JP2009198163A - 吸着式ヒートポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 仕切弁等を開閉するために外部駆動手段や外部エネルギーを不要とし、全体の小型化、冷熱取り出し効率の向上を図り得る吸着式ヒートポンプを提供する。
【解決手段】 蒸発器4を底部の全幅に配置し、蒸発室の上側位置に一対の吸着器2a,2b及び凝縮器3を配置する。熱交換器31として上下方向にパイプを延ばし縦置きの多管式にして狭幅にした凝縮器を挟んで、吸着器を左右両側位置に配置する。仕切弁V1,V2として、吸着器側にのみ開き逆方向には開かないフラップ弁型にし、蒸発室40の内圧上昇で自動的に開いて吸着工程の吸着器に水蒸気を供給する。仕切弁V3,V4も同様に構成して脱着工程の吸着器からの内圧で自動的に開いて脱着後の水蒸気を凝縮器に供給する。凝縮器からの凝縮水を蒸発器に対し浮力で開くフロート栓7を介して落とし込む。
【選択図】 図9

Description

本発明は、吸着式冷凍サイクルを利用した吸着式ヒートポンプであって、小型化及び省エネルギー化を同時に図り得る吸着式ヒートポンプに関する。
従来、吸着式ヒートポンプとして、内部に吸着質(水)を封入した1つのハウジング内において、一対の吸着器を左右両側に隣接配置し、これら一対の吸着器の下に蒸発器を隣接配置し、上に凝縮器を隣接配置し、それぞれを互いに区画して密閉空間にしたものが知られている(例えば特許文献1の図4参照)。このものにおいては、一対の吸着器内にはそれぞれ吸着/脱着用熱交換器が配設され、蒸発器内には蒸発用熱交換器が配設され、凝縮器内には凝縮用熱交換器が配設されており、それぞれの間での弁の開閉切換や配管によって吸着質である水を移動させるようにしている。そして、上記一対の吸着/脱着用熱交換器に対し循環供給させる熱媒の温度を高・低に切換えることにより、一対の吸着器間で脱着−凝縮工程と、吸着−蒸発工程とを交互に切換えて、蒸発用熱交換器から連続した冷熱取り出しを行うようにしている。
特開平6−180159号公報
ところが、従来の吸着式ヒートポンプでは駆動用の外部エネルギーを必要として省エネルギー化を阻害したり、全体サイズの小型化を阻害したり、冷凍サイクルによる冷熱取り出し効率を低下させたりするというような不都合を招いている。すなわち、図13に従来の吸着式ヒートポンプを例示するように、上記の脱着−凝縮工程や、吸着−蒸発工程を行わせるために一対の吸着器200,200と、凝縮器300や蒸発器400との間等の複数の仕切弁501,502,503,504や開閉弁600(例えば水蒸気バルブ又は電動バルブ等)を開閉切換する必要があり、その開閉駆動のために外部駆動手段や電力等の外部エネルギーを必要としている。又、凝縮器300と蒸発器400とが間に吸着器200,200を挟んで上下に離れているため、凝縮器300内に溜まる凝縮水を外部配管700を通して下位置の蒸発器300まで導く必要があり、その外部配管700を配設するためのスペース確保が必要となって全体サイズの大型化を招いてしまうことになる。さらに、凝縮器300が吸着器200,200の上位置に隣接しているため、特に脱着工程にある吸着/脱着用熱交換器からの高温の脱着熱の影響をより強く受けて凝縮器が加熱されてしまい、脱着された後の水蒸気(吸着質)の凝縮効率を低下させて全体としての冷熱取り出しの効率を低下させる要因を生じさせる結果を招いている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、仕切弁等を開閉切換するために外部駆動手段や外部エネルギーを必要とすることになく、全体を小型化させることができ、しかも冷熱取り出しの効率を向上させ得る吸着式ヒートポンプを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、吸着工程と脱着工程とに交互に切換えられる一対の吸着器と、脱着工程が行われる側の吸着器から脱着後の吸着質の供給を受けて凝縮させる凝縮器と、吸着工程が行われる側の吸着器に対し供給して吸着させるために、上記凝縮器から凝縮後の吸着質の供給を受けて蒸発させる蒸発器とを備えた吸着式ヒートポンプを対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記一対の吸着器、凝縮器及び蒸発器を、ハウジング内を区画壁で仕切ることにより互いに独立した密閉空間として区画形成し、上記蒸発器を上記ハウジングの底部の略全幅に配置し、上記一対の吸着器及び凝縮器をそれぞれ上記蒸発室の上側位置に隣接させて配置し、かつ、上記凝縮器を間に挟んで左右両側に上記一対の吸着器を配置してなるようにした(請求項1)。
この発明の場合、凝縮器が一対の吸着器の上側に配置された場合と比べ、吸着式ヒートポンプ全体の上下方向寸法の短縮化を図ることが可能となる上に、凝縮器を蒸発器の上側に隣接して配置しているため、凝縮水を蒸発器に供給するための外部配管を設ける必要がなくなり、その分横幅を短縮化させ得ることになって、吸着式ヒートポンプ全体としての小型化が図られることになる。又、蒸発器をハウジングの底部の全幅に配置しているため、蒸発能力をより広く発揮させることが可能となる上に、凝縮器を一対の吸着器の左右間に挟むように配置しているため、凝縮器が一対の吸着器の上側に配置された場合に脱着工程にある吸着器から脱着熱により凝縮器が加熱されてしまうという不都合発生を回避し得ることになって、冷熱取り出し効率の向上を図り得る。
上記発明における凝縮器としては、凝縮用の熱媒が循環供給される1又は2以上のパイプを上下方向に延ばして構成された凝縮用熱交換器を備えて構成することができる(請求項2)。このようにすることにより、左右方向に延びる熱交換器を備えて凝縮器を構成した場合と比べ、凝縮器の左右方向幅を大幅に狭幅にすることが可能となる。これにより、凝縮器を一対の吸着器で左右両側から挟むように間に配置したとしても、吸着式ヒートポンプ全体の小型化を図り得る。しかも、熱交換器がパイプにより構成され、その上にそのパイプが上下方向に延ばされているため、そのパイプの外表面において凝縮して吸着質の液滴が生じると、その液滴が即座に下方に落下して凝縮器の底部に溜まることになる。これにより、凝縮により生じた液滴が熱交換器の表面に滞留してしまって凝縮能力の発揮が阻害される事態の発生を確実に防止し得ることになる。このため、凝縮効率の低下を回避して冷熱取り出し効率の向上に寄与し得ることになる。
又、上記発明における蒸発器と各吸着器との間に、吸着器の内圧よりも蒸発器の内圧の方が高くなったときに上向きにのみ開いて連通させるフラップ式逆流防止弁により構成された仕切弁を配設し、各吸着器と凝縮器との間に、凝縮器の内圧よりも吸着器の内圧の方が高くなったときに上向きにのみ開いて連通させるフラップ式逆流防止弁により構成された仕切弁を配設し、凝縮器と蒸発器との間に、凝縮器の底部に溜まる凝縮水の浮力により開変換して蒸発器に凝縮水を落とし込むフロート栓を配設するようにすることができる(請求項3)。このようにすることにより、吸着式ヒートポンプの冷熱取り出しのための冷凍サイクル運転において、蒸発器で蒸発させた吸着質を吸着工程の吸着器へ、吸着後の吸着器で脱着工程を行って脱着させた吸着質を凝縮器へ、そして、凝縮器で凝縮させた吸着質を蒸発器へ、というように吸着質を移動させるための仕切弁等の開閉を、外部駆動源や外部エネルギーを用いることなく、冷凍サイクル運転により生じる圧力差や凝縮器で発生する凝縮水の浮力により自動的に作動させることが可能となる。
又、上記の如き仕切弁を配設する場合には、上記各吸着器と凝縮器との間に配設される仕切弁を、凝縮器を構成する凝縮用熱交換器よりも上方位置に配置することができる(請求項4)。このようにすることにより、仕切弁の開閉作動において結露の影響に起因する不都合発生のおそれを回避し得る上に、開閉作動において凝縮液滴の落下に伴う不都合発生のおそれも確実に回避し得ることになる。すなわち、仕切弁が配置されることになる凝縮用熱交換器よりも上方位置は、凝縮器内でもその雰囲気温度が凝縮器内の下方位置よりも高くなるため、結露発生のおそれが低く、結露発生に起因する作動不良等の影響も低いものとなる一方、仕切弁が凝縮用熱交換よりも上方位置に配置されているため、凝縮用熱交換器から落下する凝縮液滴が仕切弁にかかるおそれもない。以上より、仕切弁の開閉作動のより確実化が図り得ることになる。
ここで、上記のフロート栓として、上記凝縮器の底面から蒸発器側に凹んだ溜まり部内に内装させ、かつ、上記フロート栓の自重により上記溜まり部の底面に着座することによって、上記溜まり部の底面に上下方向に貫通されて蒸発器と連通する連通孔を遮断した閉状態となる一方、上記溜まり部とフロート栓との間の隙間に溜まった凝縮水の浮力を受けて上記自重に抗して浮き上がることにより、上記連通孔を通して凝縮水が蒸発器に落とし込まれる開状態に変換される構成とすることができる(請求項5)。このようにすることにより、開状態になって蒸発器に落とし込まれる凝縮水の量を、溜まり部とフロート栓との間の隙間開口に対応する比較的少量ずつで継続するという定量供給にすることが可能になる。これにより、凝縮器から蒸発器に対し、凝縮器で溜まった凝縮水を一気に落とし込む場合に比べ、蒸発器での蒸発能力を継続して発揮させることが可能となり、冷熱取り出し効率の向上を図り得ることになる。
又、上記のフロート栓として、内部を空洞とし、かつ、その空洞を上記溜まり部の底面位置よりも下位において蒸発器側に臨んで開口するように形成することもできる(請求項6)。このようにすることにより、フロート栓を内部に空洞を有するものに構成したとしても、一対の吸着器、凝縮器及び蒸発器の各密閉空間を略真空状態にする際にフロート栓の内部も開口を通して確実に同様の真空状態にし得ることになる。しかも、その開口が溜まり部の底面位置によりも下位において蒸発器側に臨むように形成されているため、凝縮水が溜まり部に溜まった際にもフロート栓の内部空洞に入る込むことはないし、逆に蒸発器側からの蒸発した蒸気が開口から内部空洞に入り込んで結露したとしてもその結露水を上記開口から蒸発器側に落下させることが可能となる。このため、凝縮水が内部空洞に入ったり、あるいは、結露水が内部空洞で発生したりして内部空洞に溜まることに起因してフロートの開機能を損なうような事態の発生を回避し得ることになる。
一方、上記フロート栓の底部を上記連通孔に向けて逆円錐状又は逆角錐状の先すぼまり形の斜面で構成する一方、上記溜まり部の底面をその先すぼまり形の傾斜面に相対応して上記連通孔に収束する漏斗形の傾斜面で構成するようにすることができる(請求項7)。このようにすることにより、フロート栓が溜まり部内に溜まった凝縮水の浮力を受けて浮き上がり連通孔を下位変換した後、凝縮水の減少により沈下して連通孔を再び閉状態に復元する際に、フロート栓の底部の傾斜面が溜まり部の底面の傾斜面に案内されて着座することになるため、フロート栓を開状態から閉状態へ確実に案内して閉状態への変換をより確実にかつスムースに行わせることが可能になる。
又、上記フロート栓の上記開口に続く空洞の内面を、上記開口に対し斜め下り勾配となる斜面により構成するようにすることができる(請求項8)。このようにすることにより、内部に生じた結露水を、よりスムースにかつ確実に蒸発器側に排出させることが可能になる。
さらに、上記のフロート栓として、上記連通孔に対し上下動可能に挿入されるガイド凸部を備えることとし、このガイド凸部の下端面に上記開口を形成するようにすることができる(請求項9)。このようにガイド凸部を備えることで、浮力に基づくフロート栓の上下動を確実に連通孔に沿ったものに案内・規制することが可能となり、フロート栓を用いた開閉変換をより確実に行わせることが可能になる。
これに加えて、上記ガイド凸部として、下方にいくに従い拡径して外周面が上から下にかけて外周側に拡がる斜面を有するように形成することもできる(請求項10)。このようにすることにより、フロート栓が開状態になると、溜まり部内の凝縮水が連通孔を通って蒸発器に落とし込まれる際に、ガイド凸部の外周面を伝って蒸発器側に落とし込まれることになるため、凝縮水を蒸発器に対し連通孔を中心としてその外周側に拡散させて落とし込むことが可能となる。これにより、蒸発器のより広い蒸発面積を利用した蒸発が行われ、蒸発能力を効率よく発揮させることが可能となって、冷熱取り出し効率のより一層の向上を図り得ることになる。
以上、説明したように、請求項1〜請求項10のいずれかの吸着式ヒートポンプによれば、凝縮器が一対の吸着器の上側に配置された場合と比べ、吸着式ヒートポンプ全体の上下方向寸法の短縮化を図ることができる上に、凝縮器を蒸発器の上側に隣接して配置しているため、凝縮水を蒸発器に供給するための外部配管を不要にして、その分横幅の短縮化が可能となって、吸着式ヒートポンプ全体としての小型化を図ることができるようになる。加えて、蒸発器をハウジングの底部の全幅に配置しているため、蒸発能力をより広く発揮させることができる上に、凝縮器を一対の吸着器の左右間に挟むように配置しているため、凝縮器が一対の吸着器の上側に配置された場合に脱着工程にある吸着器から脱着熱により凝縮器が加熱されてしまうという不都合発生を回避することができるため、冷熱取り出し効率の向上を図ることができる。
特に、請求項2によれば、左右方向に延びる熱交換器を備えて凝縮器を構成した場合と比べ、凝縮器の左右方向幅を大幅に狭幅にすることができ、これにより、凝縮器を一対の吸着器で左右両側から挟むように間に配置したとしても、吸着式ヒートポンプ全体の小型化を図ることができるようになる。しかも、凝縮用熱交換器をパイプにより構成し、かつそのパイプを上下方向に延ばして構成しているため、そのパイプの外表面において凝縮した吸着質の液滴を即座に下方に落下させて凝縮器の底部に溜めることができる。これにより、凝縮により生じた液滴が熱交換器の表面に滞留してしまって凝縮能力の発揮が阻害される事態の発生を確実に防止することができ、凝縮効率の低下を回避して冷熱取り出し効率の向上を図ることができるようになる。
請求項3によれば、吸着式ヒートポンプの冷熱取り出しのための冷凍サイクル運転において、蒸発器から吸着工程の吸着器へ、脱着工程の吸着器から凝縮器へ、そして、凝縮器から蒸発器へというように吸着質を移動させる際に開閉切換作動のための外部駆動源や外部エネルギーを不要にして、冷凍サイクル運転により生じる圧力差や凝縮器で発生する凝縮水の浮力により仕切弁やフロート栓を自動的に切換作動させることができる。
請求項4によれば、仕切弁の開閉作動において結露の影響に起因する不都合発生のおそれを回避することができる上に、凝縮用熱交換器から落下する凝縮液滴を仕切弁が受けることもないため、開閉作動において凝縮液滴の落下に伴う不都合発生のおそれも確実に回避することができるようになる。すなわち、仕切弁が配置されることになる凝縮用熱交換器よりも上方位置は、凝縮器内でもその雰囲気温度が凝縮器内の下方位置よりも高くなるため、結露発生のおそれが低く、結露発生に起因する作動不良等の影響も低いものとなる一方、仕切弁が凝縮用熱交換よりも上方位置に配置されているため、凝縮用熱交換器から落下する凝縮液滴が仕切弁にかかるおそれもない。これにより、仕切弁の開閉作動のより確実化を図ることができるようになる。
請求項5によれば、凝縮器から蒸発器に落とし込まれる凝縮水の量を、溜まり部とフロート栓との間の隙間開口に対応する比較的少量ずつで継続するという定量供給にすることができる。これにより、凝縮器から蒸発器に対し、凝縮器で溜まった凝縮水を一気に落とし込む場合に比べ、蒸発器での蒸発能力を継続して発揮させることができ、冷熱取り出し効率の向上を図ることができるようになる。
請求項6によれば、一対の吸着器、凝縮器及び蒸発器の各密閉空間を略真空状態にする際に、フロート栓の内部も開口を通して確実に同様の真空状態にすることができる一方、開口が形成されていても溜まり部に溜まった凝縮水がフロート栓の内部空洞に入る込むことを回避することができる上に、逆に蒸発器側からの蒸発した蒸気が開口から内部空洞に入り込んで結露したとしてもその結露水を上記開口から蒸発器側に落下させることができ、結露水が溜まることを阻止することができる。これにより、凝縮水が内部空洞に入ったり、あるいは、結露水が内部空洞で発生したりして内部空洞に溜まることに起因してフロートの開機能を損なうような事態の発生を回避することができることになる。
請求項7によれば、凝縮水の減少に基づく浮力の減少によりフロート栓が沈下する際に、フロート栓の底部の傾斜面が溜まり部の底面の傾斜面に案内されて着座することになるため、フロート栓を開状態から閉状態へ確実に案内して閉状態への変換をより確実にかつスムースに行わせることができるようになる。
請求項8によれば、内部に生じた結露水を、よりスムースにかつ確実に蒸発器側に排出させることができるようになる。
請求項9によれば、ガイド凸部を備えることで、浮力に基づくフロート栓の上下動を確実に連通孔に沿ったものに案内・規制することができるようになり、フロート栓を用いた開閉変換をより確実に行うことができるようになる。
さらに、請求項10によれば、凝縮器から蒸発器に対する凝縮水の供給を、連通孔直下にではなくてガイド凸部の外周面によって連通孔の外周側に拡散された状態で落とし込むことができるようになる。これにより、蒸発器のより広い蒸発面積を利用した蒸発を行わせることができ、蒸発能力を効率よく発揮させて冷熱取り出し効率のより一層の向上を図ることができるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る吸着式ヒートポンプの例を示す原理図である。同図において、符号1はハウジング、2a,2bは一対の吸着器、3は凝縮器、4は蒸発器である。一対の吸着器2a,2b、凝縮器3又は蒸発器4は、ハウジング1の内部空間を区画壁51,52,53で仕切ることにより互いに独立した密閉空間として区画形成した吸着/脱着室20a,20b、凝縮室30又は蒸発室40と、各室に配設した吸着/脱着用熱交換器21,21、凝縮用熱交換器31又は蒸発用熱交換器41とで構成されたものである。そして、蒸発室40はハウジング1の最も下位置の底部において平面方向であって左右の略全幅に拡がるように横長に区画形成され、この蒸発室40の上側位置に一対の吸着/脱着室20a,20b及び凝縮室30が配置され、これら一対の吸着/脱着室20a,20b及び凝縮室30と、蒸発室40とが区画壁51によって上下に区画されて仕切られている。凝縮室30が蒸発室40の左右方向中央位置の上側領域に配置され、この凝縮室30を挟んで左右両側位置に吸着/脱着室20a,20bが配置され、図1の左側の吸着/脱着室20aと凝縮室30とが区画壁52により左右に区画されて仕切られ、凝縮室30と同図の右側の吸着/脱着室20bとが区画壁53により左右に区画されて仕切られている。
上記ハウジング1内は図示省略の真空ポンプ等により略真空状態に維持されて、内部には例えば水、アルコール、アンモニア等の吸着質が所要量封入されている。以下、吸着質として水が封入されているものとして説明を続ける。
上記一対の吸着器2a,2bを構成する吸着/脱着用熱交換器21,21の外表面にはゼオライト,シリカゲルもしくは活性炭等の吸着剤が固定されている。そして、図示を省略しているが、各吸着/脱着用熱交換器21には、これに対し高温(例えば75℃)の熱媒又は低温(例えば32℃)の熱媒のいずれかが供給切換可能に循環供給されるように熱媒供給配管が接続されている。つまり、吸着/脱着用熱交換器21に低温の熱媒が循環供給されると、吸着器2a又は2bは、吸着工程を行うことになり、外表面の吸着剤が冷やされて気体状態の吸着質である水蒸気を吸着する吸着器の役割を果たすことになり、逆に高温の熱媒が循環供給されると、吸着器2a又は2bは、脱着工程を行うようになり、吸着剤に既に吸着されていた水蒸気を脱着(分離)させる脱着器としての役割を果たすことになる。
上記凝縮器3を構成する凝縮用熱交換器31には、凝縮作動用に所定温度(例えば32℃)の熱媒を循環供給する熱媒供給配管(図示省略)が接続されている。又、上記蒸発器4を構成する蒸発用熱交換器41には、蒸発作動用に所定温度(例えば20℃)の熱媒を循環供給する熱媒供給配管(図示省略)が接続されている。そして、蒸発用熱交換器41はより大きな表面積を有するフィンアンドチューブ式のものにより構成され、これにより、より大きな蒸発面積を確保して蒸発能力の増大を図るようにしている。
そして、上記区画壁51には、蒸発室40から蒸発した気体状態の吸着質である水蒸気を吸着器2a又は2bに対し吸着のために送り込む仕切弁V1,V2が設けられ、区画壁52及び53には吸着器2a又は2bから脱着された水蒸気を凝縮器3に対し凝縮させるために送り込む仕切弁V3,V4が設けられている。さらに、上記区画壁51には、凝縮器3で凝縮されて凝縮室30の底部に溜まった液体状態の吸着質である凝縮水を蒸発器4に対し蒸発させるために落とし込むフロート栓6が設けられている。
上記仕切弁V1,V2は、蒸発室40から各吸着/脱着室20a,20bへの水蒸気の流れを許容するように開くものの、吸着/脱着室20a,20bの側から蒸発室40への流れに対しては閉じるようになっている。すなわち、仕切弁V1,V2は蒸発室40から各吸着/脱着室20a,20bへの一方向の流れのみ許容し、逆方向である各吸着/脱着室20a,20bから蒸発室40への流れを阻止するように構成されている。詳しくは、仕切弁V1,V2は、フラップ弁により構成され、蒸発工程の蒸発器4で凝縮水が蒸発して蒸発室40の内圧が吸着/脱着室20a又は20bのそれよりも高くなると、その蒸発室40の内圧上昇を受けて一方向(上向き)に開き(図1のV1参照)、逆に脱着工程の吸着器2a又は2bで脱着した水蒸気によりその吸着/脱着室20a又は20bの内圧が蒸発室4のそれよりも高くなればその吸着/脱着室20a,20bの内圧上昇を受けて逆方向(下向き)に閉じて吸着/脱着室20a,20b側からの逆流を阻止するようになっている(図1のV2参照)。吸着/脱着室20a,20bの内圧を受けて閉じる際には、仕切弁V1,V2の自重によっても閉作動及び閉状態の維持がより確実に行われるように設定されている。
このようなフラップ式逆流防止弁型の仕切弁V1,V2としては、フラップ弁体の基端を区間壁51に対し単にピン支持させて回転可能に支持させ、蒸発室40側の内圧が所定の設定圧だけ吸着/脱着室20a側よりも高くなればフラップ弁体の先端が上向きに持ち上げられるように回転して開作動するようにフラップ弁体の自重を設定するようにしてもよいが、本実施形態ではフラップ弁体の基端を固定してフラップ弁体の弾性変形により開作動するようにしている。すなわち、仕切弁V1,V2を構成するフラップ弁体を所定の弾性変形特性を有する板部材、例えば所定厚のゴム板等の弾性板材により形成する。そして、このフラップ弁体の基端部を区間壁51の開口縁近傍の上面に固定状態に支持させ、蒸発室40側の内圧が所定の設定圧だけ吸着/脱着室20a側よりも高くなればフラップ弁体の先端側が上向きに持ち上げられて撓むように弾性変形することにより開作動し、蒸発室40の内圧が上記設定圧よりも下がれば弾性復元力により閉状態に復帰するように、上記フラップ弁体の弾性変形特性を設定する。この際、そのフラップ弁体の自重も閉作動側に作用するため、自重の設定も考慮すればよい。このような構成を採用すれば、弾性変形特性の設定調整によって、仕切弁V1,V2の開作動を所定の圧力差状態の発生により開始させるように制御し得ることになる。
以上のような圧力差により開閉作動する仕切弁V1,V2の場合には、蒸発室40側の内圧が所定量高くなれば開き、開くことにより蒸発室40側の内圧がその分低下すると閉じ、閉じることにより蒸発室40側の内圧が高まれば再び開き、というように、開閉を繰り返すことにより、蒸発室40から吸着/脱着室20a又は20bへの水蒸気の供給を一定量ずつ継続させるという定量供給を実現させることができる。これにより、吸着/脱着室20a,20bでの吸着工程を効率よく確実に行い得ることになる。
以上の構成は次に説明する仕切弁V3,V4においても同様に備えている。すなわち、仕切弁V3,V4も、上記のものと同様に、圧力差により開閉作動するフラップ弁によって一方向への流れのみを許容し逆方向への流れを阻止するように構成されている。すなわち、仕切弁V3,V4は、脱着工程の吸着器2a又は2bで脱着した水蒸気によりその吸着/脱着室20a又は20bの内圧が凝縮室30のそれよりも高くなると、その内圧上昇を受けて上向きに開いて脱着後の水蒸気を凝縮室30側に流し(図1のV4参照)、逆に吸着/脱着室20a又は20bの側の内圧が凝縮室30のそれよりも低くなると下向きに閉じて凝縮室30から吸着/脱着室20a,20b側への逆流を阻止するようになっている(図1のV3参照)。加えて、仕切弁V3,V4の自重設定や弾性変形特性の設定等による開閉特性の制御も上記仕切弁V1,V2で説明したのと同様に付加されている。なお、特に仕切弁V3,V4については、これらを構成するフラップ弁の弁体が上向きに開き下向きに閉じるように設定するために、上下方向に拡がる区画壁52,53に対し凝縮室30側に凹む凹部521,531を形成し、この凹部521,531の上側の面に配設するようにしている。
フロート栓6は、その一例について図2に詳細を示すように、円筒形又は角筒形で内部が空洞のフロート本体61と、このフロート本体61の上部開口に被せられた蓋62とからなるものであり、凝縮室30の底面に形成された凹状の溜まり部32内に遊嵌状態で配置されたものである。フロート本体61の下面中央部には下方に突出するガイド凸部611が形成され、この周囲の凹溝内にシール用のOリング612が固定されている。上記溜まり部32の内周面形状は、フロート本体61の外周囲の形状に対応し、かつ、その外周囲の形状よりも所定量だけ大きいサイズに設定されている。これにより、フロート栓6の外周面と溜まり部32の内周面との間に溜まる凝縮水の量が所定の小量になるようにされている。又、溜まり部32の底面には連通孔としての落水孔33が貫通形成されており、この落水孔33内に上記ガイド凸部611が上下方向に貫通した状態で配置されている。上記落水孔33の内周面形状は、上記ガイド凸部611の外周面との間に凝縮室30からの凝縮水が所定の少量ずつ蒸発室40側に落水し得る程度の開口量を有する所定の隙間331が形成されるように、設定されている。
そして、溜まり部32内に凝縮水がない状態ではフロート栓6はその自重によりOリング612が溜まり部32の底面に密着して落水孔33を閉止した閉状態(図2に実線で示す状態)となる一方、凝縮室30内での凝縮により水滴が底部に落下し、その凝縮水が溜まり部32内に流れ落ちて所定水位WLまで溜まると、その浮力によりフロート栓6が浮き上がり落水孔33を通して凝縮室30と蒸発室40とが連通した開状態(図2に一点鎖線で示す状態)となる。上記の浮力によりフロート栓6を浮き上がらせる所定水位としては、フロート栓6の重心位置よりも上位置に設定され、上記のガイド凸部611と共にフロート栓6の開閉作動に伴う上下動が安定するようにされている。フロート栓6が開状態になると、落水孔33の隙間331から凝縮水が蒸発室40に落とし込まれ、この落とし込みにより溜まり部32内の水位が低下すると、浮力が下がってフロート栓6は下動して落水孔33を閉状態に戻すことになる。この閉状態への復元により凝縮水が溜まり部32内に再び溜まり出し、所定水位WLまで水位が上がれば、再びフロート栓6が浮き上がって蒸発室40に凝縮水を落とし込むことになる。フロート栓6の浮き上がりの際には、その頂面である蓋62の上面が凝縮用熱交換器31の下端面に突き当たって、それ以上の上方への浮き上がりが阻止されるようになっている。つまり、凝縮用熱交換器31の下端面と、閉状態のフロート栓6の頂面との間の上下方向距離がフロート栓6の許容最大浮き上がり量と同等に設定され、凝縮用熱交換器31の下端面がフロート栓6の開状態における上方へのストッパの役割を果たすようにされている。
なお、図2の例では凝縮室30の底面から溜まり部32内に凝縮水が直接に流れ込むようにし、図1に例示した如き堤壁54を省略した構造を示しているが、この堤壁54は凝縮器3での凝縮能力の如何に応じて設置するようにすればよい。すなわち、溜まり部32を囲んで凝縮室30の底面から上方に突出させて堤壁54を設置した場合は、堤壁54の外周側に凝縮水が溜まり、その凝縮水が満杯になって堤壁54の上端をオーバーフローすることにより初めて溜まり部32内に凝縮水が流入し、流入した凝縮水が所定水位にまで到達するとフロート栓6が浮き上がって開状態に変換されることになる。従って、堤壁54の外周側の容量分だけ凝縮水を貯留することができる一方、蒸発室40に対する凝縮水の供給は溜まり部32から一定の少量ずつに制御することができるようになる。
次に、吸着器2a,2b、凝縮器3及び蒸発器4で用いている熱交換器について説明すると、吸着/脱着用熱交換器21としては図1ではフィンアンドチューブ型の熱交換器を例示しているが、その他のタイプの熱交換器を用いてもよい。蒸発用熱交換器41としては、大表面積を有するフィンアンドチューブ型の熱交換器を用いて出来るだけ蒸発面を大きくして蒸発能力を高めるようにし、その上、ハウジング1の底部の幅方向略全長に亘りに横長に延びるように配設することによっても蒸発能力をより高めるようにしている。
さらに、本実施形態では、特に凝縮用熱交換器31として、その外表面で凝縮した水滴が外表面に付着して留まり続けることなく下方に落下し易い構成にしたものを採用している。すなわち、図3に詳細を示すように、凝縮用熱交換器31として、上下方向に互いに離れた各位置に配置した上側ヘッダー311及び下側ヘッダー312と、これら上下両側のヘッダー311,312間に接続した1本又は2本以上のパイプ313,313,…とで構成している。そして、凝縮作動用の熱媒を循環供給する熱媒供給配管314が上下両側のヘッダー311,312に接続されており、熱媒供給配管314の往き側から例えば下側ヘッダー312内に供給された熱媒が図3に一点鎖線の矢印で示すように各パイプ313に分岐して通され、各パイプ313を通過する間に外表面に接触している水蒸気を熱交換により冷却して凝縮させ、昇温した熱媒が上側ヘッダー311に集められた後に再び熱媒供給配管314の戻り側に戻されるようなっている。各パイプ313は例えば銅管等の良導性の管部材を用いて上下方向(鉛直方向)に延びるように配置され、各パイプ313の外周面に接触する水蒸気が内部を通過する熱媒によって冷やされて凝縮水滴となり、この凝縮水滴が図3に点線の矢印で示すように即座に凝縮室30の下方に落水し易いようにしている。つまり、パイプ313を上下方向に延びるように配置して縦型の多管式の熱交換器の如き構成を採用することにより、凝縮した水滴が外表面に滞留し難くして即座に落水し得るようにして凝縮能力の向上を図り得るようにしたのである。
以上の吸着式ヒートポンプを用いた、吸着式冷凍サイクルに基づく冷熱取り出しのための運転について説明する。この運転は、一対の吸着器2a,2bで吸着工程と脱着工程とを交互に切換えるというバッチ処理方式によって連続した冷熱取り出しを可能とするものである。すなわち、あるサイクルでのバッチ処理として、蒸発器4から蒸発された水蒸気の供給を受けて一方の吸着器(例えば2a)で吸着工程を行うと同時に、他方の吸着器2bで脱着工程を行って脱着後の水蒸気を凝縮器3に供給して凝縮させ、次のサイクルのバッチ処理では、一対の吸着器2a,2bでの工程を互いに切換えて、上記の吸着器2aで脱着工程を行わせると同時に上記の吸着器2bで吸着工程を行わせる。つまり吸着器2aでは前のサイクルで吸着させた水蒸気を脱着させて凝縮器3に供給し、吸着器2bでは前のサイクルで脱着させた後の吸着剤に対し蒸発器4からの水蒸気を供給して吸着させるのである。このようなサイクルを交互に繰り返す。例えば吸着器2aでは、その吸着/脱着用熱交換器21に対し循環供給する熱媒を低温−高温−低温−高温…と交互に供給切換することにより、吸着−脱着−吸着−脱着…の工程を交互に繰り返し、一方、吸着器2bでは、吸着2aとは逆に循環供給する熱媒を高温−低温−高温−低温…と交互に供給切換して脱着−吸着−脱着−吸着…というように工程切換を行う。このようにすることにより、蒸発器4での蒸発と、凝縮器3での凝縮とが連続して行われ、蒸発器4に循環供給される熱媒が蒸発熱により冷却されて戻され、この冷却された熱媒によって冷熱を連続して取り出すことができるようになる。
以上の吸着式ヒートポンプによる冷熱取り出しのための運転において、吸着工程が行われる吸着器(例えば図1の例では2a)と、蒸発器4との関係においては、蒸発器4では凝縮水を蒸発させて水蒸気が蒸発室40内に発生するため蒸発室40の内圧は上昇する一方、吸着器2aには吸着工程のために低温の熱媒が吸着/脱着用熱交換器21に供給されるため、蒸発室40の内圧は吸着/脱着室20aの内圧よりも高くなる。この蒸発室40の内圧上昇を受けて仕切弁V1が上向きに押し上げられて開き、蒸発室40内の水蒸気が開状態の仕切弁V1を通して吸着/脱着室20aに供給されることになる。つまり、吸着工程の吸着器2a又は2bに対し蒸発器4から水蒸気を供給するための仕切弁V1又はV2の開作動を、外部駆動手段や外部駆動エネルギーを一切使用することなく、各熱交換器21,21,31,41に対し熱媒供給して冷凍サイクルを進行させるだけでその際の内圧変動に基づいて自動的に行わせることができる。一方、他方の脱着工程が行われる吸着器2bでは吸着剤からの脱着により吸着/脱着室20b内に水蒸気が発生して内圧が上昇し、この内圧上昇により仕切弁V2は上から下に閉方向に押し付けられる上に、この仕切弁V2は吸着/脱着室20b側から下向きへの移動が阻止されているため、仕切弁V2を確実に閉状態に維持させて吸着/脱着室20bから蒸発室40側への逆流を防止することができる。
又、上記の蒸発器4から吸着器2aへの水蒸気の供給の際に、蒸発室40の内圧が吸着/脱着室20aの内圧よりも所定の圧力差分だけ高くなることにより初めて開作動するというように開閉作動の特性を設定することができる。その上に、蒸発室40側の水蒸気が所定内圧に到達するまで溜まる度に仕切弁V1が開いて水蒸気を吸着器2aに供給するというように、一気にではなくて一定量ずつ継続して水蒸気の定量供給を行うことができるようになる。これにより、吸着器2aの吸着/脱着用熱交換器21の吸着剤への吸着効率を高めることができるようになる。
一方、脱着工程が行われる吸着器(例えば図1の例では2b)と、凝縮器3との関係においては、吸着器2bでは吸着剤から脱着した水蒸気が吸着/脱着室20b内に発生するため吸着/脱着室20bの内圧は上昇する一方、凝縮器3には凝縮のために低温の熱媒が凝縮用熱交換器31に供給されるため、吸着/脱着室20bの内圧は凝縮室30の内圧よりも高くなる。この吸着/脱着室20bの内圧上昇を受けて仕切弁(図1の例ではV4)が上向きに押し上げられて開き、吸着/脱着室20b内の水蒸気が開状態の仕切弁V4を通して凝縮室30に供給されることになる。つまり、脱着工程の吸着器2b又は2aから凝縮器3に対し水蒸気を供給するための仕切弁V4又はV3の開作動を、上記の仕切弁V1,V2の場合と同様に、外部駆動手段や外部駆動エネルギーを一切使用することなく、各熱交換器21,21,31,41に対し熱媒供給して冷凍サイクルを進行させるだけでその際の内圧変動に基づいて自動的に行わせることができる。
さらに、脱着工程にある吸着器2a又は2bから供給される水蒸気が凝縮器3において凝縮して水滴に変わるが、その際、凝縮用熱交換器31として、複数のパイプ313を上下方向に延ばして縦型にした多管式熱交換器によって構成しているため、内部に低温の熱媒が通される各パイプ313の外表面との接触により凝縮して水滴となるため、その水滴を凝縮用熱交換器31に滞留させることなく即座に凝縮室30の下方に落下させることができるようになる。これにより、凝縮水滴が凝縮用熱交換器31に滞留することにより凝縮の進行が滞る事態の発生を回避して、効率よく凝縮を進行させることができる。
そして、凝縮器3から蒸発器4への凝縮水の供給の実行・停止の切換及び供給量の調整等の制御をフロート栓6によって実現させることができる。つまり、電動等の外部駆動手段や外部エネルギーを必要とすることなく、実現させることができる。すなわち、凝縮器3内の凝縮水が溜まり部32内の所定水位WLまで到達しないような少量の状態では、フロート栓6は閉状態となって凝縮室30と蒸発室40との間を遮断して凝縮水の蒸発器4への供給を停止させることができる一方、凝縮水が所定水位WLを超えればその浮力によりフロート栓6が開状態に変換し落水孔33から凝縮水を蒸発室40に落とし込ませて供給させることができる。その際、凝縮水は、一気に落とし込まれるのではなくて、落水孔33の隙間331から所定の少量ずつ継続して蒸発室40に落とし込ませることができ、これにより、蒸発器4での蒸発を一定量ずつ継続して進行させることができ、蒸発能力・冷熱取り出し効率の向上に寄与させることができる。
一対の吸着器2a,2b、凝縮器3及び蒸発器4の配置においては、ハウジング1の底部の平面方向の略全領域に蒸発器4を配置しているため、蒸発用熱交換器41による蒸発面積をより広く確保することができ、蒸発面積の拡大に伴う蒸発能力・冷熱取り出し効率の向上を容易に実現させることができるようになる。又、凝縮器3を一対の吸着器2a,2bの上下方向範囲の内の下半側位置に配設しているため、脱着工程にある吸着器2a又は2bの脱着熱により凝縮室30内が加熱されてしまうという不都合発生を防止することができる。すなわち、脱着工程にある吸着器2a又は2bの特に上半側の吸着/脱着室20a又は20bに高温の脱着水蒸気が充満するため、凝縮器が吸着器に隣接してその上側に位置付けられているような従来構成の場合には脱着熱により加熱されてしまう結果、凝縮能力を削ぐことになるという不都合を招くおそれがあるが、本実施形態の場合にはそのような不都合を招くことはない。しかも、凝縮用熱交換器31を縦型配置の多管式のもので構成して比較的狭い左右幅のものにしている上、これを一対の吸着器2a,2bの左右間に挟み込ませて配置しているため、上記の蒸発器4の配置と共に、ハウジング1全体の小型化(コンパクト化)を図ることができるようになる。
<第1実施形態に係る他の実施形態>
なお、本発明は上記第1実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、フロート栓として図2に示す構成を例示したが、これに限らず、種々の変形構成を採用することができる。例えば、図4に示す構成を採用するようにしてもよい。すなわち、このフロート栓6aは、図2の例と同様に、円筒形又は角筒形で内部が空洞のフロート本体61aと、このフロート本体61aの上部開口に被せられた蓋62とからなるものであり、凝縮室30の底面に形成された凹状の溜まり部32内に遊嵌状態で配置されたものである。フロート本体61aの下面には、その中心位置にガイド凸部63がその上端ネジのねじ込み固定により一体に連結されると共に、このガイド凸部63を囲んで上記下面から下向きに突出する無端の環状リブ613が形成されている。上記ガイド凸部63は、下方にいくに従い拡径して外周面631が上から下にかけて滑らかな凹カーブの斜面を有するように形成されている。このガイド凸部63は溜まり部32の底面に貫通形成された落水孔33aに対し上下方向に貫通して配置され、落水孔33aの内周面はガイド凸部63の外周面631の形状に対応したラッパ状の形状に形成されている。上記環状リブ613は落水孔33aよりも所定量大径に形成される一方、溜まり部32の底面であって落水孔33aの外周側近傍領域にはゴム板材等の板状シール部材34が接着等の手段により固定されて、フロート栓6aの閉状態では、上記環状リブ613が板状シール材34に対し上から下に密着して溜まり部32と落水孔33aとの間を遮断するようにしている。なお、上記ガイド凸部63とフロート本体61aとの固定は上記の上端ネジによる他、フロート本体61aから下向きに突出するネジによるねじ込み固定や、その他の着脱可能な固定手段を用いればよい。
このフロート栓6aの場合、凝縮水からの浮力が所定値に達するまでは、つまり溜まり部32内の凝縮水が図2の例で説明したような所定水位WLに達するまでは、フロート栓6aは自重に基づき閉状態を維持される(図4に示す状態参照)。凝縮室30の底部に凝縮水が溜まってきて所定水位WLまで到達すると(図5参照)、フロート栓6aは所定水位WLに相当する浮力を受けて所定寸法だけ上方に浮き上がって環状リブ613が板状シール材34から上に離れることになる。これにより、溜まり部32内の凝縮水が落水孔33aとガイド凸部63との間の隙間331aを通って蒸発室40に落とし込まれることになる。この際、溜まり部32からの凝縮水はガイド凸部63の外周面631を伝って落ちるため、蒸発室40に対しガイド凸部63の下端部よりも外周側に拡散された状態で凝縮水を落とし込ますことができる。これにより、蒸発用熱交換器41(図1参照)のより広い範囲に対し凝縮水を落とし込ませて、より広い蒸発面での蒸発を促進させることができ、ひいては冷熱生成の促進を図ることができる。通常は、フロート栓6aが開状態になれば、蒸発室40側への落とし込みに伴い凝縮室30側の凝縮水が減るため、浮力を失ってフロート栓6aは閉状態に復元し、そして、再び凝縮水が所定水位WLまで溜まるとフロート栓6aが開状態になる。
さらに、フロート栓6aの場合には、ガイド凸部63と落水孔33aとの組み合わせによって、凝縮室30内に溜まる凝縮水の量が過剰になったときの抜け止めと、蒸発室40側への凝縮水の過剰供給の停止とを行うことができる。すなわち、凝縮室30内の凝縮水量が上記の所定水位WLを超えて図6に示すように高水位HLまで増大すると、その浮力によってフロート栓6aが上方に浮き上がり、これに伴いガイド凸部63も上動して落水孔33aの内周面に対し接触係合し、フロート栓6aのそれ以上の上動を阻止すると同時に蒸発室40側との連通を遮断することになる。
又、図4のフロート栓6aとほぼ同様の全体構成を有しつつ、環状リブ613と板状シール材34の組み合わせとは異なるシール構造にしてもよい。すなわち、図7(a)に示すフロート栓6bの如く、閉状態では平坦な下面を有するフロート本体61bが、溜まり部32の底面に嵌め込んだOリング35に上から下に密着した状態になって落水孔33aとの連通を遮断するようにしてもよい。あるいは、図7(b)に示すフロート栓6cの如く、閉状態ではフロート本体61bの下面に固定したドーナッツ形状のゴム板等の板状シール材36が、溜まり部32の底面に上向きに突出するように形成した無端の環状リブ37に対し上から下に密着した状態になって落水孔33aとの連通を遮断するようにしてもよい。
さらに、図1の例では一対の吸着器2a,2bと間に挟んだ凝縮器3とのそれぞれの最下部位置を同じレベルに配置して蒸発器4の真上に隣接させているが、これに限らず、凝縮器3を一対の吸着器2a,2bの最下部位置よりもさらに下方側に垂下した位置に配置するようにしてもよい。例えば図8に示すように、区画壁51の内の凝縮器3の最下部に相当する部分に下側に凹んだ凹段部51aを形成し、この凹段部51aによって凝縮器3の底部を構成するようにするのである。つまり、凝縮器3を一対の吸着器2a,2bよりも下位に変位させて配置するのである。この場合には、凝縮器3が特に脱着工程にある吸着器2a又は2bから加熱されてしまうという不都合の発生をより確実に回避させることができるようになる。
<第2実施形態>
図9は、本発明の第2実施形態に係る吸着式ヒートポンプの例を示す原理図である。この第2実施形態は、第1実施形態におけるフロート栓6とは異なる構成のフロート栓7を採用している点が主要な変更点であり、その他の構成やその作用効果は特に言及しない限り第1実施形態と同じであって第1実施形態において記載した事項がそのまま第2実施形態にも当てはまる。このため、第1実施形態と同じ構成要素については第1実施形態と同じ符号を付すことにより重複した説明を省略する。
第2実施形態のフロート栓7は、図10にその一例の詳細を端面図として示すように、円筒形又は角筒形で内部を空洞70にした密閉構造のフロート本体71により構成されたものであり、第1実施形態と同様に凝縮室30の底面に形成された凹状の溜まり部32内に遊嵌状態で配置されたものである。このフロート本体71は、その頂部(上端面)711が閉塞される一方、底部(下端面)712の下面中央位置から下方に突出する筒状のガイド凸部72が形成されている。このガイド凸部72の内部が上記空洞70から続く内孔721とされ、この内孔721はガイド凸部72の下端面において蒸発室40(蒸発器4)に臨んで下向きに開放された開口722となって蒸発室40と連通している。又、上記底部712はガイド凸部72に向けて下向きに先すぼまり形となる傾斜壁により形成され、これにより、底部712の内面が上記内孔721に向けて斜め下り勾配となる斜面713により構成され、底部712の外面が上記斜面713と同様の先すぼまり形の斜面714により構成されることになる。そして、底部712の斜面713に形成された凹状の周溝内にはシール用のOリング715が斜面713から所定量突出した状態で固定されている。
上記溜まり部32の内周面形状は、フロート本体71の外周囲の形状に対応し、かつ、その外周囲の形状よりも所定量だけ大きいサイズに設定されている。これにより、第1実施形態と同様に、フロート栓7の外周面と溜まり部32の内周面との間に溜まる凝縮水の量が所定の小量になるようにされている。又、溜まり部32の底部35の中央位置には連通孔としての落水孔33が貫通形成されており、この落水孔33内に上記ガイド凸部72が上下方向に貫通した状態で配置されている。上記落水孔33の内周面形状は、上記ガイド凸部72の外周面との間に凝縮室30からの凝縮水が所定の少量ずつ蒸発室40側に落水し得る程度の開口量を有する所定の隙間331が形成されるように、設定されている。加えて、溜まり部32の底部35はその内面(底面)がフロート栓7の底部712の外面である斜面714の先すぼまり形の斜面に相対応して上記連通孔33に向けて斜め下り勾配で収束する漏斗形の斜面351により構成されている。
溜まり部32内に凝縮水がない状態ではフロート栓7はその自重によりOリング715が溜まり部32の底面である斜面351に密着して落水孔33を遮断した閉状態(図10に実線で示す状態)となる一方、凝縮室30内での凝縮により水滴が底部に落下し、その凝縮水が溜まり部32内に流れ落ちて所定水位WLまで溜まると、その浮力によりフロート栓7が浮き上がり落水孔33を通して凝縮室30と蒸発室40とが連通した開状態(図10に一点鎖線で示す状態)となる。上記の浮力によりフロート栓7を浮き上がらせる所定水位としては、フロート栓7の重心位置よりも上位置に設定され、上記のガイド凸部72と共にフロート栓7の開閉作動に伴う上下動が安定するようにされている。フロート栓7が開状態になると、落水孔33の隙間331から凝縮水が蒸発室40に落とし込まれ、この落とし込みにより溜まり部32内の水位が低下すると、浮力が低下してフロート栓7は下動して落水孔33を閉状態に戻すことになる。この閉状態への復元により凝縮水が溜まり部32内に再び溜まり出し、所定水位WLまで水位が上がれば、再びフロート栓7が浮き上がって蒸発室40に凝縮水を落とし込むことになる。フロート栓7の浮き上がりの際には、その頂部711が凝縮用熱交換器31の下端面に突き当たって、それ以上の上方への浮き上がりが阻止される一方、この浮き上がりが阻止された状態である最大浮き上がり状態になっても開口722は溜まり部32の最低位置(底面位置)である落水孔33の上側開口位置よりも下位に位置するようになっている。つまり、凝縮用熱交換器31の下端面と、閉状態のフロート栓7の頂面との間の上下方向距離がフロート栓7の許容最大浮き上がり量と同等に設定され、凝縮用熱交換器31の下端面がフロート栓7の開状態における上方へのストッパの役割を果たすようにされている。
そして、吸着式ヒートポンプによる冷熱取り出しのための運転においては、上記フロート栓7によって、凝縮器3から蒸発器4への凝縮水の供給の実行・停止の切換及び供給量の調整等の制御を実現させることができる。つまり、電動等の外部駆動手段や外部エネルギーを必要とすることなく、実現させることができることになる。すなわち、凝縮器3内の凝縮水が溜まり部32内の所定水位WLまで到達しないような少量の状態では、フロート栓7は閉状態を維持して凝縮室30と蒸発室40との間を遮断して凝縮水の蒸発器4への供給を停止させることができる一方、凝縮水が所定水位WLを超えればその浮力によりフロート栓7が開状態に変換し落水孔33から凝縮水を蒸発室40に落とし込ませて供給させることができる。その際、凝縮水は、一気に落とし込まれるのではなくて、落水孔33の隙間331から所定の少量ずつ継続して蒸発室40に落とし込ませることができ、これにより、蒸発器4での蒸発を一定量ずつ継続して進行させることができ、蒸発能力・冷熱取り出し効率の向上に寄与させることができる。
又、フロート栓7は内部の空洞70が開口722でのみ外部と連通されているだけであるため、蒸発室40を真空引きすれば開口722を通して空洞70内も所定の真空状態にすることができる一方、開口722から空洞70内に凝縮器3側からの凝縮水が入り込んだり蒸発器4側からの蒸気の結露水が溜まったりすることを防止することができる。すなわち、開口722はフロート栓7の開状態(最大浮き上がり状態)にされても溜まり部32の最低位置よりも下位に位置するように維持されるため、溜まり部32内の凝縮水が空洞70内に入ることを回避することができると共に、フロート栓7は空洞70内から斜め下り勾配の斜面713を介して開口722に至るように形成されているため、たとえ蒸発室40側から開口722を通して蒸気が空洞70内に入り込んで結露したとしても、その結露水は上記斜面713、内孔721及び開口722を通して自然落下することになり、結露水が空洞70内に溜まるという事態が発生することはない。従って、上述の如き凝縮器3から蒸発器4への凝縮水の供給の実行・停止の切換及び供給量の調整等を制御するというフロート栓7の機能を安定的に維持して発揮することができるようになる。
なお、図10の例では凝縮室30の底面から溜まり部32内に凝縮水が直接に流れ込むようにし、図2の例の場合と同様に、図1に例示の堤壁54を省略した構造を示しているが、この堤壁54は凝縮器3での凝縮能力の如何に応じて設置するようにすればよい。すなわち、第1実施形態において説明した如く、溜まり部32を囲んで凝縮室30の底面から上方に突出させて堤壁54を設置した場合は、堤壁54の外周側に凝縮水が溜まり、その凝縮水が満杯になって堤壁54の上端をオーバーフローすることにより初めて溜まり部32内に凝縮水が流入し、流入した凝縮水が所定水位にまで到達するとフロート栓7が浮き上がって開状態に変換されることになる。従って、堤壁54の外周側の容量分だけ凝縮水を貯留することができる一方、蒸発室40に対する凝縮水の供給は溜まり部32から一定の少量ずつに制御することができるようになる。
<第2実施形態に係る他の実施形態>
上記第2実施形態に係る他の実施形態として次に示すようなものがある。すなわち、上記第2実施形態では、フロート栓7の底部712や溜まり部32の底部35としてそれぞれ漏斗状の斜面713,714,351を有するようにした構成を示したが、これに限らず、種々の変形構成を採用することができる。例えば、図11に示すフロート栓7aの如く、フロート栓7aの底部712a及び溜まり部32の底部35aを共に平面状態に形成するようにしてもよい。この場合、空洞70から内孔721に続く底部712の内面が平坦面713aになるものの、空洞70内に結露水が生じて底部712の内面に落下するようになれば、内孔721から自然落下して排出されるため、結露水が溜まってフロート栓7aの浮き上がりによる開変換機能を阻害することはなく、溜まり部32に溜まる凝縮水の浮力による開閉変換機能を維持することができる。
又、図12に示すフロート栓7bの如くしてもよい。このフロート栓7bは、図4に示すフロート栓6aに対応するものであり、フロート栓6aのガイド凸部63aと同様に、下方にいくに従い拡径して外周面730が上から下にかけて滑らかな凹カーブの斜面を有するように形成されたガイド凸部73を、内部が空洞70の密閉構造のフロート本体71の底部712bにねじ込み固定したものである。ガイド凸部73は第2実施形態と同様の内孔731と開口732を有しており、凝縮水の侵入はもとより、蒸発器4側からの蒸気に起因して結露水が溜まることを阻止し得るようになっている。又、溜まり部32の底部35aに貫通形成された落水孔33aの内周面がガイド凸部73の外周面730の形状に対応したラッパ状の形状に形成されており、図5の場合と同様に、凝縮室30の底部に凝縮水が溜まってきて所定水位WLまで到達すると浮き上がって開状態になると、溜まり部32内の凝縮水が外周面730を伝って拡散された状態で蒸発室40側に落ち、蒸発用熱交換器41(図1参照)のより広い範囲に対し凝縮水を落とし込ませて、より広い蒸発面での蒸発を促進させることができるようになっている。なお、連通孔33aを遮断して閉状態にシールをするためのシール構成、すなわち、ガイド凸部73を囲んでフロート栓7bから下向きに突出する無端の環状リブ716と、溜まり部32の底面であって落水孔33aの外周側近傍領域に固定されたゴム板材等の板状シール部材34との組み合わせは第1実施形態において説明したものと同じである。そして、このようなガイド凸部73を図10のフロート栓7に適用するようにしてもよいし、あるいは、上記の如きシール構造を図10のフロート栓7や、図11のフロート栓7aに適用するようにしてもよい。
さらに、以上の第2実施形態に係るフロート栓7,7a,7bを、第1実施形態において説明した図8の配置・構造の吸着式ヒートポンプに適用しても、もちろんよい。
本発明の第1実施形態を示す端面説明図である。 フロート栓の例を示す図1の部分拡大相当図である。 凝縮用熱交換器の例を示す拡大断面説明図である。 他のフロート栓の形態を示す図2対応図である。 図4のフロート栓の開状態を示す図4対応図である。 図4のフロート栓の最大上動状態を示す図4対応図である。 図2,図4以外の他のフロート栓の部分図を示し、図7(a)はOリングを用いたシール構造を備えたものであり、図7(b)は板状シール材と環状リブの組み合わせを用いたシール構造を備えたものである。 図1とは異なる凝縮器の配置を備えた形態を示す図1対応図である。 本発明の第2実施形態を示す端面説明図である。 フロート栓の例を示す図9の部分拡大相当図である。 図10とは異なる他のフロート栓の形態を示す図9対応図である。 図10又は図11とは異なる他のフロート栓の形態を示す図9対応図である。 従来の吸着式ヒートポンプの例を示す端面説明図である。
符号の説明
1 ハウジング
2a,2b 吸着器
3 凝縮器
4 蒸発器
6,6a,6b,6c フロート栓
7,7a,7b フロート栓
31 凝縮用熱交換器
32 溜まり部
33,33a 落水孔(連通孔)
51,51a,52,53 区画壁
63,72,73 ガイド凸部
70 空洞
313 パイプ
631,730 ガイド凸部の外周面
712 フロート栓の底部
713,714,351 斜面
722 開口
V1,V2,V3,V4 仕切弁

Claims (10)

  1. 吸着工程と脱着工程とに交互に切換えられる一対の吸着器と、脱着工程が行われる側の吸着器から脱着後の吸着質の供給を受けて凝縮させる凝縮器と、吸着工程が行われる側の吸着器に対し供給して吸着させるために、上記凝縮器から凝縮後の吸着質の供給を受けて蒸発させる蒸発器とを備えた吸着式ヒートポンプであって、
    上記一対の吸着器、凝縮器及び蒸発器はハウジング内を区画壁で仕切ることにより互いに独立した密閉空間として区画形成され、
    上記蒸発器を上記ハウジングの底部の略全幅に配置し、上記一対の吸着器及び凝縮器をそれぞれ上記蒸発室の上側位置に隣接させて配置し、かつ、上記凝縮器を間に挟んで左右両側に上記一対の吸着器を配置してなる
    ことを特徴とする吸着式ヒートポンプ。
  2. 請求項1に記載の吸着式ヒートポンプであって、
    上記凝縮器は、凝縮用の熱媒が循環供給される1又は2以上のパイプを上下方向に延ばして構成された凝縮用熱交換器を備えて構成されている、吸着式ヒートポンプ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の吸着式ヒートポンプであって、
    蒸発器と各吸着器との間には、吸着器の内圧よりも蒸発器の内圧の方が高くなったときに上向きにのみ開いて連通させるフラップ式逆流防止弁により構成された仕切弁が配設され、
    各吸着器と凝縮器との間には、凝縮器の内圧よりも吸着器の内圧の方が高くなったときに上向きにのみ開いて連通させるフラップ式逆流防止弁により構成された仕切弁が配設され、
    凝縮器と蒸発器との間には、凝縮器の底部に溜まる凝縮水の浮力により開変換して蒸発器に凝縮水を落とし込むフロート栓が配設されている、吸着式ヒートポンプ。
  4. 請求項3に記載の吸着式ヒートポンプであって、
    上記各吸着器と凝縮器との間に配設される仕切弁は、凝縮器を構成する凝縮用熱交換器よりも上方位置に配置されている、吸着式ヒートポンプ。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の吸着式ヒートポンプであって、
    上記フロート栓は、上記凝縮器の底面から蒸発器側に凹んだ溜まり部内に内装され、かつ、上記フロート栓がその自重により上記溜まり部の底面に着座することによって、上記溜まり部の底面に上下方向に貫通されて蒸発器と連通する連通孔を遮断した閉状態となる一方、上記溜まり部とフロート栓との間の隙間に溜まった凝縮水の浮力を受けて上記自重に抗して浮き上がることにより、上記連通孔を通して凝縮水が蒸発器に落とし込まれる開状態に変換されるように構成されている、吸着式ヒートポンプ。
  6. 請求項5に記載の吸着式ヒートポンプであって、
    上記フロート栓は、内部が空洞とされ、かつ、その空洞は上記溜まり部の底面位置よりも下位において蒸発器側に臨んで開口するように形成されている、吸着式ヒートポンプ。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の吸着式ヒートポンプであって、
    上記フロート栓の底部が上記連通孔に向けて逆円錐状又は逆角錐状の先すぼまり形の斜面で構成される一方、上記溜まり部の底面がその先すぼまり形の斜面に相対応して上記連通孔に収束する漏斗形の斜面で構成されている、吸着式ヒートポンプ。
  8. 請求項6又は請求項7のいずれかに記載の吸着式ヒートポンプであって、
    上記フロート栓は、上記開口に続く空洞の内面が上記開口に対し斜め下り勾配となる斜面により構成されている、吸着式ヒートポンプ。
  9. 請求項5〜請求項8のいずれかに記載の吸着式ヒートポンプであって、
    上記フロート栓は、上記連通孔に対し上下動可能に挿入されるガイド凸部を備え、このガイド凸部の下端面に上記開口が形成されている、吸着式ヒートポンプ。
  10. 請求項9に記載の吸着式ヒートポンプであって、
    上記ガイド凸部は、下方にいくに従い拡径して外周面が上から下にかけて外周側に拡がる斜面を有するように形成されている、吸着式ヒートポンプ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101818962A (zh) * 2010-04-24 2010-09-01 上海交通大学 制冷剂自动平衡的硅胶-水吸附制冷机
CN102052809A (zh) * 2010-12-29 2011-05-11 中国科学院广州能源研究所 一种用于吸附式制冷机的新型蒸汽阀门
CN102128514A (zh) * 2010-10-09 2011-07-20 苏州新亚科技有限公司 一种采用翻板的吸附式冷水机
ITUB20152920A1 (it) * 2015-08-06 2017-02-06 Alberto Delfino Pompa di calore ad adsorbimento

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