JP2009197619A - エンジンの排気管構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気ガス浄化装置を装着したエンジンにおいても、必要がある場合に応じて、排気ガスの黒煙濃度を確実に計測できるエンジンの排気管構造を提供すること。
【解決手段】排気ガスを清浄化する排気ガス浄化装置4が装着されたエンジンの排気管構造1であって、エンジン2と排気ガス浄化装置4とを連通させる排気管10を備え、この排気管10には、排気管10内を流れる排気ガスを取り出す取出口11が設けられている構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの排気管構造に係り、特に、排気ガス浄化装置が取り付けられたエンジンの排気管構造に関する。
従来、エンジンから排出される排気ガスは、そのままマフラーを通して排出されており、エンジンに異常が生じた場合において、マフラーから排出される排気ガスの色を目視確認することでエンジンの異常の有無を判断していた。また、白色ろ紙に排気ガスを通したときの着色度(バッカラッカ指数)から、エンジンの異常を判断することもある。ここでのエンジン異常とは、例えばいずれかのエンジン気筒への燃料噴射が良好に制御されず、不完全燃焼が発生する場合であり、このような場合には異常な黒煙が生じることになる。
一方、近年から問題となっている大気汚染を改善するため、エンジンの排気管途中に排気ガス浄化装置を設けることが知られている。このような排気ガス浄化装置としては、スーツフィルタを備えたものが一般的である。排気ガス浄化装置を装着することで、黒煙のもととなる排気ガス中のパーティキュレート・マター(PM(Particulate Matter):粒子状物質)をスーツフィルタにて捕集し、PMが大気中に排出されるのを防止している(例えば、特許文献1)。
特開平11−336528号公報
しかしながら、エンジンの排気管途中に排気ガス浄化装置を装着した場合には、エンジンの異常により生成される黒煙のPM等もスーツフィルタで捕集されてしまうため、マフラーから排出される排気ガスは略無色となり、排気ガス自身の色や、ろ紙での無着色度でエンジンの異常の有無を判断できないという問題がある
本発明の目的は、排気ガス浄化装置を装着したエンジンにおいても、必要がある場合に応じて、排気ガスの黒煙濃度を確実に計測できるエンジンの排気管構造を提供することにある。
本発明の請求項1に係るエンジンの排気管構造は、排気ガスを清浄化する排気ガス浄化装置が装着されたエンジンの排気管構造であって、前記エンジンと前記排気ガス浄化装置とを連通させる排気管を備え、この排気管には、当該排気管内を流れる排気ガスを取り出す取出口が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項2に係るエンジンの排気管構造は、請求項1に記載のエンジンの排気管構造において、前記取出口は、排気ガスの黒煙濃度を計測する黒煙濃度計測装置の引込管が着脱される着脱構造を有していることを特徴とする。
本発明の請求項3に係るエンジンの排気管構造は、請求項2に記載のエンジンの排気管構造において、前記着脱構造は、前記取出口および前記引込管を連結するカプラのプラグまたはソケットで構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係るエンジンの排気管構造は、請求項2または請求項3に記載のエンジンの排気管構造において、前記取出口には、前記引込管が装着された際にのみ、前記排気ガスの取り出しを許容する逆止弁が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項5に係るエンジンの排気管構造は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエンジンの排気管構造において、前記排気管の前記取出口よりも下流側の位置には、取り出した排気ガスを戻す戻し口が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項6に係るエンジンの排気管構造は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のエンジンの排気管構造において、前記排気ガス浄化装置は、前記排気管内にドージング燃料を供給する燃料供給装置を備えており、前記排気管の前記取出口は、前記燃料供給装置によるドージング燃料の供給位置よりも上流側に設けられていることを特徴とする。
以上において、請求項1の発明によれば、排気ガス浄化装置の上流側の排気管内に排気ガスを取り出す取出口を設けるため、排気ガス浄化装置が装着されたエンジンにおいて、排気ガス浄化装置で清浄化される前の排気ガスを取り出すことができる。従って、このような取出口に、例えば黒煙濃度計測装置を接続することで、排気ガスの黒煙濃度を確実に計測でき、エンジンの異常を良好に検知できる。
請求項2の発明によれば、取出口は黒煙濃度計測装置の引込管が着脱される着脱構造を有しているため、常時黒煙濃度計測装置を排気管に装着しておく必要がなく、エンジンの異常の有無を検知したい場合に黒煙濃度計測装置の引込管を排気管に接続すればよい。
請求項3の発明によれば、着脱構造は、カプラのプラグまたはソケットで構成されているため、引込管は取出口に対して容易に着脱できる。
請求項4の発明によれば、取出口には逆止弁が設けられているため、引込管を取出口に装着した場合にのみ排気ガスを引込管に取り出すことができる。このため引込管を取出口から外した場合には、排気管を流れる排気ガスが大気に排出されることを確実に防止できる。
請求項5の発明によれば、引込管によって引き込まれた排気ガスの黒煙濃度を黒煙濃度計測装置で計測するのであるが、戻し管を設けることにより、計測した排気ガスを戻し管から排気管に戻すことができ、排気ガスが排気ガス浄化装置からそのまま大気に排出されることを確実に防止できる。
請求項6の発明によれば、取出口が燃料供給装置の設置部分よりも上流側に位置していることで、燃料供給装置から噴射されるドージング燃料が引込管内に入ることがないため、ドージング燃料により引込管の内部を汚すことがないうえ、排気ガス以外の物質が存在しない状態にでき、計測結果に影響を及ぼすことがない。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態でのエンジンの排気管構造1を含んだ全体概略構成を示す模式図である。図1において、本実施形態のエンジンの排気管構造1は、排気ガス浄化装置4を装着したディーゼルエンジン(以下、単にエンジンと称する)2の異常の有無を検知するために、排気ガス浄化装置4の上流側の排気管10の途中に排気ガスを黒煙濃度計測装置3へ取り出す取出口11が設けられた構造である。
エンジン2には、排気タービン過給機7が取り付けられている。排気タービン過給機7のタービン71が、エンジン2からの排気ガスにて駆動され、このタービン71と共に回転するコンプレッサ72で過給された吸気が図示しないアフタークーラを通って、エンジン2に供給される。また、水冷式のエンジン2は、冷却水がラジエータ8によって冷却され、ラジエータ8への冷却空気は、ディーゼルエンジン2で駆動される冷却ファン9によって送風される。
黒煙濃度計測装置3は、一般にオパシメータ(光透過式黒煙計測器)と呼ばれるものであり、排気タービン過給機7のタービン71側出口と排気ガス浄化装置4とを連通させる排気管10の途中に着脱自在に設置される。黒煙濃度計測装置3は具体的に、屈曲自在な引込管31と、同じく屈曲自在な戻し管32と、計測器33とで構成される。
図2は、排気管10に引込管31および戻し管32が装着される要部を示した図である。図2に示すように、引込管31は、排気管10の排気タービン過給機7側(排気ガスの流れ方向の上流側)に設けられた取出口11にカプラ13を介して装着され、戻し管32も、排気管10の排気ガス浄化装置4側(排気ガスの流れ方向の下流側)に設けられた戻し口12にカプラ13を介して装着される。これにより、排気タービン過給機7のタービン71側出口から排気された排気ガスを、排気ガス浄化装置4の上流側で排気管10から引込管31を介して計測器33に引き入れることが可能である。引き込まれた排気ガスは、計測器33にて黒煙濃度が計測され、戻し管32を通して排気管10へ戻される。そして、計測された黒煙濃度により、エンジン2が異常であるか否かを判定できる。
カプラ13は、取出口11および戻し口12に設けられたプラグ14と、引込管31および戻し管32の先端に設けられたソケット15とで構成されている。プラグ14とソケット15とは、挿抜自在な構造とされ、ソケット15側に設けられた外輪部材16をプラグ14側に螺合させることで、互いを固定することが可能である。そして、取出口11のプラグ14に対して引込管31のソケット15を接続することで、排気管10と引込管31とが連通する。また、戻し口12のプラグ14に対して戻し管32のソケット15を接続することで、排気管10と戻し管32とが連通する。
次に、図3に示すカプラ13の断面図を参照して、カプラ13の構造について説明する。カプラ13のプラグ14内には、逆止弁17が設けられている。
逆止弁17は、プラグ14内のシート部141と、スプリング142と、ボール143とで構成されている。取出口11および戻し口12のプラグ14に対して、引込管31および戻し管32のソケット15が固定されると、ソケット15に設けられた断面逆T字状の押圧部材151が、スプリング142の付勢力に抗してボール143を押圧し、開口部144が開口される。
ソケット15をプラグ14から取り外すと、押圧部材151によって押圧されていたボール143がスプリング142の付勢力によって付勢され、シート部141に当接することで開口部144を閉口することになる。従って、逆止弁17により、ソケット15からプラグ14を外しても、排気管10を流れる排気ガスが取出口11および戻し口12から大気に排出されることがない。
黒煙濃度計測装置3の計測器33は、通過する排気ガスに光を透過させて、その透過率から排気ガスの黒煙濃度等を計測するものである。そのため、計測器33は、投光部34および受光部35を備え、投光部34から受光部35へ光を照射している。投光部34および受光部35が排気ガスにより汚染されることで光の照射の妨げとならないように、外部からの清浄空気(外気)を一種のエアカーテンとして投光部34および受光部35の前面に対して流入させている。流入させた清浄空気は、そのまま外気に流出されるか、または排気ガスと共に戻し管32から排気管10に送り込まれる。
排気ガス浄化装置4は、排気管10の最下流部に取り付けられ、排気ガスの黒煙成分であるPMを除去するものであり、黒煙濃度計測装置3に対して排気ガスの流れ方向の下流側に位置している。排気ガス浄化装置4を構成する筒体40の内部には、排気ガスの流れ方向の上流側に位置する酸化触媒41と、その下流側に位置してPMを捕集するスーツフィルタ42とが収容されている。このような筒体40は、マフラーを兼ねている。また、排気ガス浄化装置4は、排気管10内にドージング燃料(例えば、軽油)を噴射供給する燃料供給装置20を含んで構成されている。
酸化触媒41は、燃料供給装置20によって供給されたドージング燃料を酸化、発熱させるための触媒である。ドージング燃料を酸化、発熱させることにより、排気ガスの温度を上昇させ、この上昇した排気ガスを利用することで、スーツフィルタ42に堆積したPMを自己燃焼させて焼却除去し、スーツフィルタ42を再生させる。
スーツフィルタ42は、詳細な図示を省略するが、多数の小孔を配した構造となっている。小孔は、流入側から流出側に向かって連通しており、その断面は多角形状(例えば、六角形状)に形成されている。小孔としては、流入側で開口して流出側で目封じされたものと、流入側で目封じされて流出側で開口したものとが交互に配置されており、前者の小孔から流入した排気ガスが、境界壁を通過して後者の小孔に抜け、下流側に流出する。そして、その境界壁でPMが捕集される。スーツフィルタ42の材質は、コージュライトや炭化珪素等のセラミックス、または、ステンレスやアルミニウム等の金属からなり、用途に応じて適宜決定される。なお、スーツフィルタ42の流入側には、酸化触媒41とは材質の異なる酸化触媒がウォッシュコート等によりコーティングされていてもよい。
燃料供給装置20は、排気管10内にドージング燃料を噴霧するためのノズル、およびドージング燃料の流量を制御する流量制御弁等で構成され、戻し口12と排気ガス浄化装置4との間に設けられている。燃料供給装置20が取出口11よりも上流側にあると、ドージング燃料が混ざった排気ガスを計測器33に流入させることになる場合があり、黒煙濃度計測に支障をきたすため、本実施形態では、燃料供給装置20の上流側に取出口11を位置させている。また、より好ましくは、本実施形態のように、燃料供給装置20の上流側に戻し口12をも位置させるのがよい。燃料供給装置20が戻し口12よりも上流に位置していると、黒煙濃度の計測中には、排気ガス中にドージング燃料を良好に噴射できないからである。
以上、説明したように、本実施形態によれば、排気管10に取出口11が設けられていることにより、エンジン2の異常の有無を検知する必要性に応じて、排気ガス浄化装置4の上流側で排気管10の途中に黒煙濃度計測装置3を設置でき、排気ガスが排気ガス浄化装置4を通過する前に排気ガスの黒煙濃度を計測できる。そのため、排気ガス浄化装置4を装着した車両においても、従来と同様にエンジン2の異常の有無を確実に検知できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成などを含み、以下に示すような変形なども本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態のエンジン異常検知システム1には、燃料供給装置20や酸化触媒41が設けられたが、スーツフィルタ42の再生方法の違いによっては、それらを省略してもよい。
また、前記各実施形態では、排気タービン過給機7を用いたが、電動モータで駆動される電動式や、エンジン2の出力で駆動される機械式の過給機を用いてもよい。これらの過給機がない場合でも、本発明に含まれる。
前記実施形態の黒煙濃度計測装置3では、計測器33に戻し管32が接続されており、計測器33を通った排気ガスを排気管10に戻す構成としたが、戻し管32の代わりにフィルタが収容された排出部を装着する構成としてもよい。このような場合は、排出部のフィルタでPMが捕集されるため、濃度計測後の排気ガスを排気管10に戻さずに排出でき、戻し管32を不要にでき、排気管10の戻し口12を省略できる。
前記実施形態では、排気管10に計測器33を備えた黒煙濃度計測装置3を装着することで排気ガスの黒煙濃度を計測していたが、計測器33の代わりに白色ろ紙を取り付ける構成としてもよい。この構成においても、白色ろ紙に排気ガスを通したときの着色度(バッカラッカ指数)によってエンジンの異常を検知できるうえ、白色ろ紙がフィルタとなってPMを捕集するので、清浄化された排気ガスをそのまま大気に排出でき、排気管10に戻す戻し管32を不要にできる。
前記実施形態では、ソケット15側に設けられた外輪部材16をプラグ14側に螺合させることで、互いを固定する構成であったが、外輪部材16のスライドによりソケット15をプラグ14にワンタッチ式で係脱する構成としてもよい。
また、排気管10には、取出口11、戻し口12の両方にプラグ14が設けられていたが、一方をソケット15にしてもよい。このような場合、引込管31および戻し管32の一方にプラグ14を設けることになるので、引込管31を誤って戻し口12に接続したり、戻し管32を誤って取出口11に接続したりするのを防止できる。
本発明は、排気ガス浄化装置を装着したエンジンが搭載された車両や、そのようなエンジンで駆動される発電機を備えた発電設備等に好適に利用できる。
本発明の一実施形態に係るエンジン異常検出装置の全体概略構成図。 前記実施形態に係る要部を示す概略図。 前記実施形態に係るカプラの断面図。
符号の説明
1…エンジンの排気管構造、2…ディーゼルエンジン(エンジン)、4…排気ガス浄化装置、10…排気管、11…取出口、12…戻し口、13…カプラ、14…プラグ、15…ソケット、17…逆止弁、20…燃料供給装置、31…引込管、32…戻し管。

Claims (6)

  1. 排気ガスを清浄化する排気ガス浄化装置が装着されたエンジンの排気管構造であって、
    前記エンジンと前記排気ガス浄化装置とを連通させる排気管を備え、
    この排気管には、当該排気管内を流れる排気ガスを取り出す取出口が設けられている
    ことを特徴とするエンジンの排気管構造。
  2. 請求項1に記載のエンジンの排気管構造において、
    前記取出口は、排気ガスの黒煙濃度を計測する黒煙濃度計測装置の引込管が着脱される着脱構造を有している
    ことを特徴とするエンジンの排気管構造。
  3. 請求項2に記載のエンジンの排気管構造において、
    前記着脱構造は、前記取出口および前記引込管を連結するカプラのプラグまたはソケットで構成されている
    ことを特徴とするエンジンの排気管構造。
  4. 請求項2または請求項3に記載のエンジンの排気管構造において、前記取出口には、前記引込管が装着された際にのみ、前記排気ガスの取り出しを許容する逆止弁が設けられている
    ことを特徴とするエンジンの排気管構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエンジンの排気管構造において、
    前記排気管の前記取出口よりも下流側の位置には、取り出した排気ガスを戻す戻し口が設けられている
    ことを特徴とするエンジンの排気管構造。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のエンジンの排気管構造において、
    前記排気ガス浄化装置は、前記排気管内にドージング燃料を供給する燃料供給装置を備えており、
    前記排気管の前記取出口は、前記燃料供給装置によるドージング燃料の供給位置よりも上流側に設けられている
    ことを特徴とするエンジンの排気管構造。
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