JP2009198584A - エレクトロクロミック素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のエレクトロクロミック素子10は、基材11と、基材11の一面11aの少なくとも一部に設けられた印刷層12および印刷層12を覆う受理層13と、受理層13上に順に積層された第一電極層14、電解質層15、発色層16および第二電極層17と、を備え、受理層13は、アクリル樹脂水系ワックスからなり、受理層13の厚みをd1、印刷層12の厚みをd2とした場合、d1>d2の関係を満たすことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
これらの表示素子は、電圧を印加している間のみ色が変化し、文字や画像を表示することができるが、表示には、比較的高い電圧を必要とするため、消費電力が多く、用途によっては、作動用の電池(バッテリー)の交換を頻繁に行う必要があった。したがって、ICカードなどのように、接着材などによって、ICチップ、表示素子などの内装品が封止された構造のものでは、電池(バッテリー)を随時交換することが難しく、液晶表示素子や有機EL素子は不向きであった。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明のエレクトロクロミック素子の一実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態のエレクトロクロミック素子(以下、「EC素子」と略すこともある。)10は、基材11と、この基材11の一方の面11aに設けられた印刷層12と、基材11の一方の面11aにおいて、印刷層12を覆うように設けられた受理層13と、この受理層13上に順に積層された第一電極層14、電解質層15、発色層16および第二電極層17(「第一電極層14、電解質層15、発色層16および第二電極層17」を総称して「積層体18」と言う。)と、受理層13上に積層体18を被覆するように設けられた封止材19とから概略構成されている。
基材11の色は、発色層16による発色に応じて、適宜調整される。
受理層13の厚みが0.5μm以上、10μm以下であることが好ましい理由は、この厚みが0.5μm未満では、受理層13により、印刷層12によって生じた基材11の一方の面11aにおける凹凸を相殺することができず、受理層13上に形成された積層体18に歪みが生じて、EC素子10の発色性が低下するからであり、一方、この厚みが10μmを超えると、印刷層12の厚みに対して受理層13の厚みが厚すぎて、効果に差が無くなるばかりでなく、受理層13自体の透過率が低下し、第二電極層17の最表面側からEC素子10の発色を視認し難くなるとともに、EC素子10の可撓性が低下するからである。
また、この実施形態では、積層体18が封止材19により被覆されたEC素子10を例示したが、本発明のEC素子はこれに限定されない。本発明のEC素子にあっては、積層体が封止材により被覆されていなくてもよい。
次に、図1を参照して、この実施形態のEC素子の製造方法を説明する。
先ず、基材11の一方の面11aに、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷、トナー印刷、転写などの印刷方法により、印刷層12を形成する。
次いで、基材11の一方の面11aに、印刷層12を覆うようにアクリル樹脂水系ワックスを塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させて、所定の厚みの受理層13を形成する。
次いで、PLD法により、この基材11に設けられた受理層13上に、積層体18を形成する。この積層体18の各層の形成方法を、以下に示す。なお、積層体18の各層は、真空室内で、常温にて形成される。
次いで、受理層13の最表面から所定の離間位置に、スズドープ酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズなどの第一電極層14用ターゲットを配置し、真空室内の酸素雰囲気圧を4Pa〜6Paに保持する。
次いで、ターゲットにレーザー光を照射して、受理層13上に、第一電極層14を積層する。
次いで、ターゲットにレーザー光を照射して、第一電極層14上に、電解質層15を積層する。
次いで、ターゲットにレーザー光を照射して、電解質層15上に、発色層16を積層する。
次いで、ターゲットにレーザー光を照射して、発色層16上に、第二電極層17を積層し、積層体17を得る。
また、受理層13をなすアクリル樹脂水系ワックス、および、封止材18をなすビスフェノールA型エポキシ樹脂は、常温、常圧において、印刷塗工可能であるから、EC素子の製造コストを低減することができる。
図2は、本発明のエレクトロクロミック素子を備えた非接触型データ受送信体の一実施形態を示す概略断面図である。
図2において、図1に示したエレクトロクロミック素子の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態の非接触型データ受送信体20は、EC素子10と、ICチップなどの電子部品21と、スイッチ22と、導電部(回路)23と、基材11と同様の材質からなる基材24とから概略構成されている。
また、上記の部品が設けられた基材11と基材24とが、封止材19を介して対向するように接合され、基材11と基材24との間に、封止材19により被覆されたEC素子10、電子部品21、スイッチ22、導電部23などが内装されている。
プラスチック基材(厚み100μm)の一方の面に、インクジェット印刷法により、厚み0.5μmの印刷層を形成した。
次いで、プラスチック基材の一方の面に、印刷層を覆うようにアクリル樹脂水系ワックスを塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させて、厚み2μmの受理層を形成した。
次いで、受理層が設けられたプラスチック基材を真空室内に配置して、このプラスチック基材を常温に維持し、PLD法により、受理層上に、スズドープ酸化インジウムからなる厚み0.05μmの第一電極層を積層した。この時、真空室内の酸素雰囲気圧を4Pa〜6Paに保持した。
次いで、PLD法により、第一電極層上に、アモルファスLiMn2O4からなる厚み0.05μmの電解質層を積層した。この時、真空室内の酸素雰囲気圧を19Pa〜21Paに保持した。
次いで、PLD法により、電解質層上に、リチウムイオンドープのアモルファスLiyWO3−xからなる厚み0.25μmの発色層を積層した。この時、真空室内の酸素雰囲気圧を6Pa〜8Paに保持した。
次いで、PLD法により、発色層上に、スズドープ酸化インジウムからなる厚み0.05μmの第二電極層を積層した。この時、真空室内の酸素雰囲気圧を4Pa〜6Paに保持した。
次いで、受理層上に、第一電極層、電解質層、発色層および第二電極層からなる積層体を被覆するように、硬化剤としてポリチオール系硬化剤および第3級アミン系硬化剤を含有するビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる封止材を塗布し、この封止材を加熱して硬化させて、図1に示す、実験例1のEC素子を作製した。
封止材を設けなかった以外は実施例1と同様にして、実施例2のEC素子を作製した。
受理層を設けなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1のEC素子を作製した。
受理層および封止材を設けなかった以外は実施例1と同様にして、比較例2のEC素子を作製した。
また、実施例1、2および比較例1、2のEC素子を、温度23℃、湿度50%の環境に曝露し、曝露開始から所定時間経過後(表1参照)、以下に示す評価方法により、発色性、消色性およびメモリー性を評価した。
(1)発色性
EC素子に3Vの電圧を1秒間印加し、その時の発色むらの有無によってEC素子の発色性を評価した。
EC素子の発色性を下記の4段階で評価した。
◎:発色むらなし
○:発色むら多少あり
△:発色むらかなりあり
×:発色しなかった
結果を表1に示す。
上記の(1)に示すように電圧を印加して発色させたEC素子に3Vの電圧を1秒間印加し、色の消え方のむらの有無によってEC素子の消色性を評価した。
EC素子の消色性を下記の4段階で評価した。
◎:消色むらなし
○:消色むら多少あり
△:消色むらかなりあり
×:消色しなかった
結果を表1に示す。
EC素子に3Vの電圧を1秒間印加して発色させ、電圧の印加を止めてから、その色が消えるまでの時間を測定してEC素子のメモリーを評価した。
EC素子の発色性を下記の4段階で評価した。
◎:5分以上
○:1分〜5分
△:1分以下
×:変化しなかった
結果を表1に示す。
また、実施例2のEC素子は、曝露開始から14日後には劣化が始まり、28日後には完全に劣化することが確認された。
一方、比較例1、2のEC素子は、作製直後から発色性、メモリー性が十分得られず、曝露開始から7日後には劣化が始まり、14日後には完全に劣化することが確認された。
Claims (2)
- 基材と、該基材の一面の少なくとも一部に設けられた印刷層および該印刷層を覆う受理層と、前記受理層上に順に積層された第一電極層、電解質層、発色層および第二電極層と、を備えたエレクトロクロミック素子であって、
前記受理層は、アクリル樹脂水系ワックスからなり、
前記受理層の厚みをd1、前記印刷層の厚みをd2とした場合、d1>d2の関係を満たすことを特徴とするエレクトロクロミック素子。 - 基材と、該基材の一面の少なくとも一部に設けられた印刷層および該印刷層を覆う受理層と、前記受理層上に順に積層された第一電極層、電解質層、発色層および第二電極層と、を備えたエレクトロクロミック素子の製造方法であって、
前記基材の一方の面に印刷層を設ける工程と、前記受理層の厚みをd1、前記印刷層の厚みをd2とした場合、前記基材の一方の面に、d1>d2の関係を満たすように、アクリル樹脂水系ワックスを塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて前記受理層を形成する工程と、パルスレーザー堆積法により、前記受理層上に、前記第一電極層、前記電解質層、前記発色層および前記第二電極層を順次形成する工程と、を有することを特徴とするエレクトロクロミック素子の製造方法。
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