JP2009209326A - 香料組成物 - Google Patents

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    • C11B9/0034Essential oils; Perfumes compounds containing an alicyclic ring not condensed with another ring the ring containing six carbon atoms

Abstract

【課題】従来知られていない特徴的で新鮮な木や花や草葉のニュアンスを持ち、さまざまな香料と調和して調合香料をより洗練された香りに変えることができるフルーティー香料素材としての香料組成物を提供する。
【解決手段】一般式(I)で表される化合物を含有する香料組成物である。
Figure 2009209326

(R1とR2は互いに独立して炭素数1〜4の炭化水素基を表す。また、R3は炭素数2〜4の炭化水素基を表す)
【選択図】なし

Description

本発明は、調合香料原料として有用なエステル化合物を含有する香料組成物に関する。
特許文献1には4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸エステルが従来から香料分野で利用されていることが記載されているが、その匂いについては記載されていない。また、特許文献2によれば、シクロヘキサンカルボン酸エステルの4位に加え1位もアルキル置換されたカルボン酸エステルとして、1,4−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸エステルが有用な香料素材であることが知られており、その香気はフレッシュなハーバル香をグリーン及びフローラルな香調と共にもつと記載されている。
また、非特許文献1には、4−アルキル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチル類が、非特許文献2には4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチルが記載されているが、いずれもその匂いについては記載されていない。
特開平8−104666号公報 特開平10-245584号公報 カナディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー 第74巻2487−2502頁(1996年) Izvestiya Akademii Nauk SSSR, Seriya Khimicheskaya第4号841−847頁(1979年)(ケミカルアブストラクト第91巻70749番)
本発明の課題は、従来知られていない特徴的で新鮮な木や花や草葉のニュアンスを持ち、さまざまな香料と調和して調合香料をより洗練された香りに変えることができるフルーティー香料素材としての香料組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく1位と4位に炭化水素基を有する種々のシクロヘキサンカルボン酸エステルの香気について検討した結果、シクロヘキサン環の4位に炭素数2〜4の炭化水素基を有し、1位に炭素数1〜4の炭化水素基を有するシクロヘキサンカルボン酸エステル類が、特徴的な木や花や草葉のニュアンスを持つフルーティー香気を有し、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で表される化合物を含有する香料組成物に関する。
Figure 2009209326
(式中、R1とR2は互いに独立して炭素数1〜4の炭化水素基を表す。また、R3は炭素数2〜4の炭化水素基を表す。)
本発明によれば、トイレタリー用品等への賦香成分として有用な、上記一般式(1)であらわされる脂環式エステルを含有することで、洗練された香調が賦与された香料組成物を提供することができる。
[本発明の脂環式エステル]
本発明の香料組成物は、下記一般式(I)で表される脂環式エステル(本明細書において、「本発明の脂環式エステル」ということがある)を含有する。
Figure 2009209326
一般式(I)において、R1は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。R1で表わされる炭化水素基としては、具体的には、それぞれ炭素数1〜4の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基が好ましく挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などののアルキル基、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−メチルビニル基等のアルケニル基、エチニル基、2−プロピニル基等のアルキニル基が挙げられる。
1としては香調の観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基がさらに好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(I)において、R2は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。R2で表わされる炭化水素基としては、具体的には、それぞれ炭素数1〜4の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基が好ましく挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−メチルビニル基等のアルケニル基、エチニル基、2−プロピニル基等のアルキニル基が挙げられる。
2としては香調の観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、アリル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、アリル基がさらに好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(I)において、R3は炭素数2〜4の炭化水素基を表す。R3で表わされる炭化水素基としては、具体的には、それぞれ炭素数2〜4の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基が好ましく挙げられ、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−メチルビニル基等のアルケニル基、エチニル基、2−プロピニル基等のアルキニル基が挙げられる。
3としては香調の観点から、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アリル基、1−メチルビニル基が好ましく、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、1−メチルビニル基がより好ましく、イソプロピル基が特に好ましい。
本発明の香料組成物に含まれる一般式(I)で表される化合物は、1位のCOOR1基と4位の炭化水素基がシクロヘキサン環に対して立体的に同じ側にあるシス形を有するシス体と、反対側にあるトランス形を有するトランス体の混合物である場合がある。本発明によれば、甘さを含むフルーティー感がより強いトランス体の含有率が高いほど調合香料中での効果が高いため、これらの含有割合は、質量比で、シス体:トランス体=99:1〜0:100であることが好ましく、98:2〜0:100がより好ましい。更に、シス体とトランス体の含有率は、工業的に有利な収率を達成しやすいという観点からは98:2〜60:40であることが好ましく、98:2〜90:10であることがより好ましい。このようなシス体、トランス体の存在及びその含有量は、例えばNMR及び/あるいはガスクロマトグラフィーにより測定することができる。
[脂環式エステルの製造方法]
本発明の脂環式エステルは、例えばカナディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー 第74巻2487−2502頁(1996年)記載の方法を用いて、下記反応式(A)によって製造することができる。
Figure 2009209326
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
本発明の脂環式エステルはまた、下記反応式(B)に従ってアルデヒドを酸化剤で酸化してカルボン酸とした後に、R1OHでエステル化することによって製造することもできる。
Figure 2009209326
さらに、本発明の脂環式エステルは、R2がメチル基でR3がイソプロピル基の場合にはIzvestiya Akademii Nauk SSSR, Seriya Khimicheskaya第4号841−847頁(1979年)記載の方法に従って製造することもできる。
なお、上記式(A)及び(B)の各々において、R1、R2及びRは3いずれも前記一般式(1)におけるものと同義である。
本発明の脂環式エステルは、特徴的で新鮮な木や花や草葉のニュアンスを持つフルーティー香気を有しかつ持続性にも優れることから、単独で又は他の成分と組み合わせて、石鹸、シャンプー、リンス、洗剤、化粧品、スプレー製品、芳香剤、香水、入浴剤等の賦香成分として使用できる。
[香料組成物]
本発明の香料組成物は、一般式(I)で表される脂環式エステルを含有するものであり、通常用いられる他の香料成分や、所望組成の調合香料に、一般式(I)で表される脂環式エステルを単独でまたは2種以上を組み合わせて配合して得られるものである。
その配合量は、調合香料の種類、目的とする香気の種類及び香気の強さ等により適宜選択することができるが、調合香料組成物中に0.01〜100質量%含有することが好ましく、0.1〜90質量%含有することがより好ましく、0.1〜50質量%含有することが更に好ましい。
本発明の香料組成物において、脂環式エステルと組み合わせて用いることができる香料成分としては、炭化水素類、アルコール類、フェノール類、エステル類、カーボネート類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、エーテル類、ニトリル類、カルボン酸類、ラクトン類、天然精油や天然抽出物等を挙げることができる。
炭化水素類としては、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、テルピネン、セドレン、ロンギフォレン、バレンセン等が挙げられる。
アルコール類としては、リナロール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、テルピネオール、ジヒドロミルセノール、エチルリナロール、ファルネソール、ネロリドール、シス−3−ヘキセノール、セドロール、メントール、ボルネオール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、フェニルエチルジメチルカルビノール、フェニルヘキサノール、2,2,6−トリメチルシクロヘキシル−3−ヘキサノール、アンバーコア(花王株式会社商品名)等が挙げられる。
フェノール類としては、グアヤコール、オイゲノール、イソオイゲノール、チモール、パラクレゾール、バニリン等が挙げられる。
エステル類としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、ノネン酸エステル、安息香酸エステル、桂皮酸エステル、サリチル酸エステル、ブラシル酸エステル、チグリン酸エステル、ジャスモン酸エステル、グリシド酸エステル、アントラニル酸エステル等が挙げられる。
ギ酸エステルとしては、リナリルホルメート、シトロネリルホルメート、ゲラニルホルメート等、酢酸エステルとしては、ヘキシルアセテート、シス−3−ヘキセニルアセテート、リナリルアセテート、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ネリルアセテート、テルピニルアセテート、ノピルアセテート、ボルニルアセテート、イソボルニルアセテート、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、ベンジルアセテート、フェニルエチルアセテート、スチラリルアセテート、シンナミルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、3−ペンチルテトラヒドロピラン−4−イルアセテート等、パラクレジルフェニルアセテート、プロピオン酸エステルとしては、シトロネリルプロピオネート、トリシクロデセニルプロピオネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、エチル2−シクロヘキシルプロピオネート、ベンジルプロピオネート等、酪酸エステルとしては、シトロネリルブチレート、エチル2−メチルブチレート、ジメチルベンジルカルビニルブチレート、トリシクロデセニルイソブチレート等が挙げられる。
また、ノネン酸エステルとしては、メチル2−ノネノエート、エチル2−ノネノエート、エチル3−ノネノエート等、安息香酸エステルとしては、メチルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、3,6−ジメチルベンゾエート等、メチルシンナメート、桂皮酸エステルとしては、ベンジルシンナメート等、サリチル酸エステルとしては、メチルサリシレート、n−ヘキシルサリシレート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、シクロヘキシルサリシレート、ベンジルサリシレート等が挙げられる。
さらに、ブラシル酸エステルとしては、エチレンブラシレート等、チグリン酸エステルとしては、ゲラニルチグレート、1−ヘキシルチグレート、シス−3−ヘキセニルチグレート等、ジャスモン酸エステルとしては、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート等、グリシド酸エステルとしては、メチル2,4−ジヒドロキシ−エチルメチルフェニルグリシデート、4−メチルフェニルエチルグリシデート等、アントラニル酸エステルとしては、メチルアントラニレート、エチルアントラニレート、ジメチルアントラニレート等が挙げられる。
カーボネート類としては、ジャスマシクラット(花王株式会社商品名)、フロラマット(花王株式会社商品名)等が挙げられる。
その他のエステルとしては、ペラナット(花王株式会社商品名)、フルテート(花王株式会社商品名)、メルサット(花王株式会社商品名)、ポワレネート(花王株式会社商品名)等が挙げられる。
アルデヒド類としては、n−オクタナール、n−ノナナール、n−デカナ−ル、n−ドデカナ−ル、2−メチルウンデカナール、10−ウンデセナール、シトロネラール、シトラール、ヒドロキシシトロネラール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド、リラール(IFF社、商品名)、2−シクロヘキシルプロパナール、p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、p−イソプロピル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、p−エチル−α,α−ジメチルヒドロシンナミックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、α−メチル−3,4−メチレンジオキシヒドロシンナミックアルデヒド、ポレナールII(花王株式会社商品名)等が挙げられる。
ケトン類としては、α−イオノン、β−イオノン、γ−イオノン、α−メチルイオノン、β−メチルイオノン、γ−メチルイオノン、ダマセノン、メチルヘプテノン、4−メチレン−3,5,6,6−テトラメチル−2−ヘプタノン、アミルシクロペンタノン、ジヒドロジャスモン、ローズケトン、カルボン、メントン、樟脳、アセチルセドレン、イソロンギフォラノン、ヌートカトン、ベンジルアセトン、アニシルアセトン、メチルβ−ナフチルケトン、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン、マルトール、ムスコン、シベトン、シクロペンタデカノン等が挙げられる。
アセタール類としては、アセトアルデヒドエチルフェニルプロピルアセタール、シトラールジエチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドグリセリンアセタール、エチルアセトアセテートエチレングリコールアセタール、ボアザンブレンフォルテ(花王株式会社商品名)等が挙げられる。
エーテル類としては、セドリルメチルエーテル、アネトール、β−ナフチルメチルエーテル、β−ナフチルエチルエーテル、リモネンオキサイド、ローズオキサイド、ネロールオキサイド、1,8−シネオール、ローズフラン、アンブロキサン(花王株式会社商品名)、ハーバベール(花王株式会社商品名)等が挙げられる。
ニトリル類としては、ゲラニルニトリル、シトロネリルニトリル、ドデカンニトリル等が挙げられる。
カルボン酸類としては、安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、ヒドロ桂皮酸、酪酸、2−ヘキセン酸等が挙げられる。
ラクトン類としては、γ−デカラクトン、δ−デカラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−ヘキサラクトン、γ−ジャスモラクトン、ウイスキーラクトン、クマリン、シクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノリド、アンブレットリド、11−オキサヘキサデカノリド、ブチリデンフタリド等が挙げられる。
天然精油や天然抽出物としては、オレンジ、レモン、ライム、ベルガモット、バニラ、マンダリン、ペパーミント、スペアミント、ラベンダー、カモミル、ローズマリー、ユーカリ、セージ、バジル、ローズ、ロックローズ、ゼラニウム、ジャスミン、イランイラン、アニス、クローブ、ジンジャー、ナツメグ、カルダモン、セダー、ヒノキ、ベチバー、パチュリ、レモングラス、ラブダナム等が挙げられる。
実施例1
フラスコに4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルバルデヒド10gとtert−ブタノール200mLと2−メチル−2−ブテン100mLを入れ、攪拌しながら0℃で亜塩素酸ナトリウム13gとリン酸二水素ナトリウム11gを80mLの水に溶解した溶液を加えた。室温で40分攪拌後、tert−ブタノールを一部留去し、少量の硫酸を加えてからエーテルで抽出した溶液を濃縮、シリカゲルカラムで精製して4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸11gを得た。
還流装置を付けたフラスコに、4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸5gとエタノール60mLと硫酸1.5mLを入れ、34時間還流した。エタノールを留去してから水酸化ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した溶液を濃縮、シリカゲルカラムで精製して4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチル3g[シス:トランス(質量比)=92:8]を得た。これを、さらにシリカゲルカラムあるいはガスクロマトグラフで分離して、シス−4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチルとトランス−4−イソプロピルー1−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチルを得た。
得られたシス−あるいはトランス−4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチルの構造及び含有割合は、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)及びガスクロマトグラフィーにより同定及び測定した。核磁気共鳴スペクトルは、溶媒としてクロロホルム−dを用いて、Varian社製のMercury 400により測定した。
シス−4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチル
1H-NMR(CDCl3, 400MHz, δppm) : 0.83(d, J=6.4Hz, 6H), 0.96-1.11(m, 5H), 1.12 (s, 3H), 1.17(s, 3H), 1.25(t, J=6.8Hz, 3H), 1.35-1.39(m, 1H), 1.60(br d, J=8.0Hz, 2H), 2.21(br d, J=14.0Hz, 2H), 4.13(q, J=6.8Hz, 2H)
13C-NMR(CDCl3, 100MHz, δppm) : 14.7(CH3), 20.3(CH3), 27.6(CH2), 28.8(CH3), 33.1(CH), 36.5(CH2), 43.8(C), 43.8(CH), 60.4(CH2), 177.4(C)
匂い:軽いフルーティ、木様、緑の草葉様
トランス−4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチル
1H-NMR(CDCl3, 400MHz, δppm) : 0.87(d, J=6.8Hz, 6H), 0.97-1.06(m, 1H), 1.12-1.20(m, 2H), 1.17(s, 3H), 1.24(t, J=6.8Hz, 3H), 1.40-1.48(m, 1H), 1.54-1.60(m, 2H), 1.64-1.68(m, 4H), 4.11(q, J=6.8Hz, 2H)
13C-NMR(CDCl3, 100MHz, δppm) : 14.7(CH3), 20.3(CH3), 20.6(CH3), 25.1(CH2), 32.7(CH), 34.2(CH2), 42.1(C), 43.8(CH), 60.5(CH2), 179.1(C)
匂い:甘さを含む強いフルーティ、木様、緑の草葉様
実施例2
還流装置を付けたフラスコに、実施例1の前半部で得た4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸4gとメタノール50mLと硫酸1mLを入れ、29時間還流した。メタノールを留去してから塩化メチレンと重曹を加えた後に、濾過、乾燥、濃縮を行い、シリカゲルカラムで精製して4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸メチル3g(シス:トランス=97:3)を得た。
4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸メチル(シス:トランス=97:3の混合物)
1H-NMR(CDCl3, 400MHz, δppm, 混合物からの主な検出シグナル) : 0.83(d, J=6.8Hz), 0.87(d, J=6.8Hz), 0.96-1.11(m), 1.13 (s), 1.18(s), 1.21-1.48(m), 1.59-1.65(m), 2.20(br, d), 3.67(s)
13C-NMR(CDCl3, 100MHz, δppm, 混合物からの主な検出シグナル) : 20.0, 27.3, 28.4, 32.8, 36.2, 43.5, 43.7, 51.6, 117.6
匂い:新鮮で花様のフルーティ、緑の草葉様
実施例3
実施例1で得られた4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチル[シス:トランス(質量比)=92:8]を用いて、表1に示すように配合し香料組成物を調製した。なお、表1における各成分の配合量は質量部を表わす(以下同じ)。
比較例1
実施例3において、実施例1で得られた4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチル[シス:トランス(質量比)=92:8]40質量部に代えてジプロピレングリコール40質量部を用いた以外は、実施例3と同様にして香料組成物を調製した。
Figure 2009209326
比較例1に示したフルーティー調の香料組成物に対し、実施例1で得られた4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチル[シス:トランス(質量比)=92:8]を配合した実施例3では、洋ナシ様のジューシーな甘さが強調され、果肉感をも想起させる優れた香気を有する調合香組成物が得られた。
実施例4
実施例2で得られた4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸メチル[シス:トランス(質量比)=97:3]を用いて、表2に示すように配合し香料組成物を調製した。
比較例2
実施例4において、実施例2で得られた4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸メチル[シス:トランス(質量比)=97:3]30質量部に代えてジプロピレングリコール30質量部を用いた以外は、実施例4と同様にして香料組成物を調製した。
Figure 2009209326
比較例2に示したシトラス・グリーン調の香料組成物に対し、実施例2で得られた4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキサンカルボン酸メチル[シス:トランス(質量比)=97:3]を配合した実施例4では、フレッシュでみずみずしいシトラス香気が増強され、ユズ果実の香りを想起させる優れたシトラス・グリーン調の調合香料組成物が得られた。
本発明の香料組成物は、本発明の脂環式エステルを含有することで、洗練された香調が賦与され、石鹸、シャンプー、リンス、洗剤、化粧品、スプレー製品、芳香剤、香水、入浴剤等のトイレタリー用品等への賦香成分として好適に使用される。

Claims (2)

  1. 一般式(I)で表される化合物を含有する香料組成物。
    Figure 2009209326
    (R1とR2は、各々互いに独立して炭素数1〜4の炭化水素基を表す。また、R3は炭素数2〜4の炭化水素基を表す。)
  2. 一般式(I)で表される化合物が、そのCOOR1基とR3基の立体配置がシス形であるシス体とトランス形であるトランス体とを質量比で、シス体:トランス体=99:1〜0:100の割合で含有する、請求項1記載の香料組成物。
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