JP2009198264A - 防水シートの止水性能試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】壁下地材を覆って取り付けられる防水シートと壁材との間の隙間に、雨水等の水が滞留している状態を模擬的に形成して、実使用下における防水シートの止水性を適正に検証することのできる防水シートの止水性能試験装置を提供する。
【解決手段】止水性能試験装置10は、試験対象の防水シート11を張設して立設配置される下地部12と、扁平な直方体形状の背面部13b及び上面部13cを開口面とした立体形状を有し、背面部13bの開口周縁部を防水シート11が張設された下地部12の表面側に水密に密着させた状態で下地部12に固定される、透明な樹脂板からなる滞留部形成ケース13と、背面部13bに防水シート11が露出する滞留部形成ケース13の内部に水を供給する供給配管14とからなる。滞留部形成ケース13に供給された水が滞留する状態を保持して、滞留する水が防水シート11を通過して下地部12側に浸入するのを観察する。
【選択図】図1

Description

本発明は、防水シートの止水性能試験装置に関し、特に、壁下地材を覆って取り付けられる防水シートと、この防水シートの外側に設けられる壁材との間の隙間に滞留する水が、防水シートの壁材側から壁下地材側に浸入するのを検証する際に用いる防水シートの止水性能試験装置に関する。
建物の壁として、例えばラスモルタルによる壁材を施工してなる外壁が知られている。ラスモルタルによる壁材は、一般に、例えば柱や間柱等の骨組み部材に支持させて、これの外側(屋外側)に例えば合板等からなる壁下地材を設置し、さらにこの壁下地材の外側の面を覆って防水シートを配設した後に、例えばラス網本体とワイヤーラス力骨とからなるラス網を取り付けると共に、防水シートの外側にモルタルを敷設して形成されることになる。
このようなラスモルタルによる壁材を施工した外壁では、防水シートを壁下地材に固定する際や、防水シートによって覆われた壁下地材にラス網を固定する際に、例えば防水シート固定用のタッカーやラス網固定用のステープル釘等の釘部材を、防水シートを貫通させて壁下地材に打ち込む必要があることから、打ち込みによって形成された貫通穴における釘部材の周囲との間の隙間を介して、雨水等の水がラスモルタルによる壁材側から壁下地材側に浸入するおそれがある。また壁材側から壁下地材側に水が浸入すると、壁下地材を痛めたり、壁下地材にカビを生じさせたりして、外壁の耐久性を損うおそれがある。
このようなことから、例えばタッカーやステープル釘等の釘部材を壁下地材に向けて打ち込んだ際に防水シートに形成される貫通孔(釘孔)を介して、雨水等の水が壁下地材側に浸入しないようにするための、釘孔に対する止水性が確保されるようにした防水シートも開発されている(例えば、特許文献1)。
特開2000−167956号公報
一方、例えばラスモルタルによる壁材を施工した外壁では、例えば防水シートの外側に敷設したモルタルが固化する際の物性の変化や収縮等によって、防水シートと固化したモルタルとの間には例えば0.5mm程度の幅の僅かな隙間が生じ易い。モルタルが固化した後にこのような隙間が生じていると、例えばモルタルに発生したクラック等を介して防水シートとの間の隙間に浸入した雨水等の水が、当該隙間に滞留することで、相当の高さの水柱を形成し易くなる。
また、モルタルと防水シートとの間の隙間に滞留する水の高さが高くなってその水頭差が増加すると、壁下地材を覆って取り付けられる防水シートに形成された、当該防水シートやラス網を固定するための釘部材による貫通孔の周囲には相当の水圧が負荷されることになり、釘部材と貫通孔との間の隙間を介して、雨水等の水がラスモルタルによる壁材側から壁下地材側に浸入しやすくなる。したがって、上述の釘孔に対する止水性を備える防水シートを用いた場合でも、雨水等の水の壁下地材側への漏水を十分に回避できなくなるおそれがある。
このようなことから、壁下地材を覆って取り付けられる防水シートと、防水シートの外側に設けられるラスモルタル等による壁材との間の隙間に、雨水等の水が相当の高さで滞留している状態を模擬的に形成して、例えば釘部材による貫通孔の周囲に相当の水圧が負荷された状態でも、防水シートが十分な止水性を発揮できるか否かを検証することが望ましいが、このような実使用下における防水シートの止水性を適正に検証できるようにするための装置や方法が開発されていないのが現状である。
本発明は、壁下地材を覆って取り付けられる防水シートと、この防水シートの外側に設けられる壁材との間の隙間に、雨水等の水が相当の高さで滞留している状態を模擬的に形成して、実使用下における防水シートによる止水性を適正に検証することのできる防水シートの止水性能試験装置を提供することを目的とする。
本発明は、壁下地材を覆って取り付けられる防水シートと、該防水シートの外側に設けられる壁材との間の隙間に滞留する水が、前記防水シートの前記壁材側から前記壁下地材側に浸入するのを検証する際に用いる防水シートの止水性能試験装置であって、試験対象となる前記防水シートを表面側に張設して立設配置される下地部と、扁平な中空箱形形状の背面部及び上面部を開口面とした立体形状を有し、前記防水シートに開口面となった前記背面部を重ね合わせると共に、前記背面部の上縁部を除く開口周縁部を前記防水シートが張設された前記下地部の表面側に水密に密着させた状態で前記下地部に一体として固定される、少なくとも正面部が透明な樹脂板からなる滞留部形成ケースと、前記防水シートが前記背面部に露出する前記滞留部形成ケースの内部に開口面となった前記上面部を介して水を供給する供給配管とを含み、前記滞留部形成ケースの内部に供給された水を滞留させた状態を保持して、滞留する水が前記防水シートを通過して前記下地部側に浸入するのを観察する防水シートの止水性能試験装置を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の防水シートの止水性能試験装置は、前記滞留部形成ケースの底面部を貫通すると共に当該底面部から立設して、水位調整排水管が、上端開口を予め設定された所定の高さ位置に開口させて設けられていることが好ましい。
また、本発明の防水シートの止水性能試験装置は、前記滞留部形成ケースの底面部に滞留水流出孔が開口形成されており、該滞留水流出孔は、開閉可能な流出配管と接続していることが好ましい。
さらに、本発明の防水シートの止水性能試験装置は、前記滞留部形成ケースの底面部の直上部分に、前記正面部から内側に突出すると共に前記底面部と垂直又は略垂直に配置された底部整流板が、前記底面部の長手方向に間隔をおいて複数設けられていることが好ましい。
さらにまた、本発明の防水シートの止水性能試験装置は、前記滞留部形成ケースの内部が、仕切り板によって水滞留領域と水供給領域とに仕切られており、前記供給領域に前記供給配管から水が供給されると共に、供給された水は、前記水供給領域から前記水滞留領域に流入するようになっていることが好ましい。
また、本発明の防水シートの止水性能試験装置は、前記滞留部形成ケースの底面部の下方には、前記滞留部形成ケースから排出される水を貯留する貯水槽が設けられていることが好ましい。
さらに、本発明の防水シートの止水性能試験装置は、前記貯水槽に揚水ポンプが設けられており、前記供給配管は、該揚水ポンプに接続されて前記貯水槽に貯留された水を前記滞留部形成ケースの内部に供給するようになっていることが好ましい。
さらにまた、本発明の防水シートの止水性能試験装置は、前記滞留部形成ケースが、扁平な中空直方体形状の背面部及び上面部を開口面とした立体形状を備えていることが好ましい。
また、本発明の防水シートの止水性能試験装置は、防水シートや壁材を固定するための釘部材を防水シートを貫通して壁下地材に向けて打ち込んだ際に、防水シートと壁材との間の隙間に滞留する水が、防水シートに形成された貫通孔を介して壁材側から壁下地材側に浸入するのを検証するために用いられ、前記下地部に張設された前記防水シートの表面側から、予め設定された所定の高さ位置に、釘部材が前記下地部に向けて打ち込まれていることが好ましい。
さらに、本発明の防水シートの止水性能試験装置は、前記水位調整排水管の前記上端開口が開口する所定の高さ位置が、前記底面部から950mmの高さ位置であり、前記釘部材が前記下地部に向けて打ち込まれる所定の高さ位置が、前記底面部から50mm及び/又は100mmの高さ位置であることが好ましい。
本発明の防水シートの止水性能試験装置によれば、壁下地材を覆って取り付けられる防水シートと、この防水シートの外側に設けられる壁材との間の隙間に、雨水等の水が相当の高さで滞留している状態を模擬的に形成して、実使用下における防水シートによる止水性を適正に検証することができる。
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係る防水シートの止水性能試験装置10は、壁下地材を覆って取り付けられる防水シートと該防水シートの外側に設けられる壁材との間の隙間に、雨水等の水が相当の高さで滞留している状態を再現して、例えばラスモルタルによる外壁材が設けられた外壁において、モルタルの固化時に生じた防水シートとラスモルタルとの間の例えば0.5mm程度の幅の僅かな隙間に、雨水等の水が入り込んで相当の高さの水柱を形成している状況下で、例えば防水シート固定用のタッカーやラス網固定用のステープル釘等の釘部材を外壁下地材に向けて打ち込んだ際に防水シートに形成された貫通穴を介して、雨水等の水が水柱による相当の水圧の影響で防水シートの外壁材側から外壁下地材側にどの程度浸入するかを確認して、防水シートによる止水性能を検証するために採用されたものである。
また、本実施形態によれば、例えばラスモルタルによる外壁材を施工した外壁では、防水シートの外側に敷設したモルタルが固化する際の物性の変化や収縮等によって、防水シートと固化したモルタルとの間に生じる隙間は、例えば0.5mm程度の僅かなものである。本願発明者らは、モルタルと防水シートとの間に0.5mmの隙間を設けた供試体と、モルタルと防水シートとの間に5mmの隙間を設けた供試体の各々に水を注入して、各供試体の底面、及び側面の所定の高さにおける水圧を圧力計により計測して比較したところ、静水時及び流水時のいずれにおいても、隙間の大きさの違いによる圧力差は殆ど無く、また計算値による静水圧とも殆ど変わらないことが判明した。すなわち、隙間が僅かであると、防水シートとモルタルによる界面張力が働き、ある程度の減圧が生じるものと考えられたが、0.5mm程度の隙間であれば、界面張力による影響は殆どなく(あっても1割程度)、計算値とも整合することが判明した。したがって、表面側に防水シートを張設した供試体の当該表面側に水の滞留部を設けて水を滞留させることにより、所定の高さの水柱が防水シートと外壁材との間に形成されている状況を再現できるものと考えられる。
本実施形態の防水シートの止水性能試験装置10は、上述のような知見に基づいてなされたものであり、壁下地材を覆って取り付けられる防水シートと、防水シートの外側に設けられる壁材との間の隙間に滞留する水が、防水シートの壁材側から壁下地材側に浸入するのを検証する際に用いる試験装置であって、図2及び図3にも示すように、試験対象となる防水シート11を表面側に張設して立設配置される下地部12と、扁平な中空箱形形状の背面部13b及び上面部13cを開口面とした立体形状を有し、防水シート11に開口面となった背面部13bを重ね合わせると共に、背面部13bの上縁部を除く開口周縁部を防水シート11が張設された下地部12の表面側に水密に密着させた状態で下地部12に一体として固定される、少なくとも正面部13aが透明な樹脂板からなる滞留部形成ケース13と、防水シート11が背面部13bに露出する滞留部形成ケース13の内部に開口面となった上面部13cを介して水を供給する供給配管14とを含んで構成され、滞留部形成ケース13の内部に供給された水を滞留させた状態を保持して、滞留する水が防水シート11を通過して下地部12側に浸入するのを観察するようになっている。
また、本実施形態では、滞留部形成ケース13は、扁平な中空直方体形状の背面部13b及び上面部13cを開口面とした立体形状を備えており、滞留部形成ケース13の内部は、仕切り板15によって水滞留領域16と水供給領域17とに仕切られている。そして、水供給領域17に供給配管14から水が供給されると共に、供給された水は、水供給領域17から水滞留領域16に流入するようになっている。
さらに、本実施形態では、滞留部形成ケース13の底面部13dを貫通すると共に当該底面部13dから立設して、水位調整排水管18が、上端開口18aを予め設定された所定の高さ位置に開口させて設けられている。
さらにまた、本実施形態では、滞留部形成ケース13の底面部13dに滞留水流出孔19が複数開口形成されており、滞留部形成ケース13の底面部13dの直上部分には、正面部13aから内側に突出すると共に底面部13dと垂直又は略垂直に配置された底部整流板20が、底面部13dの長手方向に間隔をおいて複数設けられている。また複数の滞留水流出孔19は、各々、開閉可能な流出配管21と接続している。
本実施形態では、下地部12は、例えば合板等の、壁下地材として一般に用いられる種々の板状部材を用いることができる。また例えば特開2000−160732号公報に記載のパネル部材と同様の構成を備える、間隔をおいて平行に配置された複数の表側帯状小幅板と、間隔をおいて平行に配置された複数の裏側帯状小幅板とを互いに交差させた状態で接合一体化してなる壁下地パネルを下地部12として用いることができる。本実施形態では、下地部12は、滞留部形成ケース13の正面形状よりも一回り大きな、縦長矩形正面形状を有するように形成される。
下地部12の表面側に張設される防水シート11は、その止水性能を検証すべき試験対象となるシート材料である。このような防水シートとしては、例えばポリオレフィン系樹脂からなる公知の各種の透湿防水シートの他、釘部材等の打ち込みによって貫通孔が形成された場合でも、形成された貫通孔を介した漏水を回避できるように開発された、釘孔(貫通孔)に対する自己補修性を備える種々の防水シートを試験対象として、下地部12の表面側に張設することができる。本実施形態では、防止シート11は、好ましくは滞留部形成ケース13の正面形状よりも大きく、且つ下地部12の正面形状よりも小さい縦長矩形形状に裁断され、後述するタッカーやステープル釘等の釘部材を用いる他、適宜の箇所を公知の接着剤を用いて接着することより、下地部12に沿ってこれの表面側に張設されることになる。
防水シート11を張設した下地部12の表面側に固定される滞留部形成ケース13は、好ましくは厚さが5mm程度の透明なアクリル樹脂板を立体形状に成形してなるものであり、上述のように、扁平な中空直方体形状の背面部13b及び上面部13cを開口面とした形状を備えている。すなわち、滞留部形成ケース13は、例えば縦1000mm、横400mm程度の大きさの縦長矩形形状の正面部13aの、上辺部分を除いた両側の側辺部及び底辺部から、一対の側面部13e及び底面部13dを、例えば30mm程度の高さで、正面部13aに対して垂直に連続した状態で背面側に突出させることにより、背面部13b及び上面部13cを開口面とした扁平な中空直方体形状に形成されることになる。
また、本実施形態では、正面部13aと両側の側面部13eとの接合角部に沿って、当該接合角部を覆うようにして、好ましくはL字断面形状を有するアングル補強金物22が取り付けられている(図2,図3参照)。このアングル補強金物22に支持させるようにして、例えば複数の蝦蛄万力やクランプ部材(図示せず。)を、下地部12及び滞留部形成ケース13の周縁部分を同時に挟み込みながら着脱可能に締着することにより、滞留部形成ケース13が下地部12に一体として固定されることになる。またこれによって、開口面となった背面部13bの開口周縁部を構成する、一対の側面部13eの端面及び底面部13dの端面が、防水シート11が張設された下地部12の表面側に水密に密着することになる。さらに、下地部12に一体として固定された滞留部形成ケース13の開口面である背面部13bには、試験対象となる防水シート11が露出すると共に、開口面である上面部13cは上方に向けて開口することになる。
下地部12に固定された滞留部形成ケース13の内部を仕切る仕切り板15は、好ましくは厚さが5mm程度の透明なアクリル樹脂板からなり、滞留部形成ケース13の正面部13aから背面側に例えば30mm程度の高さで突出して、滞留部形成ケース13に一体として設けられる。仕切り板15は、両側の側面部13eと平行に配置されると共に、滞留部形成ケース13の底面部13dから水位調整排水管18と同様に例えば950mmの高さ位置まで延設して設けられ、滞留部形成ケース13の内部を、幅が100mm程度の小さな幅の水供給領域17と幅が300mm程度の大きな幅の水滞留領域16とに区画している。
本実施形態では、水供給領域17には、供給配管14の先端部が挿入配置されて、この供給配管14から水が供給されるようになっている。また底面部13dから立設して水位調整排水管18が設けられている。水位調整排水管18は、例えば直径が15mm程度の塩化ビニル製のパイプ部材からなり、底面部13dを貫通して、その下端開口18bを滞留部形成ケース13の底面部13dの下方に設けられた貯水槽23の内部に向けて開口させると共に、その上端開口18aを、予め設定した所定の高さ位置として、底面部13dから例えば950mmの高さ位置に開口させている。
水位調整排水管18が設けられていることにより、予め設定した所定の高さ位置となる水位を越えて滞留部形成ケース13の内部に水が供給された際に、余剰の水を上端開口18aからオーバーフローさせることにより排水して、滞留部形成ケース13の内部に滞留する水の水位を一定に保持することが可能になる。また、仕切り板15によって仕切られた水供給領域17に供給配管14から水を供給し、仕切り板15を乗り越えさせるようにして、水供給領域17から水滞留領域16に水を流入させるようにしたことにより、供給配管14から水が供給された際の水流によって水滞留領域16に滞留する水が乱されるのを効果的に回避して、防水シートと壁材との間の隙間に、雨水等の水が相当の高さで滞留している状態をより正確に再現することが可能になる。
また、本実施形態では、滞留部形成ケース13の水供給領域17における底面部13dに、例えば直径が10mm程度の大きさの滞留水流出孔19が、底面部13dの長手方向に間隔をおいて例えば75mm程度のピッチで3箇所に開口形成されている。各滞留水流出孔19には、開閉可能な流出配管21が接続されている。流出配管21は、例えば可撓性を有するシリコーン製のホース材料からなり、その一端部が滞留水流出孔19に各々接続されると共に、他端部が貯水槽23の内部に向けて開口するように配置される。流出配管21の他端部の開口には、例えばシーリング用キャップ(図示せず。)を着脱可能に差し込むことができ、このシーリング用キャップの着脱によって、滞留水流出孔19から滞留水を排出しない状態で行う静水時の静水試験と、滞留水流出孔19から滞留水を排出しながら行う流水時の流水試験とを、適宜切り替えることができるようになっている。
さらに、本実施形態では、水供給領域17における底面部13dの直上部分には、底部整流板20が、底面部13dの長手方向に間隔をおいて5箇所に設けられている。底部整流板20は、好ましくは例えば縦横30mm、厚さ5mm程度の大きさの透明なアクリル樹脂板からなる。底部整流板20は、底面部13dから例えば20mm程度の間隔をおいて当該底面部13dと垂直又は略垂直に配置されると共に、底面部13dの長手方向に例えば50mm程度のピッチで配設されて、正面部13aから内側に突出した状態で設けられている。
底面部13dの直上部分に底部整流板20が設けられていることにより、例えば滞留水流出孔19から水を排出しながら行う流水試験時に、間隔をおいて配置された各滞留水流出孔19に水が誘導されて流出される際の水流によって、水滞留領域16の底部に滞留する水が乱されるのを効果的に回避して、防水シートと壁材との間の隙間に、雨水等の水が相当の高さで滞留している状態をより正確に再現することが可能になる。
さらにまた、本実施形態では、滞留部形成ケース13の底面部13dの下方には、上述のように、滞留部形成ケース13から水位調整排水管18や流出配管21を介して排出される水を貯留する貯水槽23が設けられている。また貯水槽23には揚水ポンプ24が設けられている。供給配管14は、この揚水ポンプ24に接続されていて、貯水槽23に貯留された水を滞留部形成ケース13の内部に循環供給することができるようになっている。ここで、貯水槽23や揚水ポンプ24としては、市販されている公知の各種の水槽や揚水ポンプを使用することができ、供給配管14としては、水道管や散水ホースとして市販されている、公知の各種の配管類を使用することができる。
また、本実施形態では、止水性能試験装置10は、例えば防水シート固定用のタッカーやラス網固定用のステープル釘等の釘部材を防水シートを貫通して壁下地材に向けて打ち込んだ際に、防水シートと壁材との間の隙間に滞留する水が、防水シートに形成された貫通孔を介して壁材側から壁下地材側に浸入するのを検証するために用いられることから、下地部12に張設された防水シート11の表面側から、予め設定された所定の高さ位置に、釘部材(図示せず。)が下地部12に向けて打ち込まれている。すなわち、本実施形態では、滞留部形成ケース13の内部において、より大きな水圧が負荷される所定の高さ位置として、例えば滞留部形成ケース13の底面部13dから50mm及び100mmの高さ位置に、水平方向に間隔をおいて各々複数の釘部材が防水シート11を貫通して下地部12に向けて打ち込まれている。また例えば水圧の大きさの違いによる水の浸入の程度を検証するために、滞留部形成ケース13の底面部13dから上方に向けて、例えば100mmのピッチで複数列に釘部材が打ち込まれている。
そして、上述の構成を有する本実施形態の防水シートの止水性能試験装置10によれば、壁下地材を覆って取り付けられる防水シートと、この防水シートの外側に設けられる壁材との間の隙間に、雨水等の水が相当の高さで滞留している状態を模擬的に形成して、実使用下における防水シートによる止水性を適正に検証することができる。
すなわち、本実施形態によれば、試験対象となる防水シート11を表面側に張設して立設配置される下地部12に、少なくとも正面部13aが透明な樹脂板からなる、背面部13bが開口面となった扁平な滞留部形成ケース13を一体として固定し、滞留部形成ケース13の内部に水を供給すると共に供給した水の水位を所定の高さに保持して滞留させた状態で、時間の経過と共に滞留部形成ケース13側から下地部12側に水が浸入する状況を観察するので、防水シートと壁材との間の隙間に、雨水等の水が所定の高さで滞留している状態を正確に再現して、実使用下における防水シート11による止水性を適正に検証することが可能になる。
また、本実施形態によれば、滞留部形成ケース13の少なくとも正面部13aが透明な樹脂板からなるので、例えば釘部材による貫通孔を介して滞留部形成ケース13側から下地部12側に水が浸入する状況を目視によって容易に観察することが可能になる。
さらに、本実施形態によれば、滞留部形成ケース13の底面部13dに、開閉可能な流出配管21が接続された滞留水流出孔19が設けられているので、流出配管21の開閉によって、滞留水流出孔19から滞留水を排出しない状態で行う静水試験と、供給配管14から水を供給すると共に滞留水流出孔19から滞留水を排出しながら行う流水試験とを適宜切り替えて、各条件下における防水シート11の止水性能を適正に検証することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば滞留部形成ケースは、扁平な中空直方体形状の背面部及び上面部を開口面とした立体形状を備えている必要は必ずしも無く、扁平な中空箱形形状の背面部及び上面部を開口面とした、その他の種々の立体形状に形成されたものであっても良い。また、本発明の止水性能試験装置は、ラスモルタルによる壁材を施工してなる外壁において壁下地材を覆って配設される防水シートに限定されることなく、サイディング材等によるその他の種々の壁材を施工してなる外壁に用いられる防水シートの止水性能を検証するために用いることもできる。また試験対象となる防水シートが取り付けられる壁は、外壁の他、仕切り壁であっても良く、その他の種々の壁状の部分であっても良い。
本発明の好ましい一実施形態に係る防水シートの止水性能試験装置の構成を説明する略示斜視図である。 図1のA−Aに沿った断面図である。 図1のB−Bに沿った断面図である。
10 防水シートの止水性能試験装置
11 防水シート
12 下地部
13 滞留部形成ケース
13a 滞留部形成ケースの正面部3
13b 滞留部形成ケースの背面部
13c 滞留部形成ケースの上面部
13d 滞留部形成ケースの底面部
13e 滞留部形成ケースの側面部
14 供給配管
15 仕切り板
16 水滞留領域
17 水供給領域
18 水位調整排水管
18a 水位調整排水管の上端開口
19 滞留水流出孔
20 底部整流板
21 流出配管
22 アングル補強金物
23 貯水槽
24 揚水ポンプ

Claims (10)

  1. 壁下地材を覆って取り付けられる防水シートと、該防水シートの外側に設けられる壁材との間の隙間に滞留する水が、前記防水シートの前記壁材側から前記壁下地材側に浸入するのを検証する際に用いる防水シートの止水性能試験装置であって、
    試験対象となる前記防水シートを表面側に張設して立設配置される下地部と、扁平な中空箱形形状の背面部及び上面部を開口面とした立体形状を有し、前記防水シートに開口面となった前記背面部を重ね合わせると共に、前記背面部の上縁部を除く開口周縁部を前記防水シートが張設された前記下地部の表面側に水密に密着させた状態で前記下地部に一体として固定される、少なくとも正面部が透明な樹脂板からなる滞留部形成ケースと、前記防水シートが前記背面部に露出する前記滞留部形成ケースの内部に開口面となった前記上面部を介して水を供給する供給配管とを含み、
    前記滞留部形成ケースの内部に供給された水を滞留させた状態を保持して、滞留する水が前記防水シートを通過して前記下地部側に浸入するのを観察する防水シートの止水性能試験装置。
  2. 前記滞留部形成ケースの底面部を貫通すると共に当該底面部から立設して、水位調整排水管が、上端開口を予め設定された所定の高さ位置に開口させて設けられている請求項1に記載の防水シートの止水性能試験装置。
  3. 前記滞留部形成ケースの底面部に滞留水流出孔が開口形成されており、該滞留水流出孔は、開閉可能な流出配管と接続している請求項1又は2に記載の防水シートの止水性能試験装置。
  4. 前記滞留部形成ケースの底面部の直上部分には、前記正面部から内側に突出すると共に前記底面部と垂直又は略垂直に配置された底部整流板が、前記底面部の長手方向に間隔をおいて複数設けられている請求項3に記載の防水シートの止水性能試験装置。
  5. 前記滞留部形成ケースの内部は、仕切り板によって水滞留領域と水供給領域とに仕切られており、前記供給領域に前記供給配管から水が供給されると共に、供給された水は、前記水供給領域から前記水滞留領域に流入するようになっている請求項1〜4のいずれかに記載の防水シートの止水性能試験装置。
  6. 前記滞留部形成ケースの底面部の下方には、前記滞留部形成ケースから排出される水を貯留する貯水槽が設けられている請求項1〜5のいずれかに記載の防水シートの止水性能試験装置。
  7. 前記貯水槽に揚水ポンプが設けられており、前記供給配管は、該揚水ポンプに接続されて前記貯水槽に貯留された水を前記滞留部形成ケースの内部に供給するようになっている請求項6に記載の防水シートの止水性能試験装置。
  8. 前記滞留部形成ケースは、扁平な中空直方体形状の背面部及び上面部を開口面とした立体形状を備えている請求項1〜7のいずれかに記載の防水シートの止水性能試験装置。
  9. 防水シートや壁材を固定するための釘部材を防水シートを貫通して壁下地材に向けて打ち込んだ際に、防水シートと壁材との間の隙間に滞留する水が、防水シートに形成された貫通孔を介して壁材側から壁下地材側に浸入するのを検証するために用いられ、前記下地部に張設された前記防水シートの表面側から、予め設定された所定の高さ位置に、釘部材が前記下地部に向けて打ち込まれている請求項1〜8のいずれかに記載の防水シートの止水性能試験装置。
  10. 前記水位調整排水管の前記上端開口が開口する所定の高さ位置が、前記底面部から950mmの高さ位置であり、前記釘部材が前記下地部に向けて打ち込まれる所定の高さ位置が、前記底面部から50mm及び/又は100mmの高さ位置である請求項9に記載の防水シートの止水性能試験装置。
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