JP2009199914A - 燃料電池装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のセルが積層されたセルスタック内における発電電圧の低下したセルの有無を容易に検知することができる燃料電池装置を提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池装置100は、複数のセル2が積層されてなるセルスタック10と、前記セルの積層方向に延在する燃料ガス供給マニホールド46と、前記セルの積層方向に延在する燃料ガス排出マニホールド48と、前記未反応の燃料ガスの前記燃料ガス排出マニホールドへの流動をその逆流を抑制するようにして許容する逆流抑制部材40と、前記セルスタックの発電電圧を検出する電圧検出器80と、前記セルスタックにおける発電を制御する制御装置90と、を備え、前記制御装置は、電圧検出器で検出される前記セルスタックの発電電圧の変化が所定の閾値より大きい場合には、前記セルスタックの発電を停止するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池、特に高分子電解質形燃料電池を用いて発電を行う燃料電池装置に関する。
近年、高分子電解質形燃料電池が注目されている。高分子電解質形燃料電池では、高分子電解質膜の一方の主面に、アノード側触媒層とアノード側ガス拡散層とが順に積層されている。このように積層されたアノード側触媒層とアノード側ガス拡散層とが、アノードを構成する。また、高分子電解質形燃料電池では、高分子電解質膜の他方の主面に、カソード側触媒層とカソード側ガス拡散層とが順に積層されている。このように積層されたカソード側触媒層とカソード側ガス拡散層とが、カソードを構成する。そして、高分子電解質膜と、アノードと、カソードと、が積層されたものを、膜−電極接合体(以下、「MEA」)という。MEAのアノード側には、燃料ガス流路が形成されたアノード側セパレータが、アノードと燃料ガス流路とが対向するように配置される。一方、MEAのカソード側には、酸化剤ガス流路が形成されたカソード側セパレータが、カソードと酸化剤流路とが対向するように配置される。このようにして、セル(単燃料電池)が形成されている。このセルを10個〜200個積層し端板(端部材)で挟んだ後、これらを締結してセルスタック(燃料電池)が形成される。高分子電解質形燃料電池は、そのアノードに燃料ガス流路を介して供給される水素等の燃料ガスと、そのカソードに酸化剤ガス流路を介して供給される空気等の酸化剤ガスとを用い、これらを電気化学的に反応させることで、電力と熱とを同時に発生させる。
しかし、セルスタックのアノードに供給される燃料ガスに、空気の逆流等によって空気中の酸素が混入した場合には、水素と酸素との反応により燃焼、爆発等の危険性がある。特に、セルスタックには触媒金属としての白金が用いられているため、この金属触媒により水素と酸素との反応が促進されることとなって、燃焼、爆発等の危険性がより高まる。
そこで、セルスタックから燃料ガスが排出される燃料ガス排出経路に逆止弁を設けた技術が知られている(特許文献1参照)。この技術によると、逆止弁で燃料ガス排出経路を封止することにより、燃料ガス中に酸素が混入することが抑制される。これにより、燃料電池装置の停止時や異常動作時等にセルスタック内が外気に対して負圧となった場合において、セルスタック内に外気(空気中の酸素)が流入することが防止される。
特開2000−30723号公報
しかし、特許文献1の構成は、外部からセルスタック内に酸素が流入することを防止できるが、セルスタック内において発生した酸素が燃料ガス中に混入することを防止できない。
すなわち、燃料電池装置の発電中に、セルスタックを構成する一部のセルにおいて、生成水、外部からの異物、セルを構成する構成要素の変形等によりアノード側セパレータに形成された燃料ガス流路に燃料ガスが流れにくくなると、発電に必要な燃料ガスを供給できなくなる。しかし、セルスタックは、セルを直列に接続した構成となっているため、セルを構成する構成要素の腐食反応等により、セルスタック内で酸素が発生し、この酸素が燃料ガス中に混入する。
また、セルを構成する構成要素が腐食反応等によって損傷した場合には、腐食反応等により発電のためのエネルギーが消費され発電電圧が低下してしまう。このように一旦、発電電圧が低下したセルは、以前の状態(通常の発電電圧の状態)に回復することがないため、速やかに交換する必要がある。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、複数のセルが積層されたセルスタック内における発電電圧の低下したセルの有無を検知することのできる燃料電池装置を提供することを目的とする。
発明者等は、鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
セルの燃料ガス流路を流れる燃料ガスが不足しこの燃料ガス中に酸素が混入すると、セルの発電電圧が低下するのみならず、セルスタック(燃料電池)全体の発電電圧が低下する。例えば、定地用燃料電池で使用される0.05〜0.5A/cm2の電流密度の条件で、必要な燃料ガス流量の30〜40%しか燃料ガスが流れなかった場合には、ひとつのセルで1〜3V程度の電圧低下が起こる。また、定地用燃料電池で使用される0.05〜0.5A/cm2の電流密度の条件で、必要な燃料ガス流量の0〜10%しか燃料ガスが流れなかった場合には、ひとつのセルで10V以上の電圧低下が起こる。
そして、この知見を出発点として、以下の思考過程を経て本発明を想到した。すなわち、セルスタックを構成する全てのセル(個々のセル)の発電電圧を検出し監視することで、確実に、燃料ガスが欠乏したセルを検知することが可能になる。しかし、全てのセルの発電電圧を監視するためには多くの電圧端子が必要になる。また、検出した発電電圧を判断する制御機構もセルの増加に伴い複雑になるため、コスト面及び信頼性の面から問題が生じる。
一方、セルスタック全体の電圧を監視することで、単純な機構で発電電圧の監視及び制御をすることが可能になる。しかし、前述のように、必要な燃料ガス流量の30〜40%しか燃料ガスが流れない場合には、ひとつのセルで1〜3Vの電圧低下が起こるが、これでは、セルスタックを構成する各セルのすべてが均一に電圧低下した場合との区別がつかない。
以下、具体例を挙げて説明する。
100個のセルを備えたセルスタック(燃料電池)を1セルあたりの平均電圧が0.8Vで運転する場合において、1つのセルに供給される燃料ガス流量が50%に低下したときには、当該セルの電圧低下が約3Vとなる。これにより、セルスタック全体の発電電圧が80Vから77Vに低下する。しかし、このようなセルスタック全体の発電電圧の低下(80Vから77Vへの低下)は、セルスタックを構成する100個のセルのすべてが、平均電圧30mVで低下した場合にも発生する。したがって、セルスタック全体の発電電圧の低下が、1つのセルの電圧低下に起因するものか、全てのセルの電圧低下に起因するものか、判断することが困難である。すなわち、システムを停止させるかどうかを判定するセルスタック全体の発電電圧の閾値を77Vに設定すると、1つのセルの発電電圧の低下に起因するものか、セルスタック全体の発電電圧の低下に起因するものかを判定することができず、誤検知の可能性がある。
一方、1つのセルに供給される燃料ガスの流量が0〜10%に低下した場合には、前述のように、当該セルの発電電圧の低下が約10Vになる。当該セルのみで発電電圧が大きく低下しているのであれば、セルスタック全体でも約10Vの発電電圧の低下が発生する。ところで、このようにセルスタック全体で約10Vの発電電圧の低下が発生する現象は、セルスタックを構成する100個のセルのすべてが、平均電圧100mVで低下した場合にも起こりうる。しかし、この場合には、全てのセルの発電電圧の低下量が大きすぎるため、通常は、このような全セルの発電電圧の低下が起こることは少ないと考えられる。したがって、セルスタック全体の発電電圧の低下が1つのセルの大きな発電電圧の低下に起因するものであると判定することができるため、誤検知の可能性は低くなる。
しかし、燃料電池装置の運転においては、燃料ガスの欠乏を防止するため、必要な燃料ガスの流量の120%から200%の量の燃料ガスを供給することが通常である。したがって、各セルから排出されるオフガスには、未反応の燃料ガスが含まれている。この場合には、あるセルにおける燃料ガス流路の閉塞により燃料ガス供給マニホールド側からの燃料ガスの供給量が少なくなったとしても、燃料ガス排出マニホールド側から燃料ガス流路の閉塞した部分にまで未反応の燃料ガスが逆流する。その結果、燃料ガス流路が閉塞したセルにおいても電池反応が起こってしまうため、当該セルの発電電圧の低下がそれほど大きくならず、閉塞の発生したセルの有無を検知できなくなる。
そこで、本発明の燃料電池装置は、高分子電解質膜と該高分子電解質膜を挟むように配置されたアノード及びカソードとを有する膜−電極接合体と、一方の主面に燃料ガス流路が形成され該一方の主面の燃料ガス流路が形成された部分が前記アノードに接触するように前記膜−電極接合体の一方の側に配置されたアノード側セパレータと、一方の主面に酸化剤ガス流路が形成され該一方の主面の酸化剤ガス流路が形成された部分が前記カソードに接触するように前記膜−電極接合体の他方の側に配置されたカソード側セパレータと、を有する複数のセルが積層されてなるセルスタックと、前記セルの積層方向に延在し、前記複数のセルの前記燃料ガス流路の上流端が互いに並列に接続され、各前記燃料ガスの上流端に燃料ガスを供給する燃料ガス供給マニホールドと、前記セルの積層方向に延在し、前記複数のセルの前記燃料ガス流路の下流端が互いに並列に接続され、各前記燃料ガスの下流端から未反応の燃料ガスを排出する燃料ガス排出マニホールドと、前記未反応の燃料ガスの前記燃料ガス流路から前記燃料ガス排出マニホールドへの流動をその逆流を抑制するようにして許容する逆流抑制部材と、前記セルスタックの発電電圧を検出する電圧検出器と、前記セルスタックにおける発電を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、電圧検出器で検出される前記セルスタックの発電電圧の変化が所定の閾値より大きい場合には、前記セルスタックの発電を停止するように構成されている。
このような構成とすると、燃料ガス流路が異物等により閉塞したセルでは、逆流抑制部材により、燃料ガス排出マニホールド内を流れる未反応の燃料ガスが燃料ガス流路に逆流することが抑制される。よって、燃料ガス流路が異物等により閉塞したセルでは、燃料ガス流路に燃料ガスが供給されなくなって電池反応が起こらなくなる。したがって、燃料ガス流路が異物等により閉塞したセルでは発電電圧の低下が(燃料ガス流路に燃料ガスが逆流した場合に比べて)大きくなると共に、セルスタック全体の発電電圧の低下も大きくなる(セルスタックの発電電圧の変化(低下)が所定の閾値よりも大きくなる)。これにより、セルスタックにおいて、燃料ガス流路の閉塞等の異常の発生したセルが存在すると判定できる。そして、異常の発生したセルが存在する場合には、セルスタックによる発電を停止し、この停止状態において、異常の発生したセルを交換する。
前記高分子電解質膜の周縁部に配置された額縁状の枠体を備え、前記逆流抑制部材が前記枠体に配設されていてもよい。
このような構成とすると、逆流抑制部材を枠体に接着等することにより配設することができるので、逆流抑制部材の配設が容易になる。
前記逆流抑制部材が前記アノード側セパレータに配設されていてもよい。
このような構成とすると、逆流抑制部材をアノード側セパレータに嵌挿等することにより配設することができるので、逆流抑制部材の配設が容易になる。
前記逆流抑制部材が前記アノード側セパレータにおける燃料ガス流路の下流端近傍に配設されていてもよい。
このような構成とすると、燃料ガス排出マニホールドを流れる未反応の燃料ガスが燃料ガス流路に逆流することが効果的に抑制される。
前記電圧検出器が前記セルスタックを構成する所定数のセルからなるブロックごとの発電電圧を検出するように構成され、前記制御装置が、全ての前記検出された前記ブロックごとの発電電圧の変化のうちのいずれかが所定の閾値よりも大きい場合には前記セルスタックの発電を停止するよう構成されていてもよい。
このような構成とすると、いずれかのブロックの発電電圧の変化が所定の閾値よりも大きくなった場合には、このブロックに発電電圧の低下したセルが含まれていると考えられる。これにより、セルスタック全体を分解することなく、発電電圧の低下したブロックのみを分解することで発電電圧の低下したセルを交換することが可能になるため、メンテナンス性が向上する。
本発明の燃料電池装置は、上記のような構成としたため、複数のセルが積層されたセルスタック内における発電電圧の低下したセルの有無を容易に検知することができるという効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では、全図面を通じて同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の燃料電池装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、図1の燃料電池装置を構成するセルスタックの概略構成を示す断面図である。図3は、図2のセルスタックを構成するアノード側セパレータにおいて燃料ガス流路が形成された主面の概略構成を示す平面図である。図4は、図3のアノード側セパレータにおける燃料ガス流路の下流端に逆流抑制部材を配設する前後の状態を示す図であって、(a)は逆流抑制部材を配設する前の状態を示す部分斜視図、(b)は逆流抑制部材を配設した後の状態を示す部分斜視図である。図5は、図2のセルスタックにおいて、燃料ガス流路の閉塞が発生している部分と発生していない部分とにおける燃料ガスの流れを模式的に示す部分断面図である。なお、図5は模式的な図であるため、燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路の構成が、図2で示した構成と一致していない。以下、図1乃至図5を参照しながら、本実施形態の燃料電池装置について説明する。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池装置100は、セルスタック10と、このセルスタック10に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置60と、セルスタック10に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置70と、セルスタック10全体の発電電圧を測定する電圧検出器80と、出力制御装置82と、制御装置90と、を主な構成要素として備えている。
セルスタック10は、本実施形態では高分子電解質形燃料電池で構成されている。セルスタック10は、図2に示すように、複数個のセル2を積層すると共に、その両端に端部材4,6を配置し、これらを図示しない締結具により締結することにより形成されている。また、端部材4,6の内側には、導電性の端子板(図示せず)がそれぞれ配置されていて、この端子板に出力端子91,92が設けられている(図1参照)。個々のセル2は、膜−電極接合体部材(MEA部材)20と、アノード側セパレータ30と、カソード側セパレータ50と、を備えている。
MEA部材20は、MEA25と、一対の枠体26,27と、を備えている。
MEA25は、高分子電解質膜21と、この高分子電解質膜21の一方の主面に接触するアノード22と、高分子電解質膜21の他方の主面に接触するカソード23と、からなっている。
高分子電解質膜21は、ここでは、矩形の膜状に形成されている。高分子電解質膜21は、プロトン伝導性を有している。高分子電解質膜21としては、陽イオン交換基として、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、及びスルホンイミド基を有する高分子電解質を用いることが好ましく、プロトン伝導性の観点から、スルホン酸基を有する高分子電解質を用いることが特に好ましい。
アノード22は、その面積が高分子電解質膜21の面積よりも小さくなるよう形成されている。アノード22は、アノード側ガス拡散層(図示せず)とアノード側触媒層(図示せず)とから構成されている。アノード側ガス拡散層とアノード側触媒層とは、高分子電解質膜21に対して、順に積層されている。そして、アノード側セパレータ30が、アノード22におけるアノード側ガス拡散層に接触するように配置されている。
カソード23は、その面積が高分子電解質膜21の面積よりも小さくなるよう形成されている。カソード23は、カソード側ガス拡散層(図示せず)とカソード側触媒層(図示せず)とから構成されている。カソード側ガス拡散層とカソード側触媒層とは、高分子電解質膜21に対して、順に積層されている。そして、カソード側セパレータ50が、カソード23におけるカソード側ガス拡散層に接触するように配置されている。
一対の枠体26,27は、中央開口部を有するよう、矩形の環状に形成されている。一対の枠体26,27は、MEA25の周縁部に延在する高分子電解質膜21を挟むようにして配置されている。したがって、枠体26,27の中央開口部(枠内)の両面には、MEA25が露出している。また、MEA部材20を貫通するように、燃料ガス供給マニホールド孔28、燃料ガス排出マニホールド孔29、酸化剤ガス供給マニホールド孔(図示せず)、酸化剤ガス排出マニホールド(図示せず)、熱媒体供給マニホールド孔(図示せず)、熱媒体排出マニホールド孔(図示せず)、及び締結用孔(図示せず)が形成されている。枠体26,27を構成する材料は、耐環境性を有する弾性物質であればよく、例えば、フッ素系ゴム等が用いられる。
アノード側セパレータ30には、図3に示すように、燃料ガス供給マニホールド孔31、燃料ガス排出マニホールド孔32、酸化剤ガス供給マニホールド孔33、酸化剤ガス排出マニホールド孔34、熱媒体供給マニホールド孔35、熱媒体排出マニホールド孔36、及び締結用孔37が、その厚み方向を貫通するようにして、それぞれ形成されている。アノード側セパレータ30の一方の主面には、燃料ガス供給マニホールド孔31と燃料ガス排出マニホールド孔32とを接続するように燃料ガス流路38が形成されている。燃料ガス流路38の上流端は燃料ガス供給マニホールド孔31に接続され、燃料ガス流路38の下流端は燃料ガス排出マニホールド孔32に接続されている。燃料ガス流路38の下流端を構成する壁面は、後述するように、斜めに切り欠かれて傾斜面が形成され、この傾斜面が弁座45を構成している(図4参照)。燃料ガス流路38は、ここでは、3本の流路溝からなっている。一方、アノード側セパレータ30の他方の主面には、熱媒体供給マニホールド孔35と熱媒体排出マニホールド孔36とを接続するように熱媒体流路(図示せず)が形成されている。熱媒体流路の上流端は熱媒体供給マニホールド孔35に接続され、熱媒体流路の下流端は熱媒体排出マニホールド孔36に接続されている。燃料ガス流路38及び熱媒体流路は流路溝で構成され、それぞれの流路溝がサーペンタイン状に形成されている。
カソード側セパレータ50には、酸化剤ガス供給マニホールド孔(図示せず)、酸化剤ガス排出マニホールド孔(図示せず)、燃料ガス供給マニホールド孔51、燃料ガス排出マニホールド孔52、熱媒体供給マニホールド孔(図示せず)、熱媒体排出マニホールド孔(図示せず)、及び締結用孔(図示せず)が、その厚み方向を貫通するようにして、それぞれ形成されている。カソード側セパレータ50の一方の主面には、酸化剤ガス供給マニホールド孔と酸化剤ガス排出マニホールド孔とを接続するように酸化剤ガス流路58が形成されている。酸化剤ガス流路58の上流端は酸化剤ガス供給マニホールド孔に接続され、酸化剤ガス流路58の下流端は酸化剤ガス排出マニホールド孔に接続されている。一方、カソード側セパレータ50の他方の主面には、熱媒体供給マニホールド孔と熱媒体排出マニホールド孔とを接続するように熱媒体流路(図示せず)が形成されている。熱媒体流路の上流端は熱媒体供給マニホールド孔に接続され、熱媒体流路の下流端は熱媒体排出マニホールド孔に接続されている。酸化剤ガス流路58及び熱媒体流路は流路溝で構成され、それぞれの流路溝がサーペンタイン状に形成されている。
そして、アノード側セパレータ30の燃料ガス供給マニホールド孔31とカソード側セパレータ50の燃料ガス供給マニホールド孔51とMEA部材20の燃料ガス供給マニホールド孔28とが連通して、燃料ガス供給マニホールド46が形成されている。燃料ガス供給マニホールド46には、各燃料ガス流路38のそれぞれの上流端が互いに並列になるよう接続されている(図5参照)。アノード側セパレータ30の燃料ガス排出マニホールド孔32とカソード側セパレータ50の燃料ガス排出マニホールド孔52とMEA部材20の燃料ガス排出マニホールド孔29とが連通して、燃料ガス排出マニホールド48が形成されている。燃料ガス排出マニホールド48には、各燃料ガス流路38のそれぞれの下流端が互いに並列になるよう接続されている(図5参照)。アノード側セパレータ30の酸化剤ガス供給マニホールド孔33とカソード側セパレータ50の酸化剤ガス供給マニホールド孔とMEA部材20の酸化剤ガス供給マニホールド孔とが連通して、酸化剤ガス供給マニホールドが形成されている。アノード側セパレータ30の酸化剤ガス排出マニホールド孔34とカソード側セパレータ50の酸化剤ガス排出マニホールド孔とMEA部材20の酸化剤ガス排出マニホールド孔とが連通して、酸化剤ガス排出マニホールドが形成されている。アノード側セパレータ30の熱媒体供給マニホールド孔35とカソード側セパレータ50の熱媒体供給マニホールド孔とMEA部材20の熱媒体供給マニホールド孔とが連通して、熱媒体供給マニホールドが形成されている。アノード側セパレータ30の熱媒体排出マニホールド孔36とカソード側セパレータ50の熱媒体排出マニホールド孔とMEA部材20の熱媒体排出マニホールド孔とが連通して、熱媒体排出マニホールドが形成されている。
一対の端部材4,6は、板状に形成されている。端部材4には、その厚み方向に、燃料ガス供給マニホールドに連通する貫通孔5、酸化剤ガス供給マニホールドに連通する貫通孔(図示せず)、及び熱媒体供給マニホールドに連通する貫通孔(図示せず)が形成されている。端部材6には、燃料ガス排出マニホールドに連通する貫通孔7、酸化剤ガス排出マニホールドに連通する貫通孔(図示せず)、及び熱媒体排出マニホールド孔に連通する貫通孔(図示せず)が形成されている。そして、複数のセル2が積層されたものの一方の端に端部材4が配置され、複数のセルが積層されたものの他方の端に端部材6が配置され、これらを締結することによりセルスタック10が形成されている。
燃料ガス供給装置60は、燃料ガス供給路61と貫通孔5とを介して燃料ガス供給マニホールド46の入口に接続されている。一方、燃料ガス排出路62が、貫通孔7を介して、燃料ガス排出マニホールド48の出口に接続されている。これにより、貫通孔5及び燃料ガス供給マニホールド46を介して、燃料ガス供給装置60から燃料ガスがアノード22に供給される。アノード22に供給された燃料ガスは、その後、燃料ガス排出マニホールド48、貫通孔7、及び燃料ガス排出路62を介してセルスタック10の外部に放出される。なお、燃料ガス供給装置60は、ここでは、公知の水素生成装置で構成されているので、その詳しい説明を省略する。
酸化剤ガス供給装置70は、酸化剤ガス供給路71と端部材4に形成された貫通孔とを介して酸化剤ガス供給マニホールドの入口に接続されている。一方、酸化剤ガス排出路72が、端部材6に形成された貫通孔を介して、酸化剤ガス排出マニホールドの出口に接続されている。これにより、端部材4に形成された貫通孔及び酸化剤ガス供給マニホールドを介して、酸化剤ガス供給装置70から酸化剤ガスがカソード23に供給される。カソード23に供給された酸化剤ガスは、その後、酸化剤ガス排出マニホールド、端部材6に形成された貫通孔、及び酸化剤ガス排出路72を介してセルスタック10の外部に放出される。なお、酸化剤ガス供給装置70は、公知の空気ブロアで構成されているので、その詳しい説明を省略する。
そして、アノード22に供給された燃料ガスと、カソード23に供給された酸化剤ガスとが電池反応することにより、電気と熱とが発生する。
燃料電池装置100は、図示しない熱媒体供給装置を備えている。熱媒体供給装置は、図示しない熱媒体供給路を介して熱媒体供給マニホールドの入口に接続されている。これにより、熱媒体供給マニホールドを介して、熱媒体供給装置から熱媒体が熱媒体流路に供給され流通する。そうすると、流通する熱媒体が、燃料ガスと酸化剤ガスとの電池反応により発生した熱を回収する。
燃料電池装置100は、出力制御装置82を備えている。出力制御装置82は、インバータを備えている。出力制御装置82の入力端子はセルスタック10の出力端子91,92に接続され、出力制御装置82の出力端子は負荷84に接続されている。出力制御装置82は、セルスタック10から負荷84に供給する電力(出力)を制御する。
燃料電池装置100は、制御装置90を備えている。制御装置90は、燃料ガス供給装置60、酸化剤ガス供給装置70、熱媒体供給装置、電圧検出部80、及び出力制御装置82等の動作を制御する。制御装置90は、記憶部(図示せず)と、演算部(図示せず)とを備えている。記憶部は、例えば、燃料電池装置100の動作を制御する制御プログラムを格納する。演算部は、記憶部に格納された制御プログラムを読み込み、その内容を実行する。制御装置は、マイコン等の演算装置で構成され、燃料電池装置100の上記の構成要素を制御して、燃料電池装置100の動作を制御する。ここで、本明細書においては、制御装置とは、単独の制御装置だけでなく、複数の制御装置が協働して制御を実行する制御装置群をも意味する。よって、制御装置は、必ずしも単独の制御装置で構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置されていて、それらが協働して燃料電池装置100の動作を制御するよう構成されていてもよい。
次に、本発明の燃料電池装置100の特徴的構成について説明する。
図4(a),(b)に示すように、アノード側セパレータ30には、逆流抑制部材40が配設されている。具体的には、逆流抑制部材40は、アノード側セパレータ30の燃料ガス流路38の下流端に配設されている(図3参照)。燃料ガス流路38の下流端の壁面(燃料ガス排出マニホールド孔32の内面)は、燃料ガス排出マニホールド孔32に近づくに連れてその高さが低くなるような傾斜面として形成されていて、この傾斜面が弁座45を構成している。そして、この傾斜面と、燃料ガス流路38が形成された主面とが交わる部分(稜部)には、部分円柱状の凹部からなる受け部39が形成されている。
逆流抑制部材40は、弁体で構成されている。この弁体は、円柱状の回転軸41と、この回転軸41にその一端が固定された平板状の弁板42とで構成されている。回転軸41は、上述の受け部39に回動自在に嵌挿されている。弁板42は、ここでは矩形状に形成されていて、上述の弁座45に当接した状態で燃料ガス流路38(すなわち3本の流路溝の全て)を塞ぐような大きさに形成されている。したがって、逆流抑制部材(弁体)40と弁座45とが燃料ガス流路38における逆止弁を構成している。
逆流抑制部材40を構成する材料としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム材料等が用いられる。
熱硬化性樹脂としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂等のアミノ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、及びポリイミド樹脂が好ましく用いられ、これらのうちの1種を用いるか、又は2種以上を混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリオキサメチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、フッ素樹脂、ポリフェニルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルベンデンが好ましく用いられ、これらのうちの1種を用いるか、又は2種以上を混合して用いることができる。
ゴム材料としては、フッ素ゴム、シリコーンゴム、天然ゴム、EPDM、ブチルゴム、塩化ブチルゴム、臭化ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニルゴム、アクリルゴム、ポリイソプレンゴム、パーフルオロカーボン、ポリスチレン系ゴム、ポリオレフィン系ゴムが好ましく用いられ、これらのうちの1種を用いるか、又は2種以上を混合して用いることができる。
また、本発明の燃料電池装置100は、電圧検出部80を備えている。電圧検出部80は、セルスタック10の発電電圧(出力制御装置82により制御された、セルスタック10から負荷に供給される電力)を検出する。電圧検出部80は、セルスタック10の出力端子91,92に接続されている。電圧検出部80によって検出されたセルスタック10の発電電圧のデータは、制御装置90に入力される。
次に、以上のように構成された燃料電池装置100の動作について説明する。なお、以下では、燃料電池装置100の特徴的な動作のみについて説明する。
図5に示すように、逆流抑制部材40A,40B,40Cが、それぞれ、アノード側セパレータ30の燃料ガス流路38の下流端に配設されている。
そして、燃料ガス供給マニホールド46内を流れる燃料ガス(図5中の矢印A)は、燃料ガス供給マニホールド46から分岐する燃料ガス流路38に流れ込む(図5中の矢印a)。
燃料ガス流路38に閉塞が生じていない場合には、燃料ガス流路38に流れ込んだ燃料ガスが、逆流抑制部材40A,40Cの弁板42を燃料ガス排出マニホールド48側に押し開く。これにより、燃料ガスが燃料ガス排出マニホールド48に流出することが許容される。
一方、燃料ガス流路38に閉塞が生じた場合(図5中のCの部分。以下、「閉塞部分C」という。)には、燃料ガスの流れ(図5中の矢印a)が、燃料ガス流路38の閉塞部分Cにおいて遮断されてしまう。そうすると、閉塞部分Cより下流の燃料ガス流路38には燃料ガスが流れなくなり、逆流抑制部材40Bの弁板42は燃料ガス排出マニホールド48を流れるガスにより弁座45に押し付けられて、燃料ガス流路38を閉じる。これにより、燃料ガス排出マニホールド48内を流れる未反応の燃料ガス(図5中の矢印B)が閉塞した燃料ガス流路38に逆流することが抑制されるため、燃料ガスの不足によって、燃料ガス流路の閉塞が発生したセル2の発電電圧が大きく低下(例えば、10V以上低下)する。
次に、制御装置90は、入力されたセルスタック10の発電電圧の低下が所定の閾値よりも大きいかどうかを判定する。発電電圧の低下が所定の閾値よりも大きい場合には、いずれかのセルに閉塞等の異常が発生していると考えられる。すなわち、この場合には、セルスタック10全体の発電電圧の低下は、セルスタック10を構成するセル2の発電電圧が平均的に低下していることに起因するのではなく、セルスタック10を構成するいずれかのセル2の発電電圧の大きな低下に起因するものと判定できる。そこで、制御装置90は、セルスタック10による発電を停止させる。その後、異常の発生したセル2を交換する。
一方、入力されたセルスタック10の発電電圧の低下が所定の閾値よりも小さい場合には、セルスタック10を構成するいずれかのセル2に燃料ガス流路38の閉塞等の異常が発生している可能性は低い。すなわち、この場合のセルスタック10全体の発電電圧の低下は、セルスタック10を構成するセル2の発電電圧が平均的に低下していることに起因するものと考えられる。そこで、制御装置90は、セルスタック10の運転を継続する。
本発明の燃料電池装置90は、上記のような構成としたため、異物等により燃料ガス流路が閉塞した異常のあるセル2の有無を検知することが容易になる。
次に、本実施形態の燃料電池装置を、比較形態の燃料電池装置と比較しながら、本発明の燃料電池装置の利点を明らかにする。
図6は、比較形態の燃料電池装置におけるセルスタックを構成するアノード側セパレータの一方の主面の構成を示す平面図である。図7は、比較形態の燃料電池装置を構成するセルスタックにおいて、燃料ガス流路の閉塞が発生している部分と発生していない部分とにおける燃料ガスの流れを模式的に示す部分断面図である。以下、図6及び図7を参照しながら、比較形態の燃料電池装置について説明する。
本比較形態の燃料電池装置においては、第1実施形態の燃料電池装置において用いるアノード側セパレータ30の構成を変更している。
すなわち、図6に示すように、本比較形態の燃料電池装置の構成要素であるアノード側セパレータ30に、逆流抑制部材が配設されていない。それ以外の構成については、第1実施形態の燃料電池装置及びこれに用いたアノード側セパレータの構成と同じである。
本比較形態の燃料電池装置においては、アノード側セパレータ30に逆流抑制部材が配設されていないので、図7に示すように、燃料ガス流路38が異物等により閉塞(図7中のCの部分)した場合、燃料ガス排出マニホールド48から未反応の燃料ガスが燃料ガス流路38の閉塞部分Cまで逆流する(図7中の矢印b)。これにより、閉塞が生じたセル2内において、燃料ガスの流量が少ないながらも電池反応が起こってしまうため、当該セル2の発電電圧はそれほど低下しない。そうすると、セルスタック10全体としての電圧低下も大きくならないので、閉塞等の異常の発生しているセル2が存在するのか、セルスタック10を構成するセル2の発電電圧が平均的に低下しているのかの判定ができない。
一方、本実施形態の燃料電池装置100においては、アノード側セパレータ30に逆流抑制部材40が配設されているので、燃料ガス流路38が異物等により閉塞した場合、燃料ガス排出マニホールド48から未反応の燃料ガスが燃料ガス流路38に逆流することが抑制される。これにより、閉塞が発生したセル2においては燃料ガス流路38に燃料ガスがほぼ流れなくなって電池反応がほとんど起こらなくなるので、当該セル2における電圧低下が大きくなる。したがって、セルスタック10全体としての電圧低下も大きくなるので、異常の発生したセル2の有無を判定することができる。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態の燃料電池装置において、その構成要素であるアノード側セパレータにおける燃料ガス流路の下流端に逆流抑制部材を配設する前後の状態を示す図であって、(a)は逆流抑制部材を配設する前の状態を示す部分斜視図、(b)は逆流抑制部材を配設した後の状態を示す部分斜視図である。なお、図8(a),(b)においては、逆流抑制部材を配設する枠体が部分的に記載されている。また、図8(b)では、逆流抑制部材が燃料ガス流路の下流端(弁座)を閉じた状態を明確にするため、枠体の一部(逆流抑制部材が配設された部分)を切り欠いた状態が示されている。図9は、本発明の第2実施形態の燃料電池装置を構成するセルスタックにおいて、燃料ガス流路の閉塞が発生している部分と発生していない部分とにおける燃料ガスの流れを模式的に示す部分断面図である。以下、図8及び図9を参照しながら、本実施形態の燃料電池装置について説明する。
図8(a),(b)に示すように、本実施形態においては、第1実施形態における逆流抑制部材の構成及び配設する部位を変更している。
具体的には、図8(a)に示すように、逆流抑制部材40がアノード側の枠体27に配設されている。逆流抑制部材40は、平板状の取付部43と弁板42とからなっている。
取付部43と弁板42とは、その境界において自由に屈曲及び延伸可能に構成されている。逆流抑制部材40の材料としては、第1実施形態で述べたものを用いることができる。また、取付部43と弁板42との境界部を他の部分よりも薄く形成することにより、屈曲及び延伸可能に構成できる。逆流抑制部材40は、その取付部43を枠体27に接着又は熱圧着等することにより、枠体27に配設されている。
また、アノード側セパレータ30の燃料ガス流路38の下流端には、第1実施形態と同様に、弁座45が形成されている。そして、図8(b)に示すように、弁座45に逆流抑制部材40の弁板42が着座する(燃料ガス流路38を塞ぐ)ようにして、アノード側セパレータ30と枠体27とが重ね合わせられている。それ以外の構成は、第1実施形態の燃料電池装置の構成と同じである。
本実施形態の燃料電池装置においても、上記第1実施形態の燃料電池装置と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態の燃料電池装置の概略構成を示すブロック図である。なお、図10においては本実施形態の燃料電池装置の特徴的部分のみを図示し、その他の部分の図示を省略している。以下、図10を参照しながら、本実施形態の燃料電池装置について説明する。
図10に示すように、本実施形態の燃料電池装置100は、第1実施形態の燃料電池装置の電圧検出器の構成を変更している。
具体的には、電圧検出器が、セルスタック10における複数のセル2からなるブロックごとの発電電圧を検出可能なように配設されている。本実施形態では、セルスタック10を3つのブロックに区分けし、それぞれのブロックの端部に位置するセル2のセパレータ同士の間に電圧検出器80A,80B,80Cが配設されている。すなわち、本実施形態では、第1実施形態のように電圧検出器がセルスタック10全体の発電電圧を検出するのではなく、各電圧検出器80A,80B,80Cがそれぞれのブロックごとの発電電圧を検出することが可能になっている。なお、セパレータと電圧検出器80A,80B,80Cとの電気的接続は、例えば、セパレータに電圧検出器を設けたり、又は電圧検出用の接触子をセパレータに接触させたりすることにより、行うことができる。
次に、本実施形態の燃料電池装置の特徴的な動作について説明する。
いずれかのブロックに含まれるセル2の燃料ガス流路において異物による閉塞が発生した場合には、第1実施形態で説明したように、当該閉塞の発生したセル2の発電電圧が大きく低下する。それに伴って、閉塞の発生したセル2が含まれるブロックの発電電圧も大きく低下する。したがって、セルスタック10のうちのいずれかのブロックの発電電圧の低下が所定の閾値よりも大きくなった場合には、このブロックに閉塞が発生したセル2が含まれることが判定できる。これにより、本実施形態の燃料電池装置100においても、上記第1実施形態の燃料電池装置と同じ効果を奏する。
また、本実施形態の燃料電池装置100においては、以上のような構成としたため、セルスタック10のブロックごとの発電電圧を検出し、いずれかのブロックにおける発電電圧が大きく低下し所定の閾値よりも大きくなった場合には、このブロックに燃料ガス流路の閉塞したセル2が含まれることが判定できる。これにより、セルスタック10全体を分解する必要がなく、当該ブロックを分解するのみで閉塞の発生したセル2を交換することができる。したがって、閉塞等の異常の発生したセル2を交換する場合のメンテナンス性が向上する。
本発明の燃料電池装置は、複数のセルが積層されたセルスタック内における発電電圧の低下したセルの有無を容易に検知することができる燃料電池装置として有用である。
本発明の第1実施形態の燃料電池装置の概略構成を示すブロック図である。 図1の燃料電池装置を構成するセルスタックの概略構成を示す断面図である。 図2のセルスタックを構成するアノード側セパレータにおいて燃料ガス流路が形成された主面の概略構成を示す平面図である。 図3のアノード側セパレータにおける燃料ガス流路の下流端に逆流抑制部材を配設する前後の状態を示す図であって、(a)は逆流抑制部材を配設する前の状態を示す部分斜視図、(b)は逆流抑制部材を配設した後の状態を示す部分斜視図である。 図2のセルスタックにおいて、燃料ガス流路の閉塞が発生している部分と発生していない部分とにおける燃料ガスの流れを模式的に示す部分断面図である。 比較形態の燃料電池装置におけるセルスタックを構成するアノード側セパレータの一方の主面の構成を示す平面図である。 比較形態の燃料電池装置を構成するセルスタックにおいて、燃料ガス流路の閉塞が発生している部分と発生していない部分とにおける燃料ガスの流れを模式的に示す部分断面図である。 本発明の第2実施形態の燃料電池装置において、その構成要素であるアノード側セパレータにおける燃料ガス流路の下流端に逆流抑制部材を配設する前後の状態を示す図であって、(a)は逆流抑制部材を配設する前の状態を示す部分斜視図、(b)は逆流抑制部材を配設した後の状態を示す部分斜視図である。 本発明の第2実施形態の燃料電池装置を構成するセルスタックにおいて、燃料ガス流路の閉塞が発生している部分と発生していない部分とにおける燃料ガスの流れを模式的に示す部分断面図である。 本発明の第3実施形態の燃料電池装置の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
2 セル
4,6 端部材
5,7 貫通孔
10 セルスタック
20 MEA部材
21 高分子電解質膜
22 アノード
23 カソード
25 MEA
26,27 枠体
28 (MEA部材に形成された)燃料ガス供給マニホールド孔
29 (MEA部材に形成された)燃料ガス排出マニホールド孔
30 アノード側セパレータ
31 燃料ガス供給マニホールド孔
32 燃料ガス排出マニホールド孔
33 酸化剤ガス供給マニホールド孔
34 酸化剤ガス排出マニホールド孔
35 熱媒体供給マニホールド孔
36 熱媒体排出マニホールド孔
37 締結用孔
38 燃料ガス流路
39 受け部
40,40A,40B,40C 逆流抑制部材
41 回転軸
42 弁板
43 取付部
45 弁座(傾斜面)
46 燃料ガス供給マニホールド
48 燃料ガス排出マニホールド
50 カソード側セパレータ
51 燃料ガス供給マニホールド孔
52 燃料ガス排出マニホールド孔
58 酸化剤ガス流路
60 燃料ガス供給装置
61 燃料ガス供給路
62 燃料ガス排出路
70 酸化剤ガス供給装置
71 酸化剤ガス供給路
72 酸化剤ガス排出路
80,80A,80B,80C 電圧検出器
82 出力制御装置
84 負荷
90 制御装置
91,92 出力端子
100 燃料電池装置
A 燃料ガス供給マニホールド内の燃料ガスの流れ
a 通常時における燃料ガス流路内の燃料ガスの流れ
B 燃料ガス排出マニホールド内の燃料ガス(オフガス)の流れ
b 逆流時における燃料ガス流路内の燃料ガス(オフガス)の流れ
C 閉塞部分

Claims (5)

  1. 高分子電解質膜と該高分子電解質膜を挟むように配置されたアノード及びカソードとを有する膜−電極接合体と、一方の主面に燃料ガス流路が形成され該一方の主面の燃料ガス流路が形成された部分が前記アノードに接触するように前記膜−電極接合体の一方の側に配置されたアノード側セパレータと、一方の主面に酸化剤ガス流路が形成され該一方の主面の酸化剤ガス流路が形成された部分が前記カソードに接触するように前記膜−電極接合体の他方の側に配置されたカソード側セパレータと、を有する複数のセルが積層されてなるセルスタックと、
    前記セルの積層方向に延在し、前記複数のセルの前記燃料ガス流路の上流端が互いに並列に接続され、各前記燃料ガスの上流端に燃料ガスを供給する燃料ガス供給マニホールドと、
    前記セルの積層方向に延在し、前記複数のセルの前記燃料ガス流路の下流端が互いに並列に接続され、各前記燃料ガスの下流端から未反応の燃料ガスを排出する燃料ガス排出マニホールドと、
    前記未反応の燃料ガスの前記燃料ガス流路から前記燃料ガス排出マニホールドへの流動をその逆流を抑制するようにして許容する逆流抑制部材と、
    前記セルスタックの発電電圧を検出する電圧検出器と、
    前記セルスタックにおける発電を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、電圧検出器で検出される前記セルスタックの発電電圧の変化が所定の閾値より大きい場合には、前記セルスタックの発電を停止するように構成されている、燃料電池装置。
  2. 前記高分子電解質膜の周縁部に配置された額縁状の枠体を備え、
    前記逆流抑制部材が前記枠体に配設されている、請求項1に記載の燃料電池装置。
  3. 前記逆流抑制部材が前記アノード側セパレータに配設されている、請求項1に記載の燃料電池装置。
  4. 前記逆流抑制部材が前記アノード側セパレータにおける燃料ガス流路の下流端近傍に配設されている、請求項3に記載の燃料電池装置。
  5. 前記電圧検出器が前記セルスタックを構成する所定数のセルからなるブロックごとの発電電圧を検出するように構成され、
    前記制御装置が、全ての前記検出された前記ブロックごとの発電電圧の変化のうちのいずれかが所定の閾値よりも大きい場合には前記セルスタックの発電を停止するよう構成されている、請求項1に記載の燃料電池装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9070909B2 (en) 2010-06-10 2015-06-30 Samsung Sdi Co., Ltd. Stack for fuel cell system
WO2017216621A3 (en) * 2016-06-14 2018-03-01 Daimler Ag Fuel cell stacks with bent perimeter flow field plates

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