JP2009194101A - 面発光型半導体レーザ装置およびこれを用いたレーザ治療装置 - Google Patents

面発光型半導体レーザ装置およびこれを用いたレーザ治療装置 Download PDF

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Ryoji Ishii
亮次 石井
Hideo Nakayama
秀生 中山
Yasuaki Kuwata
靖章 桑田
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Abstract

【課題】比較的簡易な構成で出射パターンが中空のレーザ光を出射させることができる面発光型半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】面発光型半導体レーザ装置10は、金属製の円盤状のステム12と、ステム12の上面に搭載されたサブマウント14と、サブマウント14上に搭載されたVCSELアレイ16と、ステム12に取り付けられたキャップ18と、ステム12の底面から下方に延在する複数のリード端子20、22、24、26とを含んでいる。VCSELアレイ16の同心円状に配置されたVCSELを選択的に駆動することにより、環状パターンSのレーザ光をキャップ18の上面から出射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の発光素子を含む面発光型半導体レーザ装置に関し、特にレーザ治療装置の光源として利用される面発光型半導体レーザ装置に関する。
光通信や光記録等の技術分野において、面発光型半導体レーザ(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser:以下VCSELと呼ぶ)の光源への関心が高まっている。VCSELは、しきい値電流が低く消費電力が小さい、円形の光スポットが容易に得られる、ウエハ状態での評価や光源の2次元アレイ化が可能であるといった、端面発光型半導体レーザにはない優れた特長を有する。これらの特長を生かし、光通信やレーザ医療の分野において、光源としての利用が期待されている。
現在、レーザ光を利用するレーザ医療は、外科的な治療だけでなく、内科的な治療へとその範囲を広げている。内科的レーザ治療は、低出力のレーザ光を照射することにより、細胞レベルで新陳代謝の活性化を促したり、生体組織の血行改善や血管新生の促進、さらには疼痛緩和や抗炎症作用等の効果が見出されている。そこで、発光ダイオードやレーザを用いた医療用装置に関する技術がいくつかの特許文献により開示されている。
特許文献1は、複数のレーザスポットを有し、走査される複数の隣接するレーザスポットの重なり比率および走査範囲を設定したレーザ治療装置に関する技術を開示している。特許文献2は、パルス状にレーザを発振させる制御部と、レーザ光を照射するプローブとを備えたレーザ治療器に関する技術を開示している。特許文献3は、近赤外線を放射する複数の発光パネルを設けた温熱治療器の製造方法に関する技術を開示している。特許文献4は、フレキシブル基板と、その上に配設された複数のLEDと、LED放射面に偏光子を配設した低反応レベルの光健康器具に関する技術を開示している。
特許文献5は、光源と照射光学系との間を導電体で接続し、導電体を出射した光を分岐する光分岐部材とレーザ光の偏光状態を撹乱する偏光解消部材を備えたレーザ治療装置に関する技術を開示している。特許文献6は、光源とファイバーに接続された光照射部とを有し、光照射部の先に光強度調整部を備えた治療装置に関する技術を開示している。特許文献7は、光軸ズレを生じないようにレーザの発光点を切替えることができるマルチスポット型の面発光型半導体レーザ装置に関する技術を開示している。
特開2004−201995号 特開2004−298208号 特開2004−298563号 特開2005−66360号 特開2005−131250号 特開2006−271828号 特開2006−302981号
従来の典型的なレーザ治療は、単一スポットまたはマルチスポットの光源を用い、一定の照射面積をもつレーザ光を患部に直接的に照射するものである。しかし、レーザ光を直接患部に照射すると、症状が却って悪化してしまうことがあり、他方、レーザ光を患部の周囲にのみ照射すると、治療効果が向上する場合があることも分かりつつある。
従来のレーザ治療器は、レーザ光源とレーザ光源からの光を伝送する光ファイバとを含んでおり、患部の周囲にのみレーザ光を照射するには、複数の光ファイバをリング状に配置して環状パターンのレーザ光を生成しなければならず、装置の構成が非常に煩雑になってしまう。また、このような装置でレーザ光の環状パターンを生成しても、環状パターンの口径を調整することが難しく、照射する患部の大きさに応じた環状パターンを生成することが事実上不可能であった。
本発明は、このような課題を解決するものであり、比較的簡易な構成で出射パターンが中空のレーザ光を出射させることができる面発光型半導体レーザ装置およびレーザ治療装置を提供することを目的とする。
本発明に係る面発光型半導体レーザ装置は、少なくとも第1の半導体多層膜、活性領域、および第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2の半導体多層膜を用いて発光する発光素子が基板上に複数形成された発光素子アレイと、レーザ光の出射パターンが中空となるように前記複数の発光素子の出射を制御する出射制御手段とを有する。
好ましくは出射制御手段は、発光素子アレイ上の選択された発光素子を駆動する駆動手段を含む。好ましくは駆動手段は、発光素子アレイ上の同心円状に配置された発光素子を選択的に駆動する。好ましくは、同心円状に配置された発光素子は、共通の配線パターンにより接続されている。
さらに好ましくは出射制御手段は、前記発光素子アレイに対向して配置された光学部材を含み、当該光学部材は、中空の出射パターンとなるレーザ光を透過させる。光学部材は、前記発光素子アレイに対して接近または離間する方向に移動可能にしてもよい。また、光学部材は、出射パターンの大きさを可変するレンズを含むことができる。さらに光学部材は、他の大きさの出射パターンを透過させるために他の光学部材に交換可能としてもよい。さらに発光素子アレイの周辺部に形成された発光素子のスポット径は、その中央部に形成された発光素子のスポット径と異なるようにしてもよい。
本発明のレーザ治療装置は、上記特徴を有する面発光型半導体レーザ装置を光源に含む。また、本発明に係るレーザ照射方法は、上記特徴を有する面発光型半導体レーザ装置を動作させるステップと、面発光型半導体レーザ装置から出射された環状パターンのレーザ光を生体組織に照射するステップとを有する。
本発明によれば、発光素子アレイの出射を制御する出射制御手段を設けることにより、従来と比較して簡易な構成で環状パターンのレーザ光を出射させることができる。好ましくは、駆動する発光素子を変更したり、光学部材を用いることで、適切な口径の環状パターンを生成することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る面発光型半導体レーザ装置10の概略構成を示す側面断面図および上面図である。第1の実施例に係る面発光型半導体レーザ装置10は、金属製の円盤状のステム12と、ステム12の上面に搭載されたサブマウント14と、サブマウント14上に固定される複数のVCSELが形成されたVCSELアレイ16と、VCSELアレイ16を配置するための内部空間を形成するようにステム12上に取り付けられた円筒状のキャップ18と、ステム12の底面から下方に延在する導電性金属からなる複数のリード端子20、22、24、26とを含んでいる。
キャップ18の上面のほぼ中央には、円形状の開口が形成されている。この開口を塞ぐように、キャップ18の内側には、レーザ光を透過するガラス平板28が接着されている。これにより、VCSELアレイ素子16は、直接に露出されることなく外部のから保護される。
本実施例の面発光型半導体レーザ装置は、後述するように、キャップ18のガラス平板28から環状パターンのレーザ光を出射する。図1(b)において、ハッチングで示す領域は、出射される環状パターンのレーザ光Sを示している
図2は、VCSELアレイ16に形成されたVCSELの配列を示す上面図の例示である。VCSELアレイ16は、半導体基板を含み、当該半導体基板上には発光素子であるVCSEL30が複数形成されている。第1の実施例では、アレイの中心軸Cから半径を異にする複数の同心円状にVCSEL30が配置されている。本例では、中心軸Cから半径R1の同心円状には、8個のVCSEL30aが配置され、半径R2の同心円状には、12個のVCSEL30bが配置され、半径R3の同心円状には、12個のVCSEL30cが配置されている。
VCSEL30aのそれぞれのp側電極は、円形状の配線パターン32aによって相互に接続され、VCSEL30bのそれぞれのp側電極は、円形状の配線パターン32bによって相互に接続され、VCSEL30cのそれぞれのp側電極は、円形状の配線パターン32cによって相互に接続されている。アレイのコーナーには、電極パッド34a、34b、34cが形成されている。電極パッド34aは、配線層36aによって配線パターン32aに接続され、電極パッド34bは、配線層36bによって配線パターン32bに接続され、電極パッド34cは、配線層36cによって配線パターン32cに接続されている。電極パッド34a、34b、34cには、それぞれ対応するリード端子20、22、24にボンディングワイヤなどにより電気的に接続される。また、リード端子26は、後述するようにVCSELのn側電極に共通接続される。
図2に示すVCSELアレイに形成されたVCSEL30b、30cのA−A線断面を図3に示す。同図に示すように、VCSEL30b、30cは、n型のGaAs基板200の裏面にn側の共通電極202を含み、さらに基板200上に、n型のGaAsバッファ層204、n型のAlGaAsの半導体多層膜からなる下部DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ型反射鏡)206、活性領域208、p型のAlAsからなる電流狭窄層210、p型のAlGaAsの半導体多層膜からなる上部DBR212、p型のGaAsコンタクト層214を含む。
VCSEL30b、30cは、下部DBR206に到達するまで半導体層をエッチングすることで、上部DBR212を個々に分離したポストまたはメサ状の発光部を備えている。電流狭窄層210は、ポストの側面から選択的に酸化された酸化領域を含み、当該酸化領域によってポスト内に電流狭窄および光を閉じ込める。各ポストを含む基板上に層間絶縁膜216が形成され、層間絶縁膜216はポスト頂部においてコンタクト層214を露出するためのリンク状のコンタクトホールが形成されている。
p側の配線パターン32bは、同心円状に位置する各VCSEL30bのポスト頂部を延在し、各VCSEL30bのコンタクト層214にコンタクトホールを介して接続される。同様に、p側の配線パターン32cは、同心円状に位置する各VCSEL30cのポスト頂部を延在し、各VCSEL30cのコンタクト層214にコンタクトホールを介して接続される。
配線パターン32b、32cには、ポストの頂部において円形状の開口218が形成され、この開口は、レーザ光を出射する窓となる。ここではVCSEL30b、30cを説明したが、VCSEL30aの構成もこれらと同様である。
再び図2を参照すると、配線層36aは、配線パターン32bおよび32cとの交差し、配線層36bは、配線パターン32cと交差するが、これらの交差部分において、配線層と配線パターンとの間には絶縁層が介在され両者は電気的に絶縁されている。例えば、VCSELアレイ上において、配線パターン32a、電極パッド34aおよび配線層36aのパターンが形成される。次に、基板全面に第1の絶縁層が形成され、第1の絶縁層をパターンニングし、配線パターン32b、電極パッド34bおよび配線層36bを形成する。次に、基板全面に第2の絶縁層を形成し、第2の絶縁層をパターンニングし、配線パターン32c、電極パッド34cおよび配線層36cを形成する。
また、VCSELのポスト径は、中心部から周縁部に向かうに従い大きくなっている。つまり、同心円の半径が大きくなるに従いVCSEL30a、VCSEL30b、VCSEL30cのポスト径が徐々に大きくなっている。ポスト径が大きくなれば、レーザ光の出力を大きくすることができ、環状パターンの口径に応じたレーザ光の強度を得ることができる。
図4は、面発光型半導体レーザ装置の出射を制御する出射制御部の構成を例示している。同図に示すように、出射制御部40は、出射されるレーザ光の環状パターンの大きさに関する情報を入力する入力部42と、入力部42からの入力に応答してp側の駆動電極を選択する駆動電極選択部44と、選択された駆動電極に順方向電力を印加してVCSELを駆動する駆動部46とを含んでいる。
図5に、面発光型半導体レーザ装置を駆動するときの動作フローチャートを示す。まず、入力部42から環状パターンに関する入力が与えられる(ステップS101)。入力部42は、上記したように、出射されるレーザ光の環状パターンの絶対的な口径のサイズ、あるいは環状パターンの口径の相対的なサイズなどの入力を含み、この入力は、ユーザ入力であってもよいし、他の装置からの入力であってもよい。
次に、駆動電極選択部44は、入力された環状パターンの口径の大きさに合致する、若しくはそれに近い環状パターンが出射されるようにp側の駆動電極を選択する(ステップS102)。例えば、入力部42において、環状パターンの大きさとして、「最大」が入力された場合、駆動電極選択部44は、図2に示すVCSELアレイの構成において、電極パッド34cの駆動を選択する。あるいは、環状パターンの大きさとして、「最小」が入力された場合には、駆動電極選択部44は、電極パッド34aの駆動を選択する。
次に、駆動部46は、選択されたp側の電極パッドと共通のn側電極との間に順方向の駆動電流を注入し、VCSELを駆動する(ステップS103)。電極パッド34aが選択された場合には、配線パターン32aによって接続されているVCSEL30aが同時に駆動され、同心円状のVCSEL30aに対応した環状パターンのレーザ光が出射される。電極パッド34bが選択された場合には、配線パターン32bによって接続されているVCSEL30bが同時に駆動され、電極パッド34cが選択された場合には、配線パターン32cによって接続されているVCSEL30cが同時に駆動される。こうして、面発光型半導体レーザ装置のキャップ18から所望の大きさの環状パターンのレーザ光が出射される(ステップS104)。
上記実施例では、3つの同心円状に配置されたVCSELを例示したが、本発明は、このような例に制限されるものではない。例えば、図10(a)に示すように、矩形状に配置されたVCSEL30a、30b、30cとしてもよい。さらに、同心円状に配置されるVCSELの数はピッチは、環状パターンの大きさ等に応じて適宜選択することが可能である。また、上記実施例では、中心軸から遠ざかるに従いVCSELのポストの径を大きくしたが、すべてのVCSELのポスト径が同一であってもよい。
さらに、環状パターンは、必ずしも円形に限るものではなく、要は、中央部にレーザ光が照射されずその外縁にレーザ光が照射されるような中空のパターンであれば、楕円状、矩形状、三角形状、多角形状等であってもよい。また、環状パターンは、複数のVCSELからのレーザ光の連続であるため、照射面における強度のバラツキを含むものであってもよい。環状パターンの照射強度のバラツキは、VCSELのピッチとレーザ光の広がり角によって調整することが可能である。さらに、レーザ光の波長は、目的に応じて適宜変更することができる。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図6は、第2の実施例に係る面発光型半導体レーザ装置の構成を示す概略断面図であり、第1の実施例と同一構成については同一参照番号を付してある。第2の実施例の面発光型半導体レーザ装置10Aは、キャップ52の側壁に、上下方向に移動可能な光学レンズ54を設けている。光学レンズ54は、公知の手段を用いてキャップ52の側壁を摺動し、例えば、マニュアルによって移動され、あるいは図示しないモータなどを用いて移動される。好ましくは、光学レンズ54は、キャップ52による内部空間が封止されるようにキャップ52に取り付けられる。
図7は、第2の本実施例に係る面発光型半導体レーザ装置の動作フローチャートである。まず、第1の実施例のときと同様に、環状パターンの大きさをが入力され(ステップS201)、この入力に応じた駆動電極が選択され(ステップS202)、選択された駆動電極に対応する配線パターンに接続されたVCSELが駆動される(ステップS203)。
次に、光学レンズ54がVCSELアレイ16に接近する方向または離れる方向に移動され(ステップS204)、次いで、光学レンズ54を介して環状パターンのレーザ光が出射される(ステップS205)。光学レンズ54の位置を可変することで、レーザ光の焦点位置を変化させ、使用目的に応じた口径の環状パターンのレーザ光を得ることができる。
図8(a)は、光学レンズをVCSELアレイから遠ざけたときの状態と、そのときの環状パターンの例を示す図であり、図8(b)は、光学レンズをVCSELアレイに接近させたときの状態と、そのときの環状パターンの例を示す図である。図8(a)に示すように、光学レンズ54を離すと、VCSELからの環状パターンSの口径が大きくなり、他方、光学レンズを接近させると、環状パターンの口径が小さくなる。
光学レンズは、必ずしも環状パターンを収束させるものに限らず、発散させるものであってよいし、光学レンズの位置と環状パターンSの口径の大きさとの関係は、用いられる光学レンズに応じて適宜変更することができる。さらに、光学レンズは、必ずしも1つに限らず複数の光学レンズを用いて環状パターンSの倍率を多段階で可変するようにしてもよい。
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図9(a)は、本発明の第3の実施例に係る面発光型半導体レーザ装置の構成を示す概略断面図であり、第1または第2の実施例と同一構成については同一参照番号を付してある。第3の実施例に係る面発光型半導体レーザ装置10Bは、光を透過しない材質によって形成されたカップ状のキャップ62の上部に、環状パターンのレーザ光を透過させる環状のスリット64が形成されている。スリット64は、貫通孔であってもよいが、好ましくは、ガラス等の光学部材をスリット64内に埋め込んだり、あるいはキャップ62の上面に光学部材を接着してスリット64を封止する。
また、第3の実施例では、第1および第2の実施例と異なり、VCSELアレイ上の駆動されるべきVCSELを選択することが必ずしも不要である。つまり、VCSELアレイ上のすべてのVCSELを駆動し、スリット64により外部へ出射される環状パターンのレーザ光を選択する。
スリットの形状、大きさ、スリットの幅等は、目的に応じて適宜変更することができる。図9(b)は、第3の実施例の変形例の面発光型半導体レーザ装置10Cを示しており、キャップ上部63をキャップの側壁から着脱可能に構成する。スリットの大きさや形状の異なる複数のキャップ上部63を用意しておき、目的に応じてキャップ上部を取り替えるようにしてもよい。さらに、第2の実施例と同様に、公知の手段を用いて、キャップ上部63がキャップ側壁に沿って摺動可能とし、キャップ上部63をVCSELアレイに接近または離間する方向へ移動させるようにしてもよい。
VCSELアレイ上のすべてのVCSELを駆動する場合、VCSELの配置は、第1または第2の実施例のように同心円状または矩形状(図10(a))に限らず、VCSELアレイ16bは、図10(b)に示すような2次元状にVCSELを配置し、これらを全駆動するものであってもよい。
次に、上記実施例の面発光型半導体レーザ装置を利用するレーザ治療装置について説明する。図11は、レーザ治療装置の構成例を示すブロック図である。レーザ治療装置100は、面発光型半導体レーザ装置の駆動を制御する制御装置102と、制御装置100と面発光型半導体レーザ装置10とを接続するプローブ104とを含んでいる。プローブ104は、フレキシブルな部材から構成され、制御装置102から出力される電気信号を面発光型半導体レーザ装置10へ供給する。
図12は、レーザ治療装置の制御装置の構成例を示すブロック図である。制御装置102は、VCSELを駆動するための駆動回路120と、光学レンズやスリット等を移動させ、環状パターンの口径を調整する口径調整回路122と、レーザ光の光出力を監視する監視回路124と、監視回路124の出力に基づき駆動回路120を制御する光量制御回路126とを含んでいる。
図13は、プローブの先端に設置された面発光型半導体レーザ装置を示す模式図である。制御装置102から出力される駆動信号は、プローブ104内に配された複数の導電性ケーブルにより先端の面発光型半導体レーザ装置10へ接続される。面発光型半導体レーザ装置は、受け取った駆動信号に基づき、環状パターンのレーザ光を照射する。図14に示すように、環状パターンのレーザ光は、患部112を取り囲むように生体組織110を照射する。
本実施例のレーザ治療装置によれば、面発光型半導体レーザ装置を用いて環状パターンのレーザ光を生成することができるので、レーザ治療装置を簡易な構成とすることができ、装置の製造コストを低減させ、装置の小型化を図ることができる。また、プローブの先端に光源を設けることで、患部への照射も容易である。さらに、光ファイバを介在させることなく、直接光源から被検体にレーザ光を照射できるため、光の導光状態が変化せず、均一な光強度で照射することができる。
上記実施例は例示的なものであり、これによって本発明の特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきものではなく、本発明の特許請求の範囲内において上記実施例を他の構成または方法によって実現可能であることは言うまでもない。
本発明に係る面発光型半導体レーザ装置は、医療機器等の各分野で使用される光源に利用することができる。
図1(a)は本発明の第1の実施例に係る面発光型半導体レーザ装置の概略断面図であり、図1(b)は、面発光型半導体レーザ装置の上面図である。 図1に示すVCSELアレイの構成を示す平面図である。 図2に示すVCSELアレイのA−A線断面図である。 第1の実施例に係る面発光型半導体レーザ装置の出射を制御する出射制御部の構成を示す図である。 第1の実施例の面発光型半導体レーザ装置の駆動動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施例に係る面発光型半導体レーザ装置の概略断面図である。 第2の実施例に係る面発光型半導体レーザ装置の動作フローチャートである。 図8(a)は、光学レンズを離した状態とそのときの環状パターンの例を示す図、図8(b)は、光学レンズを接近した状態とそのときの環状パターンの例を示す図である。 図9(a)は、本発明の第3の実施例に係る面発光型半導体レーザ装置の概略断面図、図9(b)は、第3の実施例の変形例である。 他のVCSELアレイの構成例を示す平面図である。 本実施例の面発光型半導体レーザ装置を用いたレーザ治療装置の構成例を示す図である。 レーザ治療装置の制御装置の構成例を示す図である。 プローブ先端の面発光型半導体レーザ装置の取り付け例を示す図である。 レーザ治療装置による患部への照射例を示す図である。
符号の説明
10、10A、10B、10C:面発光型半導体レーザ装置
12:ステム
14:サブマウント
16、16A、16B:VCSELアレイ
18、52、62:キャップ
20、22、24、26:リード端子
28:ガラス平板
30a、30b、30c:VCSEL
32a、32b、32c:p側配線パターン
34a、34b、34c:p側電極パッド
36a、36b、36c:配線層
54:光学レンズ
64:スリット
100:レーザ治療装置
104:プローブ
112:患部
S:環状パターン

Claims (11)

  1. 少なくとも第1の半導体多層膜、活性領域、および第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2の半導体多層膜を用いて発光する発光素子が基板上に複数形成された発光素子アレイと、
    レーザ光の出射パターンが中空となるように前記複数の発光素子の出射を制御する出射制御手段と、
    を有する面発光型半導体レーザ装置。
  2. 前記出射制御手段は、発光素子アレイ上の選択された発光素子を駆動する駆動手段を含む、請求項1に記載の面発光型半導体レーザ装置。
  3. 前記駆動手段は、発光素子アレイ上の同心円状に配置された発光素子を選択的に駆動する、請求項2に記載の面発光型半導体レーザ装置。
  4. 同心円状に配置された発光素子は、共通の配線パターンにより接続されている、請求項3に記載の面発光型半導体レーザ装置。
  5. 前記出射制御手段は、前記発光素子アレイに対向して配置された光学部材を含み、当該光学部材は、中空の出射パターンとなるレーザ光を透過させる、請求項1に記載の面発光型半導体レーザ装置。
  6. 前記光学部材は、前記発光素子アレイに対して接近または離間する方向に移動可能である、請求項5に記載の面発光型半導体レーザ装置。
  7. 前記光学部材は、出射パターンの大きさを可変するレンズを含む、請求項5に記載の面発光型半導体レーザ装置。
  8. 前記光学部材は、他の大きさの出射パターンを透過させるために他の光学部材に交換可能である、請求項5に記載の面発光型半導体レーザ装置。
  9. 前記発光素子アレイの周辺部に形成された発光素子のスポット径は、その中央部に形成された発光素子のスポット径と異なる、請求項1ないし5いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ装置。
  10. 請求項1から9いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ装置を光源に含むレーザ治療装置。
  11. 請求項1から9いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ装置を動作させるステップと、
    前記面発光型半導体レーザ装置から出射された環状パターンのレーザ光を生体組織に照射するステップと、
    を有するレーザ光照射方法。
JP2008032249A 2008-02-13 2008-02-13 面発光型半導体レーザ装置およびこれを用いたレーザ治療装置 Pending JP2009194101A (ja)

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