JP2009200382A - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエハ検査後にリーク特性を示したり、全く発光しなかったりする問題を改善し、信頼性を向上させた半導体発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】基板1上にエピタキシャル成長法により半導体層を積層させることによりpn接合を形成し、しかる後にエッチングやダイシング等によりpn接合を個々の素子に分離させたウエハ10について電気的光学的特性を検査する工程を含む半導体発光素子6の製造方法において、前記検査の工程において、個々の素子に対して順方向電圧又は順方向電流を印加し電気的光学的特性の測定をする前に、積層させた半導体層により形成されたpn接合と個々の素子のpn接合の面積から推定される降伏電圧よりも大きい逆方向電圧を印加する。
【選択図】図1
【解決手段】基板1上にエピタキシャル成長法により半導体層を積層させることによりpn接合を形成し、しかる後にエッチングやダイシング等によりpn接合を個々の素子に分離させたウエハ10について電気的光学的特性を検査する工程を含む半導体発光素子6の製造方法において、前記検査の工程において、個々の素子に対して順方向電圧又は順方向電流を印加し電気的光学的特性の測定をする前に、積層させた半導体層により形成されたpn接合と個々の素子のpn接合の面積から推定される降伏電圧よりも大きい逆方向電圧を印加する。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体発光素子の製造方法に係り、特に信頼性を向上させた半導体発光素子の製造方法に関するものである。
発光ダイオード等の半導体発光素子の製造方法として、基板上にエピタキシャル成長法により半導体層を積層させ、pn接合を形成した後に、エッチングやダイシング等によりpn接合を個々の素子に分離させたウエハについて電気的光学的特性を検査する工程を含むものが一般的である。このようなウエハ検査工程の後、ダイシングやスクライビング等により、ウエハを個別の素子に切り分け、半導体発光素子が得られる。
近年、薄膜成長に適した有機金属気相成長(MOCVD)法を用いて燐化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInP)や窒化ガリウム(GaN)等の半導体層を基板の上に積層させた高輝度の半導体発光素子が多く製造されるようになってきている。
高輝度の半導体発光素子においては通電による光出力の劣化が問題とされることが多く、通電による劣化に係る問題を解決する手段として、例えば、特許文献1に開示されているように、製造工程において通電を施し、半導体発光素子に含まれる結晶欠陥を飽和させることにより光出力の安定を図る方法が提案されている。
特開2003−318446号公報
上記の方法は、半導体発光素子がパッケージに搭載され、実際に使用される中での通電による劣化を製造工程の中で予め発生させた上で、電気的光学的特性を検査する方法である。ところが、上記のようなMOCVD法を用いて製造された半導体発光素子においては、このような方法によっても、パッケージが実使用に供される際に通電しても光らない、あるいは輝度が低い等の問題が生ずることがあり、不良品として扱われる場合がある。
また、ウエハ検査工程を経た後、個別の半導体発光素子に切り分けられるまでの工程、あるいは、切り分けられて種々のパッケージに実装されるまでの工程において、半導体発光素子の電気的光学的特性が異常を示す、すなわち、リーク特性を示したり、全く発光しなかったりすることがある。これらは上記のような通電による劣化とは別の原因による問題であり、改善が望まれていた。
したがって、本発明は、ウエハ検査後にリーク特性を示したり、全く発光しなかったりする問題を改善し、信頼性を向上させた半導体発光素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、リーク特性を示す原因として、pn接合を形成する半導体層に含まれる結晶欠陥、特にpn接合を積層方向に横断する貫通転位のような欠陥や、ウエハ検査前にpn接合を個々の素子に分離する工程において露出したpn接合部に付着した切り屑や切削歪み等が主であることを見出した。リーク特性とは、順方向電圧を印加した際に正常な半導体発光素子で期待される立ち上がり電圧よりも低い電圧で電流が流れ始める特性、または逆方向電圧を印加した際に正常な半導体発光素子で期待される降伏電圧よりも低い電圧で電流が流れ始める特性を言う。
ウエハ検査後にリーク特性を示す問題は、上記の原因を内在する半導体発光素子において、順方向電圧又は順方向電流を印加した際には正常な順方向特性を示すにもかかわらず、逆方向電圧又は逆方向電流を印加した際には貫通転位のような結晶欠陥や切り屑、切削歪み等を伝って電流が一気に流れるため、その部分が電流パスとなることによる。このような逆方向電圧又は逆方向電流が印加されるのは、通常の逆方向特性検査のほか、静電気やサージ電圧等によることが多い。
一旦電流パスが形成されてしまうと、順方向特性がリーク特性を示すようになり、pn接合が破壊されたものについては全く発光しなくなったりするため、いずれも不良品となってしまう。
特にAlGaInPからなる半導体層によるpn接合を有する半導体発光素子は、pn接合を積層方向に横断する貫通転位のような結晶欠陥が積層の最表面に到達する前に消滅したり、到達していても外観上認識が困難だったりするため、外観検査による識別が非常に困難である。同様に、個々の素子に分離して露出したpn接合部に付着した切り屑や切削歪みも半導体発光素子の側面部に位置する部分であるが故に外観検査で識別しにくい。
また、GaNからなる半導体層によるpn接合を有する半導体発光素子は、基板材料との格子定数差が非常に大きいため、または、基板自体に結晶欠陥を多く含むために、これらに起因する貫通転位が発生しやすく、pn接合を積層方向に横断するものが多発しやすい。
本発明者らはこのような知見を基に、ウエハ検査の際にこれらの原因を内在する半導体発光素子を判別する為の検査方法を考案し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の製造方法は、基板上にエピタキシャル成長法により半導体層を積層させpn接合を形成した後、エッチングやダイシング等によりpn接合を個々の素子に分離させたウエハについて電気的光学的特性の検査を行う検査工程を含む半導体発光素子の製造方法であって、前記検査工程において、個々の素子に対して順方向電圧又は順方向電流を印加し電気的光学的特性の測定をする前に、積層させた前記半導体層により形成されたpn接合と前記個々の素子のpn接合の面積から推定される降伏電圧よりも大きい逆方向電圧を印加することを特徴とする。
本発明によれば、結晶欠陥や切削歪み等のリーク特性の原因を内在する半導体発光素子は、順方向電圧又は順方向電流を印加し電気的光学的特性の測定をする前に降伏電圧よりも大きい逆方向電圧を印加することによりリーク特性を示すようになるため、その後の順方向特性の検査で確実に不良品として認識することができ、電気的光学的検査の精度が格段に向上し、検査の信頼性が改善されるという効果がある。なお、リーク特性の原因が内在しない半導体発光素子については、上記のような逆方向電圧印加によっても不良となるような特性の変化はない。
本願の第1の発明は、基板上にエピタキシャル成長法により半導体層を積層させpn接合を形成した後、エッチングやダイシング等によりpn接合を個々の素子に分離させたウエハについて電気的光学的特性の検査を行う検査工程を含む半導体発光素子の製造方法であって、前記検査工程において、個々の素子に対して順方向電圧又は順方向電流を印加し電気的光学的特性の測定をする前に、積層させた前記半導体層により形成されたpn接合と前記個々の素子のpn接合の面積から推定される降伏電圧よりも大きい逆方向電圧を印加することを特徴とする半導体発光素子の製造方法である。
本願の第2の発明は、半導体層がAlGaInPからなることを特徴とする半導体発光素子の製造方法である。
本願の第3の発明は、半導体層がGaN系化合物半導体からなることを特徴とする半導体発光素子の製造方法である。
以下、本発明の実施の形態を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の部材や部分などには同一の符号を付している場合がある。
図1は本発明の半導体発光素子の製造方法を示す工程フロー図である。また、図2は本発明にかかる半導体発光素子の製造工程を示す概略断面図である。
まず、図1の結晶成長工程において、図2(a)に示すようにMOCVD法等を用いて基板1の上にpn接合を含む結晶成長を行う。p型層3及びn型層2をAlGaInPからなる半導体層で形成する場合は基板1にGaAs基板を、GaN系化合物半導体からなる半導体層で形成する場合は基板1にGaN基板を用いる。
次に、図1の電極形成工程において、図2(b)に示すように、ウエハ10に電流を印加するためのp電極4及びn電極5を形成する。この後、又は、この電極工程の中のpn分離工程において、電気的に個々の半導体発光素子6に分離するpn分離を行う。pn分離工程は、ウエハ10の中ほどで積層構造の途中、又は、基板1に到達する深さで溝を形成することにより個々の半導体発光素子6を規定するものであって、ダイシング、反応性イオンエッチング等のドライエッチング、又は酸やアルカリを用いたウェットエッチング等により行う。
その後、図1の検査工程において、図2(c)に示すように、p電極4にプローブ針7を当てる一方、n電極5は金属製の測定ステージ(図示せず)に接触させ、テスター8と電源9を用いて、まず、pn分離された半導体発光素子6に対して逆方向電圧を印加する。
印加する電圧は、逆方向電圧を印加した際に正常な半導体発光素子で期待される降伏電圧よりも高い電圧を印加することが望ましい。具体的には、個々の素子に対して順方向電圧又は順方向電流を印加し電気的光学的特性の測定をする前に、積層させた半導体層により形成されたpn接合と個々の素子のpn接合の面積から推定される降伏電圧よりも大きい逆方向電圧を印加することが好ましい。このような降伏電圧は、半導体層に用いる材料、構造、素子サイズにより異なるため特定が困難であるが、順方向特性が正常な半導体発光素子を、例えば1000個以上の多数個測定し、そのうち、例えば逆方向電流10μA時の逆方向電圧が最も高くかつ略同一値の最も多い電圧をもってその半導体発光素子の降伏電圧と推定すると良い。
印加する逆方向電圧としては、特に、AlGaInPにあっては20〜80V、GaN系化合物半導体にあっては、10〜100Vを印加することが望ましい。電圧印加は連続印加でも構わないが、検査スループットとの兼ね合いを考慮しパルス印加とすることが製造上好ましい。ここで印加する逆方向電圧は、半導体発光素子6に用いる材料、構造、サイズによって適宜変更することができる。GaN系化合物半導体を用いた半導体発光素子6の場合、100V以上、例えば1kVの逆方向電圧をパルス印加することもできるが、正常な半導体発光素子6をも破壊して不良の判定をする場合があるので、上記範囲が好ましい。
続けて、通常の順方向電圧測定、逆方向電流測定、発光波長測定、光度測定等を行い、各測定のいずれかにおいて特性不良と判定された半導体発光素子に対してはインク等を用いたマーキングを行う。
ここで、上記リーク原因を内在する半導体発光素子にあっては、逆方向電圧印加によりリーク特性が顕在化するため、順方向電圧測定や逆方向電流測定において不良と認識することができる。
図3に逆方向電圧印加前の半導体発光素子の電流−電圧特性を、図4に逆方向電圧印加後の半導体発光素子の電流−電圧特性を示す。図3の実線はAlGaInPを使用した半導体発光素子の正常な特性の一例を示している。順方向電流10μA時の順方向電圧(立ち上がり電圧に相当)が1.60V、順方向電流20mA時の順方向電圧が2.0Vである。逆方向電流10μA時の逆方向電圧(降伏電圧に相当)は35Vである。図3の点線は同じくAlGaInPを使用したものであって貫通転位をリーク特性の原因として内在する半導体発光素子の特性の一例を示している。順方向電流10μA時の順方向電圧が1.56V、順方向電流20mA時の順方向電圧が2.1Vであり、逆方向電圧は逆方向電流10μA時で28Vと、正常な半導体発光素子と同等の特性である。この半導体発光素子に対し、逆方向特性の測定リミット電圧として一般的に設定される逆方向電圧10Vを印加しても特性に変化は見られなかったが、逆方向電圧50Vを印加した後、順方向と逆方向の特性を測定すると、図4に示すように、順方向電流10μA時の順方向電圧が0.8V、順方向電流20mA時の順方向電圧が2.0Vであり、逆方向電圧は逆方向電流10μA時で1Vというリーク特性が確認された。
ウエハ10内のすべての半導体発光素子6に対して検査を終えた後、図1のチップ分離工程において図2(d)に示すように、個々の半導体発光素子6に切り分けられる。そして、外観検査工程で不良マーキングの素子や検査上では良品判定されたものの外観上不良と判定されるものを除去した後、製品として出荷することができる半導体発光素子6が得られる。
このようにして得られた半導体発光素子6には、リーク特性の原因を内在する半導体発光素子6が含まれる確率が従来に比べて格段に下がるので、検査の信頼性が高まる。
上記の説明において、GaN系化合物半導体を用いた半導体発光素子6についてはGaN基板を使用した例を挙げたが、サファイア基板を用いたものについても本発明を適用することができる。この場合、サファイア基板は絶縁性であるので、p電極4とn電極5は基板1とは反対側の同一の面に配置される。基板1の上にn型層2とp型層3をこの順に形成する場合は、p型層3の表面側からn型層2が露出するまでエッチング等によりp型層3の一部を除去し露出したn型層2の上にn電極5を形成する方法で電極を形成すると良い。そして、検査工程においては、p電極4とn電極5とにそれぞれプローブ針7を当てて電圧を印加すると良い。
また、半導体層としてはAlGaInPやGaN系化合物半導体に限らず、GaPやGaAsP、GaAs、GaAlAs等を用いたものにも適用できる。
さらに、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で種々変形して用いることが可能である。
検査工程において、個々の素子に対して順方向電圧又は順方向電流を印加し電気的光学的特性の測定をする前に、積層させた前記半導体層により形成されたpn接合と前記個々の素子のpn接合の面積から推定される降伏電圧よりも大きい逆方向電圧を印加することによって、結晶欠陥や切削歪み等のリーク特性の原因を内在する半導体発光素子を検査で確実に不良品として認識することが必要な用途にも適用できる。
1 基板
2 n型層
3 p型層
4 p電極
5 n電極
6 半導体発光素子
7 プローブ針
8 テスター
9 電源
10 ウエハ
2 n型層
3 p型層
4 p電極
5 n電極
6 半導体発光素子
7 プローブ針
8 テスター
9 電源
10 ウエハ
Claims (3)
- 基板上にエピタキシャル成長法により半導体層を積層させpn接合を形成した後、エッチングやダイシング等によりpn接合を個々の素子に分離させたウエハについて電気的光学的特性の検査を行う検査工程を含む半導体発光素子の製造方法であって、前記検査工程において、個々の素子に対して順方向電圧又は順方向電流を印加し電気的光学的特性の測定をする前に、積層させた前記半導体層により形成されたpn接合と前記個々の素子のpn接合の面積から推定される降伏電圧よりも大きい逆方向電圧を印加することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
- 前記半導体層がAlGaInPからなることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記半導体層がGaN系化合物半導体からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2008042487A JP2009200382A (ja) | 2008-02-25 | 2008-02-25 | 半導体発光素子の製造方法 |
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KR101380799B1 (ko) * | 2009-06-08 | 2014-04-04 | 에피스타 코포레이션 | 발광소자 및 그 제조방법 |
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-
2008
- 2008-02-25 JP JP2008042487A patent/JP2009200382A/ja active Pending
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