JP2009200402A - 電磁波シールド基板およびその製造方法 - Google Patents

電磁波シールド基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、簡便な手法で、かつ貴金属などの高価な材料を使わずに製造され得る、透明性、導電性、防眩性、電磁波シールド性に優れた電磁波シールド基板、プラズマディスプレイ用電磁波シールド基板を提供する。
【解決手段】
基板上に網目層が積層され、該網目層上に金属層が積層された電磁波シールド基板において、網目層が、イオン性官能基を有する微粒子と金属銅からなる粒子を含む層であることを特徴とする、電磁波シールド基板。
【選択図】なし

Description

本発明は、簡便な手法で、かつ貴金属などの高価な材料を使わずに製造され得る、透明性、導電性、防眩性、電磁波シールド性に優れた電磁波シールド基板、プラズマディスプレイ用電磁波シールド基板、およびその製造方法に関するものである。
電磁波シールド基板は家電用品、携帯電話、パソコン、テレビをはじめとした電子機器から放射された多種多様な電磁波を抑制する目的に用いられている。特に伸長著しいデジタル家電の中で、プラズマディスプレイパネルからは、ブラウン管や液晶など他のディスプレイパネルと比較すると、より強力な電磁波が放出されており、人体への影響も懸念されている。プラズマディスプレイパネルは、比較的近い距離で、かつ場合によっては長時間にわたり画像を観察するため、これら電磁波を抑制する目的で、高い導電性を有する基板からなる電磁波シールド基板が必要とされ、鋭意検討されている。また、電磁波シールド基板をプラズマディスプレイパネルに用いる場合には、ディスプレイの画像の視認性を十分に高められるよう、高い透明性が要求される。
さらには、プラズマディスプレイパネルの低価格化の要求から、電磁波シールド基板にも簡便な手法で、かつ高価な材料を使用せずに製造され、製造コストを低く押さえられる可能性のあるものが求められ、鋭意検討されている。
そのような電磁波シールド基板を得るための技術として、無電解めっきの触媒となる物質を含有した網目状のパターンを形成した後、網目状のパターン上に無電解めっきにより、金属層を積層する手法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
しかし、それぞれの技術には以下のような問題点があった。
特許文献1に記載の技術では、無電解めっき触媒として、パラジウム、金、銀、プラチナ等の貴金属超微粒子が挙げられているが、高価な貴金属を用いている点から、製造コストの低減に限界が生じ得るという問題があった。
特許文献2、3に記載の技術では、無電解めっき触媒として、貴金属に比べて価格の安い銅からなる粒子を用いて、これを感光性樹脂に含有させ、銅粒子を含む網目状のパターンを得た後、銅粒子を自己触媒として用いた無電解銅めっきを行う手法が提案されている。
しかし、粒子径の大きい銅粒子を用いた場合、銅粒子の大きさのため十分に細い線を有する網目を形成させることが困難であり、その結果、透明性の高い電磁波シールド基板を得ることが困難であった。
また、銅粒子は感光性樹脂に対する分散性が良いとはいえず、分散不良により凝集した状態で線部を形成することとなり、十分に細い線を有する網目を形成させることが困難となった結果、透明性の高い電磁波シールド基板を得ることが困難であった。
十分に細い線を有する網目を形成させるために、銅粒子を数100nm以下に微粒子化して用いる場合、微粒子化により銅が極端に酸化しやすくなってしまい無電解銅めっきの自己触媒として作用しにくくなる問題があることなどから、銅微粒子の取扱いは非常に難しく、簡便に用いることができる材料ではないという問題があった。
特開平11−170420号公報(第1頁、請求項など) 特開2003−23289号公報(第1頁、請求項など) 特開2004−172554号公報(第1頁、請求項など)
本発明の目的は、上記した欠点を解消し、従来技術では解決が困難であった、簡便な手法で、かつ貴金属などの高価な材料を使用せずに製造され得る、透明性、導電性、防眩性、電磁波シールド性に優れた電磁波シールド基板、プラズマディスプレイ用電磁波シールド基板、およびその製造方法を提供することにある。
本発明の電磁波シールド基板は、
基板上に網目層が積層され、該網目層上に金属層が積層された電磁波シールド基板において、
網目層が、イオン性官能基を有する微粒子及び金属銅から構成される粒子を含む層であることを特徴とする、電磁波シールド基板、である。
また本発明の電磁波シールド基板の製造方法は、
銅イオンが複合されたイオン性官能基を有する微粒子、及び感光性樹脂を用いた電磁波シールド基板の製造方法であって、以下(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の工程を有することを特徴とする電磁波シールド基板の製造方法、である。
(a)微粒子を感光性樹脂に分散する工程。
(b)前記(a)工程により得られた分散体を、基板上に積層する工程。
(c)基板上に積層された分散体を光照射および現像によりパターン化する工程。
(d)銅イオンを還元して金属銅とする工程。
(e)無電解めっきにより、前記(d)工程により得られた金属銅を用いて金属層を積層する工程。
本発明の電磁波シールド基板によれば、以下に説明する通り、透明性、導電性、防眩性、電磁波シールド性に優れた電磁波シールド基板、プラズマディスプレイ用電磁波シールド基板を得ることができる。さらに本発明の好ましい実施態様によれば、上述のように、透明性、導電性、電磁波シールド性に優れた電磁波シールド基板、プラズマディスプレイ用電磁波シールド基板を得ることができる。
また本発明の電磁波シールド基板の製造方法によれば、上述のような特性を有する電磁波シールド基板、プラズマディスプレイ用電磁波シールド基板を、簡便な方法で、かつ貴金属などの高価な材料を使用することなく得ることができる。
本発明における電磁波シールド基板は、基板上に網目層が積層され、該網目層上に金属層が積層された電磁波シールド基板において、網目層が、イオン性官能基を有する微粒子及び金属銅から構成される粒子を含む層であることを特徴とする、電磁波シールド基板である。
電磁波シールド性能の発現に関しては、網目層上に積層された金属層が導電層となり、電磁波シールド性能の発現に寄与するものである。電磁波シールド基板の導電性は、表面比抵抗が1Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは0.5Ω/□以下であり、さらに好ましくは0.2Ω/□以下である。特に下限は限定されないが、技術的困難さや、十分な電磁波シールド性を得られれば良いという観点からも、0.01Ω/□よりも小さくする必要はない。
金属層を構成する金属は特に限定されないが、本発明においては、網目層に含まれる金属銅を自己触媒として無電解銅めっきを行うことで金属層を積層することが生産性などの点で好ましいことから、銅であることが好ましい。また、導電性の点からも、金属層としては銅を用いることが好ましい。無電解銅めっき以外のその他の方法で金属層を積層する場合には、銅の他に、Nニッケル、クロム、亜鉛、金、銀、アルミニウム、錫、白金、パラジウム、コバルト、鉄、インジウムなどを用いることができ、1種または2種以上の金属を組み合わせて用いることができる。
金属層の厚みは、十分な導電性を得るために、1μm以上が好ましく、さらに好ましくは2μm以上である。金属層の厚みは、無電解めっきを行う場合は、上限は10μm程度と考えられる。
このとき網目層と金属層とからなる層(網目の線部分)は、金属層が積層されることにより不透明な線となるため、電磁波シールド基板として透明性を発現するためには、網目の開口部が透明であることが重要となる。
本発明の電磁波シールド基板の透明性は、全光線透過率が好ましくは50%以上であり、より好ましくは65%以上であり、特に好ましくは75%以上である。なお、全光線透過率は高いほど好ましいが、現在の技術では95%以上とすることは困難なため、上限は95%程度と考えられる。
基板としては、ガラスや樹脂など種々の基板を用いることができるが、透明なものが好ましい。また、ガラスや樹脂などの基板を2種以上貼り合わせるなどして組み合わせて用いてもよいが、基板が熱可塑性樹脂フィルムであることが、透明性、柔軟性、加工性などの点で好ましい。
基板として使用する熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、特に限定されるものではなく、用途や種類に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、通常は好ましくは10〜500μm、より好ましくは38〜250μm、最も好ましくは75〜150μmである。また、熱可塑性樹脂フィルムは、単層のフィルムであってもよく、共押出による複合フィルムであってもよい。一方、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせて用いることもできる。
本発明でいう熱可塑性樹脂フィルムとは、熱によって溶融もしくは軟化するフィルムの総称であって、特に限定されるものではないが、代表的なものとして、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムやポリスチレンフィルムなどのアクリル系フィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルム、フッ素系フィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどを用いることができる。
これらは、ホモポリマーでも共重合ポリマーであってもよい。これらのうち、機械的特性、寸法安定性、透明性などの点で、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルムなどが好ましく、更に、機械的強度、汎用性などの点で、ポリエステルフィルムが特に好ましい。
本発明の電磁波シールド基板の網目層は、上述した基板上に形成される。なお後述するように、基板と網目層の間には、さらに別の層を設けることも可能である。
網目層の形状は、導電性と透明性の両立ができれば、どのようにパターン化した形状でもよく、規則的にパターン化した場合であっても、ランダムにパターン化した場合であってもよい。導電性と透明性の両立が得られやすい点で、一般的には、格子状にパターン化した網目層の形状とする場合が多い。
電磁波シールド基板の導電性と透明性の両立の観点から、網目層と金属層とからなる層(網目の線部分)の幅は、5〜30μmであることが好ましく、より好ましくは7〜25μmであり、さらに好ましくは10〜25μmである。網目の線部分の幅が太すぎると透明性が低下し、網目の線部分の幅が細すぎると導電性が低下する。正方形に近い格子からなる格子状の網目形状の場合、網目の線部分間の距離(ピッチ)は、100〜400μmが好ましく、より好ましくは150〜350μmである。ピッチが狭すぎると透明性が低下し、広すぎると導電性が低下する。
イオン性官能基を有する微粒子の粒子径は、1μm以下であることが重要であり、より好ましくは0.5μm以下であり、さらに好ましくは0.1μm以下である。該微粒子の粒子径が大きい場合は、網目層の幅を細くすることが困難となる。
イオン性官能基を有する微粒子は、イオン性官能基を有していることにより、本発明の電磁波シールド基板を製造するために無電解めっきをする際の触媒となる、金属銅の前駆体である銅イオンをイオン結合により複合させることができる。
また、イオン性官能基を有する微粒子は、感光性樹脂などに分散剤を用いて分散して使用する際、イオン性官能基と分散剤とが相互作用しやすいため、分散剤の分散効果が得られやすくなり、その結果、感光性樹脂などに良好に分散させることが可能となる。例えば、感光性樹脂に、アクリルポリマーを用い、分散剤には、顔料に親和性のある官能基を含む高分子共重合物を有した湿潤分散剤を用いることにより、イオン性官能基を有する微粒子を良好に分散することができる。
イオン性官能基を有する微粒子は、イオン性官能基を有するものであれば、特に限定されることなく、有機、無機の粒子を用いることが可能である。
イオン性官能基を有する微粒子の一例として、イオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子を用いることが好ましく、イオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子を用いた場合、イオン性官能基を有する微粒子及び金属銅から構成される粒子を含有する網目層を黒くすることが可能となるため、基板側から見える金属層の光沢を遮る防眩処理層とすることができる。このような防眩性を付与すると、例えばプラズマディスプレイ用電磁波シールド基板として用いた場合、基板の反射によって画像や文字が見えにくくなるという問題が改善されるため好ましい。さらに、金属層に防眩処理を行ったり、防眩層を設けたりした場合には、金属層側から見える金属層の光沢を遮ることも可能となるため、より好ましい。例えば、金属の酸化による黒色化処理や、クロム合金、ニッケル合金等の黒色めっきや、黒又は暗色系のインキの塗布を行うことができる。
イオン性官能基の種類としては、網目層の原料の一種である銅イオンが複合されたイオン性官能基を有する微粒子を得るために、イオン性官能基を有する微粒子に銅イオンをイオン結合させる目的で、アニオン性のイオン性官能基であることが好ましい。アニオン性のイオン性官能基としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、ケイ酸、硫酸エステル、リン酸エステル等とその金属塩、有機塩などが挙げられる。金属塩を形成する対イオンとしてはLi、Na、Mg、Alなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属のイオン、Zn、Cu、Ni、Fe、Crなどの遷移金属のイオンなどが挙げられる。有機塩を形成するイオンとしては有機アンモニウムイオンなどが挙げられる。また、遷移金属−有機アミン錯イオンが対イオンとなった塩なども挙げられる。
これらの中でも、銅イオンを好適にイオン結合させやすいものとして、スルホン酸および/またはスルホン酸金属塩が好ましい。
本発明の電磁波シールド基板を製造するための材料の一つである銅イオンが複合されたイオン性官能基を有する微粒子において「複合」とは、イオン性官能基を有する微粒子と銅イオンがイオン結合により結合した状態を意味する。このように複合させるためには、上述したイオン性官能基を有する微粒子に、塩化銅水溶液などの銅イオンを有する化合物を混合することで可能である。
本発明においては、銅イオンが複合されたイオン性官能基を有する微粒子を還元することにより、イオン性官能基を有する微粒子及び金属銅から構成される粒子とすることによって、銅イオンを金属銅とし、該金属銅を無電解めっきの触媒として用いることが好ましい製造方法の一つである。このような手法を用いることによって、貴金属のような高価な材料や、分散の困難な粒子径の大きな銅粒子や、酸化しやすく取扱いが困難な数100nm以下の粒子径を持つ銅微粒子を無電解めっきの触媒として用いる必要がなく、簡便な方法で、透明性、導電性、電磁波シールド性に優れた電磁波シールド基板を得ることが可能となる。
銅イオンが複合されたイオン性官能基を有する微粒子の銅イオンを還元するための方法は特に限定されないが、例えば、還元剤を含む溶液やガスを用いて銅イオンと接触させればよい。還元剤を含む溶液を用いる場合、還元剤として、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、次亜リン酸およびその塩、ジメチルアミンボランなどを使用することができる。還元剤を含むガス(還元ガス)を用いる場合、例えば、水素およびその混合ガス、ボラン−窒素混合ガスなどを使用することができる。
本発明においてイオン性官能基を有する微粒子及び金属銅から構成される粒子とは、イオン性官能基を有する微粒子の表面に金属銅が吸着した粒子を意味する。つまりこれを得るためには、イオン性官能基を有する微粒子のイオン性官能基と銅イオンがイオン結合により結合した状態から、銅イオンが還元されて金属銅となり、イオン性官能基を有する微粒子の表面に金属銅が物理吸着した状態を意味する。
本発明における網目層には、イオン性官能基を有する微粒子及び金属銅から構成される粒子を含むが、その他に樹脂成分が含まれていることが、網目層と基板との接着性の点などで、好ましい。また、樹脂成分が含まれていると、還元剤を含む溶液中で網目層を処理したり、無電解めっき液中で網目層を処理したりした場合などに、イオン性官能基を有する微粒子と金属銅から構成される粒子が液中に溶出するのを防ぐことができるため好ましい。特に、水溶液中で処理する場合は、イオン性官能基を有する材料は溶出しやすいものであるため、これを防ぐためにイオン性官能基を持たない樹脂成分が含まれていることが好ましい。
本発明においてイオン性官能基を有する微粒子及び金属銅から構成される粒子を含んだ層は、網目状のパターンを形成した網目層となることが重要であるが、その方法は特に限定されず、例えば、印刷により網目層を形成する方法や、感光性樹脂を用いて光を照射してパターン化する方法などが選ばれる。網目の線部分が細いものを得るためには、感光性樹脂を用いて光を照射してパターン化する方法により網目層を得ることが好ましい。
銅イオンが複合されたイオン性官能基を有する微粒子および感光性樹脂を用いて網目層を形成する場合、網目層に含まれるイオン性官能基を有する微粒子と金属銅から構成される粒子と、感光性樹脂との混合比は、10/90〜90/10(wt%/wt%)が好ましく、より好ましくは30/70〜80/20(wt%/wt%)である。イオン性官能基を有する微粒子及び金属銅から構成される粒子の混合比が10wt%より小さいと、無電解めっきが発生しにくくなる問題が生じる。感光性樹脂の混合比が10wt%より小さいと、網目層と基板との接着性が悪くなったり、狙い通りのパターンが得られにくくなったりする。
本発明における網目層には、イオン性官能基を有する微粒子と金属銅からなる粒子や樹脂成分の他に、各種添加剤、例えば、分散剤、光開始剤、界面活性剤、保護樹脂、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、シランカップリング剤などを含有することもできる。
本発明における網目層は、イオン性官能基を有する微粒子と金属銅から構成される粒子と感光性樹脂が主成分である。ここで主成分とは、網目層の全成分100重量%において、イオン性官能基を有する微粒子と金属銅から構成される粒子並びに感光性樹脂の合計量が、50重量%以上100重量%以下であることを意味する。
本発明においては、基板と網目層の間に別の層を設けることも可能である。基板と網目層との間に設けられる別の層としては、密着性改善のための下塗り層、帯電防止層、離型層、親水化処理層、疎水性層など様々な層を設けることができる。
また、本発明の電磁波シールド基板、プラズマディスプレイ用電磁波シールド基板には、その他、各種の層が積層されていてもよい。金属層の上に保護層が設けられていてもよく、基板の片面、または両面に粘着層や、離型層や、保護層や、接着性付与層や、耐候性層などが設けられていてもよい。
本発明の電磁波シールド基板の製造方法は特に限定されないが、例えば以下をあげることができる。つまり、網目層を形成するための原料として、銅イオンが複合されたイオン性官能基を有する微粒子、及び感光性樹脂を準備して、以下の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の工程を含んだ製造方法である。
(a)微粒子を感光性樹脂に分散する工程。
(b)前記(a)工程により得られた分散体を、基板上に積層する工程。
(c)基板上に積層された分散体を光照射および現像によりパターン化する工程。
(d)銅イオンを還元して金属銅とする工程。
(e)無電解めっきにより、前記(d)工程により得られた金属銅を用いて金属層を積層する工程。
本発明の好ましい電磁波シールド基板の製造方法は、上記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の工程を含めば特にその順序は限定されない。
またより好ましい本発明の電磁波シールド基板の製造方法(第1の製造方法)としては、上記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の工程をこの順に行うことである。つまり本発明における電磁波シールド基板の第1の製造方法としては、銅イオンが複合されたイオン性官能基を有する微粒子を感光性樹脂に分散した分散体を作成し、その後、分散体を基板上に積層し、その後、光を照射することで分散体を網目状にパターン化し、その後、網目状の分散体に含まれる銅イオンを還元して金属銅とすることで網目層とした後、無電解めっきにより網目層上に金属層を積層することを特徴とする、電磁波シールド基板の製造方法である。
また別のより好ましい本発明の電磁波シールド基板の製造方法(第2の製造方法)としては、上記(a)、(b)、(d)、(c)、(e)の工程をこの順に行うことである。つまり本発明における電磁波シールド基板の第2の製造方法としては、銅イオンが複合されたイオン性官能基を有する微粒子を感光性樹脂に分散した分散体を作成し、その後、分散体を基板上に積層し、その後、分散体に含まれる銅イオンを還元して金属銅とし、その後、光を照射することで分散体をパターン化して網目層とし、その後、無電解めっきにより網目層上に金属層を積層することを特徴とする、電磁波シールド基板の製造方法である。
また別のより好ましい本発明の電磁波シールド基板の製造方法(第3の製造方法)としては、上記(d)、(a)、(b)、(c)、(e)の工程をこの順に行うことである。つまり本発明における電磁波シールド基板の第3の製造方法としては、銅イオンが複合されたイオン性官能基を有する微粒子の銅イオンを還元して金属銅とし、その後、イオン性官能基を有する微粒子と金属銅からなる粒子を感光性樹脂に分散した分散体を作成し、その後、分散体を基板上に積層し、その後、光を照射することで分散体をパターン化して網目層とし、その後、無電解めっきにより網目層上に金属層を積層することを特徴とする、電磁波シールド基板の製造方法である。
上記の方法を用いることで、簡便な手法で、かつ貴金属などの高価な材料を使わずに製造され得る、透明性、導電性、防眩性、電磁波シールド性に優れた電磁波シールド基板を製造することが可能となる。
上記いずれの手法とも好適に用いることができるが、特に、第1の製造方法は、銅イオンを還元して金属銅とし、その後、無電解めっきを行う工程の間に別の工程を含まないため、金属銅が酸化するトラブルが特に起こりにくく、好ましい。
本発明の導電性基板、金属層積層基板の製造方法をより具体的に例示して説明するが、これに限定されるものではない。
まず、スルホン酸ナトリウム基を有するカーボンブラック粒子に、水を加え、0.5wt%水分散体とした。
次に、水分散体に、適量の0.2wt%塩化銅水溶液を少量ずつ加え、スルホン酸ナトリウム基を有するカーボンブラック粒子に銅イオンをイオン交換した後、大量のアセトンに滴下、吸引ろ過することで、銅イオンを含むカーボンブラック粒子とした。
次に、銅イオンが複合されたカーボンブラック粒子を、ブロック共重合体型湿潤分散剤を用いて感光性アクリル樹脂溶液に分散した分散体を作成した。
次に、分散体を、二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、溶媒を乾燥した。
次に、線幅10μm、ピッチ300μmの格子状のフォトマスク(線部が光透過性)を介して、フィルム上に積層した分散体にUV照射器を用いて露光をした後、0.1wt%の2−アミノエタノール水溶液で現像を行い、線部がフィルム上に残るように分散体を格子状にパターン化した。
次に、分散体が格子状に積層されたポリエチレンテレフタレートフィルムを0.2wt%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液に浸漬し、銅イオンを金属銅に還元して、イオン性官能基を有する微粒子及び金属銅から構成される粒子を含む網目層を形成した。
次に、網目層上に金属層を積層するために、網目層が格子状に積層されたポリエチレンテレフタレートフィルムを無電解銅めっき液に浸漬し、銅からなる金属層を積層し、電磁波シールド基板を得た。
本発明の電磁波シールド基板は、簡便な手法で、かつ貴金属などの高価な材料を使わずに製造され得る、透明性、導電性、防眩性、電磁波シールド性に優れた電磁波シールド基板であり、プラズマディスプレイパネル用途をはじめ、各種、透明性、電磁波シールド性が必要とされる用途に好適に用いることができる。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
各実施例・比較例で作成した電磁波シールド基板の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)イオン性官能基を有する微粒子の粒子径
イオン性官能基を有する微粒子を分散させた溶液を銅メッシュ上に塗布したものを、透過型電子顕微鏡(H-7100FA型 (株)日立製作所製)で観察することによりイオン性官能基を有する微粒子の粒子径を求めた。100個の金属微粒子の粒子径を測定し、その100個の粒子径の平均値とした。
(2)網目層と金属層とからなる層(網目の線部分)の幅
網目層と金属層とからなる層の線部分を微分干渉顕微鏡(LEICA DMLM ライカマイクロシステムズ(株)製)にて倍率500倍で観察することにより網目層と金属層とからなる層の線幅を求めた。ランダムに10点観察、線幅の測定を行い、その10点の線幅の平均値とした。
(3)網目層と金属層とからなる層(網目の開口部分)のピッチ幅
網目層と金属層とからなる層の開口部分を微分干渉顕微鏡(LEICA DMLM ライカマイクロシステムズ(株)製)にて倍率200倍で観察することにより網目層と金属層とからなる層の開口部のピッチ幅を求めた。ランダムに5点観察、線幅の測定を行い、その5点のピッチ幅の平均値とした。
(4)表面比抵抗
電磁波シールド基板の表面比抵抗の測定を行った。サンプルを常態(23℃、相対湿度65%)において24時間放置後、その雰囲気下で、JIS-K-7194−1994に基づいて、ロレスタ-EP(三菱化学(株)製、型番:MCP-T360)を用いて測定することができる。
ただし、本願では測定するサンプルは1つとし、1つのサンプルにつき5点測定を行い、その5点の平均を表面比抵抗とした。また、金属層が基板の両面に積層してある場合は、一方の面の5点測定の平均と、他方の面の5点測定の平均をそれぞれ求め、片面ごとの表面比抵抗を求めた。なお、本測定機における測定上限は1.999×10Ω/□であり、サンプルの表面比抵抗が上限を越えた場合には測定不可とした。表面比抵抗が1Ω/□以下のものは導電性良好である。
(5)全光線透過率
全光線透過率は、常態(23℃、相対湿度65%)において、サンプルを2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューター「HGM-2DP」を用いて測定した。3回測定した平均値をサンプルの全光線透過率とした。
なお、基板の片面のみに網目層および金属層からなる層を積層している場合、網目層および金属層からなる層を積層した面側より光が入るようにサンプルを設置した。全光線透過率が75%以上のものは透明性良好である。
(6)防眩性
防眩性は、サンプルの基板側から目視で観察することで評価した(またサンプルの基板側から観察した際の防眩性が良好な場合は、網目層と金属層からなる層側からも観察して評価した)。
サンプルの基板側から観察し、網目層部分の色が黒であれば、防眩性良好であり、評価を「○」とした。
また、サンプルの基板側から観察した際に網目層部分の色が黒であり、さらに網目層と金属層からなる層側から観察した際にも網目層部分の色が黒であれば、より防眩性良好であり、評価を「◎」とした。
サンプルの基板側から観察し、網目層部分の色が黒以外であった場合、防眩性に問題が生じる可能性があり、評価を「×」とした。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。
(アクリルポリマー溶液の作成)
はじめにアクリル酸メチルを33重量部、スチレンを33重量部、メタクリル酸を34重量部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を3重量部、および、γ−ブチロラクトンを150重量部重合容器中に仕込み、90℃にて2時間撹拌し、さらに液温を100℃に上げ、1時間反応させた。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを33重量部、ジメチルベンジルアミン1.2重量部、および、p−メトキシフェノール0.2重量部添加し、90℃で4時間撹拌し、反応終了時にγ―ブチロラクトンを50g添加して、アクリルポリマー溶液を得た(固形分40重量%)。得られたアクリルポリマーの樹脂酸価は、80.0(mgKOH/g)、重量平均分子量(Mw)は22000であった。
(銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子分散液)
粒子径0.1μmのスルホン酸ナトリウム基を有するカーボンブラック微粒子(CABOT社製)2.5重量部に、水497.5重量部を加え、0.5wt%水分散体とした。
次に、水分散体に、適量の0.2wt%塩化銅水溶液を2mlずつ加え、スルホン酸ナトリウム基を有するカーボンブラック粒子に銅イオンをイオン交換した後、大量のアセトンに滴下、吸引ろ過することで、銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子を得た。
次に、銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子100重量部に対し、アクリルポリマー溶液を12.5重量部、湿潤分散剤として顔料に親和性のある官能基を含む高分子共重合物(ビックケミー・ジャパン(株)製 Disperbyk(登録商標)−167)を7.5重量部、および溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAとする)505重量部を混合して、銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子分散液を調整した。
(実施例1)
はじめに、銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子分散液100重量部に対し、アクリルポリマー溶液を6重量部、多官能性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(日本化薬(株)製“カヤキュア”DPHA)を4重量部、二官能性モノマーとしてビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート(大阪ガスケミカル(株)製 BPEFA)を4重量部、光開始剤として1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 CGI242)を2.8重量部、2−(4−メチル)ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 CGI113)を0.8重量部、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(保土ヶ谷化学工業(株)製 EAB−F)を0.4重量部、界面活性剤としてポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとポリエーテルの混合物(ビックケミー・ジャパン(株)製 BYK(登録商標)−333)を0.08重量部、および溶媒としてPGMEA148重量部を混合して、マグネチックスターラーにて1時間分散させ、銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子を含む感光性樹脂分散体を調整した。調整した銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子を含む感光性樹脂分散体の銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子/感光性樹脂との混合比は、50/50(wt/wt)。
続いて、厚み100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子を含む感光性樹脂分散体をWET厚み6μmになるようにワイヤーバーで塗布した。
次に、この基板を90℃のクリーンオーブン(エスペック(株)製、PVC−231)で10分間、乾燥させたのち、露光機(ユニオン光学(株)製、紫外線露光機PEM−6M)を用い、フォトマスク(設計線幅10μm格子、開口部300μmピッチ)を介して、塗膜にi線:365nm、h線:405nmおよびg線:436nmの各波長を含む紫外線を100mJ/cmの露光量で露光した。
続いて、この基板を、0.4wt%の水酸化カリウムを現像液に用い、1分間現像液に浸漬させた後、水道水でシャワー洗浄し、風乾させた。
次に、この基板を50℃の無電解銅めっき液(メルテックス(株)製 メルプレートCU−5100)に、30分間浸漬させ無電解銅めっきを行った。その後基板を取り出し、水洗した後、風乾させた。
このようにして得られた電磁波シールド基板の全光線透過率は、75.0%、表面比抵抗は、0.1Ω/□、および網目層と金属層とからなる層(網目の線部分)の幅は、20μmであり、導電性、および透明性に優れた基板であった。また、開口部のピッチ幅は、290μmであった。また、基板側から目視で観察し、網目層部分の色が黒であり、防眩性も良好であった。
(実施例2)
実施例1で作成した基板に、さらにめっき金属層を黒化するために、基板をメルテックス(株)製エンプレートMB−438に80℃、3分間浸積させ、酸化黒化処理を行った。
このようにして得られた電磁波シールド基板の全光線透過率は、75.0%、表面比抵抗は、0.2Ω/□、および網目層と金属層とからなる層(網目の線部分)の幅は、20μmであり、導電性、および透明性に優れた基板であった。また、開口部のピッチ幅は、290μmであった。また、基板および網目層と金属層からなる層両側から観察し、基板および網目層と金属層からなる層両側の網目層部分の色が黒であり、防眩性も良好であった。
(実施例3)
銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子分散液をカルボン酸ナトリウム基を有するカーボンブラック微粒子を用いて作成した。
粒子径0.5μmのカルボン酸ナトリウム基を有するカーボンブラック微粒子2.5重量部に、水497.5重量部を加え、0.5wt%水分散体とした。
次に、水分散体に、適量の0.2wt%塩化銅水溶液を2mlずつ加え、カルボン酸ナトリウム基を有するカーボンブラック粒子に銅イオンをイオン交換した後、大量のアセトンに滴下、吸引ろ過することで、銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子を得た。
次に、得られた銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子100重量部に対し、アクリルポリマー溶液を12.5重量部、湿潤分散剤として顔料に親和性のある官能基を含む高分子共重合物(ビックケミー・ジャパン(株)製 Disperbyk(登録商標)−167)を7.5重量部、および溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAとする)505重量部を混合して、銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子分散液を調整した。
上記で調整した銅イオンが複合されたイオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド基板を得た。
得られた電磁波シールド基板の全光線透過率は、75.0%、表面比抵抗は、0.5Ω/□、および網目層と金属層とからなる層(網目の線部分)の幅は、20μmであり、導電性、および透明性に優れた基板であった。また、開口部のピッチ幅は、290μmであった。また、基板側から目視で観察し、網目層部分の色が黒であり、防眩性も良好であった。
(比較例1)
粒子径1.5μmの銀粒子を感光性アクリル樹脂に練り混んだ分散体(銀粒子/感光性アクリル樹脂=75/25(wt/wt))を用いて、厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに、WET厚み6μmになるようにワイヤーバーで塗布した。
次に、この基板を120℃のクリーンオーブン(エスペック(株)製、PVC−231)で10分間、乾燥させたのち、露光機(ウシオ電機(株)製、紫外線露光機ML−251A/B)を用い、フォトマスク(設計線幅10μm格子、開口部300μmピッチ)を介して、塗膜にi線:365nm、h線:405nmおよびg線:436nmの各波長を含む紫外線を500mJ/cmの露光量で露光した。
続いて、この基板を、0.1wt%の2−アミノエタノールを現像液に用い、10秒間現像液に浸漬させた後、水道水でシャワー洗浄し、風乾させた。
次に、この基板を50℃の無電解銅めっき液(メルテックス(株)製 メルプレートCU−5100)に、30分間浸漬させ無電解銅めっきを行った。その後基板を取り出し、水洗した後、風乾させた。
この基板の全光線透過率は、73.4%、表面比抵抗は、0.1Ω/□、および網目層と金属層とからなる層(網目の線部分)の幅は、25μmであった。導電性は、良好であったが、透明性が不十分であった。また、開口部のピッチ幅は、285μmであった。また、基板側から目視で観察し、網目層部分の色が銀であり、防眩性の点で問題あった。また、銀は貴金属であり、高価なので、コスト的にも適していない。
(比較例2)
イオン性官能基を有しないカーボンブラック微粒子(CABOT社製)を用いて実施例1と同様の操作を行ったが、カーボンブラック微粒子がイオン性官能基を有していないため、銅イオンが複合できず、その結果、無電解銅めっきにより、銅からなる金属層を積層することができなかった。
実施例1、2、3、比較例1、2の特性評価結果を表1に示す。
Figure 2009200402
本発明は、簡便な手法で、かつ貴金属などの高価な材料を使わずに製造され得る、透明性、導電性、防眩性、電磁波シールド性に優れた電磁波シールド基板、プラズマディスプレイ用電磁波シールド基板、およびそれらの製造方法に関するものである。本発明の電磁波シールド基板は、プラズマディスプレイパネル用途をはじめ、各種、透明性、電磁波シールド性が必要とされる用途に好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 基板上に網目層が積層され、該網目層上に金属層が積層された電磁波シールド基板において、
    網目層が、イオン性官能基を有する微粒子及び金属銅から構成される粒子を含む層であることを特徴とする、電磁波シールド基板。
  2. イオン性官能基が、スルホン酸および/またはスルホン酸金属塩である、請求項1に記載の電磁波シールド基板。
  3. イオン性官能基を有する微粒子が、イオン性官能基を有するカーボンブラック微粒子である、請求項1または2に記載の電磁波シールド基板。
  4. 網目層が、感光性樹脂を含む層であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の電磁波シールド基板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波シールド基板を用いたプラズマディスプレイ用電磁波シールド基板。
  6. 銅イオンが複合されたイオン性官能基を有する微粒子、及び感光性樹脂を用いた電磁波シールド基板の製造方法であって、以下(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の工程を有することを特徴とする電磁波シールド基板の製造方法。
    (a)微粒子を感光性樹脂に分散する工程。
    (b)前記(a)工程により得られた分散体を、基板上に積層する工程。
    (c)基板上に積層された分散体を光照射および現像によりパターン化する工程。
    (d)銅イオンを還元して金属銅とする工程。
    (e)無電解めっきにより、前記(d)工程により得られた金属銅を用いて金属層を積層する工程。
  7. (a)、(b)、(c)、(d)、(e)の工程をこの順に行うことを特徴とする、請求項6に記載の電磁波シールド基板の製造方法。
  8. (a)、(b)、(d)、(c)、(e)の工程をこの順に行うことを特徴とする、請求項6に記載の電磁波シールド基板の製造方法。
  9. (d)、(a)、(b)、(c)、(e)の工程をこの順に行うことを特徴とする、請求項6に記載の電磁波シールド基板の製造方法。
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