JP2009200798A - 電圧制御発振器、電圧並びにバイアス設定方法 - Google Patents

電圧制御発振器、電圧並びにバイアス設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】位相雑音とDCバイアス電流特性上第1領域にて動作させることで安定した位相雑音特性を有する電圧制御発振器を得る。
【解決手段】インダクタL1、L2と可変容量素子M1、M2からなるLCタンク回路と負性抵抗を発生するバイポーラトランジスタQ1、Q2とを備える電圧制御発振器にあって、バイポーラトランジスタQ1、Q2のコレクターエミッタ間電圧Vcは、発振動作中バイポーラトランジスタのベースーエミッタ間電圧VBE以上であり、しかもバイポーラトランジスQ1、Q2タのトランジスタ耐圧BVCEO以下とするようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電圧制御発振器、電圧並びにバイアス設定方法に関し、特にLC共振型のタイプのものに関する。
無線通信機等、電波を利用してデータ通信を行う装置には、通常、電圧制御発振器(以下VCOという)が搭載されている。このVCOは、周波数シンセサイザ等の制御回路を伴い、所望の周波数の電波を経時的に安定して発生することができる。そして、発生した電波をキャリアとし、このキャリア周波数にデータを載せたり(変調)、また、変調されたキャリア周波数からデータを取り出す(復調)ことで通信が実現する。一般にこのVCOを用いて通信装置内にて局所的に作られる電波は、ローカル信号と呼ばれる。
通信装置の通信精度を左右する重要な特性の一つにVCOの位相雑音がある。VCOの位相雑音は、ローカル信号を使った変調・復調の場合の周波数偏移幅よりも速い揺らぎ成分からなり、データに対して雑音として付加され、通信データのC/N(信号成分対ノイズ成分のエネルギ比)を下げる。すなわち、VCOの位相雑音特性の劣化により通信精度が劣化する。
一方、近年、通信データ量の増大や高速化に伴い、高精度な通信が要求され、このためVCOに対しても低位相雑音特性が求められる。しかも、各種通信システムが使用する周波数も多様化しており、このため、自他通信システムの妨害波の放出あるいは放出した妨害波による復調時のノイズの発生を低減するためにも、送受信に用いられるローカル信号を発生するVCOには更なる低位相雑音特性が求められる。
VCOとしては、例えば携帯電話等の移動体通信では数百MHzから数GHzのキャリア周波数が使用されることが多く、インダクタと可変容量とからなるLCタンク回路、負性抵抗を発生させるバイポーラトランジスタとを備えたいわゆるLC共振型VCOが用いられる。図1は、移動体端末としてよく用いられるLC共振型VCOを例示し、集積回路内等でよく使われる差動型VCOを示している。
図1のVCOの回路構成においては、周知のタンク回路を有し、このタンク回路はインダクタL1、L2と、DC電圧を遮断するための固定容量C1、C2と、バラクタ等の可変容量素子M1、M2と、この可変容量素子M1、M2にDCバイアス電圧V1を与えるためのアイソレーション抵抗R1、R2を備えており、更には、このタンク回路の共振周波数で正帰還増幅するパイポーラトランジスタQ1、Q2と、電流源I1と、DC電圧を遮断するための固定容量C3、C4と、バイポーラトランジスタQ1、Q2のべースにDCバイアス電圧V3を与えるためのアイソレーション抵抗R3、R4を有している。
また、図1にてタンク回路内の可変容量素子M1、M2としてはMOS可変容量素子を示し、この可変容量素子M1、M2のドレインとソースの共通接続点であるアノードには制御電圧V2を与える周波数制御端子が接続され、また可変容量素子M1、M2のゲートであるカソードには固定容量C1、C2の−方の端子が接続されている。また、可変容量素子M1、M2と固定容量C1、C2との接続点には、抵抗R1、R2を介してDCバイアス電圧V1が印加されており、DCバイアス電圧V1と周波数制御端子の電圧V2の電位差によって、可変容量値が決定される。固定容量C1、C2の他方の端子はそれぞれインダクタL1、L2の一方の端子に接続されている。またインダクタL1、L2の他方の端子は電源VDDに接続されている。
更に、パイポーラトランジスタQ1、Q2のコレクタ出力は、DC電圧を遮断するための固定容量C3、C4を介して相互のべースに入力される正帰還形の構成となっている。同時にバイポーラトランジスタQ1、Q2のコレクタは、それぞれインダクタL1、L2と固定容量C1、C2の共通接続点にてタンク回路に接続され、負性抵抗を発生して安定したLC発振を持続する。また、バイポーラトランジスタQ1、Q2のエミッタは互いに共通接続され、その接続点にて電流源I1に接続されており、この電流源I1はバイポーラトランジスタQ1、Q2のDCバイアス電流を決めている。バイポーラトランジスタQ1、Q2のべースには、抵抗R3、R4を介してDCバイアス電圧V3が印加される。
以上の構成において、図1の中で左右対杯となっている素子の対、すなわち、L1とL2、R1とR2、C1とC2、M1とM2、R3とR4、C3とC4、およびQ1とQ2のそれぞれの対は基本的に同一の素子特性を有し差動型の電圧制御発振器を構成している。
このような構成のVCOにおいては、位相雑音特性は電流源Ilのバイアス電流値にて決定される。すなわち、バイポーラトランジスタQ1、Q2のDCバイアス電流を増加していくと、一般に、図2に示すような位相雑音とDCバイアス電流の関係が現れる。すなわち、DCバイアス電流の増加に伴い位相雑音が減少する第1領域と、DCバイアス電流がある一定の値を超え、更にDCバイアス電流を増加すると位相雑音が増大する第2領域が存在する。この現象は以下のように説明される。
まず、第1領域ではDCバイアス電流増加に伴い発振振幅が増加するため、一般に位相雑音は減少する。一方、第2領域では、DCバイアス電流が増加しても発振振幅は増加せず、増加した電流は雑音のエネルギに変換されてしまうので位相雑音が増大する。従ってバイアス電流を増加していくと、第1領域と第2領域の境界点Zで位相雑音が最も低くなる。
一般に、LC共振型VCOにおけるこのようなDCバイアス電流と位相雑音の間の関係は、VCOの構成の違いに拘らず広く知られている。例えば、図1に示した可変容量素子M1,M2がMOSタイプではなくPN接合タイプの場合でも、バイポーラトランジスタQ1、Q2の代わりに電界効果型トランジスタを用いた場合でも、またトランジスタに流れる電流を図1のように接地側の電流源I1で決定せずに他の方法で決定する構成の場合でも、広く一般に知られる雑音特性となっている。
図2に示すDCバイアス電流の増加に対する位相雑音の特性は、上述のように発振振幅の飽和と関係するため、一般に発振周波数Foscを上げていくと一層低いDCバイアス電流値で境界点Zに至ることになる。また、発振周波数Foscを下げていくと一層高いDCバイアス電流値で境界点Zに至ることになる。LC共振型VCOでは、一般にインダクタンスと発振周波数Foscとの積に比例した発振振幅が得られるため、発振周波数Foscが高いと発振振幅が大きくなり、一層小さなDCバイアス電流で発振振幅の飽和が起こり、発振周波数Foscが低いと発振振幅が小さくなり、一層大きなDCバイアス電流で発振振幅の飽和が起こる。この点の特性に着目した先行技術として、例えば特許文献1では、発振周波数Foscに応じてひいては発振周波数Foscを制御する制御電圧V2に応じて、DCバイアス電流値を変化させることで、広い周波数範囲にわたる位相雑音の改善方法を開示している。また、特許文献2ではVCOの持つ発振周波数可変範囲を複数のバンドに分割し、発振周波数が低いバンドではバイアス電流を増加し、また発振周波数が高いバンドではバイアス電流を減少することで、広い周波数範囲にて良好な位相雑音で動作する電圧制御発振回路を開示している。
特許第3760100号明細書 特開2006−86740号公報
上述のような先行文献では、第1領域を実現するDCバイアス電流範囲が発振周波数に応じて変わること、すなわちLC共振型VCOの持つDCバイアス電流値依存の特性が活用される。しかしながら、VCO回路の構成の中で、何に起因して第1領域と第2領域の境目(図2中のZ点)のDCバイアス電流値が左右され決定されているかという究明、すなわちこの依存性を発生させている回路構成上の要因についてはこれまで十分な解明がなされていなかった。
図2のZ点で示される境界を挟み、バイアス電流の増加、減少は共にC/Nの劣化として現れるが、一般に第2領域側、例えばY点での動作は電流に対する位相雑音特性の変化が急峻で、また、その変化が個体間で容易にばらつくことから、安定した良好な位相雑音特性を得るためには、第2領域でVCOの発振動作をさせることは望ましくない。
図2に示すDCバイアス電流に対する依存性を決定するVCO回路構成上の要因を明らかにできれば、Z点の位置が製造上のばらつきや使用電圧や温度等の動作環境でどのように影響されるかの詳細な把握が可能となり、Z点に近いDC電流値での第1領域内での安定で良好な位相雑音性能をもつVCOを、製造上のばらつきや動作環境の影響を配慮した上で、確実に製造することが可能となる。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであって、前述の特性上第2領域にて動作することなく、第1領域にて動作させることで安定した位相雑音特性を有する電圧制御発振器及び電圧並びにバイアス設定方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、特性上限界点であるZ点に対応するように十分に低くかつ安定した位相雑音特性を有する電圧制御発振器及び電圧並びにバイアス設定方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の電圧制御発振器は、インダクタと可変容量素子からなるLCタンク回路と負性抵抗を発生するバイポーラトランジスタとを備える電圧制御発振器において、前記バイポーラトランジスタのコレクターエミッタ間電圧は、発振動作中前記バイポーラトランジスタのベースーエミッタ間電圧以上であり、しかも前記バイポーラトランジスタのトランジスタ耐圧以下とすることを特徴とする。
また、請求項2に記載の電圧制御発振器は、請求項1に記載の発明において、前記バイポーラトランジスタの発振動作中に該バイポーラトランジスタのコレクタ電流が最大となってベースーエミッタ間に加わる電圧に等しくなるときのコレクターエミッタ間電圧をVCE-MINとしかつ前記トランジスタ耐圧BVCEOに当たるコレクターエミッタ間電圧をVCE-MAXとしたとき、前記バイポーラトランジスタのコレクターエミッタ間電圧が(VCE-MIN+VCE-MAX)/2となる電圧を中心にして、振幅(VCE-MIN+VCE-MAX)/2にて発振動作を行うように、前記バイポーラトランジスタのベースのDCバイアス電位及びDCバイアス電流を設定することを特徴とする。
また、請求項3に記載の電圧制御発振器の電圧設定方法は、インダクタと可変容量素子からなるLCタンク回路と負性抵抗を発生するバイポーラトランジスタとを備える電圧制御発振器の電圧設定方法において、前記バイポーラトランジスタのコレクターエミッタ間電圧は、発振動作中前記バイポーラトランジスタのベースーエミッタ間電圧以上であり、しかも前記バイポーラトランジスタのトランジスタ耐圧以下とすることを特徴とする。
また、請求項4に記載の電圧制御発振器のバイアス設定方法は、前記請求項3の電圧制御発振器の電圧設定方法において、前記バイポーラトランジスタの発振動作中に該バイポーラトランジスタのコレクタ電流が最大となってベースーエミッタ間に加わる電圧に等しくなるときのコレクターエミッタ間電圧をVCE-MINとしかつ前記トランジスタ耐圧BVCEOに当たるコレクターエミッタ間電圧をVCE-MAXとしたとき、前記バイポーラトランジスタのコレクターエミッタ間電圧が(VCE-MIN+VCE-MAX)/2となる電圧を中心にして、振幅(VCE-MIN+VCE-MAX)/2にて発振動作を行うように、前記バイポーラトランジスタのベースのDCバイアス電位及びDCバイアス電流を設定することを特徴とする。
本発明によると、Z点の位置を決定するVCO回路構成上の要因を定量的に把握できるため、動作環境の影響や製造上のばらつきの影響等を正確に勘案した上で、確実に前記第1領域のみで動作するVCO、すなわち安定な位相雑音特性を有するVCOを得ることが可能となる。
また、本発明によれば、前記第1領域のみで動作する時に許される最大振幅と、かつ、それを第1領域内の動作で実現するための構成が明らかであるため、動作環境の影響や製造上のばらつきの影響等を正確に把握した上で、Z点に対応する十分に低い位相雑音特性を安定に有するVCOを確実に得ることが可能となる。
本発明者は、LC共振型VCOが一般に備える図2に示すような位相雑音のDCバイアス電流依存性を、特に負性抵抗を発生するバイポーラトランジスタで構成される場合について解明し、このバイポーラトランジスタのコレクターエミッタ間にかかる電圧Vcが発振動作中に、常にベースーエミッタ間にかかる電圧VBE以上である場合に、VCOは常に図2における第1領域での位相雑音特性が得られることを見出した。
(実施形態1)
以下に、図1の回路図を用い、本実施形態によるVCOについて述べる。
一般に、バイポーラトランジスタのベースーエミッタ間電圧VBEと、コレクタ電流Icは次式(1)で表される。
Figure 2009200798
ここで、Kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子の電荷量、Isはバイポーラトランジスタの飽和電流をそれぞれ示す。
電流源I1によって引かれるDCバイアス電流をIBIASとすると、VCOの発振動作中にはコレクターエミッタ間電圧Vcが最小となる時にコレクタ電流Icの値は最大となり、DCバイアス電流IBIASのほぼ2倍の電流値となる。すなわち、より詳しくはベース電流I=Ic/β分の寄与も考慮すると、IBIAS(1+1/β)の2倍の電流値となる。ここにβはトランジスタのコレクタ電流Icとべース電流Iからβ=Ic/Iの比率で表される順方向電流利得である。
従ってコレクタ電流Icが最大となるVBE=Vcとなる限界でのVcの許容最小電圧VCE-MINは、次式(2)で表される。
Figure 2009200798
また、一般に、バイポーラトランジスタのコレクターエミッタ間にかかる最大電圧は、トランジスタの耐圧BVCEOを超えるようには動作されない。したがって、本実施形態でのVCOの発振動作中Vcの許容最大電圧VCE-MAXはトランジスタ耐圧BVCEOである。
すなわち、許容限度として
CE-MAX=BVCEO ・・・(3)
となる。
このトランジスタの耐圧BVCEOは、より詳細にはべースを開放した場合に、コレクターエミッタ間に加えられる最大の電圧で、これを超えるとPN接合部がなだれ降伏を起こし破壊される電圧である。
トランジスタの耐圧BVCEOの値は以下の式(4)で与えられる。
Figure 2009200798
ここでBVcBoはエミッタを開放した場合のベースーコレクタ間の耐圧であり、nはプロセスによって3〜6の値をとることが知られている。この耐圧BVcBoは以下の式(5)で表される。
Figure 2009200798
ここでNはバイポーラトランジスタのn形材料の不純物濃度、Nはバイポーラトランジスタのp形材料の不純物濃度、εはシリコンの誘電率、qは電子の電荷量、Ecritはアバランシュ過程が起こる電界である。
このようなことからバイポーラトランジスタの動作範囲は、発振動作中の許容最小電圧VCE-MINと耐圧となる許容最大電圧VCE-MAXとの間にて動作させる必要が生ずる。
一方、図1のOUT,OUTB端子からそれぞれ出力される、差動VCOの片側の出力電圧振幅VAMPは、Q1、Q2のコレクタ電圧振幅であり、次式(6)で表される。
Figure 2009200798
ここでRpはタンク回路の直流抵抗部分であり、IBIASは電流源I1の引くDCバイアス電流値である。なお、ここで電圧振幅VAMPとは電圧振動中心から上下振動端までの電圧差でいわゆるVpkを表している。式(6)中のRpは、次式(7)のように表される。
Rp=Q*ω*L ・・・(7)
ここで、Qは、タンク回路のQ値、ωは発振周波数Foscの角周波数表示でありω=Fosc/2π、Lはインダクタのインダクタンス値を表す。従って、VCOの出力電圧振幅VAMPは式(6)に式(7)を代入して次式(8)のように表される。
Figure 2009200798
図1のVCOでは出力端子OUT,OUTBの発振動作は電源電圧VDDを中心に行われる。この場合、差動対のバイポーラトランジスタQ1,Q2において、コレクターエミッタ間電圧Vcが常にベースーエミッタ間電圧VBE以上である条件を満足することは、以下の式(9)を満たすことと等価であり、また、VCEがBVCEO以下であることは、以下の式(10)を満足することと等価である。
VDD−VAMP ≧ +VCE-MIN ・・・(9)
VDD+VAMP ≦+VCE-MAX ・・・(10)
ここにVはバイポーラトランジスタQ1、Q2のエミッタ電位である。式(9)、式(10)をまとめると以下に示す式(11)となる。
CE-MIN+VAMP ≦VDD−VE ≦CE-MAX−VAMP ・・・(11)
すなわち、この式(11)にて発振振幅の範囲が決定される。そして、VAMPは式(8)に示すように発振周波数とバイアス電流とインダクタンスによって決まるため、バイポーラトランジスタが決まっている場合には、式(11)の条件を満たすように、所要のVDDおよび発振周波数Foscに対して、バイアス電流IBIASとインダクタL1、L2のインダクタンスL、およびQの組み合わせを選定することが本実施形態の構成である。
更には、式(11)中の、VCE-MINは式(2)で表わされ、VCE-MAX式(3)、(4)、(5)で表わされるので、これらはトランジスタのサイズによっても変わる。また、エミッタ電位Vは、バイポーラトランジスタQ1、Q2のべ−ス電位Vとバイアス電流IBIASによって決まるが、これもトランジスタのサイズによっても変わる。よって本実施形態は、所要のVDDおよび発振周波数Foscに対して、式(11)を満足するようにIBIAS、L、Q、トランジスタサイズ、およびVの電圧値の組み合わせを選定することで構成が可能である。
以上、本実施形態の構成を図1の回路例および数式を用いて開示したが、図面を用いて、模式的に図3によっても理解することが可能である。この実施形態の図3において横軸はパイポーラトランジスタQ1、Q2のコレクターエミッタ間電圧Vcを表し、縦軸はパイポーラトランジスタQ1、Q2のコレクタ電流Icを表している。また縦の破線1はVc=VBEとなる本発明の限界点でのVc対Icの関係を例示しており、縦の破線2はトランジスタ耐圧BVCEOの値をIcの関数として例示している。実線1-1は、本発明によるVCOの動作曲線の例でVCOを構成するバイポーラトランジスタの発振動作中のVc―Icの周期曲線である。図3のようにVCOの動作曲線の全体が破線1の左側、および破線2の右側にはみ出さないようにIBIAS、L、Q、トランジスタサイズ、およびVの電圧値の組み合わせを選定することが本実施形態の構成である。なお、図3の実線2−1ないし2−7はバイポーラトランジスタQ1、Q2のVc−IcのDC特性を表しており、複数の実線は入力ベースDC電流Iを変化させた場合を示している。
(実施形態2)
式(11)を満足するように構成された本発明によるVCOは、図2における第1領域の安定な位相雑音特性を実現するが、より好ましくは発振振幅が最大、すなわち図2のZ点に対応する十分に低い位相雑音特性の実現が望ましい。このことは、式(11)を満足した条件下で最大の出力電圧振幅VAMPを得るようにエミッタ電位Vの値が決められることである。このことは式(11)における最大のVAMPはVが次式(12)となった場合に可能である。
Figure 2009200798
このときVAMPは次式(13)となり、式(11)で取り得る最大値となる。
AMP=(VCE-MAX−VCE-MIN)/2 ・・・(13)
実際の回路上で式(12)を満足するVは、Q1、Q2のベース電位Vを調整することで設定可能である。一般にトランジスタのサイズとIBIASによって決まる電位差VBEだけVから電位降下した電圧がVとなる。Vを決めることは図1におけるV3のDCバイアス電圧値を決めることに他ならない。具体的なV3の印加に関しては、例えば図4に示すような抵抗R5と電流源I2からなる回路で構成することが可能である。より詳細には、V3は、図1において抵抗R3、R4の値をRISOとするとQ1、Q2のべ−ス電流Iが流れることによる電位降下分、RISO*Iが加味される。以上から、式(12)を満足するようなVを実現するために図1におけるV3の値は、式(14)で決定できる。
Figure 2009200798
一方、実際の回路構成上で出力電圧振幅VAMPは前述の式(8)で決定されるため、所要の発振周波数Foscに対して、IBIASを十分大きくすることで式(13)に示す振幅まで到達することができる。この際、式(11)中のVCE-MINも、式(2)によってIBIASの関数であることは注意すべきである。また、より詳細には式(14)中のIもβ=Ic/Iの関係からIBIASに依存している。そして、これを満足するようにIBIASとV3を決定することが可能である。
以上の説明を、説明の便宜に用いた図1の記号にとらわれない一般的な表現で言い換えると、バイポーラトランジスタのDCバイアス電流IBIASとべース電位Iの組み合わせを選択することで式(12)と式(13)を同時に満足するVCOが構成可能であり、この時、図2のZ点に対応する十分に低い位相雑音特性が得られる。なお、このとき、式(12)においてコレクタの中心電位がVDDであることに注意すれば、式(12)はVCEの電圧振幅中心が(VCE-MIN+VCE-MAX)/2であることを意味する。
つまり、バイボーレラトランジスタのDCバイアス電流IBIASとベース電位Iの組み合わせを選択することで式(12)と式(13)とを同時に満足するVCOが、第2実施形態のVCOである。
図5は式(12)と式(13)の条件を満たした場合のVCO発振動作時のバイポーラトランジスタQ1、Q2の動作曲線を例示している。図5において、図3と同様に横軸はバイポーラトランジスタQ1、Q2のコレクターエミッタ間電圧Vcを表し、縦軸はバイポーラトランジスタQ1、Q2のコレクタ電流Icを表している。また縦の破線1はVc=VBEとなる限界点でのVCE対Icの関係を例示しており、縦の破線1上の点aはバイポーラのIcが最大値を取り、VcはVCE-MINとなる点を示している。縦の破線2はBVCEOの値をIcの関数として例示している。実線1−2は、本発明による実施形態2に記載のVCOの動作曲線の例でVCOを構成するバイポーラトランジスタの発振動作中のVcE―Icの周期曲線である。なお、図5の実線2−1ないし2−7はバイポーラトランジスタQ1、Q2のVc対IcのDC特性を表しており、複数の実線は入力ベースDC電流Iを変化させた場合を示している。
式(11)を満足する本発明によるVCOは、図2の第1領域でのみ発振動作を行うため、過剰な電流により歪や電流雑音が急激に劣化することなく、かつ固体ばらつきも少ないため、安定した位相雑音特性を得ることができる。さらに、好ましくは式(12)、式(13)をも満足する本発明によるVCOは、図2のZ点に対応する十分に低い位相雑音特性を安定に最適な電流で実現することが可能である。
電圧制御発振器を例示する回路図である。 位相雑音―バイアス電流特性線図である。 Ic―Vc特性線図である。 V3供給回路を例示する回路図である。 Ic―Vc特性線図である。
符号の説明
L1,L2 インダクタ
C1,C2,C3,C4 固定容量
R1,R2,R3,R4 アイソレーション抵抗
Q1,Q2 バイポーラトランジスタ
M1,M2 可変容量素子
I1 電流源

Claims (4)

  1. インダクタと可変容量素子からなるLCタンク回路と負性抵抗を発生するバイポーラトランジスタとを備える電圧制御発振器において、
    前記バイポーラトランジスタのコレクターエミッタ間電圧は、発振動作中前記バイポーラトランジスタのベースーエミッタ間電圧以上であり、しかも前記バイポーラトランジスタのトランジスタ耐圧以下とすることを特徴とする電圧制御発振器。
  2. 前記バイポーラトランジスタの発振動作中に該バイポーラトランジスタのコレクタ電流が最大となってベースーエミッタ間に加わる電圧に等しくなるときのコレクターエミッタ間電圧をVCE-MINとしかつ前記トランジスタ耐圧BVCEOに当たるコレクターエミッタ間電圧をVCE-MAXとしたとき、前記バイポーラトランジスタのコレクターエミッタ間電圧が(VCE-MIN+VCE-MAX)/2となる電圧を中心にして、振幅(VCE-MIN+VCE-MAX)/2にて発振動作を行うように、前記バイポーラトランジスタのベースのDCバイアス電位及びDCバイアス電流を設定することを特徴とする請求項1に記載の電圧制御発振器。
  3. インダクタと可変容量素子からなるLCタンク回路と負性抵抗を発生するバイポーラトランジスタとを備える電圧制御発振器の電圧設定方法において、
    前記バイポーラトランジスタのコレクターエミッタ間電圧は、発振動作中前記バイポーラトランジスタのベースーエミッタ間電圧以上であり、しかも前記バイポーラトランジスタのトランジスタ耐圧以下とすることを特徴とする電圧制御発振器の電圧設定方法。
  4. 前記請求項3の電圧制御発振器の電圧設定方法において、
    前記バイポーラトランジスタの発振動作中に該バイポーラトランジスタのコレクタ電流が最大となってベースーエミッタ間に加わる電圧に等しくなるときのコレクターエミッタ間電圧をVCE-MINとしかつ前記トランジスタ耐圧BVCEOに当たるコレクターエミッタ間電圧をVCE-MAXとしたとき、前記バイポーラトランジスタのコレクターエミッタ間電圧が(VCE-MIN+VCE-MAX)/2となる電圧を中心にして、振幅(VCE-MIN+VCE-MAX)/2にて発振動作を行うように、前記バイポーラトランジスタのベースのDCバイアス電位及びDCバイアス電流を設定することを特徴とする電圧制御発振器のバイアス設定方法。
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