JP2009207620A - 被覆層付き車両用シートパッドの製造方法及び被覆層付き車両用シートパッド - Google Patents
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【課題】 硬度等の特性の異なる被覆層をシートパッド表面に簡便に設けることができる被覆層付き車両用シートパッドの製造方法を提供すること。
【解決手段】 車両用シートパッドの表面の少なくとも一部に、樹脂組成物をディスペンサーで塗布して被覆層を形成することを特徴とする被覆層付き車両用シートパッドの製造方法;及び車両用シートパッド。
【選択図】図3
【解決手段】 車両用シートパッドの表面の少なくとも一部に、樹脂組成物をディスペンサーで塗布して被覆層を形成することを特徴とする被覆層付き車両用シートパッドの製造方法;及び車両用シートパッド。
【選択図】図3
Description
本発明は、自動車等の車両に使用される車両用シートパッド及びその製造方法に関する。
自動車用等のシートの組立てにおいては、その外観や型くずれ防止及び車両走行中の身体ホールド性の強化等の品質の向上のために、従来から、パッドを部分的に硬くする処理が行われている。このような処理は、例えば、シートパッド内で部分的に硬度を変更するには硬度の異なる成形用樹脂を金型に注入して行われる。
特許文献1では、シートパッドの框部、裏面部等をウレタンエラストマーのスプレー剤にて被覆して部分的に硬くしている。
本発明者等の検討によれば、従来の方法における、硬度の異なる成形用樹脂を金型に注入する場合では、二種の成形用樹脂が混ざらないように金型にスリットを設置する必要があること、また発泡材料を使用して金型成形しているため形状の制約が大きく、硬度の調整幅も小さいこと等の問題があることが明らかとなった。また特許文献1のスプレーによる塗布の場合では、塗布効率が悪いこと、マスキングの処理が必要なこと、さらに作業環境の改善のため局所排気設備等の設置する必要があること等の問題がある。
本発明は、硬度等の特性の異なる被覆層をシートパッド表面に簡便に設けることができる被覆層付き車両用シートパッドの製造方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、生産性に優れた被覆層付き車両用シートパッドを提供することを目的とする。
上記目的は、
車両用シートパッドの表面の少なくとも一部に、樹脂組成物をディスペンサーで塗布して被覆層を形成することを特徴とする被覆層付き車両用シートパッドの製造方法;
により達成することができる。
車両用シートパッドの表面の少なくとも一部に、樹脂組成物をディスペンサーで塗布して被覆層を形成することを特徴とする被覆層付き車両用シートパッドの製造方法;
により達成することができる。
本発明の被覆層付き車両用シートパッドの製造方法の好ましい態様を以下に列記する。
(1)樹脂組成物が、ポリウレタンエラストマー系樹脂組成物である。ポリウレタンエラストマー系樹脂組成物が2液型であることが好ましい。
(2)被覆層の硬度が、シートパッドの表面より高い。
(3)被覆層の形成されるべき領域が、シートパッドを構成するバックパッド表面の少なくとも一部である。
(4)被覆層の形成されるべき領域が、シートパッドを構成するシートクッションパッドの側面、シートパッドを構成するバックパッドの側面、バックパッドの裏面の縁部、及びバックパッドの背裏から選択される少なくとも1領域である。
(1)樹脂組成物が、ポリウレタンエラストマー系樹脂組成物である。ポリウレタンエラストマー系樹脂組成物が2液型であることが好ましい。
(2)被覆層の硬度が、シートパッドの表面より高い。
(3)被覆層の形成されるべき領域が、シートパッドを構成するバックパッド表面の少なくとも一部である。
(4)被覆層の形成されるべき領域が、シートパッドを構成するシートクッションパッドの側面、シートパッドを構成するバックパッドの側面、バックパッドの裏面の縁部、及びバックパッドの背裏から選択される少なくとも1領域である。
さらに本発明は、
上記被覆層付き車両用バックパッドの製造方法により得られる被覆層付き車両用シートパッドにもある。
上記被覆層付き車両用バックパッドの製造方法により得られる被覆層付き車両用シートパッドにもある。
また本発明の製造方法における前記好ましい態様は、本発明の上記被覆層付き車両用シートパッドにも適用することができる。
本発明では、シートパッドの表面に硬度等の特性の異なる被覆層を形成する塗布方法として、ディスペンサーを用いている。これにより、硬度等の特性の異なる被覆層をシートパッド表面の所望の箇所に所望の厚さで簡便に設けることができ、生産性に優れたる被覆層付きシートパッドと言える。
即ち、上記の方法は、成形法に比較して、二種の成形用樹脂が混ざらないように金型にスリットを設置する必要がなく、硬度等の調整幅を大きくとることができ、またスプレー塗布と異なり、塗布効率が良く、マスキングの処理が必要なく、さらに作業環境の改善のため局所排気設備等の設置する必要がなく、さらには厚く被覆することによりマスダンパーとして被覆層を機能させることができる等の優位性を有し、生産性に優れたる被覆層付きシートパッドである。
本発明の被覆層付き車両用シートパッドは、シートパッドとその表面の少なくとも一部に被覆層が設けられた基本構成を有する。
図1に、本発明の車両用シートパッドを備えた車両用シートの1例の斜視図を示す。車両用シート1は、シートクッションパッド2及びバックパッド3とを有する。シートクッションパッド2は、左右幅方向の中央部2Mと、左右のサイド部2Sとを有するバックパッド3は、左右幅方向の中央部3Mと、左右のサイド部3Sとを有する。そして、左右のサイド部3Sの側面に硬度の高い被覆層5が設けられている。被覆層5の設けられる位置は、所望の位置で良く、例えば、シートクッションパッド2の左右のサイド部2Sの側面、バックパッド3の裏面の縁部、及びバックパッド3の背裏に設けても良い。本発明では、被覆層5を、樹脂組成物(好ましくはポリウレタンエラストマー系樹脂組成物)をディスペンサーで塗布形成している。これにより、以下の優位性を有する:即ち、金型成形の場合のように二種の成形用樹脂が混ざらないように金型にスリットを設置する必要がなくスリットレス異硬度シートの作製も可能であり、硬度等の調整幅を大きくとることができる(例、塗布量の増大により硬度上昇が容易)。またスプレー塗布に比較して、塗布効率が良く、スプレー塗布層より塗布表面の平滑性が良好であり、また塗布のようにマスキング処理が必要なく、さらに作業環境の改善のため局所排気設備等の設置する必要がない。さらには厚く被覆することによりマスダンパーとして被覆層を機能させることもできる。
上記図1のシートパッドを構成するバックパッド3の1例の平面図を図2に示す。
バックパッド3は、左右幅方向の中央部3Mと、左右のサイド部3Sとを有する。左右のサイド部3Sの側面に上記のように被覆層5が設けられている。上部に錘6が埋め込まれていても良い。バックパッド本体3の裏面には補強布が設けられている(一般にパッドと一体成形される)。バックパッド本体3の上部には、例えば、ヘッドレスト取付用突部を嵌入するための貫通孔が設けられていてもよい。
被覆層を有するバックパッド3の背面図の1例を図3に示す。図3では、バックパッド3は、左右幅方向の中央部3Mと、左右のサイド部3Sとを有し、左右のサイド部3Sの裏面側端部に被覆層5が設けられている。中央部3Mの裏側には補強布7が設けられている(一般にパッドと一体成形される)。これによりバックボードの固定を容易にし、シート組立て後の外観が向上する。外観の向上は、バックボード仕様の際に特に効果が大きい。このようにしてバックパッドの裏面端部を強化することにより、組立て時の他の部品、装置との接触に対しても抵抗性を有する。
被覆層を有するバックパッド3の背面図の別の1例を図4に示す。図4では、バックパッド3は、左右幅方向の中央部3Mと、左右のサイド部3Sとを有し、左右幅方向の中央部3Mの裏面端部近傍(バックボード受け部)に被覆層5が設けられている。中央部3Mの裏側には補強布7が設けられている。このような被覆層5は、例えば高密度のポリウレタエラストマーを用いて厚塗りすることにより、錘(ダンパー)の機能を付与することができ、乗員への共振を抑制することができる。また、このような被覆層5は、バックボード受け部の補強を兼ねることもできる。
被覆層を有するシートクッションパッド2の幅方向断面図の1例を図5に示す。図5では、シートクッションパッド2は、左右幅方向の中央部2Mと、左右のサイド部2Sとを有し、左右のサイド部2Sの側面に図のように被覆層5が設けられている。これにより、シートに座った乗員のホールド特性が向上する。また、シート組立て後の外観が向上する。
また、上記のシートクッションパッド3と同様に、バックパッド3の側面に被覆層を設けた場合も、シートに座った乗員のホールド特性の向上、及びシート組立て後の外観の向上の効果が得られる。
シートパッドは発泡樹脂であり、一般にウレタンフォームであり、軟質ウレタンフォーム、半硬質ウレタンフォーム、特に軟質ウレタンフォームであることが好ましい。市販のものを使用することができる。
発泡樹脂を形成するための発泡性樹脂組成物はウレタンフォーム形成用樹脂組成物が好ましい。ウレタンフォーム形成用樹脂組成物は、一般にポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール等のアルコール成分、及び水を含むポリオール成分と、トリレンジイソシアネートとジフェニルメタンジイソシアネート等のポリイソシアネート成分と、整泡剤(発泡剤)とを混合してなるものが一般的である。
上記ポリエーテルポリオールとしては、多官能性アルコール系化合物を開始剤に、これにアルキレンオキサイドを付加させたポリオキシアルキレンポリオールが好ましく用いられる。多官能性アルコール系化合物としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンやこれらに少量のアルキレンオキサイドが付加した化合物を挙げることができる。また、これに付加重合するアルキレンオキサイドとしては、炭素原子数2以上のものが挙げられ、例えばエチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドなどを例示できる。これらアルキレンオキサイドのなかでも、プロピレンオキサイド及び/又はブチレンオキサイドと、エチレンオキサイドとを併用し、末端にオキシエチレン単位を含むものが好ましい。
ポリマーポリオールは、ポリオール化合物中にポリマー粒子を微粒子状にて分散させたものである。ポリマー粒子としては、例えばアクリロニトリル、スチレン、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート等のビニルモノマーのホモポリマー又はコポリマー等の付加重合系ポリマーや、ポリエステル、ポリウレア、メラミン樹脂等の縮重合系ポリマーの粒子が挙げられる。かかるポリマー粒子のポリオール化合物中への導入方法としては、例えばポリマー粒子が付加重合系ポリマーの場合には、ポリオキシアルキレンポリオール等のポリオール中で、ラジカル重合開始剤の存在下に、スチレン、アクリロニトリル等のビニル系モノマーを重合させる方法が挙げられる。
上記ポリイソシアネート成分としては、トリレンジイソシアネート(TDI)とジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(精製MDI(p−MDI)やクルードMDI(c−MDI)がある)との混合物であり、両者の混合比は特に限定されないが、重量比で10/90〜90/10であることが好ましい。
水は発泡剤としては使用されるものであり、ポリオール化合物100重量部に対して2〜4重量部配合されることが好ましい。水の配合量4重量部を越えると、減圧成形によりバックパッドを成形する際に発泡しすぎて、充分な硬度を確保しにくくなる。
また、上記整泡剤としては、ジメチルシロキサン系、ポリエーテルジメチルシロキサン系、フェニルメチルシロキサン系等の各種のシリコーン整泡剤が好適に用いられ、その使用量はポリオール化合物100重量部に対し有効成分を基準として通常0.01〜5重量部である。
ポリウレタンフォーム原料には、通常、上記の他に触媒、などが配合され、更に、架橋剤、乳化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、充填剤、難燃剤、可塑剤等の各種添加剤を、必要に応じて添加することもできる。
上記触媒としては、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N',N'−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等のアミン系触媒が好ましく用いられ、その使用量はポリオール化合物100重量部に対して通常0.05〜10重量部である。特に、初期の泡化を促進するため、ブロック型触媒よりも、ブロックされていない即効性のアミン触媒を使用することが好ましい。
錘6の材料は、高密度のものほど好適であり、一般に金属材料が好ましい。例えば、鉄、銅、錫、亜鉛、及びステンレス等の合金を挙げることができる。鉄、ステンレスが好ましい。金属材料以外、例えば、セラミックを用いることもできる。
補強布7は、バックパッド本体3の裏面と、パッド上部の内側面と、「コ」の字の張り出し部の内側面とを覆うように上記発泡性樹脂組成物の発泡成形により一体化されている。補強布7としては、適度な通気性を持ち、かつ、成形時における発泡性樹脂組成物の浸み出しを防止できるものであれば、特に限定されることなく使用することができ、不織布や織編物、あるいはこれらの積層複合体などを使用することができる。
この補強布7は、所定形状に裁断された基布を縫製、あるいはホッチキスやタグピン(プラスチックス製ホッチキスなど一般にタグを留めるために使用されるピン)などの固定具を用いて、袋状に成形されている。補強布7は、成形型内に装着されて、バックパッド本体3の発泡成形により、その裏面に積層一体化される。
本発明における被覆層を形成するための樹脂組成物は、ディスペンサーを用いて塗布し、乾燥して、被覆層を形成することが可能な樹脂組成物であれば、どのようなものでも使用することができる。本発明では、シートパッド表面への接着性、作業性を考慮し、ウレタンエラストマー系樹脂組成物(一般に2液型)が好ましい。通常、前記発泡性樹脂組成物と異なり整泡剤(発泡剤)は含んでいない。
2液型ウレタンエラストマー系樹脂組成物は、主剤と硬化剤からなり、混合しながら塗布することにより、一般に常温で、数秒〜数分で硬化するものである(完全硬化には数十分以上要す)。一般に、無溶剤型であり乾燥させる必要はない。2液型ウレタンエラストマー系樹脂組成物は、イソシアネート成分(硬化剤)とポリオール成分(主剤)との2液からなる。2液型ウレタンエラストマー系樹脂組成物はイソシアネート成分とポリオール成分とからなる。イソシアネート成分としては、ポリウレタンエラストマーに通常使用されるものを特に制限なく使用できる。これらのポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等、及びこれらの異性体並びに変性体等を挙げることができる。
上記ポリオール成分としては、公知のポリオール、例えばポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールを用いることができる。ポリエーテルポリオールとしては、水、プロピレングリコール、エチレングリコール或いはグリセリン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン等の開始剤とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等との反応によって得られる2または3官能のものが好ましい。また、ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸等の有機酸とグリコール或いはトリオールとの脱水縮合反応によって得られる2または3官能のものが好ましい。また、ポリオールとしてアミン変性ポリオールを用いることもできる。このアミン変性ポリオールは、ポリエーテルポリオールの末端にアミノ基を導入して変性したものであり、硬化速度が大きいという特徴を有する。
上記主成分であるポリイソシアネート成分とポリオール成分の他に、通常鎖延長剤・架橋剤が使用される。また、必要に応じて触媒、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤その他の成分を配合することもできる。鎖延長剤としては二官能性ジアミン類及びジオール類が使用され、エチレングリコール、ハイドロキノンジエチロールエーテルなどの他エラストマー用として1,4−又は2,3−ブチレングリコールが有効である。架橋剤としてはグリセリン、ソルビトール等が使用される。また、1級、2級のジ又はポリアミン類は鎖延長剤及び架橋剤の両機能を有し、例えば3,3'ジクロロ−4,4'ジアミノジフェニルメタンを本発明でも使用し得る。
本発明では、2液型ウレタンエラストマー系樹脂組成物の混合時の粘度が、600〜3500mPa・s(25℃)の範囲にあることが好ましい。垂れることなく良好に塗布することができる。
本発明では、速乾性のものが好ましく、例えば、イソシアネート成分としてはテトラメチレンジイソシアネート及びこれらの異性体混合物、ポリオール成分としていはアミノ基を有するものが好ましい。
次に、本発明の車両用シートパッドの製造方法について説明する。
本発明の被覆層を形成する前のシートパッドは、上記発泡性樹脂組成物(好ましくはウレタンフォーム形成用樹脂組成物)を用いて、公知の方法で成形される。得られたシートパッド、例えばバックパッドの両側面に、ポリウレタンエラストマー系樹脂組成物等の樹脂組成物を、ディスペンサーを用いて塗布し、硬化して、被覆層を形成する。
ディスペンサーは、一般に、塗布すべき物質の貯蔵部と、この物質を塗布するための部分とからなる液体定量吐出器である。ディスペンサーによる塗布法は、押出し塗布法であり、厚い被覆層を効率的に形成することができる。ディスペンサーは、一般に小型のピストンタイプの押出し機であり、例えば、貯蔵部からの上記液状のポリウレタンエラストマー系樹脂組成物を螺旋状、線状(太線状、細線状)、噴霧状、膜状等にして吐出する装置である。
ディスペンサーを用いることにより、シートパッドの表面の任意の箇所に上記樹脂組成物を任意の厚さに均一に塗布することが容易である。また得られる膜の表面平滑性も良好である。得られる被覆層は、シートパッドと異なり発泡剤を含まないので、一般に硬度が高いが、層厚を大きくすることにより、さらに硬度を上げることができる。硬度(層全体、及び表面)以外にも、層の粘弾性の向上等行うことが可能である。
被覆層の厚さは、一般に10〜5000μm、50〜3000μmは好ましく、特に50〜1000μmが好ましい。特に、錘の機能を付与する等の目的で、厚い層が必要な場合は、二度塗り等によりさらに厚くすることができる。厚さが下限より薄いと被覆層の耐久性が乏しくなることがあり、上限より厚いと塗布層がたれることにより、均一な塗膜が得られないことがある。
上記のように本発明では、硬度等の特性の異なる被覆層をシートパッド表面の所望の箇所に簡便に設けることができる。
以下、本発明に係る実施例について説明する。
[実施例1]
平面図が図2及び断面図が図3に示すような形状のバックパッドの両側面(側面の長さ
500mm、幅100mm)に、二成分型ウレタンスプレーエラストマー(粘度:2000mPa・s)を、ディスペンサーを用いて、25℃で塗布し(吐出量1800g/分)、厚さ100μmの被覆層を形成した。被覆層は、バックパッドの表面に比べて硬度の高い層が得られた。
平面図が図2及び断面図が図3に示すような形状のバックパッドの両側面(側面の長さ
500mm、幅100mm)に、二成分型ウレタンスプレーエラストマー(粘度:2000mPa・s)を、ディスペンサーを用いて、25℃で塗布し(吐出量1800g/分)、厚さ100μmの被覆層を形成した。被覆層は、バックパッドの表面に比べて硬度の高い層が得られた。
1 車両用シート
2 シートクッションパッド
3 バックパッド
3M 中央部
3S サイド部
2 シートクッションパッド
3 バックパッド
3M 中央部
3S サイド部
Claims (7)
- 車両用シートパッドの表面の少なくとも一部に、樹脂組成物をディスペンサーで塗布して被覆層を形成することを特徴とする被覆層付き車両用シートパッドの製造方法。
- 樹脂組成物が、ポリウレタンエラストマー系樹脂組成物である請求項1に記載の製造方法。
- ポリウレタンエラストマー系樹脂組成物が2液型である請求項2に記載の製造方法。
- 被覆層の硬度が、シートパッドの表面より高い請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 被覆層の形成されるべき領域が、シートパッドを構成するバックパッドの表面の少なくとも一部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 被覆層の形成するべき領域が、シートパッドを構成するシートクッションパッドの側面、シートパッドを構成するバックパッドの側面、バックパッドの裏面の縁部、及びバックパッドの背裏から選択される少なくとも1領域である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られる被覆層付き車両用シートパッド。
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JP2008052384A JP2009207620A (ja) | 2008-03-03 | 2008-03-03 | 被覆層付き車両用シートパッドの製造方法及び被覆層付き車両用シートパッド |
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