JP2009209432A - 化学気相成長用原料及びこれを用いた酸化アルミニウム系薄膜の製造方法 - Google Patents

化学気相成長用原料及びこれを用いた酸化アルミニウム系薄膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価なハロゲン化アルミニウムを酸化アルミニウム系薄膜のプレカーサとして用いた化学気相成長用原料及び該原料を用いた酸化アルミニウム系薄膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】化学気相成長用原料として、下記一般式(1)で表されるハロゲン化アルミニウム化合物及び下記一般式(2)で表されるシアノ基を有する有機化合物からなる化学気相成長用原料を用いる。
Figure 2009209432

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を表し、nは1又は2を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、化学気相成長(以下CVDと記載することもある)用原料及び化学気相成長法による薄膜の製造方法に関し、詳しくは、酸化アルミニウム系薄膜を製造するために用いられるハロゲン化アルミニウム化合物及び特定のシアノ基を有する有機化合物からなる化学気相成長(CVD)用原料及びこれを用いた酸化アルミニウム系薄膜の製造方法に関する。
アルミニウム元素を含む薄膜材料は、特異的な電気特性及び光学特性を示し、種々の用途に応用されている。例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金薄膜は、高い導電性、エレクトロマイグレーション耐性からLSIの配線材料として使用されており、酸化アルミニウム系薄膜は、機械部品や工具等のハードコーティング膜;半導体メモリの絶縁膜、ゲート絶縁膜、誘電体膜;ハードディスク用MRヘッド等の電子部品;光通信用回路等の光学ガラスとして使用されている。
上記の薄膜の製造方法としては、スパッタリング法、イオンプレーティング法、塗布熱分解法やゾルゲル法等のMOD法、CVD法等が挙げられるが、組成制御性、段差被覆性に優れること、量産化に適すること、ハイブリッド集積が可能である等多くの長所を有しているので、ALD(Atomic Layer Deposition)法を含むCVD法が最適な製造プロセスである。
安価な塩化アルミニウムを酸化アルミニウム系薄膜のプレカーサとしたCVD法としては、切削工具等の硬度及び強度を向上させるコーティング層への使用が多数報告されており、例えば、特許文献1には、酸化性ガスとして、二酸化炭素、塩酸又は硫化水素を用いたCVD法による酸化アルミニウム膜の製造方法が開示されている。
また、シアノ基を有する有機化合物のCVD用原料の溶媒としての使用は、例えば、特許文献2、特許文献3に開示されている。特許文献2には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ又はタンタルのハロゲン化物をR−(CN)n(Rは炭素数2〜8の炭化水素、nは1又は2)で表されるシアノ基を有する有機化合物に溶解させたCVD用原料を用いた窒化金属及び/又は炭化金属薄膜の製造方法が開示されている。また、特許文献3には、ハロゲン含有前駆体と金属含有前駆体を用いて金属ハライド層を形成し、これを還元剤に暴露して金属層を形成するADL法による金属薄膜の製造方法が開示されており、ハロゲン含有前駆体として、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウムのアルミニウムハライドが開示されており、ハロゲン含有前駆体の溶媒として、ニトリル化合物(例えば、CH3CN)が開示されている。
特許文献1に記載されている塩化アルミニウムを用いたプロセスは、固体を原料として使用するものであり、薄膜堆積部位への原料供給性やパーティクル発生の面で問題があり、成膜温度も高いため半導体素子用途に適した電気的特性、ステップカバレッジ、膜質等が高度に制御された微細な薄膜形成を与えるものではない。
特許文献2に記載されているシアノ基を有する有機化合物は、4族又は5族元素の窒化物及び/又は炭化物を形成する場合に使用されるものであり、アルミニウム系薄膜を与えるものではなく、金属酸化物系薄膜を与えるものでもない。また、特許文献3においては、ハロゲン含有前駆体は、金属ハライド層を形成させるものであり、最終的には、金属ハライド層を還元させることで金属層を与えるものである。また、特許文献3には、アルミニウムハライドとニトリル化合物との組み合わせについて具体的な記載はなく、効果の記載もない。
特開2002−192404号公報(特に、[0003]、[0035]) 特開2003−64475号公報(特に、請求項1、[0024]、[0025]) 特開2004−156141号公報(特に、請求項5、[0028]、[0032])
本発明が解決しようとする課題は、安価なハロゲン化アルミニウムを酸化アルミニウム系薄膜のプレカーサとして用いたCVD用原料及び該原料を用いた酸化アルミニウム系薄膜の製造方法を提供することにあり、特に半導体素子用の酸化アルミニウム系薄膜の製造に適するCVD法を提供することにある。
本発明者等は、検討を重ねた結果、特定のシアノ基を有する有機化合物を溶媒としたハロゲン化アルミニウムを原料に用いることで上記課題を解決し得ることを知見し、本発明に到達した。
本発明は、基体上に酸化アルミニウム系薄膜を化学気相成長法により形成する原料であって、下記一般式(1)で表されるハロゲン化アルミニウム化合物及び下記一般式(2)で表されるシアノ基を有する有機化合物からなる化学気相成長用原料を提供するものである。
Figure 2009209432
(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を表し、nは1又は2を表す。)
また、本発明は、上記の化学気相成長用原料を用いた化学気相成長法による酸化アルミニウム系薄膜の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、安価なハロゲン化アルミニウムを酸化アルミニウム系薄膜のプレカーサとして用いた保存安定性と熱安定性に優れる溶液からなるCVD用原料を提供することができる。また、該CVD用原料を使用したCVD法により、半導体素子用の酸化アルミニウム系薄膜の製造に適するCVD法を実現できた。
本発明の化学気相成長用原料及び該原料を用いた酸化アルミニウム系薄膜の製造方法について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する
先ず、本発明の化学気相成長用原料について説明する。
本発明の化学気相成長用原料は、基体上に酸化アルミニウム系薄膜を化学気相成長法により形成する原料であって、上記一般式(1)で表されるハロゲン化アルミニウム化合物及び上記一般式(2)で表されるシアノ基を有する有機化合物からなるものであり、保存安定性と熱安定性に優れるという特徴を有する。
本発明に係る上記一般式(1)で表されるハロゲン化アルミニウムは、CVD法により製造される酸化アルミニウム系薄膜のアルミニウム分を供給するプレカーサである。上記一般式(1)において、Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素が安価であり、シアノ基を有する有機化合物に対して充分な溶解性を示すので好ましい。
本発明に係る上記一般式(2)で表されるシアノ基を有する有機化合物は、上記のハロゲン化アルミニウムを任意の濃度で安定に溶解せしめる溶媒として用いられるものである。該化合物においてRで表される炭素数1〜10の炭化水素基としては、例えば、nが1の場合は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、デシル等のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル等のシクロアルキル基;フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、ビフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル等のアリール基;ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基が挙げられ、nが2の場合は、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、4−メチルブチレン、2,4−ジメチルブチレン、1,3−ジメチルブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン、デシレン、エタン−1,1−ジイル、プロパン−2,2−ジイル等のアルキレン基、シクロプロパン−1,1−ジイル、シクロプロパン−1,2−ジイル、シクロブタン−1,1−ジイル、シクロブタン−1,2−ジイル、シクロブタン−1,3−ジイル、シクロペンタン−1,1−ジイル、シクロペンタン−1,2−ジイル、シクロペンタン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,1−ジイル、シクロヘキサン−1,2−ジイル、シクロヘキサン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,4−ジイル等のシクロアルカンジイル基、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン、ナフチレン等のアリーレン基が挙げられる。
上記のシアノ基を有する有機化合物としては、安定な溶液状態を保持できることが好ましい。安定な溶液状態を保持するには、ハロゲン化アルミニウムの溶解性が大きいこと、CVD法における原料の輸送に適する程度の沸点(100℃以上)を有することがより好ましい。このような観点から、シアノ基を有する有機化合物としては、上記一般式(2)において、nが1であり、Rが、炭素数2〜6のアルキル基又はフェニル基から選ばれる化合物が好ましく、安全衛生の観点から、Rが、炭素数2〜6のアルキル基である化合物がより好ましく、入手が容易で安価であるので、Rが、ブチル基である化合物がさらに好ましい。
本発明の化学気相成長用原料において、ハロゲン化アルミニウムとシアノ基を有する有機化合物との混合比は、特に制限を受けず、安定した溶液を与える範囲から任意に選択できるが、原料の輸送量、膜製造時の成膜速度の面で、ハロゲン化アルミニウムの濃度として、本発明の化学気相成長用原料中、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。上限については、化学気相成長用原料の流動性が悪くなり、ハロゲン化アルミニウムの析出等のトラブルが発生しやすくなる場合があるので、25℃での飽和濃度の90%である。
本発明の化学気相成長用原料は、これを構成する成分以外の不純物金属元素分、不純物塩素等の不純物ハロゲン、不純物有機分を極力含まないようにする。不純物金属元素分は元素毎では100ppb以下が好ましく、10ppb以下がより好ましい。総量では1ppm以下が好ましく、100ppb以下がより好ましい。不純物有機分は総量で500ppm以下が好ましく、50ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましい。また、水分はCVD用原料中のパーティクルやCVD法によるパーティクル発生の原因となるので、ハロゲン化アルミニウム及びシアノ基を有する有機化合物それぞれの水分の低減のために混合の際には予めできる限り水分を取り除いたほうがよい。水分量は10ppm以下が好ましく、1ppm以下がより好ましい。
また、本発明の薄膜形成用原料は、製造される薄膜のパーティクル汚染を低減又は防止するために、溶液での光散乱式液中粒子検出器によるパーティクル測定において、0.3μmより大きい粒子の数が100個以下であることが好ましく、0.2μmより大きい粒子の数が液相1ml中に1000個以下であることがより好ましく、0.2μmより大きい粒子の数が液相1ml中に1000個以下であることが好ましく、100個以下であることが更に好ましい。
次に、本発明の酸化アルミニウム系薄膜の製造方法について説明する。
本発明の酸化アルミニウム系薄膜の製造方法は、上記で説明した化学気相成長用原料を用いた化学気相成長(CVD)法によるものである。酸化アルミニウム系薄膜とは、アルミニウムと酸素の結合ユニットを含有する薄膜のことであり、組成や結晶構造等により限定されるものではない。
上記の酸化アルミニウム系薄膜としては、酸化アルミニウムや、酸化アルミニウムと他の元素の酸化物との複合酸化物が挙げられる。複合酸化物に含有される他の元素の酸化物を構成する元素としては、リチウム、硼素、ナトリウム、マグネシウム、珪素、リン、イオウ、カリウム、カルシウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、アンチモン、バリウム、ランタン、ハフニウム、タンタル、タングステン、イリジウム、鉛、ビスマス、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム等が挙げられ、これらは1種類又は2種類以上含有される。具体的な複合酸化物としては、アルミニウムとチタニウムとの複合酸化物、アルミニウムとジルコニウムとの複合酸化物、アルミニウムとハフニウムとの複合酸化物、アルミニウムとケイ素との複合酸化物、アルミニウムと4族元素とケイ素との複合酸化物が挙げられる。
薄膜にアルミニウム以外の元素を導入するプレカーサとしては、特に制限を受けず、周知一般のCVD用原料となる化合物を用いることができる。例えば、アルコール化合物、グリコール化合物、β−ジケトン化合物及びシクロペンタジエン化合物等の有機配位子として用いられる化合物からなる群から選択される一種類又は二種類以上と、上記元素との化合物や、アルキル化物、アリル化物、ハロゲン化物が挙げられる。これらのアルミニウム以外の元素を導入するプレカーサの供給方法は、本発明の化学気相成長用原料に混合してもよく、別系列の供給系による方法を用いてもよい。これらのアルミニウム以外の元素を導入するプレカーサを、本発明の化学気相成長用原料に混合する場合、プレカーサとしての上記化合物の使用量は、本発明に係るハロゲン化アルミニウム化合物1molに対して、好ましくは0.1〜10molの範囲である。
本発明における化学気相成長(CVD)法とは、気化させたプレカーサからなる原料ガスと必要に応じて用いられる酸化性ガス(酸化剤)とを基板上に導入し、次いで、原料ガスを基板上で分解及び/又は反応させて薄膜を基板上に成長、堆積させる方法をいう。本発明の薄膜の製造方法は、原料の供給方法、堆積方法、製造条件、製造装置等については、特に制限を受けるものではなく、周知一般の条件、方法を用いることができる。
上記の必要に応じて用いられる酸化性ガス(酸化剤)としては、例えば、酸素、オゾン、二酸化窒素、一酸化窒素、水蒸気、過酸化水素、二酸化炭素、塩酸、硫化水素等が挙げられる。これらはそれぞれ1種類又は2種類以上混合で用いられる。これらの中では、酸素及び/又はオゾンがCVD装置及び被膜基体の汚染やダメージが少ないので好ましい。
本発明の化学気相成長法においては、原料を溶液の状態で気化室まで輸送し、気化室で加熱及び/又は減圧することにより気化させて、堆積反応部へと導入する液体輸送法を用いることが好ましい。
また、上記の堆積方法としては、原料ガス又は原料ガスと酸化性ガスを熱のみにより反応させ薄膜を堆積させる熱CVD、熱とプラズマを使用するプラズマCVD、熱と光を使用する光CVD、熱、光及びプラズマを使用する光プラズマCVD、CVDの堆積反応を素過程に分け、分子レベルで段階的に堆積を行うALD(Atomic Layer Deposition)が挙げられる。
本発明の酸化アルミニウム系薄膜の製造方法において、好ましい方法は、ALDである。ALDは、堆積部への原料と酸化性ガスの供給を交互に行い、これを1サイクルとして酸化アルミニウム系薄膜の分子層を段階的に堆積させていく方法である。また各サイクルにおいて、原料ガス又は酸化性ガスを供給後に不活性ガスによるパージ及び/又は減圧による排気を行い未反応の原料ガス及び/又は酸化性ガスを除去する工程を任意に導入してもよい。ALDは、他のCVD法と比較して膜厚が薄く均一で良好な薄膜を得られる特徴がある。また、その成膜機構から薄膜堆積温度を低く抑えることが可能であり、基体の耐熱性、基体への元素拡散性等に左右されず広い応用が可能である。また、ALDは、熱、光、プラズマと併用することも可能である。
上記の製造条件としては、反応温度(基板温度)、反応圧力、堆積速度等が挙げられる。反応温度については、ハロゲン化アルミニウムと酸化性ガスが充分に反応する温度である300℃以上が好ましく、400℃〜800℃がより好ましい。また、反応圧力は、熱CVD又は光CVDの場合、大気圧〜0.1Paが好ましく、プラズマを使用する場合は、1000〜10Paが好ましく、ALDの場合は、1000〜1Paが好ましい。また、堆積速度は、原料の供給条件(供給速度、気化温度、気化圧力)、反応温度、反応圧力によりコントロールすることが出来る。堆積速度は、大きいと得られる薄膜の特性が悪化する場合があり、小さいと生産性に問題を生じる場合があるので、0.05〜1000nm/分が好ましく、0.1〜1000nm/分がより好ましい。ALDの場合は、所望の膜厚が得られるようにサイクルの回数でコントロールされる。尚、本発明の化学気相成長用原料により形成される薄膜の厚みは、用途により適宜選択されるが、好ましくは0.1〜1000nmから選択する。
また、本発明の薄膜の製造方法においては、薄膜堆積の後に、より良好な電気特性を得るためにアニール処理を行ってもよく、段差埋め込みが必要な場合には、リフロー工程を設けてもよい。この場合の温度は300〜1200℃であり、400〜1000℃が好ましい。
本発明の化学気相成長用原料を用いた本発明の酸化アルミニウム系薄膜の製造方法は、例えば、ハードディスク用MRヘッド;半導体用絶縁膜、同ゲート絶縁膜、同キャパシタ膜、バリア膜等の機能性薄膜;光ファイバ、光導波路、光増幅器、光スイッチ等の光学ガラスを製造する際に有用である。
以下、実施例、評価例及び比較例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例等によって、何ら制限を受けるものではない。
[実施例1]
表1に記載のシアノ基を有する有機化合物を水素化カルシウムで乾燥した後、水素化カルシウムを除去し、五酸化リンを添加しアルゴン気流下で、前留分10質量%、釜残分10質量%をカットし、蒸留精製を行った。これを用いて、アルゴン気流下でハロゲン化アルミニウムを溶解させ、表1に記載の濃度のCVD用原料No.1〜3を調製した。
Figure 2009209432
[比較例1]
テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルをそれぞれ金属ナトリウムで乾燥した後、アルゴン気流下で、前留分10質量%、釜残分10質量%をカットし、蒸留精製を行った。この溶媒を用いて、三塩化アルミニウムを溶解させ、それぞれ20質量%の比較用溶液1(テトラヒドロフラン溶液)、比較用溶液2(ジエチルエーテル溶液)を調製した。
[評価例]
上記の実施例及び比較例でそれぞれ調製したCVD用原料及び比較用溶液を密閉し、100℃で1時間保存して溶液の状態の変化を観察した。また、30℃〜600℃、昇温10℃/分、乾燥アルゴン気流下100ml/分、サンプル量10〜20mgの条件下でのTG測定を行い、300℃における揮発残渣分を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2009209432
上記の評価例より、シアノ基を有する有機化合物を溶媒とした本発明のCVD用原料であるNo.1〜3は、同様の三塩化アルミニウム濃度を与えるテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル溶媒を使用した比較用溶液1及び2と比べ保存安定性及び熱安定性が良好であることが確認できた。
[実施例2]酸化アルミニウム薄膜の製造
上記実施例1で調製したCVD用原料No.2を用い、以下の条件、工程でシリコンウエハ上に酸化アルミニウム薄膜を製造した。得られた薄膜について、蛍光X線による膜厚測定、薄膜組成の確認を行ったところ、膜厚は15nmであり、膜組成は酸化アルミニウムであった。
(条件)
反応温度(基板温度);700℃、酸化性ガス;オゾン
(工程)
下記(1)〜(4)からなる一連の工程を1サイクルとして、150サイクル繰り返し、最後に850℃で3分間アニール処理を行った。
(1)気化室温度:100℃、気化室圧力90Paの条件で気化させたCVD用原料の蒸気を導入し、系圧90 Paで2秒間堆積させる。
(2)3秒間のアルゴンパージにより、未反応原料を除去する。
(3)酸化性ガスを導入し、系圧力90Paで2秒間反応させる。
(4)2秒間のアルゴンパージにより、未反応原料を除去する。
図1は、本発明の薄膜の製造方法に用いられるCVD装置の一例を示す概略図である。

Claims (6)

  1. 基体上に酸化アルミニウム系薄膜を化学気相成長法により形成する原料であって、下記一般式(1)で表されるハロゲン化アルミニウム化合物及び下記一般式(2)で表されるシアノ基を有する有機化合物からなる化学気相成長用原料。
    Figure 2009209432
    (式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を表し、nは1又は2を表す。)
  2. 上記一般式(1)において、Xが塩素原子である請求項1に記載の化学気相成長用原料。
  3. 上記一般式(2)において、Rが炭素数2〜6のアルキル基又はフェニル基から選ばれる請求項1又は2に記載の化学成長用原料。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の化学気相成長用原料を用いた化学気相成長法による酸化アルミニウム系薄膜の製造方法。
  5. 酸化剤として、酸素及び/又はオゾンを用いる請求項4に記載の酸化アルミニウム系薄膜の製造方法。
  6. 上記酸化アルミニウム系薄膜が、酸化アルミニウム薄膜である請求項4又は5に記載の酸化アルミニウム系薄膜の製造方法。
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