数よりも多くしてもよい。また、第1色用及び第2色用撮像素子10a,10bにおいては、カラーフィルタ15r,15g,15bにより入射光が減衰するため、画素11bのサイズを大きくしてもよい。こうすることで、入射光が減衰する場合であっても、十分な入射光を受けて光電変換を行うことができる。
《発明の実施形態2》
次に、実施形態2に係る撮像装置としてのカメラについて説明する。
実施形態2に係るカメラ200は、複数の撮像ユニットのそれぞれで取得する出力データおよび該出力データから画像信号を作成する処理が実施形態1と異なる。
実施形態2に係るカメラ本体204は、図22に示すように、被写体からの光を3つの光に分解する色分解プリズム209と、被写体像を撮影画像として取得する3つの撮像ユニット1R,1G,1Bと、撮像ユニット1R,1G,1Bに入射する被写体像の赤外光除去とモアレ現象を軽減するためのIRカット兼OLPF(Optical Low Pass Filter)43と、液晶モニタで構成され、撮影画像やライブビュー画像や各種情報を表示する画像表示部44と、ボディ制御部205とを有している。
色分解プリズム209は、第1プリズム291と、該第1プリズム291に接合された第2プリズム292と、該第2プリズム292に接合された第3プリズム293と、第1プリズム291と第2プリズム292との接合面に設けられ赤色の光を反射する第1ダイクロイック膜294と、第2プリズム292と第3プリズム293との接合面に設けられ緑色の光を反射する第2ダイクロイック膜295とを含んでいる。この色分解プリズム209が分解部を構成している。
このように構成された色分解プリズム209においては、第1プリズム291の入射面291aから入射した入射光のうち赤色の光が第1ダイクロイック膜294及び第1プリズム291内で反射して第1プリズム291の出射面291bから出射する。一方、残りの光は第1ダイクロイック膜294を透過する。そして、第1ダイクロイック膜294を透過した光のうち緑色の光が第2ダイクロイック膜295で反射して第2プリズム292の出射面292bから出射する。一方、第1ダイクロイック膜294を透過した光のうちの残りの光、即ち、青色の光は、第2ダイクロイック膜295を透過して第3プリズム293の出射面293bから出射する。
撮像ユニット1R,1G,1Bは、光電変換により被写体像を電気信号に変換するものである。赤色用撮像ユニット1Rは、第1プリズム291の出射面291bに対向して配設され、該出射面291bから出射される赤色の光を光電変換して、赤色信号(即ち、赤色に関する情報)として取得する。緑色用撮像ユニット1Gは、第2プリズム292の出射面292bに対向して配設され、該出射面292bから出射される緑色の光を光電変換して、緑色信号(即ち、緑色に関する情報)として取得する。青色用撮像ユニット1Bは、第3プリズム293の出射面293bに対向して配設されて、該出射面293bから出射される青色の光を光電変換して、青色信号(青色に関する情報)として取得する。これら赤色用、緑色用及び青色用撮像ユニット1R,1G,1Bは、被写体からの光路長(詳しくは、被写体から赤色用、緑色用及び青色用撮像素子10R,10G,10Bの各撮像面までの光路長)が等しくなるように色分解プリズム209に対して配設されている。また、撮像ユニット1R,1G,1Bは、ブレ補正ユニット45,45,…によって光軸Xに直行する平面内で移動可能に構成されている。
赤色用撮像ユニット1Rは、図23に示すように、実施形態1に係る輝度用撮像ユニット1Lと同様の構成をしており、被写体像を電気信号に変換するための赤色用撮像素子10Rと、赤色用撮像素子10Rを保持するための赤色用パッケージ31Rと、位相差検出ユニット20とを有している。
赤色用撮像素子10Rは、基本的な構成は輝度用撮像素子10Lと同様であり、図24に示すように、赤色のカラーフィルタ15r,15r,…が設けられている点が異なる。すなわち、赤色用撮像素子10Rでは、マイクロレンズ16,16,…に入射した光のうち赤色の光だけがカラーフィルタ15r,15r,…を透過して受光部11b,11b,…まで到達する。こうして、赤色用撮像素子10Rは、被写体からの光のうち赤色の光の受光光量を検出して出力する。
さらに、赤色用撮像素子10Rでは、基板11aに透過部17,17,…が設けられており、光電変換部11へ入射してきた光の一部が赤色用撮像素子10Rの背面側に透過するように構成されている。
また、赤色用パッケージ31Rは、輝度用パッケージ10Lと同様の構成をしており、底板31aにおける、赤色用撮像素子10Rの透過部17,17,…に対応する位置に開口31c,31c,…が形成されている。
さらに、位相差検出ユニット20も、輝度用撮像ユニット1Lの位相差検出ユニット20と同様の構成をしており、コンデンサレンズ21a,21a,…を赤色用パッケージ31Rの開口31c,31c,…に嵌合させることによって、赤色用撮像素子10Rに対して位置決めした状態で取り付けられている。
つまり、赤色用撮像ユニット1Rにおいて、光電変換部11まで到達した赤色の光のうちの一部が該光電変換部11を透過して、位相差検出ユニット20に入射するように構成されている。
一方、緑色用及び青色用撮像ユニット1G,1Bは、図25に示すように、実施形態1に係る第1色用及び第2色用撮像ユニット1a,1bと同様の構成をしており、被写体像を電気信号に変換するための緑色用及び青色用撮像素子10G,10Bと、緑色用及び青色用撮像素子10G,10Bを保持するための緑色用及び青色用パッケージ31G,31Bとを有している。尚、図25において、青色用撮像ユニット1Bに関する符号は括弧付きで付している(図26において同様)。
緑色用撮像素子10Gは、基本的な構成は第1色用又は第2色用撮像素子10a,10bと同様であり、図26に示すように、ベイヤー型の原色フィルタではなく、緑色のカラーフィルタ15g,15g,…だけが設けられている点で異なる。すなわち、緑色用撮像素子10Gでは、マイクロレンズ16,16,…に入射した光のうち緑色の光だけがカラーフィルタ15g,15g,…を透過して受光部11b,11b,…まで到達する。こうして、緑色用撮像素子10Gは、被写体からの光のうち緑色の光の受光光量を検出して出力する。
また、青色用撮像素子10Bは、基本的な構成は第1色用又は第2色用撮像ユニット1a,1bの撮像素子10と同様であり、図26に示すように、ベイヤー型の原色フィルタではなく、青色のカラーフィルタ15b,15b,…だけが設けられている点で異なる。すなわち、青色用撮像素子10Bでは、マイクロレンズ16,16,…に入射した光のうち青色の光だけがカラーフィルタ15b,15b,…を透過して受光部11b,11b,…まで到達する。こうして、青色用撮像素子10Bは、被写体からの光のうち青色の光の受光光量を検出して出力する。
尚、緑色用撮像ユニット1Gと青色用撮像ユニット1Bとは、カラーフィルタにおいて透過させる光の種類が異なるだけで、その他の構成は同様である。
このように構成された赤色用、緑色用及び青色用撮像ユニット1R,1G,1Bは、光軸に対して空間的に画素11b,11b,…の位置をずらして、即ち、光軸に直交する方向にずらして配置されている。具体的には、図27に示すように、緑色用撮像素子10GのG画素11bg,11bg,…(図(A)参照)に対して、赤色用撮像素子10RのR画素11br,11br,…(図(B)参照)及び青色用撮像素子10BのB画素11bb,11bb,…(図(C)参照)が画素ピッチの1/2に相当する量だけ水平及び垂直方向に、即ち、行及び列方向にずれている。そして、このように配置された赤色用、緑色用及び青色用撮像素子10R,10G,10Bそれぞれの画素11b,11b,…を重ねると、図(D)に示すように、1つ1つの画素11bが見かけ上、4つの領域に分割される。これら4つの領域それぞれでは、R画素11brとG画素11bgとB画素11bbとの組合せが異なっている。例えば、G画素11bgの分割された4つの領域では、それぞれ異なる位置のR画素11br及びB画素11bbが重ねられている。こうして、見かけ上の解像度を向上させることができる。
このように構成された赤色用、緑色用及び青色用撮像ユニット1R,1G,1Bの動作について説明する。
赤色用撮像ユニット1Rには、前述の如く、第1プリズム291の入射面291aを介して色分解プリズム209に入射した入射光のうち第1ダイクロイック膜294で反射した光、即ち、赤色の光が入射する。緑色用撮像ユニット1Gには、該入射光のうち第1ダイクロイック膜294を透過して第2ダイクロイック膜295で反射した光、即ち、緑色の光が入射する。青色用撮像ユニット1Bには、該入射光のうち第1及び第2ダイクロイック膜294,295を透過した光、即ち、青色の光が入射する。
赤色用、緑色用及び青色用撮像ユニット1R,1G,1Bのそれぞれにおいて、被写体からの光が入射すると、該光は、カバーガラス33を透過し撮像素子10R,10G,10Bそれぞれに入射する。該光は、マイクロレンズ16,16,…により集光された後、カラーフィルタ15r,15r,…(15g,15g,…又は15b,15b,…)に入射し、各カラーフィルタ15r,15r,…(15g,15g,…又は15b,15b,…)に応じた色の光だけが該カラーフィルタ15r,15r,…(15g,15g,…又は15b,15b,…)を透過して、受光部11b,11b,…に到達する。すなわち、赤色用撮像素子10Rにおいては赤色の光だけが、緑色用撮像素子10Gにおいては緑色の光だけが、青色用撮像素子10Bにおいては青色の光だけが受光部11b,11b,…に到達する。そして、受光部11bは入射してきた光を吸収して電荷を発生する。発生した電荷は垂直レジスタ12及び転送路13を介して増幅器に送られ、電気信号として出力される。つまり、受光部11b,11b,…からは、各カラーフィルタに対応した色の受光光量が出力として得られる。こうして、撮像素子10R,10G,10Bは、その撮像面全体における受光部11b,11b,…で光電変換を行うことによって、撮像面に形成された被写体像を電気信号に変換する。
このとき、赤色用撮像素子10Rにおいては、基板11aに透過部17,17,…が設けられており、該透過部17,17,…では、赤色用撮像素子10Rに照射された光の一部が赤色用撮像素子10Rを透過する。赤色用撮像素子10Rを透過した光は、赤色用パッケージ31Rの開口31c,31c,…に嵌合されたコンデンサレンズ21a,21a,…へ入射する。各コンデンサレンズ21aを透過することにより集光された光は、マスク部材22に形成された各対のマスク開口22a,22aを通過する際に2つの光束に分割されて各セパレータレンズ23aに入射する。こうして瞳分割された光は、セパレータレンズ23aを透過して、ラインセンサ24a上の2つの位置に同一の被写体像として結像する。ラインセンサ24aは、光電変換により被写体像から電気信号を作成し出力する。
ここで、基板11aの透過率は波長が長いほど高くなる。そのため、本実施形態においては、最も波長の長い光を受光する赤色用撮像素子10Rの基板11aに透過部17,17,…を設けている。こうすることで、光電変換部11に入射してきた光に、該光電変換部11を効率良く透過させることができる。
尚、ダイクロイックプリズム209で満足な分光特性が得られる場合は、各撮像素子に配されるカラーフィルタを無くすことも可能である。
こうして赤色用、緑色用及び青色用撮像ユニット1R,1G,1Bから出力される電気信号、即ち、赤色用、緑色用及び青色用撮像素子10R,10G,10Bからの電気信号は、撮像ユニット制御部52を介してボディマイコン50に入力される。そして、ボディマイコン50は、各受光部11bの位置情報と該受光部11bの受光光量に対応した出力データとを赤色用、緑色用及び青色用撮像素子10R,10G,10Bの撮像面全体から得ることによって、撮像面に形成された被写体像を、電気信号として取得する。
ここで、受光部11b,11b,…では同じ光量の光を受光しても光の波長が異なると蓄積電荷量が異なるため、赤色用、緑色用及び青色用撮像素子10R,10G,10Bからの出力はそれぞれに設けられているカラーフィルタ15r,15g,15bの種類に応じて補正される。例えば、赤色用撮像素子10RのR画素11br、緑色用撮像素子10GのG画素11bg及び青色用撮像素子10BのB画素11bbがそれぞれのカラーフィルタに対応する色の光を同じ光量だけ受光したときに、R画素11br、G画素11bg、B画素11bbからの出力が同じレベルとなるように赤色用、緑色用及び青色用撮像ユニット1R,1G,1Bそれぞれの補正量が設定される。
また、赤色用撮像素子10Rでは基板11aに透過部17,17,…を設けることによって、透過部17,17,…における光電変換効率が、それ以外の部分に比べて低くなる。つまり、同じ光量の光を受光しても、蓄積電荷量は、透過部17,17,…に対応する位置に設けられた画素11b,11b,…の方がそれ以外の部分に設けられた画素11b,11b,…よりも少なくなってしまう。その結果、透過部17,17,…に対応する位置に設けられた画素11b,11b,…から出力された出力データにそれ以外の部分に設けられた画素11b,11b,…から出力された出力データと同様の画像処理を施したのでは、透過部17,17,…に対応する部分の画像が適切に撮影されない(例えば、暗く撮影されてしまう)可能性がある。そこで、透過部17,17,…における各画素11bの出力は、例えば、透過部17からの出力と透過部17以外からの出力とにより表示される画像のホワイトバランス及び/又は輝度が等しくなるように増幅する等して、透過部17,17,…の影響がなくなるように補正(例えば、透過部17,17,…における各画素11bの出力を増幅する等)される。このように赤色用撮像素子10Rからの出力を補正することによって、透過部17,17,…が設けられた赤色用撮像素子10Rであっても、被写体像を適切に撮影することができる。
つまり、赤色用撮像素子10Rの出力には、受光する色による光電変換量の違いをなくす補正と透過部17の影響をなくす補正とが施される。
ボディマイコン50は、このように赤色用、緑色用及び青色用撮像素子10R,10G,10Bから出力を補正した後、該出力に所定の信号処理を施し、画像信号を作成する。このとき、赤色用、緑色用及び青色用撮像素子10R,10G,10Bそれぞれの画素11b,11b,…は光軸に直交する方向に(即ち、光軸に直交する平面内で)互いにずれているため、各画素11bは、R画素11br、G画素11bg及びB画素11bbの組み合わせが異なる複数の領域に分割されることになり、該分割された領域を見かけ上の画素として、該見かけ上の画素ごとにR画素11br、G画素11bg及びB画素11bbの出力データが割り当てられる。その後、見かけ上の画素ごとの出力データに基づいて、各見かけ上の画素における位置情報、色情報及び輝度情報とを含む画像信号を作成する。こうして、撮像素子10の撮像面上に結像された被写体像の画像信号が、実際の赤色用、緑色用及び青色用撮像素子10R,10G,10Bの解像度よりも高解像度で得られる。
一方、ラインセンサユニット24から出力される電気信号も、ボディマイコン50に入力される。そして、ボディマイコン50は、ラインセンサユニット24からの出力に基づいて、ラインセンサ24a上に結像する2つの被写体像の間隔を求め、求めた間隔から、赤色用撮像素子10Rに結像する被写体像の焦点状態を検出することができる。例えば、ラインセンサ24a上に結像する2つの被写体像は、撮像レンズを透過して赤色用撮像素子10Rに結像する被写体像が正確に結像しているとき(合焦)には、所定の基準間隔を開けて所定の基準位置に位置する。それに対し、被写体像が赤色用撮像素子10Rよりも光軸方向手前側に結像しているとき(前ピン)には、2つの被写体像の間隔が合焦時の基準間隔よりも狭くなる。一方、被写体像が赤色用撮像素子10Rよりも光軸方向奥側に結像しているとき(後ピン)には、2つの被写体像の間隔が合焦時の基準間隔よりも広くなる。つまり、ラインセンサ24aからの出カを増幅した後、演算回路にて演算することによって、合焦か非合焦か、前ピンか後ピンか、Df量はどの位かを知ることができる。
ここで、赤色用、緑色用及び青色用撮像素子10R,10G,10Bは被写体からの光路長がそれぞれ等しくなるように配設されているため、赤色用撮像素子10Rに対する焦点状態は緑色用及び青色用撮像素子10G,10Bに対する焦点状態と等しくなる。つまり、赤色用撮像素子10Rについて被写体の焦点を合わせれば、緑色用及び青色用撮像素子10G,10Bについての焦点も合うことになる。
このように構成されたカメラ200は、前記実施形態1に係るカメラ100と同様に、赤色用撮像ユニット1Rに入射する光のうち赤色用撮像素子10Rを透過する光を用いて位相差検出に基づいたAF(前記位相差検出方式AFやハイブリッド方式AF)を行うことができる。尚、本実施形態においては、AFと並行して行われる測光(例えば、位相差検出方式AFのステップSa9)は、緑色用撮像素子10Gを用いて行われる。
したがって、本実施形態によれば、赤色用撮像素子10Rを光が通過するように構成し且つ該赤色用撮像素子10Rを通過した光を受光して位相差検出を行う位相差検出ユニット20を設けることによって、赤色用、緑色用及び青色用撮像素子10R,10G,10Bを用いた種々の処理と位相差検出ユニット20を用いたオートフォーカス(前記位相差検出方式AFやハイブリッド方式AF)とを並行して行うことができ、処理時間を短縮することができる。そして、このときのオートフォーカスが被写体像の位相差を用いたものであるため、デフォーカス方向及びデフォーカス量を迅速に検出することができ、焦点を迅速に合わせることができる。
ここで、基板11aの透過率は波長が長いほど高いため、赤色用撮像素子10Rの基板11aに透過部17,17,…を設けることによって、入射してきた光に基板11aを効率良く透過させて、位相差検出ユニット20に入射させることができる。その結果、位相差検出ユニット20に十分な光を入射させて、位相差検出を精度良く行うことができる。あるいは、位相差検出ユニット20で位相差検出を行うのに最低限の光を赤色用、緑色用又は青色用撮像素子10R,10G,10Bの背面側に透過させるにあたって、透過部17,17,…を赤色用撮像素子10Rに設ける方が緑色用又は青色用撮像素子10G,10Bに設けるよりも、透過部17における基板11aの厚さを可及的に厚くすることができる。つまり、基板11aの厚さを薄くし過ぎると、光電変換部11で電荷に変換される光量が減少するが、基板11aの厚さを可及的に厚くすることによって、光電変換部11において変換される電荷量を増加させることができる。その結果、赤色用撮像素子10Rにおいて電荷に変換される光量を確保しつつ、位相差検出ユニット20にも十分な光量の光を入射させることができる。
尚、空間画素ずらしに関し、赤色用、緑色用及び青色用撮像素子10R,10G,10Bの画素11b,11b,…をずらす態様は前記構成に限られるものではない。各画素11b,11b,…を空間的にずらすことで見かけの解像度が向上する配置であれば、任意の配置を採用することができる。例えば、図28に示すように、緑色用撮像素子10GのG画素11bg,11bg,…に対して、赤色用撮像素子10RのR画素11br,11br,…を画素ピッチの1/2に相当する量だけ水平及び垂直方向の一方にずらし、青色用撮像素子10BのB画素11bb,11bb,…を画素ピッチの1/2に相当する量だけ水平及び垂直方向の他方にずらすように構成してもよい。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、複数の撮像ユニットを備える構成としては、前述のような、Lab変換を行う構成や、RGBの3色の色信号を取得する構成に限られるものではない。例えば、複数(3個に限られるものではない)の撮像ユニットを備え、各撮像ユニットにベイヤー型のカラーフィルタが設けられ、それぞれの撮像ユニットがRGBの3色に関する出力データを出力するものであってもよい。かかる構成においては、複数の撮像ユニットを互いの画素が空間的にずれるように配置した(即ち、前述の空間画素ずらしを採用した)構成であってもよい。その場合、何れの撮像ユニットに位相差検出ユニットを設けてもよい。
そして、ベイヤー型の原色フィルタが設けられた撮像ユニットのように複数の色の受光光量を出力する撮像ユニットの場合、光が通過する撮像素子の構成としては、前述の如く、透過部17,17,…を設ける構成に限られるものではない。光が撮像素子を通過(前述の如く、透過も含む)する構成であれば、任意の構成を採用することができる。例えば、図29に示すように、基板311aに複数の貫通孔318a,318a,…が形成された通過部318を有する撮像素子310であってもよい。
貫通孔318a,318a,…は、基板311aを厚さ方向に貫通して形成されている。詳しくは、基板311a上の行列状の画素領域において、2行2列に隣接する4つの画素領域を1単位としたときに、そのうちの3つの画素領域に受光部11b,11b,11bが配設され、残りの1つの画素領域に貫通孔318aが形成されている。
そして、該4つの画素領域中の受光部11b,11b,11bが配設された3つの画素領域には、3つの受光部11b,11b,11bそれぞれに対応する3色のカラーフィルタ15r,15g,15bが配設されている。詳しくは、貫通孔318aに対して対角位置に位置する受光部11bには緑のカラーフィルタ15gが配設され、貫通孔318aと隣接する一方の受光部11bには赤のカラーフィルタ15rが配設され、貫通孔318aと隣接する他方の受光部11bには青のカラーフィルタ15bが配設されている。そして、貫通孔318aに対応する画素領域には、カラーフィルタが設けられていない。
この撮像素子310においては、貫通孔318aに対応する画素を、該貫通孔318aに隣接する受光部11b,11b,…の出力を用いて補間する。具体的には、貫通孔318aと画素領域の対角方向に隣接する、緑のカラーフィルタ15gが設けられた4つの受光部11b,11b,…の出力の平均値を用いて貫通孔318aに対応する画素の信号を補間(標準補間)する。または、貫通孔318aと画素領域の対角方向に隣接する、緑のカラーフィルタ15gが設けられた4つの受光部11b,11b,…において別々の対角方向に隣接する2組の受光部11b,11b,…の出力の変化を比較し、変化の大きい方の組の対角方向に隣接する受光部11b,11bの出力の平均値、若しくは変化の小さい方の組の対角方向に隣接する受光部11b,11bの出力の平均値を用いて貫通孔318aに対応する画素の信号を補間(傾斜補間)する。補間したい画素が合焦被写体のエッジである場合、変化の大きい方の受光部11b,11bを用いると、エッジをだらしてしまい好ましくない結果となる。したがって、所定の閾値以上の変化がある場合は変化の小さい方を用い、所定の閾値未満の場合は変化の大きい方を用いて、できるだけ滑らかな傾斜を採用する。
こうして、貫通孔318aに対応する受光部11bの出力データを補間した後、受光部11b,11b,…のそれぞれの出力データを用いて、各受光部11bに対応する画素の輝度情報及び色情報を求めて、さらには所定の画像処理や合成を行って画像信号を作成する。
こうすることによって、通過部318,318,…における画像が暗く撮影されてしまうことを防止することができる。
このように構成された撮像素子310は、入射してきた光を複数の貫通孔318a,318a,…を介して通過させることができる。
このように、基板311aに、透過部17ではなく、複数の貫通孔318a,318a,…で構成される通過部318を設けることによっても、光が通過する撮像素子310を構成することができる。また、コンデンサレンズ21a、セパレータレンズ23a及びラインセンサ24aの1セットに対して複数の貫通孔318a,318a,…からの光が入射するように構成することによって、コンデンサレンズ21a、セパレータレンズ23a及びラインセンサ24aの1セットの大きさが画素の大きさに限定されないという点で好ましい。すなわち、コンデンサレンズ21a、セパレータレンズ23a及びラインセンサ24aの1セットの大きさは、画素の狭小化による撮像素子310の高画素化を阻害しない点で好ましい。
尚、この通過部318は、位相差検出ユニット20のコンデンサレンズ21aやセパレータレンズ23aに対応する位置だけに設けてもよいし、基板311a全体に設けてもよい。
また、前記実施形態1,2では、複数の撮像ユニットをカメラに搭載した構成について説明しているが、これに限られるものではない。例えば、複数の撮像ユニットはビデオカメラに搭載することもできる。
実施形態1に係る撮像ユニットをビデオカメラの撮影動作の一例を説明すると、電源スイッチ40aをONすると、絞り部とシャッタユニットが開放され、第1色用、第2色用及び輝度用撮像ユニット1a,1b,1Lの第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lにおいて画像の取込みが開始される。そして、ライブビュー表示に最適な測光、WB調整がなされ、ライブビュー画像を画像表示部に映し出す。こうして撮像素子10による撮像と並行して、輝度用撮像ユニット1Lに内蔵された位相差検出ユニット20の出力に基づいて焦点状態を検出し、被写体の動き等に合わせてフォーカスレンズ群を駆動し続ける。こうして、ライブビュー画像の表示と位相差検出方式AFとを継続しながら、RECボタンが押されるのを待機する。RECボタンが操作されると、位相差検出方式AFを繰り返しながら、第1色用、第2色用及び輝度用撮像素子10a,10b,10Lにより取得される画像データを記録していく。こうすることで、常に合焦状態を保つことができると共に、従来のデジタルビデオカメラのようにフォーカスレンズの微小な光軸方向駆動(ウォブリング)を行う必要がなく、電力的に負荷の大きいモータなどのアクチュエータを駆動させる必要がない。
また、撮影者によりレリーズボタン40bが半押しされる(即ち、S1スイッチがONされる)とAFが開始される構成ついて説明したが、レリーズボタン40bは半押しされる前からAFを行ってもよい。また、合焦と判断するとAFを終了する構成について説明したが、合焦判定後もAFを継続するようにしてもよく、合焦判定をせずに継続してAFを行ってもよい。以下に具体例を説明する。図12,13において、ステップSa4でシャッタユニット75が開かれた後、ステップSa6の位相差焦点検出とステップSa7のフォーカスレンズ駆動とを繰り返して行うようにする。これと並行して、ステップSa5の判定、ステップSa9の測光、ステップSa10の像ブレ検出開始、ステップSa11の判定を行う。これにより、撮影者によりレリーズボタン40bが半押しされる前から合焦状態にすることができる。例えば、ライブビュー画像の表示と併用することにより、合焦状態でのライブビュー画像の表示が可能となる。また、位相差検出方式AFを用いれば、ライブビュー画像の表示と位相差検出方式AFとを併用さることができる。このような動作を「常時AFモード」としてカメラに備えるようにしてもよく、「常時AFモード」のON/OFFを切替可能に構成してもよい。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、光電変換を行う撮像素子を備えた撮像装置について有用である。
本発明の実施形態1に係るカメラのブロック図である。 色用撮像ユニットの断面図である。 色用撮像素子の断面図である。 色用撮像素子の平面図である。 輝度用撮像ユニットの断面図である。 輝度用撮像素子の断面図である。 位相検出ユニットの平面図である。 変形例に係る撮像ユニットの斜視図である。 変形例に係る撮像素子の断面図である。 別の変形例に係る撮像ユニットの図2に相当する断面の断面図である。 別の変形例に係る撮像ユニットの図2に相当する断面と直交する断面の断面図である。 位相差検出方式AFによる撮影動作における、レリーズボタンが全押しされるまでの流れを示すフローチャート図である。 位相差検出方式AFを始めとする各撮影動作における、レリーズボタンが全押しされた後の基本的な流れを示すフローチャート図である。 コントラスト検出方式AFによる撮影動作における、レリーズボタンが全押しされるまでの流れを示すフローチャート図である。 ハイブリッド方式AFによる撮影動作における、レリーズボタンが全押しされるまでの流れを示すフローチャート図である。 変形例に係る位相差検出方式AFによる撮影動作における、レリーズボタンが全押しされるまでの流れを示すフローチャート図である。 変形例に係るハイブリッド方式AFによる撮影動作における、レリーズボタンが全押しされるまでの流れを示すフローチャート図である。 連写モードの撮影動作における、レリーズボタンが全押しされるまでの流れを示すフローチャート図である。 連写モードの撮影動作における、レリーズボタンが全押しされた後の流れを示すフローチャート図である。 ローコンモードの撮影動作における、レリーズボタンが全押しされるまでの流れを示すフローチャート図である。 交換レンズの種類によりAF機能を切り替える撮影動作における、レリーズボタンが全押しされるまでの流れを示すフローチャート図である。 本発明の実施形態2に係るカメラのブロック図である。 赤色用撮像ユニットの断面図である。 赤色用撮像素子の断面図である。 緑色用及び青色用撮像ユニットの断面図である。 緑色用及び青色用撮像素子の断面図である。 赤色用、緑色用及び青色用撮像素子の画素の配置を示すイメージ図であって、(A)は緑色用撮像素子の画素を、(B)は赤色用撮像素子の画素を、(C)は青色用撮像素子の画素を、(D)は赤色用、緑色用及び青色用撮像素子の画素を重ね合わせた状態を表す図である。 赤色用、緑色用及び青色用撮像素子の画素の別の配置を示すイメージ図であって、(A)は緑色用撮像素子の画素を、(B)は赤色用撮像素子の画素を、(C)は青色用撮像素子の画素を、(D)は赤色用、緑色用及び青色用撮像素子の画素を重ね合わせた状態を表す図である。 その他の実施形態に係る撮像素子の断面図である。
符号の説明
10a 第1色用撮像素子(撮像素子)
10b 第2色用撮像素子(撮像素子)
10L 輝度用撮像素子(撮像素子)
10R 赤色用撮像素子(撮像素子)
10G 緑色用撮像素子(撮像素子)
10B 青色用撮像素子(撮像素子)
20,420 位相差検出ユニット(位相差検出部)
5,205 ボディ制御部(制御部)
9 分解プリズム(分解部)
100,200 カメラ(撮像装置)
209 色分解プリズム(分解部)
310 撮像素子

Claims (9)

  1. 被写体からの光を複数に分解する分解部と、
    前記分解部によって分解された光をそれぞれ受けて光電変換を行う複数の撮像素子とを備え、
    前記撮像素子のうちの少なくとも1つの撮像素子は、光を通過させるように構成されており、
    該撮像素子を通過した光を受光して位相差検出を行う位相差検出部をさらに備えている撮像装置。
  2. 請求項1に記載の撮像装置において、
    複数の前記撮像素子は、輝度に関する情報を取得するための輝度用撮像素子と色に関する情報を取得するための色用撮像素子とを含み、
    前記輝度用撮像素子は、光を通過させるように構成されており、
    前記位相差検出部は、前記輝度用撮像素子を通過した光を受光するように配設されている撮像装置。
  3. 請求項2に記載の撮像装置において、
    前記輝度用撮像素子の画素数は、前記色用撮像素子の画素数よりも多い撮像装置。
  4. 請求項2又は3に記載の撮像装置において、
    前記色用撮像素子の画素サイズは、前記輝度用撮像素子の画素サイズよりも大きい撮像装置。
  5. 請求項2乃至4の何れか1つに記載の撮像装置において、
    前記輝度用撮像素子及び前記色用撮像素子からの出力に基づいて、Lab変換によって画像信号を作成する制御部をさらに備える撮像装置。
  6. 請求項5に記載の撮像装置において、
    前記色用撮像素子は、第1の色に関する情報を取得するための第1色用撮像素子と第2の色に関する情報を取得するための第2色用撮像素子とを含む撮像装置。
  7. 請求項1に記載の撮像装置において、
    前記分解部は、被写体からの光を色が異なる複数の光に分解するように構成されており、
    複数の前記撮像素子は、それぞれ異なる色に関する情報を取得するように構成されており、
    複数の該撮像素子のうち対応する色の波長が最も長い撮像素子は、光を通過させるように構成されており、
    前記位相差検出部は、該撮像素子を通過した光を受光するように配設されている撮像装置。
  8. 請求項7に記載の撮像装置において、
    複数の前記撮像素子は、赤色に関する情報を取得するための赤色用撮像素子と、緑色に関する情報を取得するための緑色用撮像素子と、青色に関する情報を取得するための青色用撮像素子とを含み、
    前記位相差検出部は、該赤色用撮像素子を通過した光を受光するように配設されている撮像装置。
  9. 請求項1又は8に記載の撮像装置において、
    複数の前記撮像素子は、互いの画素が光軸に交差する平面内でずれた状態で配置されている撮像装置。
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JPWO2018159076A1 (ja) * 2017-03-02 2019-12-19 ソニー株式会社 画像処理装置及び撮像装置

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