JP2009207673A - 洗濯乾燥機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートポンプに可燃性冷媒を封入して使用するものにおいての、その可燃性冷媒の漏れに対する制御が、洗濯乾燥機特有の事情に即して効果的にできるようにする。
【解決手段】ヒートポンプの蒸発器と凝縮器とを配設した通風路で可燃性冷媒が漏れた場合には、それを第1の冷媒検知器が検知し、それに基づき、圧縮機を停止させて、ダンパにより通風路の排気口を開放させると共に通風路を遮断し、循環用送風機を作動させて漏れ冷媒を外箱外に排出する。又、ヒートポンプの上記蒸発器及び凝縮器以外、すなわち圧縮機と絞り器並びにそれらと蒸発器及び凝縮器を接続した接続パイプを覆ったカバー内で可燃性冷媒が漏れた場合には、それを第2の冷媒検知器が検知し、それに基づき、圧縮機を停止させ、排気用送風機を作動させて漏れ冷媒を外箱1外に排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、洗濯物の乾燥をヒートポンプで行う洗濯乾燥機に関する。
従来より、洗濯乾燥機においては、洗濯物の乾燥用にヒートポンプを具えたものは、乾燥性能が良く、エネルギーの省減に効果があるものとして注目されている。このヒートポンプを具えた洗濯乾燥機においては、洗濯物を収容する洗濯槽内の空気を、ヒートポンプの、圧縮機とサイクル接続した蒸発器と凝縮器とを配設した通風路を通して循環させ、そのうちの蒸発器で空気の冷却除湿をし、凝縮器で空気の加熱をして、洗濯槽内に逐次送り込み、そして又、洗濯物から水分を奪った空気を通風路に通すということを繰り返すことで、洗濯物を漸次乾燥させるようにしている。
従って、洗濯物を乾燥させる際に発生する水分を蒸発器で回収し、その折りに回収した潜熱を圧縮機により高温の冷媒状態に変換し、凝縮器で空気を加熱するエネルギーとして再使用する。このようにすることで、外部には僅かな放熱ロスがある以外、ほとんどエネルギーを逃がさず再利用できる。従って、効率の良い乾燥を実現できるのである。
しかして、このようにヒートポンプを用いて洗濯物の乾燥を行う洗濯乾燥機においては、ヒートポンプに封入する冷媒に炭化水素系の冷媒を用いることが考えられている(例えば特許文献1,2,3参照)。この炭化水素系の冷媒は、二酸化炭素の排出量を低減できることから、環境対策の選択肢として有力である。
しかしながら、炭化水素系の冷媒は可燃性であり、漏れると発火する可能性がある。この可燃性冷媒の漏れに対応するものとしては、洗濯乾燥機にはないが、冷却装置としての冷凍サイクルに炭化水素系の冷媒を封入した冷蔵庫にはある(例えば特許文献4参照)。
特開2004−293962号公報 特開2007−82864号公報 特開2007−135728号公報 特開平8−178481号公報
洗濯乾燥機にヒートポンプを用いるシステムは、冷却装置として冷凍サイクルを用いる冷蔵庫とは異なるシステムであり、冷媒の動作条件が冷蔵庫の冷凍サイクルより高圧となるために、漏れたときの漏れスピードが速い。そのため、洗濯乾燥機においては冷蔵庫に比して発火濃度に達する時間が早く、より早い対応が求められる。
又、洗濯乾燥機においては、洗濯物の乾燥を行うときの後半期に、洗濯槽内での洗濯物の撹拌摩擦により静電気が発生する可能性があり、可燃性冷媒が漏れると、その静電気により発火する可能性を生じる事情にある
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、ヒートポンプに可燃性冷媒を封入して使用するものにおいての、その可燃性冷媒の漏れに対する制御が、洗濯乾燥機特有の事情に即して効果的にできる洗濯乾燥機を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の洗濯乾燥機においては、
洗濯槽と、この洗濯槽内の空気を循環用送風機により洗濯槽外の通風路を通して洗濯槽内に戻す循環を行わしめる空気循環装置と、この空気循環装置の前記通風路に蒸発器と凝縮器とを配設して、それらと圧縮機及び絞り器を接続パイプにより接続することにより、可燃性の冷媒をそれら圧縮機、凝縮器、絞り器、及び蒸発器を通して循環させる冷凍サイクルを構成したヒートポンプと、それら洗濯槽、空気循環装置、ヒートポンプを収容した外箱とを具え、洗濯物の洗濯、脱水を行うほかに、前記空気循環装置と前記ヒートポンプの運転により洗濯物の乾燥を行うものにおいて、
前記通風路の前記循環用送風機より循環空気流の下流側に配設した第1の冷媒検知器と、前記通風路の前記第1の冷媒検知器より更に循環空気流の下流側に設けた排気口と、この排気口を開閉し、その開放時に前記通風路を遮断するように設けたダンパと、前記外箱内にあって前記ヒートポンプの圧縮機と絞り器、並びにそれらと前記蒸発器及び凝縮器とを接続した接続パイプを覆ったカバーと、このカバーの内部に配設した第2の冷媒検知器と、前記カバーに対して設けた排気用送風機とを具備し、
洗濯物の乾燥を行うときに、
前記第1の冷媒検知器が前記可燃性冷媒の漏れを検知した場合には、前記圧縮機を停止させて、前記ダンパにより前記排気口を開放させると共に前記通風路を遮断し、前記循環用送風機を作動させて前記漏れ冷媒を前記外箱外に排出し、前記第2の冷媒検知器が前記可燃性冷媒の漏れを検知した場合には、前記圧縮機を停止させ、前記排気用送風機を作動させて前記漏れ冷媒を前記外箱外に排出するようにしたことを特徴とする(請求項1の発明)。
上記手段によれば、洗濯物の乾燥を行うとき、ヒートポンプの蒸発器と凝縮器とを配設した通風路で可燃性冷媒が漏れた場合には、それを第1の冷媒検知器が検知する。この場合には、圧縮機を停止させて、ダンパにより排気口を開放させると共に通風路を遮断し、循環用送風機を作動させて漏れ冷媒を外箱外に排出するから、洗濯槽内の空気を循環させる通風路を通じて漏れ冷媒が洗濯槽内に流入することが速やかに阻止される。これにより、漏れ冷媒が洗濯槽内で発火濃度となることも速やかに回避され、洗濯物乾燥中の静電気による発火の可能性がなくなる。又、この場合、漏れた冷媒は外箱外に排出されるので、外箱内で発火濃度となることも回避され、外箱内に着火源となる電気部品などがあっても、発火に至ることはない。
一方、同じく洗濯物の乾燥を行うとき、ヒートポンプの上記蒸発器及び凝縮器以外、すなわち圧縮機と絞り器並びにそれらと前記蒸発器及び凝縮器を接続した接続パイプを覆ったカバー内で可燃性冷媒が漏れた場合には、それを第2の冷媒検知器が検知する。この場合には、圧縮機を停止させ、排気用送風機を作動させて漏れ冷媒を外箱外に排出するから、上述同様、外箱内に着火源となる電気部品などがあっても、発火に至ることはない。
かくして、ヒートポンプに可燃性冷媒を封入して使用する洗濯乾燥機においての、その可燃性冷媒の漏れに対する制御が、洗濯乾燥機特有の事情に即して効果的にできる。
以下、本発明の一実施例(一実施形態)につき、図面を参照して説明する。
まず、図2に示すように、洗濯乾燥機全体の外殻を成す外箱1の前面部(図2で左側部)には、洗濯物出入口2を有しており、それをドア3により開閉するようにしている。
外箱1の内部には、水槽4を、図3に示す複数の弾性支持装置5により図2に示す横軸状で前上がりの傾斜状に配設しており、水槽4の内部には、洗濯槽であるドラム6を水槽4と平行で且つ同心状に配設している。ドラム6は、周壁のほゞ全域に孔6aを多数有する多孔状を成しており(孔6aは一部のみ図示)、このドラム6を回転軸7aで回転駆動する駆動装置であるモータ7を水槽4の背部に取付けている。
水槽4の下方には通風ケース8を配設しており、この通風ケース8の前部を、フレキシブル部9aを有する吸込ダクト9を介して、水槽4の前部の上部に形成した出気口10に連ねている。一方、通風ケース8の後部は、フレキシブル部11aを有する吐出ダクト11を介して、水槽4の奥部の上部に形成した入気口12に連ねており、これらの吸込ダクト9、通風ケース8、及び吐出ダクト11により、水槽4の出気口10と入気口12とを接続して通風路13を組成している。従って、通風路13は水槽4外に位置している。
しかして、通風路13中、特に通風ケース8の内部には、吸込ダクト9側に蒸発器14を配設し、吐出ダクト11側に凝縮器15を配設している。これらの蒸発器14及び凝縮器15は、詳しくは図示しないが、ともに、蛇行状を成す例えば銅製の冷媒流通パイプに、例えばアルミニウム板製の伝熱フィンを多数取着して成るフィンドチューブ形のもので、それらの伝熱フィンの各間を、通風ケース8内を次に述べるように通る空気が流れるようになっている。
又、通風ケース8内の凝縮器15よりも更に吐出ダクト11側には、循環用送風機16を配設している。この循環用送風機16は、送風作用にて、前記ドラム6内の空気を、図2に矢印で示すように、通風路13を通してドラム6外に出した後、ドラム6内に戻す循環を行わしめるようになっており、もって、通風路13と循環用送風機16とによりドラム6内の空気を循環させる空気循環装置17を構成している。
このほか、通風ケース8の、蒸発器14より吐出ダクト11側(凝縮器15との間)には、外気吸込口18を形成しており、蒸発器14より吸込ダクト9側には、排熱口19を形成している。
更に、通風ケース8の後方(図2参照)や側方(図3参照)など周囲には、カバー20を配設しており、このカバー20の内部に圧縮機21や、絞り器(特には、この場合、電子式絞り弁)22、及び図4に示すアキュムレータ23、そしてそれらと前記凝縮器15及び蒸発器14とを図4に示すように接続する接続パイプ24,25,26,27とを配設して、それらを覆うようにしている。なお、カバー20の内部には、凝縮器15及び蒸発器14のそれぞれ前記伝熱フィンから露出した冷媒流通パイプのU字形曲成部15a,14aなどの一部も位置している。
上記接続パイプ24〜27による圧縮機21と絞り器22、アキュムレータ23、及び凝縮器15、蒸発器14の接続形態は、圧縮機21−凝縮器15−絞り器22−蒸発器14−アキュムレータ23−圧縮機21の順にそれらを接続しているものであり、かくして冷凍サイクルから成るヒートポンプ28を組成している。このヒートポンプ28(冷凍サイクル)には、この場合、炭化水素系の冷媒(ハイドロカーボン)など可燃性の自然冷媒を封入している。
なお、図4には、ヒートポンプ28と併せて、前記水槽4と通風路13(吸込ダクト9、通風ケース8、及び吐出ダクト11)、並びにそれらを収容した外箱1を概略的に示している。
ここで、前記通風路13中の、前記循環用送風機16より循環空気流の下流側である、前記吐出ダクト11の下部(通風ケース8側)には、第1の冷媒検知器29を配設している。この第1の冷媒検知器29は、前記可燃性冷媒を検知するガスセンサであり、安全濃度の上限、例えば可燃性冷媒がイソブタンであったとき、そのイソブタンの可燃濃度の下限値が約2重量%であるとすると、それの1/5程度の約0.4%に達した時点で、可燃性冷媒が漏れていると検知するものである。
又、通風路13中の、上記第1の冷媒検知器29より更に循環空気流の下流側である、吐出ダクト11の中間部には、排気口30を設けており、この排気口30にはダンパ31を設けている。ダンパ31は、図示しないモータにより回動されることによって、図4に実線及び破線で示すように、排気口30を開閉し、その開放時には通風路13を遮断するようになっている。
一方、前記カバー20の内部、特にこの場合、圧縮機21を覆った部分の内部には、第2の冷媒検知器32を配設している。この第2の冷媒検知器32は、第1の冷媒検知器29と同様のものであり、従って、第1の冷媒検知器29と同様に可燃性冷媒の漏れを検知するものである。
そして更に、カバー20に対しては、排気用送風機33を設けている。詳細には、カバー20の、圧縮機21を覆った部分の外部に、この排気用送風機33を設けている。
そのほか、前記蒸発器14の冷媒入口部分の外部には、入口温度検知器34を設けており、蒸発器14の冷媒出口部分の外部には、出口温度検知器35を設けている。
図5には、制御装置36を示している。この制御装置36は、例えばマイクロコンピュータから成るもので、前記外箱1内に位置して洗濯乾燥機の作動全般を制御する制御手段として機能するようになっている。
この制御装置36には、図示しない操作パネルが有した各種操作スイッチから成る操作入力部37より各種操作信号が入力されると共に、前記水槽4内の水位を検知する水位センサ38から水位検知信号が入力され、前記第1の冷媒検知器29と第2の冷媒検知器32からはそれぞれ冷媒検知信号が入力され、前記入口温度検知器34と出口温度検知器35からはそれぞれ温度検知信号が入力されるようになっている。
そして、制御装置36は、上記各種信号の入力並びにあらかじめ記憶した制御プログラムに基づいて、前記水槽4内に給水するように設けた給水弁39と、前記モータ7、循環用送風機16、圧縮機21、絞り器22、ダンパ駆動用モータ40、排気用送風機33、前記水槽4の排水口を開閉するように設けた排水弁41、及び警報器であるブザー42を、駆動回路43を介して制御するようになっている。
次に、上記構成のものの作用を述べる。
まず、洗濯乾燥機の概略的な動作について説明する。使用者により図示しない操作パネルが操作されて運転のコースが設定され、運転の開始が指示されると、洗濯乾燥機は、設定された運転のコースに応じた洗濯運転、乾燥運転、或いはその両運転を続けて行う洗濯乾燥運転を実行する。その1つとして、洗濯乾燥運転の実行が開始された場合には、洗濯行程、脱水行程、乾燥行程を順に実行する。
洗濯行程では、給水弁39を開放させることにより水槽4内に供給した後、ドラム6を低速で回転させる動作が行われる。脱水行程では、排水弁41を開放させて水槽4内の水を排出した後、ドラム6を高速で回転させる動作が行われる。乾燥行程では、ドラム6を低速で回転させつつ、ドラム6内に温風を供給する動作が行われる。
ドラム6内に温風を供給する動作は、詳しくは、次のように行われる。すなわち、循環用送風機16を普通に作動させ、それによって、ドラム6内の空気が水槽4の出気口10から通風路13の吸込ダクト9を経て通風ケース8内に流入した後、通風ケース8内及び吐出ダクト11を順に通って、水槽4の入気口12からドラム6内に戻される。このとき、ダンパ31は、排気口30を閉鎖する状態(図4に破線で示した位置)にセットされている。
又、このときには、ヒートポンプ28では、圧縮機21を駆動する。それにより、冷媒(気体)が圧縮機21で圧縮されて高温高圧となり、その高温高圧の冷媒が第1の凝縮器15に流れ、上記通風ケース8内を通る空気と熱交換する。これにより、通風ケース8内を通る空気が加熱され、反対に、冷媒の温度は低下して液化される。この液化された冷媒が、次に、第1の絞り器22を通って減圧された後、第1の蒸発器14に流入して気化する。このとき、第1の蒸発器14に付設した入口温度検知器34と出口温度検知器35のそれぞれ検知温度から冷媒の挙動を検知し、その検知結果に応じて絞り器22を絞り制御する。
上記第1の蒸発器14で気化した冷媒は、通風ケース8内を通る空気を冷却する。第1の蒸発器14を通過した冷媒はアキュムレータ23を経て圧縮機21に戻る。これらにより、前記ドラム6内から通風ケース8内に流入した空気が、第1の蒸発器14で冷却されて除湿され、その後に第1の凝縮器15で加熱されて温風化される。そして、その温風が吐出ダクト11を通って、水槽4の入気口12からドラム6内に供給される。
しかして、ドラム6内に供給された温風は、洗濯物の水分を奪った後、前記水槽4の出気口10から吸込ダクト9を経て通風ケース8内に流入する。かくして、蒸発器14と凝縮器15とを有する通風ケース8内とドラム6内との間を空気が循環することにより、ドラム6内の洗濯物が乾燥される。
更に、この乾燥運転中、排気用送風機33を普通に作動させ、外箱1内の湿気を外箱1の適宜の隙間から排出し、それと同等量の外箱1外の外気を同じく外箱1の適宜の隙間から導入して、外箱1内での結露を防止するようにする。
これらの運転は、図1の「通常運転時」の欄に示すとおりである。
さて、このように洗濯物の乾燥を行っているとき、第1の冷媒検知器29で冷媒の漏れが検知されれば、それは、通風路13中(通風ケース8内)に位置する凝縮器15又は蒸発器14のそれぞれ冷媒流通パイプから冷媒が漏れていることであり、これを図1には「A:通風路内冷媒漏れ」として表し、第1の冷媒検知器29での検知濃度が安全上限値を超えている(それ以外は前記「通常運転時」と変わりがない)。
この場合には、それに対応した「冷媒漏れ対応制御」として、ブザー42を作動させることにより警報を発して(図示省略)、圧縮機21を停止させ、同時に、絞り器22を全閉させて、循環用送風機16を前記「普通」より風量の大きな例えば最強送風状態で作動させると共に、ダンパ31を開放(排気口30を開放、通風路13を遮断)させる。
その結果、上記凝縮器15又は蒸発器14のそれぞれ冷媒流通パイプからの新たな冷媒の漏れが止められ、通風路13中に漏れた冷媒は、ダンパ31によりドラム6内への流入が止められた状態で排気口30から通風路13外に排出され、更に、外箱1の適宜の隙間から外箱1外に排出される。かくして、通風路13で漏れた冷媒がドラム6内に流入することが速やかに阻止され、ドラム6内で発火濃度となることも速やかに回避されて、洗濯物乾燥中の静電気による発火の可能性がなくなる。又、この場合、漏れた冷媒は外箱1外に排出されるので、外箱1内で発火濃度となることも回避され、外箱1内に着火源となる電気部品などがあっても、発火に至ることはない。
そして、第1の冷媒検知器29での検知濃度は徐々に減少し、やがて安全上限濃度以下となる。よって、「漏れ対応後の制御」として、循環用送風機16の作動を停止させるが、第1の冷媒検知器29での検知濃度如何によっては、循環用送風機16の作動を継続する(図1に示す「ON/OFF制御」)。又、この場合、圧縮機21は停止させたまま、絞り器22は全閉させたまま、ダンパ31は開放させたままである。
一方、同様に洗濯物の乾燥を行っているとき、第2の冷媒検知器32で冷媒の漏れが検知されれば、それは、ヒートポンプ28の上記蒸発器14及び凝縮器15以外、すなわち圧縮機21と、絞り器22、アキュムレータ23、及び接続パイプ24〜27を覆ったカバー20内で冷媒が漏れていることであり、これを図1には「B:通風路外冷媒漏れ」として表し、第2の冷媒検知器32での検知濃度が安全上限値を超えている(それ以外は、この場合も、前記「通常運転時」と変わりがない)。
この場合には、それに対応した「冷媒漏れ対応制御」として、ブザー42を作動させることにより警報を発して(図示省略)、圧縮機21を停止させ、絞り器22を全閉させて、排気用送風機33を前記「普通」より風量の大きな例えば最強送風状態で作動させる(循環用送風機16は普通に作動させたままであり、ダンパ31は閉鎖、すなわち排気口30を閉鎖、通風路13を開通させたままである)。
その結果、上記圧縮機21と、絞り器22、アキュムレータ23、及び接続パイプ24〜27のいずれかからの新たな冷媒の漏れが止められ、カバー20内に漏れた冷媒は、カバー20の適宜の隙間からカバー20外に排出され、更に、外箱1の適宜の隙間から外箱1外に排出される。かくして、カバー20内(通風路13外)で漏れた冷媒が外箱1内で発火濃度となることも回避され、外箱1内に着火源となる電気部品などがあっても、発火に至ることはない。
そして、第2の冷媒検知器32での検知濃度は徐々に減少し、やがて安全上限濃度以下となる。よって、「漏れ対応後の制御」として、排気用送風機33の作動を停止させるが、第2の冷媒検知器32での検知濃度如何によっては、排気用送風機33の作動を継続する(図1に示す「ON/OFF制御」)。又、この場合、圧縮機21は停止させたまま、絞り器22は全閉させたまま、ダンパ31は閉鎖させたままである。
このように本構成のものにおいては、ヒートポンプ28の蒸発器14と凝縮器15とを配設した通風路13で可燃性冷媒が漏れた場合には、それを第1の冷媒検知器29が検知し、それに基づき、圧縮機21を停止させて、ダンパ31により通風路13の排気口30を開放させると共に通風路13を遮断し、循環用送風機16を作動させて漏れ冷媒を外箱1外に排出する。又、ヒートポンプ28の上記蒸発器14及び凝縮器15以外、すなわち圧縮機21と、絞り器22、アキュムレータ23、及び接続パイプ24〜27を覆ったカバー20内で可燃性冷媒が漏れた場合には、それを第2の冷媒検知器32が検知し、それに基づき、圧縮機21を停止させ、排気用送風機33を作動させて漏れ冷媒を外箱1外に排出する。これらにより、ヒートポンプ28に可燃性冷媒を封入して使用する洗濯乾燥機においての、その可燃性冷媒の漏れに対する制御が、洗濯乾燥機特有の事情に即して効果的にできるもので、発火の可能性をなくすことができる。
このほか、本構成のものにおいては、図示はしないが、洗濯物の乾燥を行わないときにも、排気用送風機33を定期的に作動させて外箱1内から外箱1外への排気をするようにしている。従って、洗濯物の乾燥を行わないとき、何らかの理由でカバー20内で可燃性冷媒が漏れた場合にも、その漏れ冷媒を外箱1外に定期的に排出することができ、発火の可能性をなくすことができる。
又、この洗濯物の乾燥を行わないときでも、第2の冷媒検知器32で冷媒の漏れが検知されれば、循環用送風機16と排気用送風機33とをともに最強送風状態で作動させ、ダンパ31を開放(排気口30を開放、通風路13を遮断)させる。これにより、蒸発器14及び凝縮器15を通った空気のドラム6内への流入を止めた状態で、該空気を外箱1外に排出し、同時に、カバー20内の空気を外箱1外に排出することを行う。そして、この場合も、第2の冷媒検知器32の検知濃度が安全上限濃度以下となれば、循環用送風機16と排気用送風機33の作動を停止させるが、第2の冷媒検知器32での検知濃度如何によっては、循環用送風機16と排気用送風機33の作動を継続する。
なお、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限定されるものではなく、特に排気用送風機33はカバー20の内部に設けても良いし、又、洗濯乾燥機の全体としては、上述の横軸形に限られず、洗濯槽を縦軸状に有する縦軸形であっても良く、洗濯槽は回転しないものであっても良いなど、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
本発明の一実施例を示す、通常乾燥運転時の制御内容から、冷媒漏れがあったときの状況、並びにそのときの各制御内容を表した図 洗濯乾燥機の縦断側面図 洗濯乾燥機の縦断正面図 洗濯乾燥機の概略構成図 電気的構成のブロック図
符号の説明
図面中、1は外箱、6はドラム(洗濯槽)、13は通風路、14は蒸発器、15は凝縮器、16は循環用送風機、17は空気循環装置、20はカバー、21は圧縮機、22は絞り器、24〜27は接続パイプ、28はヒートポンプ、29は第1の冷媒検知器、30は排気口、31はダンパ、32は第2の冷媒検知器、33は排気用送風機、36は制御装置を示す。

Claims (2)

  1. 洗濯槽と、
    この洗濯槽内の空気を循環用送風機により洗濯槽外の通風路を通して洗濯槽内に戻す循環を行わしめる空気循環装置と、
    この空気循環装置の前記通風路に蒸発器と凝縮器とを配設して、それらと圧縮機及び絞り器を接続パイプにより接続することにより、可燃性の冷媒をそれら圧縮機、凝縮器、絞り器、及び蒸発器を通して循環させる冷凍サイクルを構成したヒートポンプと、
    それら洗濯槽、空気循環装置、ヒートポンプを収容した外箱とを具え、
    洗濯物の洗濯、脱水を行うほかに、前記空気循環装置と前記ヒートポンプの運転により洗濯物の乾燥を行うものにおいて、
    前記通風路の前記循環用送風機より循環空気流の下流側に配設した第1の冷媒検知器と、
    前記通風路の前記第1の冷媒検知器より更に循環空気流の下流側に設けた排気口と、
    この排気口を開閉し、その開放時に前記通風路を遮断するように設けたダンパと、
    前記外箱内にあって前記ヒートポンプの圧縮機と絞り器、並びにそれらと前記蒸発器及び凝縮器とを接続した接続パイプを覆ったカバーと、
    このカバーの内部に配設した第2の冷媒検知器と、
    前記カバーに対して設けた排気用送風機とを具備し、
    洗濯物の乾燥を行うときに、
    前記第1の冷媒検知器が前記可燃性冷媒の漏れを検知した場合には、前記圧縮機を停止させて、前記ダンパにより前記排気口を開放させると共に前記通風路を遮断し、前記循環用送風機を作動させて前記漏れ冷媒を前記外箱外に排出し、
    前記第2の冷媒検知器が前記可燃性冷媒の漏れを検知した場合には、前記圧縮機を停止させ、前記排気用送風機を作動させて前記漏れ冷媒を前記外箱外に排出するようにしたことを特徴とする洗濯乾燥機。
  2. 洗濯物の乾燥を行わないときにも、排気用送風機を定期的に作動させて外箱内から外箱外への排気をするようにしたことを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
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