(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では本発明を弾球遊技機の一例であるパチンコ機の遊技制御基板収容ケースに適用した構成を説明するが、スロットマシンの遊技制御基板を収容するための遊技制御基板収容ケースに対しても容易に適用することができる。
図1に示すように、第1実施形態に係るパチンコ機(遊技機)10の前面部には、主として、外枠12と、内枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、発射ハンドル24などが設けられている。
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。内枠14は、全体がブラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。また、内枠14の右端中央からやや下方には、施錠装置22が設けられている。
前面枠16は、本発明の前面扉の一具体例を示すもので、パチンコ機10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、内枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16は、全体がプラスチック製であり、遊技盤26(図3参照)を前方から視認するべく、遊技盤26に形成された遊技領域28(図3参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部30を有している。また、前面枠16の裏面には、ガラス板32がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤26に形成された遊技領域28はガラス板32の後方に位置するようになっている。
また、前面枠16の下方側には、上皿部18が設けられている。この上皿部18には、演出ボタン40と、球貸操作部155と、がそれぞれ設けられている。
また、上皿部18の下方側には、下皿部20が設けられている。また、下皿部20の右下方側には、遊技球を発射させるための発射ハンドル24が設けられている。この発射ハンドル24には、発射レバー44と、発射停止ボタン46がそれぞれ設けられている。
また、下皿部20の左右下方側には、所定の効果音を出力するための各サブスピーカ48がそれぞれ設けられている。
また、内枠14には、遊技領域28の形状に合致した開口部(図示省略)が形成されている。この内枠14の内側面には、遊技盤26が取り付けられる。これにより、遊技者は、遊技盤26の遊技領域28を内枠14の開口部及び前面枠16の開口部30を通して視認することができる。
さらに、パチンコ機10の正面左側には、球貸装置(遊技媒体貸出部)154が設けられている。本実施形態では、球貸装置154として、CRユニットが適用されている。この球貸装置154には、プリペイドカードを挿入するカード挿入口157が形成されている。なお、球貸装置154として、現金ユニットを設けた構成でもよい。この現金ユニットには、カード挿入口157に替えて、現金を入れるための現金投入口(図示省略)が形成されている。
また、球貸操作部155には、球貸しを要求するための球貸スイッチ(貸出操作手段)156、カード挿入口157に挿入されたプリペイドカードの返却を要求するための返却スイッチ158と、がそれぞれ設けられている。
例えば、球貸装置154のカード挿入口157にプリペイドカードを挿入すると、プリペイドカードの記憶情報が球貸装置154内部のカードリードライタにより読み取られる。プリペイドカードの残り度数が「0」である場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。一方、プリペイドカードの残り度数が「0」でない場合には、球貸スイッチ156を押圧操作すると、カードリードライタによりプリペイドカードの残り度数が減算されてプリペイドカードの記憶情報が書き換えられると共に、その減算された度数(貸出金額)に対応する個数の遊技球(貸球)が払出装置(遊技媒体払出手段)161から上皿部18に案内される。このとき、例えば、プリペイドカードの残り度数が減算されて「0」となった場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。
なお、球貸装置154として現金ユニットを用いる構成では、球貸装置の現金投入口に現金を投入すると、現金が球貸装置内部のキャッシュカウンタによりカウントされる。投入金額が所定の額に到達した後、球貸スイッチを押圧操作すると、キャッシュカウンタにより投入金額が減額されていくとともに、その減額された金額(貸出金額)に対応する個数の遊技球(貸球)が払出装置161から上皿部18に案内される。
図2に示すように、パチンコ機10の内枠14には、遊技盤26の背面側を覆うように裏機構盤200が取り付けられている。この裏機構盤200には、主として、払出制御基板104を収容した払出制御基板ケースセット202と、発射制御基板108を収容した発射制御基板ケースセット204と、パチンコ機10に対して電源を供給する電源基板206を収容した電源基板ケースセット208と、がそれぞれ取り付けられている。これらの各基板ケースセット202、204、208は、組み付け後に、外枠12を通してパチンコ機10の背面側に突出するように構成されている。
次に、遊技盤26の表面構造について説明する。
図3に示すように、遊技盤26は、内枠14に保持されるとともに、裏機構盤200によりその背面側が覆われている。遊技盤26には、遊技盤26の表面に設けられた外レール50と内レール52とにより略円形状の遊技領域28が形成されている。遊技領域28の内部には、中央装置54と、始動口56Bと、ワープ入球口58と、多数の障害釘60等と、がそれぞれ配設されている。
中央装置54は、遊技領域28の略中央部に配置されており、演出図柄表示装置62と、センター役物64と、ランプ装置66と、を備えている。
演出図柄表示装置62は、主制御基板(遊技制御基板)102(図5参照)やサブ制御基板106(図5参照)からの制御信号に基づいて表示制御されており、略長方形状の表示面(表示領域)を有している。この表示面上には、特別図柄の演出図柄が表示される。具体的には、演出図柄表示装置62の表示面上には、1又は複数の演出図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する演出図柄表示領域が形成されている。すなわち、左演出図柄を表示する左演出図柄表示領域、中央演出図柄を表示する中央演出図柄表示領域、及び右演出図柄を表示する右演出図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各演出図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の演出図柄が順次表示されていく。
演出図柄表示装置62は、遊技球が始動口56Bに入球することにより、その表示面の表示領域に表示される各演出図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、演出図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置80に配設された大入賞装置84の大入賞口86が開放される。本実施形態のパチンコ機10では始動口56Bに遊技球が入球すると、各演出図柄がそれぞれ変動され、演出図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、例えば、大当りとして2種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。
確変大当り及び通常大当りは、比較的多くのラウンド数(例えば、15ラウンド)を有し、大入賞口86の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。なお、各大当りでは、大入賞口86に所定数(例えば、10個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数(例えば、10個)の遊技球が入球しなくても所定時間(例えば、26秒間)が経過したときに大入賞口86が閉じられて1ラウンドが終了する。
また、確率変動状態は、大当り(確変大当り及び通常大当りの2種類の大当りを意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、開放時間延長状態は、始動口56Bの開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。なお、始動口56Bは、普通図柄の抽選に当選することにより開放するもので、普通電動役物として機能する。
また、確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となる、特別図柄の確率変動状態になる。そして、次回大当りが発生するまでの間か、あるいは規定回数(例えば、10000回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの間、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する。また、通常大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。
センター役物64は、演出図柄表示装置62の前面周辺部に突設して装着されている。センター役物64は、可動する一対の翼片部64Aを有している。この翼片部64Aの可動によりワープ入球口58の開口面積が変化する。
また、遊技領域の左下方側には、主制御基板102からの制御信号に基づいて識別図柄(特別図柄の識別図柄及び普通図柄の識別図柄を意味する)を表示制御する7セグ表示基板(図柄表示装置)68が配置されている。この7セグ表示基板68は、特別図柄の識別図柄を表示する7セグメント表示器70と、4個の普通図柄保留表示LED72と、4個の特別図柄保留表示LED74と、普通図柄の識別図柄を表示する2個の普通図柄表示LED76と、を有している。
ここで、確変大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた識別図柄(例えば、奇数の数字からなる確変大当り図柄)が停止表示される。また、通常大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた別の識別図柄(例えば、偶数の数字からなる通常大当り図柄)が停止表示される。
また、演出図柄表示装置62の左側には、普通図柄作動ゲート78が配置されている。この普通図柄作動ゲート78の内部には、ゲートスイッチ124(図5参照)が配設されている。これにより、遊技球が普通図柄作動ゲート78を通過すると、ゲートスイッチ124が作動して、7セグ表示基板68の普通図柄表示LED76が変動表示される。
各普通図柄保留表示LED72及び各特別図柄保留表示LED74は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器70の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート78を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、始動口56Bに入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器70の変動表示が開始する度に、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED74は消灯される。また、普通図柄も普通図柄表示LED76の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED72が消灯される。そして、7セグメント表示器70に予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、大入賞口86が開放状態となる。また、2個の普通図柄表示LED76が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、始動口56Bが開放状態となる。なお、7セグメント表示器70にて表示される特別図柄の識別図柄と、演出図柄表示装置62にて表示される特別図柄の演出図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。
始動口56Bは、演出図柄表示装置62の下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部材56Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ120(図5参照)と、翼片部材56Aを作動させるための始動口ソレノイド130(図5参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部材56Aが左右に開くと始動口56Bの開放面積が大きくなって遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部材56Aが閉じその離間距離が小さくなると始動口56Bの開放面積が小さくなって遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置80は、始動口56Bの下方に配置されており、基板82と、大入賞装置84と、を備えている。ここで、大入賞装置84は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口86と、この大入賞口86を開放又は閉鎖する開閉板88と、この開閉板88を開閉するための大入賞口ソレノイド132(図5参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ126(図5参照)と、を備えている。
また、中央装置54の左側下方部には、風車63が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方部には、一対のサイドランプ90がそれぞれ配置されている。
また、遊技盤26の下方にはアウト口92が設けられており、このアウト口92の下部にはバック球防止部材94が設けられている。このバック球防止部材94は、遊技領域28に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール52の先端部には、ファール球防止部材96が取り付けられている。
ここで、図4に示すように、遊技盤26の裏面には、主制御基板102を収容した主制御基板ケースセット(遊技制御基板収容部材)210と、サブ制御基板106を収容したサブ制御基板収容セット212と、がそれぞれ取り付けられている。主制御基板ケースセット210の詳細な構成については、後述する。
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置について説明する。
図5及び図6に示すように、電子制御装置は、主制御基板102と、払出制御基板104と、サブ制御基板106と、発射制御基板108と、を備えている。
図5に示すように、主制御基板102は、CPU102Aと、ROM102Bと、を備えている。
また、主制御基板102のCPU102Aは、ROM102Bに記憶されたデータに基づいて、始動口ソレノイド130、大入賞口ソレノイド132、図柄表示装置134及びサブ制御基板106をそれぞれ制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技状態を判断するものである。
特に、CPU102Aは、始動口56Bへの遊技球の入球を契機として、大当り抽選処理(特別遊技抽選処理)を実行し、任意の乱数(特別図柄当否判定乱数)を用いて当否を判定する機能を備えている。また、特別図柄の当否判定の実行に伴って、CPU102Aは、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する機能も備えている。
この識別図柄の変動パターンは、演出図柄表示装置62に表示される各演出図柄の演出パターン(遊技演出)に対応するもので、CPU102Aが行う「識別図柄の変動パターンの決定」は、「演出図柄の演出パターン(遊技演出)の決定」に相当する。そして、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(演出図柄の演出パターン)が決定されると、7セグメント表示器70で特別図柄(識別図柄)の変動表示が開始されるとともに、演出図柄表示装置62で演出図柄の変動表示が開始され、決定された変動パターンにより特定される変動時間が経過すると、特別図柄および演出図柄が停止表示され、その停止表示された演出図柄の図柄組み合わせ態様により、特別図柄の当否判定結果(大当り抽選結果)が遊技者に報知される。なお、演出図柄表示装置62は、遊技盤26の表面(盤面)略中央に、遊技者の視野に入り易い状態で配置される。一方、7セグメント表示器70は、遊技盤26の表面(盤面)の端部(本実施形態では盤面左側端部)に、遊技者の視野に入り難い状態で配置される。このことから、遊技者は演出図柄表示装置62の表示内容に注目して遊技を行うのが一般的である。
そして、CPU102Aは、上述した演出図柄の変動表示及び停止表示の制御を行うサブ制御基板106、盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入球することで発生する賞球の払い出し制御を行う払出制御基板104を直接的に制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116を、サブ制御基板106を介して間接的に制御する。
主制御基板102のROM102Bには、CPU102Aにより実行される遊技全体の制御を実現するためのプログラムが記憶されている。
また、主制御基板102は、中継端子板118を介して、始動口スイッチ120と、大入賞口スイッチ122と、ゲートスイッチ124と、カウントスイッチ126と、にそれぞれ電気的に接続されている。
また、主制御基板102は、中継端子板128を介して、始動口ソレノイド130と、大入賞口ソレノイド132と、図柄表示装置134と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、7セグ表示基板68は、図柄表示装置134の一実施形態である。
払出制御基板104は、中継端子板136を介して、ガラス枠スイッチ138と、外部タンクスイッチ140と、タンクスイッチ142と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板144を介して、エラーLED146に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、下皿満タンスイッチ148に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板150を介して、球貸表示基板152と、球貸装置(CRユニット)154と、にそれぞれ電気的に接続されている。
なお、球貸表示基板152には、球貸スイッチ156と、返却スイッチ158と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板160を介して、払出モータ162を備えた払出装置161と払出スイッチ164とにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板104は、主制御基板102と発射制御基板108とにそれぞれ電気的に接続されている。
図5及び図6に示すように、サブ制御基板106は、演出表示基板110と、アンプ基板112と、装飾駆動基板114と、演出ボタン基板116と、にそれぞれ電気的に接続されている。
また、サブ制御基板106は、主制御基板102からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。また、サブ制御基板106は、CPU106Aと、ROM106Bと、を備えている。
サブ制御基板106のCPU106Aは、主制御基板102からの制御信号を受けて演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116などの各基板を制御する。
ROM106Bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。
図6に示すように、演出表示基板110には、演出表示装置166(62)と、演出表示ROM168と、がそれぞれ電気的に接続されている。この演出表示ROM168には、演出図柄表示装置62に変動表示及び停止表示される演出図柄のデータ(画像データ)が記憶されている。なお、演出図柄表示装置62は、演出表示装置166の一実施形態である。
また、アンプ基板112には、所定の効果音を出力する各種スピーカ170(48)が電気的に接続されている。なお、サブスピーカ48は、各種スピーカ170の一実施形態である。
また、装飾駆動基板114には、各種LED・ランプ172(66)が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。特に、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号に基づいて、各ランプ装置66の発光を制御する。また、演出ボタン基板116には、操作スイッチ174(40)が電気的に接続されている。なお、ランプ装置66は、各種LED・ランプ172の一実施形態である。また、演出ボタン40は、操作スイッチ174の一実施形態である。
次に、主制御基板ケースセット210の詳細な構成について説明する。
なお、払出制御基板ケースセット202の構成については、主制御基板ケースセット210の構成と同様であるため、説明を省略する。また、サブ制御基板ケースセット212、発射制御基板ケースセット204及び電源基板ケースセット208については、不正対策の必要性が低く、単に係合させるだけの簡略な構成が採用されているため、説明を省略する。
図7に示すように、主制御基板ケースセット210は、基板ケース(収容部材本体)214と、ケースカバー(収容部材蓋体)216と、基板ケース214とケースカバー216との接合状態を維持させるボルト部材(固着具)218と、ボルト部材218と螺合するナット部材250と、で構成されている。
基板ケース214は、内部で主制御基板102を保持するためのケースであり、無色透明の樹脂で構成されている。基板ケース214の外側表面には、無色透明の樹脂製の第1フランジ部(第1鍔部材)220が一体形成されている。この第1フランジ部220の第1突出片部(後述)240には、ボルト部材218が挿入される第1挿入孔(第1孔部)222が第1フランジ部220の第1突出片部240の厚み方向に延びるように形成されている。この第1挿入孔222の径(直径)は、ボルト部材218の軸部218Aの径(直径)と同じか、あるいは若干大きくなるように設定されている。
ここで、図8及び図9に示すように、第1フランジ部220には、上記した第1挿入孔222が形成された第1突出片部240と、第1フランジ部220の外壁を大きく切り欠いて形成された開口孔部242と、第1挿入孔222の底部として機能する平面部246を備えた第2突出片244と、が形成されている。第2突出片部244の平面部246には、ナット部材250が載置される。このナット部材250は、開口孔部242に位置しており、基板ケース214をパチンコ機10の内部から取り出したときに、開口孔部242からナット部材250にアクセスすることができる。このため、ボルト部材218とナット部材250とを螺合させるときには、開口孔部242にあるナット部材250を把持して固定し、ボルト部材218を所定の方向に回転させることにより容易に螺合することができる。一方、基板ケース214がパチンコ機10の内部に取り付けられた状態では、開口孔部242の近傍にパチンコ機10の構成部品が位置することになるため、開口孔部242からナット部材250を把持することができないようになっている。これにより、基板ケース214が遊技盤26の裏面に設置されると、不正行為者の他に、ホール関係者もナット部材250に触れることができなくなる。
さらに、第2突出片部244の平面部246には、爪部材(回転調整手段)248が設けられている。図10に示すように、この爪部材248は、所定の弾性力を備えており、ナット部材250の外周面に形成された突起部(突状部)252と係合する。詳細には、ナット部材250が回転方向一方側(図10中矢印A方向側)に回転しようとするときに、爪部材248がナット部材250の外周面の突起部252と係合してナット部材250の回転方向一方側への回転を阻止する。一方、ナット部材250が回転方向他方側(図10中矢印B方向側)に回転しようとするときに、爪部材248はナット部材250の外周面の突起部252とは係合せず、ナット部材250の回転方向他方側への回転を許容する。このように、爪部材248は、ナット部材250の回転方向一方側への回転を阻止するとともに、回転方向他方側への回転を許容して、ナット部材250の回転を調整する回転調整部材(回転調整手段)として機能する。
図7に示すように、ケースカバー216は、基板ケース214に接合して基板ケース214との間で主制御基板102を囲むように覆う樹脂製で無色透明のカバーである。ケースカバー216の外側表面には、無色透明の樹脂製の第2フランジ部(第2鍔部材)224が一体形成されている。この第2フランジ部224には、ピン部材218が挿入される第2挿入孔(第2孔部)226が第2フランジ部224(ケースカバー216)の厚み方向に貫通するように形成されている。この第2挿入孔226は、内径が比較的大きく設定された拡径孔部226Aと、拡径孔部226Aと連通し拡径孔部226Aの径(直径)よりも小さな径の縮径孔部226Bと、で構成されている。拡径孔部226Aの径(直径)は、ボルト部材218を構成するヘッド部218Bの径(直径)と同じか若干大きく設定されている。また、縮径孔部226Bの径(直径)は、軸部218Aの径(直径)と略同じ径か、あるいは若干大きい径(直径)となるように設定されている。
図9に示すように、ボルト部材218が第2挿入孔226の開口部228(図7参照)から内部に挿入しナット部材250と螺合した状態では、ヘッド部218Bが拡径孔部226Aと縮径孔部226Bとの段違い部230に係合するため、ボルト部材218の第2挿入孔226の深さ方向へのさらなる移動が阻止され、ボルト部材218が第1挿入孔222の内部から第2挿入孔226の内部に跨った状態で位置決めされる。
次に、固着具の詳細な構成について説明する。
図8及び図9に示すように、固着具は、ボルト部材218と、ナット部材250と、で構成されている。ボルト部材218は、金属又は樹脂で構成されており、所定の方向に延びる軸部218Aと、軸部218Aの軸方向一方側端部に設けられ軸部218Aの径(直径)よりも大きな径(直径)のヘッド部218Bと、で構成されている。また、軸部218Aの外周面には雄ねじが形成されている。また、ナット部材250は、金属又は樹脂で構成されており、その中央部には、厚み方向に関する貫通孔256が形成されている。この貫通孔256の内周面には、軸部218Aの雄ねじと螺合する雌ねじが形成されている。図10に示すように、ナット部材250の外周面には、複数の突起部252が形成されている。この突起部252の突起部252は、方向性を持ったものであり、ナット部材250が回転方向一方側(図10中矢印A方向側)に回転しようとすると、ナット部材250は、爪部材248と係合し、ナット部材250の回転方向一方側への回転が阻止される。この結果、ボルト部材218が回転方向一方側に回転した場合でも、ナット部材250は固定された状態になり、ボルト部材218とナット部材250との螺合度が進行する。一方、ナット部材250が回転方向他方側(図10中矢印B方向側)に回転しようとすると、ナット部材250と爪部材248とは係合せず、ナット部材250の回転方向他方側への回転が許容される。この結果、ボルト部材218が回転方向他方側に回転した場合には、ナット部材250は、ボルト部材218と共に回転(共回り)する。このため、ボルト部材218とナット部材250とが既に螺合している状態で、ボルト部材218が回転方向他方側に回転しても、ナット部材250は、ボルト部材218と共回りするだけ、両者の螺合は解消されない。
なお、図9に示すように、ボルト部材218とナット部材250とが螺合した状態では、ナット部材250は、第2突出片部244の平面部246に載置された状態になるが、特に、第2突出片部244に穴部(図示省略)を形成し、この穴部にナット部材250を置くことにより、ナット部材250を第2突出片部244上で位置決めすることができる。
次に、基板ケース214及びケースカバー216に対する固着具の装着方法について説明する。基板ケース214及びケースカバー216に対する固着具の装着は、基板ケース214及びケースカバー216が遊技盤26の裏面に装着される前、換言すると、パチンコ機10から取り出されている状態で行われる。
図7に示すように、基板ケース214の第1フランジ部220とケースカバー216の第2フランジ部224とを面接させ、第1挿入孔222と第2挿入孔226とを連通させる。これにより、第1挿入孔222と第2挿入孔226の縮径孔部226Bとが接続して、1つの連通孔になる。
次に、図8に示すように、ケースカバー216の第2フランジ部224の第2挿入孔226の開口部228から固着具を構成するボルト部材218を挿入する。このとき、ボルト部材218の軸部218Aの先端部が第2挿入孔226の拡径孔部226Aから縮径孔部226Bに到達し、やがて基板ケース214の第1突出片部240に形成された第1挿入孔222に至る。
ボルト部材218の軸部218Aの先端部が第1挿入孔222を通過すると、開口孔部242に到達する。ここで、開口孔部242であって第2突出片部244上にはナット部材250が設けられており、ナット部材250の突起部252に爪部材248が係合した状態で、ボルト部材218の軸部218Aの先端部をナット部材250の貫通孔256に挿入させる。そして、ボルト部材218を回転方向一方側(図10中矢印A方向側)に回転させる。
ボルト部材218を回転方向一方側に回転させると、図10に示すように、爪部材248とナット部材250の突起部252とが係合状態を維持することから、ナット部材250は、ボルト部材218と共に回転方向一方側に回転しようとしても回転できない状態になる。すなわち、ナット部材250は、回転方向一方側に向かう回転力を受けた場合でも、固定された状態になる。このため、ボルト部材218のナット部材250に対する相対的な回転が可能になる。この結果、図9に示すように、ボルト部材218とナット部材250の螺合度合いを進めることができる。このように、ボルト部材218とナット部材250とを螺合することにより、基板ケース214とケースカバー216との接合状態を維持することができ、不正行為を防止できる。このようにして、ボルト部材218とナット部材250とを螺合させた後、基板ケース214を遊技盤26の裏面に取り付ける。
なお、ボルト部材218がナット部材250に完全に螺合した状態では、ボルト部材218のヘッド部218Bが段違い部230に係合するとともに、ボルト部材218の軸部218Aの先端部が第2突出片部244に形成されたねじ(雌ねじ)穴254に螺合した状態になる。これにより、ボルト部材218が基板ケース214に固定される。
ここで、図10に示すように、不正行為者がボルト部材218を回転方向他方側(図10中矢印B方向側)に回転させると、爪部材248とナット部材250の突起部252との係合状態が解除される。このため、ナット部材250は、爪部材248で固定されることがなくなり、ボルト部材218の回転力を受けてボルト部材218と共回りする。すなわち、ボルト部材218を回転方向他方側に回転させた場合でも、ボルト部材218がナット部材250に対して相対的に回転することなく、ナット部材250と共に回転方向他方側に回り続ける。詳細には、ナット部材250が回転方向他方側に回転した場合には、爪部材248が突起部252の先端部を撫でるように接触するだけ、両者が係合することがない。これにより、ボルト部材218を回転方向他方側に回転させた場合でも、ボルト部材218とナット部材250との螺合状態を解除することができない。この結果、不正行為者がボルト部材218を回転方向他方側に回転させようとしても、ボルト部材218とナット部材250との螺合状態は解除されず、ケースカバー216と基板ケース214とを分離させることができなくなるため、不正行為を防止できる。また、基板ケース214及びケースカバー216が遊技盤26の裏面に取り付けられた状態では、開口孔部242の近傍に他の構成部材が位置するため、ナット部材250が他の構成部材に遮られた状態になる。このため、基板ケース214を遊技盤26に一旦取り付けると、不正行為者がナット部材250に接触することは不可能となる。このようにして、ボルト部材218を引き抜くという不正行為を防止することができる。
以上のように、第1実施形態では、ボルト部材218とナット部材250との螺合状態を維持することができるため、ボルト部材218の取り出しが不可能になり、内部に収容されている主制御基板102に対する不正行為を防止できる。
また、基板ケース214、ケースカバー216、ボルト部材218又はナット部材250を強引に破損あるいは破断させて、ケースカバー216と基板ケース214とを分離させることも物理的には可能であるが、かかる場合には、基板ケース214、ケースカバー216、ボルト部材218又はナット部材250に破損あるいは破断の痕跡が残ることになる。この結果、不正行為が行われた事実を容易かつ確実に発見することができる。
特に、ボルト部材218又はナット部材250を樹脂で構成し、少しの不正行為でも容易に破損するように設定しておけば、その痕跡を直ちに残すことができ、不正行為の事実を認識することができる。また、同様の理由により、ボルト部材218又はナット部材250をゴムで構成するようにして、ボルト部材218又はナット部材250を容易に破損等することができるようにしてもよい。
また、ナット部材250及び突起部252に、油、オイル、グリースなどを付着させて、ナット部材250と第2突出片部244の平面部との摩擦抵抗を小さくするようにしてもよい。これにより、不正行為でボルト部材218が回転方向他方側に回転された場合でも、爪部材248と突起部252との間に発生する摩擦力、ナット部材250の裏面と第2突出片部244との間に発生する摩擦力を小さくすることができる。このため、ナット部材250が第2突出片部244上で回転方向他方側に回転させ易くすることができ、ボルト部材218とナット部材250を確実に共回りさせることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機について説明する。
なお、第1実施形態に係るパチンコ機10と同様の構成については、同符号を付すとともに、その説明を省略する。
図11乃至図13に示すように、第2突出片部244の平面部246には、第1突出片部240に形成された第1挿入孔222の延長上に第1挿入孔222の一部を構成する回転調整孔(回転調整手段)260が形成されている。図14に示すように、回転調整孔260は、内周面が平面視にて円形に形成された非係合孔部(第2凹部)260Aと、内側面が平面視で六角形に形成された係合孔部(第1凹部)260Bと、底部260Cと、で構成されている。具体的には、第2突出片部244の平面部246に形成された回転調整孔260は、浅い部位に形成された非係合孔部260Aと、非係合孔部260Aの深さ方向下側に形成された係合孔部260Bと、係合孔部260Bの深さ方向下側に形成された底部260Cと、で構成されている。そして、非係合孔部260Aと係合孔部260Bとは、深さ方向に連続するようにして形成されている。なお、係合孔部260Bの厚み寸法は、後述するスプリングワッシャ(弾性部材)262の厚み寸法以下となるように設定されている。
また、非係合孔部260Aの径は、ナット部材264の径(ナット部材264の中心から最も遠い部位までの寸法)と同じか、あるいは若干大きくなるように設定されている。また、係合孔部260Bは、ナット部材264の外側面と略同じ寸法及び形状となるように設定されている。
ここで、本実施形態では、ナット部材264は、平面視にて六角形状で、かつ外側面に突起部が形成されていない既存のナット部材が用いられる。
また、図11乃至図13に示すように、第2突出片部244に形成された回転調整孔260の底部260Cには、スプリングワッシャ262が設けられている。このスプリングワッシャ262は、上下方向(軸方向)に左右する圧力に応じて自在に弾性変形するものである。スプリングワッシャ262の上部にはナット部材264が配置される。また、スプリングワッシャ262の下部は、回転調整孔260の底部260Cに接触している。このため、スプリングワッシャ262は、ナット部材264と回転調整孔260の底部260Cとの間に介在することになる。このスプリングワッシャ262は、外力が作用しない状態で軸方向に沿ってねじれて伸びており、その上端部が係合孔部260Bの上面に達している。このため、単に(外力が作用しない)ナット部材264をスプリングワッシャ262の上部に載せた状態では、ナット部材264がスプリングワッシャ262の弾性力に支持されるため、ナット部材264は、係合孔部260Bの領域に到達せず、非係合孔部260Aの領域、すなわち、ナット部材264の外側面が非係合孔部260Aの内周面と対向した位置にくる。なお、この状態では、ナット部材264が非係合孔部260Aと係合することはなく、ナット部材264は自在に回転することができる。
第2実施形態によれば、図11に示すように、ボルト部材218とナット部材264とを螺合して、基板ケース214とケースカバー216とを結合する場合には、ボルト部材218を第1挿入孔222と第2挿入孔226を貫通させる。そして、ボルト部材218の軸部218Aがナット部材264に到達したときに、ボルト部材218からナット部材264に所定の押圧力(スプリングワッシャ262の弾性力よりも大きな圧力)を加える。これにより、ナット部材264は、スプリングワッシャ262の弾性力に対抗する形で、底部260C側に移動する。このとき、スプリングワッシャ262の弾性力がナット部材264からの押圧力よりも小さいため、スプリングワッシャ262は、軸方向に縮む。なお、ナット部材264を底部260C側に移動させる際には、開口孔部242からナット部材264を把持して、回転しないようにしてもよい。
スプリングワッシャ262が軸方向に縮み、ナット部材264が底部260C側に移動していくと、やがて、ナット部材264は、係合孔部260Bの領域に到達する。このとき、ナット部材264の外側面は、係合孔部260Bの内側面に対面して係合する。このため、ナット部材264が係合孔部260Bの領域に到達すると、ナット部材264の中心軸回りの回転が不可能になる。この結果、ナット部材264にボルト部材218を介して回転力が作用しても、ナット部材264が回転せず、固定した状態のままになる。
そして、ナット部材264が係合孔部260Bの領域に到達し固定された状態で、ボルト部材218を回転方向一方側に回転させると、ボルト部材218がナット部材264に対して相対的に回転する。これにより、ボルト部材218とナット部材264との螺合度が進み、ボルト部材218の軸部218Aがナット部材264の貫通孔256を徐々に貫通していくことになる。やがて、図12に示すように、ボルト部材218の軸部218Aの先端部が底部260Cに形成されたねじ(雌ねじ)穴254に螺合して、ボルト部材218が基板ケース214に固定される。このとき、ボルト部材218に作用させていた押圧力を解除しても、ボルト部材218と第2突出片部244に形成された底部260Cとの螺合状態で発生する力が、スプリングワッシャ262の弾性力よりも大きくなるため、ボルト部材218と第2突出片部244に形成された底部260Cとの螺合状態を維持でき、ひいてはナット部材264と係合孔部260Bとの係合状態が維持される。
なお、ボルト部材218が基板ケース214に固定された状態では、ボルト部材218のヘッド部218Bが段違い部230に係合しており、これにより、ボルト部材218のナット部材264に対する結合作業が完成する。この結果、基板ケース214とケースカバー216とは、固着具により強固に結合された状態になる。
ここで、図13に示すように、不正行為者がボルト部材218を回転方向他方側に回転させた場合には、ナット部材264が係合孔部260Bと係合して固定している状態であるため、ボルト部材218は、ナット部材264との螺合状態が解消される方向に進む。すなわち、ボルト部材218は、底部260Cと反対方向(ケースカバー216の第2フランジ部224側)側に移動していく。
ボルト部材218が所定の距離だけ底部260Cと反対側に移動していくと、ボルト部材218の軸部218Aと底部260Cのねじ(雌ねじ)穴254との螺合状態が解消される。そして、ボルト部材218とナット部材264との螺合が解消されていくと、ボルト部材218からナット部材264に作用していた押圧力が小さくなり、やがてスプリングワッシャ262の弾性力の方が大きくなる。
ボルト部材218からナット部材264に作用していた押圧力がスプリングワッシャ262の弾性力よりも小さくなると、スプリングワッシャ262は、軸方向に徐々に伸びていく。これにより、ナット部材264は、スプリングワッシャ262により第1突出片部240側に持ち上げられるようにして、移動していく。そして、ナット部材264は、係合孔部260Bの領域から非係合孔部260Aの領域に移動する。ここで、ナット部材264が非係合孔部260Aの領域に移動しても、ボルト部材218の軸部218Aのナット部材264に対する挿入深さが浅くなるものの、ボルト部材218とナット部材264との螺合状態は維持されることになる。
ナット部材264が非係合孔部260Aの領域に移動すると、ナット部材264の外側面と非係合孔部260Aの内周面とが対向することになるが、ナット部材264は、非係合孔部260Aにより固定されることはないので、ナット部材264の回転が許容される。
この状態で、不正行為者がボルト部材218を回転方向他方側に回転させても、ナット部材264はボルト部材218とともに回転(共回り)するだけで、ナット部材264とボルト部材218との螺合状態が完全に解消されることはない。このため、ボルト部材218を回転方向他方側に回転させるだけ、ボルト部材218とナット部材264とが共回りし続けることになる。この結果、ボルト部材218を第1挿入孔222及び第2挿入孔226から引き抜くことができず、基板ケース214とケースカバー216を分離して内部の主制御基板102を取り出すことが不可能になる。
ここで、ボルト部材218又はナット部材264を強引に破損させて、基板ケース214とケースカバー216とを分離させることも考えられるが、かかる場合には、ボルト部材218又はナット部材264に破損が生じており、不正行為の痕跡が残ることになる。このため、不正行為の事実を容易かつ確実に認識することができ、迅速に対応することが可能になる。
また、第1実施形態と同様にして、ボルト部材218又はナット部材264を樹脂又はゴムで構成することにより、破損し易い設計が可能になる。かかる構成では、少しの不正行為でもボルト部材218又はナット部材264が破損することになるため、不正行為の早い段階で痕跡が確実に残るため、不正行為者にそれ以上の不正行為を躊躇させることができ、また、ホール関係者には不正行為の事実を確実に知らせることができる。
さらに、第2突出片部244の回転調整孔260の内部に油、オイル、グリースなどを付着させておくことにより、非係合孔部260Aの領域にあるナット部材264と非係合孔部260Aの内周面とが接触する場合でも、両者の間に発生する摩擦力を小さくすることができる。この結果、ナット部材264は、接触する非係合孔部260Aの内周面から受ける摩擦力の影響を低減することができ、ナット部材264を回転させ易くすることができる。
なお、上記各実施形態では、本発明を、主制御基板102を収容する主制御基板ケースセット210に適用した構成を例に挙げて説明したが、この構成に限られるものではなく、サブ制御基板ケースセット212、払出制御基板ケースセット202、発射制御基板ケースセット204及び電源基板ケースセット208など、他の遊技に関連する基板を収容するケースにも容易に適用することができる。
また、上記実施形態では、ボルト部材218をケースカバー216の第2挿入孔226の開口部228から挿入する構成を示したが、基板ケース214の第1フランジ部220とケースカバー216の第2フランジ部224の構成を反対(逆)に設計して、ボルト部材218を基板ケース214の第1挿通孔222の開口部から挿入するようにしてもよい。