JP2009195583A - 微小針状突起物製剤を集積させたシートを製造する方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】微小針状突起物製剤を1平方センチメートルあたりの面積に約100本集積させたシートの製造において、高精度で安価に大量に製造する方法および製造装置が求められている。
【解決手段】長さ100〜700マイクロメートル、底部直径100〜500マイクロメートルの微小針状突起物製剤を集積させたシートの製造において、柔軟性基板に目的物質および基剤の混和物から成る濃厚な液体を遠心力を利用して充填しながら乾燥して硬化させることにより高精度で1ステップの工程で製造する方法および製造装置を開発することにより上記課題を解決した。
【選択図】 図2
【解決手段】長さ100〜700マイクロメートル、底部直径100〜500マイクロメートルの微小針状突起物製剤を集積させたシートの製造において、柔軟性基板に目的物質および基剤の混和物から成る濃厚な液体を遠心力を利用して充填しながら乾燥して硬化させることにより高精度で1ステップの工程で製造する方法および製造装置を開発することにより上記課題を解決した。
【選択図】 図2
Description
皮膚の美白やエイジング防止の目的で用いられている化粧品用の成分や薬物の経皮的吸収および経粘膜吸収を可能とするために本発明者が先に発明した例えば長さ約500マイクロメートル、底部直径約300マイクロメートルの微小の針状製剤を1平方センチメートルあたりに数十〜数百本の集積度で構築させたシートおよびその連続物を製造するための製造方法および装置に関するものである。
皮膚の美白やエイジング防止などの目的で、ビタミンC、トコフェロール、ヒアルロン酸などが化粧品の成分として用いられている。通常の化粧品クリームなどの製剤化を行っても角質層を含む皮膚表皮層がバリアー機能を有しているために、これらの成分を皮膚の真皮層にまで浸透させることは困難である。またインスリン、成長ホルモン、エリスロポエチン、インターフェロンなどのペプチド・蛋白薬を初めとした皮膚透過性の低い薬物の経皮的吸収を試みて吸収促進剤、イオントフォレシス、ソノフォレシスなどの各種の物理的手法も試みられてきているが、十分な吸収量が得られず、実用化にまでは至っていない。本発明者は先に微小の針状又は糸状の経皮吸収製剤を発明した(特許文献1)。微小の針状又は糸状の突起物を構築したパッチ状の経皮吸収製剤(貼付剤)における突起物の実用的な長さは約100〜700マイクロメートル、底部外径が約50〜500マイクロメートルであり、皮膚の表皮あるいは表皮と真皮の間に至るまでの浅い部位に挿入することにより皮膚表皮層の透過性の低い化合物の皮膚からの吸収を可能とするDDS技術である。マイクロニードルシートの製造法および製造装置に関する特許(特許文献2)も開示されているが、逆円錐状の細孔の先端にまでほぼ100%の高い精度で充填することはできなかった。化粧品成分や薬物などの目的物質を高精度で安価に微小針状突起物製剤シート製剤とする製造方法および製造装置の開発が望まれている。
微小の針状又は糸状の経皮吸収製剤に関する発明者の先の特許(特許文献1)においては、シリコーン樹脂などの柔軟性物質(ソフトマテリアル)あるいは熱可塑性物質を基板に用いその表面に1平方センチメートルの大きさの1ブロックあたりに数十〜数百個の先細りの細孔を形成し、得られた基板の細孔の中に目的物質および基剤から成る濃厚液を加圧下押し込むあるいは回転させながら遠心力にて押し込み、加圧もしくは加重力条件下にて乾燥させた後に支持体を押しつけて剥離することにより効率良く微小針状突起物製剤シート製剤を作成していたが、製造を考えると装置化する必要に迫られていた。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、先ずシリコーン樹脂、ポリプロピレンシートなどのソフトマテリアルあるいは熱可塑性物質を基板に用い、その表面に1ブロック(1平方センチメートル)あたり数十〜数百個の先細りの細孔を形成した基板を製造した。得られた基板を1個ずつあるいは連続的に並べておき、その細孔の中に目的物質および基剤とを混和した濃厚液を連続的に塗布していく塗布部、塗布した後の基板を回転ドラムに装着して回転させながら目的物質と基剤を遠心力にて細孔内に押し込み、加重条件下にてワンステップで脱気・乾燥・硬化させる回転ドラム部、および支持体を押しつけて取り出す剥離部からなる微小針状突起物製剤シートの製造方法および製造装置を発明した。
本発明の製造法および製造装置により、目的物質および基剤の混和物をソフトマテリアルなどから作られた基板上に形成された先細りの細孔の先端にまで充填しながら一気に乾燥・硬化を行い、高さ100〜700マイクロメートル、底部直径50〜500マイクロメートルの微小針状突起物を高い精度でもって1平方センチメートルあたり数十〜数百本の集積度で構築したシートを製造することができる。
シリコーン樹脂、ポリプロピレンシートなどのソフトマテリアルあるいは熱可塑性物質を用いその表面に深さが100〜700マイクロメートル、開口部直径が50〜500マイクロメートルの数十〜数百個の先細りの細孔を作成することにより基板を先ず作成する。
得られた基板を1個ずつあるいは連続的に並べておき、その細孔の中に目的物質および基剤の混和物から成る濃厚液を連続的に塗布していく塗布部を作成する。
塗布した後の基板を回転ドラムに装着して、回転させながら目的物質と基剤を遠心力にて細孔内に充填し、加重力条件下にてワンステップで充填・乾燥・硬化を行う回転ドラム部を作成する。
支持体を押しつけるかあるいは貼って取り出す剥離部を作成する。
以上の各機能ユニットを連続的に結合することにより本製造装置を完成した。
本発明を以下の実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
本発明を以下の実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
本実施の形態における実施例を以下に示す。
金属板を用い1平方センチメートルのブロック毎に長さ約500マイクロメートル、底部直径約300マイクロメートルの円錐状の針を10行10列で100本構築することによりマスターの型を作成した。
シリコーン樹脂および硬化剤(信越化学製、KE-1402およびCAT-1402)を混和し、脱気した後、金属製の型枠に入れる。金属製のマスターの型を蓋にして被せ、シリコーン樹脂を硬化させた。硬化後、型枠から取り出し、1平方センチメートルのブロック毎に深さ約500マイクロメートル、開口部直径約300マイクロメートルの100個の逆円錐状細孔を有するシリコーン製基板を得た。
精製水10mlにアスコルビン酸(ナカライテスク)の0.1gを加えて溶解した後コンドロイチン硫酸Cナトリウム(ナカライテスク)の10gを加えて良く攪拌した。得られた濃厚液をシリコーン製基板上に塗布した。
10個のシリコーン製基板を内径30センチメートルの回転ドラムの内側に相似形となるように装着し、毎分1500回転で20分間回転させることにより充填・乾燥・硬化を行った。
回転を止め、ドラムからシリコーン製基板を取り出し、布絆創膏(ニチバン、ニチバン株式会社)を貼り付けて基板から剥離することにより長さ500マイクロメートル、底部直径300マイクロメートルの微小の針状製剤を1平方センチメートルあたり100本構築させたシートを製造した。
金属板を用い1平方センチメートルのブロック毎に長さ約500マイクロメートル、底部直径約300マイクロメートルの円錐状の針を10行10列にて100本構築することによりマスターの型を作成した。
マスターの金属型を加熱し、長さ30センチメートル幅3センチメートルのポリプロピレン製のシート(フラットファイルPP、コクヨ株式会社)に連続的に押し当てていくことにより深さ約500マイクロメートル、開口部直径約300マイクロメートルの逆円錐状の細孔を25000個有するポリプロピレン製基板を得た。この基板を回転ドラムの内側に装着した。
精製水1mlにアスコルビン酸(ナカライテスク)の0.1gを加えて溶解した後ヒアルロン酸ナトリウム(紀文フードケミファ、ヒアルロン酸FCH60)10gを加えて良く攪拌する。得られた濃厚液を隙間1.0ミリメートル幅1.5センチメートルの幅広ノズルから絞り出しながらドラムを回転させて基板に塗布した。
ドラムを毎分1500回転で20分間回転させることにより充填・乾燥・硬化を行った。
回転を止め、ドラムから基板を取り出し、布絆創膏(ニチバン、ニチバン株式会社)を貼り付けて基板から剥離することにより長さ500マイクロメートル、底部直径300マイクロメートルの微小の針状製剤を25000本構築させたシートを製造した。
化粧品用成分、薬物など皮膚透過性の低い薬物の経皮吸収を可能とする微小の針状経皮吸収製剤を構築したシートの量産を意図した製造法および製造装置を発明した。
以上、本発明に係る微小の針状経皮吸収製剤を構築したシートの製造方法および製造装置について詳細に記述したが、本発明は上記の例には限定されず、本発明の要旨から逸脱しない範囲において改良および変形を行うことは可能である。
Claims (5)
- 長さ100〜700マイクロメートル、底部直径50〜500マイクロメートルの微小針状突起物製剤を1平方センチメートルあたりの表面に50から200本集積させたシートの製造において、柔軟性基板に施した先端が細くなった細孔に目的物質と基剤の混和物の濃厚溶液を遠心力を利用して充填しながら乾燥して硬化させることにより高精度で1ステップの工程で製造する方法。
- 基剤がタンパク質、多糖類、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、及びポリアクリル酸ナトリウムなどいずれも少量の水に溶解されると糊状の曳糸性を有する物質である請求項1に記載の微小針状突起物製剤からなるシートを製造する方法。
- 目的物質が薬物、化粧品用成分である請求項1に記載の微小針状突起物製剤からなるシートを製造する方法。
- 柔軟性基板がシリコーン樹脂、ポリプロピレン製シート、熱可塑性物質のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の微小針状突起物製剤からなるシートの製造方法。
- 微小針状突起物製剤を1平方センチメートルあたりの表面に50から200本集積させたシートおよびその連続物を製造する装置において、先細りの細孔を有する柔軟性基板に目的物質と基剤の混和物の濃厚溶液を塗布する部分と、塗布した基板を回転させることにより充填・乾燥・硬化のプロセスを高精度で1ステップで行う回転ドラム部分と、支持体を付着して取り出す剥離部とを有し、微小針状突起物製剤を集積させたシートおよびその連続物シートを製造する装置。
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2008
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