JP2009207494A - 屋根緑化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設構造物の屋根に設置可能な軽量型の緑化装置を提供する。
【解決手段】屋根緑化装置10は、スレート屋根12の頂上部に取り付けられ、ヘデラ・ヘリックス19を植え込むための開口部28が形成される塩ビ管30等からなる培地14と、培地14から植物をスレート屋根12に沿って伸延させるために屋根上に設けられる骨組材16と、培地14に供給される液肥18を循環するための給水管22、排水管24、液肥タンク26等からなる循環システム20とから構成される。
【選択図】図1

Description

屋根の緑化装置に係り、特に一般住宅や工場などの屋根を緑化するのに好適な緑化装置に関する。
近年、地球温暖化問題への対応、都心部におけるヒートアイランド化の抑制、大気浄化などの環境対策、又は建物の断熱や紫外線劣化防止などの実現のために、屋上緑化は効果的な手段の一つと考えられており、従来より、本発明者は既存構造物の屋上を緑化する緑化技術の提案を行っている。
例えば、特許文献1には、建物の屋上に複数の支柱を立て、これらの支柱間に複数の骨組材を架け渡し、これらの骨組材を支持部材として植生を繁茂させるようにした緑化方法が開示されている。
これは、屋上に設置された設備などに制限されたり、屋上スペースを狭めたりすることなく設置でき、また、植生への潅水や施肥などの管理が容易であるとともに、潅水などによる屋内への漏水の危険性がなく建物の屋上を緑化するためのものである。
特開2006−20542号公報
しかしながら、特許文献1に開示される緑化技術は、例えば、ビル等の屋上のように重量物を設置可能な構造を有する建物の屋上を設置場所の対象とするものであり、一般住宅の屋根や工場などで使用されるスレート屋根などのように、耐荷重が小さい場合には適用が難しかった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、既設構造物の屋根に設置可能な軽量型の緑化装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は構造物の屋根を緑化する装置であって、
植物の培地となる管体と、繁茂した前記植物を支持する骨組材又は網材あるいはマット状保水材とが前記屋根の表面に沿ってとりつけられてなることを特徴とする(第1の発明)。
本発明の屋根緑化装置によれば、支柱などの重量物を設けることなく、植物の培地となる管体を直接屋根に設置する簡易かつ軽量な構成であるので、一般住宅や工場の屋根のように耐荷重が制限される屋根においても設置が可能である。
第2の発明は、第1の発明において、前記管体は、前記植物が植え込まれる部分にのみ開口部が形成されていることを特徴とする。
本発明の屋根緑化装置によれば、植物の培地を形成する管体には、植物が植え込まれる部分にのみに開口部が形成されるので、栽培地への雨水の流入や日光の照射を最小限に止めることができ、液肥の濃度の維持又はアオコ等の発生を防止し、植物の生育に適した環境として培地を維持することができる。
第3の発明は、第1又は2の発明において、液肥を貯留する液肥タンクと、液肥を前記液肥タンクから前記管体へ供給する給水管と、前記管体から排出された液肥を前記液肥タンクへ戻す排水管と、前記液肥タンク内の液肥を前記給水管へ送り込むポンプとを含む循環装置を備えること特徴とする。
本発明の屋根緑化装置によれば、循環装置により管体内に供給する液肥を繰り返し循環して用いることにより、栽培のために要する液肥の使用量を節減できる。
第4の発明は、第3の発明において、前記循環装置は、液肥を前記排水管から前記管体へ逆流させるための逆流手段を備えることを特徴とする。
本発明の屋根緑化装置によれば、管体から排水される排水管の排水口付近に詰まりが生じた場合に、排水管から管体へ水流を逆流させることによって容易に排水管内の詰まりを解消することができる。これにより、詰まりが生じた場合の排水管の交換等の修繕作業を回避することができ、コスト低減に寄与する。
第5の発明は、第3又は4の発明において、前記タンクは、前記タンク内に貯留される液肥の温度を調節可能なヒータ及びクーラを備えることを特徴とする。
本発明の屋根緑化装置によれば、培地内に補給される液肥の温度が、夏季などに植物が生育するには過度に高くなったり、冬季などに液肥の使用に適さない低温なったり、又は液肥自体が凍結したりすることから回避できるので、植物の適正な生育環境の維持に寄与する。
第6の発明は、第3〜5のいずれかの発明において、前記循環装置は、前記タンク内の液肥の温度を測定する温度センサ、前記タンク内の液肥の濃度を測定する濃度センサ、前記タンク内の液肥の水位を測定する水位センサ、又は前記管体内の液肥の水位を測定する水位センサのうち少なくとも一つセンサを具備するとともに、前記具備するセンサによる測定値が異常を示す値である場合にその異常を警告する機能を有し、かつ前記測定値を自動的に記録する監視記録装置とを備えることを特徴とする。
本発明の屋根緑化装置によれば、植物の生育環境に影響する要因である、液肥の温度、液肥の濃度、循環装置のタンクの水位又は管体内の水位を適正に維持管理できる。
第7の発明は、第3〜6のいずれかの発明において、前記給水管又は排水管の内部に、一対のプロペラが、前記管路内での液肥の流れによって互いに逆方向に回転するように設置され、これらプロペラの設置位置近傍に、前記給水管又は排水管の内外を貫通する空気穴が形成されてなる空気混入装置を備えることを特徴とする。
本発明の屋根緑化装置によれば、排水管内は液肥又は空気の流れが生じることにより排水管内の空気圧が管外の外圧と比べて負圧になって、プロペラの設置位置近傍に形成された空気穴から排水管内に空気が流入し、さらに互いに逆回転する2枚のプロペラにより、排水管内の液肥と空気とが攪拌されて混合することによって液肥中に空気を混入させることができる。このような空気が混入された液肥を用いて植物を栽培することにより植物の根の呼吸作用を促進させることができ、植物を良好に生育させることができる。
第8発明は、第3〜7のいずれかの発明において、前記循環装置の循環系統内に、液肥内に繁殖する菌を滅菌する滅菌処理装置が設けられていることを特徴とする。
本発明の屋根緑化装置によれば、循環系統内を循環している液肥を滅菌することにより、培地の菌の繁殖を防止することができ、培地を植物の良好な生育環境として維持できる
第9発明は、第7の発明において、前記滅菌処理装置は、紫外線照射又は加熱による滅菌処理を行うことを特徴とする。
第10発明は、第1〜9のいずれかの発明において、前記管体に、前記植物を保持する保持具が設けられていることを特徴とする。
本発明の屋根緑化装置によれば、保持具により植物の根部や茎部を保持することにより、根を張って成長する植物に、水耕栽培の際などの根が保持されていない状態の時に生じるストレスを軽減し、植物を良好に生育させることができる。また、植物が管体内から脱落することを防止する。
第11の発明は、第1〜10のいずれかの発明において、前記管体内に、ゼオライト、カキ殻又は軽石が充填されていることを特徴とする。
本発明の屋根緑化装置によれば、培地内の通気性及び通水性を維持することができ、植物を良好に生育させることができる。
第12の発明は、第1〜11のいずれかの発明において、スレート製の屋根に設置されることを特徴とする。
本発明の屋根緑化装置によれば、例えば、工場などの建屋の屋根に良く用いられ、経年使用の末、日焼けによる劣化を生じて黒色系にその表面が変化していくスレート屋根を、緑化して美観化できるとともに、屋根に直射日光が当たるのを植物が遮ることになるので夏場の建屋内の温度上昇の緩和することができる。これにより、工場内の労働環境を改善できる上、冷房等の電力を節電できるため省エネルギーにも寄与する。また、都市部におけるCOの削減やヒートアイランド現象の抑制に寄与する。
第13の発明は、第1〜12のいずれかの発明において、鋼板製の屋根に設置されることを特徴とする。
第14の発明は、第1〜13のいずれかの発明において、前記屋根に、前記植物へ散水可能な散水器を設けてなることを特徴とする。
本発明の屋根緑化装置によれば、茎又は葉に直接散水することができ、空中湿度を保つとともに夏場などの気温が高い際に葉の温度を下げて植物の生育環境を改善し、またハダニやアブラムシ等の発生を防止することができる。また、屋根の温度を低下させることができ、夏場の建屋内の温度上昇の緩和できるとともに、ヒートアイランド化の抑制に寄与する。
第15の発明は、第1〜14のいずれかの発明において、前記屋根に設置される雨樋の上側に設けられ、雨水を通過させるスクリーンを備える略凹状の葉受けを設けるとともに、前記葉受けの内側に、ワイヤーが繋がれ、前記ワイヤーを引っ張ることで前記葉受け内を長手方向に移動させることより、前記葉受けに溜まった前記植物の落葉等をかきとり可能なかきとり体を備えるかきとり装置を設けたことを特徴とする。
本発明の屋根緑化装置によれば、屋根をつたって流れる雨水は、スクリーンを通過してその下側の雨樋に落ちることになるので、葉受けには水が溜まることなく落葉のみが捕らえられ、ワイヤーが繋がれるかきとり体を、そのワイヤーを引っ張り、葉受け内を移動させることによって、葉受けに溜まった落葉をかき集めて、葉受け内を清掃することができる。これにより、屋根に繁茂する植物から落ちる落葉等で雨樋を詰まらせるようなことは生じない。
本発明によれば、既設構造物の屋根に設置可能な軽量型の緑化装置を提供できる。
本発明に係る屋根緑化装置を工場などの建屋で使用されるスレート屋根に適用した場合の外観を示す斜視図である。 図1の緑化装置のうち培地の部分を抜粋した図である。 図2のa)縦断面図と、b)A−A’横断面図である。 (a)滴下給水方式を採用した培地の一例を示す縦断面図と、(b)A−A’横断面図である。 図1の屋根緑化装置のうち、骨組材に係る部分及びその周辺部を拡大した拡大斜視図である。 図5のC方向からみた時のスレート屋根と骨組材との配置を示す図である。 図5の骨組材を網材に変更した構成を示す斜視図である。 図6のスレート屋根を鋼板屋根へ変更した場合の骨組材の設置構成を示す図である。 循環システムの液肥の流れ及び機器の詳細を示す系統図である。 空気混合器の内部構造を示す断面図である。 図1のかきとり装置の構成部分を示すA方向から見た時の立面図である。 図1のかきとり装置の構成部分を示すB方向から見た時の内部構造図である。
以下、本発明の好ましい一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明に係る屋根緑化装置10を工場などの建屋で使用されるスレート屋根12に適用した場合の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、屋根緑化装置10は、植物を生育するためにスレート屋根12の頂上部に取り付けられる培地14と、培地14から植物をスレート屋根12に沿って伸延させるために屋根上に設けられる骨組材16と、培地14に供給される液肥18を循環するための給水管22、排水管24、液肥タンク26等からなる循環システム20とから構成される。なお、本屋根緑化装置10には、植生させる植物につる性植物又は蔦性植物を用いることができるが、本実施形態では垂下性を有するつる性植物のうち、ヘデラ・ヘリックス19(以下、ヘデラ19という)を用いている。
図2は、図1の屋根緑化装置10のうち培地14の部分を抜粋した図である。
図2に示すように、培地14は、例えば、円筒形の硬質塩化ビニル製の管(以下、塩ビ管30という)の上側にヘデラ19を植え込むための開口部28を形成したものであり、その開口部28近傍には、ヘデラ19が強風や自重などで培地14から脱落しないように、茎部又は根部を保持できるような留め具32が取り付けられている。また、培地14の端部には、液肥18を供給するための給水管22と、排水するための排水管24とが取り付けられている。
培地14を形成する容器には、培地14に日光が照射することによって発生するアオコ等の発生を防止するために遮光性を有する塩ビ管30を用いている。なお、塩ビ管30は、ヘデラ19に十分な容量を有するような形状を有するものであれば、円筒形に限らず、例えば、角型でもよい。
開口部28は、雨水の流入による液肥濃度の希釈や日光照射によるアオコ等の発生を防止するために、ヘデラ19を植え込むのに必要最小限の大きさであることが好ましい。これら開口部28は塩ビ管30の上側に所定の間隔で形成される。
留め具32には、茎部を保持する径を、ヘデラ19の生育に追随して変形できるような、例えば、軟らかい針金を一巻きに曲げたものや、茎部の保持部分をプラスチック、ゴムやスポンジなどの弾性体32aで作製されたものを用いている。
図3は、図2のa)縦断面図と、b)A−A’横断面図である。
図3に示すように、給水管22は、塩ビ管30内の下部を挿通するように設置されており、塩ビ管30内の給水管22内に送られた液肥18が培地14に均等に流出するように、多数の流出穴34が形成されている。これら流出穴34は、ヘデラ19の根が進入できない程度の大きさで形成されており、液肥18が滞りなく給水管22から流出できるようになっている。
排水管24は、ヘデラ19の根の生育のための適正な水位レベルの位置に設けられており、培地14の余分な液肥18を排水する。なお、同図では給水管22と排水管24は、培地14の同じ側の端部面に設置されているが、これに限らず、対向する端部面に夫々別々に設置してもよい。
また、ヘデラ19であれば液肥18だけでも生育可能であるが、根が浮遊状態にあることによるストレスを緩和するため、例えば、スポンジ状又はメッシュ状の育苗培地33をヘデラ19の根を覆うように設けて根を固定している。また、塩ビ管30内底部には、通気性と通水性のよいゼオライト、カキ殻又は軽石等の充填物36を蛇籠35に充填したものを配置しており、育苗培地33内から突出してくるヘデラ19の根は、充填物36へとさらに伸延できるようになっている。これら充填物36はヘデラ19の栽培に適した十分に中和処理がなされているものを使用することが好ましい。また、充填物36は蛇籠35に充填されているので、充填物36が劣化するなどして入れ替えたい場合には、蛇籠35を入れ替えることで、培地14内の充填物36を容易に交換することができる。
また、開口部28の内側には、開口部28から培地14への日光の照射を完全に遮断するために、塩ビ管30の内側の開口部28には日よけカバー37が設けられている。
なお、培地14に液肥18を供給する給水方式として、給水管22を塩ビ管30内に挿通させず、塩ビ管30の外から開口部28へ滴下させる構成を用いてもよい。
図4は、(a)滴下給水方式を採用した培地90の一例を示す縦断面図と、(b)A−A’横断面図である。
図4に示すように、培地90は、塩ビ管30の代わりに培地容器92を用いており、この培地容器92内に、ヘデラ19が植えられた植栽ケース94を複数配置する構成となっている。そして、液肥18の補給に際し、培地容器92の外部に配置された給水管22からヘデラ19の植えられた位置へ分岐するように点滴ホース96が設けられている。また、排水管24a、24bが、培地容器92の端部の上下に2本設けられており、これら2本の排水管24はその先のストレーナ93で集合するように配管されている。
培地容器92は、例えば、ステンレスや強化プラスチック製の直方体の容器であり、その内部は、仕切桁98により上下2層に部屋が分離されている。
仕切桁98には、例えば、パンチングやメッシュが施されたステンレス板が用いられ、液肥18が上下部屋間を通過できるようになっている。また、仕切桁98によって仕切られた下側の部屋には、先に説明したカキ殻等の充填物36が充填されている。
植栽ケース94は、培地容器92内の仕切桁98の上に置けるようになっている。
また、培地容器92の上面には、培地容器92とヒンジで接合され、開閉可能な日よけカバー37が、培地容器92内に配置される植栽ケース94の大きさに対応するように分割されて設けられている。日よけカバー37は、ヘデラ19の茎部が通過できる程度の開口部28が形成され、また、ヘデラ19が成長後でも開閉の際に茎部や葉部を開口部28から外せるように、さらに中央部100で分割されている。点滴ホース96の先端は、日よけカバー37が閉められた後、開口部28からヘデラ19が植栽される位置に設置され、適量の液肥18が滴下されるようになっている。
植栽ケース94は、例えば、ステンレスや強化プラスチック製等の容器からなり、その底面は、点滴ホース96から供給されて植栽ケース94の底まで浸透した液肥18が通過できるようにメッシュ構造となっている。これら植栽ケース94には、ヘデラ19を、例えば、1ケースに2本植え込む。
排水管24には、培地容器92内の仕切桁98により上下2層に分離される部屋に夫々接続するように、上側排水管24aと下側排水管24bが設置されている。これは、通常、植栽ケース94に補給された液肥18は、植栽ケース94の底部を通過して、培地容器92の下層部屋に浸出し、培地容器92の底部で集水されて下側排水管24bを通じて排水されることになるが、液肥18の排水が、給水量の増加又は雨水の混入等により追いつかず、培地容器92内の液肥18が増水した場合には、上側排水管24aから強制的に排水するためである。これにより、ヘデラ19の根腐れを防止できる。
また、上側排水管24aと下側排水管24bとが集合するストレーナ93内には、例えば、管の詰まりとなるゴミ等を除去するためのフィルタが設けられている。
なお、培地90では、培地容器92に屋根長さに対応した1本の長いケース等を用いたが、これに限らず、複数に分割して設置してもよい。この場合には、各培地容器92内の液肥18の水位が同一となるように、例えば、各培地容器92間を連結管等で接続する。
図5は、図1の屋根緑化装置10のうち、骨組材16に係る部分及びその周辺部を拡大した拡大斜視図である。
図5に示すように、骨組材16には、例えば、アルミ、鉄又はステンレスなどの軽量かつ剛性の高い材質で、Cチャンネル、あるいは中空角型材に長手方向に沿って上面全域に亘って切り欠きを形成したものが用いられる。そして、スレート屋根12に計画通りにヘデラ19を繁茂させるために、骨組材16は、例えば、C型又は切り欠きの開口面を上方に向けて、ヘデラ19が植え込まれる開口部28近傍からスレート屋根12に沿って設けられる縦材16aと、これら縦材16aと直交する方向に設けられる横材16bとに格子状に組まれて設置される。
骨組材16内には、例えば、スポンジ、ジュート、藁や籾殻のような吸湿性と保水性を有する吸湿保水材38が骨組材16内から脱落しないように充填されており、伸延したヘデラ19が適宜根を下ろして自力で保持できるようになっている。
また、下ろした根が水分を吸収できるように、例えば、縦材16aの設置される位置における塩ビ管30に点滴穴40を設けて、塩ビ管30内の液肥18を吸湿保水材38に点滴したり、散水器42を屋根の頂上部に複数設け(図1参照)、これら散水器42から屋根全体に液肥を散水したりして吸湿保水材38に保水できるようになっている。
なお、保水材充填の骨組み材の代わりに、スレート屋根の全面に保水性のよい構造のマット状の培地を飛散しないように固定し、培地に下ろした根が水分を吸収できるような構造としてもよいが、この場合は、培地の底面は水や根の浸入をさせない材質のものを使用するのが好ましい。
図6は、図5のC方向からみた時のスレート屋根12と骨組材16との配置を示す図である。
図6に示すように、骨組材16はスレート屋根12から所定の間隔を隔てて設置される。これは、ヘデラ19が十分繁茂するまでの間、真夏の焼けた屋根に直接触れることによる葉焼けを起こさせないためおよび繁茂した葉や茎がスレート溝の雨水の流れを阻害することを防止するためである。また、植栽するつる性植物の種類によっては気根という吸盤状の根を出して壁面等に貼りつく性質を有するものもあるため、この気根がスレート屋根12等に一旦貼りついてしまうと、ヘデラ19が枯れてしまった際などの屋根緑化装置10を交換したい時に、取り外しが困難になるだけでなく、スレート屋根12に気根跡が残ってしまい、屋根表面を汚してしまうおそれがあるのを回避するためである。
骨組材16のスレート屋根12への設置は、例えば、スレート屋根12を建屋に固定している既設のボルト44等を利用し、このボルト44等に間隔を隔てるためのスペーサー46を連結して、さらにこのスペーサー46と縦材16a及び横材16bの骨組材16を再びボルト44等で固定する。また、骨組材16の端部にジョイント48を介して保持材50を連結させて、この保持材50をボルト44等で壁面等に固定してもよい。これにより、風圧や荷重等に十分耐えうるようにしっかりと骨組材16を固定できる。
なお、骨組材16とスレート屋根12との間にスペースを保つような何らかの部材を介在させて、ワイヤー等で骨組材16を抑えるように壁面等に緊締してもよい。
また、万が一、ヘデラ19がスレート屋根12に到達した場合、スレート屋根12面上で繁茂することによって屋根上の雨水の流れがせき止められ、これら雨水がスレート屋根12の接合部から建屋内に進入してきたり、あるいは根がスレート間の継ぎ目に伸延したりすることに留意する必要があることから、目地材52でスレート間の継ぎ目を塞いでおくことが好ましい。
また、ヘデラ19を伸延されるための支持部材に、骨組材16の代わりに金網やネットなどの網材を用いてもよい。
図7は、図5の骨組材16を網材17に変更した構成を示す斜視図である。
図7に示すように、網材17は、骨組材16の設置と同様に、スレート屋根12に沿うとともに、屋根からスペースを保つために、例えば、上記説明したスペーサー46などを用いてボルト44等で固定し、設置されるようにする。また、網材17を用いた場合には、吸湿保水材38を設置できないため、ヘデラ19は自力で固定できないので、ワイヤーや縄等でヘデラ19の体を適宜網材17に留めておく。 なお、網材17の代わりに、棒材やワイヤー等で適当なマス目を構成して、これに適宜ヘデラ19の体をワイヤーや縄等で適宜留めながらヘデラ19を伸延させる構成にしてもよい。
また、ヘデラを伸延させる部材を上記説明した骨組材16、網材17、又は棒材やワイヤー等を組み合わせた構成にしてもよい。
本実施形態による屋根緑化装置10は工場の屋根がスレート屋根12である場合の設置例を説明したが、これに限らず、屋根が鋼板製の鋼板屋根に適用してもよい。
図8は、図6のスレート屋根12を鋼板屋根へ変更した場合の骨組材の設置構成を示す図である。
図8に示すように、一般に鋼板屋根15は屋根表面の凹凸の起伏がスレート屋根12よりも大きいので、特に上記説明したスペーサー46を用いることなく骨組材16を設置できる。すなわち、例えば、鋼板屋根15を固定する既設ボルト44が鋼板屋根15の凸部より突出している場合には、このボルト44を利用して骨組材16を固定する。また、鋼板屋根15の凸部にボルト44がない場合でも、凸部が平坦である場合には、接着剤等を用いて骨組材16と鋼板屋根15とを接着させて固定してもよい。
次に、循環システム20について説明する。
図9は、循環システム20の液肥の流れ及び機器の詳細を示す系統図である。
図9に示すように、循環システム20は、液肥18を貯めるための液肥タンク26と、液肥タンク26から培地14へ液肥18を供給するための給水管22及びポンプP1と、培地14の余分な液肥18を液肥タンク26へ排水するための排水管24と、給水管22と排水管24とを連絡するバイパス管54と、水流を制御するための各種バルブ(V1〜V4)と、循環する液肥18に空気を混合する空気混合器56と、培地14へ供給する液肥18を滅菌する滅菌装置58と、タンク内の液肥18の温度を調節するヒータ60及びクーラ62と、液肥タンク26もしくは培地14の液肥18を監視する各種センサ(S1〜S4)と、それらセンサによる測定値の表示、記録、もしくは異常を警告するデータロガー64とから構成される。
液肥タンク26は、培地14に十分な液肥を供給できる程度の容量を有し、例えば、金属製やプラスチック製のもので遮光性を有するものが好ましい。
また、給水管22及び排水管24にも遮光性を有する材質である、例えば、汎用の水道管や硬質塩ビ管を用いることが好ましい。なお、これに限らず、配管等の取り回しの容易性を考慮して、容易に屈曲可能な軟質の塩化ビニルパイプを用いてもよい。
ポンプP1は、液肥タンク26に貯水された液肥18を、給水管22を通じて屋根の頂上部に設けられた培地14に十分給水できる性能を備えている。
また、系統内の給水管22、排水管24及びバイパス管54にはバルブV1〜V3が夫々設けられており、これらバルブを適宜開閉することにより、系統内の液肥18の流れを制御できるようになっている。例えば、通常時には、液肥バルブV1及びV2は開け、バルブV3を閉めることによって、培地14と液肥タンク26との間で液肥18を循環させている。一方、培地14の排水口に詰まりなどが生じてしまい、その詰まりを解消したい場合には、液肥バルブV1及びV2は閉め、バルブV3を開けることによって、排水管24の液肥18を逆流させて排水口に詰まったものを培地14にはき出させることができる。
空気混合器56は、液肥18中に空気を混合するためのものであり、例えば、排水管24におけるバルブV2と液肥タンク26との間に設けられる。
図10は、空気混合器56の内部構造を示す断面図である。
図10に示すように、空気混合器56は、一方向の流れに対して互いに逆方向の回転するような二枚のプロペラ66が、排水管24の管路内に、排水管24の管軸と同軸に設置され、これらプロペラ66の設置位置近傍に、排水管24の内外を貫通する空気穴68が形成されたものである。この構造により、例えば、上方から液体が流れてきた場合には、排水管24内を水と空気の流れが生じ、排水管24内の空気圧が管外の外圧と比べて負圧になって、空気穴68から排水管24内に空気が流入し、さらに流れによって互いに逆回転する2枚のプロペラ66により、排水管24内の水と空気とが攪拌されて混合することによって液肥18中に空気が取り入れられる。なお、空気混合器56内には、円筒状のフレームからなるランナー収納ケース67が設けられ、プロペラ66の回転軸69は、このランナー収納ケース67に備えられる軸受71により支持されている。
滅菌装置58(図9参照)は、立ち枯れ病を引き起こすフザリウム菌や水温上昇時に顕著になるバクテリアなどによる根腐れなど、菌の繁殖を抑制するためのものであり、例えば、給水管22におけるバルブV1と培地14との間に設けられる。滅菌装置58には、例えば、液肥18を加温することで滅菌するものや、液肥18に殺菌灯による紫外線を照射するものなどあるが、滅菌可能なものであればどのようなものでもよい。また、液肥タンク26自体に加温又は紫外線照射のような機能を備えるものであれば、特に管路内に設けなくてもよい。
液肥18の温度調節には、冬場の凍結を防止するとともに、液肥18の温度を適正に保つ(例えば、マイナス5℃以上)ためのヒータ60と、夏場、培地14内の液肥18が異常に上昇しないように(例えば、30℃以下)、液肥18を冷却するクーラ62とが、液肥タンク26内に設けられている。
液肥タンク26には、液肥18の温度、液肥18の濃度及び水位を監視するための温度センサS1、濃度センサS2及び水位センサS3が設けられており、これら各センサによる測定値はデータロガー64で監視及び記録され、異常値を示す場合に警報で知らせるようになっている。なお、培地14にも水位センサS4が設置され、各センサS1〜S3とともに監視及び記録されている。
なお、温度センサS1で測定する温度に応じて、ヒータ60及びクーラ62の制御を行う制御装置70を設けてもよい。
また、散水器42から散水される液肥18を給水管22から分岐する系統にし、分岐途中にバルブV4を設け、バルブV4の開閉により散水の制御をしてもよい。
また、節水に努めるために、液肥タンク26で用いる水源を屋外に設けられた雨水集水マス72などから雨水を給水する構成としてもよい。また、この場合、所定の集水量に応じて起動して液肥タンク26に雨水を供給し、液肥タンク26に十分に水が補給すると停止するポンプP2を設けてもよい。
また、循環システム20の電源は、省エネルギーと環境対策に配慮するために蓄電式の太陽光発電でまかなうことが好ましい。
再び図1に示すように、スレート屋根12の上に落ちる落葉が雨樋13に溜まって雨樋13が詰まるのを防止するために、スレート屋根12の最下部の上側に葉受け74と、葉受けに溜まった落葉等を清掃するかきとり装置76とが設けられている。
図11はかきとり装置の構成部分を示す図1のA方向から見た時の立面図であり、図12は図1のB方向から見た時の内部構造図である。
図11及び図12に示すように、葉受け74は、例えば、塩ビ製の円筒パイプの円周上の半分程度を切り欠いた受け部77の周端部に櫛状のスクリーン78を取り付け、このスクリーン78の先端を、スレート屋根12の凹凸状の端部に差し込みながら雨樋13に沿わせて設置したものであり、雨樋13の長手方向に沿って雨樋13と同等の長さに亘って設置される。
また、葉受け74の受け部77内には、例えば、円筒状のかきとり缶80と、地上から雨樋13の端部を介してかきとり缶80に繋がれるワイヤー82とからなるかきとり装置76が設けられている。
これらにより、スレート屋根12をつたって流れる雨水は、スクリーン78を通過してその下側の雨樋13に落ちることになるので、葉受け74には水が溜まることなく落葉のみを捕らえられ、さらに地上からワイヤー82を引っ張ってかきとり缶80を長手方向に移動させることで溜まった落葉を清掃することができる。
以上説明したように、本実施形態による屋根緑化装置10によれば、培地14を直接スレート屋根12に直接設置し、支柱などの重量物を設けることない簡易かつ軽量な構成であることにより、工場の建屋に使用されるスレート屋根12においても設置が可能である。
また、培地14を形成する塩ビ管30は、ヘデラ19が植え込まれる部分にのみに開口部28が形成されることにより、培地14への雨水の流入や日光の照射を最小限に止めることができ、液肥18の濃度の維持又はアオコ等の発生を防止するため、ヘデラ19の生育に適した環境として培地14を維持することができる。
また、本実施形態の屋根緑化装置10によれば、循環システム20を備えることにより、培地14へ供給する液肥18を繰り返し循環して用いることができ、栽培のために要する液肥18の使用量を節減できる。
また、本実施形態の循環システム20の液肥タンク26によれば、ヒータ60及びクーラ62を備えることにより、培地14に補給される液肥18の温度が、夏季などにヘデラ19が生育するには過度に高くなったり、冬季などには液肥18の使用に適さない低温なったり、又は液肥18が凍結したりすることから回避できるので、ヘデラ19の適正な生育環境の維持に寄与する。
また、本実施形態の循環システム20によれば、液肥タンク26の温度、液肥タンク26の濃度、液肥タンク26の水位、及び培地14の液肥タンク26の水位を監視するための温度センサS1、濃度センサS2、水位センサS3及びS4を備え、これら各センサによる測定値はデータロガー64で監視及び記録され、異常値を示す場合に警報で知らせるようになることにより、ヘデラ19の生育環境に影響する要因である液肥タンクの温度、濃度、水位、及び培地14の水位を簡易かつ適正に維持管理できる。
また、本実施形態の循環システム20によれば、排水管24及びバイパス管54と、排水管24内の液肥18の流れを逆流制御できるバルブV1〜V3を備えることにより、培地14から排水される排水管24の排水口付近に詰まりが生じた場合に、排水管24から培地14へ水流を逆流させることによって容易に排水管24内の詰まりを解消することができる。このため、詰まりが生じた場合の排水管24の交換等の修繕作業を回避することができ、コスト低減に寄与する。
また、本実施形態の循環システム20によれば、空気混合器56を備えることにより、排水管24内を流れる液肥18に空気を混合することができ、この空気が混入された液肥18を用いてヘデラ19を栽培することにより、ヘデラ19の根の呼吸作用を促進させることができ、ヘデラ19を良好に生育させることができる。
また、本実施形態の培地14を形成する塩ビ管30は、育苗培地33及び留め具32を備えることにより、ヘデラ19の根部や茎部を保持することができるので、ヘデラ19にその根が保持されていない状態の時に生じるストレスを軽減し、ヘデラ19を良好に生育させることができる。また、ヘデラ19が塩ビ管30から脱落することを防止できる。
また、本実施形態の屋根緑化装置10によれば、培地14にゼオライトやカキ殻等の充填物36を充填することにより、培地14内の通気性及び通水性を維持することができ、ヘデラ19を良好に生育させることができる。
また、本実施形態の屋根緑化装置10によれば、骨組材16又は網材17は、スレート屋根12と所定の距離を隔てて設けられることにより、例えば、夏季など日照によってスレート屋根12の表面近傍の温度が上昇することによって、ヘデラ19の生育環境が悪化したり、ヘデラ19自体が熱せられたスレート屋根12に接触してダメージを被ったりすることから回避できる。
また、気根を有するつる性植物が植栽される場合でも、気根がスレート屋根12に到達することを回避できるので、つる性植物が枯れてしまった際などの緑化装置の交換を容易にし、またスレート屋根12に気根跡が残ってしまって屋根表面を汚してしまうことを防止できる。
また、本実施形態の屋根緑化装置10によれば、骨組材16には、Cチャンネル、あるいは中空角型材に長手方向に沿って上面全域に亘って切り欠きを形成されたものが用いられ、吸湿保水材38が骨組材16内から脱落しないように充填されていることにより、ヘデラ19の根を、骨組材16内の吸湿保水材38に適宜下ろさせることができるので、ヘデラ19を骨組材16に保持するための保持具等を用いることなく自力で保持することができる。また、吸湿保水材38から水分又は液肥18を補給することにもなるので、ヘデラ19の成長を促進させることができる。
また、本実施形態の屋根緑化装置10によれば、工場の建屋のスレート屋根12に設置することにより、経年使用の末、日焼けによる劣化を生じて黒色系にその表面が変化していくスレート屋根を、緑化して美観化できるとともに、屋根に直射日光が当たるのをヘデラ19が遮ることになるので夏季の日照による屋根温度の上昇にともなう屋内温度の上昇を緩和することができる。これにより、工場内の労働環境を改善できる上、冷房に使用される電力等を節電できるため省エネルギーにも寄与する。また、都市部におけるCOの削減やヒートアイランド現象の抑制に寄与する。
また、本実施形態の屋根緑化装置10によれば、給水管22の経路内に滅菌装置58が備えられていることにより、培地14に供給する液肥18を滅菌して培地14内の菌の繁殖を回避することができ、培地14を植物の良好な生育環境として維持できる。長期間にわたる水耕栽培においては、生育に影響を与える菌の発生はきわめて重要な解決すべき課題であり、重要であるが、このような場合には特に滅菌装置58はその効果を発揮する。
さらに、水耕栽培を行う際には液肥18を長期間にわたり使用すると老廃物や特定の肥料成分の余剰を生じることから、定期的に適当な間隔を置いて液肥18の一部または全量を交換する必要があるが、本実施形態の循環システム20によれば、液肥タンク26を備えているので、液肥タンク26内の液肥18を交換することで、液肥18の維持管理を容易に行うことができる。
また、本実施形態の屋根緑化装置10によれば、スレート屋根12の屋根の頂上部に散水器42が複数設けられることにより、ヘデラ19の茎又は葉に直接散水することができ、空中湿度を保つとともに夏場などの気温が高い際に葉の温度を下げて植物の生育環境を改善し、またハダニやアブラムシ等の発生を防止することができる。また、スレート屋根12の温度を低下させることができ、夏場の屋内の温度上昇を緩和できるとともに、ヒートアイランド化の抑制に寄与する。
また、本実施形態の屋根緑化装置10によれば、スレート屋根12に葉受け74とかきとり装置76を備えることにより、スレート屋根12をつたって流れる雨水は、葉受け74のスクリーン78を通過してその下側の雨樋13に落ちることになるので、葉受け74には水が溜まることなく落葉のみが捕らえられ、ワイヤー82が繋がれるかきとり缶80を、そのワイヤー82を引っ張り、葉受け74内を移動させることによって葉受け74に溜まった落葉をかき集めて、葉受け74内を清掃することができる。これにより、スレート屋根12に繁茂するヘデラ19から落ちる落葉等で雨樋13を詰まらせるようなことは生じない。
なお、本実施形態による屋根緑化装置10の培地14によれば、一屋根に対し一つ設置する例を示したが、これに限らず、屋根の傾斜方向の長さに応じて複数設置してもよい(図示しない)。この場合、追加する培地14は屋根上に水平方向に設置する。
また、本実施形態による屋根緑化装置10によれば、空気混合器56は排水管24におけるバルブV3と液肥タンク26との間に設けられるとしたが、これに限らず、給水管22の管路に設けても良い。また、空気混合器56を用いず、エアーポンプの空気噴出口を液肥タンク26に設け、液肥18に直接空気を噴きこむ構成としてもよい。
また、本実施形態による屋根緑化装置10によれば、ヘデラ19を伸延させるための骨組材16や網材17をスレート屋根12に設置したが、これに限らず、これら骨組材16や網材17を省略してもよい。この場合、ヘデラはスレート屋根に沿って垂下しながら成長することになるが、その伸延方向が風で乱れないようにヘデラ19の上部に一定の間隔を隔てて網材等で被せる構成としてもよい。
10 緑化装置 12 スレート屋根
13 雨樋 14、90 培地
15 鋼板屋根 16 骨組材
17 網材 18 液肥
19 ヘデラ 20 循環システム
22 給水管 24 排水管
26 液肥タンク 28 開口部
30 塩ビ管 36 充填物
38 吸湿保水材 42 散水器
50 保持材 56 空気混合器
58 滅菌装置 60 ヒータ
62 クーラ 64 データロガー
66 プロペラ 68 空気穴
74 葉受け 76 かきとり装置
78 スクリーン 80 かきとり缶
82 ワイヤー V1、V2、V3 バルブ
P1、P2 ポンプ S1 温度センサ
S2 濃度センサ S3、S4 水位センサ

Claims (15)

  1. 構造物の屋根を緑化する装置であって、
    植物の培地となる管体と、繁茂した前記植物を支持する骨組材又は網材あるいはマット状保水材とが前記屋根の表面に沿ってとりつけられてなることを特徴とする屋根緑化装置。
  2. 前記管体は、前記植物が植え込まれる部分にのみ開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の屋根緑化装置。
  3. 液肥を貯留する液肥タンクと、液肥を前記液肥タンクから前記管体へ供給する給水管と、前記管体から排出された液肥を前記液肥タンクへ戻す排水管と、前記液肥タンク内の液肥を前記給水管へ送り込むポンプとを含む循環装置を備えること特徴とする請求項1又は2に記載の屋根緑化装置。
  4. 前記循環装置は、液肥を前記排水管から前記管体へ逆流させるための逆流手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の屋根緑化装置。
  5. 前記タンクは、前記タンク内に貯留される液肥の温度を調節可能なヒータ及びクーラを備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の屋根緑化装置。
  6. 前記循環装置は、前記タンク内の液肥の温度を測定する温度センサ、前記タンク内の液肥の濃度を測定する濃度センサ、前記タンク内の液肥の水位を測定する水位センサ、又は前記管体内の液肥の水位を測定する水位センサのうち少なくとも一つセンサを具備するとともに、
    前記具備するセンサによる測定値が異常を示す値である場合にその異常を警告する機能を有し、かつ前記測定値を自動的に記録する監視記録装置とを備えることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の屋根緑化装置。
  7. 前記給水管又は排水管の内部に、一対のプロペラが、前記管路内での液肥の流れによって互いに逆方向に回転するように設置され、これらプロペラの設置位置近傍に、前記給水管又は排水管の内外を貫通する空気穴が形成されてなる空気混入装置を備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の屋根緑化装置。
  8. 前記循環装置の循環系統内に、液肥内に繁殖する菌を滅菌する滅菌処理装置が設けられていることを特徴とする請求項3〜7に記載の屋根緑化装置。
  9. 前記滅菌処理装置は、紫外線照射又は加熱による滅菌処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の屋根緑化装置。
  10. 前記管体に、前記植物を保持する保持具が設けられていることを特徴とする請求項1〜
    9のいずれかに記載の屋根緑化装置。
  11. 前記管体内に、ゼオライト、カキ殻又は軽石が充填されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の屋根緑化装置。
  12. スレート製の屋根に設置されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の屋根緑化装置。
  13. 鋼板製の屋根に設置されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の屋根緑化装置。
  14. 前記屋根に、前記植物へ散水可能な散水器を設けてなることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の屋根緑化装置。
  15. 前記屋根に設置される雨樋の上側に設けられ、雨水を通過させるスクリーンを備える略凹状の葉受けを設けるとともに、
    前記葉受けの内側に、ワイヤーが繋がれ、前記ワイヤーを引っ張ることで前記葉受け内を長手方向に移動させることより、前記葉受けに溜まった前記植物の落葉等をかきとり可能なかきとり体を備えるかきとり装置を設けたことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の屋根緑化装置。
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