JP2009194032A - プラズマ測定方法及びプラズマ測定装置並びに記憶媒体 - Google Patents
プラズマ測定方法及びプラズマ測定装置並びに記憶媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009194032A JP2009194032A JP2008030833A JP2008030833A JP2009194032A JP 2009194032 A JP2009194032 A JP 2009194032A JP 2008030833 A JP2008030833 A JP 2008030833A JP 2008030833 A JP2008030833 A JP 2008030833A JP 2009194032 A JP2009194032 A JP 2009194032A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plasma
- gas
- current
- voltage curve
- electrical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J37/00—Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
- H01J37/32—Gas-filled discharge tubes
- H01J37/32431—Constructional details of the reactor
- H01J37/3244—Gas supply means
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J37/00—Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
- H01J37/32—Gas-filled discharge tubes
- H01J37/32431—Constructional details of the reactor
- H01J37/3244—Gas supply means
- H01J37/32449—Gas control, e.g. control of the gas flow
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J37/00—Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
- H01J37/32—Gas-filled discharge tubes
- H01J37/32917—Plasma diagnostics
- H01J37/32935—Monitoring and controlling tubes by information coming from the object and/or discharge
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Plasma & Fusion (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Plasma Technology (AREA)
- Drying Of Semiconductors (AREA)
Abstract
【課題】電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件を見極めることができる技術を提供すること。
【解決手段】電気的負性ガスと電気的正性ガスとの流量比、前記真空容器内の圧力、及び前記電気的負性ガスと電気的正性ガスをプラズマ化するときのエネルギーの大きさよりなるプロセス条件のパラメータの中から選択されるパラメータを段階的に変えて、少なくとも3つ以上のプロセス条件にてプラズマを生成し、次いでこのプラズマ中に位置するラングミュアプローブに印加した電圧と当該プローブに流れる電流との関係を示す電流電圧曲線を各プロセス条件毎に取得する。そして前記取得した電流電圧曲線群に基づいて電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件を見極める。
【選択図】図1
【解決手段】電気的負性ガスと電気的正性ガスとの流量比、前記真空容器内の圧力、及び前記電気的負性ガスと電気的正性ガスをプラズマ化するときのエネルギーの大きさよりなるプロセス条件のパラメータの中から選択されるパラメータを段階的に変えて、少なくとも3つ以上のプロセス条件にてプラズマを生成し、次いでこのプラズマ中に位置するラングミュアプローブに印加した電圧と当該プローブに流れる電流との関係を示す電流電圧曲線を各プロセス条件毎に取得する。そして前記取得した電流電圧曲線群に基づいて電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件を見極める。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気的負性ガスと電気的正性ガスとを含むプラズマ生成用ガスにエネルギーを供給して得られた真空容器内のプラズマの電気的特性を測定するプラズマ測定方法において、所定のプロセス条件にて生成されたプラズマの電流電圧曲線に基づいて、前記プラズマの電気的特性を把握する技術に関する。
半導体デバイスの製造工程においては、処理室内に導入された処理ガスにエネルギー例えば高周波電力を与えて当該処理ガスをプラズマ化し、このプラズマによりエッチング処理や成膜処理を行うプラズマ技術を用いた半導体プロセスが行われており、このような処理を行うプラズマ処理装置においては、処理の面内均一性を向上させることが要求されている。ところで前記処理室内にて形成されるプラズマの状態は、処理室内の圧力や、高周波電力、処理ガスの組成などのプロセス条件に依存し、前記プロセス条件のパラメータを変えることによって、形成されるプラズマの電子密度分布や、前記プラズマを用いたエッチング処理におけるエッチングレート分布が変化することが知られている。
従ってオペレータは、目的とするプラズマ処理に応じて、プロセス条件のパラメータを変えた多数の処理レシピを作成し、各レシピ毎に実際にプラズマの電子密度分布やエッチングレート分布を測定して、最適なパラメータを選択することが必要となる。しかしながら処理ガスの流量比を変えただけでも前記電子密度分布やエッチングレート分布が変化するので、パラメータの最適化を図るためには、1つのパラメータを変える度に前記電子密度分布等の測定を行わなければならず、極めて煩雑な作業となる。さらに前記電子密度分布の測定は、例えば処理室内に、プラズマ吸収プローブ(PAP: Plasma Absorption Probe)を挿入し、処理室内における同じ高さの複数の測定位置に位置させて、各測定位置において電子密度を求めることにより行われており、前記プラズマ吸収プローブを処理室内の気密性を確保した状態で、かつ高さを揃えて複数の測定位置に位置させることは難しく、この作業を多数回行うことは、非常に煩雑である。
ところで前記プラズマを用いた処理には、CF4ガス、SF6ガス、Cl2ガス、O2ガス等の電気的負性ガスが処理ガスとして多く用いられている。これらのガスをプラズマ化して得られるプラズマでは負イオンが生成され、ArガスやN2ガスなどの電気的正性ガスをプラズマ化して得られるプラズマとは性質の大きく異なるプラズマが生成される。つまり電気的負性ガスをプラズマ化して得られるプラズマは電気的負性プラズマであり、電気的正性ガスをプラズマ化して得られるプラズマは電気的正性プラズマであって、これら電気的負性プラズマと電気的正性プラズマとはその電気的特性が異なり、互いにその性質が異なっている。
ここで電気的負性プラズマは、前記電気的負性ガスを構成する分子がプラズマ中において電子と付着して多くの負イオンを生成し、この負イオンが電子よりも多いプラズマをいう。但しプラズマは中性(準中性)であるため、プラズマ中では負イオンと電子の分布に追随するように正イオンが分布するものと推察される。一方電気的正性プラズマは、プラズマ中の負イオンが電子よりも少ないプラズマをいう。
しかしながら、処理ガスとしては、電気的負性ガスと電気的正性ガスとを組み合わせて用いることが多く、これらの流量比を調整することによって生成されたプラズマが電気的負性プラズマあるか電気的正性プラズマであるかが変化してしまう。従ってあるプロセス条件によって生成されたプラズマが電気的負性プラズマであるか、又は電気的正性プラズマであるかについて判定できれば、このプロセス条件におけるエッチングレート分布の面内均一性を高めるために、さらに電気的負性ガスを添加する等の方策を採りやすく、エッチングレート分布の面内均一性を向上させるためのパラメータの最適化作業が行いやすくなるという利点がある。
また電気的負性ガスと電気的正性ガスとの流量比が同じであっても、処理室内の圧力や、処理ガスをプラズマ化するための高周波電力の大きさ等のプロセス条件を調整することにより、電気的負性プラズマと電気的正性プラズマとの間でプラズマが変化することもある。このように現状では、あるプロセス条件によって生成されたプラズマが電気的負性プラズマであるか否かについてはわからず、これを判定する手法は確立されていない。
ところで特許文献1には、プラズマの電子密度分布の面内均一性を高める手法について記載され、特許文献2にはエッチングレート分布の面内均一性を高める手法について記載されている。しかしながらこれら文献1、文献2においても、生成されたプラズマが電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかを判定する手法や、電子密度分布やエッチングレート分布の高い面内均一性を確保できるプロセス条件の条件出しを容易に行う手法については記載されておらず、本発明の課題を解決することはできない。
本発明はこのような事情のもとになされたものであり、その目的は、電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件を見極めることができる技術、又はあるプロセス条件にて生成されたプラズマが電気的負性プラズマであるか電気的正性プラズマであるかを見極めることができる技術を提供することにある。
このため本発明のプラズマ測定方法は、電気的負性ガスと電気的正性ガスとを含むプラズマ生成用ガスにエネルギーを供給して得られた真空容器内のプラズマの電気的特性を測定するプラズマ測定方法において、
前記真空容器内に供給される電気的負性ガスと電気的正性ガスとの流量比、前記真空容器内の圧力、及び前記エネルギーの大きさよりなるプロセス条件のパラメータの中から選択されるパラメータを段階的に変えて、少なくとも3つ以上のプロセス条件にてプラズマを生成する工程と、
プラズマ中に位置するラングミュアプローブに印加した電圧と当該プローブに流れる電流との関係を示す電流電圧曲線を各プロセス条件毎に取得する工程と、
この工程で取得した電流電圧曲線群に基づいて電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件を見極める工程と、を含むことを特徴とする。
前記真空容器内に供給される電気的負性ガスと電気的正性ガスとの流量比、前記真空容器内の圧力、及び前記エネルギーの大きさよりなるプロセス条件のパラメータの中から選択されるパラメータを段階的に変えて、少なくとも3つ以上のプロセス条件にてプラズマを生成する工程と、
プラズマ中に位置するラングミュアプローブに印加した電圧と当該プローブに流れる電流との関係を示す電流電圧曲線を各プロセス条件毎に取得する工程と、
この工程で取得した電流電圧曲線群に基づいて電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件を見極める工程と、を含むことを特徴とする。
ここで前記プロセス条件を見極める工程は、コンピュータにより前記パラメータの変化量と前記電流電圧曲線の変化量とに基づいて行われるようにしてもよい。また前記電流電圧曲線を取得する工程は、各プロセス条件毎の電流電圧曲線をコンピュータの同じ表示画面上に表示する工程を含むものであってもよい。
さらに本発明のプラズマ測定方法は、電気的負性ガスと電気的正性ガスとを含むプラズマ生成用ガスにエネルギーを供給して得られた真空容器内のプラズマの電気的特性を測定するプラズマ測定方法において、
前記真空容器に電気的正性ガスを供給し、前記真空容器内の圧力及び前記エネルギーの大きさよりなるプロセス条件のパラメータを基準値に設定して基準プラズマを生成する工程と、
前記基準プラズマ中に位置するラングミュアプローブに印加した電圧と当該プローブに流れる電流との関係を示す参照用の電流電圧曲線を取得する工程と、
前記真空容器に前記プラズマ生成用ガスを供給し、被測定対象のプラズマを生成する工程と、
この工程により生成されたプラズマ中に位置するラングミュアプローブに印加した電圧と当該プローブに流れる電流との関係を示す電流電圧曲線を取得する工程と、
この電流電圧曲線と前記参照用の電流電圧曲線とを比較して、当該プラズマが電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかを判定する工程と、を含むことを特徴とする。
前記真空容器に電気的正性ガスを供給し、前記真空容器内の圧力及び前記エネルギーの大きさよりなるプロセス条件のパラメータを基準値に設定して基準プラズマを生成する工程と、
前記基準プラズマ中に位置するラングミュアプローブに印加した電圧と当該プローブに流れる電流との関係を示す参照用の電流電圧曲線を取得する工程と、
前記真空容器に前記プラズマ生成用ガスを供給し、被測定対象のプラズマを生成する工程と、
この工程により生成されたプラズマ中に位置するラングミュアプローブに印加した電圧と当該プローブに流れる電流との関係を示す電流電圧曲線を取得する工程と、
この電流電圧曲線と前記参照用の電流電圧曲線とを比較して、当該プラズマが電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかを判定する工程と、を含むことを特徴とする。
ここで前記電流電圧曲線を取得する工程は、参照用の電流電圧曲線と、被測定対象のプラズマに対応する電流電圧曲線とをコンピュータの同じ表示画面上に表示する工程を含むものであってもよい。また前記電気的負性ガスとしては、CF4ガス、SF6ガス、Cl2ガス、O2ガスのいずれかを用いることができる。
また本発明のプラズマ測定装置は、電気的負性ガスと電気的正性ガスとを含むプラズマ生成用ガスにエネルギーを供給して得られた真空容器内のプラズマの電気的特性を測定するプラズマ測定装置において、
前記真空容器にて生成されたプラズマ中に配置されるラングミュアプローブと、
前記ラングミュアプローブに電圧を掃引しながら印加する電源部と、
前記ラングミュアプローブに流れる電流値を測定する電流計と、
前記電圧値と電流値とから当該プラズマの電流電圧曲線を作成する電流電圧曲線作成部と、
前記電流電圧曲線作成部により作成された電流電圧曲線を表示する表示部と、
前記真空容器内に供給される電気的負性ガスと電気的正性ガスとの流量比、前記真空容器内の圧力、及び前記エネルギーの大きさよりなるプロセス条件のパラメータの中から選択されるパラメータを段階的に変えて、少なくとも3つ以上のプラズマを生成して、各プラズマ毎の電流電圧曲線を前記表示部の同一画面上に表示する手段と、を備えることを特徴とする。
前記真空容器にて生成されたプラズマ中に配置されるラングミュアプローブと、
前記ラングミュアプローブに電圧を掃引しながら印加する電源部と、
前記ラングミュアプローブに流れる電流値を測定する電流計と、
前記電圧値と電流値とから当該プラズマの電流電圧曲線を作成する電流電圧曲線作成部と、
前記電流電圧曲線作成部により作成された電流電圧曲線を表示する表示部と、
前記真空容器内に供給される電気的負性ガスと電気的正性ガスとの流量比、前記真空容器内の圧力、及び前記エネルギーの大きさよりなるプロセス条件のパラメータの中から選択されるパラメータを段階的に変えて、少なくとも3つ以上のプラズマを生成して、各プラズマ毎の電流電圧曲線を前記表示部の同一画面上に表示する手段と、を備えることを特徴とする。
ここで前記パラメータの変化量と前記電流電圧曲線の変化量とに基づいて、電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件を見極める手段をさらに備えるようにしてもよい。
さらに本発明では、電気的負性ガスと電気的正性ガスとを含むプラズマ生成用ガスにエネルギーを供給して得られた真空容器内のプラズマの電気的特性を測定するプラズマ測定装置において、
前記真空容器にて生成されたプラズマ中に配置されるラングミュアプローブと、
前記ラングミュアプローブに電圧を掃引しながら印加する電源部と、
前記ラングミュアプローブに流れる電流値を測定する電流計と、
前記電圧値と電流値とから当該プラズマの電流電圧曲線を作成する電流電圧曲線作成部と、
前記電流電圧曲線作成部により作成された電流電圧曲線を表示する表示部と、
前記真空容器内の圧力及び前記エネルギーよりなるプロセス条件のパラメータを基準値に設定して電気的正性ガスをプラズマ化したときのプラズマの参照用の電流電圧曲線と、被測定対象のプラズマの電流電圧曲線とを前記表示部の同一画面上に表示する手段と、を備えることを特徴とする。
前記真空容器にて生成されたプラズマ中に配置されるラングミュアプローブと、
前記ラングミュアプローブに電圧を掃引しながら印加する電源部と、
前記ラングミュアプローブに流れる電流値を測定する電流計と、
前記電圧値と電流値とから当該プラズマの電流電圧曲線を作成する電流電圧曲線作成部と、
前記電流電圧曲線作成部により作成された電流電圧曲線を表示する表示部と、
前記真空容器内の圧力及び前記エネルギーよりなるプロセス条件のパラメータを基準値に設定して電気的正性ガスをプラズマ化したときのプラズマの参照用の電流電圧曲線と、被測定対象のプラズマの電流電圧曲線とを前記表示部の同一画面上に表示する手段と、を備えることを特徴とする。
ここで前記参照用の電流電圧曲線と、被測定対象のプラズマに対応する電流電圧曲線とを比較して、当該プラズマが電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかを判定する手段をさらに備えるようにしてもよい。
さらにまた本発明の記憶媒体は、プラズマの電気的特性を測定するプラズマ測定装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、前記プログラムは、前記プラズマ測定方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする。
さらにまた本発明の記憶媒体は、プラズマの電気的特性を測定するプラズマ測定装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、前記プログラムは、前記プラズマ測定方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする。
以上において本発明では、ラングミュアプローブを用いて電圧と電流との関係を示す電流電圧曲線を取得し、この電流電圧曲線が電気的正性プラズマと電気的負性プラズマとの間で大きく異なる知見を得ているので、プロセス条件を段階的に変化させることで前記電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件を求めることができる。また電気的正性ガスを用いたプラズマの参照用の電流電圧曲線と、電気的正性ガスと電気的負性ガスとの混合ガスを用いたプラズマの電流電圧曲線とを比較しているので、当該プラズマが電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかを見極めることができる。
ここで電気的正性プラズマと電気的負性プラズマとの間ではエッチングレート分布や電子密度分布が異なることから、本発明によれば電子密度分布やエッチングレート分布が大きく変化する条件を容易に見つけることができ、オペレータが目的とするエッチングレート分布や電子密度分布を得るためのプロセス条件を設定する際に、パラメータの最適化作業が容易となり、プロセス開発段階において高い利用価値がある。
以下、本発明の実施の形態について、平行平板型のプラズマ処理装置に本発明を適用した例を用いて説明する。図1は本実施の形態に係るプラズマ測定装置の概略構成を示す断面図であり、この装置は、真空容器をなす処理室1と、この処理室1内の底面中央に配設された載置台2と、載置台2の上方に当該載置台2と対向するように設けられた上部電極3とを備えている。
前記処理室1は接地されており、また処理室1の底面には排気管11を介して真空排気手段12が接続されている。この真空排気手段12には図示しない圧力調整部が接続されており、これにより処理室1内が所望の圧力に維持されるように構成されている。処理室1の壁面にはウエハWの搬送口13が設けられており、この搬送口13はゲートバルブ14によって開閉可能となっている。
前記載置台2は、下部電極21とこの下部電極21を下方から支持する支持体22とからなり、処理室1の底面に絶縁部材23を介して配設されている。載置台2の上部には静電チャック24が設けられており、高圧直流電源25から電圧が印加されることによって、載置台2上にウエハWが静電吸着されるようになっている。さらに載置台2内には、所定の温調媒体が通る温調流路26が形成されており、載置台2上のウエハWを設定温度に維持するように構成されている。さらにまた載置台2の内部には、He(ヘリウム)ガス等の熱伝導性ガスをバックサイドガスとして供給するガス流路27が形成されており、このガス流路27は載置台2の上面の複数個所で開口している。
前記下部電極21はハイパスフィルタ(HPF)41を介して接地されており、例えば周波数が13.56MHzの高周波電源42が整合器43を介して接続されている。この高周波電源42から供給される高周波は、ウエハWにバイアス電力を印加することでプラズマ中のイオンをウエハWに引き込むためのものである。また下部電極21の外周縁には、静電チャック24を囲むようにフォーカスリング28が配置され、プラズマ発生時にこのフォーカスリング28を介してプラズマが載置台2上のウエハWに集束するように構成されている。
上部電極3は中空状に形成されており、その周縁部を被覆するシールドリング30を介して処理室1の天井部に取り付けられている。また上部電極3の下面には、処理室1内へ処理ガスを分散供給するための多数の孔31が例えば均等に配置されてガスシャワーヘッドを構成している。また上部電極3の上面には、ガス供給路であるガス導入管32が設けられ、このガス導入管32は上流側において、例えば2本に分岐して分岐管32A,32Bを形成し、夫々バルブVA,VBと流量制御部33A,33Bとを介してガス供給源34A,34Bに接続されている。このバルブVA,VB、流量制御部33A,33Bはガス供給系を構成して後述の制御部からの制御信号によって、各ガス供給源34A,34Bのガス流量及び給断の制御を行うことができるように構成されている。
この例では、プラズマ生成用ガスは電気的負性ガスと電気的正性ガスとを含むものであり、ガス供給源34Aは電気的負性ガス例えばCF4ガスの供給源であって、ガス供給源34Bは電気的正性ガス例えばArガスの供給源である。ここで電気的負性ガスとしてはCF4ガスやSF6ガス,Cl2ガス,O2ガス等を用いることができ、電気的正性ガスとしてはArガスやN2ガス,Heガス等を用いることができる。
上部電極3はローパスフィルタ(LPF)44を介して接地されており、高周波電源42よりも周波数の高い周波数例えば60MHzの高周波電源45が整合器46を介して接続されている。上部電極3に接続された高周波電源45からの高周波は、電気的負性ガスや電気的正性ガスをプラズマ化するためのプラズマ発生手段をなすものである。
またこのプラズマ測定装置には、プラズマ測定用のラングミュアプローブ6が設けられている。このラングミュアプローブ6は、その先端がプラズマ生成領域に位置するように、例えばその先端が上部電極3の下方側であって、載置台2の中心の上方側に位置するように設けられる。またこのラングミュアプローブ6の基端側には電源部61と電流計62とが線路63により接続されており、前記電源部61は接地されている。前記ラングミュアプローブ6としては、商品名L2P(KOBELCO,Plasma Consult)等を用いることができる。
前記電源部61は、前記ラングミュアプローブ6に対して負の電圧から正の電圧まで電圧を掃印しながら印加できるように構成されている。また前記電流計62は、前記プラズマ中にラングミュアプローブ6を位置させ、ここに電圧を印加すると、当該プローブ6に電子やイオンが衝突して当該プローブ6と電源部61とを接続する線路63に電流(プローブ電流)が流れるので、このときの電流値を検出するようになっている。
また前記プラズマ測定装置は制御部7により制御されるように構成されている。この制御部7は例えばコンピュータからなり、CPU、プログラム、メモリを備えている。前記プログラムには制御部7からプラズマ測定装置の各部に制御信号を送り、所定の測定工程を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれている。このプログラムは、コンピュータ記憶媒体例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)等の記憶部に格納されて制御部にインストールされる。
ここで前記プログラムに組み込まれるプラズマ測定に関する部位について説明すると、前記ラングミュアプローブ6に印加される電圧(プローブ電圧)とこのプローブ電圧を印加したときに電流計62により検出されるプローブ電流とを対応づけてテーブルとして格納する取得するデータ取得部71と、前記データ取得部71に格納されているプローブ電圧とプローブ電流とに基づいて電流電圧曲線(I−V曲線)を作成するI−V曲線作成部72と、作成された各プロセス条件のI−V曲線を合わせて例えばコンピュータの表示部である同じ表示画面8上に表示する手段であるI−V曲線表示手段73と、表示されたI−V曲線に基づき、前記パラメータの変化量と前記I−V曲線の変化量とに応じて、電気的正性プラズマ領域にあるプラズマのI−V曲線と、電気的負性プラズマ領域にあるプラズマのI−V曲線との境界を見極める手段である判定部74とを備えている。
続いて本発明のプラズマ測定方法について説明する。先ずプロセス条件を設定する。ここでプロセス条件は、電気的負性ガスと電気的正性ガスとの流量比、処理室1(真空容器)内の圧力及び上部電極3へ印加される高周波電力の大きさよりなるパラメータを備えており、この例では、これらのパラメータから選ばれるパラメータを段階的に変えて、少なくとも3つ以上のプロセス条件を設定する(ステップS1)。
具体的にパラメータとして電気的正性プラズマガスと電気的負性プラズマガスの流量比を変える場合を例にして説明する。この場合プロセス条件のパラメータのうち、上部電極3へ印加される高周波電力の大きさを例えば500W、下部電極21へ印加される高周波電力の大きさを例えば100W、処理室1内の圧力を例えば13.3Pa(100mTorr)とし、電気的負性ガスであるCF4ガスと電気的正性ガスであるArガスとの流量比を変えた6個のプロセス条件を設定した。このときCF4ガスとArガスとを合わせて200sccmとし、CF4ガスとArガスの流量比は次のとおりとした。
条件1 CF4ガス:Arガス=200sccm: 0sccm
条件2 CF4ガス:Arガス=100sccm:100sccm
条件3 CF4ガス:Arガス= 50sccm:150sccm
条件4 CF4ガス:Arガス= 10sccm:190sccm
条件5 CF4ガス:Arガス= 5sccm:195sccm
条件6 CF4ガス:Arガス= 0sccm:200sccm
そして実際に各プロセス条件1〜6にてプラズマを生成する(ステップS2)。例えばプロセス条件1の場合を例にして説明すると、真空排気手段12により排気管11を介して処理室1内の排気を行い、こうして処理室1内を13.3Pa(100mTorr)に維持した後、プラズマ生成ガスとしてCF4ガスとArガスとを夫々200sccm,0sccmの流量で供給する。一方周波数が60MHz、500Wの高周波を上部電極3に供給すると共に、周波数が13.56MHz、100Wの高周波を下部電極21に供給して、前記プラズマ生成ガスをプラズマ化する。
条件2 CF4ガス:Arガス=100sccm:100sccm
条件3 CF4ガス:Arガス= 50sccm:150sccm
条件4 CF4ガス:Arガス= 10sccm:190sccm
条件5 CF4ガス:Arガス= 5sccm:195sccm
条件6 CF4ガス:Arガス= 0sccm:200sccm
そして実際に各プロセス条件1〜6にてプラズマを生成する(ステップS2)。例えばプロセス条件1の場合を例にして説明すると、真空排気手段12により排気管11を介して処理室1内の排気を行い、こうして処理室1内を13.3Pa(100mTorr)に維持した後、プラズマ生成ガスとしてCF4ガスとArガスとを夫々200sccm,0sccmの流量で供給する。一方周波数が60MHz、500Wの高周波を上部電極3に供給すると共に、周波数が13.56MHz、100Wの高周波を下部電極21に供給して、前記プラズマ生成ガスをプラズマ化する。
そして生成されたプラズマにラングミュアプローブ6を接触させ、このラングミュアプローブ6に、電源部61からプローブ電圧を掃印しながら印加し、このときに線路63に流れるプローブ電流を電流計62により検出して、データ取得部71に、前記プローブ電圧とプローブ電流とを対応づけてテーブルとして格納する(ステップS3)。次いでI−V曲線作成部72により前記データ取得部71に格納されているプローブ電圧とプローブ電流とに基づいてI−V曲線を作成する(ステップS4)。
こうして設定された全てのプロセス条件1〜6にてプラズマを生成して、そのプラズマのI−V曲線を作成し、I−V曲線表示部73により全てのI−V曲線をコンピュータの同じ表示画面上に表示する(ステップS5)。そして判定部74により、前記パラメータの変化量と前記I−V曲線の変化量とに応じて、電気的正性プラズマ領域にあるI−V曲線と電気的負性プラズマ領域にあるI−V曲線との境界を見極める(ステップS6)。
図4に、各プロセス条件1〜6にて生成されたプラズマのI−V曲線を示す。図中縦軸は前記プローブ電圧、横軸は前記プローブ電流の値を夫々示している。この際、電源部61からラングミュアプローブ6に向けて流れる電流を正の電流とし、ラングミュアプローブ6から電源部61に向けて流れる電流を負の電流としている。
この図より、プロセス条件1〜4のI−V曲線と、プロセス条件5,6のI−V曲線は夫々挙動がほぼ同じであると捉えることができる。またプロセス条件4〜6の間では、パラメータはCF4ガスの流量が5sccmずつ変化しているが、プロセス条件5,6の間のI−V曲線はあまり変化がないのに対して、プロセス条件4,5の間では、両者のI−V曲線のカーブは大きく異なっている。従ってプロセス条件4のI−V曲線とプロセス条件5のI−V曲線との間では、パラメータの変化量に比べて前記電流電圧曲線の変化量が大きく、これらの間に電気的正性プラズマ領域にあるI−V曲線と電気的負性プラズマ領域にあるI−V曲線との境界が存在すると判定され、例えばその旨が前記表示画面8上に表示される。
ここでプロセス条件1〜4のI−V曲線は電気的負性プラズマ領域にあり、プロセス条件5,6のI−V曲線は電気的正性プラズマ領域にあると判定される。プラズマは電気的に中性であるが、ラングミュアプローブ6に電圧を印加することにより、電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかに応じて以下の推測により異なったI−V曲線が得られるものと思われる。すなわち電気的負性プラズマは、既述のように負イオンが電子より多いプラズマであり、電気的負性度が大きい。従ってプラズマ中に置かれたラングミュアプローブ6に対して電源部61から大きな負の電位を持つプローブ電圧例えばー120Vを印加しても、プラズマの方が電源部61の電位よりも負電位の程度が大きく、このプラズマと電源部61の電位差により、プラズマからラングミュアプローブ6(電源部61)に向けて電子が移動する。これにより電流は、電源部61からラングミュアプローブ6に向かうように流れるので、プローブ電流の値は正となる。そして徐々にプローブ電圧の負の程度を小さくしていくと、プラズマと電源部61との電位差が大きくなるので、よりプローブ電流は大きくなっていく。
一方電気的正性プラズマは、既述のように負イオンよりも電子が多いプラズマであり、電気的負性プラズマよりも電気的負性度が小さい。従ってプラズマ中に置かれたラングミュアプローブ6に対して電源部61から大きな負の電位を持つプローブ電圧例えばー120Vを印加したときは、プラズマの方が電源部61の電位よりも負電位の程度が小さく、このプラズマと電源部61の電位差により、ラングミュアプローブ6(電源部61)からプラズマに向けて電子が移動する。これにより電流は、プラズマからラングミュアプローブ6に向かうように流れることになり、プローブ電流の値は負となる。そして徐々に電源部61から前記プローブ6に対して印加される負の電位の程度を小さくしていくと(プローブ電圧を大きくしていくと)、プローブ電圧がある電位のときに、プローブ電流の向きが逆転する。
つまりプロセス条件6を見ると、−20Vのプローブ電圧を印加したときは、プラズマと電源部61の電位がほぼ同じになり、これらの間で電子が移動しないので、プローブ電流はゼロになる。次いで−20Vより大きいプローブ電圧を印加すると、プラズマの方が電源部61よりも負の程度が大きくなり、このプラズマと電源部61の電位差により、プラズマからラングミュアプローブ6に向けて電子が移動するので、電流が電源部61からプラズマに向けて流れ、プローブ電流の値は正となる。
以上のように、生成されたプラズマが電気的負性プラズマであるか電気的正性プラズマであるかは、当該プラズマのI−V曲線を取得し、このデータにより把握することができ、この例ではプロセス条件1〜プロセス条件4では、プローブ電圧の負電位が−100Vと大きくても、プローブ電流が正であるので電気的負性プラズマであり、プロセス条件5,6では、プローブ電圧の負電位が−30V以下のときには、プローブ電流が負の値であり、プローブ電圧が−20V〜−10V程度と負電位の程度が小さくなったときに、プローブ電流が正の値に逆転するので、電気的正性プラズマであると判定される。
このように、プラズマは電気的に中性(準中性)であるが、プラズマにラングミュアプローブ6の先端を接触させ、このプローブ6に対して電圧を負の電位から正の電位まで掃引して印加したときには、既述のようにプローブ電流が検出され、図4に示すようなI−V曲線を得ることができることから、電気学の側面から見ると前記プローブ6に電圧を印加したときには、電源部61から前記プローブ6に向かう向きを正とする電流が流れることが理解される。なおプロセス条件1〜3のデータにおいてはプローブ電圧が−50V以上になるとプローブ電流が乱れるが、これはプラズマ中の電子がプローブに衝突するためと考えられる。また負イオンがプローブに衝突している可能性もある。
以上において電気的正性プラズマ領域にあるI−V曲線と電気的負性プラズマ領域にあるI−V曲線との境界の見極めは、各プロセス条件1〜6のI−V曲線を見てオペレータが行ってもよい。
このように本発明は、プロセス条件のパラメータから選択される例えば一つのパラメータを段階的に変えて、少なくとも3つ以上のプロセス条件を設定して、これらプロセス条件の下で生成されたプラズマ毎にI−V曲線を取得し、同じ表示画面8上に表示したときに、パラメータの変化量に対してI−V曲線の変化量が大きくなるプロセス条件が存在することに着目して成されたものであり、パラメータの変化量に対してI−V曲線の変化量が大きくなるプロセス条件を、電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件として見極めることができる。
ここで後述の実施例から明らかなように、電気的正性プラズマと電気的負性プラズマとは互いにプラズマの性質が異なり、これらのプラズマ間ではエッチングレート分布や電子密度分布が異なっている。従って電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件を見極めることができれば、電子密度分布やエッチングレート分布が大きく変化する条件を容易に見つけることができる。これによりプロセス開発段階において、オペレータが目的とするエッチングレート分布や電子密度分布を得るためのプロセス条件を設定する際に、電気的正性プラズマと電気的負性プラズマのどちらを形成すればよいか等の指標を得ることができる。この際、上述の例のように、電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件が分かれば、これに基づいてプロセス条件のパラメータのさらに細かい条件出し作業を行えばよいので、前記パラメータの最適化作業が容易になる。
以上において、電気的負性ガスと電気的正性ガスとの流量比を同じにして、上部電極3に供給される高周波電力の大きさや、処理室1内の圧力を変化させた場合であっても、前記流量比を調整した場合に比べて変化の度合いは低いものの、プラズマ状態が変化する。従ってこれらのパラメータ(高周波電力の大きさ、処理室1内の圧力)を段階的に変化させた場合も、生成されるプラズマのI−V曲線は異なってくる。このため前記パラメータの変化量と前記I−V曲線の変化量とに応じて、電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件を見極めることができる。
続いて他の実施の形態について説明する。この実施の形態では、基準プラズマのI−V曲線である参照用の電流電圧曲線(以下「参照曲線」という)と、あるプロセス条件により生成された被測定対象のプラズマのI−V曲線とを比較して、当該被測定対象のプラズマが電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかを判定するというものである。具体的に説明すると、先ず基準プラズマを生成し、このプラズマのI−V曲線を参照曲線として取得しておく(ステップS11)。ここで基準プラズマとは、電気的正性ガス例えばArガスのみを用い、プロセス条件のパラメータである処理室1内の圧力と、上部電極3に供給される高周波電力の大きさを基準値に設定し、この条件の下で生成されたプラズマである。この場合、参照曲線は予め取得しておいたものを繰り返し用いてもよいし、判定の都度取得し直してもよい。
この例の基準プラズマのプロセス条件は、電気的正性ガスであるArガスの 流量を200sccm、上部電極3へ印加される高周波電力の大きさを500W、下部電極21へ印加される高周波電力の大きさを100W、処理室1内の圧力を13.3Pa(100mTorr)に夫々設定したものである。
そして被測定対象のプラズマを生成するためのプロセス条件を設定する(ステップS12)。つまり電気的負性ガスと電気的正性ガスの流量比、処理室1内の圧力及び上部電極3へ印加される高周波電力の大きさよりなるパラメータを設定する。この例では、処理室1内の圧力及び上部電極3へ印加される高周波電力の大きさは基準プラズマのパラメータと同じに設定した。具体的には、電気的負性ガスであるCF4ガスと電気的正性ガスであるArガスとの流量比をCF4ガス:Arガス=10sccm:190sccm、上部電極3へ印加される高周波電力の大きさを500W、下部電極21へ印加される高周波電力の大きさを100W、処理室1内の圧力を13.3Pa(100mTorr)に夫々設定した。
次いでこのプロセス条件にてプラズマ生成ガスをプラズマ化し(ステップS13)、このプラズマにラングミュアプローブ6を接触させて、既述のように、データ取得部71により、プローブ6に印加したプローブ電圧と、このときに線路63に流れるプローブ電流を対応づけて取得し(ステップS14)、I−V曲線作成部72によりI−V曲線を作成する(ステップS15)。
続いてI−V曲線表示手段73により、前記参照曲線と前記被測定対象のプラズマのI−V曲線をコンピュータの同じ表示画面8上に表示し(ステップS16)、判定部74により、前記参照曲線と前記被測定対象のプラズマのI−V曲線を比較して、当該被測定対象のプラズマが電気的正性プラズマであるか又は電気的負性プラズマであるかを判定し、この結果を表示する(ステップS17)。この際前記プロセス条件にて生成されたプラズマが、電気的正性プラズマであるか又は電気的負性プラズマであるかの判定は、オペレータが行うようにしてもよい。なおこの例では、前記表示手段73が、参照曲線と被測定対象のプラズマの電流電圧曲線とを前記表示部の同一画面上に表示する手段に相当し、前記判定部74が前記参照曲線と、被測定対象のプラズマに対応する電流電圧曲線とを比較して、当該プラズマが電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかを判定する手段に相当する。
ここで図6に参照曲線と被測定対象のプラズマのI−V曲線とを表示した特性図を示す。図中実線が参照曲線であり、一点鎖線が被測定対象のI−V曲線である。この図においても、図中縦軸は前記プローブ電圧、横軸は前記プローブ電流の値を夫々示している。この際、電流は電源部61からラングミュアプローブ6に向けて流れる電流を正の電流とし、ラングミュアプローブ6から電源部61に向けて流れる電流を負の電流としている。
この例では、上述の実施の形態のデータより、電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域の境界のプロセス条件を把握し、電気的正性ガスであるArガスをプラズマ化すると、既述のように電気的正性プラズマが形成されること、また上述の実施の形態のプロセス条件5(CF4ガス:Arガス=195sccm:5sccm)のプラズマのI−V曲線は、Arガスのみを用いたプラズマのI−V曲線(プロセス条件6;CF4ガス:Arガス=200sccm:0sccm)よりも、プローブ電流の正負が逆転するときのプローブ電圧が正側にシフトしていることから、Arガスのみを用いたプラズマのI−V曲線を電気的正性プラズマ領域の境界のI−V曲線とみなし、これを基準にして電気的正性プラズマ領域のプラズマであるか、電気的負性プラズマ領域のプラズマであるかを判定している。
電気的正性プラズマと電気的負性プラズマとの間の変化は、電気的負性ガスの流量の変化に対して急激に起こる。そのガス流量には閾値のようなものがあり、その閾値の前後(電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界)でIV曲線が大きく変化することが分かっている。従ってその閾値よりも電気的に正側にシフトしているか、負側にシフトしているかによって、被測定対象のプラズマが電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかが判定される。この例では、閾値と判断されるArガスのみを用いたプラズマのI−V曲線よりも負側にシフトしているので、当該被測定対象のプラズマは電気的負性プラズマと判定される。
この実施の形態では、基準プラズマのI−V曲線である参照曲線と、あるプロセス条件のI−V曲線とを比較して、当該プロセス条件により生成されるプラズマが電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかを判定しているので、設定されたプロセス条件で生成されるプラズマが電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかを容易に判定できる。これにより、オペレータが目的とするエッチングレート分布や電子密度分布を得るためのプロセス条件を設定する際、プロセス条件のパラメータの最適化作業が容易になる。
例えばエッチングレート分布の面内均一性を向上させるためには、電気的負性ガスであるCF4ガスとArガスを用いて電気的負性プラズマを生成し、さらに電気的負性度が大きいSF6ガスを添加するなどの方策を採ることができる。このようにプラズマの電気的特性を把握することによって、目的とするエッチングレート分布や電子密度分布を確保するために、次にどのような方策をとればよいかが判断しやすくなり、結果としてプロセス条件のパラメータの最適化作業が容易になる。
この例においては、基準プラズマは電気的正性ガスのみを用い、これをプラズマ化して得られるものであるが、ここでは電気的正性ガスに数%例えば2〜3%の電気的負性ガスを添加した場合も含まれるものとする。上述のプロセス条件5のように、電気的正性ガスに2.5%の電気的負性ガスを添加した場合であっても、電気的正性プラズマが生成されるからである。
以下に本発明の効果を確認するために行った実施例について説明する。
(電子密度分布の測定)
図1に示すプラズマ測定装置を用い、上述の実施の形態のプロセス条件1〜6のプラズマを生成して、各プラズマの電子密度分布を測定した。ここでプロセス条件1〜6について記載すると、上部電極3へ印加される高周波電力の大きさを500W、下部電極21へ印加される高周波電力の大きさを100W、処理室1内の圧力を例えば13.3Pa(100mTorr)とし、プラズマ生成ガスの流量比は以下のとおりである。
(電子密度分布の測定)
図1に示すプラズマ測定装置を用い、上述の実施の形態のプロセス条件1〜6のプラズマを生成して、各プラズマの電子密度分布を測定した。ここでプロセス条件1〜6について記載すると、上部電極3へ印加される高周波電力の大きさを500W、下部電極21へ印加される高周波電力の大きさを100W、処理室1内の圧力を例えば13.3Pa(100mTorr)とし、プラズマ生成ガスの流量比は以下のとおりである。
条件1 CF4ガス:Arガス=200sccm: 0sccm
条件2 CF4ガス:Arガス=100sccm:100sccm
条件3 CF4ガス:Arガス= 50sccm:150sccm
条件4 CF4ガス:Arガス= 10sccm:190sccm
条件5 CF4ガス:Arガス= 5sccm:195sccm
条件6 CF4ガス:Arガス= 0sccm:200sccm
このときの電子密度分布を図7に示す。図中横軸はウエハ中心からの距離、縦軸は電子密度を夫々示しており、プロセス条件1は○、プロセス条件2は△、プロセス条件3は◇、プロセス条件4は□、プロセス条件5は◆、プロセス条件6は■にて夫々のデータを示している。
この結果より、プロセス条件1〜4に比べて、プロセス条件5,6については電子密度が大きく、またプロセス条件1〜4のデータ、プロセス条件5,6のデータは夫々挙動が似ていることが認められた。ここで図3の結果より、プロセス条件1〜4は電気的負性プラズマ、プロセス条件5及びプロセス条件6は電気的正性プラズマであることが把握されており、これにより電気的正性プラズマと電気的負性プラズマとの間では、プラズマの電子密度分布が大きく変化することが確認された。
(Siのエッチングレート分布の測定)
図1に示すプラズマ測定装置を用い、上述の実施の形態のプロセス条件1〜6のプラズマを生成して、各プラズマのエッチングレート分布を測定した。ここでプロセス条件1〜6については既述の通りである。
条件2 CF4ガス:Arガス=100sccm:100sccm
条件3 CF4ガス:Arガス= 50sccm:150sccm
条件4 CF4ガス:Arガス= 10sccm:190sccm
条件5 CF4ガス:Arガス= 5sccm:195sccm
条件6 CF4ガス:Arガス= 0sccm:200sccm
このときの電子密度分布を図7に示す。図中横軸はウエハ中心からの距離、縦軸は電子密度を夫々示しており、プロセス条件1は○、プロセス条件2は△、プロセス条件3は◇、プロセス条件4は□、プロセス条件5は◆、プロセス条件6は■にて夫々のデータを示している。
この結果より、プロセス条件1〜4に比べて、プロセス条件5,6については電子密度が大きく、またプロセス条件1〜4のデータ、プロセス条件5,6のデータは夫々挙動が似ていることが認められた。ここで図3の結果より、プロセス条件1〜4は電気的負性プラズマ、プロセス条件5及びプロセス条件6は電気的正性プラズマであることが把握されており、これにより電気的正性プラズマと電気的負性プラズマとの間では、プラズマの電子密度分布が大きく変化することが確認された。
(Siのエッチングレート分布の測定)
図1に示すプラズマ測定装置を用い、上述の実施の形態のプロセス条件1〜6のプラズマを生成して、各プラズマのエッチングレート分布を測定した。ここでプロセス条件1〜6については既述の通りである。
このときのエッチングレート分布を図8に示す。図中横軸はウエハ面内位置、縦軸はエッチングレートを夫々示しており、プロセス条件1は○、プロセス条件2は△、プロセス条件3は◇、プロセス条件4は□、プロセス条件5は◆、プロセス条件6は■にて夫々のデータを示している。
この結果より、プロセス条件1〜4に比べて、プロセス条件5,6についてはエッチングレート分布が小さく、またプロセス条件1〜4のデータ、プロセス条件5,6のデータは夫々挙動が似ていることが認められた。ここで既述のように、プロセス条件1〜4は電気的負性プラズマ、プロセス条件5及びプロセス条件6は電気的正性プラズマであることが把握されているので、電気的正性プラズマと電気的負性プラズマとの間では、エッチングレート分布が大きく変化することが確認された。
(参考実験:SiO2のエッチングレート分布の測定)
図1に示すプラズマ測定装置を用い、プロセス条件11〜15のプラズマを生成して、各プラズマのエッチングレート分布を測定した。ここでプロセス条件11〜15は、上部電極3へ印加される高周波電力の大きさを1500W、下部電極21へ印加される高周波電力の大きさを100W、処理室1内の圧力を例えば13.3Pa(100mTorr)とし、プラズマ生成ガスとしてCF4ガスとNF3ガスとを用いたものであり、各プロセス条件11〜15におけるこれらガスの流量比は次のとおりとした。
この結果より、プロセス条件1〜4に比べて、プロセス条件5,6についてはエッチングレート分布が小さく、またプロセス条件1〜4のデータ、プロセス条件5,6のデータは夫々挙動が似ていることが認められた。ここで既述のように、プロセス条件1〜4は電気的負性プラズマ、プロセス条件5及びプロセス条件6は電気的正性プラズマであることが把握されているので、電気的正性プラズマと電気的負性プラズマとの間では、エッチングレート分布が大きく変化することが確認された。
(参考実験:SiO2のエッチングレート分布の測定)
図1に示すプラズマ測定装置を用い、プロセス条件11〜15のプラズマを生成して、各プラズマのエッチングレート分布を測定した。ここでプロセス条件11〜15は、上部電極3へ印加される高周波電力の大きさを1500W、下部電極21へ印加される高周波電力の大きさを100W、処理室1内の圧力を例えば13.3Pa(100mTorr)とし、プラズマ生成ガスとしてCF4ガスとNF3ガスとを用いたものであり、各プロセス条件11〜15におけるこれらガスの流量比は次のとおりとした。
条件11 CF4ガス:NF3ガス=100sccm: 0sccm
条件12 CF4ガス:NF3ガス=100sccm: 5sccm
条件13 CF4ガス:NF3ガス=100sccm:10sccm
条件14 CF4ガス:NF3ガス=100sccm:25sccm
条件15 CF4ガス:NF3ガス=100sccm:50sccm
このときのエッチングレート分布を図9に示す。図中横軸はウエハ面内位置、縦軸はエッチングレートを夫々示しており、プロセス条件11は×、プロセス条件12は○、プロセス条件13は□、プロセス条件14は△、プロセス条件15は◇にて夫々のデータを示している。
(参考実験:SiNのエッチングレート分布の測定)
図1に示すプラズマ測定装置を用い、プロセス条件11〜15のプラズマを生成して、各プラズマのエッチングレート分布を測定した。ここでプロセス条件11〜15は既述のとおりとした。
条件12 CF4ガス:NF3ガス=100sccm: 5sccm
条件13 CF4ガス:NF3ガス=100sccm:10sccm
条件14 CF4ガス:NF3ガス=100sccm:25sccm
条件15 CF4ガス:NF3ガス=100sccm:50sccm
このときのエッチングレート分布を図9に示す。図中横軸はウエハ面内位置、縦軸はエッチングレートを夫々示しており、プロセス条件11は×、プロセス条件12は○、プロセス条件13は□、プロセス条件14は△、プロセス条件15は◇にて夫々のデータを示している。
(参考実験:SiNのエッチングレート分布の測定)
図1に示すプラズマ測定装置を用い、プロセス条件11〜15のプラズマを生成して、各プラズマのエッチングレート分布を測定した。ここでプロセス条件11〜15は既述のとおりとした。
このときのエッチングレート分布を図10に示す。図中横軸はウエハ面内位置、縦軸はエッチングレートを夫々示しており、プロセス条件11は×、プロセス条件12は○、プロセス条件13は□、プロセス条件14は△、プロセス条件15は◇にて夫々のデータを示している。
(参考実験:フォトレジストのエッチングレート分布の測定)
図1に示すプラズマ測定装置を用い、プロセス条件11〜15のプラズマを生成して、各プラズマのエッチングレート分布を測定した。ここでプロセス条件11〜15は既述のとおりとした。
(参考実験:フォトレジストのエッチングレート分布の測定)
図1に示すプラズマ測定装置を用い、プロセス条件11〜15のプラズマを生成して、各プラズマのエッチングレート分布を測定した。ここでプロセス条件11〜15は既述のとおりとした。
このときのエッチングレートを図11に示す。図中横軸はウエハ面内位置、縦軸はエッチングレート分布を夫々示しており、プロセス条件11は×、プロセス条件12は○、プロセス条件13は□、プロセス条件14は△、プロセス条件15は◇にて夫々のデータを示している。
これら参考実験(図9〜図11)は、CF4ガスに、当該CF4ガスよりも電子付着係数が大きいガスであるNF3ガスを添加したときのエッチングレート分布の変化を把握するために行ったものである。ここでCF4ガスよりも電子付着係数が大きいとは、CF4ガスよりも負イオンを生じさせやすいガスをいう。
この結果より、NF3ガスを添加しないプロセス条件11に比べて、NF3ガスを添加するプロセス条件12,13ではエッチングレートの面内均一性が向上するが、NF3ガスの添加量が多いプロセス条件14,15についてはエッチングレートの面内均一性が悪化することが認められた。これにより電気的負性プラズマを生成し、さらに電子付着係数が大きい電気的負性ガスを添加することによってエッチングレートの面内均一性が向上するものの、その添加量には適正範囲があることが理解される。
以上において本発明の測定対象のプラズマは、プラズマ生成ガスにエネルギーを供給して真空容器内にて得られたものであり、前記エネルギーは、上述のように高周波電力であってもよいし、マイクロ波を用いたものや、その他あらゆるプラズマを生成させるエネルギーであってもよい。またラングミュアプローブは予め真空容器に設けられるものであってもよいし、真空容器内にプラズマが発生してから挿入されるものであってもよい。
1 処理室
12 真空排気手段
2 載置台
3 上部電極
45 高周波電源部
6 ラングミュアプローブ
61 電源部
62 電流計
7 制御部
71 データ取得部
72 I−V曲線作成部
73 I−V曲線表示手段
74 判定部
12 真空排気手段
2 載置台
3 上部電極
45 高周波電源部
6 ラングミュアプローブ
61 電源部
62 電流計
7 制御部
71 データ取得部
72 I−V曲線作成部
73 I−V曲線表示手段
74 判定部
Claims (11)
- 電気的負性ガスと電気的正性ガスとを含むプラズマ生成用ガスにエネルギーを供給して得られた真空容器内のプラズマの電気的特性を測定するプラズマ測定方法において、
前記真空容器内に供給される電気的負性ガスと電気的正性ガスとの流量比、前記真空容器内の圧力、及び前記エネルギーの大きさよりなるプロセス条件のパラメータの中から選択されるパラメータを段階的に変えて、少なくとも3つ以上のプロセス条件にてプラズマを生成する工程と、
プラズマ中に位置するラングミュアプローブに印加した電圧と当該プローブに流れる電流との関係を示す電流電圧曲線を各プロセス条件毎に取得する工程と、
この工程で取得した電流電圧曲線群に基づいて電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件を見極める工程と、を含むことを特徴とするプラズマ測定方法。 - 前記プロセス条件を見極める工程は、コンピュータにより前記パラメータの変化量と前記電流電圧曲線の変化量とに基づいて行われることを特徴とする請求項1記載のプラズマ測定方法。
- 前記電流電圧曲線を取得する工程は、各プロセス条件毎の電流電圧曲線をコンピュータの同じ表示画面上に表示する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ測定方法。
- 電気的負性ガスと電気的正性ガスとを含むプラズマ生成用ガスにエネルギーを供給して得られた真空容器内のプラズマの電気的特性を測定するプラズマ測定方法において、
前記真空容器に電気的正性ガスを供給し、前記真空容器内の圧力及び前記エネルギーの大きさよりなるプロセス条件のパラメータを基準値に設定して基準プラズマを生成する工程と、
基準プラズマ中に位置するラングミュアプローブに印加した電圧と当該プローブに流れる電流との関係を示す参照用の電流電圧曲線を取得する工程と、
前記真空容器に前記プラズマ生成用ガスを供給し、被測定対象のプラズマを生成する工程と、
この工程により生成されたプラズマ中に位置するラングミュアプローブに印加した電圧と当該プローブに流れる電流との関係を示す電流電圧曲線を取得する工程と、
この電流電圧曲線と前記参照用の電流電圧曲線とを比較して、当該プラズマが電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかを判定する工程と、を含むことを特徴とするプラズマ測定方法。 - 前記電流電圧曲線を取得する工程は、参照用の電流電圧曲線と、被測定対象のプラズマに対応する電流電圧曲線とをコンピュータの同じ表示画面上に表示する工程を含むことを特徴とする請求項4記載のプラズマ測定方法。
- 前記電気的負性ガスは、CF4ガス、SF6ガス、Cl2ガス、O2ガスのいずれかであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一に記載のプラズマ測定方法。
- 電気的負性ガスと電気的正性ガスとを含むプラズマ生成用ガスにエネルギーを供給して得られた真空容器内のプラズマの電気的特性を測定するプラズマ測定装置において、
前記真空容器にて生成されたプラズマ中に配置されるラングミュアプローブと、
前記ラングミュアプローブに電圧を掃引しながら印加する電源部と、
前記ラングミュアプローブに流れる電流値を測定する電流計と、
前記電圧値と電流値とから当該プラズマの電流電圧曲線を作成する電流電圧曲線作成部と、
前記電流電圧曲線作成部により作成された電流電圧曲線を表示する表示部と、
前記真空容器内に供給される電気的負性ガスと電気的正性ガスとの流量比、前記真空容器内の圧力、及び前記エネルギーの大きさよりなるプロセス条件のパラメータの中から選択されるパラメータを段階的に変えて、少なくとも3つ以上のプラズマを生成して、各プラズマ毎の電流電圧曲線を前記表示部の同一画面上に表示する手段と、を備えることを特徴とするプラズマ測定装置。 - 前記パラメータの変化量と前記電流電圧曲線の変化量とに基づいて、電気的正性プラズマ領域と電気的負性プラズマ領域との境界のプロセス条件を見極める手段をさらに備えることを特徴とする請求項7記載のプラズマ測定装置。
- 電気的負性ガスと電気的正性ガスとを含むプラズマ生成用ガスにエネルギーを供給して得られた真空容器内のプラズマの電気的特性を測定するプラズマ測定装置において、
前記真空容器にて生成されたプラズマ中に配置されるラングミュアプローブと、
前記ラングミュアプローブに電圧を掃引しながら印加する電源部と、
前記ラングミュアプローブに流れる電流値を測定する電流計と、
前記電圧値と電流値とから当該プラズマの電流電圧曲線を作成する電流電圧曲線作成部と、
前記電流電圧曲線作成部により作成された電流電圧曲線を表示する表示部と、
前記真空容器内の圧力及び前記エネルギーよりなるプロセス条件のパラメータを基準値に設定して電気的正性ガスをプラズマ化したときのプラズマの参照用の電流電圧曲線と、被測定対象のプラズマの電流電圧曲線とを前記表示部の同一画面上に表示する手段と、を備えることを特徴とするプラズマ測定装置。 - 前記参照用の電流電圧曲線と、被測定対象のプラズマに対応する電流電圧曲線とを比較して、当該プラズマが電気的正性プラズマであるか電気的負性プラズマであるかを判定する手段をさらに備えることを特徴とする請求項9記載のプラズマ測定装置。
- プラズマの電気的特性を測定するプラズマ測定装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記プログラムは、請求項1ないし請求項7に記載されたプラズマ測定方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする記憶媒体。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008030833A JP2009194032A (ja) | 2008-02-12 | 2008-02-12 | プラズマ測定方法及びプラズマ測定装置並びに記憶媒体 |
CN200980100651A CN101821837A (zh) | 2008-02-12 | 2009-01-30 | 等离子体测定方法、等离子体测定装置和存储介质 |
PCT/JP2009/051610 WO2009101866A1 (ja) | 2008-02-12 | 2009-01-30 | プラズマ測定方法及びプラズマ測定装置並びに記憶媒体 |
KR1020107017853A KR20100105768A (ko) | 2008-02-12 | 2009-01-30 | 플라즈마 측정 방법 및 플라즈마 측정 장치와 기억 매체 |
US12/867,120 US20100321029A1 (en) | 2008-02-12 | 2009-01-30 | Plasma measuring method, plasma measuring device and storage medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008030833A JP2009194032A (ja) | 2008-02-12 | 2008-02-12 | プラズマ測定方法及びプラズマ測定装置並びに記憶媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009194032A true JP2009194032A (ja) | 2009-08-27 |
Family
ID=40956895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008030833A Pending JP2009194032A (ja) | 2008-02-12 | 2008-02-12 | プラズマ測定方法及びプラズマ測定装置並びに記憶媒体 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20100321029A1 (ja) |
JP (1) | JP2009194032A (ja) |
KR (1) | KR20100105768A (ja) |
CN (1) | CN101821837A (ja) |
WO (1) | WO2009101866A1 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013152968A (ja) * | 2012-01-24 | 2013-08-08 | Ulvac Japan Ltd | シリコンエッチング装置 |
KR20180116140A (ko) | 2017-04-14 | 2018-10-24 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 플라즈마 처리 장치 및 제어 방법 |
KR20210022522A (ko) | 2018-06-29 | 2021-03-03 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 플라스마 처리 장치, 플라스마 상태 검출 방법 및 플라스마 상태 검출 프로그램 |
KR20240122911A (ko) | 2018-06-29 | 2024-08-13 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 플라스마 처리 장치, 플라스마 상태 검출 방법 및 플라스마 상태 검출 프로그램 |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101430093B1 (ko) * | 2010-03-04 | 2014-09-22 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 플라즈마 에칭 방법, 반도체 디바이스의 제조 방법 및 플라즈마 에칭 장치 |
JP2015032779A (ja) * | 2013-08-06 | 2015-02-16 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | プラズマ処理装置 |
US9293303B2 (en) * | 2013-08-30 | 2016-03-22 | Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. | Low contamination chamber for surface activation |
US10147588B2 (en) * | 2016-02-12 | 2018-12-04 | Lam Research Corporation | System and method for increasing electron density levels in a plasma of a substrate processing system |
KR101886755B1 (ko) * | 2017-11-17 | 2018-08-09 | 한국원자력연구원 | 다중 펄스 플라즈마를 이용한 음이온 공급의 연속화 시스템 및 방법 |
JP7125749B2 (ja) * | 2018-10-29 | 2022-08-25 | 株式会社日立ハイテクサイエンス | 荷電粒子ビーム装置 |
CN113931818B (zh) * | 2021-11-04 | 2024-01-02 | 中国人民解放军战略支援部队航天工程大学 | 一种提高空间电推力器内离子密度的装置及方法 |
CN114088690B (zh) * | 2021-11-09 | 2023-07-21 | 哈尔滨工业大学 | 一种开放环境下气体杂质的分析检测装置及方法 |
CN114245554A (zh) * | 2021-12-03 | 2022-03-25 | 北京东方计量测试研究所 | 一种等离子体推力器羽流参数多点测量装置及测量方法 |
CN115103498A (zh) * | 2022-05-23 | 2022-09-23 | 山东大学 | 一种微型电离层粒子探测系统及方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6066568A (en) * | 1997-05-14 | 2000-05-23 | Tokyo Electron Limited | Plasma treatment method and system |
JP2000124204A (ja) * | 1998-10-20 | 2000-04-28 | Tokyo Electron Ltd | プラズマ中の負イオンの測定方法、プラズマ処理方法及びその装置 |
ATE368748T1 (de) * | 2002-11-01 | 2007-08-15 | Arkray Inc | Mit sold-komponenten konzentrationsmitteln ausgestattetes messinstrument |
US20040261946A1 (en) * | 2003-04-24 | 2004-12-30 | Tokyo Electron Limited | Plasma processing apparatus, focus ring, and susceptor |
-
2008
- 2008-02-12 JP JP2008030833A patent/JP2009194032A/ja active Pending
-
2009
- 2009-01-30 US US12/867,120 patent/US20100321029A1/en not_active Abandoned
- 2009-01-30 WO PCT/JP2009/051610 patent/WO2009101866A1/ja active Application Filing
- 2009-01-30 CN CN200980100651A patent/CN101821837A/zh active Pending
- 2009-01-30 KR KR1020107017853A patent/KR20100105768A/ko not_active Application Discontinuation
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013152968A (ja) * | 2012-01-24 | 2013-08-08 | Ulvac Japan Ltd | シリコンエッチング装置 |
KR20180116140A (ko) | 2017-04-14 | 2018-10-24 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 플라즈마 처리 장치 및 제어 방법 |
US11152269B2 (en) | 2017-04-14 | 2021-10-19 | Tokyo Electron Limited | Plasma processing apparatus and control method |
US12068208B2 (en) | 2017-04-14 | 2024-08-20 | Tokyo Electron Limited | Plasma processing apparatus and control method |
KR20210022522A (ko) | 2018-06-29 | 2021-03-03 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 플라스마 처리 장치, 플라스마 상태 검출 방법 및 플라스마 상태 검출 프로그램 |
US11935731B2 (en) | 2018-06-29 | 2024-03-19 | Tokyo Electron Limited | Plasma processing apparatus, plasma state detection method, and plasma state detection program |
KR20240122911A (ko) | 2018-06-29 | 2024-08-13 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 플라스마 처리 장치, 플라스마 상태 검출 방법 및 플라스마 상태 검출 프로그램 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20100105768A (ko) | 2010-09-29 |
CN101821837A (zh) | 2010-09-01 |
US20100321029A1 (en) | 2010-12-23 |
WO2009101866A1 (ja) | 2009-08-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009194032A (ja) | プラズマ測定方法及びプラズマ測定装置並びに記憶媒体 | |
US9177823B2 (en) | Plasma etching method and plasma etching apparatus | |
JP5281309B2 (ja) | プラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 | |
KR101654868B1 (ko) | 플라즈마 처리 장치, 플라즈마 처리 방법, 프로그램을 기록한 기록매체 | |
US10290476B2 (en) | Plasma processing method and plasma processing apparatus | |
JP6807775B2 (ja) | 成膜方法及びプラズマ処理装置 | |
US20150262794A1 (en) | Plasma processing method | |
US9991100B2 (en) | Plasma processing apparatus and control method | |
Yoon et al. | Discharge physics and atomic layer etching in Ar/C4F6 inductively coupled plasmas with a radio frequency bias | |
TW200814188A (en) | Plasma etching method and computer-readable storage medium | |
JP6151215B2 (ja) | プラズマエッチング方法 | |
KR20170009843A (ko) | 플라즈마 처리 방법 및 플라즈마 처리 장치 | |
JP5982223B2 (ja) | プラズマ処理方法、及びプラズマ処理装置 | |
US20150340243A1 (en) | Plasma etching method | |
US20140299576A1 (en) | Plasma processing method and plasma processing apparatus | |
US20110061811A1 (en) | Plasma processing apparatus | |
JP2021090018A (ja) | エッジリング及び基板処理装置 | |
US20190304815A1 (en) | Plasma processing apparatus | |
JP2010021446A (ja) | プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び記憶媒体 | |
JP2003229418A (ja) | エッチング方法 | |
EP3029173B1 (en) | Deposition method and focused ion beam system | |
JP2020174062A (ja) | エッチング方法、及び、プラズマ処理装置 | |
US20210028356A1 (en) | Etching method | |
JP2010238819A (ja) | プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 |