JP2009203933A - 立軸ポンプ用軸受装置及び立軸ポンプ - Google Patents

立軸ポンプ用軸受装置及び立軸ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】既設の立軸ポンプを先行待機運転に対応できるポンプに変更しても、長時間ドライ運転可能にする。
【解決手段】立軸ポンプ用軸受装置3は、揚水を潤滑液として立軸ポンプの主軸1を回転支持する。主軸の外周面に対向して摺動部材7を配置する。摺動部材を軸受ケース8が保管する。摺動部材は樹脂を炭素繊維で補強した複合樹脂製であるとともに、軸受ケースに圧入により固定されている。摺動部材の反摺動面側または軸方向側部に摺動部材と主軸との摺動により発生する熱を放熱する機構を設ける。具体的には、軸受ケースと摺動部材とを半径方向に串刺しにする熱伝導率が摺動部材よりも大きい複数のピン9を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、立軸ポンプに用いる軸受装置及び立軸ポンプに係り、特にドライ摺動やドライ摺動と異物等を含む揚水中での摺動が繰り返される環境下で使用されるのに好適な軸受装置および立軸ポンプに関する。
近年の急激な都市化にともない、都市排水機場への雨水の流入は、大量かつ急激なものとなっており、都市型洪水発生の危険性が高くなっている。このような都市型洪水の発生を回避するためには、緊急時でも速やかに動作する排水ポンプが必要である。そのため、洪水が発生していない通常時において、排水ポンプに動作状態を確認するために、空転運転を実施している。つまり、排水機場においては、雨水が機場に流入する以前に、排水ポンプを運転する先行待機運転が強く求められている。
先行待機運転を実行するポンプでは、揚水されない空転運転を所定時間だけ継続して実行するので、揚水を潤滑液とする軸受をポンプに使用すると、軸受部に潤滑液がないドライ摺動が長時間続く。その結果、軸受の摩擦による摩耗や発熱による破損が生じる可能性が高まる。
このような不具合を解消するために、特許文献1に記載のポンプでは、軸受部に樹脂材料を使用し、ドライ摺動による摩擦熱を一定値で推移させ、温度上昇も一定値に収束させている。そして、樹脂材料は耐摩耗性を有し耐熱衝撃性に優れているので、ドライ運転と揚水運転が繰り返される使用環境でも、クラックの発生や焼損の恐れがない。さらに、軸受部近傍に異物進入防止材を設けて、所定径以上の異物の侵入を防止している。
特開2003−343474号公報
ところで、既設の揚水用ポンプ設備を、ドライ運転が可能な先行待機型ポンプ構造に改造して、都市型洪水に対応する需要が増大している。その際、軸受装置以外の部品は既設のものをそのまま使い、軸受装置だけをドライ運転に対応させるのが最も一般的である。立軸ポンプにおいて軸受装置に掛かるラジアル荷重は、ポンプの主軸を含む回転体のアンバランスに起因する荷重であり、この荷重により主軸は振れ回る。アンバランスによる荷重は、軸受装置の周方向に一様で、比較的軽荷重である。
しかしながら、新設ポンプ設備の場合と異なり、既設ポンプ設備の場合では、経年的劣化により主軸の偏心量が増大しているおそれがある。偏心量が増大していると、軸受装置に偏荷重として作用し、軸受装置の一部分だけが高面圧となる肩当たりが生じる。軸受装置に高面圧の偏荷重が発生すると、摩擦熱により発熱量が増加し、軸受装置の摺動部材に樹脂を使用すると、熱膨張などの変形を生じやすい。特に、耐熱樹脂であるPEEK等の樹脂を用いると、樹脂の熱伝導率が悪いので、軸受外に熱が伝達されず、熱膨張により主軸に軸受装置の樹脂が固着する等の不具合を生じるおそれがある。
上記特許文献1に記載の立軸ポンプでは、ドライ運転における摩擦熱については考慮されている。しかしながら、既設ポンプの一部改造による先行待機運転可能にするポンプとする際に、偏荷重等が作用して軸受装置に更なる負荷が発生することについては、十分には考慮されていない。
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、既設の立軸ポンプを先行待機運転に対応できるポンプに変更しても、長時間ドライ運転を可能にすることにある。本発明の他の目的は、立軸ポンプに用いる軸受装置において、ドライ運転時の耐荷重性を向上させることにある。そして、このような軸受装置を用いて立軸ポンプを先行待機運転に対応可能にすることも目的とする。
上記目的を達成する本発明の特徴は、揚水を潤滑液とし立軸ポンプの主軸を回転支持する立軸ポンプ用軸受装置において、主軸の外周面に対向して配置される摺動部材とこの摺動部材を保持する軸受ケースを有し、摺動部材は樹脂を炭素繊維で補強した複合樹脂製であるとともに前記軸受ケースに圧入により固定されており、摺動部材の反摺動面側または軸方向側部に摺動部材と主軸との摺動により発生する熱を放熱する機構を設けることにある。
そしてこの特徴において、摺動により発生する熱を放熱する機構は、軸受ケースと摺動部材とを半径方向に串刺しにする熱伝導率が摺動部材よりも大きい複数のピンであってもよく、軸受ケースの内周面側に、軸方向に延びるとともに周方向に間隔を置いて複数個の溝を形成し、摺動部材はこの溝に圧入された棒状部材であり、摺動により発生する熱を放熱する機構は、多角形状に形成された溝であってもよい。なお、この溝は、内周面から半径方向外方に向けて所定半径方向位置までは周方向幅が広がり、所定半径位置から外方では周方向幅が狭くなっており、溝に摺動部材を圧入した時には半径方向に摺動部材と溝内周間に隙間が形成されることが望ましい。
また、摺動部材はリング状の複数の要素を有し、この複数のリング状要素を内径がリング状要素よりも大径である放熱部材を介して軸方向に積層して構成されており、摺動により発生する熱を放熱する機構が放熱部材であってもよく、摺動により発生する熱を放熱する機構では、前記摺動部材の半径方向厚さが3mm以上でかつ10mm未満であるのが好ましい。
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、立軸ポンプが上記いずれかに記載の軸受装置を、主軸の下部と中間部に配置してあることにある。
本発明によれば、立軸ポンプに用いる軸受装置において、軸受装置の半径方向に熱が伝導しやすい経路を確立したので、軸受の摺動面で発生した熱量を摺動部材内に留まらずに軸受外に放熱されるので、ドライ運転が継続しても軸受の損傷を防止できる。また、既設の立軸ポンプを先行待機運転に対応できるポンプに変更しても、長時間ドライ運転が可能になる。さらに、本発明の軸受装置を立軸ポンプに適用すれば、先行待機運転が容易になる。
以下、本発明のいくつかの実施例を、図面を用いて説明する。図1に、立軸ポンプの一実施例を、縦断面図で示す。立軸ポンプ20では、鉛直方向に延び回転する主軸1の下端部に、羽根車4が固定されている。羽根車4の下方から羽根車4の外周部を覆い、さらに上方にまでポンプケーシング2が延びている。ポンプケーシング2は、羽根車4部を除いてほぼ円筒形に形成されており、中心部を主軸1が貫通している。ポンプケーシング2の内部は、揚水の流路を形成する。
ポンプケーシング2を貫通する主軸1は、上下方向の複数個所、本実施例では2箇所で軸受装置3,3aに回転可能に支持されている。図1に示した実施例では、羽根車1の近傍に一方の軸受装置3aが、立軸ポンプ20の設置面である床面よりも下方で、このポンプ20を駆動する駆動モータ6にカップリング5を介して接続される軸の反駆動モータ6接続部側端部に、他方の軸受装置3が設置されている。
次に、上記軸受装置3,3aの詳細を、図2ないし図6を用いて説明する。図2に、図1に示した立軸ポンプ20が備える軸受装置3,3aの縦断面図を示す。軸受装置3、3aは、同じものである。ここでは、上側の軸受装置3を例にとり、説明する。軸受装置3は、主軸1の外周面に対向して配置されるリング状の摺動部材7と、このリング状の摺動部材7を保持する段付き円筒状の軸受ケース8とを有している。摺動部材7は、軸受ケース8の内周側に圧入されて固定されている。摺動部材7の圧入方向先端を、軸受ケース8の段付き部に当接させることにより、軸方向位置が定まる。
軸受ケース8では、軸方向および周方向に間隔をおいて、半径方向に延びる複数の貫通孔が形成されている。一方、摺動部材7では、軸受ケース8に形成された貫通孔に対応する位置に、半径方向外周側から内周側へ止まり穴が形成されている。そして、軸受ケース8の貫通孔と摺動部材7の止まり穴を串刺しするように、熱伝導率の良いピン9が半径方向に挿入されている。
摺動部材7は、炭素繊維を含有するPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)系の樹脂材料で構成されている。摺動部材7に用いる樹脂材料は、樹脂コーティングした長尺の炭素繊維を、軸心に対してコイル状に巻回したものである。そのため、摺動部材7の周方向の熱伝導率は高いが、半径方向の熱伝導率は低く、熱伝導率の異方性を示す。
主軸1の外周面と摺動部材7の内周面である摺動面が摺動して発生した熱は、摺動部材7の異方性のために、半径方向には伝導されにくく、摺動部材7内に蓄積され易くなる。その結果、立軸ポンプ20を長時間ドライ運転すると、摺動部材7の温度が許容温度以上に上昇して、摺動部材7が熱膨張し、主軸1に融着または付着し、主軸1の回転を妨げる恐れが生じる。
この不具合を防止するために、本実施例では、上述したように、摺動部材7よりも熱伝導率の良いピン9を、軸受ケース8と摺動部材7を串刺しするように、複数本挿入している。これにより、軸受装置3の半径方向の熱伝達率が改善され、摺動部材7の摺動面で発生した熱を摺動部材7内に留めずに、軸受ケース8に速やかに移動させ、摺動部材7からの放熱を効果的に実行できる。なお、摺動部材7の背面側に当接するピン9への熱伝導は、当接部の摺動部材7の肉厚が孔によりその他の部分より薄くなっているので、促進される。
摺動部材7の摺動面から、ピン9を経由して放熱される状態を、定常温度解析で確認した。ピン9に銅系の材質を使用し、ピンの本数を24本とし、摺動部材7の許容温度を140℃とした。ピン9が無く、軸受ケース8に円筒状の摺動部材を圧入しただけの状態で、摺動部材の表面温度が上記許容温度になる運転条件において、ピン9を用いて放熱を図ると、摺動部材7の最高表面温度は許容温度よりも14℃低下していた。
図3に、軸受装置3の他の実施例を、横断面図で示す。摺動部材7aは棒状であり、図に示すように、周方向に複数個所、図3では8箇所に配置されている。摺動部材7aは、軸受ケース8aの内周側に形成した軸方向に延びる多角形状の溝に圧入されて固定されている。軸受ケース8aに形成する溝形状は、本実施例では正六角形の上下方向を圧縮したような六角形状であり、熱変形等が生じても軸受ケース8aから摺動部材7aが抜けにくい構造となっている。なお、溝は軸方向には止まり溝となっており、摺動部材7aの先端が軸受ケース8aの溝の側部に当接することにより、軸方向位置が定まる。
この棒状の摺動部材7aを用いても、摺動部で発生する熱の放熱が促進される。特に、ポリエーテルエーテPEEK樹脂でコーティングした炭素繊維を軸心に対してコイル状に巻回した複合材料で摺動部材7aを製作したときには、熱伝導率の高い摺動部材7aの周方向の面と軸受ケース8aの接触面積を広くすることができ、軸受装置3の摺動面で発生した熱を軸受ケース8aに素早く移動させることができ、上記実施例よりも効率的に摺動部材7内の熱を放熱できる。
この様子を、定常温度解析によって確認した。軸受ケース8はSUS304製とし、摺動部材7aはPEEK樹脂をコーティングした炭素繊維を軸心に対してコイル状に巻回している複合材料製とし、棒状の摺動部材7aを8個用いた場合である。摺動部材7aの許容温度を、140℃とする。上記図2の実施例で仮定したのと同じ条件、すなわち円筒状に形成した摺動部材7aの摺動部温度が140℃まで上昇する運転条件で、図3に示した軸受装置3を用いると、摺動部の最高温度は許容温度よりも36℃低下していた。
ところで、摺動部材7aは樹脂製であるから、摩擦熱に起因する熱膨張により、摺動部材7aと主軸1との間の軸受隙間が狭くなり、主軸1に軸受装置3が融着または固着するおそれがある。そこで図4に示すように、軸受ケース8aの内周面側に設けた溝を、摺動表面部から深くなるにつれて(半径方向外方に向かうにしたがい)幅を広げ、所定半径位置から外方では溝底に向けて溝幅を狭くしている。さらに、溝底には隙間11を形成している。
このように摺動部材7aおよび軸受ケース8aを構成すると、摺動部材7aは以下の挙動を示す。摺動部材7aの表面で摩擦熱が発生し摺動部材7aが熱膨張すると、摺動部材7aの外径部7dよりも内径部7cのほうが摺動面に近いので、内径部7cの温度が外径部7dの温度よりも高くなる。摺動部材7aは熱膨張し、軸受ケース8aの対向する壁面から反力を受ける。外径部7dが壁面から内径側に押される力よりも、内径部7cが壁面から外径側に押される力の方が大きいので、壁面からの反力の合力により、摺動部材7aを外径側に押し付ける。外径側に押し付けられた摺動部材7aは、摺動部材7aの背面側に隙間11が形成されているので、隙間11側に熱膨張する。この隙間11は、熱膨張量を十分許容するする量に設定されている。
摺動部材7aの摺動面での発熱が収まり熱膨張が解消されると、外径部7dが壁面から内径側に押される反力で、摺動部材7aは元の位置に自動的に戻る。したがって、摩擦熱により摺動部材7aが熱膨張しても、主軸1に軸受装置3が融着または固着して、立軸ポンプ20が運転不可能になる現象を回避でき、立軸ポンプ20の信頼性が向上する。
図5に本発明に係る軸受装置のさらに他の実施例を、縦断面図を示す。軸受装置3では、円筒段付き状に形成された軸受ケース8bの内側に、複数個のリング状に形成された摺動部材7eと放熱部材10とを軸方向に積層した状態で、摺動部材7eを圧入している。したがって、摺動部材7eは軸方向に分断されており、その間に放熱部材10が挟まれている。放熱部材10は、摺動部材7eに蓄えられる熱を、軸方向に導く経路を設けるために、設けられている。熱膨張により、摺動材7と放熱部材10の間に軸方向に隙間が生じないように、軸方向端部を押さえ板12で押し付けている。
この図5に示した実施例については、上記各実施例と同様の条件で、定常温度解析を実行し、放熱効果を確認した。軸受ケース8bはSUS304製であり、摺動部材7eはPEEKでコーティングした炭素繊維を、軸心に対してコイル状に巻回した複合材料製である。放熱部材10は、銅系部材であり、摺動部材7eの許容温度は140℃である。円筒状の摺動部材の表面温度が許容温度なる運転条件で、本実施例に示した軸受装置3を用いると、摺動部材7eの表面温度は許容温度よりも11℃低下していた。
本実施例でも、摺動部材7eは樹脂製であるから、摩擦熱に起因する熱膨張により軸受隙間が狭くなり、主軸1に軸受装置3が融着または固着する恐れがある。そこで、本実施例では、摺動部材7eの摺動面で摩擦熱が発生し摺動部材7eが熱膨張しても、放熱部材10の内径が摺動部材7eの内径よりも大になるようにしている。これにより、放熱部材10と主軸1間に隙間11bが形成され、この隙間11bに摺動部材7eが熱膨張して回り込むことが可能になる。したがって、摩擦熱により摺動部材7eが熱膨張しても、主軸1に軸受装置3が融着または固着して立軸ポンプ20が運転不可能になる事態を回避でき、立軸ポンプ20の信頼性が向上する。
図6に、本発明に係る軸受装置3のさらに他の実施例を縦断面図で示す。軸受装置3では段付き円筒状の軸受ケース8bの内側に、円筒状の摺動部材7fを圧入して固定している。摺動部材7fの半径方向厚さは、3mm以上で10mm未満である。摺動部材7fの半径方向厚さを薄くしたので、軸受装置3の半径方向の熱伝達率が増大し、軸受装置3の摺動面で発生した熱を、摺動部材7f内に留めずに軸受ケース8bに速やかに移動させる。これにより、摺動部材7f内の熱を効果的に放熱できる。ここで、摩擦熱による熱膨張量は、摺動部材7fの半径方向厚さに比例して大きくなる。摺動部材7fの厚さを薄くすれば、摩擦熱による熱膨張量が少なくなり、主軸1に軸受装置3が融着または固着して立軸ポンプ20が運転不可能になる事態を回避できる。
本実施例についても、定常温度解析を実行し、放熱効果を確認した。摺動部材7fはPEEK樹脂をコーティングした炭素繊維を軸心に対してコイル状に巻回している複合材料製である。摺動部材7fの半径方向厚さを10mmにした場合と、6mmにした場合について解析した結果、摺動部材7f摩擦により摺動面温度上昇は、適用しない場合の約60%まで低下していた。摺動部材7fの許容温度を140℃として、上記各実施例に示した運転条件下で、要素試験を実施した。この要素試験では、軸受装置3の摺動面の最高温度が、許容温度よりも41℃も低下した。
なお、本実施例に示した軸受装置3を製作する場合には、予め軸受ケース8bに、内周面側径が所定寸法より加工代だけ小さい径の摺動部材7fを圧入して固定する。圧入(焼きばめ)後、摺動部材7fの内径を加工して、所定寸法に仕上げる。これにより、摺動部材7fの半径方向厚さを、必要限界まで薄く加工することができる。摺動部材7fの半径方向厚さが薄くなればなるほど、軸受ケース8bと摺動部材7fとの圧入による拘束力が低下する。摺動部材7を薄くし過ぎると、切削加工時の切削抵抗に耐えきれず、割れや周方向へのずれが生じて加工不可能になる。これらの不具合の発生を防止するために、摺動部材7fの限界厚さは3mmになる。
また、摺動部材7fの厚さを10mm以上にすると、半径方向の熱伝達率が著しく低下し、摺動部材7f摺動部で発生した熱が蓄積されやすくなる。その結果、摺動部材7fが熱膨張し、主軸1に融着または固着する恐れが生じる。軸受装置3の半径方向の熱伝達率は、軸受ケース8bと摺動部材7fの半径方向厚さと熱伝導率に依存するが、摺動部材7fの外径には依存しない。そこで、摺動部材7fの半径方向厚さを摺動部材7fの外径にかかわらず、3mm以上で10mm未満とすることが望ましい。なお、上記各実施例は、組み合わせて使用することも可能であり、組み合わせれば相乗効果が期待できる。
本発明に係る軸受装置を搭載した立軸ポンプの一実施例の縦断面図である。 図1に示し立軸ポンプに用いる軸受装置の縦断面図である。 本発明に係る軸受装置の他の実施例の横断面図である。 図3に示した軸受装置を説明する横断面図である。 本発明に係る軸受装置のさらに他の実施例の縦断面図である。 本発明に係る軸受装置のさらに他の実施例の縦断面図である。
符号の説明
1...主軸、2...ポンプケーシング、3、3a...軸受装置、4...羽根、5...カップリング、6...モータ、7、7a〜7f...摺動部材、8、8a、8b...軸受ケース、9...ピン、10...熱伝達部材、11,11b...隙間、12...押え板、20...立軸ポンプ。

Claims (7)

  1. 揚水を潤滑液とし立軸ポンプの主軸を回転支持する立軸ポンプ用軸受装置において、前記主軸の外周面に対向して配置される摺動部材とこの摺動部材を保持する軸受ケースを有し、前記摺動部材は樹脂を炭素繊維で補強した複合樹脂製であるとともに前記軸受ケースに圧入により固定されており、前記摺動部材の反摺動面側または軸方向側部に摺動部材と主軸との摺動により発生する熱を放熱する機構を設けたことを特徴とする立軸ポンプ用軸受装置。
  2. 摺動により発生する熱を放熱する前記機構は、前記軸受ケースと摺動部材とを半径方向に串刺しにする熱伝導率が摺動部材よりも大きい複数のピンであることを特徴とする請求項1に記載の立軸ポンプ用軸受装置。
  3. 前記軸受ケースの内周面側に、軸方向に延びるとともに周方向に間隔を置いて複数個の溝を形成し、前記摺動部材はこの溝に圧入された棒状部材であり、摺動により発生する熱を放熱する前記機構は、多角形状に形成された溝であることを特徴とする請求項1に記載の立軸ポンプ用軸受装置。
  4. 前記溝は、内周面から半径方向外方に向けて所定半径方向位置までは周方向幅が広がり、所定半径位置から外方では周方向幅が狭くなっており、前記溝に前記摺動部材を圧入した時には半径方向に摺動部材と溝内周間に隙間が形成されることを特徴とする請求項3に記載の立軸ポンプ用軸受装置。
  5. 前記摺動部材はリング状の複数の要素を有し、この複数のリング状要素を内径がリング状要素よりも大径である放熱部材を介して軸方向に積層して構成されており、摺動により発生する熱を放熱する前記機構が前記放熱部材であることを特徴とする請求項1に記載の立軸ポンプ用軸受装置。
  6. 摺動により発生する熱を放熱する前記機構では、前記摺動部材の半径方向厚さが3mm以上でかつ10mm未満であることを特徴とする請求項1に記載の立軸ポンプ用軸受装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の軸受装置を、主軸の下部と中間部に配置したことを特徴とする立軸ポンプ。
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