JP2009203376A - ゴム成型品 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で靱性を有し、かつ、圧縮強度に優れ、スラブ軌道の緩衝材や舗装路面に好適に使用可能なゴム成型品を提供する。
【解決手段】アスファルト乳剤、セメントおよびゴム粉を混合した後、10分間以上の保持時間をおいてから成型されてなることを特徴とするゴム成型品である。前記保持時間は30分間以上であることが好ましい。また、前記アスファルト乳剤100質量部に対して、前記セメント30〜50質量部と、前記ゴム粉10〜100質量部とが配合されてなることが好ましい。さらに、前記アスファルト乳剤が、ノニオン系アスファルト乳剤であることが好ましい。さらにまた、前記ゴム粉の粒径が、0.2〜2.0mmであることが好ましく、前記ゴム粉として廃タイヤの粉砕物を好適に使用することができる。
【選択図】なし
【解決手段】アスファルト乳剤、セメントおよびゴム粉を混合した後、10分間以上の保持時間をおいてから成型されてなることを特徴とするゴム成型品である。前記保持時間は30分間以上であることが好ましい。また、前記アスファルト乳剤100質量部に対して、前記セメント30〜50質量部と、前記ゴム粉10〜100質量部とが配合されてなることが好ましい。さらに、前記アスファルト乳剤が、ノニオン系アスファルト乳剤であることが好ましい。さらにまた、前記ゴム粉の粒径が、0.2〜2.0mmであることが好ましく、前記ゴム粉として廃タイヤの粉砕物を好適に使用することができる。
【選択図】なし
Description
本発明はゴム成型品に関し、詳しくは軽量で靱性を有し、かつ、圧縮強度に優れ、スラブ軌道の緩衝材や舗装路面に好適に使用可能なゴム成型品に関する。
従来、河川、山地、造成、盛土等の安定化のための補強材として、土嚢やコンクリートブロック等が用いられていた。しかし、土嚢やコンクリートブロック等では十分な補強材の効果が得られないという問題点があった。そこで、一般にアスファルト乳剤が路盤安定処理などに使用されている。また、アスファルト乳剤、セメントおよび細骨材を所定割合で含有したアスファルトモルタル(CAモルタル)もスラブ軌道の緩衝材として使用されており、列車荷重の衝撃の緩和や路盤面の不陸の調整に効果を発揮していた。また、廃タイヤから得られるゴム粉を、セメントおよび浚渫土と混合することにより、固化処理土として使用することも一般に行われていた。
さらに、特許文献1には、廃タイヤの構造としての優れた機能である軽量性、保持性、組み合わせの自由度を活かすとともに、長時間の使用においても優れた形態保持性を示す、複数の廃タイヤを組み合わせて形成される構造体に係る地盤補強材が報告されている。
特開2007−170046号公報(特許請求の範囲等)
上記従来の地盤補強材を使用した場合、夫々の目的に応じて、例えば、列車荷重の衝撃の緩和や路盤面の不陸を調整する効果や、あるいは軽量性、保持性などの効果については満足できるものであった。しかしながら、靭性および圧縮強度については十分な検討がなされておらず、なお改良の余地が残されていた。
そこで本発明の目的は、軽量で靱性を有し、かつ、圧縮強度に優れ、スラブ軌道の緩衝材や舗装路面に好適に使用可能なゴム成型品を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アスファルト乳剤、セメントおよびゴム粉を混合した後、所定時間の保持時間をおくことで、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のゴム成型品は、アスファルト乳剤、セメントおよびゴム粉を混合した後、10分間以上の保持時間をおいてから成型されてなることを特徴とするものである。
本発明においては、前記保持時間が30分以上であることが好ましい。また、本発明のゴム成型品は、前記アスファルト乳剤100質量部に対して、前記セメント30〜50質量部と、前記ゴム粉10〜100質量部とが配合されてなることが好ましい。さらに、本発明のゴム成型品は、前記アスファルト乳剤が、ノニオン系アスファルト乳剤であることが好ましい。さらにまた、前記ゴム粉の粒径が、0.2〜2.0mmであることが好ましい。また、前記ゴム粉として廃タイヤの粉砕物を好適に使用することができる。
本発明によれば、混合後に保持時間をおくことにより、軽量で靱性を有し、かつ、圧縮強度に優れ、スラブ軌道の緩衝材や舗装路面に好適に使用可能なゴム成型品を得ることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明のゴム成型品は、アスファルト乳剤、セメントおよびゴム粉を混合した後、10分間以上の保持時間をおいてから成型されてなることが重要である。混合後に10分以上の保持時間をおくことにより、アスファルト乳剤とセメントの硬化反応が進行し、混合物全体の粘度が上昇する。その結果、比重の小さいゴム粉の分離を防ぐことができ、圧縮強度の優れたゴム成型品を得ることができる。保持時間が10分未満であるとゴム粉の分離が生じてしまい、十分な圧縮強度を得ることができない。本発明の効果を良好に得るには、保持時間は30分間以上であることが好ましい。
本発明のゴム成型品は、アスファルト乳剤、セメントおよびゴム粉を混合した後、10分間以上の保持時間をおいてから成型されてなることが重要である。混合後に10分以上の保持時間をおくことにより、アスファルト乳剤とセメントの硬化反応が進行し、混合物全体の粘度が上昇する。その結果、比重の小さいゴム粉の分離を防ぐことができ、圧縮強度の優れたゴム成型品を得ることができる。保持時間が10分未満であるとゴム粉の分離が生じてしまい、十分な圧縮強度を得ることができない。本発明の効果を良好に得るには、保持時間は30分間以上であることが好ましい。
また、本発明のゴム成型品は、アスファルト乳剤100質量部に対して、セメント30〜50質量部と、ゴム粉10〜100質量部とが配合されてなることが好ましい。セメントが30質量部未満であると十分な強度が得られず、一方、50質量部を超えると靭性が失われてしまい、好ましくない。また、ゴム粉が10質量部未満であるとゴムの効果が得られず、一方、100質量部を超えると強度が不十分となり、好ましくない。
また、本発明に用いるアスファルト乳剤としては、所望の効果が得られれば特に限定はされず、アニオン系アスファルト乳剤、カチオン系アスファルト乳剤およびノニオン系アスファルト乳剤を使用できるが、好ましくはノニオン系アスファルト乳剤である。
さらに、本発明に用いるセメントとしては、所望の効果が得られれば特に限定はされないが、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等が挙げられ、特に普通ポルトランドセメントが好ましい。
さらにまた、本発明に用いるゴム粉としては、特に制限されず、天然ゴム(NR)、汎用合成ゴム、例えば、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、溶液重合スチレン−ブタジエンゴム、高シス−1,4ポリブタジエンゴム、低シス−1,4ポリブタジエンゴム、高シス−1,4ポリイソプレンゴム等、ジエン系特殊ゴム、例えば、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム等、オレフィン系特殊ゴム、例えば、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等、その他特殊ゴム、例えば、ヒドリンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム等のいずれを用いることもできる。また、環境への配慮およびコストの観点から、廃タイヤの粉砕物であることが好ましい。
かかるゴム粉の粒径は、0.2〜2.0mmであることが好ましく、さらに好ましくは、0.2〜1.0mmである。粒径が0.2mm未満であるとゴムとしての効果が得られない場合があり、一方、2.0mmを超えると不均一になる場合があり、好ましくない。
本発明のゴム成型品は、密度が0.7〜0.9g/cm3であることが好ましい。この密度範囲とすることにより、軽量化と圧縮強度の両立が可能である。
また、本発明のゴム成型品には、低分子量の石油樹脂(ワックス)を添加してもよく、充填剤として、例えば、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水珪酸、カーボンブラック、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、酸化第二鉄、活性亜鉛華、水添ひまし油等を、1種または2種以上にて適宜組合せて配合することができる。さらに、その他の添加剤として、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、接着性改良剤、老化防止剤、金属不活性剤、光安定剤、発泡剤、水分除去剤、希釈溶剤、物性調整用高分子または低分子添加剤、改質剤などを配合してもよい。
本発明のゴム成型品の用途としては、特に制限はされないが、軽量性、靱性、および圧縮強度に優れているため、スラブ軌道の緩衝材や舗装路面に好適に使用可能である。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例>
下記の表1に示す配合に従って、攪拌装置(東京理科器械(株)製)を用いて常温でセメントとゴム粉とを約5分間攪拌した後、アスファルト乳剤を加えてさらに10分攪拌後、混合物を30分間保持した。その後、再度攪拌し、型枠に流し込んだ。一週間後に型枠を外し、ゴム成型品のサンプルを作製して、密度(g/cm3)、圧縮応力(MPa)および圧縮ひずみ(%)を測定した。密度(g/cm3)は、電子天秤およびノギスを使用して質量および体積を測定して算出した。また、圧縮応力(MPa)および圧縮ひずみ(%)は、以下の一軸圧縮試験で測定した。尚、混合物の分離状態は目視により観察し、混合物の分離が生じていない場合を○、生じている場合を×として評価した。表1に結果を併記する。
<実施例>
下記の表1に示す配合に従って、攪拌装置(東京理科器械(株)製)を用いて常温でセメントとゴム粉とを約5分間攪拌した後、アスファルト乳剤を加えてさらに10分攪拌後、混合物を30分間保持した。その後、再度攪拌し、型枠に流し込んだ。一週間後に型枠を外し、ゴム成型品のサンプルを作製して、密度(g/cm3)、圧縮応力(MPa)および圧縮ひずみ(%)を測定した。密度(g/cm3)は、電子天秤およびノギスを使用して質量および体積を測定して算出した。また、圧縮応力(MPa)および圧縮ひずみ(%)は、以下の一軸圧縮試験で測定した。尚、混合物の分離状態は目視により観察し、混合物の分離が生じていない場合を○、生じている場合を×として評価した。表1に結果を併記する。
<比較例>
混合物を攪拌した後、直ちに混合物を型枠に流し込んでサンプルを作製した以外は、実施例と同様の手順で、サンプルの作製および評価を行った。
混合物を攪拌した後、直ちに混合物を型枠に流し込んでサンプルを作製した以外は、実施例と同様の手順で、サンプルの作製および評価を行った。
<一軸圧縮試験>
サンプルをφ50mm×100mmの大きさにし、試験温度25℃(室温)、載荷速度0.5mm/minで、試験機((株)丸東製作所製)を用いて一軸圧縮試験を行い、圧縮応力(MPa)および圧縮ひずみ(%)を測定した。
サンプルをφ50mm×100mmの大きさにし、試験温度25℃(室温)、載荷速度0.5mm/minで、試験機((株)丸東製作所製)を用いて一軸圧縮試験を行い、圧縮応力(MPa)および圧縮ひずみ(%)を測定した。
図1は、本発明のゴム成型品の圧縮応力(MPa)と圧縮ひずみ(%)の関係を示す図である。上記表1に示すように、実施例は、比較例と比較して、最大圧縮応力(MPa)が大きく増大していることがわかる。即ち、成型品の圧縮強度が改善されたといえる。また、目視観察でも、混合物の分離が発生しないことが確認された。
Claims (6)
- アスファルト乳剤、セメントおよびゴム粉を混合した後、10分間以上の保持時間をおいてから成型されてなることを特徴とするゴム成型品。
- 前記保持時間が30分以上である請求項1記載のゴム成型品。
- 前記アスファルト乳剤100質量部に対して、前記セメント30〜50質量部と、前記ゴム粉10〜100質量部とが配合されてなる請求項1または2記載のゴム成型品。
- 前記アスファルト乳剤が、ノニオン系アスファルト乳剤である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のゴム成型品。
- 前記ゴム粉の粒径が、0.2〜2.0mmである請求項1〜4のうちいずれか一項記載のゴム成型品。
- 前記ゴム粉が、廃タイヤの粉砕物である請求項1〜5のうちいずれか一項記載のゴム成型品。
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JP2008048367A JP2009203376A (ja) | 2008-02-28 | 2008-02-28 | ゴム成型品 |
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JP (1) | JP2009203376A (ja) |
Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2016508939A (ja) * | 2012-12-14 | 2016-03-24 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 再分散性ポリマー粉末 |
CN110698114A (zh) * | 2019-10-11 | 2020-01-17 | 中南大学 | 碳化硅改性沥青混凝土的制备方法 |
JP2022532901A (ja) * | 2019-07-01 | 2022-07-20 | シン チュアン テクノロジー カンパニー リミテッド | 再生廃棄物を用いた、疎水性および強度が改善されたセメント質材料の製造 |
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2008
- 2008-02-28 JP JP2008048367A patent/JP2009203376A/ja active Pending
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