JP2009208682A - 車両用走行制御装置及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者のステアリング操作の意図と走行制御とを合致させる。
【解決手段】車両用走行制御装置は、操舵角θsを検出し(ステップS1)、検出し操舵角θsを基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定し(ステップS4)、運転者による車両の横位置の変更の意図有りと判定した場合、横位置の制御目標値を変更する(ステップS5)。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両を走行車線内に走行させる車両用走行制御装置及びその方法に関する。
従来技術では、運転者が走行車線の側方やカーブ路の内側を走行する場合に運転者の意に反して走行制御される場合があった。例えば、カーブ内側を走行しようとしても、走行制御が車両を車線中央方向に戻してしまう場合があった。これに対して、特許文献1に開示の技術は、運転者が要求する要求走行軌跡を基に、走行車線を基に決定した目標走行軌跡を補正している。この技術では、ステアリング角とステアトルクの変化量が小さいとき、現在の横位置を積算・平均化し、目標位置をオフセットしている。
特開2000−198458号公報
ところで、特許文献1に開示の技術では、前述のように、目標位置をオフセットする構成になっている。これでは、カーブ路等において運転者が制御に反してステアリングを切り続けているようなシーンで、運転者のステアリング操作の意図する走行状態になっているとは言い難い。この場合、走行制御が運転者に違和感を与えてしまう。
そこで、本発明の課題は、運転者のステアリング操作の意図と走行制御とを合致させることである。
前記課題を解決するために、本発明は、運転者の操舵操作状態を検出し、その検出した運転者の操舵操作状態を基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定して、運転者による車両の横位置の変更の意図有りと判定した場合、走行車線に対する車両の横位置を制御するための制御目標値を前記運転者の操舵操作状態に基づいて変更する。
本発明によれば、運転者の操舵操作状態から該運転者による車両の横位置の変更の意図があると判定した場合、運転者の操舵操作状態を基に、横位置の制御目標値を変更する。この結果、運転者のステアリング操作の意図と走行制御とを合致させることを実現できる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
(構成)
本実施形態は、本発明を適用した車両用走行制御装置である。例えば、車両において、車両用走行制御装置は、走行車線内での車両の走行支援を行う走行支援装置を構成している。図1は、車両用走行制御装置を搭載した車両1の構成を示す。車両1はいわゆるステアバイワイヤシステムを搭載している。
図1に示すように、車両1は、車体1Aと、ステアリングホイール2と、入力側ステアリング軸3と、ハンドル角度センサ4と、操舵トルクセンサ5と、操舵アクチュエータ6と、操舵アクチュエータ角度センサ7と、転舵アクチュエータ8と、転舵アクチュエータ角度センサ9と、出力側ステアリング軸10と、転舵トルクセンサ11と、ピニオンギア12と、ピニオン角度センサ13と、ラックギア14と、タイロッド15と、タイロッド軸力センサ16と、車輪17FL〜17RRと、ブレーキディスク18と、ホイールシリンダ19と、圧力制御ユニット20と、車両状態パラメータ取得部21と、外界認識部22と、方向指示スイッチ23と、車輪速センサ24FL〜24RRと、車線内走行支援コントローラ25と、コントロール/駆動回路ユニット26と、メカニカルバックアップ27と、を備える。
入力側ステアリング軸3と一体に回転するようにステアリングホイール2を構成する。ステアリングホイール2は、運転者による操舵操作(操舵入力)を入力側ステアリング軸3に伝達する。入力側ステアリング軸3は、操舵アクチュエータ6を備える。ステアリングホイール2によって入力された操舵入力に加えて、操舵アクチュエータ6によって入力される操舵反力トルクを入力側ステアリング軸3に付与する。
入力側ステアリング軸3にハンドル角度センサ4を設ける。ハンドル角度センサ4は、入力側ステアリング軸3の回転角度を検出する。ここで、入力側ステアリング軸3の回転角度とは、運転者によるステアリングホイール2への操舵入力角度である。ハンドル角度センサ4は、検出した入力側ステアリング軸3の回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。入力側ステアリング軸3に操舵トルクセンサ5を設ける。操舵トルクセンサ5は、入力側ステアリング軸3の回転トルクを検出する。ここで、入力側ステアリング軸3の回転トルクとは、ステアリングホイール2への操舵入力トルクである。操舵トルクセンサ5は、検出した入力側ステアリング軸3の回転トルクをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
操舵アクチュエータ6は、モータ軸と一体に回転するギアが入力側ステアリング軸3の一部に形成されたギアに噛合している。操舵アクチュエータ6は、コントロール/駆動回路ユニット26の指示に従って、入力側ステアリング軸3に操舵トルクを付与したり、操舵反力トルクを付与したりする。操舵アクチュエータ角度センサ7は、操舵アクチュエータ6の回転角度(すなわち、操舵アクチュエータ6に伝達された操舵入力による回転角度又は操舵角)θsを検出する。操舵アクチュエータ角度センサ7は、検出した回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
転舵アクチュエータ8は、モータ軸と一体に回転するギアが出力側ステアリング軸10の一部に形成されたギアに噛合している。転舵アクチュエータ8は、コントロール/駆動回路ユニット26の指示に従って、出力側ステアリング軸10を回転させる。転舵アクチュエータ角度センサ9は、転舵アクチュエータ8の回転角度θtを検出する。ここで、転舵アクチュエータ8の回転角度とは、転舵アクチュエータ8が出力した転舵のための回転角度又は実転舵角である。転舵アクチュエータ角度センサ9は、検出した回転角度θtをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
出力側ステアリング軸10は、転舵アクチュエータ8を備える。出力側ステアリング軸10は、転舵アクチュエータ8によって入力された回転をピニオンギア12に伝達する。出力側ステアリング軸10に転舵トルクセンサ11を設ける。転舵トルクセンサ11は、出力側ステアリング軸10の回転トルクを検出する。ここで、出力側ステアリング軸10の回転トルクとは、ラックギア14を介した車輪17FL,17FRの転舵トルクである。 転舵トルクセンサ11は、検出した出力側ステアリング軸10の回転トルクをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
ピニオンギア12は、ラックギア14と噛合している。ピニオンギア12は、出力側ステアリング軸10から入力された回転をラックギア14に伝達する。ピニオン角度センサ13は、ピニオンギア12の回転角度を検出する。ここで、ピニオンギア12の回転角度とは、ラックギア14を介して出力される車輪(操向輪)17FL,17FRの転舵角である。ピニオン角度センサ13は、検出したピニオンギア12の回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。ラックギア14は、ピニオンギア12と噛合する平歯を有する。ラックギア14は、ピニオンギア12の回転を車幅方向の直線運動に変換する。タイロッド15は、ラックギア14の両端部と車輪17FR,17FLのナックルアームとを、ボールジョイントを介してそれぞれ連結している。ラックギア14の両端部に設置されたタイロッド15それぞれにタイロッド軸力センサ16を設ける。タイロッド軸力センサ16は、タイロッド15に作用している軸力を検出する。タイロッド軸力センサ16は、検出したタイロッド15の軸力をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
サスペンションを介して車体1Aに車輪17FL〜17RRを設ける。車輪17FL〜17RRのうち、車体1Aの車両前後方向前側に配置された前輪(車輪17FL,17FR)は、タイロッド15によってナックルアームが揺動されることにより、車体1Aに対する向きが変化する。すなわち、転舵アクチュエータ8がステアリングホイール2と機械的に切り離した状態とされ、コントロール/駆動回路ユニット26の指示に従って出力側ステアリング軸10を回転させることで、前輪17FL,17FRを転舵させる構成となっている。
ブレーキディスク18は、車輪17FL〜17RRと一体に回転する。ホイールシリンダ19の押圧力によってブレーキパッドをブレーキディスク18に押し当てることで、その摩擦力によって制動力を発生する。ホイールシリンダ19は、各車輪17FL〜17RRに設置されたブレーキパッドを、ブレーキディスク18に押し当てる押圧力を発生する。圧力制御ユニット20は、車線内走行支援コントローラ25の指示に従って、各車輪17FL〜17RRに設けたイールシリンダ19の圧力を制御する。
各車輪17FL〜17RRに車輪速センサ24FL〜24RRを設ける。車輪速センサ24FL〜24RRは、各車輪の回転速度を示すパルス信号を、車両状態パラメータ取得部21及び車線内走行支援コントローラ25に出力する。車両状態パラメータ取得部21は、各車輪速センサ24FL〜24RRが出力する各車輪17FL〜17RRの回転速度を示すパルス信号、方向指示スイッチ23の動作信号、及び外界認識部22の出力信号を取得する。
外界認識部22は、走行環境や走行車線に対する車両の走行状態を検出するためのものである。外界認識部22は、カメラ(例えば単眼カメラ)と演算装置とを備える。カメラは、車両周囲の画像を撮影する。演算装置は、カメラの撮影画像を解析し、車両前後方向と走行車線(白線又はセンターライン等)とがなす角(車両のヨー角)φr、車線中心からの横変位X及び走行車線の道路曲率ρを算出する。外界認識部22は、演算装置によって算出したヨー角φr、横変位X及び道路曲率ρを車線内走行支援コントローラ25に出力する。
方向指示スイッチ23は、運転者による方向指示レバーの操作に対応して、右方向あるいは左方向を示唆する方向指示灯を点灯させる。また、方向指示スイッチ23は、方向指示動作が行われていること、及びその指示方向を示す動作信号を車線内走行支援コントローラ25に出力する。
車線内走行支援コントローラ25に、車輪速センサ24FL〜24RRから各車輪17FL〜17RRの回転速度を示すパルス信号を入力する。また、車線内走行支援コントローラ25に、方向指示スイッチ23から方向指示の動作信号が入力する。また、車線内走行支援コントローラ25に、外界認識部22からヨー角φr等を入力する。また、車線内走行支援コントローラ25に、コントロール/駆動回路ユニット26から操舵入力の状態(操舵入力角、操舵入力トルク等)を入力する。そして、車線内走行支援コントローラ25に、転舵出力の状態(転舵角、転舵トルク等)を入力する。
車線内走行支援コントローラ25は、入力された情報を基に、後述する走行制御を実行する。すなわち、車線内走行支援コントローラ25は、車両を走行車線内で走行させるための車両制御に関するパラメータを算出する。つまり、車線内走行支援コントローラ25は、前輪17FL,17FRの転舵角の制御(転舵制御又は横位置制御)に関するパラメータを算出する。さらに、車線内走行支援コントローラ25は、車入力側ステアリング軸3に加える操舵トルクや操舵反力トルクの制御(操舵制御)に関するパラメータを算出する。そして、車線内走行支援コントローラ25は、各車輪17FL〜17RRの制動力の制御(制動力制御)に関するパラメータを算出する。
車線内走行支援コントローラ25は、算出した制動力制御に関するパラメータを圧力制御ユニット20への指示信号として出力する。また、車線内走行支援コントローラ25は、算出した転舵制御及び操作制御に関するパラメータをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
コントロール/駆動回路ユニット26は、自動車1全体を制御するものである。コントロール/駆動回路ユニット26は、各部に設置されたセンサ及び車線内走行支援コントローラ25から入力される信号、つまり走行状況に関する情報を基に、各種制御信号を操舵アクチュエータ6、転舵アクチュエータ8、メカニカルバックアップ27等に出力する。このとき、出力する信号は、前輪17FL,17FRの転舵角、入力側ステアリング軸3の操舵トルク及び操舵反力トルク、並びにメカニカルバックアップ27の連結に関するものになる。また、コントロール/駆動回路ユニット26は、操舵入力の状態及び転舵出力の状態に関する情報を車線内走行支援コントローラ25に出力する。
また、コントロール/駆動回路ユニット26は、車線内走行支援コントローラ25から入力される前記制御信号による操舵トルクや操舵反力トルクを発生させる制御信号も操舵アクチュエータ6に出力する。さらに、コントロール/駆動回路ユニット26は、操舵アクチュエータ角度センサ7によって検出された操舵アクチュエータ6の回転角度に応じて、前輪17FL,17FRの転舵角を制御させる制御信号を転舵アクチュエータ8に出力する。
メカニカルバックアップ27は、入力側ステアリング軸3と出力側ステアリング軸10とを連結し、入力側ステアリング軸3から出力側ステアリング軸10への力の伝達を確保する機構である。メカニカルバックアップ27は、コントロール/駆動回路ユニット26の指示に従って動作する。ここで、メカニカルバックアップ27は、通常時には、コントロール/駆動回路ユニット26から、入力側ステアリング軸3と出力側ステアリング軸10とを連結しない状態が指示されている。そして、ハンドル角度センサ4で検出される操舵入力角及び操舵アクチュエータ角度センサ7の検出結果から算出される操舵入力角度との一致度合いが低く、ハンドル角度センサ4、操舵トルクセンサ5及び転舵アクチュエータ8等を介することなく操舵操作を行う必要が生じた場合に、入力側ステアリング軸3と出力側ステアリング軸10とを連結するよう指示される。また、転舵アクチュエータ角度センサ9で検出した転舵角とピニオン角度センサ13の検出結果から算出される転舵角との一致度合いが低く、ハンドル角度センサ4、操舵トルクセンサ5及び転舵アクチュエータ8等を介することなく操舵操作を行う必要が生じた場合に、入力側ステアリング軸3と出力側ステアリング軸10とを連結するよう指示される。なお、例えばケーブル式ステアリング機構等によってメカニカルバックアップ27を構成する。
図2は、車線内走行支援コントローラ25が実行する制御プログラムの一例のフローチャートを示す。図示しないオペレーティングシステムで一定の時間毎の定時割り込み遂行で処理を実行する。
図2に示すように、処理を開始すると、先ずステップS1に示すように、車線内走行支援コントローラ25は、各装置、センサからの各種データを読み込む。具体的には、車線内走行支援コントローラ25は、転舵アクチュエータ角度センサ9から転舵角(実転舵角)θt、車輪速センサ24FL〜24RRから各車輪速Vwi(i=1〜4)、操舵アクチュエータ角度センサ7から操舵角θsをそれぞれ読み込む。また、車線内走行支援コントローラ25は、方向指示スイッチ23の信号Q、外界認識部22からヨー角φr、横変位X及び道路曲率ρをそれぞれ読み込む。
続いてステップS2において、車線内走行支援コントローラ25は車速Vを算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込んだ車輪速度Vwiに基づいて、下記(1)式により車速Vを算出する。
前輪駆動の場合
V=(Vw3+Vw4)/2
後輪駆動の場合
V=(Vw1+Vw2)/2
・・・(1)
ここで、Vw1,Vw2は左右前輪それぞれの車輪速度であり、Vw3,Vw4は左右後輪それぞれの車輪速度である。この(1)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。
また、このように算出した車速Vは好ましくは通常走行時に用いる。例えば、ABS(Anti-lock Brake System)制御等が作動している場合には、そのABS制御内で推定している推定車体速度を前記車速Vとして用いるようにする。また、ナビゲーション装置14でナビゲーション情報に利用している値を車速Vとして用いても良い。また、AT軸出力を基に、車速Vを算出しても良い。この場合、下記(2)式により車速Vを算出する。
V=(2π・R)・W・(60/1000) ・・・(2)
ここで、Rは、車輪半径とデフギアの比(車輪半径/デフギア)であり、Wは、AT出力軸回転数(rpm)である。
続いてステップS3において、車線内走行支援コントローラ25は、前方注視距離における推定横変位位置までの距離(以下、境界線距離という。)を算出する。具体的には、車線内走行支援コントローラ25は、前記ステップS1で読み込んだヨー角φr、横変位(現在の横変位)X及び道路曲率ρ、並びにステップS2で算出した車速Vを用いて、下記(3)式により、将来の推定横変位Xsを算出する。
Xs=Tt・V・(φr+Tt・V・ρ)+X ・・・(3)
ここで、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間である。そして、前記(3)式で算出した推定横変位Xsを用いて、下記(4)式により、境界線距離(前方注視距離における推定横変位Xs)に到達するまでの時間(以下、境界線到達時間という。)Tkを算出する。
Tk=√(Xz+Xs) /V ・・・(4)
ここで、Xzは、車頭時間Ttに車速Vを乗じて得た前方注視距離である。この境界線到達時間Tkに車速Vを乗じて得た値(Tk・V)は境界線距離である。
続いてステップS4において、車線内走行支援コントローラ25は、車両情報及び道路情報を基に、運転者の意図する横移動量を算出する。具体的には、次のような演算を行う。図3には、以下の各種演算で用いる値を図示している。
先ず、前記ステップS1で読み込んだ道路曲率ρ、前記ステップS2で算出した車速Vを用いて、下記(5)式により、ヨーレイトYrを算出する。
Yr=V・ρ ・・・(5)
この(5)式で示すヨーレイトYrは、道路曲率ρの走行路において、現在の車両の横位置を変化させずに(走行車線内の横位置を一定にして)走行した場合のヨーレイトとなる。そして、前記(5)式で算出したヨーレイトYrをアッカーマン式に適用して、下記(6)式により操舵量θrowを算出する。
θrow=ATAN(Yr・Wb・(1.0+V/Ks)/V) ・・・(6)
ここで、Wbは係数である。この(6)式に示す操舵量θrowは、走行車線内を現在の横位置を維持して走行させるために必要な操舵量である。そして、下記(7)式に示すように、前記ステップS1で読み込んだ現在の操舵量θsから前記(6)式で算出した操舵量θrowを減算して、操舵量θdrvを算出する。
θdrv=θs−θrow ・・・(7)
この(7)式に示す操舵量θdrvは、運転者が横位置を変化させる操舵量となる。すなわち、現在の横位置を維持している場合には(θs=θrow)、操舵量θdrvは零になる。また、運転者が現在の横位置を変化させている場合又は現在の横位置を変化させようとしている場合には、その変化量に応じて操舵量θdrvが変化する。ここで、不感帯を設けて操舵量θdrvを算出しても良い。すなわち、操舵量θdrvが操舵しきい値θth以下の場合(θdrv≦θth)、不感帯の範囲内にあるとして、操舵量θdrvを零に設定する。例えば現在の操舵量θsに応じて操舵しきい値θthを設定する。
このような操舵量θdrvは、運転者による車両の横位置の変更の意図を判定する値となる。すなわち、操舵量θdrvが零、つまり運転者が現在の横位置を維持している場合(θs=θrow)、運転者による車両の横位置の変更の意図がないと判定できる。また、操舵量θdrvがある値を示す場合、具体的には操舵しきい値θthよりも大きい場合、運転者による車両の横位置の変更の意図があると判定できる。
そして、下記(8)式により、転舵量θdrvにより発生するヨーレイトYrdrvを算出する。
Yrdrv=V/(Wb・(1.0+(V/Ks))・tanθdrv
・・・(8)
ここで、Ksは車両諸元で決まる値である。この(8)式により算出したヨーレイトYrdrvは、車両の横位置を現在値から運転者が意図する値に変更するときに必要なヨーレイトになる。そして、このヨーレイトYrdrvが、車頭時間Tdrvの間続くと仮定して、車頭時間後(前方注視距離)の横移動量Xofsetを、下記(9)式により算出する。
Xofset=Tdrv・tan(Yrdrv・Tdrv) ・・・(9)
ここで、車頭時間Tdrvは前記車頭時間Ttでも良い。また、操舵量θrowとの関係では、操舵量θrowと現在の操舵量θsとが等しい場合、すなわち運転者が現在の横位置を維持してようとしている場合には、操舵量θdrvは零になるから、前記(8)式及び(9)式により、横移動量Xofsetは零になる。
続いてステップS5において、車線内走行支援コントローラ25は、目標転舵角θoptを算出する。具体的には、車線内走行支援コントローラ25は、前記ステップS4で算出した横移動量Xofset、並びに前記ステップS1で読み込んだヨー角φr、道路曲率ρ及び転舵角θtを用いて、下記(10)式により、目標転舵角θoptを算出する。
θopt=K・Xofset+K・φr+K・ρ+K・θt ・・・(10)
ここで、Kは、車速Vにより変化する横変位ゲインである。また、Kは、ヨー角φrにより変化するヨー角ゲインである。また、Kは、道路曲率ρにより変化する曲率ゲインである。また、Kは、転舵角θtにより変化する転舵角ゲインである。図4は、車速Vと横変位ゲインKとの関係の一例を示す。図4に示すように、車速Vが増加すると、横変位ゲインKは減少する。また、図5は、ヨー角φrとヨー角ゲインKとの関係の一例を示す。図5に示すように、ヨー角φrが小さい場合には、ヨー角φrの増加とともにヨー角ゲインKは増加し、ヨー角φrがある程度大きくなると、ヨー角φrが増加すると、ヨー角ゲインKは減少する。また、図6は、道路曲率ρと曲率ゲインKとの関係の一例を示す。図6に示すように、道路曲率ρが増加すると、曲率ゲインKは増加する。また、図7は、転舵角θtと転舵角ゲインKとの関係の一例を示す。図7に示すように、転舵角θtが小さい場合には、転舵角θtが増加する過程で、転舵角ゲインKは負値を示し、転舵角ゲインKが減少傾向から増加傾向に転ずる。そして、転舵角θtがさらに大きくなると、転舵角θtが増加するとともに、転舵角ゲインKは正値で増加するようになる。
このようなことから、前記(10)式において、右辺第1項は、横移動量Xofsetに応じた目標転舵角θoptの変化分を示す。また、右辺第2項は、ヨー角φrに応じた目標転舵角θoptの変化分を示す。また、右辺第3項は、道路曲率ρに応じた目標転舵角θoptの変化分を示す。また、右辺第4項は、転舵角θtに応じた目標転舵角θoptの変化分を示す。そして、この(10)式で得た目標転舵角θoptを、タイヤの転舵角に対して加算する。すなわち、現在の横位置を発生させているタイヤの現在の転舵角に、運転者が意図する変更分の目標転舵角θoptを加算する。
なお、操舵量θrowとの関係では、操舵量θrowと現在の操舵量θsとが等しい場合、すなわち運転者が現在の横位置を維持しようとしている場合には、横移動量Xofsetは零になるから、横移動量Xofsetに応じた目標転舵角θoptの変化分K・Xofsetは零になる。すなわち、操舵量θrowと現在の操舵量θsとが等しい場合、操舵量θrow又は横移動量Xofsetが目標転舵角θoptに寄与することはない。
続いてステップS6において、車線内走行支援コントローラ25は、操舵制御開始判定をする。操舵制御とは、ステアリング2に付与するトルク制御である。すなわち、このステップS6では、ステアリング2にトルクの付与開始タイミング(操作開始タイミング)を判定する。具体的には、車線内走行支援コントローラ25は、前記ステップS3で算出した境界線到達時間Tkと操舵判断しきい値TL1とを比較する。操舵判断しきい値TL1は境界線到達時間Tkに対応して設定したしきい値である。ここで、車線内走行支援コントローラ25は、境界線到達時間Tkが操舵判断しきい値TL1以下の場合(|Tk|≦TL1)、操舵制御開始判断フラグFstrをONに設定する(Fstr=ON)。すなわち、操舵判断しきい値TL1に対応する時間内に車両が推定横変位Xs上の位置に到達する場合、操舵制御開始判断フラグFstrをONに設定する。また、車線内走行支援コントローラ25は、境界線到達時間Tkが操舵判断しきい値TL1よりも大きい場合(|Tk|>TL1)、操舵制御開始判断フラグFstrをOFFに設定する(Fstr=OFF)。すなわち、推定横変位Xs上の位置に到達する時間(境界線到達時間Tk)が、車両が操舵判断しきい値TL1に対応する時間を超える場合、操舵制御開始判断フラグFstrをOFFに設定する。
また、車線内走行支援コントローラ25は、同時に変位方向Dstrも判定する。具体的には、車線内走行支援コントローラ25は、横変位Xが車線中央から左方向への横変位の場合、その方向を変位方向Dstrに設定し(Dstr=left)、横変位Xが車線中央から右方向への横変位の場合、その方向を変位方向Dstrに設定する(Dstr=right)。
続くステップS7では、車線内走行支援コントローラ25は、車線逸脱防止制御を開始するための車線逸脱判定をする。車線逸脱防止制御とは、車両が走行車線から逸脱してしまうのを防止するための制御である。このステップS7では、具体的には、車線内走行支援コントローラ25は、逸脱判断しきい値Tと境界線到達時間Tkとを比較する。ここで、車線内走行支援コントローラ25は、逸脱判断しきい値Tが境界線到達時間Tk以下の場合(T≦Tk)、車両が走行車線から逸脱している又は逸脱する可能性が高いとして、逸脱判断フラグFoutをONに設定する(Fout=ON)。また、車線内走行支援コントローラ25は、逸脱判断しきい値Tが境界線到達時間Tkよりも大きい場合(T>Tk)、車両が走行車線から逸脱していない又は逸脱する可能性が低いとして、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定する(Fout=OFF)。
また、車線内走行支援コントローラ25は、同時に逸脱方向Doutも判定する。具体的には、車線内走行支援コントローラ25は、横変位Xが車線中央から左方向への横変位の場合、その方向を逸脱方向Doutに設定し(Dout=left)、横変位Xが車線中央から右方向への横変位の場合、その方向を逸脱方向Doutに設定する(Dout=right)。
続いてステップS8において、車線内走行支援コントローラ25は、運転者の車線変更の意思を判定する。具体的には、前記ステップS1で得た方向スイッチ信号Q、前記ステップS6で得た変位方向Dstr及びステップS7で得た逸脱方向Doutを基に、次のように運転者の車線変更の意思を判定する。
先ず、方向スイッチ信号Qと変位方向Dstrとを基に、前記ステップS6で設定した操舵制御開始判断フラグFstrを再設定する処理を行う。車線内走行支援コントローラ25は、方向スイッチ信号Qが示す方向(ウインカ点灯側)と変位方向Dstrが示す方向とが同じ場合、運転者が意識的に車線変更していると判定する。このとき、車線内走行支援コントローラ25は、操舵制御開始判断フラグFstrをOFFに変更する(Fstr=OFF)。また、車線内走行支援コントローラ25は、方向スイッチ信号Qが示す方向(ウインカ点灯側)と変位方向Dstrが示す方向とが異なる場合、操舵制御開始判断フラグFstrを維持する。このとき、車線内走行支援コントローラ25は、操舵制御開始判断フラグFstrをONのままにする(Fstr=ON)。
また、車線内走行支援コントローラ25は、方向指示スイッチ20が操作されていない場合には、操舵角θsに基づいて運転者の車線変更の意思を判定する。すなわち、車線内走行支援コントローラ25は、運転者が逸脱方向に操舵している場合において、その操舵角θsとその操舵角の変化量(単位時間当たりの変化量)Δθsとの両方が設定値以上のときには、運転者が横変位を許容している意思があると判定する。このとき、車線内走行支援コントローラ25は、操舵制御開始判断フラグFstrをOFFに変更する(Fstr=OFF)。なお、操舵トルクセンサ2から得た操舵トルクTsに基づいて運転者の意思を判定しても良い。このように、操舵制御開始判断フラグFstrがONである場合において運転者が意識的に車線変更していないときには、操舵制御開始判断フラグFstrをONに維持している。
次に、方向スイッチ信号Qと逸脱方向Doutとを基に、前記ステップS6で設定した逸脱判断フラグFoutを再設定する処理を行う。車線内走行支援コントローラ25は、方向スイッチ信号Qが示す方向(ウインカ点灯側)と逸脱方向Doutが示す方向とが同じ場合、運転者が意識的に車線変更していると判定する。このとき、車線内走行支援コントローラ25は、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。また、車線内走行支援コントローラ25は、方向スイッチ信号Qが示す方向(ウインカ点灯側)と逸脱方向Doutが示す方向とが異なる場合、逸脱判断フラグFoutを維持する。このとき、車線内走行支援コントローラ25は、逸脱判断フラグFoutをONのままにする(Fout=ON)。
また、車線内走行支援コントローラ25は、方向指示スイッチ20が操作されていない場合には、操舵角θsに基づいて運転者の車線変更の意思を判定する。すなわち、車線内走行支援コントローラ25は、運転者が逸脱方向に操舵している場合において、その操舵角θsとその操舵角の変化量(単位時間当たりの変化量)Δθsとの両方が設定値以上のときには、運転者が横変位を許容している意思があると判定する。このとき、車線内走行支援コントローラ25は、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。なお、操舵トルクセンサ2から得た操舵トルクTsに基づいて運転者の意思を判定しても良い。このように、逸脱判断フラグFoutがONである場合において運転者が意識的に車線変更していないときには、逸脱判断フラグFoutをONに維持している。
続いてステップS9において、車線内走行支援コントローラ25は、前記ステップS8で最終設定した逸脱判断フラグFoutがONの場合、車線逸脱防止のための警報として、音出力又は表示出力をする。なお、後述するように、逸脱判断フラグFoutがONの場合、車線逸脱防止制御として車両へのヨーモーメント付与を開始するから、この車両へのヨーモーメント付与と同時に該警報出力がされる。しかし、警報の出力タイミングは、これに限定されるものではなく、例えば、車両へのヨーモーメント付与の開始タイミングよりも早くしても良い。
続いてステップS10において、車線内走行支援コントローラ25は、操舵制御のための操舵制御トルクTstrを算出する。具体的には、車線内走行支援コントローラ25は、前記ステップS3で算出した境界線到達時間Tkを用いて、下記(11)式により操舵制御トルクTstrを算出する。
Tstr=Kstr・Kstr/Tk ・・・(11)
ここで、Kstrは車両諸元から決まる比例ゲインである。また、Kstrは車速Vに応じて変動する比例ゲインである。図8は、車速Vと比例ゲインKstrとの関係の一例を示す。図8に示すように、車速Vが増加すると、比例ゲインKstrは減少する。なお、操舵制御開始判断フラグFstr=OFFのときには、操舵制御トルクTstrを零に設定する(Tstr=0)。この(11)式によれば、境界線到達時間Tkが長くなるほど、操舵制御トルクTstrは小さくなる。ステアリングホイール2は、このような操舵制御トルクTstrが付与されて操作される。
また、操舵制御トルクTstrを所定の最大値Tmax及び最小値Tminでリミット処理する。具体的には、操舵制御トルクTstrが所定の最大値Tmaxよりも大きい場合、操舵制御トルクTstrを所定の最大値Tmaxに設定する(Tstr=Tmax)。また、操舵制御トルクTstrが所定の最小値Tmin未満の場合、操舵制御トルクTstrを所定の最小値Tminに設定する(Tstr=Tmin)。或いは、操舵制御トルクTstrの増加割合の最大値を、所定の最大値Tmaxで制限し、操舵制御トルクTstrの減少割合の最大値を、所定の最小値Tminで制限する。
続いてステップS10において、車線内走行支援コントローラ25は、車線逸脱防止制御として、車両に発生させる目標ヨーモーメントMsを算出する。具体的には、車線内走行支援コントローラ25は、前記ステップS3で算出した境界線到達時間Tkを用いて、下記(12)式により目標ヨーモーメントMsを算出する。
Ms=K・K/Tk ・・・(12)
ここで、Kは車両諸元から決まる比例ゲインである。また、Kは車速Vに応じて変動する比例ゲインである。図9は、車速Vと比例ゲインKとの関係の一例を示す。図9に示すように、車速Vが小さい領域では、比例ゲインKは大きい一定の値となり、車速Vが大きくなると、該車速Vが増加するのに対して、比例ゲインKは減少する。また、車速Vがさらに大きくなると、車速Vにかかわらず、比例ゲインKは小さい一定の値となる。なお、操舵制御開始判断フラグFstr=OFFの場合、目標ヨーモーメントMsを零に設定する(Ms=0)。この(12)式によれば、境界線到達時間Tkが長くなるほど、目標ヨーモーメントMsは小さくなる。
また、目標ヨーモーメントMsを最大値Mmax及び最小値Mminでリミット処理する。具体的には、目標ヨーモーメントMsが所定の最大値Mmaxよりも大きい場合、操目標ヨーモーメントMsを所定の最大値Mmaxに設定する(Mstr=Mmax)。また、目標ヨーモーメントMsが所定の最小値Mmin未満の場合、目標ヨーモーメントMsを所定の最小値Mminに設定する(Mstr=Mmin)。或いは、目標ヨーモーメントMsの増加割合の最大値を、所定の最大値Mmaxで制限し、目標ヨーモーメントMsの減少割合の最大値を、所定の最小値Mminで制限する。
続いてステップS12において、車線内走行支援コントローラ25は、操舵制御及び操向輪の転舵制御のために、操舵角及び操舵角制御量等を出力する。具体的には、車線内走行支援コントローラ25は、操舵制御開始判断フラグFstr、前記ステップS10で算出した操舵制御トルクTstr及び前記ステップS5で算出した目標転舵角θoptを基に、コントローラ/駆動回路ユニット26に制御信号を出力する。ここで用いる操舵制御開始判断フラグFstrは、前記ステップS8で最終設定した操舵制御開始判断フラグFstrである。ここで、車線内走行支援コントローラ25は、操舵制御開始判断フラグFstrがOFFの場合、制御信号となる操舵制御トルクTstrを零に設定する。また、このとき、目標転舵角θoptを零にしても良い。
続いてステップS13において、車線内走行支援コントローラ25は、車線逸脱防止制御のために、目標ヨーモーメントを出力する。具体的には、車線内走行支援コントローラ25は、逸脱判断フラグFout及び前記ステップS11で算出した目標ヨーモーメントMsを基に、圧力制御ユニット24に制御信号を出力する。ここで用いる逸脱判断フラグFoutは、前記ステップS8で最終設定した逸脱判断フラグFoutである。ここで、車線内走行支援コントローラ25は、逸脱判断フラグFoutがOFFの場合、圧力制御ユニット24に指令する目標ヨーモーメントを零に設定する。また、車線内走行支援コントローラ25は、逸脱判断フラグFoutがONの場合、前記ステップS11で算出した目標ヨーモーメントMsを指令する。
(動作及び作用)
一連の動作及び作用は次のようになる。
車線内走行支援コントローラ25は、車両の走行中に各種データを読み込むとともに(前記ステップS1)、車速Vを算出する(前記ステップS2)。続いて、車線内走行支援コントローラ25は、境界線到達時間Tkを算出する(前記ステップS3)。続いて、車線内走行支援コントローラ25は、横移動量Xofsetを算出し(前記ステップS4)、その算出した横移動量Xofsetを用いて、目標転舵角θoptを算出する(前記ステップS5)。続いて、車線内走行支援コントローラ25は、先に算出した境界線到達時間Tkを用いて、操舵制御開始判定をする(前記ステップS6)。ここでは、車線内走行支援コントローラ25は、操舵制御開始判断フラグFstr及び変位方向Dstrを設定する。また、車線内走行支援コントローラ25は、境界線到達時間Tkを用いて、車線逸脱判定をする(前記ステップS7)。ここでは、逸脱判断フラグFout及び逸脱方向Doutを設定する。そして、車線内走行支援コントローラ25は、運転者の車線変更の意思を判定し、その判定結果を基に、操舵制御開始判断フラグFstr及び逸脱判断フラグFoutを最終設定する(前記ステップS8)。そして、車線内走行支援コントローラ25は、その設定した逸脱判断フラグFoutを基に、車線逸脱防止のための警報として、音出力又は表示出力をする(前記ステップS9)。
また、車線内走行支援コントローラ25は、境界線到達時間Tkを用いて、操舵制御トルクTstr及び目標ヨーモーメントMsを算出する(前記ステップS10、ステップS11)。そして、車線内走行支援コントローラ25は、その算出した操舵制御トルクTstr及び目標ヨーモーメントMs、並びに目標転舵角θoptを基に、操舵制御、操向輪の転舵制御及び車線逸脱防止制御を行う(前記ステップS12、ステップS13)。すなわち、車線内走行支援コントローラ25は、操舵制御及び操向輪の転舵制御のための制御信号をコントロール/駆動回路ユニット26及び圧力制御ユニット20に出力する。
これにより、コントロール/駆動回路ユニット26では、車線内走行支援コントローラ25の指示に従って、操舵アクチュエータ6により操舵トルクを制御する。具体的には、コントロール/駆動回路ユニット26は、操舵制御開始判断フラグFstrがOFFの場合、操舵トルクを発生させないようにする。すなわち、ステアリングホイール2の操作は行わない。また、コントロール/駆動回路ユニット26は、操舵制御開始判断フラグFstrがONの場合、操舵アクチュエータ6により操舵制御トルクTstrを発生させて、ステアリングホイール2を操作する。
さらに、コントロール/駆動回路ユニット26では、車線内走行支援コントローラ25の指示に従って、転舵アクチュエータ8により転舵トルクを制御する。具体的には、コントロール/駆動回路ユニット26は、操向輪の転舵角に目標転舵角θoptを加算する。これにより、車両は、目標転舵角θoptに応じた横位置、すなわち推定横変位Xsに横移動量Xofsetを加算した値に相当する横位置を通過するように制御される。つまり、現在の操向輪の転舵角に対応する将来の横位置ではなく、ステアリングホイール2の操舵量θsに対応する将来の横位置を通過するように車両が制御される。このように、本実施形態の転舵制御では、ステアリングホイール2の操舵量θsを走行制御の情報として用いている。操向輪の転舵とステアリングホイール2の操舵とが機械的に独立した構造をなすステアバイワイヤシステムだからこそ、このような制御を実現できると言える。
ここで、操舵量θrowと現在の操舵量θsとが等しい場合、すなわち横移動量Xofsetが零の場合を考える。この場合、前記(10)式によれば、横移動量Xofsetに応じた目標転舵角θoptの変化分(K・Xofset)に対応する転舵トルクは発生しない。その一方で、横移動量Xofset以外の値であるヨー角φr等に応じた目標転舵角θoptの変化分に対応する転舵トルク(K・φr等)は発生する。すなわち、横移動量Xofsetが零の場合でも、常にヨー角φr等の横移動量Xofset以外の値に応じた転舵制御がなされる。例えば、転舵制御では、ヨー角φrを零にする制御をする。すなわち、走行車線に対して車両が平行な姿勢になるように制御する。また、操舵制御開始判断フラグFstrがOFFの場合(|Tk|>TL1)、操向輪の転舵制御のみを実施する。
車両用走行制御装置は、以上のような操舵制御及び操向輪の転舵制御により、車線内走行の支援を行うことができる。すなわち、車両用走行制御装置は、境界線到達時間Tkを基に、操向輪の転舵とステアリングホイール2を介した報知動作とを、それぞれ異なる条件で制御することができる。具体的には、通常時には、ステアリングホイール2を介した報知動作を行わず、操向輪の転舵制御のみを行う。このとき、操向輪の転舵制御は、横移動量Xofsetやヨー角φr等に応じた横位置の制御になる(前記(10)式参照)。そして、境界線到達時間Tkがある程度短くなったときに、操向輪の転舵制御に加えて、ステアリングホイール2を操作する、すなわち報知動作を行う。車両用走行制御装置は、この報知動作により、車線内を走行させるための支援情報を運転者に提供することになる。これにより、車両用走行制御装置は、車線内走行を支援しながらも、車両の逸脱リスクを効果的に運転者に伝達することができる。このように、車両用走行制御装置は、操舵操作と支援情報とを整合させることができ、運転者の違和感を防止しつつ、車線内走行を支援することができる。なお、ステアリングホイール2を介した報知動作としては、操舵トルクを変化させる他に、ステアリングホイール2に振動を与える方法を挙げることができる。
また、圧力制御ユニット20では、車線内走行支援コントローラ25の指示に従って、各車輪17FL〜17RRに備えられたホイールシリンダ19の圧力を制御する。具体的には、圧力制御ユニット20は、逸脱判断フラグFoutがOFFの場合、左右輪のホイールシリンダ19に圧力差を発生させないようにして、左右輪に制動力差を発生させないようにする。また、圧力制御ユニット20は、逸脱判断フラグFoutがONの場合、左右輪のホイールシリンダ19に圧力差を発生させて、左右輪に制動力差を発生させる。これにより、車両に目標ヨーモーメントMsを発生させる。
ここで、例えば、逸脱判断しきい値Tを操舵判断しきい値TL1未満に設定する(T<TL1)。これにより、境界線到達時間Tkが短くなっていくと、操向輪の転舵制御に加えて、操舵制御が介入し、次いで、車線逸脱防止制御が介入するようになる。これにより、車両用走行制御装置は、車線内走行を支援しながら、車両が車線逸脱するのを防止できる。
図10は、操向輪の転舵制御の流れを示している。
図10に示すように、車両用走行制御装置は、横位置(横変位X)、ステアリング実舵角(操舵角θs)、曲率(道路曲率ρ)及び車速(車速V)を取得する(前記ステップS1〜ステップS3)。続いて、車両用走行制御装置は、曲率を基にヨーレイト(ヨーレイトYr)を算出し、算出したヨーレイトを基に推定ステアリング舵角(操舵量θrow)を算出する(前記ステップS4、(5)式〜(6)式)。そして、車両用走行制御装置は、推定ステアリング舵角からステアリング実舵角を減算して、差分ヨーレイト(ヨーレイトYrdrv)を算出する(前記ステップS4、(7)式〜(8)式)。続いて、車両用走行制御装置は、差分ヨーレイト、車速及び前方注視距離を基に、ドライバ意図横移動量(横移動量Xofset)を算出する(前記ステップS4、(3)式〜(4)式)。そして、車両用走行制御装置は、ドライバ意図横移動量(ドライバ意図横位置)を現在の横位置に加算し、ドライバ意図横移動量を実現する目標位置の制御を実施する(前記ステップS5、(10)式)。
なお、この実施形態を次のような構成により実現することもできる。
すなわち、この実施形態では、横移動量Xofsetを基に、目標転舵角θoptを算出している(前記(10)式)。すなわち、横移動量Xofsetに対応する位置が直接目標横位置となるように、目標転舵角θoptを算出している。これに対して、演算処理の実施ステップ毎に、前回の横位置の制御目標値に所定量加算していくことで、該制御目標値を、運転者による操舵操作状態を基に推定される将来の車両の横位置に近づけていくこともできる。具体的には、横移動量Xofsetに積分ゲインK(<1)を乗じた値を、前回の目標横位置又は目標転舵角に加算し、目標横位置又は目標転舵角を更新していく。
さらに、操舵量θdrvが不感帯の範囲外にある場合(θdrv>θth)、前回の目標横位置又は目標転舵角に加算し、目標横位置又は目標転舵角を更新し、操舵量θdrvが不感帯の範囲内にある場合(θdrv≦θth)、前回の目標横位置又は目標転舵角の加算を停止、すなわち目標横位置又は目標転舵角の更新を停止することもできる。
また、横位置の制御目標値の変更を制限値により制限して行うこともできる。具体的には、制限値を走行車線の車線区分線上又はその近傍に設定する。例えば、操舵量θrowや横移動量Xofsetを、それら値に応じて設定した制限値で制限して得る。これにより、横移動量Xofsetを基に得た目標横位置が走行車線外に設定されないようにする。
また、運転者の操舵操作による操舵角が不感帯内のものである場合、変更後の制御目標値を変更前の制御目標値に徐々に戻すこともできる。具体的には、現在の操舵量θsが不感帯を規定する操舵しきい値Ts以下の場合、目標横位置を車線中央側に徐々に戻す(更新する)ようにすることもできる。また、現在の操舵量θsが操舵しきい値Ts以下の場合、現在の横位置を目標横位置として保持することもできる。
また、運転者がステアリングホイール2を操作する際の操舵操作トルクや操舵操作速度の少なくとも何れかを基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定することもできる。
また、転舵制御の開始を判断するための転舵判断しきい値TL2を設けることもできる。これにより、境界線到達時間Tkが転舵判断しきい値TL2以下になった場合(|Tk|≦TL2)、転舵制御を開始するようにする。さらに、このように転舵判断しきい値TL2により転舵制御の開始を判断する場合に、該転舵判断しきい値TL2と操舵判断しきい値TL1との関係を所定の関係にすることもできる。例えば、操舵判断しきい値TL1が転舵判断しきい値TL2未満(TL1<TL2)となるように設定する。これにより、境界線到達時間Tkが短くなる過程で、操向輪の転舵制御が先ず介入し、次いで操舵制御が介入するようになる。
また、操舵判断しきい値TL1が転舵判断しきい値TL2以上(TL1≧TL2)となるように設定することもできる。これにより、境界線到達時間Tkが短くなる過程で、操舵が先ず介入し、次いで操向輪の転舵制御が介入するようになる。これにより、車両の逸脱リスクを運転者に先ず伝達し、その後、運転者の意図に応じた横位置になるように走行制御することができる。
また、操舵判断しきい値TL1と転舵判断しきい値TL2とが等しくなるように(TL1=TL2)設定することもできる。これにより、操向輪の転舵制御と操舵制御とを同時に開始できる。
また、運転者が操舵中である場合において、変位方向Dstrと運転者による操舵方向とが同じ場合、操舵判断しきい値TL1を適宜変更することもできる。これにより、運転者への警報効果を向上させることができる。
なお、この実施形態において、コントロール/駆動回路ユニット26及び転舵アクチュエータ8は、走行車線に対する車両の横位置を制御する制御手段を実現している。また、車線内走行支援コントローラ25のステップS1の処理は、運転者の操舵操作状態を検出する操舵操作状態検出手段を実現している。また、車線内走行支援コントローラ25のステップS4の処理は、前記操舵操作状態検出手段が検出した運転者の操舵操作状態を基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定する横位置変更意図判定手段を実現している。また、車線内走行支援コントローラ25のステップS5の処理は、前記横位置変更意図判定手段が運転者による車両の横位置の変更の意図有りと判定した場合、前記制御手段による横位置の制御目標値を前記運転者の操舵操作状態に基づいて変更する変更手段を実現している。
また、この実施形態において、車線内走行支援コントローラ25のステップS4の処理は、前記操舵操作状態検出手段が検出した運転者の操舵操作状態を基に、走行車線に対する車両の将来の横位置であり、運転者の意図する横位置を推定する横位置推定手段を実現している。車線内走行支援コントローラ25のステップS5〜ステップS13の処理は、前記横位置推定手段が推定した横位置を制御目標としつつ、走行車線内での走行を維持するように車両を走行制御する制御手段を実現している。
また、この実施形態では、運転者の操舵操作状態を基に、走行車線に対する車両の将来の横位置であり、運転者の意図する横位置を推定し、その推定した横位置を制御目標としつつ、走行車線内での走行を維持するように車両を走行制御する車両用走行制御方法を実現している。
(効果)
本実施形態の効果は次のようになる。
(1)操舵角θsから得た操舵量θdrvがある値を示す場合、その操舵量θdrvに応じた目標転舵角θoptを操向輪の転舵角に加算している(前記ステップS4、ステップS5)。すなわち、操舵角θsを基に、運転者による車両の横位置の変更の意図有りと判定した場合、走行車線に対する車両の横位置を制御する制御手段の横位置の制御目標値を変更している。これにより、運転者のステアリング操作の意図と走行制御とを合致させることができる。
例えば、特許文献1に開示の技術では、運転者が制御に反して操舵していることを検出した場合に単に制御目標を変更するに過ぎなかった。これに対して、本実施形態では、運転者の操舵操作状態から該運転者の意図する横移動量Xofsetを推定して、その横移動量Xofsetに対応させて横位置の制御目標値を変更している。これにより、運転者のステアリング操作の意思に合致させた横位置になるように、車両を走行させることができる。このように、運転者のステアリング操作の意図と走行制御とを合致させることを実現している。
(2)横移動量Xofsetに応じて、目標転舵角θoptを算出している(前記(10)式)。すなわち、車両状態及び車両の周囲環境の状態の少なくとも何れかを基に得た推定される将来の車両の横位置と、運転者による操舵操作状態を基に推定される将来の車両の横位置とが異なる場合、すなわち横移動量Xofsetが得られる場合、運転者による車両の横位置の変更の意図有りと判定して、横移動量Xofsetに応じて目標転舵角θoptを算出している。このとき算出した目標転舵角θoptを操向輪の転舵角に加算している。このように、車両の横位置に着目して運転者の意図を判定しており、これにより、横位置で走行ラインの判断等した運転者の意図を高い精度で判定できる。
(3)運転者のステアリングホイール2を操作する操舵角、操舵操作トルク及び操舵操作速度の少なくとも何れかを基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定している。操舵角を基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定することで、運転者の意図を横位置制御に反映できる。また、操舵操作トルク及び操舵操作速度を基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定することで、運転者が急な操舵操作をしても、そのときの運転者の意図を横位置の制御に反映できる。
(4)運転者による車両の横位置の変更の意図の有無の判定のために、操舵角θsと対比する操舵量θrowを、走行車線の道路曲率ρを基に算出している(前記(6)式、(7)式)。すなわち、走行車線の道路曲率ρを基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定している。これにより、道路形状の影響を受けることなく、操舵操作状態により運転者の意図を判定できる。
(5)横移動量Xofsetに積分ゲインK(<1)を乗じた値を、前回の目標横位置又は目標転舵角に加算し、目標横位置又は目標転舵角を更新している。これにより、目標横位置又は目標転舵角の更新を円滑に行うことができる。さらに、運転者の不意な操舵操作等が目標横位置又は目標転舵角に影響するのを抑制できる。
(6)操舵量θdrvを不感帯を設けて検出し、その検出した操舵量θdrvを基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定している。これは、ステアリングホイール2そのものの操舵角θsを不感帯を設けて検出し、その検出した操舵角θsを基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定していることと等価である。これにより、運転者の不意な操舵操作等が目標横位置又は目標転舵角に影響するのを抑制できる。
(7)操舵量θdrvが不感帯の範囲外にある場合(θdrv>θth)、前回の目標横位置又は目標転舵角に加算し、目標横位置又は目標転舵角を更新し、操舵量θdrvが不感帯の範囲内にある場合(θdrv≦θth)、前回の目標横位置又は目標転舵角の加算を停止、すなわち目標横位置又は目標転舵角の更新を停止している。これにより、運転者がステアリングホイール2を戻すことで、操舵量θdrvが不感帯の範囲内になる。よって、運転者は、運転者がステアリングホイール2を戻すことで、その時点の目標横位置又は目標転舵角に維持できるようになる。すなわち、運転者は、ステアリングホイール2を戻すだけで、その時点の走行横位置を維持できるようになる。
(8)操舵量θdrvが不感帯の範囲内にある場合、変更した制御目標値を変更前の制御目標値に徐々に戻している。これにより、車両は、運転者の不意な操舵操作等で、走行ラインが車線中央からずれてしまっても、自動的に車線中央に戻るようになる。
(9)横位置の制御目標値の変更を制限値により制限している。これにより、横位置の制御目標値を運転者に違和感を与えるような値に設定してしまうのを防止できる。
(10)走行車線に対する車両の横位置を制御するとともに、走行車線に対する車両のヨー角を制御している(前記(10)式)。これにより、走行車線に対する車両の姿勢も同時に制御できる。
(11)車線逸脱防止制御といった、走行車線内での走行を維持する走行制御を組み込んでいる。これにより、運転者のステアリング操作の意思に合致させた横位置になるようにしながらも、車両が車線逸脱してしまうことを防止できる。
(12)運転者の操舵操作状態を基に、走行車線に対する車両の将来の横位置であり、運転者の意図する横位置を推定し、その推定した横位置を制御目標としつつ、走行車線内での走行を維持するように車両を走行制御している。これにより、走行制御では、操向輪の転舵状態と独立したものとして、運転者による操舵操作状態を走行制御のための情報として取得している。そして、走行制御では、その情報を基に、その運転者の操舵操作が意図する横位置を制御目標としている。このとき、走行制御では、走行車線内での走行を維持するように車両を制御することで、運転者の操舵操作が意図する横位置を制御目標とした場合でも、同時に、車両を車線中央付近で走行さることができたり、車両が車線逸脱してしまうのを防止できる。
本発明の実施形態の車両の構成を示す概略図である。 走行制御の処理手順を示すフローチャートである。 各種演算で用いる値を示す図である。 車速Vと横変位ゲインKとの関係を示す図である。 車速Vとヨー角ゲインKとの関係を示す図である。 車速Vと曲率ゲインKとの関係を示す図である。 車速Vと転舵角ゲインKとの関係を示す図である。 車速Vと比例ゲインKstrとの関係を示す図である。 車速Vと比例ゲインKとの関係を示す図である。 操向輪の転舵制御の流れを示すブロック図である。
符号の説明
1は自動車、1Aは車体、2はステアリングホイール、3は入力側ステアリング軸、4はハンドル角度センサ、5は操舵トルクセンサ、6は操舵反力アクチュエータ、7は操舵反力アクチュエータ角度センサ、8は転舵アクチュエータ、9は転舵アクチュエータ角度センサ、10は出力側ステアリング軸、11は転舵トルクセンサ、12はピニオンギア、13はピニオン角度センサ、14はラックギア、15はタイロッド、16はタイロッド軸力センサ、17FL〜17RRは車輪、18はブレーキディスク、19はホイールシリンダ、20は圧力制御ユニット、21は車両状態パラメータ取得部、22は外界認識部、23は方向指示スイッチ、24FL〜24RRは車輪速センサ、25は車線内走行支援コントローラ、26は駆動回路ユニット、27はメカニカルバックアップ

Claims (13)

  1. 走行車線に対する車両の横位置を制御する制御手段と、
    運転者の操舵操作状態を検出する操舵操作状態検出手段と、
    前記操舵操作状態検出手段が検出した運転者の操舵操作状態を基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定する横位置変更意図判定手段と、
    前記横位置変更意図判定手段が運転者による車両の横位置の変更の意図有りと判定した場合、前記制御手段による横位置の制御目標値を前記運転者の操舵操作状態に基づいて変更する変更手段と、
    を備えることを特徴とする車両用走行制御装置。
  2. 車両の状態及び車両の周囲環境の状態の少なくとも何れかを検出する状態検出手段を備え、
    前記横位置変更意図判定手段は、前記状態検出手段が検出した車両状態及び車両の周囲環境の状態の少なくとも何れかを基に得た推定される将来の車両の横位置と、運転者による操舵操作状態を基に推定される将来の車両の横位置とが異なる場合、運転者による車両の横位置の変更の意図有りと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用走行制御装置。
  3. 前記横位置変更意図判定手段は、前記運転者の操舵操作状態となる操舵角、操舵操作トルク及び操舵操作速度の少なくとも何れかを基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用走行制御装置。
  4. 前記車両の周囲環境は走行車線の道路曲率であることを特徴とする請求項2に記載の車両用走行制御装置。
  5. 前記変更手段は、演算処理の実施ステップ毎に、前回の横位置の制御目標値に所定量加算していくことで、該制御目標値を、運転者による操舵操作状態を基に推定される将来の車両の横位置に近づけていくことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用走行制御装置。
  6. 前記横位置変更意図判定手段は、運転者の操舵操作による操舵角を不感帯を設けて検出し、その検出した操舵角を基に、運転者による車両の横位置の変更の意図の有無を判定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用走行制御装置。
  7. 前記変更手段は、演算処理の実施ステップ毎に、前回の横位置の制御目標値に所定量加算していくことで、該制御目標値を、運転者による操舵操作状態を基に推定される将来の車両の横位置に近づけていくものであり、運転者の操舵操作による操舵角が不感帯の範囲外にある場合、前記制御目標値を、運転者による操舵操作状態を基に推定される将来の車両の横位置に近づける処理を実施し、運転者の操舵操作による操舵角が不感帯の範囲内にある場合、前記制御目標値を、運転者による操舵操作状態を基に推定される将来の車両の横位置に近づける処理を停止することを特徴とする請求項6に記載の車両用走行制御装置。
  8. 前記変更手段は、運転者の操舵操作による操舵角が不感帯の範囲内にある場合、変更した制御目標値を変更前の制御目標値に徐々に戻すことを特徴とする請求項6又は7に記載の車両用走行制御装置。
  9. 前記変更手段は、前記横位置の制御目標値の変更を制限値により制限して行うことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の車両用走行制御装置。
  10. 走行車線に対して車両がなすヨー角を検出するヨー角検出手段を備え、前記走行制御手段は、走行車線に対する車両の横位置を制御するとともに、前記ヨー角検出手段が検出したヨー角を基に、車両のヨー角を制御することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の車両用走行制御装置。
  11. 前記制御手段は、さらに走行車線内での走行を維持するように車両を走行制御することを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の車両用走行制御装置。
  12. 運転者の操舵操作状態を検出する操舵操作状態検出手段と、
    前記操舵操作状態検出手段が検出した運転者の操舵操作状態を基に、走行車線に対する車両の将来の横位置であり、運転者の意図する横位置を推定する横位置推定手段と、
    前記横位置推定手段が推定した横位置を制御目標としつつ、走行車線内での走行を維持するように車両を走行制御する制御手段と、
    を備えること特徴とする車両用走行制御装置。
  13. 運転者の操舵操作状態を基に、走行車線に対する車両の将来の横位置であり、運転者の意図する横位置を推定し、その推定した横位置を制御目標としつつ、走行車線内での走行を維持するように車両を走行制御すること特徴とする車両用走行制御方法。
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