JP2009198009A - 浮力を利用した鞘管内への管体挿入装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】両立坑1,2間に埋設した鞘管3の両端に止水部を設け、鞘管3内に貯留した液体5の浮力を利用して管体4を挿入するに際して、発進立坑1側の鞘管開口端に間隔をおいて取付けた弾性変形可能なシール材A,Bからなる止水部を設けるとともに、シール材A,B間に排水機構を設ける。レール16上を走行する走行架台17に、管体4を把持する管体クランプ18が固定され、該走行架台にはレール16を固定、開放する反力ボックス19が伸縮装置20を介して連結されており、該伸縮装置の伸縮操作と該反力ボックスの固定、開放操作によって尺取り移動させ、管体4の鞘管3内への挿入を行う。
【選択図】図1
Description
ここで、鞘管とは管体を設置する際の防食被覆の損傷防止や設置後の管体保護のため管体の外側に設ける外管の他、老朽化した既設管を含む。
この押込み方式は図7に示すように、管体41を把持するクランプ42と、反力を取る反力架台43と、クランプ42と反力架台43を結び伸縮可能なシリンダー機構44で構成され、管体41のクランプ動作とシリンダー機構44の伸長、収縮動作によって管体41を尺取状に鞘管内に挿入するものが知られている。
スペーサー付きの管体を鞘管内に挿入する際、スペーサー部が止水パッキン材を押広げてしまうため止水性が損なわれ、鞘管内の液体が発進立坑内に漏出してしまう課題があった。
また、鞘管内に管体を挿入する挿入装置において、従来の押込み装置では、管体長さよ
りも長い挿入機構を持つ大型装置以外のものは、クランプ機構を2つ装備し、管体を持ち替えながら挿入するか、アンクランプ時に管体を支持するために、スペーサー通過時にスペーサーをかわすことができるようにするための大掛かりな管体支持機構が必要であった。
また、本発明は、スペーサー付き管体を鞘管内に挿入する際、鞘管内に貯溜した液体を発進立坑内へ漏出させることなく管体を鞘管内へ挿入するためのシール機構と、鞘管内の液位を簡易に、かつ自動的に管体に適切な浮力を付与させる高さに保持せしめる機構とを備えると有利な、スペーサー付き管体を鞘管内に容易に挿入する挿入装置を提供することを目的としたものである。
なお、第2参考発明では、前記鞘管内に貯溜した液位を常に適切な液位になるように、到達立坑の鞘管端部の止水部に所定水位でオーバーフローするようにした液槽を設け、鞘管内の液位を自動調整可能としてもよい。
第1参考発明の浮力を利用した鞘管内への管体挿入機構は、発進立坑側の鞘管開口端に、管体に取付けたスペーサーの幅より広い間隔をおいて弾性変形可能な環状またはU字型のシール材Aとシール材Bからなる止水部を設けているため、管体の外周に設けたスペーサー等の異形部材が鞘管の止水部を通過する際には、図2(a)〜(d)に示すように作用して鞘管3内に貯溜した浮力用の液体5が発進立坑に漏れない。
すなわち、管体4の挿入時にスペーサー7が止水部を通過する際、先ずシール材Aを押し広げて通過し(図2,a)、スペーサー7がシール材Aを通過し、シール材Aとシール材Bの間に位置した状態では、シール材Bは止水状態となる(b)。次にスペーサー7がシール材Bを通過する際にはシール材Bを押し広げるため鞘管3内の液体5が流出するがシール材Aが止水しているため発進立坑には漏れないで,シール材Bとの間に留まる(c)。次にスペーサー7がシール材Bを通過した後はシール材Bが止水状態となる。この状態でシール材Aとシール材Bの間に溜まった液体5をバルブ10を開いて排出する(d)。
また、管体挿入装置を、レール上を尺取り移動する走行架台に管体を把持するクランプが固定された装置とし、スペーサー付管体の最後端のスペーサーより後部をクランプする
ことにより、スペーサーがクランプ部を通過することがなくなると共に、挿入作業中の持ち替えが必要なくなるため、スペーサーをかわす機構が不要で、長いストロークの挿入機構を必要とせず、且つ、管体を持ち替えるための機構が不要な簡易な挿入装置とすることができる。
また、参考発明によれば、発進立坑側の鞘管開口端に、管体に取付けたスペーサーの幅より広い間隔をおいて、弾性変形可能な環状またはU字型のシール材Aとシール材Bからなる止水部を設け、シール材Aとシール材B間に排水設備を備えているため、管体の外周に設けたスペーサー等の異形部材がこの止水部を通過する際にも、鞘管内に貯溜した浮力用の液体を発進立坑に漏らさないで管体を挿入できる。
さらに、参考発明によれば、到達立坑の鞘管端部の止水部に所定水位でオーバーフローするようにした液槽を設けておけば、管体の挿入によって鞘管内の液位が上昇しようとしてもオーバーフローして、常に鞘管内の液位を管体に適切な浮力を付与する所定高さに自動調整して保持できる。
また、本発明の管体挿入装置によれば、スペーサーがクランプ部を通過することがなくなると共に、挿入作業中の持ち替えが必要なくなるため、スペーサーをかわす機構が不要で、長いストロークの挿入機構を必要とせず、且つ、管体を持ち替えるための機構が不要な簡易な挿入装置とすることができる。
図1は、本発明による浮力を利用した鞘管内への管体挿入装置の実施例を示す縦断側面図であって、発進立坑1から到達立坑2間に亘って地中に埋設した鋼管やヒューム管等の鞘管3の両管端に止水部を設け、鞘管3内には管体4に適切な浮力を付与する液位の液体5を貯溜した状態で、発進立坑1側から先端を閉塞した中空のガス管や水道管等のスペーサー付き管体4を挿入し、鞘管3内の液体の浮力を利用し、挿入力を軽減して鞘管3内に管体4を挿入するものである。
図2(a)〜(d)は、本発明が対象とするスペーサー付き管体4の例を示す。スペーサー7は図2に側面図で、また図3に斜視図で示すように、管体外表面からの突出高さ約5cm、幅約30cmのプラスチック製の成形品等が主に用いられ約3〜6m毎に管体4にボルト8を用いて取付られる。
図1,図2に示すように発進立坑1側の鞘管3の止水部は、鞘管3の端部内側に環状のシール材Aとシール材Bを管軸方向にスペーサー7の幅以上の間隔を隔てて設けることで構成
されている。本発明で用いるシール材A,Bの材質はゴムや合成樹脂製の板状材や中空チューブ等で製作される。シール材A, Bは 管体4のスペーサ7部分が通過した後、復元して管体外表面を押圧可能なように管体の突出高さ以上に弾性変形可能なものとする必要がある。シール材は、あまり高弾性(硬い)にすると挿入時の抵抗が増大するため止水性を確保できるもので、できるだけ低弾性(軟らかいもの)にした方がよい。
到達立坑2側の鞘管3の管端には盲蓋12による止水部を設け、この盲蓋12の下部に鞘管3内に連通する注排水管13を接続している。この注排水管は架台14に搭載された液槽15に接続されており、液槽15は一定の液位以上になるとオーバーフローして液体5が外部に流出するようにされている。なお、液槽15を搭載した架台14を昇降可能にすると液位の高さを設定するのが容易となる。
なお、図4に示すように鞘管3の盲蓋12に直接液槽15を設け、盲蓋12の所定液位高さに排水孔15aを開けてオーバーフローするようにしてもよい。
オーバーフローさせる液位は管体4の寸法諸元および使用する液体5の比重により決められ、中空管体の液中重量が零になる浮力が得られる液位にすると最も挿入力を小さくできるが、必ずしも中空管体の液中重量が零になる浮力にしないで若干浮力の過不足があってもよい。
鞘管3は内径1200mm、外形1400mmのヒューム管を公知の推進工法によって、発進立坑1と到達立坑2間の地中8m深さに埋設されている。
鞘管3内に挿入される管体4は外径610mm、板厚15.1mmの鋼管で外面は防食塗装されており、6m毎に管体外面からの高さ50mm、幅300mmのプラスチック製スペーサー7が取り付けられている。
シール材Aとシール材Bの間には、鞘管3の底部に約40mm径の排水孔9が明けられバルブ10を介してホース11が取付けられている。
到達立坑2には架台14に搭載された液槽15が設けられ、鞘管端部の給排水用の孔とホース13で接続されており、液槽15内は所定高さでオーバーフローするようにされている。
管体挿入装置は発進立坑1に設置したレール16上にブレーキ付き走行装置をセットし、この走行装置上に管体外周を締付け・開放可能な公知の管体クランプ18を固定して構成される。管体クランプ18は中心が鞘管3の中心に合致する高さになるようにし、挿入するようにしている。管体クランプ18はスペーサー7部分以外の管体外周面を把持すればよいため、クランプ開放時の隙間を小さくできる。
なお、使用する液体5の量を少なくするために液位を低くし、シール材A,Bの管体4を通過させる穴と管体クランプ18の高さを液位に合わせることも可能である。
上記の実施例によれば、内径φ1200mmの鞘管内に外径φ610mm、長さ6mの管体を、極めて小さい管体挿入力(約300kg)で能率よく作業でき、作業時に発進立坑1に鞘管3内の液体5が漏れることはなかった。
B シール材
1 発進立坑
2 到達立坑
3 鞘管
4 管体
5 液体
7 スペーサー
8 ボルト
9 排水口
10 バルブ
11 ホース
12 盲蓋
13 注排水管
14 架台
15 液槽
16 レール
17 走行架台
18 クランプ
19 反力ボックス
20 伸縮装置
21 レールクランプ
31 鞘管
32 本管
33 到達立坑
34 発進立坑
35 パッキン材
36 水
37 盲蓋
41 管体
42 クランプ
43 反力架台
44 シリンダー機構
Claims (1)
- 発進立坑内に設置されたレール上を走行する走行架台に、液体を貯溜した鞘管内に挿入するスペーサー付き管体を把持する管体クランプが固定され、前記走行架台にはレールを固定、解放するレールクランプを備えた反力ボックスが伸縮装置を介して連結されており、走行架台に固定された管体クランプで把持した管体を前記伸縮装置の伸縮操作と反力ボックスのレール固定・解放操作によって尺取り移動させ鞘管内に挿入することを特徴とする浮力を利用した鞘管内への管体挿入装置。
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JP2009130680A JP2009198009A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | 浮力を利用した鞘管内への管体挿入装置 |
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JP09657799A Division JP4353576B2 (ja) | 1999-04-02 | 1999-04-02 | 浮力を利用した鞘管内への管体挿入機構 |
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JP2012219914A (ja) * | 2011-04-08 | 2012-11-12 | Nippon Steel Pipeline Co Ltd | 浮力を利用した鞘管内への管体挿入装置及び管体挿入方法 |
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2009
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