JP2009207459A - 核酸抽出装置、及び核酸抽出方法 - Google Patents

核酸抽出装置、及び核酸抽出方法 Download PDF

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拓哉 岸本
Hidetoshi Watanabe
英俊 渡辺
Michihiro Onishi
通博 大西
Yuji Segawa
雄司 瀬川
Tomoteru Abe
友照 阿部
Minoru Takeda
実 武田
Hiroshi Suganuma
洋 菅沼
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Abstract

【課題】新規な核酸抽出装置を提供すること。
【解決手段】生体試料から特定の核酸を抽出する核酸抽出装置であって、生体試料が移動する流路と、前記流路内の生体試料を破砕する破砕手段と、前記流路内の生体試料中の酵素を失活させる酵素失活手段と、抽出した核酸を吸着する吸着担体と、を少なくとも備える核酸抽出装置を提供する。該核酸抽出装置は、化学的処理を用いないため、核酸の希釈が起こらず、微量サンプルからの核酸の抽出が可能であり、また、細胞破壊から核酸吸着まで単一の装置で行うことができるため、迅速に核酸抽出を行うことが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、核酸抽出装置に関する。より詳しくは、化学的処理を行わなくとも機械的に核酸を抽出可能な核酸抽出装置、及び核酸抽出方法に関する。
近年、遺伝子工学の発展に伴い、核酸の分析から得られる遺伝子情報は、医療分野、創薬分野、臨床検査分野、食品分野、農業分野、工学分野、法医学分野、犯罪鑑識分野等、様々な分野で広く利用されている。
このように、非常に広い分野で遺伝子解析が必要とされているが、遺伝子情報を解析するには、まずはその前段階で、生体試料から核酸を抽出する必要がある。
従来より生体試料から核酸を抽出する方法には、様々な手法が用いられている。古くから行われている方法としては、細胞を破壊後、有機溶媒であるフェノールやクロロホルム等を用いてタンパク質や糖質等の不純物を除去し、アルコールを加えて核酸を沈殿させる方法がある。しかし、この方法は、有害な有機溶媒を用いるといった問題があった。
そこで、これらの有害な有機溶媒を用いない方法として、引用文献1には、全血液検体に界面活性剤を接触させて血球細胞の細胞膜を破壊し、露出した細胞核を集め、更に界面活性剤と蛋白質分解酵素で処理して核膜及び核蛋白質を破壊した後、カオトロピック剤と接触させてDNA鎖を遊離させ、遊離されたDNA鎖を含む溶液にアルコール類を加えてDNA鎖を沈澱させることを特徴とするDNA鎖抽出方法が、引用文献2には、血液成分にタンパク質分解酵素、検体希釈液、塩および共沈剤を含む試薬を加えインキュベートすることにより血液成分中のタンパク質、ウイルス由来タンパク質、その他の構成成分および混在物を分解、変性し、さらにカオトロピック剤を加えて血液成分中のタンパク質、ウイルス由来タンパク質、その他の構成成分および混在物を可溶化し、有機溶媒による核酸抽出を行わずにそのまま低級アルコールを加えてアルコール沈殿を行う核酸の抽出方法が開示されている。
これらの従来技術のように、カオトロピック剤を用いる方法は、細胞を可溶化し、同時に核酸分解酵素の高次構造を破壊することが可能であるため、核酸の抽出過程において、核酸の分解を抑制できるというメリットがあった。
しかし、カオトロピック剤による細胞の可溶化工程において溶液を用いるため、抽出する核酸の希釈が起こってしまうという問題があった。また、希釈された核酸をガラス担体等に吸着させ抽出を行うという2段階の方法を用いる必要があり、抽出工程が煩雑化し、多くの時間を要するという問題もあった。
特開平06−205676号公報 特開平07−236499号公報
上記のように、化学的処理を行う核酸抽出方法では、様々な問題があった。そこで、本発明では、核酸抽出における全ての過程が、化学的処理を行わなくとも核酸を抽出することが可能な核酸抽出装置を提供することを主目的とする。
本願発明者らは、化学的処理を用いることなく生体試料から核酸を抽出する方法について鋭意研究を行った。その結果、一連の工程を機械的処理のみで行う方法を新たに見出し、本発明を完成させた。
本発明では、まず、生体試料から特定の核酸を抽出する核酸抽出装置であって、生体試料が移動する流路と、前記流路内の生体試料を破砕する破砕手段と、前記流路内の生体試料中の酵素を失活させる酵素失活手段と、抽出した核酸を吸着する吸着担体と、を少なくとも備える核酸抽出装置を提供する。
本発明に係る核酸抽出装置において、前記破砕手段は、機械的に生体試料を破砕できる手段であれば特に限定されないが、例えば、レーザ、マイクロ波、超音波、ヒーターによる加熱の中から選択されるいずれか一の手段による破砕手段を挙げることができる。
また、前記破砕手段は、生体試料をビーズによって攪拌することで破砕する手段であってもよい。
更に、前記破砕手段は、生体試料を、多孔質膜を通過させることにより破砕する手段であってもよい。
本発明に係る核酸抽出装置において、前記酵素失活手段は、機械的に生体試料内の酵素を失活させる手段であれば特に限定されないが、例えば、生体試料を加熱することにより生体試料内の酵素を失活させる手段を挙げることができる。
この場合の加熱手段は、機械的に加熱を行える方法であれば特に限定されないが、例えば、レーザ、マイクロ波、超音波、ヒーターによる加熱の中から選択されるいずれか一の手段による加熱手段を挙げることができる。
加熱手段により酵素を失活させる場合は、熱容量が4.2J/K以下の流路を用いて、0.01〜0.1秒間で50℃以上の加熱を行うことが好ましい。
本発明に係る核酸抽出装置において、前記吸着担体は、核酸を吸着し得るものであれば特に限定されないが、例えば、ビーズ又は多孔質膜を挙げることができる。
また、前記吸着担体は、特異的核酸配列を有することが好ましい。
本発明では、また、生体試料から核酸を抽出する核酸抽出方法であって、流路内に生体試料を導入する流路導入工程と、前記流路内の生体試料を機械的に破砕する破砕工程と、前記流路内の生体試料中の酵素を機械的に失活させる酵素失活工程と、抽出した核酸を吸着する核酸吸着工程と、を少なくとも行う核酸抽出方法を提供する。
本発明に係る核酸抽出方法は、前記4つの工程を少なくとも行えば、その順番は特に限定されないが、前記酵素失活工程と前記核酸吸着工程を同時に行うことがより好ましい。
ここで、本発明で使用する技術用語の定義付けを行う。「機械的」とは、化学物質を用いず、物理的な原理を用いることを意味する。
本発明に係る核酸抽出装置は、化学的処理を用いないため、核酸の希釈が起こらず、微量サンプルからの核酸の抽出が可能であり、また、細胞破壊から核酸吸着まで単一の装置で行うことができるため、迅速に核酸抽出を行うことが可能である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<核酸抽出装置>
図1は、本発明に係る核酸抽出装置A1の一実施形態を摸式的に示す図である。
本実施形態に係る核酸抽出装置A1は、大別して、生体試料が移動する流路1と、流路1内の生体試料を破砕する破砕手段として超音波発生素子2と、流路1内の生体試料中の酵素を失活させる酵素失活手段としてIHヒーター3と、抽出した核酸を吸着する吸着担体としてマイクロビーズ4と、を備えている。
流路1では、生体試料とくに浮遊した細胞を、例えば塩濃度0.3MのNaCl溶液に懸濁し、移動させながら、超音波発生素子2(破砕手段)による生体試料の破砕、IHヒーター3(酵素失活手段)による生体試料中の酵素の失活、及びマイクロビーズ4(吸着担体)表面に有する相補的核酸配列(図2参照)と抽出目的の核酸との選択的ハイブリダゼーションにより核酸の吸着が行われる。その際、失活手段に用いた温度をハイブリダイゼーションに至適な温度(Tm値)に遷移させることで、相補的核酸配列と抽出目的の核酸との特異性を向上させることができる。
流路1は、その大きさ、形状等は特に限定されないが、内径が0.1〜0.5mmからなる微小流路がより好ましい。また、その熱容量が4.2J/K以下であることが好ましい。流路1中を移動する細胞懸濁液を微量にすることで、短時間で後述する酵素失活手段(IHヒーター3)へ導くと共に、短時間で例えば加熱などによる酵素の失活を容易にするためである。また、内径が0.1〜0.5mmからなる微小流路を用いることで、微量のサンプルへの対応を可能にし、全体の核酸抽出装置A1の小型化を図ることができる。
また、流路1を形成する素材も特に限定されないが、例えば、ガラスキャピラリーやガラスから成形されるマイクロ流路を挙げることができる。なお、本実施形態では、内径が0.5mm、長さが50mmからなるシリコナイズ処理により不活性化されたガラスキャピラリーを用いている。
流路1の両端には、試料導入部5と試料排出部6とを設けている。試料導入部5は、核酸抽出の対象となる生体試料を流路1内に導入するために用いる。試料排出部6は、流路1内で核酸抽出を行った後に、不純物の排出や抽出した核酸の回収に使用する。なお、図1中矢印Mは、試料の移動方向を示す。
生体試料の流路1内への導入、流路1内での移動、流路1からの排出(回収)の各方法は特に限定されない。例えば、負圧吸引、正圧押出、遠心、又は毛細管現象などあらゆる方法を採用することができる。
破砕手段は、試料導入部5から流路1に導入され、流路1を移動してきた生体試料内の組織や細胞の細胞膜を破壊し、核酸を細胞膜外に懸濁するために用いる。
破砕手段は、化学的方法ではなく機械的に生体試料を破砕できる手段であれば特に限定されない。本実施形態では、破砕手段として、超音波発生素子2を用いているが、超音波の他にも例えば、レーザ、マイクロ波、ヒーターによる加熱などを用いることも可能である。
本実施形態に係る核酸抽出装置A1では、図1中符号2に示すように、超音波発生素子2を破砕手段として流路1の両側に配設している。この超音波発生素子2により、流路1を移動してきた生体試料に超音波を照射し、生体試料内の組織や細胞を破砕する。具体的に本実施形態では、80kHzの超音波照射を0.1秒間行い、0.2秒間休むことを繰り返す方法を用いているが、周波数等は特に限定されない。破砕された生体試料は、細胞膜及び核膜などの膜が破壊され、細胞膜の脂質が微小なミセル状態になり、溶液に脂質膜成分と細胞質成分及び核酸が懸濁された状態になり、更に、流路1を移動する。
酵素失活手段は、核酸抽出過程において、生体試料中に存在する核酸分解酵素などの作用により核酸の分解を防ぐために用いる。従来、核酸分解酵素の失活は、カオトロピックイオンを用い酵素の高次構造を変性させる化学的方法により行われることが主流であった。しかし、本願発明のように、機械的に酵素失活を行うことができれば、核酸抽出の過程において、核酸分解酵素失活剤等を添加する必要がなく、迅速に核酸抽出を行うことが可能である。
酵素失活手段は、化学的方法ではなく機械的に生体試料内の酵素を失活させる手段であれば特に限定されない。例えば、生体試料を加熱することにより生体試料内の酵素を失活させる手段を用いることができる。本実施形態では、酵素失活手段としてIHヒーター3で加熱を行うことで、流路中に多孔質フィルター7により堰きとめられている鉄を含んだマイクロビーズ4(図2参照)が0.1秒という短時間で100度に発熱することにより、生体試料を加熱している。このようにマイクロビーズ4を用いれば、溶液の更なる微小容量化(破砕)も達成することができる。即ち、本実施形態では、マイクロビーズ4が、破砕手段、酵素失活手段、及び後述する吸着担体の役割を担うことも可能である。
その他、加熱することにより酵素を失活させる手段としては、レーザ、マイクロ波などを用いることも可能である。
加熱時間や加熱温度は、酵素の失活が実現できれば、特に限定されないが、001〜0.1秒という短時間で、50℃以上で加熱することが好ましい。酵素の失活をより確実に行うためである。
酵素失活手段による生体試料内の酵素の失活は、破砕手段による生体試料の破砕前後に行ってもよく、また、本実施形態のように、破砕に続いて、酵素失活を行うことも自由である。破砕手段が同時に酵素失活手段の役割を果たすように設計すれば、核酸抽出をより迅速に行うことが可能である。
吸着担体は、破砕手段により溶液中に懸濁された状態となった核酸を回収するために用いる。本実施形態では、目的の核酸が相補的な配列41とハイブリダイゼーションを行うことを利用して吸着させるために、表面に相補的配列41を化学的に結合したマイクロビーズ4を用いている。その際、酵素失活手段に用いた熱を酵素失活後に温度を低下させて、相補的な配列41に適した温度(Tm値)に保つことでハイブリダイゼーションを特異的に行うことができる。
マイクロビーズ4の平均粒径は特に限定されないが、微小流路を用いる場合には、5μm以上100μm以下であることが好ましい。この範囲の微小なマイクロビーズ4を用いることで、ミセル化した脂質や変性したタンパク質をビーズによりせき止めることなく、通過させることができる。また、微小流路内へ充填できるマイクロビーズ4の量を増やすことができ、マイクロビーズ4全体の表面積が増大するため、核酸回収の純度率を向上させることが可能となる。更に、マイクロビーズ4の表面積を増大するためには、多孔質に形成されたマイクロビーズ4を用いることでも実現することが可能である。
図1に示す通り、本実施形態では、マイクロビーズ4を、多孔質フィルター7を用いて堰き止めている。この場合、多孔質フィルター7の孔径はビーズより小さい必要がある。
また、マイクロビーズ4を磁性金属等の磁気による操作が可能な物質を含有する構造のものを用いることにより、図示しないが、流路1の外部に磁石を備え、該磁石を用いて、マイクロビーズ4の移動や固定を行うように設計してもよい。
例えば、図2に示すように、内部に磁性金属として、鉄からなるコア42を有し、その周囲をガラスのシェル43で覆う構造を有するマイクロビーズ4を好適に用いることができる。
前記ハイブリダイゼーション後、細胞懸濁液に使用した溶液を流し、マイクロビーズ4を洗浄して目的の核酸を回収する。この洗浄はマイクロビーズ4体積の4000倍以上で行うのがよい。マイクロビーズ4に吸着した核酸は、塩濃度を0Mの溶液でマイクロビーズ4から溶出させるか、もしくは、再び加熱し、ハイブリ至適温度より高温にすることで、核酸を溶出させることにより回収することができる。このように核酸溶出による核酸の回収を行う場合は、両方法を同時に行うのがより好ましい。
また、溶出による回収以外にも、核酸が吸着したビーズごと、流路1より回収する方法を採用することも可能である。
図3は、図1とは異なる実施形態に係る核酸抽出装置A2を摸式的に示す図である。
本実施形態に係る核酸抽出装置A2は、大別して、生体試料が移動する流路1と、流路1内の生体試料を破砕する破砕手段、及び溶液中に懸濁した核酸を吸着する吸着担体としても機能するマイクロビーズ4と、流路1内の生体試料中の酵素を失活させる酵素失活手段であるIHヒーター3と、を備えている。本実施形態は、破砕手段が、同時に吸着担体の役割を担う一例である。
本実施形態に係る流路1は、図1に示す実施形態と同様、その大きさ、形状等は特に限定されないが、内径が0.1〜0.5mmからなる微小流路がより好ましい。また、その熱容量が4.2J/K以下であることが好ましい。細胞懸濁液を微量にすることで、短時間で酵素失活へと導くと共に、短時間で加熱し、酵素の失活を容易にするためである。また、内径が0.1〜0.5mmからなる微小流路を用いることで、微量のサンプルへの対応を可能にし、全体の核酸抽出装置A2の小型化を図ることができる。
また、流路1を形成する素材も図1に示す実施形態と同様、特に限定されないが、例えば、ガラスキャピラリーやガラスから成形されるマイクロ流路を挙げることができる。なお、本実施形態では、内径が0.5mm、長さが50mmからなるシリコナイズ処理により不活性化されたガラスキャピラリーを用いている。
本実施形態では、流路1中を移動する試料をマイクロビーズ4によって攪拌することで、生体試料の破砕を行う。本実施形態で用いることができるマイクロビーズ4の平均粒径は、図1に示す実施形態と同様、特に限定されないが、微小流路を用いる場合には、5μm以上100μm以下であることが好ましい。より微小なマイクロビーズ4を用いることで、微小流路内へ充填できるマイクロビーズ4の量を増やすことができ、生体試料の破砕を迅速に行うことが可能となる。
また、微小なマイクロビーズ4を用いることで、ミセル化した脂質や変性したタンパク質をマイクロビーズ4により堰き止めることなく通過させることができる。さらに、マイクロビーズ4全体の表面積が増大するため、後述の吸着担体として用いる場合にも、核酸回収の純度率を向上させることが可能となる。
マイクロビーズ4は、図1に示す実施形態と同様、磁性金属等の磁気による操作が可能な物質を含有する構造のものを用いても良い(図2参照)。磁気による操作が可能であれば、図示しないが、流路1の外部に磁石を備え、該磁石を用いて、マイクロビーズ4の移動や固定を容易に行うことが可能である。
流路1内でのマイクロビーズ4を用いた攪拌は、生体試料を試料導入部5から流路1に導入し、流路1内に生体試料が充填された状態で行う。攪拌方法は、機械的に行うことができれば特に限定されない。例えば、図示しないが、流路1の外部からの磁力によりマイクロビーズ4を移動させ、攪拌を行うことができる。また、図示しないが、電気泳動又は誘電泳動用の電極の極性の反転を繰り返すことで、マイクロビーズ4を流路1内で往復移動させ、攪拌を行うことも可能である。更に、負圧吸引、正圧押出、又は遠心力を用いてマイクロビーズ4を移動させ、攪拌を行うこともできる。
このように流路1内において、マイクロビーズ4により生体試料を攪拌することにより、生体試料の細胞等を破砕する。破砕された生体試料は、細胞膜及び核膜などの膜が破壊され、細胞膜の脂質が微細なミセル状態になり、溶液中に脂質膜成分と細胞質成分及び核酸が懸濁された状態となる。
本実施形態における生体試料内の酵素の失活は、図1に示す実施形態と同様、生体試料を加熱することにより行う。加熱することにより酵素を失活させる手段としては、超音波、レーザ、マイクロ波、IHヒーターなどを用いることができる。
加熱による生体試料内の酵素の失活は、破砕手段による生体試料の破砕前後に行ってもよく、また、加熱をしながらマイクロビーズ4による攪拌を行うことで、生体試料の破砕と酵素失活を同時に行うことも可能である。このように、生体試料の破砕と生体試料内の酵素の失活を同時に行うことができれば、核酸抽出をより迅速に行うことが可能である。
従来、効率よく試料を破砕するために、試料を凍結させた状態で、ビーズ等により攪拌することで凍結したまま試料内の組織や細胞を破砕することは行われていた。しかし、この場合、試料を予め凍結するための時間が必要であり、迅速な核酸抽出ができなかった。また、破砕中、凍結した状態を保つために、特別な装置が必要であった。さらに、凍結では試料中の核酸分解酵素が不活化しないため、試料が溶解すると、核酸分解が起きるという弊害もあった。
しかし、本発明では、微小流路内で攪拌を行うことにより、微量サンプルの効率的な破砕が可能となる。また、従来からの発想を全く逆に転換し、加熱を行いながら破砕することにより、破砕と同時に酵素の不活化も実現することを可能とした。
本実施形態における吸着担体は、マイクロビーズ4を用いている。即ち、マイクロビーズ4は、生体試料の破砕手段として用い、且つ、核酸を吸着する吸着担体としても用いることが可能である。このように、破砕手段が同時に吸着担体としての役割を担うよう設計することで、生体試料が破砕されて溶液中に懸濁された状態となった核酸を、すぐに吸着できるので、核酸抽出をより迅速に行うことが可能となる。
図4は、図1及び図3とは異なる実施形態に係る核酸抽出装置A3を摸式的に示す図である。
本実施形態に係る核酸抽出装置A3は、大別して、生体試料が移動する流路1と、流路1内の生体試料を破砕する破砕手段、及び抽出した核酸を吸着する吸着担体としても機能する多孔質膜7と、流路1内の生体試料中の酵素を失活させる酵素失活手段であるIHヒーター3と、を備えている。本実施形態でも、図3に示す実施形態と同様に、破砕手段が、同時に吸着担体の役割を担っている。
本実施形態に係る流路1は、図1及び図3に示す実施形態と同様、その大きさ、形状等は特に限定されないが、内径が0.1〜0.5mmからなる微小流路がより好ましい。また、その熱容量が4.2J/K以下であることが好ましい。細胞懸濁液を微量にすることで、短時間で酵素失活へと導くと共に、短時間で加熱し、酵素の失活を容易にするためである。また、内径が0.1〜0.5mmからなる微小流路を用いることで、微量のサンプルへの対応を可能とし、全体の核酸抽出装置A3の小型化を図ることができる。
また、流路1を形成する素材も図1及び図3に示す実施形態と同様、特に限定されないが、例えば、ガラスキャピラリーやガラスから成形されるマイクロ流路を挙げることができる。なお、本実施形態では、内径が0.5mm、長さが50mmからなるシリコナイズ処理により不活性化されたガラスキャピラリーを用いている。
本実施形態では、生体試料を、多孔質膜7を通過させることで生体試料の破砕を行う。多孔質膜7の材料は特に限定されないが、例えば、鉄を含むものが好ましい。また、多孔質膜7の孔径は、1〜10μmが好ましい。
さらに、多孔質膜7の表面には特定の相補的核酸配列が化学結合されているとよい。生体試料中の組織や細胞の破壊が可能で、かつ後述の吸着担体として用いる場合に抽出した特定の核酸を吸着できるようにするためである。また、多孔質膜7を形成する素材は、特に限定されないが、例えば、ステンレス粉末の焼結材等が挙げられる。
生体試料を、多孔質膜7を通過させる方法は、機械的に行うことができれば特に限定されない。例えば、図示しないが電気泳動又は誘電泳動用の電極を用いて、生体試料の電気泳動又は誘電泳動を行うことで、多孔質膜7を通過させることができる。また、負圧吸引、正圧押出、又は遠心力を用いて生体試料を移動させ、多孔質膜7を通過させることも可能である。
本実施形態における生体試料内の酵素の失活は、図1及び図3に示す実施形態と同様に、生体試料を加熱することにより行う。加熱することにより酵素を失活させる手段としては、通電によるジュール熱、IHヒーターなどを用いることができる。
本実施形態において、加熱による生体試料内の酵素の失活は、生体試料の破砕前又は破砕と同時に行うことが好ましい。本実施形態では、後述するように、破砕と同時に核酸を吸着するため、破砕後の試料に加熱を行っても、破砕後の試料は核酸を含まないため、破砕後は酵素を不活化する必要がなくなるからである。
本実施形態における吸着担体は、多孔質膜7を用いている。即ち、多孔質膜7は、生体試料の破砕手段として用い、且つ、核酸を吸着する吸着担体としても用いることが可能である。このように、破砕手段が同時に吸着担体としての役割を担うよう設計することで、生体試料が破砕されて溶液中に懸濁された状態となった核酸を、すぐに吸着できるので、核酸抽出をより迅速に行うことが可能となる。
図5は、図1、図3及び図4とは異なる実施形態に係る核酸抽出装置A4を摸式的に示す図である。
本実施形態に係る核酸抽出装置A4は、大別して、生体試料が移動する流路1と、流路1内の生体試料を破砕する破砕手段、及び酵素失活手段としても機能する超音波発生素子2と、抽出した核酸を吸着する吸着担体であるマイクロビーズ4と、を備えている。本実施形態では、破砕手段が、同時に酵素失活手段の役割を担っている。
本実施形態に係る流路1は、図1、図3及び図4に示す実施形態と同様、その大きさ、形状等は特に限定されないが、内径が0.1〜0.5mmからなる微小流路がより好ましい。また、その熱容量が4.2J/K以下であることが好ましい。細胞懸濁液を微量にすることで、短時間で酵素失活へと導くと共に、短時間で加熱し、酵素の失活を容易にするためである。また、内径が0.1〜0.5mmからなる微小流路を用いることで、微量のサンプルへの対応を可能とし、全体の核酸抽出装置A3の小型化を図ることができる。
また、流路1を形成する素材も図1、図3及び図4に示す実施形態と同様、特に限定されないが、例えば、ガラスキャピラリーやガラスから成形されるマイクロ流路を挙げることができる。なお、本実施形態では、内径が0.5mm、長さが50mmからなるシリコナイズ処理により不活性化されたガラスキャピラリーを用いている。
本実施形態では、図1に示す実施形態と同様、超音波発生素子2により、流路1を移動してきた生体試料に超音波を照射し、生体試料内の組織や細胞を破砕する。具体的に本実施形態では、80kHzの超音波照射を0.1秒間行い、0.2秒間休むことを繰り返す方法を用いているが、周波数等は特に限定されない。破砕された生体試料は、細胞膜及び核膜などの膜が破壊され、細胞膜の脂質が微小なミセル状態になり、溶液に脂質膜成分と細胞質成分及び核酸が懸濁された状態となる。
本実施形態における酵素の失活は、超音波発生素子2を用いて生体試料を加熱することにより行う。即ち、本実施形態では、超音波発生素子2が、破砕手段及び酵素失活手段の両方の役割を担っている。
本実施形態における吸着担体は、マイクロビーズ4を用いている。本実施形態で用いることができるマイクロビーズ4は、図1及び図3に示す実施形態と同様、その構造、素材、粒径等は特に限定されず、前述したとおり、あらゆる構造、素材、粒径のマイクロビーズ4を用いることが可能である。
また、マイクロビーズ4は、図3に示す実施形態のように破砕手段としても用いることができるため、本実施形態においても、超音波発生素子2を用いた破砕と同時にマイクロビーズ4による破砕を行うことで、より確実に生体試料の破砕を行うことができる。
更に、鉄を含んだマイクロビーズ4(図2参照)を用いることにより、図1に示す実施形態と同様、超音波発生素子2を用いて加熱を行い、マイクロビーズ4自体を発熱させることにより、酵素の失活を行うことも可能である。このように、超音波発生素子2からの直接の加熱と、マイクロビーズ4を介する加熱とを同時に行うことで、生体試料中の酵素の失活を、より確実に実現することが可能となる。
<核酸抽出方法>
図6は、本発明に係る核酸抽出方法の概略を示す図である。なお、本実施形態に係る核酸抽出方法では、図1に示す実施形態に係る核酸抽出装置A1を用いている。
(1)流路導入工程I
流路導入工程Iでは、生体試料Sを流路1に導入する。導入方法は、機械的に生体試料Sを導入する方法であれば、特に限定されない。例えば、負圧吸引、正圧押出、遠心、又は毛細管現象などあらゆる方法を採用することができる。
導入された生体試料Sは、流路1内を移動する。移動方法は、機械的に生体試料Sを移動させる方法であれば特に限定されない。前記導入方法と同様、負圧吸引、正圧押出、遠心力、電気泳動、誘電泳動等により移動させることも可能である。
(2)破砕工程II
破砕工程IIでは、生体試料S内の核酸を抽出するために、流路1に導入された生体試料Sの組織や細胞を破砕する。破砕方法は、機械的に生体試料S中の組織や細胞を破砕させる方法であれば特に限定されない。本実施形態では、超音波発生素子2を用いて破砕を行っているが、超音波の他にも例えば、レーザ、マイクロ波などを用いることも可能である。また、前記<核酸抽出装置>で述べたように、マイクロビーズ4などを用いて生体試料Sを攪拌することで、破砕することもできる。更に、生体試料Sを、多孔質膜7を通過させることで破砕することも可能である。
破砕された生体試料は、細胞膜及び核膜などの膜が破壊され、細胞膜の脂質が微細なミセル状態になり、溶液中に脂質膜成分と細胞質成分及び核酸が懸濁された状態となる。
(3)酵素失活工程III
酵素失活工程IIIでは、核酸抽出中に、核酸分解酵素等による核酸の分解を防ぐために、生体試料S内の酵素を失活させる。酵素失活方法は、機械的に生体試料S中の酵素を失活させる方法であれば特に限定されない。例えば、生体試料Sを加熱することにより生体試料S内の酵素を失活させることができる。本実施形態では、酵素失活手段としてIHヒーター3による加熱で、流路中の鉄を含んだマイクロビーズ4(図2参照)が0.1秒という短時間で100度に発熱することにより、生体試料を加熱している。
その他、加熱することにより酵素を失活させる手段としては、レーザ、マイクロ波などを用いることも可能である。
加熱時間や加熱温度は、酵素の失活が実現できれば、特に限定されないが、0.01〜0.1秒と短時間で、50℃以上で加熱することが好ましい。酵素の失活をより確実に行うためである。
酵素失活工程IIIは、破砕工程IIの前又は後に行ってもよく、また、破砕工程IIと同時に行うことも自由である。抽出した核酸の分解の防止をより確実に行うためには、酵素失活工程IIIは、破砕工程IIの前又は同時に行うことが好ましい。酵素失活工程IIIを破砕工程IIと同時に行えば、核酸抽出をより迅速に行うことが可能である。
(4)核酸吸着工程IV
核酸吸着工程IVでは、破砕工程IIにより破砕されて溶液中に懸濁された状態となった核酸をマイクロビーズ4等で吸着する。吸着させる物質としては、マイクロビーズ4以外にも、例えば、多孔質膜7等を用いることも可能である。
本実施形態で用いることが可能なマイクロビーズ4の構造、素材、口径等は特に限定されない。一例として、本実施形態では、目的の核酸が相補的な配列41とハイブリダイゼーションを行うことを利用して吸着できるよう、表面に相補的配列41を化学的に結合したマイクロビーズ4を用いている(図2参照)。その際、酵素失活手段に用いた熱を酵素失活後に温度を低下させて、相補的な配列41に適した温度(Tm値)に保つことでハイブリダイゼーションを特異的に行うことができる。
相補的配列41のほか、例えば、イオン交換樹脂やガラスなどでマイクロビーズ4表面をコーテイングすることで、抽出したい核酸を特定しないで吸着することも可能である。
マイクロビーズ4の平均粒径も特に限定されないが、微小流路を用いる場合には、5μm以上100μm以下であることが好ましい。よりこの範囲の微小なマイクロビーズ4を用いることで、ミセル化した脂質や変性したタンパク質をビーズによりせき止めることなく、通過させることができるからである。また、微小流路内へ充填できるマイクロビーズ4の量を増やすことができ、マイクロビーズ4全体の表面積が増大するため、核酸回収の純度率を向上させることが可能となる。この表面積を増大は、多孔質に形成されたマイクロビーズ4を用いることでも実現することが可能である。
また、マイクロビーズ4を磁性金属等の磁気による操作が可能な物質を含有する構造のものを用いることにより、図示しないが、流路1の外部に磁石を備え、該磁石を用いて、マイクロビーズ4の移動や固定を行うように設計してもよい。
流路1内で破砕及び酵素失活がされた生体試料Sを、マイクロビーズ4が充填された箇所まで移動させ、溶液中に懸濁された状態となった核酸をマイクロビーズ4に吸着させる。このとき、例えば、マイクロビーズ4を、図示しないが流路1外部から磁石等により固定しておけば、更に溶液の移動を続けることにより、マイクロビーズ4に吸着しない核酸以外の不純物は、除去される(図6中(V)参照)。
本発明に係る核酸抽出方法において、マイクロビーズ4を流路1内の所定箇所に固定する方法は、特に限定されない。例えば、前記のように流路1外部からの磁石等による固定に限らず、図示しないが、マイクロビーズ4の口径より小さい口径を有する多孔質フィルター等を用いて堰き止める方法を採用することもできる。
核酸以外の不純物を除去後、マイクロビーズ4の固定を解除する。その後、マイクロビーズ4を回収すれば、マイクロビーズ4に吸着した核酸を回収することができる(図6中(VI)参照)。マイクロビーズ4の回収方法は、機械的にマイクロビーズ4を回収する方法であれば、特に限定されない。例えば、磁力、負圧吸引、正圧押出、又は遠心力を用いた回収などあらゆる方法を採用することができる。
本発明に係る核酸抽出方法において、核酸を回収する方法は特に限定されない。例えば、前記のように、マイクロビーズ4に吸着した核酸を、マイクロビーズ4ごと回収する方法に限らず、塩濃度を0Mの溶液でマイクロビーズ4から核酸溶出させる方法、ハイブリ至適温度より高温にすることで核酸を溶出させる方法、若しくは、これらの両方を組み合わせて行う方法など用いて、核酸を回収することができる。
以上の各工程は、マイクロビーズ4を固定した状態で、何度も繰り返し行うことが可能である。具体的には、マイクロビーズ4を固定した状態で、例えば、電気泳動又は誘電泳動用の電極の極性の反転を繰り返し、生体試料Sを、流路1内で何度も往復させることで行うことができる。各工程を繰り返し行うことで、例えば、破砕しきれなかった生体試料Sを破砕したり、吸着しきれなかった核酸を吸着したりすることができるため、より核酸の回収率を上げることが可能である。
本発明に係る核酸抽出装置は、化学的処理を用いないため、核酸の希釈が起こらず、微量サンプルからの核酸の抽出が可能である。そのため、微量サンプル用の核酸抽出装置として、装置の小型化が実現できる。
また、人体に有害な化学物質を用いないため、安全に核酸の抽出を行うことが可能である。
さらに、細胞破壊から核酸回収まで単一の装置で行うことができるため、迅速に核酸抽出を行うことが可能であり、迅速化に伴うコストの軽減化にも貢献できる。
本発明に係る核酸抽出装置A1の一実施形態を摸式的に示す図である。 磁性金属を含有するマイクロビーズ41を摸式的に示す図である。 図1とは異なる実施形態に係る核酸抽出装置A2を摸式的に示す図である。 図1及び図3とは異なる実施形態に係る核酸抽出装置A3を摸式的に示す図である。 図1、図3及び図4とは異なる実施形態に係る核酸抽出装置A4を摸式的に示す図である。 本発明に係る核酸抽出方法の概要を示す図である。
符号の説明
A1〜A4 核酸抽出装置
1 流路
2 超音波発生素子
3 IHヒーター
4 マイクロビーズ
5 試料導入部
6 試料排出部
7 多孔質膜

Claims (11)

  1. 生体試料から特定の核酸を抽出する核酸抽出装置であって、
    生体試料が移動する流路と、
    前記流路内の生体試料を破砕する破砕手段と、
    前記流路内の生体試料中の酵素を失活させる酵素失活手段と、
    抽出した核酸を吸着する吸着担体と、
    を少なくとも備える核酸抽出装置。
  2. 前記破砕手段は、レーザ、マイクロ波、超音波、ヒーターによる加熱の中から選択されるいずれか一の手段であることを特徴とする請求項1記載の核酸抽出装置。
  3. 前記破砕手段は、ビーズによる攪拌手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の核酸抽出装置。
  4. 前記破砕手段は、生体試料を、多孔質膜を通過させる手段であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の核酸抽出装置。
  5. 前記酵素失活手段は、加熱手段であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の核酸抽出装置。
  6. 前記加熱手段は、レーザ、マイクロ波、超音波、ヒーターによる加熱の中から選択されるいずれか一の手段であることを特徴とする請求項5記載の核酸抽出装置。
  7. 前記流路の熱容量が4.2J/K以下であり、
    前記加熱手段は、0.01〜0.1秒間で50℃以上の加熱を行う手段であることを特徴とする請求項5又は6記載の核酸抽出装置。
  8. 前記吸着担体は、ビーズ又は多孔質膜であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の核酸抽出装置。
  9. 前記吸着担体は、特異的核酸配列を有していることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の核酸抽出装置。
  10. 生体試料から核酸を抽出する核酸抽出方法であって、
    流路内に生体試料を導入する流路導入工程と、
    前記流路内の生体試料を機械的に破砕する破砕工程と、
    前記流路内の生体試料中の酵素を機械的に失活させる酵素失活工程と、
    抽出した核酸を吸着する核酸吸着工程と、
    を少なくとも行う核酸抽出方法。
  11. 前記酵素失活工程と、前記核酸吸着工程と、を同時に行うことを特徴とする請求項10記載の核酸抽出方法。
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