JP2009197658A - 軸流ファンとその成形方法および成形金型 - Google Patents

軸流ファンとその成形方法および成形金型 Download PDF

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Abstract

【課題】 ブレード前縁部外周端の成形を安定化させ、ファン性能の向上およびファン騒音の低減を図ることができる軸流ファンとその成形方法および成形金型を提供することを目的とする。
【解決手段】 ディスク11の周りに複数枚の翼型ブレード12が一体に成形されている樹脂製の軸流ファン10において、翼型ブレード12の前縁部14における厚さが後縁部15の厚さの1.5〜1.8倍とされている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ディスクの周囲に複数枚の翼型ブレード(羽根)が一体に成形されている樹脂製の軸流ファンとその成形方法および成形金型に関するものである。
空調装置では、空気を流通させる用途に樹脂製の軸流ファンが数多く用いられている。このような軸流ファンにおいて、特に軽量化が求められるものでは、翼型ブレードの厚さを強度が許容する範囲で最大限薄くし、その前縁部の厚さを後縁部の厚さとほぼ同等もしくは後縁部の厚さよりもやや厚くした構成としている。一方、送風性能を満足しつつ失速を避けるために、ブレードのコード長をピッチに対して大きくするとともに、前縁部を回転方向に突出させた形状としている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−44432号公報
ところで、上記のような軸流ファンは、元々翼型ブレードが半径方向に長く、そのコード長を長くし、かつブレード厚さを薄くすると、樹脂により射出成形する際に、ブレードの前縁部および後縁部の外周端側に樹脂が回り難くなる。このため、ブレード前縁部および後縁部の外周端の形状が不安定になり勝ちとなる。中でも、ブレードの半径方向の長さが後縁部側の長さよりも前縁部側の長さが長くされている翼型ブレードでは、ブレード前縁部の外周端が樹脂の最終充填箇所(図6(B)参照)となり、成形後の形状が不安定となり易く、これがブレード高さに影響を及ぼし、ブレード高さ寸法のバラツキとなる。
その結果、複数枚のブレード間において、前縁部外周端の基準面からの高さ(Zn)が揃わずにブレード毎にバラツキ、その最大値(Znmax)と最小値(Znmin)との差(Znmax−Znmin)である所謂面ぶれが発生し、その面ぶれがアンバランスやシュラウドとの間の隙間(チップクリアランス)のバラツキの要因となり、ファン性能の低下やファン騒音の増大という問題をもたらす。特に、ブレード前縁部の外周端における成形形状の不安定化は、ファン性能やファン騒音に与える影響度が大きく、成形不良の大きな原因となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ブレード前縁部外周端の成形を安定化させ、ファン性能の向上およびファン騒音の低減を図ることができる軸流ファンとその成形方法および成形金型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の軸流ファンとその成形方法および成形金型は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる軸流ファンは、ディスクの周りに複数枚の翼型ブレードが一体に成形されている樹脂製の軸流ファンにおいて、前記翼型ブレードの前縁部における厚さが、後縁部の厚さの1.5〜1.8倍とされていることを特徴とする。
本発明によれば、ブレード前縁部の厚さが、後縁部の厚さの1.5〜1.8倍とされているため、成形時に、ブレード前縁部側への樹脂流れに対する抵抗を低減して前縁部側への樹脂回りを良好にし、樹脂の最終充填箇所をブレード後縁部側の外周端とすることができる。これにより、ブレードの半径方向長さが後縁部側よりも前縁部側の長さが長くされたブレードであっても、前縁部外周端の成形を安定化させることができる。従って、前縁部外周端が樹脂の最終充填箇所となることによる前縁部外周端の成形の不安定化、それに伴う面ぶれ、アンバランス、シュラウドとの間のチップクリアランスのバラツキ等を解消することができ、ファン性能の向上およびファン騒音の低減を図ることができる。
さらに、本発明の軸流ファンは、上記の軸流ファンにおいて、前記翼型ブレードのコード長方向の最大厚さ位置が、前記前縁部からコード長の30〜40%位置とされていることを特徴とする。
本発明によれば、ブレードのコード長方向の最大厚さ位置が、前縁部からコード長の30〜40%位置とされているため、翼型ブレードは、全体としてコード長方向のブレード厚さが前縁部側で相対的に厚く、後縁部側で相対的に薄くされた翼型がより顕著な形状とされ、成形時に、ブレード前縁部側への樹脂回りを後縁部側への樹脂回りよりも良好にすることができる。これによって、樹脂の最終充填箇所を確実に後縁部側の外周端とすることができ、前縁部外周端の成形を安定化させることができる。
さらに、本発明の軸流ファンは、上記の軸流ファンにおいて、前記最大厚さ位置から前記後縁部に向う前記翼型ブレードの厚さ変化が、前記最大厚さ位置からコード長の略75%位置までは上に凸の曲率を有することで大きな厚さ変化を伴い、前記略75%位置から前記後縁部までは下に凸の曲率を有することで厚さ変化が小さくなっていることを特徴とする。
本発明によれば、ブレードの最大厚さ位置から後縁部に向うブレード厚さ変化が大きいため、成形時に、最大厚さ位置側から前縁部へと充填樹脂が流れ易くなり、ブレード前縁部への樹脂回りを後縁部への樹脂回りよりも良好にすることができる。これによって、樹脂の最終充填箇所を確実に後縁部側の外周端とすることができ、前縁部外周端の成形を安定化させることができる。
さらに、本発明の軸流ファンは、上述のいずれかの軸流ファンにおいて、前記翼型ブレードのコード長方向の最大厚さが、前記翼型ブレードの根元部側において前記後縁部厚さの約4倍、外周部側において前記後縁部厚さの約2〜2.5倍とされていることを特徴とする。
本発明によれば、ブレードのコード長方向の最大厚さが、根元部側において後縁部厚さの約4倍、外周部側において後縁部厚さの約2〜2.5倍とすることで、適切な重量と強度バランスを得ることができ、さらに成形時に、ブレード外周部側への樹脂流れを良好にすることができる。その結果、ブレード前縁部の外周端側への樹脂回りが良化し、前縁部外周端の成形を安定化させることができる。
さらに、本発明の軸流ファンは、上述のいずれかの軸流ファンにおいて、前記翼型ブレードの前記前縁部の負圧面側に、少なくとも前記翼型ブレードの中央部付近から外周部にかけて半円形または半楕円形の突起が設けられていること特徴とする。
本発明によれば、ブレード前縁部の負圧面側に、少なくともブレードの中央部付近から外周部にかけて半円形または半楕円形の突起が設けられているため、ブレードの負圧面側に流入する空気流を半円形または半楕円形の突起に沿わせることで、運転状態の変化により発生する負圧面側での空気流の剥離を抑制ないしは剥離した空気流の再付着を促進することができる。これによって、空気流の剥離に起因するファン性能の低下やファン騒音を抑えることができる。また、突起を設けることによって、ブレード厚さの増加効果が得られ、成形時に、ブレード前縁部の外周端に樹脂が回り易くなるため、当該部分の成形を安定化させ、軸流ファンの品質を向上させることができる。
さらに、本発明の軸流ファンは、上述のいずれかの軸流ファンにおいて、前記翼型ブレードの前記前縁部の負圧面側に、少なくとも前記翼型ブレードの中央部付近から外周部にかけて半円形から半楕円形に漸次形が変化する突起が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、翼型ブレードの前縁部の負圧面側に、少なくともブレードの中央部付近からブレード外周部にかけて半円形から半楕円形に漸次形が変化する突起が設けられているため、ブレードの負圧面側に流入する空気流を半円形から半楕円形に漸次形が変化する突起に沿わせることで、運転状態の変化により、特にブレード厚さが薄くなる外周部側の負圧面において発生し易い空気流の剥離を抑制ないしは剥離した空気流の再付着を促進することができる。これによって、空気流の剥離に起因するファン性能の低下やファン騒音を抑えることができる。また、突起を設けることにより、成形時に、ブレード前縁部の外周端に樹脂が回り易くなるため、当該部分の成形を安定化させ、軸流ファンの品質を向上させることができる。
さらに、本発明にかかる軸流ファンの成形方法は、上述のいずれかに記載された軸流ファンを射出成形する軸流ファンの成形方法において、成形時に、金型の複数枚の前記翼型ブレードに対応する部位の温度を検出し、その複数部位間の金型温度差を所定値以下に制御して成形を開始することを特徴とする。
本発明によれば、複数枚の翼型ブレードに対応する部位の金型温度を検出し、その複数部位間の金型温度差を所定値以下に制御して成形を開始するようにしているため、複数枚の翼型ブレードを同条件にて均一に成形することができる。これによって、複数枚の翼型ブレード間における面ぶれ、それに伴うアンバランス等を解消し、品質の向上を図ることができるとともに、成形不良を大幅に低減することができる。
さらに、本発明の軸流ファンの成形方法は、上記の軸流ファンの成形方法において、前記金型温度は、可動金型側と固定金型側とで個別に検出され、それぞれの金型側において前記金型温度差が所定値以下に制御されることを特徴とする。
本発明によれば、可動金型側と固定金型側とで個別に金型温度が検出され、それぞれの金型側で金型温度差が所定値以下に制御されるため、複数枚のブレードの正圧面側および負圧面側をそれぞれ同条件にて均一に成形することができる。これによって、複数枚のブレード間における面ぶれ、それに伴うアンバランス等を解消し、品質の向上を図ることができるとともに、成形不良を大幅に低減することができる。なお、金型温度差は、それぞれの金型側で所定値以内であればよく、両金型間での温度差を問うものではない。
さらに、本発明の軸流ファンの成形方法は、上述のいずれかの軸流ファンの成形方法において、前記金型温度は、前記各翼型ブレードの前記前縁部の外周端付近に対応する部位における温度が検出されることを特徴とする。
本発明によれば、ブレード前縁部の外周端付近に対応する部位の金型温度が検出されるため、各ブレード前縁部の外周端付近の金型温度差を所定値以下とし、適正な金型温度の下で前縁部外周端への樹脂回りを良好にかつ均一化して成形することができる。これによって、ファン性能およびファン騒音への影響度の大きいブレード前縁部の外周端の成形を安定化させ、面ぶれを解消して品質の向上を図ることができるとともに、成形不良を大幅に低減することができる。
さらに、本発明の軸流ファンの成形方法は、上述のいずれかの軸流ファンの成形方法において、前記金型温度差は、前記軸流ファンの面ぶれ許容値に基づいて予め設定されている所定値以下に制御されることを特徴とする。
本発明によれば、金型温度差が軸流ファンの面ぶれ許容値に基づいて予め設定されている所定値以下に制御されるため、成形される軸流ファンの複数枚の翼形ブレード間における面ぶれを確実にその許容値内とすることが可能となる。これによって、軸流ファンの面ぶれ、アンバランス等を解消し、品質を向上することができるとともに、成形不良を大幅に低減することができる。
さらに、本発明にかかる軸流ファンの成形金型は、上述のいずれかに記載された軸流ファンの射出成形およびその成形方法に用いられる軸流ファンの成形金型において、金型の少なくとも前記各翼型ブレードの前縁部の外周端付近に対応する部位の熱伝導が他の部位の熱伝導よりも低くされていることを特徴とする。
本発明によれば、金型の各ブレード前縁部の外周端付近に対応する部位の熱伝導が他の部位の熱伝導よりも低くされているため、樹脂が回り難い前縁部の外周端付近において充填樹脂の温度を下がり難くし、保圧を有効に作用させて前縁部外周端に対する樹脂回りを良好にすることができる。これによって、ファン性能およびファン騒音への影響度の大きいブレード前縁部の外周端の成形を安定化させ、面ぶれを解消して品質の向上を図ることができるとともに、成形不良を大幅に低減することができる。さらに、成形サイクルが長くなることもなく、生産性を阻害するおそれもない。
さらに、本発明の軸流ファンの成形金型は、上記の軸流ファンに成形金型において、前記金型の低熱伝導部位は、表面処理により他の部位よりも熱伝導が低くされていることを特徴とする。
本発明によれば、低熱伝導部位が表面処理により他の部位よりも熱伝導が低くされているため、金型の一部を表面処理するだけで簡単に当該部位を断熱し、熱伝導を低くすることができる。これにより、樹脂が回り難い前縁部の外周端付近において充填樹脂の温度を下がり難くして樹脂回りを良好にし、成形性を向上させることができる。
さらに、本発明の軸流ファンの成形金型は、上記の軸流ファンに成形金型において、前記表面処理が、セラミックス層または熱硬化性樹脂層からなることを特徴とする。
本発明によれば、表面処理がセラミックス層または熱硬化性樹脂層からなるため、例えばアルミナやジルコニア等のセラミックス層、あるいはポリイミド等の熱硬化性樹脂層を設けることによって熱伝導を金型鋼材の1/10〜1/100程度に低下させることができる。これにより、樹脂が回り難い前縁部の外周端付近において充填樹脂の温度を下がり難くして樹脂回りを良好にし、成形性を向上させることができる。
さらに、本発明の軸流ファンの成形金型は、上記の軸流ファンに成形金型において、前記金型の低熱伝導部位は、他の部位の金型材料よりも熱伝導率の低い材料で構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、低熱伝導部位が他の部位の材料よりも熱伝導率の低い材料で構成されているため、ブレード前縁部の外周端付近に対応する部位の熱伝導を容易かつ確実に低下させることができる。これにより、樹脂が回り難い前縁部の外周端付近において充填樹脂の温度を下がり難くして樹脂回りを良好にし、成形性を向上させることができる。
本発明の軸流ファンによると、成形時に、ブレードの前縁部側への樹脂流れの抵抗を低減して前縁部への樹脂回りを良好にし、樹脂の最終充填箇所をブレード後縁部の外周端とすることができるため、ブレードの半径方向長さが後縁部側の長さよりも前縁部側の長さが長くされているブレードであっても、前縁部外周端の成形を安定化させ、前縁部の外周端が樹脂の最終充填箇所となることによる前縁部外周端の成形の不安定化、それに伴う面ぶれ、アンバランス、シュラウドとの間のチップクリアランスのバラツキ等を解消し、ファン性能の向上およびファン騒音の低減を図ることができる。
また、本発明の軸流ファンの成形方法によると、複数枚の翼型ブレードを同条件にて均一に成形することができるため、複数枚の翼型ブレード間における面ぶれ、それに伴うアンバランス等を解消し、品質の向上を図ることができるとともに、成形不良を大幅に低減することができる。
また、本発明の軸流ファンの成形金型によると、樹脂が回り難い前縁部の外周端付近において充填樹脂の温度を下がり難くし、保圧を有効に作用させて前縁部外周端付近に対する樹脂の回りを良好にすることができるため、ファン性能およびファン騒音への影響度の大きいブレード前縁部の外周端の成形を安定化させ、面ぶれを解消して品質の向上を図ることができるとともに、成形不良を大幅に低減することができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図6を用いて説明する。
図1には、第1実施形態に係る軸流ファン10を用いたファンモータ装置1の正面図が示され、図2には、その軸流ファン10の正面図が示されている。
ファンモータ装置1は、空気流路2を形成する円筒部3が設けられたシュラウド4を備えている。シュラウド4には、図1において紙面の奥側に図示省略の放射状の支持桁を介して支持されたモータ支持部が設けられ、図示省略の駆動モータが固定支持されている。
軸流ファン10は、上記駆動モータの回転軸に取り付けられ、空気流路2内で回転して空気を上流側から下流側へと流通させる機能を有している。この軸流ファン10は、樹脂製であり、図2に示されるように、中心部に円筒状のディスク11を備えており、その円筒周りに複数枚(本実施形態では、9枚)の翼型ブレード(羽根)12が一体に成形された構成とされている。ディスク11の中心部には、モータ回転軸への取り付けボス13が設けられている。
図3には、翼型ブレード12を1枚だけ切り出した状態の側面図(A)とそれを右側から見た正面図が示されている。翼型ブレード12は、周方向において回転方向の上流側に位置する前縁部14、回転方向の下流側に位置する後縁部15、この前縁部14および後縁部15を周方向に繋ぐ半径方向外周側に位置する外周部16を備え、断面が翼型形状とされたものであり、前縁部14を回転方向、すなわち隣接する翼型ブレード12の後縁部15の方向に凸状となるように湾曲させ、後縁部15を隣接する翼型ブレード12の前縁部14から離れる方向に凸状となるように僅かに湾曲させた鎌形形状とされている。このため、翼型ブレード12の根元部17から外周部16までの半径方向長さlは、後縁部15側の長さよりも前縁部14側の長さが長くなっている。なお、後縁部15にはセレーション18が設けられている。
各翼型ブレード12は、ディスク11の円筒上に周方向に対して所定の傾きを持って設けられており、前縁部14と後縁部15との間に軸方向のブレード高さhが形成された構成とされている。この翼型ブレード12は、図3(B)に示されている矢印方向Nに左回転されたとき、紙面の表側が正圧面(圧力面)19、紙面の裏側が負圧面20(図5も参照)となり、空気は紙面の表側に吹き出されることになる。
また、上記翼型ブレード12のコード長c(図5参照)方向におけるブレードの厚さ分布は、図3(B)に示すA1−A1位置に相当する外周部付近での分布曲線をa1、A2−A2位置に相当する翼型ブレード12の中央部付近での分布曲線をa2、A3−A3位置に相当する翼型ブレード12の根元部付近での分布曲線をa3としたとき、図4(A)に示されるように、それぞれ流線形とされている。なお、図4(B)には、従来の一般的な翼型ブレードにおける同様の厚さ分布が対比して示されている。また、図5は、上記の厚さ分布曲線a1,a2,a3を持つ翼型ブレード12におけるコード長方向の一断面形状を、2点鎖線で示されている従来のブレードと対比し誇張して表示した図である。
ここで、ブレード後縁部15の厚さを1としたときに、前縁部14の厚さは、後縁部15の厚さの約1.5〜1.8倍とされている。この前縁部14の厚さT1は、図4(B)に示されている従来ブレードの前縁部厚さt1に対して、T1>t1とされ、後縁部15の厚さT2は、従来ブレードの後縁部厚さt2に対して、概ねT2≒t2とされている。さらに前縁部14の厚さT1,t1と後縁部15の厚さT2,t2とをそれぞれ対比したとき、T1>T2、t1>t2であるが、T1−T2>t1−t2とされている。このため、翼型ブレード12は、前縁部14の厚さが後縁部15の厚さに比べて相対的に厚い翼型ブレードとされている。なお、車両空調装置のコンデン用ファンモータ装置に用いられる軸流ファン10のブレード後縁部15の厚さは、例えば1mm前後である。
また、翼型ブレード12のコード長方向の最大厚さ位置が、翼型ブレード12のコード長cの概ね30〜40%位置とされており、従来のブレードの最大厚さ位置に比べ、やや前縁部14寄りとされている(図5も参照)。このため、翼型ブレード12としては、全体的にコード長方向のブレード厚さが前縁部14側で相対的に厚く、後縁部15側で相対的に薄くされた翼型がより顕著な形状とされている。
さらに、翼型ブレード12の最大厚さ位置から後縁部15に向う翼型ブレード12の厚さ変化は、ブレードのコード長cの略75%位置までは上に凸の曲率を有することで厚さ変化が大きくされ、コード長cの略75%位置から後縁部15までは下に凸の曲率を有することで厚さ変化が小さくされている。ここで、翼型ブレード12の最大厚さをT3としたとき、最大厚さT3は従来ブレードの最大厚さt3に対して、概ねT3≒t3である。従来ブレードでは、最大厚さ位置から後縁部に向け厚さの減少量が小さいのに対して、本実施形態の翼型ブレード12では、最大厚さ位置から後縁部15に向け特に略75%コード長位置までの厚さの減少量が大きくされている。
また、本実施形態では、ブレード12のコード長方向の最大厚さが、後縁部15の厚さを1としたときに、ブレードの根元部17側において後縁部15の厚さの約4倍、外周部16側において後縁部15の厚さの概ね2〜2.5倍とされている。このため、翼型ブレード12の根元部17側から外周部16側に向うブレード半径方向の最大厚さの変化が小さくされ、従来ブレードに比べ、ブレード外周部16において最大厚さが厚く、ブレードの外周部16に樹脂が回り易くされている。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
上記のファンモータ装置1によると、駆動モータ(図示省略)によって軸流ファン10が回転(図1において、右回転)されると、正圧面(圧力面)19および負圧面20を有する翼型ブレード12は、図1において、紙面表側から裏側方向に空気を流通する(図3(A)では、紙面左側から右側、図3(B)では、紙面裏側から表側)。このような軸流ファン10において、ファン性能やファン騒音は、ファンの設計に左右されることはもちろんであるが、樹脂製のファンでは、射出成形時の成形性にも大きく左右される。
特に、射出成形のように、溶融樹脂を金型内に充填し、冷却固化して作られる樹脂製品では、樹脂の体積収縮によるヒケ(へこみ、窪み)の発生はつきものであり、(1)なるべく均等な設計とする。(2)樹脂温度や金型温度を低めに設定する。(3)樹脂の充填密度を高める。(4)射出圧力や背圧を高める。等の事前対策が不可欠である。しかし、樹脂温度や金型温度を低めに設定すると、樹脂回りが悪くなり、特に、ブレード厚さが薄い比較的小型の軸流ファン10では、ブレード外周部16において樹脂回りが低下し、前縁部14の外周端および後縁部15の外周端で成形が不安定となり勝ちとなる。
中でも、一般に、図6(B)に示されるように、前縁部14Aの外周端が回転方向に凸となるように湾曲され、半径方向の長さlが後縁部15A側の長さよりも前縁部14A側の長さが長くされている翼型ブレード12Aでは、樹脂の最終充填箇所Fが前縁部14Aの外周端となり、これがファン性能およびファン騒音に大きな影響を及ぼすブレード前縁部14Aの外周端での成形の不安定化の要因となる。なお、図6(A),(B)は、射出成形時に充填される樹脂の流れ具合を時間の等高線で示し、図6(A)に示される本実施形態のものと対比表示した図である。
しかるに、本実施形態に係る軸流ファン10では、翼型ブレード12におけるブレード前縁部14の厚さT1が後縁部15の厚さT2の1.5〜1.8倍とされ、従来ブレードの前縁部厚さt1に対して、T1>t1とされているため、ブレード半径方向長さlが後縁部15側の長さよりも前縁部14側の長さが長くされているブレードであっても、成形時に、ブレード前縁部14側への樹脂流れに対する抵抗を低減して前縁部14への樹脂回りを良好にし、図6(A)に示されるように、樹脂の最終充填箇所Fをブレード後縁部15の外周端とすることができる。
これによって、ブレード前縁部14の外周端に十分樹脂を回すことができ、当該部分の成形を安定化させ、ブレード高さhのバラツキを抑制することができる。このため、ブレード前縁部14の外周端が樹脂の最終充填箇所Fとなることによる前縁部14の外周端の成形不安定化、それに伴う面ぶれ、アンバランス、シュラウド4との間のチップクリアランスのバラツキ等の問題をすべて解消することができる。従って、ファン性能の向上およびファン騒音の低減を図ることができる。
また、翼型ブレード12のコード長方向の最大厚さ位置が、図4(A)に示されているように、前縁部14からコード長cの30〜40%位置とされているため、翼型ブレード12は、図5に示されるように、2点鎖線で示す従来ブレード12Aに比べ、全体としてコード長方向のブレード厚さが前縁部14側で相対的に厚く、後縁部15側で相対的に薄くされた翼型がより顕著な形状とされる。これによって、成形時に、ブレード後縁部15側への樹脂回りよりも前縁部14側への樹脂回りを良好にすることができ、樹脂の最終充填箇所Fを確実にブレード後縁部15の外周端とすることができる。従って、ブレード前縁部14の外周端の成形を安定化させ、ファン性能の向上およびファン騒音の低減を図ることができる。
また、図4(A)に示されているように、翼型ブレード12の最大厚さ位置から後縁部15、特に略75%ブレード長位置までの厚さ変化が大きく、つまり厚さの減少量が大きいために、成形時に、最大厚さ位置側から前縁部14側へと樹脂が流れ易くなり、これによっても、ブレード前縁部14への樹脂回りを後縁部15への樹脂回りよりも良好にすることができ、樹脂の最終充填箇所Fを確実にブレード後縁部15の外周端とすることができる。従って、ブレード前縁部14の外周端の成形を安定化させ、ファン性能の向上およびファン騒音の低減を図ることができる。
さらに、翼型ブレード12のコード長方向の最大厚さが、図4(A)に示されているように、根元部17側において後縁部15の厚さの約4倍、外周部16側において後縁部15の厚さの概ね2〜2.5倍とされているため、ブレードの根元部17側から外周部16側に向うブレード半径方向の最大厚さ変化が小さくなる。これにより、成形時に、ブレード外周部16側への樹脂回りを良好にすることができる。その結果、ブレード前縁部14の外周端への樹脂回りが良化し、これによってもブレード前縁部14の外周端の成形を安定化させることができる。従って、ファン性能の向上およびファン騒音の低減を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図7および図8を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、翼型ブレード12の前縁部14の負圧面20側に突起を設けた構成としている点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態において、図7に示す形態では、翼型ブレード12の少なくともブレード厚さが漸次薄くなっているブレード中央部付近から外周部16までの範囲にかけて、その前縁部14の負圧面20側に半円形の突起30が設けられている。また、図8に示す形態では、同様に半楕円形の突起31が設けられている。これらの突起30,31は、その突出量がブレード厚さの2倍程度とされ、半楕円形の突起31については、長軸方向の長さが短軸の長さ(突出量)の2〜4倍程度とされている。
軸流ファン10によって空気を流動させると、翼型ブレード12に空気が流入する。この空気流は、運転状態、例えばファン前後の圧損の増加等により風量が減少して流れの角度が変化すると、負圧面20において剥離を生じる。しかるに、上記のように、前縁部14の負圧面20側に突起30,31を設けることにより、負圧面20側において空気流の剥離を抑制ないしは剥離した空気流の再付着を促進することができる。このため、空気流の剥離に起因するファン性能の低下やファン騒音を抑制することができる。また、突起30,31を設けることにより、成形時に、ブレード前縁部14の外周端側に樹脂が回り易くなるため、当該部分の成形を安定化させることができ、軸流ファン10の品質を向上させることができる。なお、ブレード12に流入する流れの角度変化によるブレード負圧面20での空気流の剥離の性能および騒音への影響は、回転速度が大きい外周側ほど顕著となるため、外周側ほど流れ方向の突起の範囲を拡大することで、剥離した流れをスムーズに再付着させることができ、ファン性能の低下やファン騒音を抑制することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図9および図10を用いて説明する。
本実施形態は、第1および第2実施形態に対して、ブレード前縁部14の負圧面20側に設けられる突起の形状が異なっている。その他の点については、第1および第2実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、翼型ブレード12の少なくともブレード厚さが薄くなっているブレード中央部付近から外周部16にかけて、その前縁部14の負圧面20側に半円形から半楕円形に漸次形状が変化する突起32が設けられている。
上記のように、ブレード前縁部14の負圧面20側に半円形から半楕円形に漸次形状が変化する突起32を設けることによって、上述の如く、翼型ブレード12に流入する空気流の、特にブレード厚さが薄くなっている外周部16側の負圧面20において発生し易い剥離を抑制ないしは剥離した空気流の再付着を促進することができる。これにより、空気流の剥離に起因するファン性能の低下やファン騒音を抑制することができる。また、突起32を設けたことにより、成形時にブレード前縁部14の外周端側に樹脂が回り易くなるため、当該部分の成形を安定化させ、軸流ファン10の品質を向上させることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、図11ないし図14を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1ないし第3実施形態にかかる軸流ファン10を射出成形する軸流ファンの成形方法とその成形金型にかかるものである。図11には、軸流ファン10の射出成形に用いられる金型の縦断面図、図12には、同金型の冷却水回路図、図13には、ブレードキャビティ部分の正面図が示されている。
成形金型40は、一対の固定金型41と、この固定金型41に対して開閉可能とされる可動金型42とから構成されている。
固定金型41と可動金型42との合わせ面には、軸流ファン10を成形するキャビティ43が形成されるようになっており、このキャビティ43内に、両金型41,42を型締めした状態で、固定金型41側に設けられているノズルタッチ部44から溶融樹脂を制御された所定の射出圧で射出することにより軸流ファン10が成形される。なお、ノズルタッチ部44から射出された溶融樹脂は、スプルー45、ゲート46を介してキャビティ43内に充填されるようになっている。
固定金型41および可動金型42には、図12に示されるように、それぞれ冷却水回路48が設けられ、温度制御された冷却水49を循環することにより、固定金型41および可動金型42の金型温度を制御できるように構成されている。また、固定金型41および可動金型42には、図11に示されるように、ブレードキャビティ部分において各翼型ブレード12の前縁部14の外周端付近に対応する部位52,53(図13に示す斜線部に対応する部分)の金型温度を検出するため、熱電対50および51がブレード枚数に合わせて固定金型41側に9個、可動金型42側に9個設置されている。
また、固定金型41および可動金型42は、図13に示されるように、キャビティ43の少なくとも各翼型ブレード12の前縁部14の外周端付近に対応する部位52,53の熱伝導が他の部位の熱伝導よりも低くされている。この低熱伝導部位52,53は、金型41,42の当該部位52,53に対し、例えばアルミナやジルコニア等のセラミックス層、あるいはポリイミド等の熱硬化性樹脂層等の表面処理層を設けることにより、その熱伝導を金型鋼材からなる他の部位の熱伝導の1/10〜1/100程度に低下させることができる。なお、表面処理層の厚さは、50〜100μm程度で十分である。また、このような表面処理層を設ける代わりに、金型41,42の低熱伝導部位52,53を熱伝導率の低い他の材料により構成した金型を用いてもよい。
上記の固定金型41および可動金型42を用いて軸流ファン10を成形する際、型締め後に注入口44からキャビティ43内に溶融樹脂を注入して成形を開始するに当り、まず両金型41,42の温度を冷却水回路48に循環される冷却水49を介して設定されている金型温度に制御する。この金型温度は、固定金型41側および可動金型42側のそれぞれに設けられている各9個の熱電対50,51により検出される両金型41,42の各ブレード前縁部14の外周端付近に対応する部位52,53の各9箇所間の温度差がそれぞれ所定値以下となるように制御される。
上記の金型温度差は、図14に示されるように、各9個の熱電対50,51によって検出される金型温度の温度差と、軸流ファン10の9枚の翼型ブレード12間における面ぶれとの関係から、面ぶれが予め設定されている面ぶれ許容値S以内となる所定値ΔT℃以下に制御される。なお、金型温度差ΔT℃は、例えば2℃とすることができる。このようにして、金型温度差を所定値ΔT℃以下にした状態で樹脂の射出を開始し、成形をスタートする。溶融樹脂の射出時間(充填時間)は数秒間であり、射出終了後に一定時間保圧した後、可動金型42を開放して成形品を取り出し、成形サイクルを完了する。
この間、溶融樹脂は、例えば、220℃の溶融温度から、例えば40℃に制御されている金型41,42のキャビティ43内に射出されるため、急速に冷却されながら各翼型ブレード12の外周部16まで流動して充填されることになる。しかるに、上記の固定金型41および可動金型42では、キャビティ43の各ブレード前縁部14の外周端付近に対応する部位52,53がセラミックス層や熱硬化性樹脂層により表面処理され、あるいは当該部位が低熱伝導材により構成されているので、当該低熱伝導部位52,53の熱伝導が他の部位の熱伝導よりも低くされ、そこに充填される樹脂が冷却され難くなっている。このため、成形時に樹脂が回り難い前縁部14の外周端付近において樹脂の温度を下がり難くし、保圧を有効に作用させて前縁部の外周端に十分に樹脂を回すことができる。
以上に述べたように、軸流ファン10を射出成形する時、固定金型41および可動金型42の各々における複数枚の翼型ブレード12に対応する部位52,53の金型温度を複数枚のブレード12に対応して設けられている複数個の熱電対50,51で検出し、各ブレードに対応する部位52,53間の金型温度差を所定値ΔT℃以下に制御して成形を開始するようにしている。これにより、複数枚の翼型ブレード12を同条件にて均一に成形することができる。このため、複数枚の翼型ブレード12間における所謂面ぶれの発生を防止し、面ぶれに伴うアンバランス、シュラウド4との間のチップクリアランスのバラツキ等をすべて解消し、軸流ファン10の品質を向上することができるとともに、成形不良を大幅に低減することができる。
特に、固定金型41および可動金型42のブレード前縁部14の外周端付近に対応する部位52,53の金型温度を検出するようにしているため、各ブレード前縁部14の外周端付近の金型温度差を所定値以下とし、適正な金型温度の下で前縁部外周端への樹脂回りを良好にかつ均一化して成形することができる。これによって、ファン性能およびファン騒音への影響度の大きいブレード前縁部14の外周端の成形を安定化させ、面ぶれを確実に解消して品質の向上を図ることができる。
また、固定金型41および可動金型42の各ブレード前縁部14の外周端付近に対応する部位52,53の熱伝導を他の部位の熱伝導よりも低くし、樹脂が回り難い前縁部14の外周端付近において充填樹脂の温度を下がり難くすることによって、保圧を有効に作用させて前縁部14の外周端に樹脂が回り易くしているため、ファン性能およびファン騒音への影響度の大きいブレード前縁部14の外周端の成形を安定化させ、各翼型ブレード12間の面ぶれを解消して品質の向上を図ることができるとともに、成形不良を大幅に低減することができる。
さらに、上記の低熱伝導部位52,53は、セラミックス層や熱硬化性樹脂層の表面処理あるいは金型材料の一部を低熱伝導材とすることにより構成することができ、その熱伝導を容易に1/10〜1/100程度に低下させることができるため、効果的に樹脂回りを良化してブレード前縁部の外周端の成形を安定化させることが可能となる。従って、軸流ファン10の品質向上を図ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、軸流ファン10の翼形ブレード12各部の具体的寸法は、一例を示しているにすぎず、これに限定されるものでないことは云うまでもない。また、前縁部14の負圧面20側に設けられる突起30,31,32は、少なくともブレードの半径方向の中央部付近から外周部にかけて設けた例について説明したが、必要に応じて前縁部14の負圧面20側の全範囲に設けてもよい。さらに、成形金型41,42において、軸流ファン10のディスク11に対応する部位に対し、低熱伝導の表面処理層とは逆に高熱伝導材の表面処理層を設け、当該部位おける樹脂の冷却性を高めるようにしてもよい。また、複数枚の翼型ブレード12については、等ピッチ配置あるいは不等ピッチ配置(騒音対策のため)のいずれとしてもよい。
本発明の第1実施形態に係る軸流ファンを用いたファンモータ装置の正面図である。 本発明の第1実施形態に係る軸流ファンの正面図である。 図2に示す軸流ファンの翼型ブレードを1枚だけ切り出した状態の側面図(A)とそれを右側から見た正面図(B)である。 図2に示す軸流ファンの翼型ブレードにおけるコード長方向のブレード厚さの分布図(A)と一般的な従来ブレードのブレード厚さ分布図(B)である。 図4に示すブレード厚さ分布曲線を持つ翼型ブレードのコード長方向の一断面形状を誇張して表示した翼型ブレードの断面比較図である。 図4に示すブレード厚さ分布曲線を持つ翼型ブレードの射出成形時における充填樹脂の流れ具合を時間の等高線で示す比較図(A)および(B)である。 本発明の第2実施形態に係る軸流ファンの翼型ブレードにおけるコード長方向の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る軸流ファンの翼型ブレードにおけるコード長方向の他形態の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る軸流ファンの斜視図である。 図9に示す軸流ファンの翼型ブレードの拡大斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る軸流ファンの成形金型の断面図である。 図11に示す成形金型の冷却水回路の回路図である。 図11に示す成形金型のブレードキャビティ部分の正面図である。 図11に示す成形金型を用いた軸流ファン成形時の各翼型ブレード対応部位の金型温度差と面ぶれとの関係説明図である。
符号の説明
10 軸流ファン
11 ディスク
12 翼型ブレード(羽根)
14 前縁部
15 後縁部
16 外周部
17 根元部
20 負圧面
30 半円形の突起
31 半楕円形の突起
32 半円形から半楕円形に形状変化する突起
40 成形金型
41 固定金型
42 可動金型
50,51 熱電対
52,53 ブレード前縁部の外周端付近に対応する部位(低熱伝導部位)
c コード長
S 面ぶれ許容値
ΔT℃ 金型温度差

Claims (14)

  1. ディスクの周りに複数枚の翼型ブレードが一体に成形されている樹脂製の軸流ファンにおいて、
    前記翼型ブレードの前縁部における厚さが、後縁部の厚さの1.5〜1.8倍とされていることを特徴とする軸流ファン。
  2. 前記翼型ブレードのコード長方向の最大厚さ位置が、前記前縁部からコード長の30〜40%位置とされていることを特徴とする請求項1に記載の軸流ファン。
  3. 前記最大厚さ位置から前記後縁部に向う前記翼型ブレードの厚さ変化が、前記最大厚さ位置からコード長の略75%位置までは上に凸の曲率を有することで大きな厚さ変化を伴い、前記略75%位置から前記後縁部までは下に凸の曲率を有することで厚さ変化が小さくなっていることを特徴とする請求項2に記載の軸流ファン。
  4. 前記翼型ブレードのコード長方向の最大厚さが、前記翼型ブレードの根元部側において前記後縁部厚さの約4倍、外周部側において前記後縁部厚さの約2〜2.5倍とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の軸流ファン。
  5. 前記翼型ブレードの前記前縁部の負圧面側に、少なくとも前記翼型ブレードの中央部付近から外周部にかけて半円形または半楕円形の突起が設けられていること特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の軸流ファン。
  6. 前記翼型ブレードの前記前縁部の負圧面側に、少なくとも前記翼型ブレードの中央部付近から外周部にかけて半円形から半楕円形に漸次形が変化する突起が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の軸流ファン。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載された軸流ファンを射出成形する軸流ファンの成形方法において、
    成形時に、金型の複数枚の前記翼型ブレードに対応する部位の温度を検出し、その複数部位間の金型温度差を所定値以下に制御して成形を開始することを特徴とする軸流ファンの成形方法。
  8. 前記金型温度は、可動金型側と固定金型側とで個別に検出され、それぞれの金型側において前記金型温度差が所定値以下に制御されることを特徴とする請求項7に記載の軸流ファンの成形方法。
  9. 前記金型温度は、前記各翼型ブレードの前記前縁部の外周端付近に対応する部位における温度が検出されることを特徴とする請求項7または8に記載の軸流ファンの成形方法。
  10. 前記金型温度差は、前記軸流ファンの面ぶれ許容値に基づいて予め設定されている所定値以下に制御されることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の軸流ファンの成形方法。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載された軸流ファンの射出成形およびその成形方法に用いられる軸流ファンの成形金型において、
    金型の少なくとも前記各翼型ブレードの前縁部の外周端付近に対応する部位の熱伝導が他の部位の熱伝導よりも低くされていることを特徴とする軸流ファンの成形金型。
  12. 前記金型の低熱伝導部位は、表面処理により他の部位よりも熱伝導が低くされていることを特徴とする請求項11に記載の軸流ファンの成形金型。
  13. 前記表面処理が、セラミックス層または熱硬化性樹脂層からなることを特徴とする請求項12に記載の軸流ファンの成形金型。
  14. 前記金型の低熱伝導部位は、他の部位の金型材料よりも熱伝導率の低い材料で構成されていることを特徴とする請求項11に記載の軸流ファンの成形金型。
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