JP2009195076A - 移動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】独立走行型の移動装置において、簡単な構成で移動方向の自由度を得ること。
【解決手段】ムービングコイルでストッパを叩打する際に発生する慣性力を利用して移動装置を移動させる。例えば、ムービングコイルでN極側に設けられたストッパを叩打する場合には、まず、永久磁石のN極に吸引される力が、ムービングコイルに作用する向きに励磁電流を通電する。すると、ムービングコイルは、N極への吸引力によりN極側へ移動し、そしてストッパに衝突する。その後、励磁電流の通電方向を交互に切り替えると、ムービングコイルは、ストッパへの衝突とバックスイングを繰り返すことでストッパを叩打する。移動装置は、叩打するストッパに応じて移動方向が変化する。また、各ムービングコイルの叩打するストッパの組合せに応じて、前方又は後方への直進移動や、その場での左右回転が可能となっている。
【選択図】図1

Description

本願発明は、車輪を用いない移動装置に関する。
車輪を用いずに独立走行を可能にする小型の移動装置として、下記の特許文献に提案されているような、圧電素子を介して駆動力を発生させる装置が提案されている。
特開平7−276267号公報
特許文献1には、積層型圧電素子を方形波状電圧で駆動して振動を生じさせ、この振動を斜毛により単一方向への推力に変換することによって移動させる技術が提案されている。
しかしながら、圧電素子に大きな変位を発生させるためには、数百ボルトから数千ボルトの高い駆動電圧が必要となる。そのため、圧電素子による駆動力を利用した装置では、高電圧パルスを発生させるための複雑な高電圧駆動回路を設ける必要がある。
また、このような高電圧を扱う装置では、装置の安全性を確保するための対策を講じる必要もある。
そこで本発明は、圧電素子を用いない駆動機構を備えた独立走行型の移動装置を提供することを目的とする。
(1)前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、永久磁石と、コイルを有し、前記コイルの励磁による磁界と前記永久磁石の磁界との間で作用する力の変化により揺動する揺動体と、前記揺動体の揺動範囲を制限するストッパと、前記揺動体が前記ストッパを叩打するように前記コイルの励磁電流を制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする移動装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記永久磁石は、板状に形成され、前記揺動体は、前記永久磁石に対して平行に設けられた板状部材であり、揺動の支点を中心とする円弧状の揺動軌道を描くように揺動し、前記コイルは、励磁時に前記永久磁石の磁束と交差する磁束を生じる平面コイルであることを特徴とする請求項1に記載の移動装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記揺動体は、それぞれ異なる揺動の支点を有し、かつ、前記永久磁石を介して対峙して一対設けられ、前記制御手段は、各揺動体のコイルに対する励磁電流の制御を、それぞれ独立して行うことを特徴とする請求項2に記載の移動装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記制御手段は、前記コイルの両端に極性の異なるパルス電圧を印加することにより、前記コイルの励磁電流を制御することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の移動装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記ストッパから離れる向きの力を前記揺動体に作用させるパルス電圧の絶対値は、前記ストッパに当たる向きの力を前記揺動体に作用させるパルス電圧の絶対値より大きく設定されていることを特徴とする請求項4に記載の移動装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、前記揺動体の支点を軸支する軸受を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1の請求項に記載の移動装置を提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、第1の方向に移動する際に生じる摩擦力が小さくなる向きに、走行面との接触面に斜毛が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1の請求項に記載の移動装置を提供する。
(8)請求項8に記載の発明では、当該移動装置の操作信号を受け付ける操作信号受付手段を備え、前記制御手段は、前記受け付けた操作信号に基づいて前記励磁電流を制御することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1に記載の移動装置を提供する。
本願発明によれば、コイルによる磁界と永久磁石の磁界との間で作用する力を変化させ、揺動体でストッパを叩打させることにより、発生した慣性力を駆動力とすることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1〜図8を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態では、車輪を用いずに独立走行を可能にする小型の移動装置について説明する。
移動装置は、面方向に沿ってS極とN極が形成された板状の永久磁石と、この永久磁石の上下に配設された薄い板状のムービングコイルを備えている。
ムービングコイルは、揺動の支点として機能する軸受を介して回転可能に支持されている。ムービングコイルは、薄い平面コイルを有し、これを励磁した際に生じる磁界と永久磁石の磁界との間で作用する吸引力と反発力により、円弧軌道を描くように揺動する。
各ムービングコイルは、180°互いに位置が反転するように配置されている。また、各ムービングコイルは、揺動の支点が永久磁石における両極の境界線の延長上に位置し、永久磁石のN極方向、S極方向の双方に移動することができる。
さらに、移動装置には、各ムービングコイルの揺動範囲を制限するためのストッパが、永久磁石の四隅に設けられている。
本実施形態では、ムービングコイルでストッパを叩打する際に発生する慣性力を利用して移動装置を移動させる。
例えば、ムービングコイルでN極側に設けられたストッパを叩打する場合には、まず、永久磁石のN極に吸引される力が、ムービングコイルに作用する向きに励磁電流を通電する。すると、ムービングコイルは、N極への吸引力によりN極側へ移動し、そしてストッパに衝突する。
その後、励磁電流の通電方向を交互に切り替えると、ムービングコイルは、ストッパへの衝突とバックスイングを繰り返すことでストッパを叩打する。
本実施形態では、叩打するストッパに応じて移動方向が変化する。また、各ムービングコイルの叩打するストッパの組合せに応じて、前方又は後方への直進移動や、その場での左右回転が可能となっている。
(2)実施形態の詳細
図1(a)は、本実施形態に係る移動装置の概略構造を示した斜視図である。なお、図1では、移動装置の構造をわかりやすく表現するために、構成部材を離して表現している。
また、図1(b)は、本実施形態に係る移動装置の上面図であり、図1(c)は、本実施形態に係る移動装置の側面図である。
なお、図1(c)の側面図は、図1(b)の上面図のA方向から見た様子を示す。
図1(a)〜(c)に示すように、移動装置は、ベースプレート10、第1ムービングコイル20、マグネット30、第2ムービングコイル40を備えている。
そしてこれらの構成部材は、ベースプレート10、第1ムービングコイル20、マグネット30、第2ムービングコイル40の順に空隙を介して重ねて配設されている。
なお、図示されていないが、移動装置には、第1ムービングコイル20及び第2ムービングコイル40を駆動するための駆動制御装置が設けられている。
本実施形態では、上記構成部材の積層方向をz軸方向、マグネット30のS極→N極の向きをy軸方向、z軸及びy軸と直交する紙面上の水平方向をx軸方向として説明する。また、ベースプレート10の中心をx軸、y軸、z軸の基準点(0点)として定義する。
ベースプレート10は、移動装置の土台(ベース)を構成する略長方形の板状の部材であり、例えば、アルミニウムや、黄銅などの非磁性の金属プレートで形成されている。なお、ベースプレート10のサイズは、概ね1cm×1cmである。
また、ベースプレート10には、第1ムービングコイル20を支えるための第1軸受ピン11及び、第2ムービングコイル40を支えるための第2軸受ピン12が固設されている。
第1軸受ピン11及び第2軸受ピン12は、それぞれ、ベースプレート10の長手方向(y軸方向)の側辺際の中央に対峙して設けられた柱状の部材である。これらの上端部には、それぞれ第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40の支持部が設けられている。つまり、この支持部の位置を調整することにより、第1ムービングコイル20、及び第2ムービングコイル40の配設位置を調整することができる。
第1ムービングコイル20は、フラットコイル21、コイル端子22、軸受23を備えたティアドロップ(しずく)型の板状部材である。
第1ムービングコイル20は、軸受23の中心を揺動の支点とする揺動体として機能し、円弧状の揺動軌道を描く。
フラットコイル21は、x−y平面上に、螺線(渦巻線)を描くように円形に巻回された配線(銅線)を樹脂固定した薄い平面コイルである。
コイル端子22は、フラットコイル21の配線の両端部にそれぞれ設けられた接続端子であり、図示しない駆動制御装置に接続されている。
これらのコイル端子22を介して駆動制御装置からパルス電圧(駆動信号)を印加することにより、第1ムービングコイル20が揺動駆動するように構成されている。
軸受23は、第1ムービングコイル20を第1軸受ピン11に対して回動可能に軸支するためのラジアル軸受であり、例えば、滑り軸受や転がり軸受で構成されている。
このように軸受23を介して第1ムービングコイル20を支えることにより、第1ムービングコイル20を安定的に高速移動させることができる。
マグネット30は、厚み方向ではなく、面の形成方向に沿ってS極とN極が形成された板状の永久磁石であり、例えば、ネオジウム磁石や、サマリウムコバルト磁石などの強い磁力を有する強力な磁石で形成されている。
マグネット30は、x−y平面上において、S極とN極の境界線が、第1軸受ピン11及び第2軸受ピン12の端面の中心を結ぶ中心線と、重なる位置に設けられている。即ち、マグネット30は、ベースプレート10の中央に設けられている。
また、マグネット30の四隅近傍には、ストッパーピン31a〜dが固設されている。ストッパーピン31a〜dは、マグネット30の上面(第2ムービングコイル40との対向面)及び下面(第1ムービングコイル20との対向面)から突出するように設けられた柱状の部材である。
ストッパーピン31aはマグネット30のN極領域の第2軸受ピン12側に設けられ、ストッパーピン31bはS極領域の第2軸受ピン12側に設けられ、ストッパーピン31cはS極領域の第1軸受ピン11側に設けられ、ストッパーピン31dはN極領域の第1軸受ピン11側に設けられている。
ストッパーピン31aとストッパーピン31d、ストッパーピン31bとストッパーピン31cは、マグネット30におけるS極とN極の境界線と直交する中心線に対して、対称な位置に配置されている。
同時に、ストッパーピン31aとストッパーピン31b、ストッパーピン31dとストッパーピン31cは、S極とN極の境界線に対して対称な位置に配置されている。
ストッパーピン31a及びストッパーピン31bにおける第2ムービングコイル40側に突出した部位は、第2ムービングコイル40の揺動範囲を限定(規制)するストッパとして機能する。同様に、ストッパーピン31c及びストッパーピン31dにおける第1ムービングコイル20側に突出した部位は、第1ムービングコイル20の揺動範囲を限定するストッパとして機能する。
即ち、ストッパーピン31a及びストッパーピン31bは、第2ムービングコイル40と接触(衝突)可能に設けられ、ストッパーピン31c及びストッパーピン31dは、第1ムービングコイル20と接触可能に設けられている。
ストッパーピン31a及びストッパーピン31bは、第1ムービングコイル20の揺動軌道の外側に位置し、ストッパーピン31c及びストッパーピン31dは、第2ムービングコイル40の揺動軌道の外側に位置するように設けられている。
マグネット30は、ストッパーピン31a〜dおける第1ムービングコイル20側に突出した部位を介してベースプレート10に固定されている。
第2ムービングコイル40は、フラットコイル41、コイル端子42、軸受43を備えたティアドロップ型の板状部材であり、軸受43の中心を揺動の支点とする揺動体として機能し、円弧状の揺動軌道を描く。
なお、第2ムービングコイル40は、第1ムービングコイル20と同様の構成を有するため、各構成部材の詳細な説明は省略する。
第2ムービングコイル40は、軸受43を介して、第2軸受ピン12に対して回動可能に軸支されている。
第2ムービングコイル40は、第1ムービングコイル20と同様に、コイル端子42を介して駆動制御装置からパルス電圧(駆動信号)を印加することにより、揺動駆動するように構成されている。
第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40は、軸受23、43の1点で支持されている。そこで、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40の質量が大きくなるような場合には、軸受23、43を支点としてバランスがとれるように、バランスウェイト(釣合いおもり)を設けることが好ましい。なお、バランスウェイトは、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40における軸受23、43の外側の部位に設ける。
次に、このように構成された移動装置の駆動方法について説明する。
例えば、第1ムービングコイル20におけるフラットコイル21に電流が流れると、ビオ・サバールの法則に従って磁界が生じる。このフラットコイル21に生じた磁界とマグネット30の磁界との間に力が作用する。ここでは、フラットコイル21に生じる磁界の向きに応じて、フラットコイル21がマグネット30のN極に吸引される力(S極から反発される力)、又は、フラットコイル21がマグネット30のS極に吸引される力(N極から反発される力)が作用する。
同様に、第2ムービングコイル40におけるフラットコイル41に電流が流れると、フラットコイル41に生じる磁界の向きに応じて、フラットコイル41がマグネット30のN極に吸引される力、又は、フラットコイル41がマグネット30のS極に吸引される力が作用する。
図2(a)〜(d)は、本実施形態に係る移動装置の旋回方向とムービングコイルの位置関係を示した図である。なお、本実施形態では、マグネット30のS極→N極の向き(y軸方向)を直進方向とし、紙面上の上側を前方、下側を後方として説明する。
図2(a)に示すように、移動装置を左前方に旋回させる場合について説明する。
まず、マグネット30のN極に吸引される力が、第2ムービングコイル40に作用する向きの励磁電流をフラットコイル41に流す。なお、このときの励磁電流の流れる向きを正方向(正極性)とする。
すると、第2ムービングコイル40は、N極への吸引力により左前方へ円弧軌道を描きながら移動し、ストッパーピン31aに衝突する。
このように、はじめに目標の進行方向に向けて駆動対象となるムービングコイルを移動させるための励磁電流を起動電流とする。
起動電流を流した後、フラットコイル41に流す励磁電流の向き(極性)を交互に切り替える。
起動電流と逆方向(負方向)の励磁電流が流れると、S極への吸引力(N極からの反発力)が作用するため第2ムービングコイル40は、ストッパーピン31aから離れる方向に移動する。この第2ムービングコイル40の動作をバックスイングとする。
再度、起動電流の向き(正方向)の励磁電流が流れると、N極への吸引力が作用し、第2ムービングコイル40は、ストッパーピン31aに衝突する。
このように、フラットコイル41に流す励磁電流の向き切り替えを繰り返すことにより、第2ムービングコイル40は、ストッパーピン31aへの衝突とバックスイングを繰り返す。即ち、第2ムービングコイル40は、ストッパーピン31aを叩打する。
そして、移動装置は、第2ムービングコイル40がストッパーピン31aに突き当てることで発生する慣性力の作用により、左前方に旋回する。
なお、移動装置を左前方に旋回させる場合には、第1ムービングコイル20を駆動させる必要がないため、フラットコイル21への通電は行わない。
フラットコイル41に流す励磁電流の向き切り替えは、コイル端子42に印加するパルス電圧の極性を切り替えることにより行う。
また、バックスイング動作によって、第2ムービングコイル40がマグネット30のN極とS極の境界近傍にまで戻りすぎないように、励磁電流の切り替えの周期的変化(印加するパルス電圧の周波数)は、数百Hz程度に設定されている。
例えば、±24Vのパルス電圧を200Hzで印加した場合、第2ムービングコイル40は、ストッパーピン31aの間際で微小振動するように動作する。
次に、図2(b)に示すように、移動装置を右前方に旋回させる場合について説明する。なお、基本的な動作原理は、移動装置を左前方に旋回させる場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
移動装置を右前方に旋回させる場合には、マグネット30のN極に吸引される力が、第1ムービングコイル20に作用する向きの起動電流をフラットコイル21に流す。
すると、第1ムービングコイル20は、N極への吸引力により右前方へ円弧軌道を描きながら移動し、ストッパーピン31dに衝突する。
そして、起動電流を流した後、フラットコイル21に流す励磁電流の向きを交互に切り替えると、第1ムービングコイル20は、ストッパーピン31dへの衝突とバックスイングを繰り返す。
このように、第1ムービングコイル20で、ストッパーピン31dを叩打することにより発生する慣性力の作用で、移動装置は右前方に旋回する。
なお、移動装置を右前方に旋回させる場合には、第2ムービングコイル40を駆動させる必要がないため、フラットコイル41への通電は行わない。
次に、図2(c)に示すように、移動装置を左後方に旋回させる場合について説明する。なお、基本的な動作原理は、移動装置を左前方に旋回させる場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
移動装置を左後方に旋回させる場合には、マグネット30のS極に吸引される力が、第2ムービングコイル40に作用する向きの起動電流をフラットコイル41に流す。
つまり、ここでは、移動装置を左前方に旋回させる場合の起動電流と逆向きの励磁電流をフラットコイル41に流す。
すると、第2ムービングコイル40は、S極への吸引力により左後方へ円弧軌道を描きながら移動し、ストッパーピン31bに衝突する。
そして、起動電流を流した後、フラットコイル41に流す励磁電流の向きを交互に切り替えると、第2ムービングコイル40は、ストッパーピン31bへの衝突とバックスイングを繰り返す。
このように、第2ムービングコイル40で、ストッパーピン31bを叩打することにより発生する慣性力の作用で、移動装置は左後方に旋回する。
なお、移動装置を左後方に旋回させる場合には、第1ムービングコイル20を駆動させる必要がないため、フラットコイル21への通電は行わない。
次に、図2(d)に示すように、移動装置を右後方に旋回させる場合について説明する。なお、基本的な動作原理は、移動装置を左前方に旋回させる場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
移動装置を右後方に旋回させる場合には、マグネット30のS極に吸引される力が、第1ムービングコイル20に作用する向きの起動電流をフラットコイル21に流す。
つまり、移動装置を右前方に旋回させる場合の起動電流と逆向きの励磁電流をフラットコイル21に流す。
すると、第1ムービングコイル20は、S極への吸引力により右後方へ円弧軌道を描きながら移動し、ストッパーピン31cに衝突する。
そして、起動電流を流した後、フラットコイル21に流す励磁電流の向きを交互に切り替えると、第1ムービングコイル20は、ストッパーピン31cへの衝突とバックスイングを繰り返す。
このように、第1ムービングコイル20で、ストッパーピン31cを叩打することにより発生する慣性力の作用で、移動装置は右後方に旋回する。
なお、移動装置を右後方に旋回させる場合には、第2ムービングコイル40を駆動させる必要がないため、フラットコイル41への通電は行わない。
図2(a)〜(d)では、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40のどちらか一方のムービングコイルを駆動させることによって移動装置を移動させる場合について説明した。
続いて、第1ムービングコイル20、及び第2ムービングコイル40の両方のムービングコイルを同時に駆動させることによって移動装置を移動させる方法について説明する。
図3(a)、(b)は、本実施形態に係る移動装置の直進方向とムービングコイルの位置関係を示した図である。
図4(a)、(b)は、本実施形態に係る移動装置の回転方向とムービングコイルの位置関係を示した図である。
まず、図3(a)に示すように、移動装置を前方に直進させる場合について説明する。
移動装置を前方に直進させる場合には、第2ムービングコイル40で、ストッパーピン31aを叩打する動作と、第1ムービングコイル20で、ストッパーピン31dを叩打する動作を同時に行う。
つまり、上述した、図2(a)に示す移動装置を左前方に旋回させる第2ムービングコイル40の駆動制御と、図2(b)に示す移動装置を右前方に旋回させる第1ムービングコイル20の駆動制御を同時に行う。
すると、第2ムービングコイル40が、ストッパーピン31aを叩打することにより発生する慣性力Faのベクトルと、第1ムービングコイル20が、ストッパーピン31dを叩打することにより発生する慣性力Fdのベクトルとの合成ベクトルの向きに移動装置が移動する。
本実施形態では、慣性力Fa及び慣性力Fdの作用する向きが、直進方向に対して、それぞれ線対称の関係になるように設定されている。従って、慣性力Faと慣性力Fdの大きさが等しくなるように、ストッパーピン31a及びストッパーピン31dを叩打する力を制御することにより、移動装置を前方に直進させることができる。
次に、図3(b)に示すように、移動装置を後方に直進させる場合について説明する。なお、基本的な動作原理は、移動装置を前方に直進させる場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
移動装置を後方に直進させる場合には、上述した、図2(c)に示す移動装置を左後方に旋回させる第2ムービングコイル40の駆動制御と、図2(d)に示す移動装置を右後方に旋回させる第1ムービングコイル20の駆動制御を同時に行う。
すると、第2ムービングコイル40が、ストッパーピン31bを叩打することにより発生する慣性力Fbのベクトルと、第1ムービングコイル20が、ストッパーピン31cを叩打することにより発生する慣性力Fcのベクトルとの合成ベクトルの向きに移動装置が移動する。
ここで、慣性力Fbと慣性力Fcの大きさが等しくなるように、ストッパーピン31b及びストッパーピン31cを叩打する力を制御することにより、移動装置を後方に直進させることができる。
次に、図4(a)に示すように、移動装置を左方向(反時計回り)に回転させる場合について説明する。
移動装置を左方向に回転させる場合には、第2ムービングコイル40で、ストッパーピン31aを叩打する動作と、第1ムービングコイル20で、ストッパーピン31cを叩打する動作を同時に行う。
つまり、上述した、図2(a)に示す移動装置を左前方に旋回させる第2ムービングコイル40の駆動制御と、図2(d)に示す移動装置を右後方に旋回させる第1ムービングコイル20の駆動制御を同時に行う。
本実施形態では、慣性力Fa及び慣性力Fcの作用する向きが、それぞれ逆向きの関係になるように設定されている。
従って、慣性力Faと慣性力Fcの大きさが等しくなるように、ストッパーピン31a及びストッパーピン31cを叩打する力を制御することにより、移動装置をその場で左回転させることができる。
次に、図4(b)に示すように、移動装置を右方向(時計回り)に回転させる場合について説明する。なお、基本的な動作原理は、移動装置を左方向に回転させる場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
移動装置を右方向に回転させる場合には、第2ムービングコイル40で、ストッパーピン31bを叩打する動作と、第1ムービングコイル20で、ストッパーピン31dを叩打する動作を同時に行う。
ここで、慣性力Fbと慣性力Fdの大きさが等しくなるように、ストッパーピン31b及びストッパーピン31dを叩打する力を制御することにより、移動装置をその場で右回転させることができる。
上述したように、本実施形態では、第1ムービングコイル20及び第2ムービングコイル40のいずれか一方で、ストッパーピン31a〜dのうちの特定された1つを叩打することにより、移動装置を左前方、右前方、左後方、又は右後方に旋回させることができる。また、第1ムービングコイル20及び第2ムービングコイル40の両方で同時に、ストッパーピン31a〜dのうちの特定された2つを叩打することにより、移動装置を前方直進、後方直進、左回転、又は右回転させることができる。
このように本実施形態によれば、簡単な駆動構成でありながら、移動装置における移動方向の自由度を得ることができる。
ここで、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40で、ストッパーピン31a〜dを叩打させるために印加するパルス電圧(駆動信号)について説明する。
図5(a)〜(d)は、コイル端子22、42に印加する駆動パルスの波形例を示した図である。
図5(a)は、標準反転パルスであり、電圧の絶対値、及び印加時間が共に等しい正極性と負極性のパルス電圧を交互に印加する。
本実施形態では、正極性のパルス電圧が印加されている間に、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40をストッパーピン31a〜dの方向に移動する力が作用するように構成されている。
一方、負極性のパルス電圧が印加されている間に、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40がストッパーピン31a〜dから離れる方向に移動する力が作用する。即ち、負極性のパルス電圧が印加されている間に、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40はバックスイングを行う。
図5(b)は、チョッピング反転パルスであり、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40における移動動作の安定化を図る場合に用いられる。
チョッピング反転パルスは、図5(a)に示す標準反転パルスの正極性のパルス部分をチョッピング波形に置き換え、正極性のパルス電圧を間欠的に印加する。
このように、正極性のパルス電圧を間欠的に印加することにより、動作時に発生する有害な振動が抑制されるため、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40の移動動作の安定化を図ることができる。
図5(c)は、非対称反転パルスであり、この駆動パルスもまた、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40における移動動作の安定化を図る場合に用いられる。
非対称反転パルスは、正極性のパルス電圧より電圧の絶対値が大きい負極性のパルス電圧を印加する。
このように、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40がストッパーピン31a〜dから離れる方向に移動する力を大きく設定することにより、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40がストッパーピン31a〜dに近づく方向の加速性能が向上するため、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40の移動動作の安定化を図ることができる。
図5(d)は、低速反転パルスであり、移動装置の移動速度を下げる場合に用いられる。
低速反転パルスは、電圧の絶対値、及び印加時間は、標準反転パルスのままで、印加するパルス電圧の極性を切り替える際に、無通電期間を設けることにより、周期を長く設定した駆動パルスを印加する。
例えば、標準反転パルスの駆動パルスの周波数が200Hzである場合には、低速反転パルスの周波数は、その半分、つまり100Hzとなる。
このように、駆動パルスの周期を延ばす(周波数を小さくする)ことにより、ストッパーピン31a〜dを叩打することにより発生する慣性力Fa〜dを小さくすることができるため、移動装置の移動速度を下げることができる。
なお、移動装置の移動速度を上げる場合には、駆動パルス(標準反転パルス、チョッピング反転パルス、非対称反転パルス)の周波数を上げることで対応できる。また、正極性のパルス電圧の電圧値を上げることにより移動装置の移動速度を上げることができる。
上述した駆動パルスは、移動装置の旋回、直進、回転のいずれの動作においても適応することが可能である。
本実施形態では、負極性のパルス電圧を印加することにより、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40に対してバックスイングを行わせている。しかしながら、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40にストッパーピン31a〜dから離れる方向に移動する力を作用させる方法は、これに限定されるものではない。例えば、図1(b)に示すような基準位置、即ち、揺動軌道の中央(マグネット30の中央)方向に戻る力が第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40に常に作用するように構成してもよい。具体的には、第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40を基準位置方向に付勢するばね要素等を軸受23、43に設けるようにする。
このような第1ムービングコイル20、第2ムービングコイル40を基準位置方向に付勢する付勢手段を設けた場合には、負極性のパルス電圧を印加しなくても、正極性のパルス電圧を印加のみでストッパーピン31a〜dを叩打させることができる。
次に、上述した本実施形態の変形例について説明する。
(変形例1)
上述した本実施形態では、第1ムービングコイル20及び第2ムービングコイル40の2つのムービングコイルを用いて移動装置について説明した。
変形例1では、第1ムービングコイル20は用いず、第2ムービングコイル40のみを用いた移動装置について説明する。
なお、変形例1〜3では、上述した移動装置と重複する部位には同一の符号を用い、その説明を省略する。
図6(a)は、変形例1に係る移動装置の概略構造を示した斜視図である。
また、図6(b)は、変形例1に係る移動装置の上面図であり、図6(c)は、変形例1に係る移動装置の側面図である。
なお、図6(c)の側面図は、図6(b)の上面図のA方向から見た様子を示す。
図6(a)〜(c)に示すように、変形例1に係る移動装置は、ベースプレート10’、マグネット30’、第2ムービングコイル40を備えている。
マグネット30’は、ベースプレート10’上に固設され、第2ムービングコイル40は、マグネット30’の上方に空隙を介して重ねて配設されている。
なお、図示されていないが、移動装置には、第2ムービングコイル40を駆動するための駆動制御装置が設けられている。
ベースプレート10’には、第2ムービングコイル40’を支えるための第2軸受ピン12’が固設されている。
マグネット30’には、N極とS極との境界線と直交する中心線上に、第2ムービングコイル40’を介して対峙するようにストッパーピン31a’、b’が固設されている。ストッパーピン31a’、b’は、マグネット30’の上面(第2ムービングコイル40との対向面)から突出するように設けられた柱状の部材である。
第2ムービングコイル40は、コイル端子42を介して駆動制御装置からパルス電圧(駆動信号)を印加することにより、揺動駆動するように構成されている。
なお、第2ムービングコイル40に印加する駆動信号としては、上述した標準反転パルス、チョッピング反転パルス、非対称反転パルス、低速反転パルスなどの駆動パルスを用いる。
次に、このように構成された変形例1に係る移動装置の駆動方法について説明する。
変形例1に係る移動装置では、図2(a)で説明した移動装置を左前方に旋回させる場合の駆動原理と同様の方法を用いることにより、移動装置を緩やかに旋回させながら前方に移動させることができる。
詳しくは、まず、マグネット30’のN極に吸引される力が、第2ムービングコイル40に作用する向きの励磁電流をフラットコイル41に流す。
すると、第2ムービングコイル40は、N極への吸引力により移動し、ストッパーピン31a’に衝突する。
そして、起動電流を流した後、フラットコイル41に流す励磁電流の向きを交互に切り替えると、第2ムービングコイル40は、ストッパーピン31a’への衝突とバックスイングを繰り返す。
このように、第2ムービングコイル40で、ストッパーピン31a’を叩打することにより発生する慣性力の作用で、移動装置は緩やかに旋回しながら前方に移動する。
同様に、変形例1に係る移動装置では、図2(c)で説明した移動装置を左後方に旋回させる場合の駆動原理と同様の方法を用いることにより、移動装置を緩やかに旋回させながら後方に移動させることができる。
詳しくは、まず、マグネット30のS極に吸引される力が、第2ムービングコイル40に作用する向きの励磁電流をフラットコイル41に流す。
すると、第2ムービングコイル40は、S極への吸引力により移動し、ストッパーピン31b’に衝突する。
そして、起動電流を流した後、フラットコイル41に流す励磁電流の向きを交互に切り替えると、第2ムービングコイル40は、ストッパーピン31b’への衝突とバックスイングを繰り返す。
このように、第2ムービングコイル40で、ストッパーピン31b’を叩打することにより発生する慣性力の作用で、移動装置は緩やかに旋回しながら後方に移動する。
このように、変形例1に係る移動装置では、第2ムービングコイル40を揺動させることにより、移動装置を前方及び後方に移動させることができる。
(変形例2)
変形例2では、上述した本実施形態に係る移動装置に、さらに磁束漏れを防止する磁気遮蔽手段を追加した移動装置について説明する。
図7(a)は、変形例2に係る移動装置の概略構造を示した斜視図である。
また、図7(b)は、変形例2に係る移動装置の上面図であり、図7(c)は、変形例2に係る移動装置の側面図である。
なお、図7(c)の側面図は、図7(b)の上面図のA方向から見た様子を示す。
図7(a)〜(c)に示すように、変形例2に係る移動装置には、ベースプレート10と第1ムービングコイル20との間にヨーク50が設けられ、また、第2ムービングコイル40の上方には、ヨーク60が設けられている。
このように変形例2に係る移動装置は、第1ムービングコイル20、マグネット30、第2ムービングコイル40が、ヨーク50とヨーク60との間に配設されるように構成されている。
ヨーク50、60は、第1ムービングコイル20や第2ムービングコイル40、マグネット30からの磁束の増幅と、外部に漏洩する磁束を遮蔽する機能を有し、例えば、軟鉄やパーマロイなどの磁性材料を板状に加工した部材で構成される。
なお、変形例2に係る移動装置では、ストッパーピン31a〜dは、ヨーク50上に固定し、また、ヨーク60は、ストッパーピン31a〜dの上方の端部に固定する。
このように、変形例2に係る移動装置では、ヨーク50、60で構成された磁気遮蔽手段を設けることにより、第1ムービングコイル20や第2ムービングコイル40、マグネット30からの磁束が移動装置から漏れることを抑制することができる。そのため、外部装置に漏れ磁束の影響が及ぶことを防ぐことができる。
なお、変形例2で説明した磁気遮蔽手段は、変形例1の移動装置や後述する変形例3のマイクロロボットに適用することができる。
(変形例3)
変形例3では、上述した本実施形態に係る移動装置を搭載した、マイクロロボットについて説明する。
図8(a)は、変形例3に係るマイクロロボットの概略構造を示した上面図であり、図8(b)、(c)は、変形例3に係るマイクロロボットの側面図である。
なお、図8(b)の側面図は、図8(a)の上面図のA方向から見た様子を示し、図8(c)の側面図は、図8(a)の上面図のB方向から見た様子を示す。また、図8(a)〜(c)は、外装体の上面、側面を透過した状態で示す。
図8(a)〜(c)に示すように、変形例3に係るマイクロロボットには、筐体70の内部に、上述した移動装置の他、回路基板71、無線カメラ72、LED73、バッテリ74、充電コネクタ75、赤外線受光部76、マグネットスイッチ77などが設けられている。
筐体70は、ベースプレート10に固定された、マイクロロボットの外装体を構成する部材であり、例えば、透明なプラスチックで形成されている。マイクロロボットは、筐体70及びベースプレート10により密閉された構造となっている。
回路基板71は、無線カメラ72、LED73、バッテリ74や、第1ムービングコイル20等を駆動制御するための駆動制御装置(駆動制御回路)等が搭載されたプリント基板である。回路基板71は、ベースプレート10に固定されたスペーサ80を介して、第2ムービングコイル40の上方に配設されている。
なお、無駆動制御装置(駆動制御回路)は、コイルの励磁電流を制御する制御手段として機能する。
無線カメラ72は、移動装置(マイクロロボット)の周囲画像を撮像する、無線操作が可能な小型カメラであり、撮像された画像や映像のデータもまた無線通信で外部へ送信されるように構成されている。
LED73は、無線カメラ72の両サイドに設けられた発光ダイオードであり、無線カメラ72の撮影の際の照明としての機能や、マイクロロボットの位置を視覚的に認知させるためのマーカとしての機能を有する。
バッテリ74は、マイクロロボットに搭載されている移動装置の駆動制御装置や無線カメラ72、LED73等の電力源として機能する充電式の電池である。
充電コネクタ75は、バッテリ74を充電するための充電装置に接続するためのコネクタ(連結器)であり、端子の一部が筐体70から露出するように配設されている。
赤外線受光部76は、移動装置やLED73の操作信号(赤外線信号)の受信部であり、筐体70の上面中央に配設されている。
この赤外線受光部76は操作信号受付手段として機能する。ここで受信した操作信号は、駆動制御装置(駆動制御回路)へ入力されそして移動装置が駆動される。
なお、操作信号としては、例えば、移動方向指示信号、移動速度指示信号、移動時間指示信号などがある。
また、赤外線受光部76は、無線カメラ72による周囲画像の撮像を要求する撮像要求信号(操作信号)を受信する撮像要求受付手段としても機能する。無線カメラ72は、受信した撮像要求に基づいて制御される。無線カメラ72で撮像された撮像画像(静止画や動画)は、図示しないデータ送信装置を介して、撮像要求の要求元へ送信されるように構成されている。
なお、無線カメラ72で撮像された画像は、マイクロロボットの内部に設けられたメモリに格納しておくようにしてもよい。
なお、変形例3に係るマイクロロボットでは、外部から送信された操作信号を赤外線受光部76で受信し、受信した信号に基づいて移動装置が駆動されるように構成されているが、移動装置の駆動方法は、これに限定されるものではない。例えば、予めマイクロロボット内に設けられたメモリに格納された動作プログラムに基づいて移動装置を駆動させるようにしもよい。なお、動作プログラムには、移動経路情報が設定されている。
マグネットスイッチ77は、筐体70の上面に配設された、磁力によってON/OFFする開閉器であり、ここでは、防水型電源スイッチとして機能する。
このように、変形例3に係るマイクロロボットは、赤外線信号を用いた無線操作が可能な撮影用の小型ロボットであり、車輪を用いない移動装置を搭載することにより、完全密閉構造を実現することができる。このように構成されたマイクロロボットは、例えば、災害時に小さな隙間の中の画像を撮像する災害用ロボット(レズキューロボット)や、細い配管内の画像を撮像する点検ロボットなどに利用することができる。
また、変形例3に係るマイクロロボットは、無線操作型の装置に限定されるものではなく、ケーブルなどの物理的な回線を介して操作信号を送信する有線通信型の装置としてもよい。なお、有線通信型のマイクロロボットを構成する場合には、赤外線受光部76を設けずに、物理的な回線(配線)を直接回路基板71に接続する。
また、マイクロロボットには、その他、温度センサやマイクなどの各種センサを搭載するようにしてもよい。
また、変形例3に係るマイクロロボットの移動方向を前方(又は後方)のみに限定する場合には、図8(c)に示すような、斜毛15をベースプレート10の底部に設けることが好ましい。
斜毛15は、斜めに針状繊維が敷きつめられた斜毛シートであり、摩擦力に異方性を有する。斜毛15は、進行異方性を利用して、進行方向に移動する際に生じる摩擦力が小さくなる向きに毛が傾くように設けられている。
このように、斜毛15を設けることにより、マイクロロボットが移動する際に生じる摩擦力を低減させることができるため、移動速度の高速化を図ることができる。
なお、本実施形態に係る移動装置、変形例1、2に係る移動装置においても、移動方向を前方(又は後方)のみに限定する場合には、同様の斜毛シートを進行方向に移動する際に生じる摩擦力が小さくなる向きにベースプレート10の底部に設けるようにしてもよい。
(a)は本実施形態に係る移動装置の概略構造を示した斜視図であり、(b)は本実施形態に係る移動装置の上面図であり、(c)は本実施形態に係る移動装置の側面図である。 本実施形態に係る移動装置の旋回方向とムービングコイルの位置関係を示した図である。 本実施形態に係る移動装置の直進方向とムービングコイルの位置関係を示した図である。 本実施形態に係る移動装置の回転方向とムービングコイルの位置関係を示した図である。 コイル端子に印加する駆動パルスの波形例を示した図である。 (a)は変形例1に係る移動装置の概略構造を示した斜視図であり、(b)は変形例1に係る移動装置の上面図であり、(c)は変形例1に係る移動装置の側面図である。 (a)は変形例2に係る移動装置の概略構造を示した斜視図であり、(b)は変形例2に係る移動装置の上面図であり、(c)は変形例2に係る移動装置の側面図である。 (a)は変形例3に係るマイクロロボットの概略構造を示した上面図であり、(b)、(c)は変形例3に係るマイクロロボットの側面図である。
符号の説明
10 ベースプレート
11 第1軸受ピン
12 第2軸受ピン
15 斜毛
20 第1ムービングコイル
21 フラットコイル
22 コイル端子
23 軸受
30 マグネット
31a〜d ストッパーピン
40 第2ムービングコイル
41 フラットコイル
42 コイル端子
43 軸受
50、60 ヨーク
70 筐体
71 回路基板
72 無線カメラ
73 LED
74 バッテリ
75 充電コネクタ
76 赤外線受光部
77 マグネットスイッチ
80 スペーサ

Claims (8)

  1. 永久磁石と、
    コイルを有し、前記コイルの励磁による磁界と前記永久磁石の磁界との間で作用する力の変化により揺動する揺動体と、
    前記揺動体の揺動範囲を制限するストッパと、
    前記揺動体が前記ストッパを叩打するように前記コイルの励磁電流を制御する制御手段と、
    を具備したことを特徴とする移動装置。
  2. 前記永久磁石は、板状に形成され、
    前記揺動体は、前記永久磁石に対して平行に設けられた板状部材であり、揺動の支点を中心とする円弧状の揺動軌道を描くように揺動し、
    前記コイルは、励磁時に前記永久磁石の磁束と交差する磁束を生じる平面コイルであることを特徴とする請求項1に記載の移動装置。
  3. 前記揺動体は、それぞれ異なる揺動の支点を有し、かつ、前記永久磁石を介して対峙して一対設けられ、
    前記制御手段は、各揺動体のコイルに対する励磁電流の制御を、それぞれ独立して行うことを特徴とする請求項2に記載の移動装置。
  4. 前記制御手段は、前記コイルの両端に極性の異なるパルス電圧を印加することにより、前記コイルの励磁電流を制御することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の移動装置。
  5. 前記ストッパから離れる向きの力を前記揺動体に作用させるパルス電圧の絶対値は、前記ストッパに当たる向きの力を前記揺動体に作用させるパルス電圧の絶対値より大きく設定されていることを特徴とする請求項4に記載の移動装置。
  6. 前記揺動体の支点を軸支する軸受を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1の請求項に記載の移動装置。
  7. 第1の方向に移動する際に生じる摩擦力が小さくなる向きに、走行面との接触面に斜毛が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1の請求項に記載の移動装置。
  8. 当該移動装置の操作信号を受け付ける操作信号受付手段を備え、
    前記制御手段は、前記受け付けた操作信号に基づいて前記励磁電流を制御することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1に記載の移動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH05193536A (ja) * 1992-01-18 1993-08-03 Seiko Instr Inc 小型走行ロボット
JPH07213043A (ja) * 1994-01-19 1995-08-11 Fujitsu Ltd 揺動モータ及び磁気ディスク装置

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