JP2009203844A - 燃料噴射弁制御装置及び燃料噴射弁制御システム - Google Patents

燃料噴射弁制御装置及び燃料噴射弁制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】ピエゾ変位又は荷重を正確に推定できる燃料噴射弁制御装置及び燃料噴射弁制御システムを提供する。
【解決手段】ピエゾ素子を備えるピエゾインジェクタに適用され、ピエゾ素子への充放電時に、ピエゾ素子が背圧制御バルブから外力を受けない無負荷状態であったならば取りうるであろうピエゾ素子の電圧を仮想電圧V0として推定する仮想電圧推定手段B40,B41,B42と、その充放電時にピエゾ素子の実電圧Vを計測する実電圧計測手段と、実電圧Vから仮想電圧V0を差し引いた電圧差ΔVに基づき、ピエゾ素子の変位Z又は荷重Fを算出する算出手段と、を備える。
【選択図】 図10

Description

本発明は、ピエゾ素子をアクチュエータとして有する燃料噴射弁に適用された、燃料噴射弁制御装置及び燃料噴射弁制御システムに関する。
この種の燃料噴射弁は、燃料の噴射口を開閉する開閉機構、及びその開閉機構を作動させるピエゾ素子を備えている。そして、ピエゾ素子を充電により伸長させると、ピエゾ素子により開閉機構が開作動を開始して燃料が噴射口から噴射されることとなる。したがって、充電に伴い変化するピエゾ素子の変位(ピエゾ変位Z)を取得できれば、燃料噴射量等の噴射態様を精度良く目標値にすることができる。
特許文献1等に記載の従来装置では、ピエゾ変位Zはピエゾ素子に溜っている電荷(ピエゾ電荷Qpz)と相関があると考えており、ピエゾ電荷Qpzに基づきピエゾ変位Zを推定することで、ピエゾ変位Zを直接検出するセンサの廃止を図っている。そして、ピエゾ電荷Qpzを次の式1にしたがって算出している。
Qpz=C・V…(式1)
式1中のCはピエゾ素子の静電容量(ピエゾ容量)であり、Vはピエゾ素子の電圧(ピエゾ電圧)である。
特開2002−21621号公報
しかしながら、上述の如くピエゾ電荷Qpzに基づきピエゾ変位Zを推定する従来手法では、以下の理由により正確な推定ができていないとの知見を本発明者は得た。
すなわち、燃料噴射弁に搭載された状態の実際のピエゾ素子について検討すると、ピエゾ素子を伸長させて開閉機構を作動させる時には、ピエゾ素子は開閉機構から荷重(反力)を受ける。すると、この荷重によりピエゾ素子内部では圧電効果による電荷Qroadが生じることとなるため、上記式1(Qpz=C・V)が成り立たっておらず、次の式2に示すように電荷Qroadの項を加える必要がある。
Qpz=Qroad+C・V…(式2)
式2中のC・Vの項は、ピエゾ素子に投入した電荷Qinであると言える(C・V=Qin)。また、圧電効果による電荷Qroadはピエゾ素子にかかる荷重Fに比例するため、圧電定数をBとするとQroad=B・Fとなる。
このピエゾ素子にかかる荷重Fはピエゾ変位Zと比例関係にあるため、荷重Fと比例関係にある電荷Qroadからはピエゾ変位Zを正確に推定できると言える。しかしピエゾ電荷Qpzについては、式2にて表されるように電荷Qroadと比例関係にないため、ピエゾ電荷Qpzからはピエゾ変位Zを正確には推定できない。
ちなみに、荷重Fはピエゾ変位Zと比例関係にあるため、ピエゾ変位Zに替えて荷重Fを用いることによっても燃料の噴射態様を精度良く目標値にすることができる。しかしながら従来装置では、ピエゾ電荷Qpzから荷重Fを推定していたため、上記理由と同様に荷重Fを正確には推定できていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ピエゾ変位又は荷重を正確に推定できる燃料噴射弁制御装置及び燃料噴射弁制御システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、
燃料の噴射口を開閉する開閉機構、及び充放電に伴い伸縮して前記開閉機構を作動させるピエゾ素子を備える燃料噴射弁に適用され、
前記ピエゾ素子への充放電時に、前記ピエゾ素子が前記開閉機構から外力を受けない無負荷状態であったならば取りうるであろう前記ピエゾ素子の電圧を仮想電圧V0として推定する仮想電圧推定手段と、
前記充放電時に、前記ピエゾ素子の実電圧Vを計測する実電圧計測手段と、
前記実電圧Vから前記仮想電圧V0を差し引いた電圧差ΔVに基づき、前記ピエゾ素子の変位Z又は荷重Fを算出する算出手段と、
を備えることを特徴とする。
ここで、図12(a)中の実線はピエゾ素子の実電圧Vを示しており、この実電圧Vには、前記無負荷状態でピエゾ素子を伸縮させることに伴う電圧、つまり図12(a)中の点線に示す仮想電圧V0が含まれている。また、上記式2(Qpz=Qroad+Qin)中の各電荷のいずれについても静電容量が一定であると仮定すれば、式2を以下の式3に変形できる。
Vpz=Vroad+Vin…(3)
したがって、式3中のVpzは、ピエゾ素子の電圧(ピエゾ電圧)であり上記発明の「実電圧V」に相当し、Vinは無負荷状態で充放電した時に変化する電圧である「仮想電圧V0」に相当し、Vroadは「実電圧から仮想電圧を差し引いた電圧差ΔV」に相当する。そして、先述したように電荷Qroadは荷重F及びピエゾ変位Zと比例関係にあるため、電圧差ΔV(Vroad)も荷重F及びピエゾ変位Zに比例する。
要するに、実電圧Vは、荷重Fによる圧電効果の影響を受けない仮想電圧V0を含んでいるため、荷重Fとの相関性が低い。一方、電圧差ΔVは、そのような仮想電圧V0が切り離された値であるため、荷重Fとの相関性が高い。以上により、このような電圧差ΔVに基づきピエゾ変位Z又は荷重Fを算出する本発明によれば、ピエゾ変位Z又は荷重Fを正確に推定できる。
請求項2記載の発明では、前記ピエゾ素子に投入した充電エネルギEと、その投入に伴い生じた前記ピエゾ素子の電圧とに基づき、前記ピエゾ素子の静電容量Cを算出するピエゾ容量算出手段を備え、前記仮想電圧推定手段は、前記充放電時に前記ピエゾ素子に出入りする移動電荷Qinの計測値と、前記ピエゾ容量算出手段により算出された静電容量Cとに基づき、前記仮想電圧V0を算出することを特徴とする。
このように、ピエゾ素子に投入した充電エネルギEとその投入に伴い生じたピエゾ素子の電圧とに基づき静電容量Cを算出する本発明によれば、ピエゾ素子内部にて圧電効果により生じる電荷Qroadとは無関係に次の式4にしたがって静電容量Cを算出できるので、静電容量Cを正確に算出できる。
E=1/2×C×V2…(式4)。
ちなみに、請求項2記載の発明に反し、ピエゾ素子の実電圧Vとピエゾ電荷Qpzとから先述の式1(Qpz=C・V)にしたがって静電容量Cを算出しようとすると、先述したように圧電効果による電荷Qroadが生じている時には式1が成り立たっておらず、式2(Qpz=Qroad+C・V)となっているため、正確に静電容量Cを算出できない。
そして、このように正確に算出された静電容量Cと移動電荷Qinとに基づき仮想電圧V0を算出する請求項2記載の発明によれば、Qin=C・V0との算出式にしたがい、仮想電圧V0をより一層精度良く推定できる。
請求項3記載の発明では、前記仮想電圧推定手段は、前記充放電時のうち充電時における前記仮想電圧を推定する場合には、前記移動電荷計測値Qinと前記仮想電圧V0とが線形の関係(図11のL1参照)となるよう前記仮想電圧を推定することを特徴とする。また、請求項4記載の発明では、前記仮想電圧推定手段は、前記充放電時のうち放電時における前記仮想電圧を推定する場合には、前記移動電荷計測値Qinと前記仮想電圧V0とが非線形の関係(図11のL2参照)となるよう前記仮想電圧を推定することを特徴とする。
ところで、本発明者らの検討によれば、移動電荷計測値Qinと仮想電圧V0との関係は、充電時には線形性があるのに対し放電時には非線形となり、ヒステリシスを有することが分かった。これは、荷重をゼロとした場合において、電荷と変位との関係は充電放電いずれにおいても線形性があるのに対し、電圧と変位との関係は、充電時には線形性を有するが放電時には非線形となることに起因する。よって、上記請求項3,4記載の発明によれば、仮想電圧V0をより一層精度良く推定できる。
請求項5記載の発明では、前記ピエゾ容量算出手段により算出された静電容量Cと前記ピエゾ素子の圧電定数Bとから荷重係数Kbを算出する荷重係数算出手段を備え、前記算出手段は、前記電圧差ΔV及び前記荷重係数Kbに基づき前記ピエゾ素子の荷重Fを算出することを特徴とする。
電圧差ΔVが荷重Fに比例することは先述した通りであるが、そのときの比例係数(荷重係数Kb)は圧電定数B及び静電容量Cによって異なる値となる(Kb=B/C)。そして、上記請求項5記載の発明では、ピエゾ容量算出手段により上述の如く正確に算出された静電容量Cを用いて荷重係数Kbを算出するので、荷重Fを精度良く算出できる。
請求項6記載の発明では、
前記算出手段は、
前記充放電時に前記ピエゾ素子に出入りする移動電荷の計測値に基づき、前記無負荷状態であったならば取りうるであろう前記ピエゾ素子の変位を無負荷変位Z0として推定する無負荷変位推定手段と、
前記電圧差ΔVに基づき、前記ピエゾ素子が前記荷重Fを受けたことによって変化した負荷変位Zfを算出する負荷変位算出手段と、を有するとともに、
前記無負荷変位Z0に前記負荷変位Zfを加算することにより前記ピエゾ素子の変位Zを算出することを特徴とする。
これによれば、充放電に伴いピエゾ素子が実際に変位した変位Zを、無負荷状態であったならば取りうるであろう変位(無負荷変位Z0)と、荷重Fを受けたことによって変化した負荷変位Zfとに切り分けて算出しているので、無負荷変位Z0及び負荷変位Zfの各々を精度良く算出することができ、ひいては変位Zを精度良く算出できる。
ところで、ピエゾ素子の静電容量Cは温度に応じて変化するものであるため、同じ電圧差であってもその時のピエゾ素子温度によって仮想電圧は異なる値となる。この点を鑑み請求項7記載の発明では、前記仮想電圧推定手段は、前記ピエゾ素子の温度又はその温度と相関のある物理量(例えばピエゾ素子の静電容量)に基づき前記仮想電圧を推定することを特徴とするので、ピエゾ素子の温度特性に応じて仮想電圧を推定でき、推定精度をより一層向上できる。
請求項8記載の発明では、前記算出手段により算出された変位又は荷重に基づき、前記ピエゾ素子への通電を制御することを特徴とするので、燃料噴射量等の噴射態様を精度良く目標値にすることができる。また、請求項9記載の発明では、前記算出手段により算出された変位又は荷重に基づき、前記燃料噴射弁の異常を検出することを特徴とするので、噴射異常を高精度で検出できる。
特に、1燃焼サイクル中に複数回の噴射を行う多段噴射において、パイロット噴射やプレ噴射等の微少噴射については実噴射量が目標噴射量となっているか否かを精度良く判定する手段が従来より望まれていた。よって、このような判定に上記請求項8,9記載の発明を適用すれば、本発明の効果が好適に発揮される。
請求項10記載の発明は、燃料噴射弁と、上記燃料噴射弁制御装置と、を備えることを特徴とする燃料噴射弁制御システムである。この燃料噴射弁制御システムによれば、上述の各種効果を同様に発揮することができる。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる燃料噴射制御装置を、車両に搭載されたコモンレール式のディーゼル機関の燃料噴射制御装置に適用した第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態におけるエンジンシステムの全体構成を示す。
図示されるように、燃料タンク1内の燃料は、燃料フィルタ2を介して燃料ポンプ3によって汲み上げられる。この燃料ポンプ3は、燃料調量弁4を備えており、この燃料調量弁4が操作されることで、外部に吐出される燃料量が決定される。燃料ポンプ3からの燃料は、コモンレール5に加圧供給される。コモンレール5は燃料ポンプ3から加圧供給された燃料を高圧状態で蓄え、蓄圧された高圧燃料は、高圧燃料通路6を介して各気筒(ここでは、4気筒を例示)のピエゾインジェクタPI(燃料噴射弁)に供給される。ピエゾインジェクタPIは、低圧燃料通路7と接続されており、低圧燃料通路7を介して燃料を燃料タンク1に戻すことが可能となっている。
次に、図2に基づきピエゾインジェクタPIの構造について説明する。
ピエゾインジェクタPIのボディ10の先端には、円柱状のニードル収納部10aが設けられている。そして、ニードル収納部10aには、その軸方向に変位可能なノズルニードル11(弁体)が収納されている。また、ニードル収納部10aには、上記高圧燃料通路6を介して高圧燃料が供給される。ノズルニードル11は、ボディ10の先端部に形成されている環状のニードルシート部10bに着座することで、ニードル収納部10aを高圧燃料通路6から遮断する一方、ニードルシート部10bから離脱することで、ニードル収納部10aを高圧燃料通路6と連通させる。
ノズルニードル11の背面側(ニードルシート部10bと対向する側の反対側)は、背圧室10cに対向している。背圧室10cには、高圧燃料通路6からの燃料がオリフィス10dを介して供給される。また、背圧室10cには、ノズルニードル11をニードルシート部10b側へ押すニードルスプリング12が備えられている。
背圧室10cは、背圧制御バルブ13を介して上記低圧燃料通路7に連通可能とされている。背圧制御バルブ13は、その背面側が環状の上側バルブシート部10eに着座することで低圧燃料通路7と背圧室10cとを遮断し、ボディ10の先端側へ変位することで低圧燃料通路7と背圧室10cとを連通させる。さらにボディ先端側へ変位して背圧制御バルブ13のボディ10先端側が環状の下側バルブシート部10gに着座すると、背圧制御バルブ13が収容されている弁室と高圧燃料通路6とは背圧制御バルブ13により遮断される。但し、弁室と背圧室10cとはオリフィス10hを介して常時連通している。
背圧制御バルブ13のうち上側バルブシート部10e側は、プレッシャピン14を介して小径ピストン15と連結されている。小径ピストン15の後部側は、小径ピストン15よりも径の大きな大径ピストン16の先端と対向している。そして、小径ピストン15、大径ピストン16、及びボディ10の内周面によって変位伝達室10fが区画形成されている。変位伝達室10fには、例えば燃料等の適宜の流体が充填されている。一方、大径ピストン16は、そのボディ10の後方側がピエゾ素子PEと連結されている。ちなみに、ピエゾ素子PEは、大径ピストン16と対向する側の裏面側がボディ10に固定されている。なお、特許請求の範囲に記載の「開閉機構」は、ノズルニードル11、ニードルスプリング12、背圧制御バルブ13、プレッシャピン14、小径ピストン15、大径ピストン16等に相当する。
ピエゾ素子PEは、複数の圧電素子が積層されてなる積層体(ピエゾスタック)を備え、これが逆圧電効果により伸縮することによりアクチュエータとして機能する。具体的には、ピエゾ素子PEは、容量性の負荷であり、充電されることで伸長し、放電されることで縮小する。ちなみに、本実施形態にかかるピエゾ素子PEは、PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)等の圧電材料の圧電素子を利用したものである。
ピエゾ素子PEへ電流が供給されずピエゾ素子PEが収縮状態にあるときには、高圧燃料通路6の高圧燃料により力が及ぼされることから、背圧制御バルブ13や小径ピストン15はボディ10の後方に位置することとなる。このとき、背圧制御バルブ13により背圧室10cと低圧燃料通路7とは遮断されている。このため、背圧室10c内の燃料の圧力(コモンレール5内の燃料の圧力)及びニードルスプリング12の弾性力によって、ノズルニードル11は、ボディ10先端側へと押されてニードルシート部10bに着座した状態(閉弁状態)となる。
一方、ピエゾ素子PEに電流が供給されることでピエゾ素子PEが伸長状態となると、背圧制御バルブ13はボディ10の先端側へ移動する。これにより、背圧室10cが低圧燃料通路7と連通される。その結果、背圧室10c内の燃料の圧力が低下し、ニードル収納部10a内の高圧燃料がノズルニードル11をボディ10の後方へ押す力F1が大きくなる。そして、背圧室10c内の燃料及びニードルスプリング12がノズルニードル11をボディ10の前方へ押す力F2よりも、前記後方へ押す力F1が所定以上大きくなると、ノズルニードル11はニードルシート部10bから離脱した状態(開弁状態)となり、開状態となった噴射口10iから高圧燃料通路6の燃料が噴射されることとなる。
先の図1に示したエンジンシステムは、コモンレール5内の燃圧(レール圧PC)を検出する燃圧センサ5aや、ディーゼル機関の出力軸の回転角度を検出するクランク角センサ20a等、ディーゼル機関の運転状態を検出する各種センサや、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ20bを備えている。
これら各種センサの検出結果は制御ユニット20に取り込まれる。制御ユニット20では、こうした検出値に基づき、ピエゾインジェクタPIや燃料調量弁4等、ディーゼル機関の各種アクチュエータを操作する。特に制御ユニット20では、上記各種センサの検出値に基づきピエゾインジェクタPIを操作することで、燃料噴射制御を行う。
次に、図3に基づき制御ユニット20の構成と作動概略について説明する。
制御ユニット20が有するマイクロコンピュータ21は、アクセルセンサ20bによって検出されるアクセルペダルの操作量とクランク角センサ20aの検出値から定まる出力軸の回転速度とに基づき、ディーゼル機関の出力トルクの要求を満たす要求噴射量を算出する。そして、算出した要求噴射量と燃圧センサ5aの検出値とに基づき、ピエゾインジェクタPIに対する噴射指令値(指令噴射期間)をマップ演算し、その指令値に応じた駆動信号IJTを制御IC22に出力する。
制御IC22は、入力された駆動信号IJTに基づき駆動回路23を制御することで、ピエゾインジェクタPIへの電力供給状態(つまり、ピエゾインジェクタPIへの充放電)を制御する。これにより、要求噴射量の燃料を所望のタイミングで噴射するようピエゾインジェクタPIが伸縮し、ピエゾインジェクタPIから噴射される燃料の噴射量、噴射時期及び噴射段等の噴射形態が制御される。
駆動回路23からADコンバータ及びDSP24には各種検出信号が入力され、当該検出信号は、ADコンバータ及びDSP24にて入力処理等がなされた後、マイクロコンピュータ21及び制御IC22に送信される。
ピエゾインジェクタPIには、噴射特性や静電容量その他の各種個体差があり、このような固有の特性は、車両を市場に出荷する前の製造工程時にて予め計測されている。そして、夫々のピエゾインジェクタPIが同じように作動するよう調整された調整データを含む個体情報が、QRコード10j(記憶手段)に記憶され、当該QRコード10jはピエゾインジェクタPIに印字されている。なお、QRコード10j以外の記憶手段としてはICメモリ及び補正抵抗器等が挙げられる。
QRコード10jに記憶された個体情報は、エンジンの製造工程やサービス店においてQRコードリーダ30によって読み取られ、外部ツール31によって制御ユニット20内のEEPROM25に書き込まれる。マイクロコンピュータ21では、上述の如く噴射指令値を算出するにあたり、EEPROM25に書き込まれた個体情報等を用いて、マップ演算により得られた噴射指令値を補正する。
次に、図4に基づき駆動回路23の構成とその回路動作について説明する。
多気筒エンジンに適用された本実施形態では、ピエゾインジェクタPIが複数個並列に接続され、噴射する気筒のピエゾインジェクタPIが選択スイッチで選択されるように構成される。図4ではこの選択スイッチの図示を省略している。
駆動回路23は、バッテリBaの電圧(例えば「12V」)を、ピエゾ素子PEを充電するための高電圧(例えば「200〜300V」)に昇圧するDCDCコンバータ(昇圧回路)を備えている。このDCDCコンバータは、昇圧コイルL1、昇圧スイッチSW3、整流ダイオードD3及びバッファコンデンサC1から構成されている。制御IC22により昇圧スイッチSW3をON−OFFさせることで、昇圧コイルL1により昇圧された高電圧で、ピエゾ素子PEに供給するための電荷をバッファコンデンサC1に蓄えさせる。ちなみに、バッファコンデンサC1は、ピエゾ素子PEへの1回の充電処理によってはその電圧がほとんど変化しない容量(例えば「30μF〜数100μF」程度)を有するものであることが望ましい。
なお、バッファコンデンサC1の接地側にはシャント抵抗R1が設けられており、シャント抵抗R1での電圧を制御IC22が取り込む。これにより、制御IC22は、バッファコンデンサC1の充電・放電に伴い流れた電流を検出している。
ピエゾ素子PEは電気的には容量性負荷であるため、バッファコンデンサC1の電荷をピエゾ素子PEに供給して充電させると、ピエゾ素子PEは伸長駆動して燃料を噴射させることとなる。また、ピエゾ素子PEに蓄えられた電荷を放電させると、ピエゾ素子PEは縮小駆動して燃料噴射を停止させることとなる。以下、本実施形態にかかるピエゾ素子PEの変位量制御、つまり充電処理及び放電処理を行った時の回路動作について詳述する。
(充電処理時の回路動作)
マイクロコンピュータ21から上記駆動信号IJTが制御IC22に入力されることで、制御IC22は、充電スイッチSW1のオン・オフ操作によるチョッパ制御を開始する。具体的には、後述するトリガ信号TRGGの立ち上がりエッジをトリガとして充電スイッチSW1がオン操作されると、バッファコンデンサC1、充電スイッチSW1、充放電コイルL2、ピエゾ素子PEからなる閉ループ回路が形成される。これにより、バッファコンデンサC1の電荷がピエゾ素子PEに充電される。このとき、ピエゾ素子PEを介して流れる電流(以下、「ピエゾ電流」と呼ぶ)の量が漸増する(電流量の漸増操作)。
そして、シャント抵抗R1を流れた電流の積分値、つまりバッファコンデンサC1からピエゾ素子PEへ放出された電荷Qin(移動電荷計測値)が、予め設定された閾値Qth(図5(b)参照)を超えると、充電スイッチSW1をオフ操作する。したがって、実際の投入電荷Qinの挙動は、図5(b)中の実線とはならず、閾値Qth以下に制限された挙動となる。
一方、充電スイッチSW1のオン操作の後、先述の閾値Qthに基づき充電スイッチSW1がオフ操作されることで、充放電コイルL2、ピエゾ素子PE、還流ダイオードD2からなる閉ループ回路が形成される。これにより、充放電コイルL2のフライホイールエネルギが、ピエゾ素子PEに充電される。このとき、ピエゾ電流量が漸減する(電流量の漸減操作)。そして、次のトリガ信号TRGGの立ち上がりエッジをトリガとして、充電スイッチSW1を再度オン操作する。
以上により、上記態様にて充電スイッチSW1が操作されると、ピエゾ素子PEが充電され、ピエゾ素子PEの高電位となる端子側の電位(以下、「ピエゾ電圧」と呼ぶ)が上昇する。具体的には、図5(c)の如く充電スイッチSW1をオン・オフ操作すると、図5(e)の如くピエゾ電流の上昇と下降が複数回繰り返し行われ、図5(f)の如くピエゾ電圧が段階的に上昇する。
(放電処理時の回路動作)
マイクロコンピュータ21からの駆動信号IJTが反転すると、制御IC22は、放電スイッチSW2のオン・オフ操作によるチョッパ制御を開始する。具体的には、駆動信号IJTの立ち下がりエッジをトリガとして放電スイッチSW2がオン操作されることで、ピエゾ素子PE、充放電コイルL2、放電スイッチSW2によって閉ループ回路が形成される。これにより、ピエゾ素子PEが放電される。このとき、ピエゾ電流量が漸減する(電流量の漸減操作)。そして、ピエゾ電流が閾値Ith1より下がると、放電スイッチSW2をオフ操作する。
一方、放電スイッチSW2のオン操作の後、先述の閾値Ith1に基づき放電スイッチSW2がオフ操作されることで、ピエゾ素子PE、充放電コイルL2、回収ダイオードD1、バッファコンデンサC1によって閉ループ回路が形成される。これにより、充放電コイルL2のフライホイールエネルギがバッファコンデンサC1に回収される。このとき、ピエゾ電流の放電量が漸増する(電流量の漸増操作)。そして、ピエゾ電流が閾値Ith2より上がると、放電スイッチSW2を再度オン操作する。
以上により、上記態様にて放電スイッチSW2が操作されると、ピエゾ素子PEが放電されてピエゾ電圧が下降する。具体的には、図5(d)の如く充電スイッチSW2をオン・オフ操作すると、図5(e)の如くピエゾ電流(駆動電流)の上昇と下降が複数回繰り返し行われ、図5(f)の如くピエゾ電圧が段階的に下降する。そして、充放電コイルL2の両端電圧がゼロとなると電流の流れが終了する。なお、クランプダイオードD4は、ピエゾ電圧が負電圧になるのを防止するものである。
次に、図5、図6及び図7を用いて、制御IC22による充電処理及び放電処理の手順を説明する。図5に示すタイミングチャートのうち、(a)は駆動信号IJTのオン・オフ変化、(b)はシャント抵抗R1を流れた電荷量Qactの変化、(c)は充電スイッチSW1のオン・オフ変化、(d)は放電スイッチのオン・オフ変化、(e)はピエゾ電流の変化、(f)はピエゾ電圧の変化を示す。図6は、制御IC22が上述の充電処理を行う時の処理手順を示すフローチャートである。図7は、充電処理に用いる閾値Qth及びトリガ信号TRGGを算出するよう機能する時の、制御IC22のブロック図である。
(充電処理の制御手順)
先ず、図6のステップS1において、マイクロコンピュータ21から制御IC22へ入力されている駆動信号IJTがオン状態であるか否かを判定する。駆動信号IJTがオン状態になり駆動信号IJTの立ち上がりエッジ(図5(a)中の符号t1参照)を検出すると(S1:YES)、続くステップS2において放電スイッチSW2をオフにする(この処置の理由については後述する)と同時に、ステップS3において、図7に示すブロックB9のデータに基づきトリガ信号TRGGを生成する。
このトリガ信号TRGGは、充電スイッチSW1のオンタイミングを決定するための信号であり、トリガ信号TRGGの立ち上がりエッジで充電スイッチSW1がオンする。つまり、ブロックB9に記憶されているデータは、1回の充電期間(図5に示すt1〜t5の期間)における充電スイッチSW1のオンタイミングをスケジューリングしているデータと言える。本実施形態のブロックB9のデータは、等間隔の周期で充電スイッチSW1をオンさせるようにスケジューリングしているが、不等間隔の周期であっても構わない。1回の充電では少なくとも3回以上充電スイッチSW1をオンさせている。なお、ブロックB9のデータは、イニシャライズ時にマイクロコンピュータ21から制御IC22へ転送されたデータであり、マイクロコンピュータ21からのクロック信号timeに基づいてトリガ信号TRGGは生成される。
続くステップS4では、ステップS3にて生成したトリガ信号TRGGがオン状態であるか否かを判定する。トリガ信号TRGGの立ち上がりエッジ(図5(c)参照)が検出されてトリガ信号TRGGがオン状態になると(S4:YES)、続くステップS5において充電スイッチSW1をオンにする。
続くステップS6では、後に詳述するブロックB1〜B12により、先述の閾値Qth(図5(b)参照)を算出する。続くステップS7では、シャント抵抗R1を流れる電流を積分して得られた投入電荷Qinが、ステップS6にて算出した電荷の閾値Qthを超えたか否かを判定する。投入電荷Qinが閾値Qthを超えたと判定された場合(S7:YES)には、続くステップS8にて充電スイッチSW1をオフさせる。
続くステップS9では、駆動信号IJTのオン立ち上がり時点t1(図5(a)参照)から所定時間が経過してt5時点に達したか否かが判定される。ステップS3〜S8による充電スイッチSW1のオン・オフが繰り返された後、t5に達した時点(S9:YES)で、図6に示す一連の充電処理を終了する。但し、t5に達していなかったとしても、ブロックB9のトリガ信号TRGGのオン生成が終了していれば、t5よりも前の時点t4で充電処理は終了していることになる。なお、シャント抵抗R1を流れた電流を積分器で積分演算して得られた投入電荷Qinの値は、トリガ信号TRGGの立ち上がりエッジ時点t1又は所定時間経過時点t5に積分器がリセットされることによりゼロとなる。
(放電処理の制御手順)
マイクロコンピュータ21から制御IC22へ入力されている駆動信号IJTがオフになると、その時点t6から放電処理を開始し、放電処理開始から所定時間が経過してt8時点に達すると放電処理を終了する。より詳細に説明すると、先ずt6時点にて駆動信号IJTの立ち下がりエッジを検出すると、放電スイッチSW2をオンさせる(図5(d)参照)。放電スイッチSW2のオンに伴いピエゾ電流(シャント抵抗は図示せず)が下降して電流閾値Ith1よりも低くなると(図5(e)参照)、放電スイッチSW2をオフさせる。
その後、放電スイッチSW2のオフに伴いピエゾ電流が上昇して電流閾値Ith2よりも高くなると、放電スイッチSW2を再びオンさせる。このように放電スイッチSW2のオン・オフを繰り返してピエゾ素子PEの電荷を放電することで、ピエゾ電圧が徐々に降下していく(図5(f)参照)。ある程度までピエゾ電圧が降下すると、充放電コイルL1の両端電位差が少なくなるため、ピエゾ電流が閾値Ith1を越えるほどには低下しなくなる。そこで、放電スイッチSW2のオン時間が所定時間を経過した場合には、放電スイッチSW2を強制的にオフさせることで、スイッチングを可能にしている。
放電処理の終了時点t8でピエゾ素子PEに残ってしまう残電荷は、その終了時点t8で放電スイッチSW2をオンしたままにすることで、完全に電荷を放電させる。したがって、次回に駆動信号IJTの入力があったときには、図6のステップS2で説明したように、まず放電スイッチSW2をオフさせる。
(閾値Qthの算出手順)
ところで、バッファコンデンサC1から放出されるエネルギは、エネルギ保存則にしたがってピエゾ素子PEに充電される。したがって、充電エネルギEは、バッファコンデンサC1の放出エネルギと同じであると言えるため、次の式2で算出することができる。なお、バッファコンデンサC1からピエゾ素子PEに流れるバッファコンデンサ電流をIC1、バッファコンデンサ電圧をVC1とする。
E=∫(VC1×IC1)dt…(式2)。
そして、先述の如く、バッファコンデンサC1の容量は、ピエゾ素子PEへの1回の充電処理によってはその電圧がほとんど変化しない容量に設定されているため、バッファコンデンサ電圧VC1は略一定であると言える。よって、上記式2は次の式3に変形できる。
E=VC1×∫IC1dt…(式3)。
式3中のdtは充電スイッチSW1のオン時間であるため、式3中の∫IC1dtの項は、バッファコンデンサC1からピエゾ素子PEに流れる投入電荷Qinであると言える。つまり、上記式3は次の式4に変形できる。
E=VC1×Qin…(式4)。
式4中のバッファコンデンサ電圧VC1は略一定であるため、充電エネルギEは投入電荷Qinにより一義的に決定される値であると言える。したがって、バッファコンデンサC1からピエゾ素子PEへ放出される投入電荷Qinを閾値Qthにより制御するということは、ピエゾ素子PEへの充電エネルギを制御していると言える。そのため、シャント抵抗R1にてバッファコンデンサ電流IC1を検出すれば、エネルギは実際に計測しなくとも充電エネルギEを容易に把握することができる。
以上の点を鑑み、本実施形態では充電処理で用いる閾値Qthを次の如く算出している。つまり、図6の充電処理では、t1〜t5による1回の充電によりピエゾ素子PEに投入される充電エネルギEが目標エネルギEtrgとなるよう、充電スイッチSW1のオン・オフ作動をオープン制御している。目標エネルギEtrgは、主にレール圧PCに基づき算出されるとともに、さらにはピエゾインジェクタPIの個体情報及び温度特性等に基づき補正される。そして、1回の充電量が目標エネルギEtrgとなるよう閾値Qthを算出している。
閾値Qthの算出手法を、図7のブロックB1〜B12を用いてより具体的に説明すると、先ずブロックB1において、レール圧PC及びピエゾインジェクタPIの個体情報に基づき、マップを用いて目標エネルギEtrgに対するベース値Ebasを算出する。ピエゾ素子PEの伸長力が高圧燃料から背圧制御バルブ13が受ける力を上回った時点で開弁作動を開始することは前述した通りである。そのため、図10に示すように、レール圧PCが高いほど開弁作動開始に必要な伸長力は大きくなる。したがって、レール圧PCの所定領域においては、レール圧PCが高いほどベース値Ebasを高く設定している。また、ピエゾインジェクタPIの個体差に応じてレール圧PCに対するベース値Ebasの値を変更させている。
なお、ブロックB1,B5等で用いる個体差情報は、車両を市場に出荷する前の製造工程時にて予め計測しておき、先述したQRコード10jに記憶させておくことが望ましいが、車両運転中に各種検出値に基づき推定するようにしてもよい。
ピエゾインジェクタPIの伸長量は、充電エネルギEが同じであってもその時のピエゾ素子温度TP’によって異なる。そこで、ブロックB6ではピエゾ素子温度TP’に基づきマップを用いて補正量ΔEを算出し、ブロックB2では、補正量ΔEをベース値Ebasに加算することで目標エネルギEtrgを算出する。
ブロックB6で用いるピエゾ素子温度TP’は、ブロックB4,B5において、別途算出されたピエゾ素子PEの容量Cp及びピエゾインジェクタPIの固体情報に基づき、マップを用いて推定される。具体的には、ピエゾ容量Cpは温度に依存して変化する特性があるため、ピエゾ容量Cpに基づきピエゾ素子温度TPをブロックB4にて推定することができる。ここで用いるピエゾ容量Cpに、後述する図8の処理にて算出された静電容量Cdを適用してもよい。ブロックB4にて推定されたピエゾ素子温度TPは、ピエゾインジェクタPIの個体情報による値がブロックB5にて乗算されることで補正される。
閾値Qthを制御することで充電エネルギEを制御することは上述した通りである。そこでブロックB3,B7,B8では、ブロックB2で算出した目標エネルギEtrgを、図6のステップS7の処理で用いる閾値Qthに変換する。具体的には、閾値Qthに対するベース値QbasをブロックB7で決定し、目標エネルギEtrgに基づきマップを用いてゲインKgainをブロックB3で算出する。そして、ブロックB8においてベース値QbasにゲインKgainを乗算することで、閾値Qthを算出する。
また、本実施形態では、背圧制御バルブ13が上側バルブシート部10eから離脱する開弁作動開始タイミング(以下、「開弁時刻」と呼ぶ)を算出する手段(後に詳述する)を備えている。そして、算出した開弁時刻とその目標時刻との偏差に応じて、目標エネルギEtrgに対するベース値Ebasを補正するフィードバック制御を行っている。
このフィードバック制御を実行するため、制御IC22(仮想電圧推定手段、実電圧計測手段、算出手段)ブロックB10,B11,B12により以下の制御を行う。先ずブロックB10では、算出した開弁時刻topenとその目標時刻Ttrgとの偏差を算出する。ブロックB11では、ブロックB10にて算出した偏差に基づきマップを用いて補正量ΔE2を算出する。ブロックB11のマップでは、算出した開弁時刻topenが目標時刻Ttrgに対して遅いほど、目標エネルギEtrgを増大させるように補正量ΔE2を設定している。なお、偏差の値がゼロ近傍であれば補正量ΔE2をゼロとするとともに、補正量ΔE2に上限及び下限を設けている。
ブロックB2では、ブロックB11にて算出した補正量ΔE2をブロックB12にて積分演算した値と、ブロックB6で算出された補正量ΔEとを、ブロックB1にて算出したベース値Ebasに加算することで、最終的な目標エネルギEtrgを算出する。
ここで、背圧制御バルブ13の挙動状態(詳細は後述する)を検出できれば、噴射口10iからの燃料噴射状態を正確に把握できる。そこで本実施形態では、検出した挙動状態が目標状態となるよう制御IC22により駆動回路23をフィードバック制御する。背圧制御バルブ13の挙動状態は、小径ピストン15及び大径ピストン16等を介して背圧制御バルブ13からピエゾ素子PEが受ける荷重F(反力)や、ピエゾ素子PEの変位Z(リフト量)と相関がある(詳細は後述する)。この点を鑑み本実施形態では、DSP24を用いて荷重F及び変位Zを算出している。
以下、ピエゾ素子PEにかかる荷重F及び変位ZのDSP24による算出手順を説明する。まず図8に示すブロック図の処理では、荷重F及び変位Zを算出するために必要な値である投入電荷Qin及び静電容量Cの算出を行っている。
すなわち、図8のブロックB20では、シャント抵抗R1にて検出された電流Iを積分演算することで、バッファコンデンサC1を出入りする電荷、つまりピエゾ素子PEに投入される投入電荷Qinを演算する。
ブロックB30では、図7のブロックB2にて算出した目標エネルギEtrg及びピエゾ電圧の検出値V(実電圧)に基づき、時々の瞬時ピエゾ容量Cpを算出する。当該算出では、前述の式4(Etrg=1/2×Cp×V2)による演算式を用いて算出してもよいし、マップを用いて算出してもよい。
図9は、ピエゾ素子PEへの通電開始からの経過時間に対するピエゾ容量Cpの変化を示す試験データであり、通電開始から所定時間が経過してピエゾ素子PEへの充電が完了するまでは、ピエゾ容量Cpの値が不安定であることを示す。そこでブロック32では、ピエゾ素子PEへの充電が完了した後の所定期間T10において、ブロックB30にて算出された瞬時ピエゾ容量Cpを平均化処理する、或いはピークホールドする。これにより、ピエゾ素子PEの静電容量Cdを算出する。
なお、ブロックB31の切り替え作動により、ブロックB32により算出した静電容量Cdに替えて、ブロックB30にて算出した瞬時ピエゾ容量Cpをピエゾ素子PEの静電容量値として出力してもよい。
また、ブロックB33の切り替え作動により、ブロックB30で用いる目標エネルギEtrgに替えて、実際にピエゾ素子PEに投入された充電エネルギを算出するようにしてもよい。具体的には、ブロックB34において、シャント抵抗R1にて検出された電流Iとピエゾ電圧の検出値Vとを乗算処理し、その乗算値をブロックB35において積分処理することで、充電エネルギの実際の値を検出する。
次に、図10に示すブロック図の処理では、図8の処理により算出されたピエゾ素子PEへの投入電荷Qin及び静電容量Cdの値を用いて、荷重F及び変位Zの算出を行う。
ピエゾ素子PEへの充電時にはピエゾ電圧が上昇するが、この充電時に、ピエゾ素子PEが背圧制御バルブ13から荷重Fを受けていない無負荷状態であったならば取りうるであろうピエゾ電圧を仮想電圧V0と呼ぶ。図10のブロックB40では、図8のブロックB20にて算出された投入電荷Qinに基づき前記仮想電圧V0を推定する。具体的には、投入電荷Qinと仮想電圧V0との関係を示す演算式又はマップを用いて算出する。また、先述した通り、投入電荷Qinに対してピエゾ電圧はヒステリシスを描くため、投入Qinと仮想電圧V0との関係は、充電時には線形性があるのに対し放電時には非線形となる(図11参照)。そこで、ブロックB40で用いる上記演算式又はマップは、図11に示すように充電時と放電時とで異なる仮想電圧V0となるよう設定されている。
なお、これらの演算式又はマップは、ピエゾインジェクタPIに搭載されていない単体のピエゾ素子PEについて、ピエゾ素子PEに負荷がかからない無負荷状態で充電する試験を予め行い、その時のピエゾ素子PEに生じた電圧(仮想電圧V0)と投入電荷Qinとの関係に基づき設定されている。
ピエゾ素子PEは温度特性が大きく、ピエゾ素子PEの温度によって静電容量が変化する。そこでブロックB41では、ブロックB30等にて算出した静電容量Cdに基づきマップ又は演算式を用いて温度補正係数Kcを算出し、ブロックB42では、その温度補正係数Kcを仮想電圧V0に乗算することで仮想電圧V0を補正する。
ブロックB43では、ピエゾ電圧の検出値Vから補正後の仮想電圧V0’を差し引いて電圧差ΔVを算出する減算処理を行う。図12(a)中の実線は、充電を開始してから終了するまでのピエゾ素子の実電圧Vの変化を示しており、この実電圧Vには、無負荷状態でピエゾ素子PEを伸縮させることに伴う電圧、つまり図12(a)中の点線に示す仮想電圧V0’が含まれている。よって、充放電期間中に算出された電圧差ΔVの積分値は、図12(a)中の斜線を付した面積に相当する。したがって、電圧差ΔVは、荷重Fとの相関性のない仮想電圧V0’が切り離され、荷重Fと相関性の高いピエゾ電圧を表していると言える。
ブロックB44(荷重係数算出手段)では、静電容量Cdとピエゾ素子PEの圧電定数Bとから荷重係数Kbを算出する(Kb=B/Cd)。荷重Fをゼロとした場合において、図13に示すようにピエゾ電圧Vが高くなることに比例してピエゾ変位Zは大きくなる。この時の比例定数が前記圧電定数Bに相当する。
ブロックB45では、ブロックB43にて算出した電圧差ΔV及びブロックB44にて算出した荷重係数Kbに基づき、ピエゾ荷重Fを算出する。電圧差ΔVが大きくなることに比例して荷重Fは大きくなる。この時の比例定数が前記荷重係数Kbに相当する。なお、ピエゾ素子PEが充電により伸長する前から予めかかっているプリセット荷重を考慮して荷重Fを算出する場合には、ブロックB45にて算出した荷重Fに予め計測したプリセット荷重の値を加算すれば良い。充放電に伴い変化する実際のピエゾ荷重Fの変化を図12(b)に示す。
ブロックB46(無負荷変位推定手段)では、図8のブロックB20にて算出された投入電荷Qin及びブロックB44にて算出した荷重係数Kbに基づき、無負荷状態であったならば取りうるであろうピエゾ素子PEの変位を、無負荷変位Z0として推定する。投入電荷Qinが大きくなることに比例して無負荷変位Z0は大きくなる。この時の比例定数が前記荷重係数Kbに相当する。
ブロックB47では定数Kaを取得する。この定数Kaは圧電方程式Z=A×F+B×VのAに相当する定数で、ピエゾ素子PEの剛性を表す。本実施形態では、この剛性は温度による依存性は比較的少ないため固定定数としているが、種々のパラメータで定数Kaを補正することにより、更に精度を向上させた定数Ka’を算出するようにしてもよい。なお、ピエゾ電圧Vが一定である場合において、図13に示すようにピエゾ荷重Fが高くなることに比例してピエゾ変位Zは小さくなる。この時の比例定数Aが前記定数Kaに相当する。
ブロックB48(負荷変位算出手段)では、ブロックB45にて算出した荷重Fに定数Kaを乗算することで、荷重Fに関与する負荷変位Zfを算出する。そして、ブロックB49において、ブロックB46にて算出した無負荷変位Z0に負荷変位Zfを加算することで、ピエゾ変位Zを算出する。充放電に伴い変化する実際のピエゾ変位Zの変化を図12(c)に示す。
本実施形態では、図12(a)(b)(c)に示すように、時々刻々とDSP24により図8及び図10に示す演算を所定周期(例えばDSP24の演算周期)で繰り返し実行しているが、必要な時期の荷重Fや変位Zを算出するよう、必要な時期のみ上記演算を実行するようにしてもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ピエゾ荷重Fによりピエゾ素子PE内部では圧電効果による電荷Qroadが発生する。この電荷Qroadはピエゾ荷重F及びピエゾ変位Zと比例関係にあるため、電圧差ΔV(Vroad)もピエゾ荷重F及びピエゾ変位Zに比例する。要するに、実電圧Vは、荷重Fによる圧電効果の影響を受けない仮想電圧V0を含んでいるため、荷重Fとの相関性が低い。一方、電圧差ΔVは、そのような仮想電圧V0が切り離された値であるため、荷重Fとの相関性が高い。この点に着目した本実施形態では、このような電圧差ΔVに基づき荷重F及びピエゾ変位Zを算出するので、その荷重F及び変位Zを正確に推定できる。
(2)本実施形態では図8のブロックB30において、ピエゾ素子PEへ投入する充電エネルギE(目標エネルギEtrg)とその投入に伴い生じたピエゾ電圧とに基づき静電容量Cp,Cdを算出する。そのため、ピエゾ素子内部にて圧電効果により生じる電荷Qroadとは無関係に先述の式4(E=1/2×C×V2)にしたがって静電容量Cp,Cdを算出できるので、静電容量Cp,Cdを正確に算出できる。
(3)本実施形態では、投入電荷Qinに対するピエゾ電圧Vの値がヒステリシスを描く(図11参照)ことに鑑みて、ブロックB40において投入電荷Qinに基づき仮想電圧V0を推定するにあたり、充電時には、投入電荷Qinとピエゾ電圧Vとが線形性を有する関係にあることに基づき仮想電圧V0を推定し、放電時には非線形性の関係にあることに基づき仮想電圧V0を推定する。よって、仮想電圧V0を正確に推定できる。
(4)ピエゾ素子PEの静電容量は温度に応じて変化するものである。そして、同じ電圧差ΔVであってもその時のピエゾ素子温度(静電容量)によって仮想電圧V0は異なる値となる。この点を鑑み本実施形態では、図8の処理により算出した静電容量Cdに基づき、ブロックB40で推定した仮想電圧V0を補正する。よって、ピエゾ素子PEの温度特性に応じて仮想電圧V0を推定でき、仮想電圧V0の推定精度をより一層向上できる。
次に、上述の如く算出されたピエゾ荷重Fやピエゾ変位Zを用いて、制御IC22により駆動回路23をフィードバック制御する等、ピエゾ荷重Fやピエゾ変位Zを噴射制御に用いる各種利用実施例(第1〜第12実施例)を説明する。なお、各実施例によるフィードバック制御は単独で行ってもよいし、任意の複数制御を組み合わせて行ってもよい。以下の説明に用いる図14の(a)は駆動信号IJTのオン・オフ変化、(b)はピエゾ電流の変化、(c)はピエゾ電圧の変化、(d)はピエゾ変位Zの変化、(e)はピエゾ荷重Fの変化、(f)は背圧制御バルブ13のリフト量変化をそれぞれ示す。なお、図14(c)中の点線は仮想電圧V0を示し、実線は実電圧Vを示す。
充放電に伴う背圧制御バルブ13の挙動を図14にしたがって説明すると、t1時点から充電を開始してピエゾ素子PEが伸長することに伴い、背圧制御バルブ13が上側バルブシート部10eからt2時点(上シート離脱時点)で離脱する。その後さらに充電してピエゾ素子PEが伸長することに伴い、背圧制御バルブ13が下側バルブシート部10gにt3時点(下シート着座時点)で着座する。次に、t6時点から放電を開始してピエゾ素子PEが縮小することに伴い、背圧制御バルブ13が下側バルブシート部10gからt7時点で離脱(下シート離脱時点)する。その後放電が完了すると、背圧制御バルブ13が上側バルブシート部10eにt8時点で着座(上シート着座時点)する。
(第1実施例:上シート離脱時点制御1)
算出したピエゾ変位Zが予め設定された閾値Zth1(図14(d)参照)を越えた時点を上シート離脱時点t2として検出する。そして、充電スイッチSW1に対して制御IC22が出力する駆動信号(図5(c)参照)を、検出した上シート離脱時点t2が目標時刻となるようフィードバック補正する。この補正により、少なくとも目標上シート離脱時刻付近においてピエゾ素子PEに充電される投入電荷Qin(図5(b)参照)の増加速度(充電電荷速度)が変更される。目標上シート離脱時刻は、エンジン回転速度やエンジン負荷等のエンジン運転状態によって変更することもできる。
また、本実施例によれば、エンジン制御に関連する異常状態を、以下の各種場合に基づき判定することができる。
・充電電荷速度もしくは充電電荷速度の補正値が、予め規定された許容範囲を外れる場合に異常状態であると判定する。
・目標上シート離脱時刻又は実際の上シート離脱時点t2での充電量もしくは充電量の補正値が、予め規定された許容範囲を外れる場合に異常状態であると判定する。
・充電処理完了時点(t4時点)での充電量もしくは充電量の増加量が、予め規定された許容範囲を外れる場合に異常状態であると判定する。
・充電開始時点t1から所定時間が経過してもピエゾ変位Zが所定の閾値を越えない場合に異常状態であると判定する。
(第2実施例:上シート離脱時点制御2)
上記第1実施例ではピエゾ変位Zに基づき上シート離脱時点t2を検出するのに対し、本実施例ではピエゾ荷重Fに基づき上シート離脱時点t2を検出する。具体的には、目標上シート離脱時刻を含むその前後の期間T20(図14(e)参照)において、算出したピエゾ荷重Fのピークが発生した時点を上シート離脱時点t2として検出する。
上記フィードバック補正及び異常判定については、本実施例においても第1実施例と同様である。また、上記第1実施例における異常判定に加え、本実施例によれば、充電開始時点t1から所定時間が経過してもピエゾ荷重Fが所定の閾値を越えない場合に異常状態であると判定できる。
(第3実施例:下シート着座時点制御1)
算出したピエゾ変位Zが予め設定された閾値Zth2(図14(d)参照)を越えた時点を下シート着座時点t3として検出する。この下シート着座時点検出の閾値Zth2は、前記上シート離脱時点判定の閾値Zth1よりも高く設定される。そして、充電スイッチSW1に対して制御IC22が出力する駆動信号を、検出した下シート着座時点t3が目標時刻となるようフィードバック補正する。この補正により、少なくとも目標下シート着座時刻付近においてピエゾ素子PEに充電される投入電荷Qin(図5(b)参照)の増加速度(充電電荷速度)が変更される。目標下シート着座時刻は、エンジン回転速度やエンジン負荷等のエンジン運転状態によって変更することもできる。また、下シート着座時点t3から所定時間経過後もしくは下シート着座時点t3での充電エネルギ量から、所定充電エネルギ量を更に充電したら充電動作を停止するよう充電スイッチSW1を制御することが望ましい。
また、上記各実施例における異常判定に加え、本実施例によれば、目標下シート離脱時刻又は実際の下シート離脱時点t3での充電量もしくは充電量の補正値が、予め規定された許容範囲を外れる場合に、異常であると判定できる。
(第4実施例:下シート着座時点制御2)
上記第3実施例ではピエゾ変位Zに基づき下シート着座時点t3を検出するのに対し、本実施例ではピエゾ荷重Fに基づき下シート着座時点t3を検出する。具体的には、目標下シート着座時刻を含むその前後の期間T30(図14(e)参照)において、算出したピエゾ荷重Fのボトムピークが発生した時点を下シート着座時点t3として検出する。
上記フィードバック補正及び異常判定については、本実施例においても第3実施例と同様である。また、上記第3実施例における異常判定に加え、本実施例によれば、第2実施例における期間T20のピーク値に比較して、本実施例における期間T30のボトムピーク値が所定値以上低くない場合に異常状態であると判定できる。
(第5実施例:下シート面圧制御)
充電処理が完了した時点t4後に検出したピエゾ荷重Fを充電後荷重とした場合、この充電後荷重が許容荷重範囲F10(図14(e)参照)に入るように、充電スイッチSW1に対して制御IC22が出力する駆動信号をフィードバック補正する。この許容荷重範囲F10は、レール圧PCに応じて設定変更させるようにしてもよい。本実施例のフィードバック補正により、次回ピエゾ素子PEに充電される充電エネルギ量が変更されることとなる。そして、その充電エネルギ量もしくは充電エネルギ量の補正値(充電電荷速度の補正値)が予め規定された許容範囲を外れる場合に、エンジン制御に関連する異常状態であると判定できる。
(第6実施例:下シート離脱時点制御1)
算出したピエゾ変位Zが予め設定された閾値Zth3(図14(d)参照)未満となった時点を下シート離脱時点t7として検出する。そして、放電スイッチSW2に対して制御IC22が出力する駆動信号(図5(d)参照)を、検出した下シート離脱時点t7が目標時刻となるようフィードバック補正する。この補正により、少なくとも目標下シート離脱時刻付近においてピエゾ素子PEから放電される電荷(移動電荷)の増加速度(放電電荷速度)が変更される。目標下シート離脱時刻は、エンジン回転速度やエンジン負荷等のエンジン運転状態によって変更することもできる。
また、本実施例によれば、エンジン制御に関連する異常状態を、以下の各種場合に基づき判定することができる。
・放電電荷速度もしくは放電電荷速度の補正値が、予め規定された許容範囲を外れる場合に異常状態であると判定する。
・目標下シート離脱時刻又は実際の下シート離脱時点t7での放電量もしくは放電量の補正値が、予め規定された許容範囲を外れる場合に異常状態であると判定する。
・放電処理完了時点(t8時点)での放電量もしくは放電量の増加量が、予め規定された許容範囲を外れる場合に異常状態であると判定する。
・放電開始時点t6から所定時間が経過してもピエゾ変位Zが所定の閾値未満とならない場合に異常状態であると判定する。
(第7実施例:下シート離脱時点制御2)
上記第6実施例ではピエゾ変位Zに基づき下シート離脱時点t7を検出するのに対し、本実施例ではピエゾ荷重Fに基づき下シート離脱時点t7を検出する。具体的には、目標下シート離脱時刻を含むその前後の期間T40(図14(e)参照)において、算出したピエゾ荷重Fが閾値Fth1未満となった時点を下シート離脱時点t7として検出する。
上記フィードバック補正及び異常判定については、本実施例においても第6実施例と同様である。また、上記第6実施例における異常判定に加え、本実施例によれば、下シート着座時点t3での充電量と比較して、下シート離脱時点t7での充電量が所定値以上低い場合に異常状態であると判定できる。さらに本実施例によれば、放電開始時点t6から所定時間が経過してもピエゾ荷重Fが所定の閾値未満とならない場合に異常状態であると判定できる。
(第8実施例:上シート着座時点制御)
算出したピエゾ変位Zが予め設定された閾値Zth4(図14(d)参照)未満となった時点を上シート着座時点t8として検出する。この上シート着座時点検出の閾値Zth4は、前記下シート離脱時点判定の閾値Zth3よりも低く設定される。そして、放電スイッチSW2に対して制御IC22が出力する駆動信号を、検出した上シート着座時点t8が目標時刻となるようフィードバック補正する。この補正により、少なくとも目標上シート着座時刻付近においてピエゾ素子PEから放電される電荷(移動電荷)の増加速度(放電電荷速度)が変更される。目標上シート着座時刻は、エンジン回転速度やエンジン負荷等のエンジン運転状態によって変更することもできる。
また、本実施例によれば、エンジン制御に関連する異常状態を、以下の各種場合に基づき判定することができる。
・放電電荷速度もしくは放電電荷速度の補正値が、予め規定された許容範囲を外れる場合に異常状態であると判定する。
・放電開始時点t6から所定時間が経過してもピエゾ変位Zが所定の閾値未満とならない場合に異常状態であると判定する。
(第9実施例:充放電傾き制御)
上記各実施例において、検出した時点t2,t3,t7,t8が目標時刻となるようフィードバック補正するにあたり、本実施例では充電量または放電量の傾きを制御する。そして、この充電と放電の傾き、もしくは、充電期間と放電期間が予め規定された許容範囲を外れる場合に異常状態であると判定する。また、ピエゾ素子PEに充電される充電量もしくは充電量の補正値が予め規定された許容範囲を外れる場合に異常状態であると判定する。
(第10実施例:経年変化量推定)
上シート離脱時点t2、下シート着座時点t3、下シート離脱時点t7の少なくとも一つの時点における充電量に基づき、ピエゾインジェクタPI又はピエゾ素子PEの経年劣化量を推定する。そして、推定した経年変化量が所定値を越えると、ピエゾインジェクタPI又はピエゾ素子PEが異常状態であると判定する。また、推定した経年劣化量が大きいほど、レール圧PCの最大制限値を小さくするよう設定変更する。
(第11実施例:異常状態検出時の処置)
上記各実施例にて異常状態が判定された場合には、以下の処置を行うことが具体例として挙げられる。
・レール圧PCを非異常時より低く制限する。
・複数気筒のエンジンにおいて、異常が判定された気筒に対応するピエゾインジェクタPIの駆動を停止させる。
・燃料ポンプ3からコモンレール5への燃料圧送を停止し、コモンレール5に備えられた図示しない減圧弁を作動させて、レール圧PCを噴射できない圧力まで低下させる。
・制御ユニット20内のRAMまたはEEPROM等に異常内容を記憶させる。これによれば、車載の故障表示装置又は外部ツール31で、車両運転者や車両修理業者などが異常内容を確認することができる。
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。また、本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下の各実施形態の特徴点をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記実施形態では、ピエゾ荷重F及びピエゾ変位Zの両方を算出しているが、いずれか一方を算出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、充電時及び放電時の両期間においてピエゾ荷重F及びピエゾ変位Zを算出しているが、充電時及び放電時のいずれか一方の期間において算出してもよい。この場合、ブロックB40での仮想電圧V0算出において、充電時には投入Qinと仮想電圧V0との関係が線形となるよう仮想電圧V0を算出し、放電時には投入Qinと仮想電圧V0との関係が非線形となるよう仮想電圧V0を算出する。
・上記実施形態では、駆動回路23をバッファコンデンサC1及び充電スイッチSW1等から構成し、バッファコンデンサC1からの電荷放出(ピエゾ素子PEへの充電エネルギ)を1回の充電期間(図5に示すt1〜t5の期間)に充電スイッチSW1を複数回オン・オフさせることで制御している。本発明はこのようなマルチスイッチ方式の駆動回路23に限られるものではなく、例えば、トランスへの一次電流をスイッチング制御することで、トランスの二次電流によりピエゾ素子PEへ充電されるエネルギを制御する方式の駆動回路であってもよい。また、LC共振回路による複数回のLC共振でピエゾ素子PEへ充電する方式の駆動回路であってもよい。
・上記実施形態では、背圧制御バルブ13を有するピエゾインジェクタPIを採用しているが、ピエゾ素子PEによりノズルニードル11を直接作動させて噴射口10iを開閉させる直動式のピエゾインジェクタPIを採用してもよい。なお、このような直動式の場合には、複数の時刻でのピエゾ変位Zや荷重Fを目標値に合致するように制御することが挙げられる。
本発明の一実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す図。 ピエゾインジェクタの断面構成を示す断面図。 制御ユニット20の構成を示す図。 駆動回路の構成を示す図。 充電処理及び放電処理を実行した時のタイミングチャート。 充電処理の手順を示すフローチャート。 制御ICのブロック図。 投入電荷Qin及び静電容量Cの算出を行う、制御ICのブロック図。 ピエゾ素子PEへの通電開始からの経過時間に対するピエゾ容量Cpの変化を示す試験データ。 ピエゾ荷重F及びピエゾ変位Zの算出を行う、制御ICのブロック図。 投入電荷Qinとピエゾ電圧との関係を示す図。 (a)は実際のピエゾ電圧変化を、(b)は実際のピエゾ荷重の変化を、(c)は実際のピエゾ変位の変化を示す図。 ピエゾ荷重Fに対するピエゾ変位Zの比例定数A、及びピエゾ電圧Vに対するピエゾ変位Zの比例定数Bを示す図。 背圧制御バルブの挙動を説明するためのタイミングチャート。
符号の説明
10i…噴射口、11…ノズルニードル(弁体)、13…背圧制御バルブ(開閉機構)、B30〜B35…ピエゾ容量算出手段、B40〜B49…仮想電圧推定手段、実電圧計測手段、算出手段、無負荷変位推定手段、負荷変位算出手段、PE…ピエゾ素子、PI…ピエゾインジェクタ(燃料噴射弁)。

Claims (10)

  1. 燃料の噴射口を開閉する開閉機構、及び充放電に伴い伸縮して前記開閉機構を作動させるピエゾ素子を備える燃料噴射弁に適用され、
    前記ピエゾ素子への充放電時に、前記ピエゾ素子が前記開閉機構から外力を受けない無負荷状態であったならば取りうるであろう前記ピエゾ素子の電圧を仮想電圧として推定する仮想電圧推定手段と、
    前記充放電時に、前記ピエゾ素子の実電圧を計測する実電圧計測手段と、
    前記実電圧から前記仮想電圧を差し引いた電圧差に基づき、前記ピエゾ素子の変位又は荷重を算出する算出手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射弁制御装置。
  2. 前記ピエゾ素子に投入した充電エネルギと、その投入に伴い生じた前記ピエゾ素子の電圧とに基づき、前記ピエゾ素子の静電容量を算出するピエゾ容量算出手段を備え、
    前記仮想電圧推定手段は、前記充放電時に前記ピエゾ素子に出入りする移動電荷の計測値と、前記ピエゾ容量算出手段により算出された静電容量とに基づき、前記仮想電圧を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁制御装置。
  3. 前記仮想電圧推定手段は、前記充放電時のうち充電時における前記仮想電圧を推定する場合には、前記移動電荷計測値と前記仮想電圧とが線形の関係となるよう前記仮想電圧を推定することを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁制御装置。
  4. 前記仮想電圧推定手段は、前記充放電時のうち放電時における前記仮想電圧を推定する場合には、前記移動電荷計測値と前記仮想電圧とが非線形の関係となるよう前記仮想電圧を推定することを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料噴射弁制御装置。
  5. 前記ピエゾ容量算出手段により算出された静電容量と前記ピエゾ素子の圧電定数とから荷重係数を算出する荷重係数算出手段を備え、
    前記算出手段は、前記電圧差及び前記荷重係数に基づき前記ピエゾ素子の荷重を算出することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の燃料噴射弁制御装置。
  6. 前記算出手段は、
    前記充放電時に前記ピエゾ素子に出入りする移動電荷の計測値に基づき、前記無負荷状態であったならば取りうるであろう前記ピエゾ素子の変位を無負荷変位として推定する無負荷変位推定手段と、
    前記電圧差に基づき、前記ピエゾ素子が前記荷重を受けたことによって変化した負荷変位を算出する負荷変位算出手段と、を有するとともに、
    前記無負荷変位に前記負荷変位を加算することにより前記ピエゾ素子の変位を算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の燃料噴射弁制御装置。
  7. 前記仮想電圧推定手段は、前記ピエゾ素子の温度又はその温度と相関のある物理量に基づき前記仮想電圧を推定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の燃料噴射弁制御装置。
  8. 前記算出手段により算出された変位又は荷重に基づき、前記ピエゾ素子への通電を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の燃料噴射弁制御装置。
  9. 前記算出手段により算出された変位又は荷重に基づき、前記燃料噴射弁の異常を検出することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の燃料噴射弁制御装置。
  10. 燃料噴射弁と、請求項1〜9のいずれか1つに記載の燃料噴射弁制御装置と、を備えることを特徴とする燃料噴射弁制御システム。
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