JP2009210424A - 車両用物体検出装置及び車両用移動物体判別方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両用物体検出装置は、車両に搭載され、周辺画像を撮像する撮像部1と、車両と画像中の物体との位置関係の変化を、車両の走行方向に対して該車両からみた物体の方向がなす角度変化として捉え、その角度変化を基に物体の位置を算出可能なモーションステレオ方式を用いて、撮像部1からの撮像画像を基に、車両周辺の物体の位置を算出する距離算出部10と、同一物体について異なる車速で距離算出部10が算出した位置の変化に基づいて、該物体が移動物体であるか否かを判別する移動物体判別部6と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明の課題は、撮像対象の移動を判別することである。
(構成)
本実施形態は、本発明を適用した車両用物体検出装置である。
図1は、車両用物体検出装置の構成を示す。図1に示すように、車両用物体検出装置は、撮像部1、周辺交通情報取得部2、処理開始位置算出部3、距離算出部10、車両制御部5及び移動物体判別部6を備える。
移動物体判別部6は、車両周辺の物体が移動物体か否かを判別する。具体的には、移動物体判別部6は、車両制御部5が車速を変化させたときに距離算出部10が取得した距離計算対象物の位置情報を基に、該距離計算対象物が移動物体か否かを判別する。ここで、距離算出部10は、自車両から距離計算対象物までの距離を算出する過程で、該距離計算対象物の位置情報を算出又は特定している。移動物体判別部6は、このように移動物体判別部6が算出又は特定した距離計算対象物の位置を基に、距離計算対象物が移動物体か否かを判別する。また、距離算出部10は、処理開始位置の情報を基に、距離計算対象物の距離の算出処理を開始している。そして、距離算出部10は、そのときに該距離計算対象物の位置を移動物体判別部6に出力している。このようなことから、移動物体判別部6は、処理開始位置算出部3が得た処理開始位置の情報を基に、移動物体の判別処理を開始しているとも言える。
続いてステップS2において、処理開始位置算出部3は、処理開始位置に自車両が接近したか否かを判定する。ここで、交差点等で停止が必要な位置に自車両が近づくほど、撮像部1による物体の検出精度(後述のステップS4の距離の算出精度)は向上する。その一方で、停止が必要な位置にある程度近づいてから、撮像部1による移動物体の検出を開始しようとすると、移動物体の判別処理(後述するステップS8の処理)が遅れてしまう。これにより、交差点手前等で適切な位置に自車両を停止させることができなくなる。このようなことから、撮像部1の撮像画像を基に距離計算対象物までの距離又は距離計算対象物の位置を算出(ある程度の精度をもって算出)できることを観点とし、処理開始位置に自車両が接近したか否かを判定する。具体的には、車両の状態及び車両の周辺環境の少なくとも何れかを基に、処理開始位置に自車両が接近したか否かを判定する。車両の状態とは例えば自車速や加減速状態である。また、車両の周辺環境とは渋滞情報等の周辺道路の交通状態や交差点での運転者の視界の状態である。
続いてステップS4において、モーションステレオ算出部12は、前記ステップS3で得た画像及びオプティカルフローから、自車両から距離計算対象物までの距離を算出する。モーションステレオ算出部12は、モーションステレオの原理により距離計算対象物までの距離を算出する。
θ1=L/W ・・・(1)
θ2=(L−V・t)/W ・・・(2)
θ1−θ2=V・t/W ・・・(3)
L=V・t・θ1/(θ1−θ2) ・・・(4)
W=V・t/(θ1−θ2) ・・・(5)
なお、計算上、自車両の位置については、画像上に表示される自車両の位置を用いたり、画像上には表示されない、自車両の絶対座標位置を用いたりする。
ここで、図5は撮像画像の例を示す。図5に示すように、このステップS5の移動物体の判別処理では、画像300中、その中心に向かう動き速度(矢印Aの方向の速度)を有する物体(他の車両)210を移動物体であると判別する。すなわち、このステップS5の移動物体の判別処理では、静止(停止)物体であれば、その動き速度が画像の中心(消失点、同図に示す点0の位置)から湧き出る方向になる現象を利用し、移動物体を判別している。ここで、同図の画像300中で、左側に位置する他の車両220のように、手前側に向かう動き速度(矢印Bの方向の速度)を有する物体を考える。この場合、他の車両220が動く方向は、同図に示す静止物体(例えば道路脇の壁200)が動く方向(自車両との相対的な動き、矢印Cの方向)と同じになる。よって、静止物体の動きが画像300の中心(消失点)から湧き出る方向になることに着目して移動物体を判別する処理では、他の車両220を静止物体であると判別し、移動物体を認識することができない。このように移動物体を認識できないと、該移動物体を静止物体として扱い、その距離を算出し、算出した距離が車速制御等で採用されることになる。
続いてステップS8において、前記ステップS5の処理内容とは異なる移動物体の判別処理を行う。具体的には、モーションステレオ算出部12は、先ず前記ステップS4と同様にして、前記ステップS7で得た画像及びオプティカルフローを基に、モーションステレオの原理により自車両から距離計算対象物までの距離L,Wを算出する。そして、移動物体判別部6は、ここで得た該距離計算対象物の位置と、前記ステップS4で同距離計算対象物について得た位置と比較する。ここで、距離計算対象物までの距離L,Wの算出過程で距離計算対象物の位置を算出又は特定している。そして、移動物体判別部6は、これらの位置(例えば座標位置)が異なる場合には、該距離計算対象物を移動物体と判別する。
ここでは、前記ステップS6〜ステップS8の処理による作用を説明する。図9を用いて説明する。
自車両100がある一定の速度V1で走行している場合を考える。この場合において、モーションステレオの原理を用いて、位置bを移動している物体(移動車両)250までの距離を算出する。そうすると、図9に示すように、その物体250を位置aに停止しているものとして扱ってしまう。すなわち、モーションステレオの原理だけでは、物体250が位置aで停止しているものなのか、物体250がその実際の走行位置bで移動しているものなのかを判別することまではできない。
先ず、下記(6)式及び(7)式により、自車両と物体との関係の変化を示すθ3,θ4を算出する。
θ3=(L−V2・t−Vm・t)/W ・・・(6)
θ4=L・V1・t/(Vm・t+V1・t)/(V1・t/(Vm・t+V1・t)・W−V2・t)) ・・・(7)
ここで、図9に示すように、Vmは、物体250の縦方向の移動速度である。また、Lは、物体250との縦方向距離であり、Wは、物体250との横方向距離である。また、V1は、最初の自車速(減速前の速度)であり、V2は、減速後の自車速である。また、同図に、前記(6)式及び(7)式により得られる角度θ3,θ4を示している。
周辺交通情報取得部2が得た交通情報から、周辺道路(例えば交差道路)の規制速度を取得する。一方、前記ステップS8の処理で移動物体と判別した物体の速度を算出する。例えば、自車速等の自車両の状態や撮像画像内での自車両と該物体との幾何学的位置関係等を基に、該物体の移動速度を算出する。そして、その算出した移動速度と規制速度とに差異がない場合、先に移動物体と判別したその結果を確定する。例えば、移動速度が規制速度に対して算出した移動速度が所定の範囲内にある場合、判別結果を確定する。
なお、この実施形態では、撮像部1は、車両に搭載され、周辺画像を撮像する撮像手段を実現している。また、距離算出部10は、車両と画像中の物体との位置関係の変化を、車両の走行方向に対して該車両からみた前記物体の方向がなす角度変化として捉え、その角度変化を基に物体の位置を算出可能なモーションステレオ方式を用いて、前記撮像手段からの撮像画像を基に、前記車両の周辺の物体の位置を算出する位置算出手段を実現している。また、移動物体判別部6は、同一物体について異なる車速で前記位置算出手段が算出した車両の周辺の物体の位置の変化に基づいて、該物体が移動物体であるか否かを判別する移動物体判別手段を実現している。
本実施形態の効果は次のようになる。
(1)撮像部1からの撮像画像を基に、モーションステレオ方式を用いて、車両周辺の距離計算対象物の位置を得ている。そして、このとき、同一距離計算対象物について異なる車速で算出した位置の変化に基づいて、該距離計算対象物が移動物体であるか否かを判別している。これにより、モーションステレオ方式を用いるだけで、車両周辺の距離計算対象物の位置を基に、その距離計算対象物が移動物体であるか否かを判別できる。すなわち、モーションステレオ方式を採用して距離を取得するシステムであれば、移動物体を判別するための手段を別途設けることなく、移動物体を判別できるようになる。
(3)車両を減速制御して、異なる車速を実現している。これにより、移動物体の判別処理タイミングを制御することができ、最適なタイミングで移動物体の判別処理ができる。また、本実施形態の装置は、車両減速時に移動物体の判別処理を行うので、交差点手前で減速しつつ移動物体の判別が必要なシステムに好適となる。
(5)車速V2に減速してから一定時間経過後、移動物体の判別処理を開始している。これにより、高い精度で移動物体を判別できる。
(7)車両の周辺道路の規制速度に基づいて、移動物体の判別処理をしている。すなわち、距離計算対象物の位置の変化を基に移動物体を判別する他に、車両の周辺道路の規制速度を基に移動物体を判別している。これにより、高い精度で移動物体を判別できる。
Claims (8)
- 車両に搭載され、周辺画像を撮像する撮像手段と、
車両と画像中の物体との位置関係の変化を、車両の走行方向に対して該車両からみた前記物体の方向がなす角度変化として捉え、その角度変化を基に物体の位置を算出可能なモーションステレオ方式を用いて、前記撮像手段からの撮像画像を基に、前記車両の周辺の物体の位置を算出する位置算出手段と、
同一物体について異なる車速で前記位置算出手段が算出した車両の周辺の物体の位置の変化に基づいて、該物体が移動物体であるか否かを判別する移動物体判別手段と、
を備えることを特徴とする車両用物体検出装置。 - 前記移動物体判別手段は、同一物体について異なる車速で前記位置算出手段が算出した各位置が異なる場合、該物体を移動物体と判別することを特徴とする請求項1に記載の車両用物体検出装置。
- 車両を減速制御して、前記異なる車速を実現する車速制御手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用物体検出装置。
- 前記異なる車速は、所定の速度差を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用物体検出装置。
- 異なる車速に変化してから一定時間経過後、前記位置算出手段が位置を算出することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用物体検出装置。
- 前記移動物体判別手段は、前記車両の状態及び車両の周辺環境のうちの少なくとも何れかに基づいて、移動物体の判別処理を開始することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用物体検出装置。
- 前記移動物体判別手段は、車両の周辺道路の規制速度に基づいて、物体が移動物体であるか否かを判別することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用物体検出装置。
- 車両と画像中の物体との位置関係の変化を、車両の走行方向に対して該車両からみた前記物体の方向がなす角度変化として捉え、その角度変化を基に物体の位置を算出可能なモーションステレオ方式を利用して、同一物体について異なる車速で車載の撮像手段で得た撮像画像を基に、車両の周辺の物体の位置の変化を取得し、その位置の変化を基に、該物体が移動物体であるか否かを判別することを特徴とする車両用移動物体判別方法。
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