JP4083181B2 - 栽培方法並びに栽培施設 - Google Patents

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Description

本発明は、野菜類の栽培方法、特にクレソンやわさび等のような水性の野菜並びにねぎやホウレンソウなどのような陸性の葉野菜の栽培方法に関する。ただし、野菜類以外の植物の栽培にも適用できる。
私達日本人が毎日食している野菜類のうち、ねぎやホウレンソウなどは、陸性の野菜であり、畑で栽培される。一方、クレソンやエンサイ(沖縄では、ウンチェーと呼ばれている)、わさび等のような水性の野菜は、水田での栽培が適している。
クレソンも最近は水田で栽培されるようになっているが、主として川の縁や泉を利用してのごく限られた範囲でしか栽培されていなかった。栽培技術が確立されていないこともあって、収穫量が少ないため、クレソンは常に高値安定を維持しており、簡単には手に入らない高価な特種野菜となっている。その結果、レストランにおける肉料理や魚料理の添え物にしか利用されていないのが実状である。
実開昭51−20943
クレソンは栄養価も高く、しかもおいしいので、緑黄色野菜の王様と言われて来たホウレンソウ並みの安価な値段で出荷でき、消費者が安価に入手して毎日の食卓で摂取できるようにすることが望まれる。
それを実現するには、周年栽培を可能とすることによって値段を低廉化かつ安定化させることが必要である。
クレソンの栽培上の特徴としては、栽培に適した環境さえあれば、高度な技術は不要で、誰にでも容易に栽培できる。また、肥料も殆ど不要で、栽培の手間もかからない。ところが、大量の水と新鮮な水が要求されるため、大量栽培ができない、というのが欠点であった。
したがって、給水や散水に手間がかかり、そのための人件費も高くなる。ホウレンソウなどの陸性植物の場合も、給水や肥料などの管理さえ円滑に行えれば、市場に安価に供給でき、また周年栽培も可能である。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、大量の水を必要とせずに、しかも円滑かつ容易に水管理や肥料管理ができ、水性野菜や陸性野菜などの植物の栽培に適した施設と栽培技術を実現することにある。
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、水を溜められる囲いの中において、水を溜めた状態で砂と土壌と水とを攪拌してから放置し、比重差により先に砂を沈殿させ、その上に土壌の層を堆積させることによって、5〜30cm厚の砂の層の上に、3〜20cm厚の土壌の層を形成することを特徴とする栽培施設の層形成方法である。
このように、水を溜めた状態で砂と土壌と水をかき混ぜてから放置する方法によると、比重差により先に砂が沈殿し、その上に土壌の層が堆積するので、5〜30cm厚の砂の層の上に、3〜20cm厚の土壌の層を設けることが容易に可能となる。したがって、先に砂の層を均一かつ水平に敷設した後、その上に土壌の層を均一かつ水平に敷設するといった高度な人為的な作業が不必要となり、労力が省け、低コストで栽培できる。なお、砂層の層厚は9〜11cm程度が適しているが、植物によっては5〜30cm厚程度までは許容される。また、土壌層は、植物によっては3〜20cm厚程度の範囲までは許容される。
請求項2は、年に1回程度、前記のように水を溜めた状態で攪拌して放置するという処理を行なうことを特徴とする請求項1に記載の栽培施設の層形成方法である。このように、年に1回程度、前記のように水を溜めた状態で攪拌して放置するという処理を行なうと、砂や土壌が洗浄されるので、悪影響を及ぼす微生物を排除したり死滅させることができる。
請求項3は、請求項1又は2に記載の栽培施設の層形成方法によって砂の層の上に土壌の層を形成して植物を栽培し、
前記の囲い内に、前記土壌の層の表面より下側の所定の水位まで給水した後、所定時間放置し、次いで排水した後、再度、前記の所定の水位まで給水する、という操作を繰り返すこと又は前記砂層の下部で常時水を流しっ放しにすることを特徴とする栽培方法である。排水した後、次の給水までの間隔は、状況に応じて任意に設定する。この栽培方法は、ホウレンソウなどのような陸性の植物を栽培するのに適している。
このように、砂の層の上に土壌の層を設けて植物を栽培し、所定の水位まで給水した後、所定時間放置し、次いで排水した後、再度、所定の水位まで給水し、水を全部入れ替えることによって、少なくとも砂の層を確実に水洗できるので、有機物の腐敗などの問題が生じない。なお、砂は水はけが良いので、比較的短時間に全部排水できる。
また、酸素を含んだ新たな水が供給されるので、充分な酸素を植物の根に供給できる。砂層栽培のように、囲い内の水を流しっ放しにするのでなく、長時間放置し溜めておくので、水の消費量が少なく、経済的であり、水源の確保も容易になる。
水位は、土壌層の表面より下側の所定の水位まで給水するので、土壌の表面が水浸しとなり、土壌表面の肥料成分が流出することはない。囲い内への給水や排水の操作は、自動化や遠隔操作によっても容易に実現でき、省力化による人件費の節減も可能となる。なお、前記砂層の下部で常時水を流しっ放しにする方法も可能である。
請求項1のように、水を溜めた状態で砂と土壌と水をかき混ぜてから放置する方法によると、比重差により先に砂が沈殿し、その上に土壌の層が堆積するので、5〜30cm厚の砂の層の上に、3〜20cm厚の土壌の層を設けることが容易に可能となる。したがって、先に砂の層を均一かつ水平に敷設した後、その上に土壌の層を均一かつ水平に敷設するといった高度な人為的な作業が不必要となり、労力が省け、低コストで栽培できる。なお、砂層の層厚は9〜11cm程度が適しているが、植物によっては5〜30cm厚程度までは許容される。また、土壌層は、植物によっては3〜20cm厚程度の範囲までは許容される。
請求項2のように、年に1回程度、前記のように水を溜めた状態で耕して放置するという処理を行なうと、砂や土壌が洗浄されるので、悪影響を及ぼす微生物を排除したり死滅させることができる。
請求項3のように、砂の層の上に土壌の層を設けて植物を栽培し、所定の水位まで給水した後、所定時間放置し、次いで排水した後、再度、所定の水位まで給水し、水を全部入れ替えることによって、少なくとも砂の層を確実に水洗できるので、有機物の腐敗などの問題が生じない。なお、砂は水はけが良いので、比較的短時間に全部排水できる。
また、酸素を含んだ新たな水が供給されるので、充分な酸素を植物の根に供給できる。砂層栽培のように、囲い内の水を流しっ放しにするのでなく、長時間放置し溜めておくので、水の消費量が少なく、経済的であり、水源の確保も容易になる。
水位は、土壌層の表面より下側の所定の水位まで給水するので、土壌の表面が水浸しとなり、土壌表面の肥料成分が流出することはない。囲い内への給水や排水の操作は、自動化や遠隔操作によっても容易に実現でき、省力化による人件費の節減も可能となる。なお、前記砂層の下部で常時水を流しっ放しにする方法も可能である。
次に本発明による栽培方法ならび栽培施設が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は本発明による栽培施設の平面図であり、水を溜められるようにコンクリート製の囲い1を設けてある。この囲い1は、コンクリートブロックを積んで形成してもよいし、住宅の壁部を施工する場合のように、型枠を用いて現場で打設してもよい。あるいは、発泡スチロールその他の合成樹脂を用いて囲い1を形成してもよい。
この囲い1には、囲い内に給水するための給水口iを有しており、ほぼ反対側には排水用の排水口Oを設けてある。図2は、図1のA−A断面図であり、給水口iから流入した水は、囲い1内に溜まってから排水口Oから流出する。
2は水密底であり、囲い1内に溜められた水が漏れないようにコンクリート等でほぼ平らに形成されている。あるいは、自然の地面を展圧して硬め、水漏れしないようにする。ビニールシートを敷いたりしても実現できる。
この水密底2の上に、厚さT≒6〜8cm程度の砂の層3を敷設してあり、この砂の層3にクレソンなどを栽培する。すなわち、砂層3中に給水口iから給水して、砂層3中の所定の水位まで水を溜めるとともに、余分な水は排水口Oから流出させる。こうして、砂層3中に適度の湿りを与えたり、下部を水浸しにした状態で、砂層3に栽培を行なう。なお、前記排水口Oを砂層3より低くして、囲い1中の水を確実に排水できるようにしてある。Vは開閉弁である。
囲い1の上面には、ネットを引っ掛けるための手段4を所定の間隔で植設してある。例えば、ネットの引っ掛け手段4として、鉄筋やボルト、太い釘などを用い、囲い1の上面に立てて固定しておく。間隔は、例えば1m程度とする。
図3は、ネット引っ掛け具4に、ネット5を引っ掛けた状態であり、囲い1内の上部にネット5が張られた状態となる。6は、砂層3に栽培されている植物であり、植物6の上端がネット5に接しない程度がよい。植物として、クレソンなどの水性の野菜などを栽培する場合は、その高さは、精々30〜50cm程度であるから、囲い1の高さは、砂層3の表面から60cm程度が適している。
このように、囲い内の上部にネット5を張ると、囲い内の植物6や培地に対する日照や温度、湿度などをコントロールできる。植物に対する風除けや虫除けにもなる。大雨の場合は、ネット5に当たって霧状に飛散するので、植物が強雨に打たれて劣化する恐れもない。ネット5のメッシュや色などは、状況に応じて適宜選択する。なお、引っ掛け具4を利用してパイプ14の両端を立てて囲い内の上部にアーチ状を形成し、その上にビニールを張れば、霜害を防止できる。
この砂層3を利用してクレソンなどの植物を栽培する場合、植物の成長過程に応じて水位をコントロールするが、通常は、砂層3の表面が湿る程度の状態となるように、囲い1の給水口iから、新鮮な水を給水する。砂層3の表面が湿る程度にするには、砂層3の層厚Tが6〜8cm程度の場合は、その3分の2程度から3分の2強程度の深さdまで水に浸かる程度の水位にするのがよい。しかも、排水口Oと給水口iを開けた状態で、常時水を流しっ放しにする。
すなわち、給水口iと排水口Oを開放すると共に、それぞれの開度やオーバーフロー高さをコントロールすることによって水位dを維持しながら、囲い中の水が常時流れるようにする。水位dをコントロールするには、常時多めに給水しながら、オーバーフロー手段を用い、所定の水位dになるとオーバーフローさせてもよい。なお、水の節約のため、流しっ放しにする水量は少なめに設定してもよい。
このように、砂層3の上面が湿る程度の状態を維持できるように、砂層3の下側dで常時水を流しっ放しにすると、砂層3の上面では水流は生じないので、砂層3の上面に散布した肥料が流されることはなく、肥料が無駄になることもない。
また、植物の根が張っている砂層3の下部には、酸素を含んだ新鮮な水が流れるので、植物の根から酸素を供給できる。しかも、新鮮な水で砂層3が常時水洗されるので、有機物の腐食などの影響も発生せず、植物に悪影響を与えるといった恐れもない。このような砂栽培の場合も、囲い内の水を完全に入れ替えることも可能ではあるが、完全に排水されている間の砂層3の乾燥速度が速いので、常時ある水位dまで溜めておいて、流しっ放しにするのが水管理が容易である。
なお、水位dは、植物の種類や成長過程によっても異なり、状況に応じてコントロールするのがよい。大体は、砂層3の上面が湿る程度がよい。砂層3の上面が湿るということは、砂層3の全体Tが湿っているということである。しかしながら、必ずしも全体Tが湿っていなくても、砂層3の上面から約2cm以内であれば、深さ2cm付近の一部が湿る程度でも足りる場合もある。つまり、表面は乾燥していてもよい。
前記の実施形態のように、クレソンなどを栽培する場合は、砂層3の層厚Tは6〜8cm程度が適しているが、根が深くまで延びない植物の場合は、3〜6cm程度の層厚でも足りる場合もある。また、根が深くまで張る植物の場合は、8cm以上の層厚にしてもよい。
前記のネット5は、囲い内の植物6の上端が接しない程度がよいので、植物の種類に応じて、囲い1の高さを設定する必要がある。背の低い植物の場合は、囲い内部の栽培砂面の平均レベルから30cm程度の高さで足りる場合もあるし、背の高い植物の場合は、70cm程度まで高くする必要もある。
囲い内の上部に、ネット5を張ることによって、植物への直射日光が遮られるため、植物がダメージを受けるのを防止できる。また、囲い内の砂層3から蒸発した水分が逃げにくいため、囲い内が乾燥し過ぎないように、湿度コントロールもできる。植物が大雨に打たれて損傷したり劣化するのも防止できる。風除けや虫除けにもなることはもちろんである。
なお、このように砂層3に植物を栽培するには、クレソンやわさび等のような水性の植物が適している。したがって、えんさいやミツバ、セリナなども適している。
図4は、ねぎやホウレンソウなどのような陸性の野菜の栽培に適した栽培施設である。図4においては、水密の底部2の上に砂層3を設け、その上に土壌の層7を設けてある。この場合、砂層3の層厚Tは9〜11cm程度が適している。また、土壌層7の層厚は、栽培する植物によって異なるが、からし菜やホウレンソウ、チンゲンサイなどの場合は、9〜11cm程度がよい。普通ネギなどの場合は、6〜9cm程度がよい。大ネギなどの場合は、16〜18cm程度がよい。
この場合の水管理も、植物の種類や成長程度に応じて異なるが、通常は、入れ替え方式がよい。例えば、砂層3の3分の1から3分の2程度の深さまで浸かるような水位dまで給水した後、所定時間放置し、次いで排水口Oから全部排水する。
囲い1内の面積にもよるが、排水口Oの開閉弁Vを閉じた状態で、例えば30分位の間に給水口iから給水する。そして、前記のような水位dに達したら、給水を停止する。そして、例えば23時間程度の間放置しておく。すなわち、砂層3の下側に水を溜めた状態にしておく。次いで、約30分間、排水口Oを開放して、囲い内の水を全部排水する。
こうして排水した後、排水口Oを閉じた状態にして、再度、前記の所定の水位dまで給水する、という操作を繰り返す。なお、囲い内を全部排水した後、直ちに次の給水を開始してもよいが、植物の種類や成長程度に応じて、所定の時間間隔をおいてから、給水開始してもよい。長雨などで多湿の際も、時間間隔をおいてから給水するのがよい。また、雨量が多い場合や雨季には、この操作を中止し、排水口Oは開放状態にして、囲い内に雨水が溜まらないようにする。
このように、砂層3の上に土壌層7を設けた2層構造の栽培施設において、前記のように砂層3の一部が水に浸かる程度の水位dまで給水し、放置してから排水し、砂層3の水を入れ替える栽培方法にすると、前記の砂層栽培の場合は常時流しっ放しにするために、流れの悪いか所ではよどみが生じる恐れがあるのに比べ、水を全部完全に入れ替えて新鮮な水を使用できる。また、水の使用量を減らして栽培コストを低減でき、水の確保も容易になる。
しかも、溜めた後の水は排水して、新たな水と入れ替えるので、砂の層を水洗して、有機物の腐敗などの問題を解消できる。また、酸素を含んだ新たな水が供給されるので、充分な酸素を植物の根に供給できる。
水位dは、砂層3の全部または下側一部が水浸しになる程度とし、砂層3中の水分によって土壌層7に湿度を与えられる程度が適している。ただし、この水位dも、植物の種類や成長過程に応じて適宜選択できる。いずれにしても、土壌層7の表面まで水浸しとならないようにするので、土壌表面の肥料成分が水流で流出することはない。
なお、砂層3の層厚Tは9〜11cm程度が適しているが、植物によっては5〜30cm厚程度までは許容される。また、土壌層7は、植物によっては3〜20cm厚程度の範囲までは許容される。
このように、囲い内の水を全部入れ替える方法にしても、土壌層7は湿度を保った状態を維持でき、しかも砂層3は土壌層7の下側に位置していて乾燥は遅いので、全部排水された期間が有っても、植物が水分不足を来すといった心配はない。なお、砂層栽培の場合と同様に、下側の砂層3の下部dで流しっ放しにすることも可能ではある。
図4のように、砂層3を設け、その上に土壌層7を設けるには、人工的に層形成してもよいが、囲い1内において、水を溜めた状態で耕運機で耕すと、砂と土壌と水が攪拌される。そのまま放置しておくと、比重差によって先に砂が沈殿する。その後、砂層3の上に徐々に土壌が沈殿堆積していき、土壌層7が形成される。最後に、囲い内の水は全部排水する。
したがって、砂層3を均一かつ水平に敷設し、次に上側の土壌層7を均一かつ水平に敷設するといった複雑かつ高度な作業を要せず、低コストで栽培施設を完成できる。なお、年に1回程度、このように水を溜めた状態で耕して放置するという処理を行なうと、砂や土壌が洗浄されるので、悪影響を及ぼす微生物を排除したり死滅させることができる。
次に、囲い1内の水を常時流しっ放しにする場合の水位コントロールについて説明する。囲い1に高さの異なる複数の横孔を開けておいて、使用しない孔に栓をして閉じておけば、開放状態の横孔によって、所望の水位を設定できる。
水位コントロールする頻度が高い場合は、図5のような回転式のL字状パイプを用いるのもよい。すなわち、L字状の太いパイプPを用いて、その水平の1辺8を図4の排水口Oの位置に水平に配置し、他の1辺9は、囲い1の外で鉛直に立てる。エルボ10は、縦辺9とは一体に固定されているが、水平の辺8に対しては、回転できる。
排水口Oの内側には排水枡11を形成しておくのがよい。そして、縦辺9を真っ直ぐに立てると、縦辺9の頂端より高いレベルの水は、縦辺9の頂端からオーバーフローして、排水される。その結果、囲い内の水位はL1に維持される。
また、図5(2)に破線で示すように、縦辺9を斜めにすると、その頂端の流出口の高さが低くなって、L2より高いレベルの水はオーバーフローするので、低い水位L2が維持される。鎖線のように、完全に倒すと、囲い内の水は全部完全に排水される。
なお、枡11を囲うように、砂層3との間にフィルターFを設けて、砂がL字状パイプPに流入しないようにしてある。
図2ないし図5から明らかなように、排水口Oは囲い内の底部2a位置に設けて、囲い内の水が全部確実に排水されるようにしてある。なお、排水枡11の底を下げたりして、囲い内の底面2aより低い位置に排水口Oを設けると、排水がより確実かつ容易になる。
囲い内への給水手段も、種々工夫されている。図1の場合は、砂層3の位置で、囲い1に給水管を水平に挿通した単純に構造になっているが、図3の場合は、砂層3の上に水圧で砂が飛散しないようにスポンジや雑巾など12を敷き、その上に給水管からの水が落ちるようにしてある。
図4では、図5の枡11と同様な枡13を給水側にも設けてあり、枡13と砂層3や土壌層7との間にフィルターFを設けてある。そして、この枡13の中に、給水管iからの水が落下するようにしてある。
なお、囲い内の面積が広い場合は、給水口iや排水口Oは、それぞれ複数個所に分散して配置し、給水や排水の時間が短縮される構造にしてもよい。
以上のように、図4では、砂層3と土壌層7を用いるが、この土壌層7の土壌は、現場の状況によっては、多少の火山灰などが交じったり、有機物などが混じった土壌でもよいし、また粒度が粗目の土壌でもよい。いずれにしても、先に下側に沈殿する砂の層上に後から沈殿堆積する土壌であればよい。
本発明による栽培施設の平面図である。 図1のA−A断面図である。 ネットを張った状態の断面図である。 陸性の野菜の栽培に適した栽培施設の縦断面図である。 L字状パイプによる水位コントロール方法を示す断面図と側面図である。
符号の説明
1 囲い
2 水密底
i 給水口
O 排水口
3 砂の層
4 ネット引っ掛け手段
5 ネット
6 植物
7 土壌層
P L字状パイプ
10 エルボ
11 排水枡
F フィルター
13 給水枡

Claims (3)

  1. 水を溜められる囲いの中において、水を溜めた状態で砂と土壌と水とを攪拌してから放置し、比重差により先に砂を沈殿させ、その上に土壌の層を堆積させることによって、5〜30cm厚の砂の層の上に、3〜20cm厚の土壌の層を形成することを特徴とする栽培施設の層形成方法。
  2. 年に1回程度、前記のように水を溜めた状態で攪拌して放置するという処理を行なうことを特徴とする請求項1に記載の栽培施設の層形成方法。
  3. 請求項1又は2に記載の栽培施設の層形成方法によって砂の層の上に土壌の層を形成して植物を栽培し、
    前記の囲い内に、前記土壌の層の表面より下側の所定の水位まで給水した後、所定時間放置し、次いで排水した後、再度、前記の所定の水位まで給水する、という操作を繰り返すこと又は前記砂層の下部で常時水を流しっ放しにすることを特徴とする栽培方法。
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