JP2009206029A - 照明装置 - Google Patents

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【課題】光の拡散度合いを適宜選択することができと共に、良好なインテリア性を演出することができる装飾効果に優れた照明装置を提供すること。
【解決手段】弾性素材により帯状に形成された基板2の一面に、有機EL素子による面発光体3が形成されて発光パネル1が構成されている。前記発光パネル1の長手方向の両端部には、当該発光パネル1の短辺方向に沿ってそれぞれパネル支持部材4が取り付けられ、前記短辺方向の両端部において前記各パネル支持部材4が一対のフレーム部材5の端部にそれぞれ軸支されている。前記発光パネル1は、前記一対のフレーム部材5により発光パネルを湾曲させた状態で支持されることにより、前記発光パネルの発光面が円弧状に突出した第1形態と、前記発光パネルの発光面が円弧状に凹んだ第2形態とが選択できるように構成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に代表される面発光光源を用いた照明装置に関する。
有機EL素子は直流の低電圧により駆動されることで高い発光効率を有し、軽量かつ薄型化が可能であると共に、ほとんど発熱がないという特質を有している。したがって、一部の携帯型機器などにおけるフラットパネルディスプレイ(FPD)に利用されており、また同素子を面発光源として、例えば液晶表示素子のバックライトとして利用する形態のものも提供されている。
また、前記有機EL素子はEL発光層に用いる素材の選択により、R(赤)、G(緑)、B(青)やその他の発光色を得ることができ、したがって前記した各発光色を単独で、または二種以上の発光色を組み合わせることにより、白色もしくはこれに近い発光色を得ることも可能となる。それ故、有機EL素子を面発光源(発光パネル)として構成することで、例えば装飾用の光源や、室内等を照明する高効率な光源として利用することができる。
前記した有機EL素子の特質を生かし、これを面発光型の照明装置として利用したものが、次に示す特許文献1および2などに開示されている。
特開2003−7450号公報 特開2004−234868号公報
ところで、前記特許文献1および2に開示された照明装置においては、有機EL素子を面発光源として利用した場合において、主に輝度むらの発生を防止することを解決しようとする課題としているものであり、したがって有機EL素子を単調な面発光源として利用しようとする点にとどまるものである。
一方、前記した有機EL素子は、基板面にITO等からなる透明電極、有機材料による発光機能層、および背面電極を順にスパッタリングもしくは真空蒸着法などを利用して成膜することで形成することができる。したがって、前記基板に弾性を有するフィルム状の素材を用いた場合には、フレキシブルな発光面を備えた光源を得ることができる。
この発明は、前記した基板の弾性を利用したフレキシブルな面光源を用いることで、光の拡散度合いを適宜選択することができと共に、良好なインテリア性を演出することができる装飾効果に優れた照明装置を提供することを課題とするものである。
前記した課題を解決するためになされたこの発明にかかる照明装置は、弾性素材により帯状に形成された基板面に面発光体が形成されてなる発光パネルと、前記発光パネルの長手方向の両端部もしくはその近傍をそれぞれ支持するフレーム部材とが具備され、前記発光パネルは、前記フレーム部材により発光パネルを湾曲させた状態で支持されることにより、前記発光パネルの発光面が円弧状に突出した第1形態と、前記発光パネルの発光面が円弧状に凹んだ第2形態とが選択できるように構成されている点に特徴を有する。
この場合、好ましい実施の形態においては、前記発光パネルの長手方向の両端部には、当該発光パネルの短辺方向に沿ってそれぞれパネル支持部材が取り付けられ、前記短辺方向の両端部において前記各パネル支持部材が前記フレーム部材に軸支した構成にされる。
また、前記フレーム部材に軸支された各パネル支持部材には、前記軸支部分よりそれぞれ外側に向かって突出するようにして操作部が形成され、前記操作部を前記軸支部分を介して回動操作することで、前記発光パネルの第1形態もしくは第2形態が選択できるように構成されていることが望ましい。加えて、前記面発光体は望ましくは有機EL素子により構成される。
前記した構成の照明装置によると、発光パネルを構成する帯状に形成された基板の弾性を利用して、発光面が円弧状に突出した第1形態と、発光面が円弧状に凹んだ第2形態とを適宜選択することができる。これにより、発光面からの光を拡散させたり、集中させるなどの選択ができ、実用上において優れた効果を期待することができる。
また、発光パネルの長手方向の両端部がパネル支持部材に取り付けられ、前記パネル支持部材がフレーム部材に軸支された構成にされているので、各パネル支持部材に形成された操作部を回動操作することで、前記発光パネルの形態を容易に変更することができる。したがって、発光パネルに直接触れることなく前記した変更操作が実現できるので、発光パネルに対して指紋や掌紋等による汚れを付着させるという問題も回避できる。
そして、前記発光パネルに形成される面発光体として有機EL素子を用いることで、低電圧の駆動電源により発熱を伴うことなく高い発光効率を有し、きわめて軽量かつ薄型化が可能であるという特質をそのまま生かすことができる。これにより、従来からの蛍光灯等を用いた照明器具のイメージに比較して卓越した装飾効果および演出効果を醸し出すことができる照明装置を提供することが可能となる。
以下、この発明にかかる照明装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1はこの発明にかかる照明装置において、発光面が円弧状に突出した第1形態になされた状態を斜視図により示し、また図2は発光面が円弧状に凹んだ第2形態になされた状態を同じく斜視図により示している。
また、図3〜図5は、発光面が第2形態になされた状態における正面図、底面図、および側面図であり、以下においては同一部分を同一符号で示した各部の構成について、符号を引用してそれぞれ説明する。なお、以下に説明する各図においては、図に応じて符号の一部を適宜省略した状態で示している。
符号1は発光パネルを示しており、これは弾性を有する透明な合成樹脂素材による基板2を帯状に成形したものが主体となっている。そして基板2を底面側から視た図4に示されているとおり、基板2の長手方向に沿って矩形状に形成された面発光体3が基板面に成膜されている。
この実施の形態においては前記面発光体3は、基板2の長手方向に沿った四か所に分離するようにして成膜されているが、これは基板2の長手方向に沿って全面に形成されていても良く、またそれぞれが矩形状に限らず、他の形態になされる場合もある。前記面発光体3としては望ましくは有機EL素子が用いられるが、これ以外に、無機EL素子などの面発光素子を利用することも可能である。
前記基板2に対して有機EL素子を形成するには、一例として基板面にITO等からなる透明電極が例えばスパッタリング法により成膜される。その上に有機材料による発光機能層、およびアルミニウム等の素材を主体とした金属製の背面電極が例えば真空蒸着法を利用して成膜することで形成することができる。そして、有機EL素子の発光色は、一般的に白色が好ましいが、発光機能層の材料を選択することで好みに応じて種々の発光色を採用できる。
この場合、前記基板2の素材としては、前記したとおり弾性を有する透明な合成樹脂素材が用いられ、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)などを好適に用いることができる。そして基板2に対して例えばスパッタリング法を用いることでITO等からなる透明電極が形成される。この時、前記した基板2として合成樹脂が用いられるために耐熱温度の関係で、プロセス温度に制限が加えられる。このために、透明電極は十分な結晶化ITOに成長せず、アモルファスITOの状態になされる場合がある。
前記したアモルファスITOは、この上に成膜される発光機能層として機能する有機材料の酸化を促進させるという問題を招来させるので、前記ITO膜の上には、バッファ層として金属酸化物半導体を成膜することが望ましい。前記バッファ層を形成する素材としては酸化クロム(CrOx)や酸化ニッケル(NiOx)などを利用することができる。
そして、前記したバッファ層上に、有機材料による発光機能層、および金属素材による背面電極を順に蒸着等の手段を利用して成膜することで有機EL素子による面発光体3を形成することができる。この場合、望ましくは有機EL素子による前記面発光体3を覆うようにして、背面にさらにガスバリア性を有するフィルム状の樹脂をラミネートすることが望ましい。これにより、前記発光機能層および背面電極等を大気中の水分および酸素等から隔離することができ、有機EL素子の寿命を延命させることに寄与できる。
また、望ましくは基板2と前記ラミネート樹脂との間に、図示せぬ一対の給電線を挿入配置することで、基板2の長手方向に沿って形成された有機EL素子による面発光体3に対して、発光駆動電流を供給することができる。
前記した発光パネル1には、その長手方向の両端部に、パネル支持部材4がそれぞれ取り付けられている。このパネル支持部材4は例えば合成樹脂素材により形成され、発光パネル1の短辺方向に沿ってそれぞれ取り付けられると共に、その短辺方向の両端部において、一対のフレーム部材5に軸支されている。
前記フレーム部材5は、例えばアルミニウム等の軽金属により形成され、その両端部が下側に向かって若干湾曲した状態に形成されている。また、二つのフレーム部材5がその中央部でパイプ状の連結部材6の両端部に取り付けられて、前記連結部材6を含めてH字状に形成されている。そして一対のフレーム部材5の対向する各端部において、発光パネル1の両端部にそれぞれ取り付けられた前記パネル支持部材4を両側から挟むようにして軸支している。
この場合、前記発光パネル1に若干の弛みが施されるように、一対のフレーム部材と発光パネルの長手方向の寸法関係が設定されており、したがって発光パネル1は、これを構成する前記基板の弾性作用により、図1に示すように発光パネルの発光面が円弧状に突出した第1形態、もしくは図2に示すように発光パネルの発光面が円弧状に凹んだ第2形態が選択できるように一対のフレーム部材5によって支持されている。
そして、前記フレーム部材に軸支された各パネル支持部材4には、前記軸支部分よりそれぞれ外側に向かって円弧状に突出するようにして操作部4aが形成されている。したがって、前記操作部4aを軸支部分を介してそれぞれ下向き方向もしくは上向き方向に回動操作することで、発光パネル1は、両端の軸支部分を結ぶ線を境としていわゆるオーバセンターとして機能する。これにより、発光パネルの形態を図1に示す第1形態もしくは図2に示す第2形態となるように選択することができる。
したがって、発光パネル1に直接手を触れることなく、発光パネルの形態を前記したように選択操作することができるので、発光パネル1に対して指紋や掌紋等による汚れを付着させるという問題も回避することができる。
前記一対のフレーム部材5には、その中央部、すなわちパイプ状の連結部材6に取り付けられた部分において、フレーム部材5の長手方向に直交する鉛直方向に、支承部5aがそれぞれ一体に形成されている。そして、各支承部5aの先端部には例えばステンレス製のワイヤー7が締結され、天井面に取り付けられた吊り下げケース8内に収容された図示せぬワイヤー巻き取り機構を介して吊り下げられるように構成されている。すなわち、フレーム部材5とこれに取り付けられた発光パネル1等は、前記巻き取り機構により、高さ調節ができるように構成されている。
一方、前記吊り下げケース8内には、前記発光パネル1に対して発光駆動電流を供給するための図示せぬ直流電源ユニットが収容されており、この電源ユニットからの駆動電流はカールコード9を介して、前記したパイプ状の連結部材6内に配線接続されている。
前記連結部材6には、さらに鉛直方向に垂下するようにして、例えばアルミニウムにより成形されたステー10が取り付けられており、このステー10は前記発光パネル1のほぼ中央部に形成された貫通孔2aを介して、発光パネル1の下面側に突出した状態に取り付けられている。そして、ステー10の下端部には発光パネル1の点灯制御用スイッチ11が取り付けられている。
したがって、前記スイッチ11を経由させて図示せぬ給電線をフレーム部材5の一部、およびパネル支持部材4の軸支部分を介して前記発光パネル1に至るように接続することで、発光パネル1の点灯および消灯制御を行うことができる。
以上説明した前記した構成の照明装置によると、発光面が円弧状に突出した第1形態と、発光面が円弧状に凹んだ第2形態とを適宜選択することができるので、発光面からの光を拡散させたり、集中させるなどの選択が可能であるなど、前記した発明の効果の欄に記載した独自の作用効果を得ることができる。
なお、前記した実施の形態においては、発光パネル1の長手方向の両端部にそれぞれパネル支持部材4が取り付けられ、このパネル支持部材4が一対のフレーム部材5の端部に軸支されるように構成されているが、前記パネル支持部材4は、発光パネル1の長手方向の両端部よりも若干中央寄りの端部近傍にそれぞれ取り付けるように構成されていても同様の作用効果を得ることができる。
また、この発明にかかる照明装置を天井吊り下げ型に適用した例を示しているが、他にスタンド形や、例えば一対のフレーム部材の前記した支承部5aを介して壁面に取り付けることで、壁面固定型の照明装置とすることもできる。
また、図に示した実施の形態においては、発光パネルは帯状に形成させることで全体として幅の狭いスリムなデザインになされているが、帯状に形成された発光パネルを例えばクロスするように(十文字状に配置)した形態にすることもできる。
この発明にかかる照明装置において、発光面が円弧状に突出した第1形態になされた状態を示す斜視図である。 同じく、発光面が円弧状に凹んだ第2形態になされた状態を示す斜視図である。 同じく、発光面が第2形態になされた状態の正面図である。 同じく、発光面が第2形態になされた状態の底面図である。 同じく、発光面が第2形態になされた状態の側面図である。
符号の説明
1 発光パネル
2 基板
2a 貫通孔
3 面発光体(有機EL素子)
4 パネル支持部材
4a 操作部
5 フレーム部材
5a 支承部
6 連結部材
7 ワイヤー
8 吊り下げケース
9 カールコード
10 ステー
11 スイッチ

Claims (4)

  1. 弾性素材により帯状に形成された基板面に面発光体が形成されてなる発光パネルと、前記発光パネルの長手方向の両端部もしくはその近傍をそれぞれ支持するフレーム部材とが具備され、
    前記発光パネルは、前記フレーム部材により発光パネルを湾曲させた状態で支持されることにより、前記発光パネルの発光面が円弧状に突出した第1形態と、前記発光パネルの発光面が円弧状に凹んだ第2形態とが選択できるように構成されていることを特徴とする照明器具。
  2. 前記発光パネルの長手方向の両端部には、当該発光パネルの短辺方向に沿ってそれぞれパネル支持部材が取り付けられ、前記短辺方向の両端部において前記各パネル支持部材が前記フレーム部材に軸支されていることを特徴とする請求項1に記載された照明器具。
  3. 前記フレーム部材に軸支された各パネル支持部材には、前記軸支部分よりそれぞれ外側に向かって突出するようにして操作部が形成され、前記操作部を前記軸支部分を介して回動操作することで、前記発光パネルの第1形態もしくは第2形態が選択できるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載された照明器具。
  4. 前記面発光体が有機EL素子により構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載された照明装置。
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