JP2009205451A - 布製rfidタグ及びその製造方法 - Google Patents

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Keiichi Okumura
敬一 奥村
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Abstract

【課題】表裏生地の貼り合わせ作業が不要で、薄い、布製RFIDタグ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】空洞の袋部分5を有するように、レピア織り又はシャトル織りされた布製RFIDタグであって、前記袋部分5にICチップ6が挿入されている。その製造方法は、経糸及び緯糸の少なくとも一方にホットメルト接着剤を塗布した糸を使用し、レピア織り又はシャトル織りで空洞の袋部分5を有するように布製タグを織成する工程と、前記袋部分5にICチップ6を挿入する工程と、前記ホットメルト接着剤で熱溶着することにより密閉する工程を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、布製RFIDタグ及びその製造方法に関する。布製RFIDタグとしては、衣服ほか各種商品の織りネーム、ネームタグ、ワッペン、エンブレム、腕章、値札、等である。
RFIDタグは、物体の識別に利用される微小な無線ICチップを組み込んだタグである。無線ICチップには、自身の識別コードなどの情報が記録されており、電波を使って管理システムと情報を送受信する能力をもつので、産業界においてバーコードに代わる商品識別・管理技術として研究が進められている。最近は、それに留まらず社会のIT化・自動化を推進する上での基盤技術として注目が高まっている。
RFIDタグにおいて、ICチップをタグに組み込む必要がある。例えば、下記特許文献1ではペンダントに、特許文献2ではボタンにICチップを組み込んでいる。これらは、取付対象自体は硬質のものである。
織りネーム等の物品にICチップをタグに組み込んだものとしては、例えば、下記特許文献3の発明がある。これは、ICチップとループアンテナとを搭載したフィルム状の回路部の上下両面にウレタン樹脂を貼り合わせて保護し、その表面全体をシリコーン膜でコーティングしたものである。この織りネームは、ICチップを除けば、合成樹脂製である。このような合成樹脂製のRFIDタグは、人体が直接触れる衣服等にはあまり好まれない。
下記特許文献4では、ICチップを備えたインレットの両面に織布製基材を設けた織りネーム等の物品が開示されている(請求項2、図7参照)。
特開平4−933363 特開2000−287310 特開2005−56362 特開2007−18487
上記特許文献4では、織布製基材を二重に使用し、その間に接着層を介してICチップを取り付けている。このやり方では、製品が分厚くなって、織りネームとしてはごつごつした触感を与えるものとなる。しかも、織布製基材の貼り合わせ作業が必要となる。
本発明は、この問題点に鑑みて行われたもので、表裏生地の貼り合わせ作業が不要で、薄い布製RFIDタグ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の布製RFIDタグは、経糸及び緯糸の少なくとも一方にホットメルト接着剤を塗布した糸を使用し、かつ、空洞の袋部分を有するように、レピア織り又はシャトル織りされた布製RFIDタグであって、前記袋部分にICチップを挿入していると共に、前記ホットメルト接着剤で熱溶着することにより袋部分の開口を閉鎖していることを特徴とする。
本発明の布製RFIDタグの製造方法は、経糸及び緯糸の少なくとも一方にホットメル
ト接着剤を塗布した糸を使用し、レピア織り又はシャトル織りで空洞の袋部分を有するように布製タグを織成する工程と、前記袋部分にICチップを挿入する工程と、前記ホットメルト接着剤で熱溶着することにより袋部分(5)の開口を閉鎖する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、ICチップを封入する袋部分を除いて1重なので、極めて薄く軽い布製RFIDタグが得られる。また、最初から袋部分が形成されるので封入工程が簡略化される。さらに、経糸及び緯糸の少なくとも一方にホットメルト接着剤を塗布した糸を使用することにより熱溶着が可能となるので、密閉工程が容易となる。さらに、ICチップを密封してから、衣服等に縫着するため、ミシンの針でICチップを破損させるおそれがない。
レピア織り又はシャトル織りはそれ自体公知の織成方法である。この織成方法によれば、織成途中で生地を二重として空洞の袋部分を形成することが可能である。
空洞の袋部分の形状は自由であるが、ICチップを端部から挿入するので、挿入側が末広がりとなった長方形状が好ましい。ICチップを封入するためには、袋部分が開口している必要がある。
開口した袋部分を形成するには、端部で開口している状態を最初から形成する方法と、一端密閉した袋部分を形成した後で、袋部分を切断して開口させる方法がある。工程的には前者が便利であるが、技術的に後者の方法を採らざるを得ない場合がある。
ICチップを挿入した後で、開口を閉じる必要がある。この目的のために、経糸及び緯糸の少なくとも一方にホットメルト接着剤を塗布した糸を使用し、ICチップ挿入後、熱溶着させる。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
図1(a)(b)は、本発明の布製RFIDタグである2種類の織りネーム1を示す。共に製品2、3に対して、糸4で縫い付けられている。取り付け場所及び取付方法が異なっている。
図2(a)〜(c)は、この織りネーム1の製造方法を示している。
図2(a)では、それ自体公知の織成方法であるレピア織り又はシャトル織りで、空洞の袋部分5を有する織りネーム1を作成する。袋部分5の形状は自由であるが、ICチップを端部(図の右側)から挿入するので、挿入側が末広がりとなった長方形状が好ましい。後記(c)の目的で、経糸及び緯糸の少なくとも一方にホットメルト接着剤を塗布した糸を使用しておく。
続いて、(b)のように右側端部近くで切断し、袋部分の右端を開口11させる。その開口11からICチップ6を袋部分5の中に挿入する。切断された断片13は廃棄する。
(c)では、アイロンなどを使用して斜線部分12を加熱し、ホットメルト接着剤を熱溶着させる。
完成した織りネーム1の断面を図3に示す。袋部分5にICチップ6が挿入されて密封されている。袋部分5以外では、織布は1重である。
a)(b)は、本発明の布製RFIDタグを取り付けた2種類の織りネームを示す。 (a)〜(c)は、この織りネームの製造方法を示している。 完成した織りネームの断面である。
符号の説明
1 布製RFIDタグ(織りネーム)
5 袋部分
6 ICチップ
11 開口
12 斜線部分

Claims (4)

  1. 経糸及び緯糸の少なくとも一方にホットメルト接着剤を塗布した糸を使用し、かつ、空洞の袋部分(5)を有するように、レピア織り又はシャトル織りされた布製RFIDタグであって、
    前記袋部分(5)にICチップ(6)を挿入していると共に、前記ホットメルト接着剤で熱溶着することにより袋部分(5)の開口を閉鎖していることを特徴とする、布製RFIDタグ。
  2. 経糸及び緯糸の少なくとも一方にホットメルト接着剤を塗布した糸を使用し、レピア織り又はシャトル織りで空洞の袋部分(5)を有するように布製タグを織成する工程と、前記袋部分(5)にICチップ(6)を挿入する工程と、前記ホットメルト接着剤で熱溶着することにより袋部分(5)の開口を閉鎖する工程を有することを特徴とする、布製RFIDタグの製造方法。
  3. 前記袋部分(5)に予め、開口(11)を形成するように織成する請求項2記載の方法。
  4. 前記袋部分(5)が密封されるように織成した後で、前記袋部分を切断して開口(11)を形成する請求項2記載の方法。
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