JP2009192743A - 画像形成装置 - Google Patents

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聡 重崎
Yutaka Kiuchi
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Abstract

【課題】複数の作像装置を有する画像形成装置として、画像形成に使用されない作像装置について潜像の形成と現像装置の搬送部材の回転とを停止させる以外は画像形成時と同じ条件で稼動させるように制御する場合、その作像装置における帯電装置の帯電時の放電生成物の生成やその放電生成物の像保持体の像保持面への付着を低減することなどができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の作像装置のうちの一部の作像装置を使用して画像形成を行う際にその画像形成に関与しない作像装置について、当該作像装置の現像装置における搬送部材の回転を停止させるとともに、当該作像装置の帯電装置における帯電用電圧の交流成分の周波数を像保持体の回転速度で除算して得られる空間周波数を画像形成時の設定値よりも小さい値に変更する以外は画像形成時の条件と同じ条件で稼動させる制御手段を有する。
【選択図】図5

Description

この発明は、複数の作像装置を有する画像形成装置に関するものである。
近年、複数の作像装置を直列状に配置して画像を形成する、所謂タンデム型の画像形成装置が広く知られている。その作像装置は、像を保持する像保持面を有して回転する感光体等の像保持体と、像保持体の像保持面を帯電する帯電装置と、帯電された像保持面に露光等により形成する静電潜像をその潜像の色成分に対応した色の現像剤で現像して現像剤像を形成する現像装置と、現像剤像を直接又は中間転写体を中継して用紙等の記録媒体に転写する転写装置と、転写後の像保持面を清掃する清掃装置とを少なくとも備えたものである。また、複数の作像装置としては、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色の現像剤のいずれか1色の現像剤で構成される現像剤像を専用に形成する4つの作像装置を適用することが多い。
このタンデム型の画像形成装置では、複数の作像装置をすべて使用して互いに色の異なる現像剤像を別々に形成した後、それらの現像剤像を最終的に記録媒体上に重ね合わせる状態で転写して定着することにより所謂フルカラー画像を形成することに加え、一部の作像装置を使用して例えばブラック色の現像剤のみで構成される白黒画像等の単色画像(換言すれば非フルカラー画像)を形成することができるようになっている。
ところで、このようなタンデム型の画像形成装置においては、上記したフルカラー画像と単色画像が混在する画像形成を連続して行う場合、その単色画像の形成時に、単色画像の形成に使用されない(関与しない)作像装置が存在することになるが、この場合、その画像形成に使用されない作像装置を停止させることなく稼動させているものがある。本出願人にあっては、その画像形成に使用されない作像装置について、通常、露光による潜像の形成と現像装置における現像ロール等の搬送部材の回転とを停止させる以外は画像形成時の条件と同じ条件で稼動させる制御を行うことを試みている。
ちなみに、画像形成に使用しない作像装置を停止させた場合は、その画像形成が終了した後に続けてフルカラー画像を形成する必要があると、その停止させていた作像装置の立ち上げ処理(像保持体の回転や帯電処理など)を行うための時間を要するため、すぐにフルカラー画像の形成を開始することができず生産性が低下してしまう。この点、画像形成に使用しない作像装置を停止させずに稼動させた場合には、そのような生産性の低下を回避することが可能になる。
また、このタンデム型の画像形成装置では、作像装置における帯電装置として、像保持体の像保持面に接触する帯電部材に交流成分が重畳された直流成分からなる帯電用電圧を印加して放電現象により帯電を行う接触型の帯電装置を使用し、これにより、交流成分による像保持面の帯電電位の均一性を高めることが行われている。さらに、その作像装置における清掃装置として、像保持体の転写後の像保持面にゴム板等の板状部材を接触させる構成の清掃装置を使用し、これにより、当該転写後の像保持面に残留する現像剤をその板状部材により掻き取ることで像保持面の清掃を簡便な構成でかつ安価に行うようにしている。
本出願人は、この接触型の帯電装置と板状部材の清掃装置を適用した作像装置を有するタンデム型の画像形成装置として、複数の作像装置(画像形成部)のうち画像形成が不要である作像装置について、露光による潜像の形成と現像装置の搬送部材の回転を停止させる以外は画像形成時の条件と同じ条件で稼動させる場合に、帯電器における交流成分を減少させるバイアス制御部を備えたものを提案している(特許文献1)。交流成分を減少させる手段としては、例えば、周波数を一定にして交流電圧又は交流電流を減少させることや、交流電流を一定にして周波数を増加させることである。
特開2005−25008号公報
ところで、タンデム型の画像形成装置においては、帯電装置として直流成分に交流成分を重畳させた帯電用電圧を印加して帯電を行う接触型の帯電装置を使用するとともに、清掃装置として板状部材を備えた清掃装置を使用することに加え、画像形成に使用されない作像装置について潜像の形成と現像装置の搬送部材の回転とを停止させる以外は画像形成時と同じ条件で稼動させるように構成した場合、次のような問題がある。
すなわち、画像形成に使用されない作像装置では、帯電装置の帯電時における放電現象により窒素酸化物等の放電生成物が生成されて像保持体の像保持面に付着したり、あるいは、潜像の形成が停止されて潜像の現像が不要になることで像保持体の像保持面に現像装置から現像剤(実際には現像剤の微粒子に外添される外添剤を含む)が供給されなくなる。この結果、回転する像保持体の像保持面と清掃装置の板状部材との間の摩擦抵抗が増えてしまい、このため、その板状部材が像保持体の回転に対する負荷になって像保持体の回転駆動に要するトルクが上昇したり、また、板状部材が像保持面と接触で異音を発生したり、板状部材の像保持面との接触部が磨耗することがある。
また、特許文献1に示す画像形成装置においては、帯電器の交流成分を減少させるために交流電流を減少させる場合には、帯電時の放電現象が減って放電生成物の生成が抑制されることがあるが、帯電器の交流成分を減少させるために交流成分の電流を一定にして周波数を増加させた場合には、放電生成物の生成の抑制効果が低下したり、あるいは、その帯電器において高周波の放電がなされるので耳障りな放電音が発生することがある。また、帯電器の交流成分を減少させるために交流成分の周波数を一定にして交流電圧又は電流を減少させた場合は、帯電装置における帯電部材の像保持体との接触状態や汚れの具合によっては当該像保持体の表面を均一な帯電ができないおそれがあり、しかも、画像形成に使用されない作像装置においてもその後の画像形成時に帯電不良に起因して現像剤が像保持体の非画像部等に余分に付着する、いわゆるカブリ現象が発生して画質の低下を招いてしまうおそれもある。
この発明は、複数の作像装置を有する画像形成装置として、画像形成に使用されない作像装置について潜像の形成と現像装置の搬送部材の回転とを停止させる以外は画像形成時と同じ条件で稼動させるように制御する場合、その作像装置における像保持体の像保持面に現像剤が供給されなくても、その帯電装置の帯電時における放電生成物の生成やその放電生成物の像保持体の像保持面への付着を低減することができ、ひいては、その放電生成物の像保持面への付着に起因した像保持体の駆動トルクの増加や、清掃装置における板状部材の異音および磨耗の発生をそれぞれ低減することができる画像形成装置を提供するものである。
この発明(A1)の画像形成装置は、像を保持する像保持面を有するとともに回転する像保持体と、前記像保持体の像保持面に接触する帯電部材に交流成分が重畳された直流成分からなる帯電用電圧を印加して当該像保持面を帯電させる帯電装置と、前記像保持体の帯電された像保持面に形成される静電潜像を回転する搬送部材から供給される現像剤により現像して現像剤像を形成する現像装置と、転写用電圧を印加して前記現像剤像を転写材に転写する静電的作用により転写材に転写する転写装置と、前記像保持体の転写後の像保持面に接触する板状部材により当該像保持面を清掃する清掃装置とを少なくとも備えた複数の作像装置を有し、
かつ、前記複数の作像装置のうちの一部の作像装置を使用して画像形成を行う際にその画像形成に関与しない作像装置について、当該作像装置の現像装置における搬送部材の回転を停止させるとともに、当該作像装置の帯電装置における帯電用電圧の交流成分の周波数を像保持体の回転速度で除算して得られる空間周波数を画像形成時の設定値よりも小さい値に変更する以外は画像形成時の条件と同じ条件で稼動させる制御手段を有するものである。
この発明(A2)の画像形成装置は、上記発明A1の画像形成装置において、前記制御手段が、前記帯電用電圧の交流成分の周波数のみを画像形成時の周波数よりも減少させるものである。
この発明(A3)の画像形成装置は、上記発明A1の画像形成装置において、前記制御手段が、前記像保持体の回転速度のみを画像形成時の回転速度よりも増加させるものである。
この発明(A4)の画像形成装置は、上記発明A1の画像形成装置において、前記制御手段が、前記帯電用電圧の交流成分の周波数を画像形成時の周波数よりも減少させるとともに、前記像保持体の回転速度を画像形成時の回転速度より減少させるものである。
この発明の画像形成装置(A5)は、上記発明A3又はA4の画像形成装置の画像形成装置において、前記制御手段が、画像形成に関与しない作像装置について、当該作像装置の転写装置における転写用電圧の印加を停止させるものである。
上記発明A1の画像形成装置によれば、画像形成に使用されない作像装置において、その像保持体の像保持面に現像剤が供給されなくても、帯電装置の帯電時における放電生成物の生成やその放電生成物の像保持体の像保持面への付着が低減されるようになり、これにより、その放電生成物の像保持面への付着に起因した像保持体の駆動トルクの増加を低減することができ、また清掃装置における板状部材の異音や磨耗の発生を低減することができる。
上記発明A2の画像形成装置では、その構成を有しない場合に比べて、画像形成に使用されない作像装置において帯電装置の帯電時における放電生成物の生成や放電生成物の像保持体の像保持面への付着をより簡便に低減することができる。
上記発明A3の画像形成装置では、その構成を有しない場合に比べて、画像形成に使用されない作像装置において帯電装置の帯電時における放電生成物の像保持体の像保持面への付着をより簡便に低減することができる。
上記発明A4の画像形成装置では、その構成を有しない場合に比べて、画像形成に使用されない作像装置において帯電装置の帯電時における放電生成物の生成とその放電生成物の像保持体の像保持面への付着をより確実に低減することができる。
上記発明A5の画像形成装置では、その構成を有しない場合に比べて、画像形成に使用されない作像装置において像保持体の像保持面に対し転写材が静電吸着力で接触することに起因した像保持面の損傷の発生を抑制することができる。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置の概要を示している。
この画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されるものであり、筐体(図示せず)の内部に、電子写真方式、静電記録方式等を利用して入力画像情報に基づいて乾式の現像剤としてのトナー(着色等がされた微粉体)で現像されるトナー像を形成する複数の作像装置10と、作像装置10で形成されたトナー像を保持して最終的に記録媒体としての用紙9に転写する中間転写装置20と、中間転写装置20でトナー像が転写された用紙9を通過させてトナー像の定着を行う定着装置30とが主に設置されている。図中の矢付き一点鎖線は用紙9の主な搬送経路を示す。
作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(黒:K)の4色のトナー像を専用に形成することができる4つの作像装置(10Y,10M,10C,10K)を適用しており、それらの作像装置10を直列に並べた状態で配置している。また、この各作像装置(10Y,10M,10C,10K)は、以下に示すようにほぼ共通した構成のものである。
各作像装置10(Y,M,C,K)は、図2に示すように、所定の方向に回転する感光ドラム12を備えており、この感光ドラム12の周囲に、次のような各装置を主に配置した構成になっている。主な装置とは、感光ドラム12の表面(像保持面)を所定の電位に帯電させる帯電装置13と、感光ドラム12の帯電された表面に画像情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する潜像形成装置としての露光装置14と、その潜像に対して各色(Y,M,C,K)のトナーを転移付着させる現像をしてトナー像を形成する現像装置15(Y,M,C,K)と、そのトナー像を中間転写装置20(の中間転写ベルト)に転写する一次転写装置16と、転写後の感光ドラム12の表面に残留して付着するトナー等の付着物を掻きとって除去する清掃装置17である。
感光ドラム12は、接地処理される円筒又は円柱状の基材の周面に有機感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光ドラム12は、回転自在に支持されているとともに、モータ、駆動伝達機構等で構成される回転駆動装置12bにより矢印方向(この例では図中に示す時計回りの方向)に所定の速度で回転させられる。帯電装置13は、感光ドラム12の像保持面に接触して回転する状態で配置されるとともに帯電用電圧が印加される帯電ロール12aを備えた接触型の帯電装置である。この帯電装置13は、その帯電ロール12aに帯電用電圧として交流成分が重畳された直流成分からなる電圧が帯電用電源12bから印加される。帯電用電圧における直流成分としては、現像装置15が反転現像を行うものである場合、その現像装置から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧が印加される。
露光装置14は、LED(発光ダイオード)記録ヘッド、レーザ走査装置等で構成されている。このような露光装置14には、画像形成装置1に装備されているか又は接続される原稿読取装置や、記憶媒体読取装置や、パーソナルコンピュータ(PC)等の機器から画像入力部(51)を通して入力される画像情報を画像処理装置(61)で所要の処理を施し、その処理後に得られる各色成分ごとの画像信号がそれぞれ入力される。なお、露光装置14は、4つの作像装置10に個々に独立して配置される構成のものに限らず、4つの作像装置10の各感光ドラム12に対して露光を配分して行うことができる1つの露光装置で構成されたものであってもよい。
現像装置15は、現像剤(例えば非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤など)を収容する現像剤収容部を有し、その現像剤収容部に収容されている現像剤を回転しながら保持して感光ドラム12と対向する現像領域に搬送する現像ロール15aや、その収容されている現像剤を回転して攪拌しながら現像ロール15aに搬送する攪拌搬送部材15bを有している。また、現像装置15は、その現像ロール15aに交流成分が重畳された直流成分からなる現像用電圧が電源装置15cから印加されるとともに、その現像ロール15a及び攪拌搬送部材15bが回転駆動装置15dにより所定の方向に回転させられる。
一次転写装置16は、感光ドラム12の像保持面に接触して回転するとともに一次転写用電圧が印加される一次転写ロール16aを備えた接触型の転写装置である。この一次転写装置は、その一次転写ロール16aに一次転写用電圧として直流成分の電圧(トナーの帯電極性と逆極性の直流電圧)が帯電用電源12bから印加される。
清掃装置17は、感光ドラム12の一次転写装置16を通過した後の像保持面においてその回転軸方向にほぼ沿った状態で接触する弾性のある板状部材17a(クリーニングブレード)と、その板状部材17aでかき取ったトナー等を回収する容器部17bを少なくとも有したものである。板状部材17aは、所定のゴム硬度からなるウレタンゴム等のゴム材料を用いて、感光ドラム12の像保持面の回転軸方向に沿う領域全体にわたって接触し得る長さを有するほぼ長方形状の板状形態で形成されたものであり、その長手方向の自由端部が感光ドラム12の回転方向と対向し合う状態となり、像保持面に対して所定の接触角(接触点での接線となす小さい方の角度が8〜16°)及び圧接力(0.0147〜0.050N/mm)で接触するように設置される。
中間転写装置20は、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光ドラム12と一次転写装置16(一次転写ロール16a)の間(一次転写位置)を通過しながら矢印方向(図中において反時計回りとなる方向)に回転する中間転写ベルト21と、この中間転写ベルト21を所望の状態に架け回して回転自在に支持する複数の支持ロール22〜24と、支持ロール24に支持されている中間転写ベルト21に所定の圧力で接触して回転する二次転写ロール25と、二次転写ロール25を通過した後に中間転写ベルト21に残留して付着するトナー等を除去するベルト清掃装置26とで主に構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボン等の抵抗調整剤を所定量分散した材料を用いて所定の厚さからなる無端状のベルトに形成されたものが使用される。支持ロール22は、駆動ロールとして構成されており、回転駆動装置22bにより所定の速度(作像装置の感光ドラム12とほぼ同じ速度)で回転する。支持ロール24又は二次転写ロール25には、トナーの帯電極性とは逆極性の直流成分からなる二次転写用電圧が電源装置27から所定の時期に印加される。
定着装置30は、筐体31の内部に、矢印方向に回転駆動するとともに表面温度が所定の温度に保持されるように加熱手段によって加熱される加熱ロール32と、この加熱ロール32の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して従動回転するロール形式、ベルト形式等の加圧用回転体33とを設置したものである。この定着装置30による定着は、加熱された状態で回転する加熱ロール32と加圧用回転体33が接触する接触部に、トナー像が転写された用紙9が導入され、その接触部を通過する際に加熱及び加圧されることで行われる。
用紙9は、図示しない給紙装置に収容されており、画像形成動作時に1枚ずつ二次転写位置(中間転写ベルト21と二次転写ロール25の間)に搬送されて供給される。給紙装置と二次転写位置とを接続する用紙搬送路において、その二次転写位置の手前側となる位置には、用紙搬送路を経由して搬送される用紙9を一旦停止させた後に、所定のタイミングで二次転写位置に送り出す搬送時期調整用ロール対41が設置されている。また、二次転写位置と定着装置30の間には、二次転写が終了した後の用紙9を定着装置30まで搬送するベルト形式等の用紙搬送装置42が設置されている。
また、この画像形成装置1においては、図3に示すように、各作像ユニット10(Y,M,C,K)、中間転写装置20などを制御する制御手段としての制御装置5が設けられている。
制御装置5は、演算処理装置、記憶装置(ROM,RAMなど)、入出力装置等から構成されており、作像動作を行うために必要な制御プログラムを記憶装置に予め格納し、画像情報入力部からの入力信号などに基づいて制御プログラムを演算処理装置で実行することにより所要の制御信号を生成する。制御装置5で生成された各制御信号は、感光ドラム12の回転駆動装置12aを制御するドラム駆動制御部52、帯電装置13の電源装置13bを制御する帯電制御部53、露光装置14(発光動作、光学系の駆動など)を制御する露光制御部54、現像装置15の電源装置15c及び回転駆動装置15dを制御する現像制御部55、一次転写装置16の電源装置16bを制御する帯電制御部56、二次転写装置20の中間転写ベルト21の回転駆動装置22bを制御するベルト駆動制御部57、二次転写ロール25の電源装置27を制御する二次転写制御部58等に必要に応じて送信される。
そして、この画像形成装置1では、画像情報入力部において、入力される画像情報が単色モードに設定されたものか又はフルカラーモードに設定されたものであるかが、その入力画像情報に含まれるモード設定情報により判別される。ここで、単色モードは、4つの作像装置10の1つを使用して形成される1色のトナー像で構成される画像を形成する動作であり、この例では例えば作像装置10Kを使用した白黒画像を形成する動作パターンとする。また、フルカラーモードは、4つの作像装置10をすべて使用して形成される前記4色のトナー像で構成されるフルカラー画像を形成する動作パターンである。
また、この画像形成装置1においては、フルカラー画像と単色(白黒)画像が混在した複数の画像形成動作を連続して行う場合、4つの作像装置10(Y,M,C,K)のうち単色モード(白黒モード)の画像形成動作時に関与しない3つの作像装置10(Y,M,C)について、図4に示すように画像形成動作の対象がフルカラーモードか又は単色モードであるかによって異なる制御が実行されるようになっている。詳細については後述するが、フルカラーモードの画像形成時には通常の制御が行われ、フルカラーモードでない(単色モードの)画像形成時には特殊な制御が行われる。
次に、この画像形成装置1における各動作について説明する。
ここでは、画像形成装置1に対してフルカラー画像と単色(白黒)画像が混在した複数の画像形成動作が要求された場合を前提にして説明する。
はじめに、画像形成動作の要求がされると、図4に示すように、画像情報入力部51においてその要求された画像形成動作に関する画像情報が受信され(ステップ10:S10)、画像情報入力部51及び制御装置5においてその要求される画像形成動作がフルカラーモードであるか否かが判断される(S11)。
要求された画像形成動作がフルカラーモードである場合は、その画像形成動作に使用される4つの作像装置10Y,10M,10Cについて後述するような通常の制御が行われる(S12)。
フルカラーモードの対象であるフルカラー画像の形成は、基本的に以下のようにして行われる。
作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、定着装置30等の各構成部品が始動する。まず、図1や図5(画像情報が「カラー」であるときのチャート部分を参照)に示すように、立ち上げサイクル(a)として、作像装置10(Y,M,C,K)における感光ドラム12と現像装置15の現像ロール12aと二次転写装置20における中間転写ベルト21とがそれぞれ所定の速度で回転し始めるとともに、その作像装置10(Y,M,C,K)における帯電装置13が感光ドラム12の像保持面を所定の極性(例えばマイナス極性)及び電位に帯電し始めるという立ち上げ動作が実行される。この帯電時には、各帯電装置13の帯電ロール13aに対して電源装置13bから画像形成時の条件に設定された直流成分に交流成分(画像形成時の周波数及びピーク間電圧)を重畳した通常の帯電用電圧が印加される。
続いて、画像形成サイクル(b)に入ると、各作像装置10(Y,M,C,K)における露光装置14が帯電後の感光ドラム12に対して各色成分(Y,M,C,K)に分解された画像信号に基づく露光をそれぞれ行い、これにより感光ドラム11の像保持面に所定の電位差で構成される各色成分の静電潜像を形成する。しかる後、その静電潜像を、現像装置15が所定の極性(例えばマイナス極性)に帯電された状態のトナーを現像ロール15a等から供給して現像することによりトナー像として顕像化する。これにより、各作像装置10(Y,M,C,K)における感光ドラム12上に各色(Y,M,C,K)のトナー像が専用に形成される。この現像時には、現像ロール15aに対して電源装置15cから画像形成時の条件に設定された直流成分に交流成分を重畳した通常の現像用電圧が印加される。
各作像装置10(Y,M,C,K)における感光ドラム12上の各色のトナー像が一次転写装置16及び中間転写ベルト21と対向する一次転写位置に到達すると、一次転写装置16が、その各感光ドラム12のトナー像を静電的作用等により中間転写ベルト21に順番に一次転写させる。この一次転写時には、一次転写ロール16aに対して電源装置16bから画像形成時の条件に設定された所定の極性(例えばプラス極性)の直流成分からなる通常の一次転写用電圧が印加される。また、この一次転写後の感光体ドラム12は、その像保持面が清掃装置17(のクリーニングブレード17a)により清掃される。
また、中間転写ベルト21に重ね合わせられるように転写されたトナー像が二次転写ロール25と対向する二次転写位置に到達すると、そのトナー像の到来時期に合わせて図示しない給紙装置や用紙搬送路によって二次転写位置まで搬送して供給される用紙9に対して、二次転写ロール25等が中間転写ベルト21上のトナー像を静電的作用等により二次転写する。この二次転写時には、二次転写ロール25又は支持ロール24に対して電源装置27から画像形成時の条件に設定された所定の極性(例えば二次転写ロール25側にはプラス極性)の直流成分からなる通常の二次転写用電圧が印加される。
トナー像が二次転写されて二次転写位置から排出される用紙9は、搬送装置42が作動して搬送され定着装置30に導入される。定着装置30では、そのトナー像が転写された用紙9を加熱ロール32と加圧用回転体33の接触部を通過させる際に加熱及び加圧させることでトナー像のトナーを溶融させて用紙9に定着させる。この定着が終了した後の用紙9は、その片面への画像形成を行うだけの場合には図示しない排紙部に搬送されて収容される。
これにより、用紙1枚に対する基本的なフルカラー画像の形成動作が終了する。なお、フルカラーモードの画像形成動作が複数枚分のフルカラー画像の形成を連続して行う要求内容であるときには、上記したフルカラー画像の形成に係る一連の動作がその枚数分だけ同様に繰り返されることになる。画像形成動作が連続する場合は、用紙1枚に対する画像形成動作どうしの間に所定の時間のイメージギャップ(非画像形成)サイクル(d)が入る。
先に要求されたモードの画像形成動作がすべて終了すると、その都度、各モードの画像形成動作が終了したか否か確認され(S14)、それが終了しない場合には、その後続の画像形成動作がフルカラーモードであるか否かが再び判断される(S11)。
この際、後続の画像形成動作が単色モードである場合は、その画像形成動作に関与しない作像装置10Y,10M,10Cについては後述するような特殊な制御が行われる(S13)。このときの単色モードの対象である白黒画像の形成は、以下のようにして行われる。
つまり、制御装置5及び所定の制御部の制御により、白黒画像形成に使用されるブラック色用の作像装置10K、中間転写装置20、定着装置30等の各構成部品が画像形成動作時と同じ制御条件で始動するとともに、白黒画像形成に使用されない作像装置10(Y,M,C)が特殊な制御条件で稼動し始める。
まず、ブラック色用の作像装置10Kでは、図5(画像情報が「白黒」であるときのチャート部分を参照)に示すように、その感光ドラム12と現像装置15の現像ロール12aとがそれぞれ所定の速度で回転し始めるとともに、その帯電装置13が感光ドラム12の像保持面を所定の極性及び電位に帯電し始める。
これに対し、作像装置10(Y,M,C)では、図5(画像情報が「白黒」であるときのチャート部分を参照)に示すように、その各現像装置15における現像ロール15aの回転を停止させるとともに帯電装置13の帯電ロール13aに印加する帯電用電圧の条件を変更し、これ以外については画像形成動作時と同じ条件で各感光ドラム12を回転始動するとともに各現像装置15の現像ロール15aに現像用電圧を印加するという特殊な制御を行う(S13)。作像装置10(Y,M,C)における現像ロール15aの回転停止や帯電用電圧の変更は、図5に例示するようにフルカラー画像の形成後に白黒画像の形成を行う場合、前記イメージギャップサイクル(d)の時期に行われる。
この際、作像装置10(Y,M,C)における帯電用電圧は、その交流成分の周波数:f(Hz)を感光ドラム12の回転速度:v(mm/秒)で除算して得られる空間周波数:SF(=f/v)(単位:lp/mm:ラインペア/ミリメートル)が画像形成時における設定値(SFx)よりも小さい値に変更している。なお、帯電用電圧の直流成分については、画像形成時と同じ条件(電圧値)とし、変更しない。
この実施形態では、感光ドラム12の回転速度:vを一定(画像形成時の速度と同じ値)にしたうえで、交流成分の周波数:fのみを画像形成時の周波数:fxよりも減少させることにより、空間周波数SFを画像形成時における設定値(SFx)よりも小さい値に変更している。この空間周波数SFを小さくする割合は、帯電時における放電生成物の発生を抑制できる効果などを目安に適宜設定することができるが、例えば、画像形成時における空間周波数の設定値(SFx)の0.8倍以下の値にするとよい。また、空間周波数SFの小さくする割合は、例えば、交流の周波数の可変範囲が広くなることによる電源装置のコストアップを抑制する観点からすると、画像形成時における空間周波数の設定値(SFx)の0.6倍の値を下限値にすることが好ましい。さらに、この空間周波数SFを小さくする際は、原則として、交流成分の交流電流(ピーク間電圧:交流電圧振幅)は画像形成時と同じ条件として変更しないようにする。
従って、作像装置10(Y,M,C)における帯電用電圧は、直流成分については画像形成時と同じで、その交流成分の周波数のみを画像形成時の設定値よりも減少させた値に変更した帯電用電圧(図5において「電圧2」として示す)を印加する。一方、この変更した帯電用電圧(電圧2)に対して画像形成時の帯電用電圧を「電圧1」とする(図5)。この帯電用電圧の変更は、帯電制御部53により帯電用の電源装置13bを制御することで行われる(図3)。具体的には、帯電用の電源装置13bとして、その交流電源部における(電源)周波数のレベルを変更することができる電源装置を使用し、その周波数を所定の値(例えば単色モード時の適用すべき周波数)に変更する動作を実行する。
続いて、白黒画像の画像形成サイクル(b)に入ると、作像装置10Kにおいてのみ前記したような一連の画像形成動作(主に帯電、露光及び現像の動作)が実行されて、その感光ドラム12にブラック色(K)のトナー像が形成される。
一方、作像装置10(Y,M,C)では、その各感光ドラム12が回転して帯電装置13(主に画像形成時と同じ交流成分の印加)により画像形成時とほぼ同じ電位に帯電されるが、露光装置14による露光(潜像の形成)が行われず、現像装置15の現像ロール12a等の回転が停止されるので、その各感光ドラム12にはトナー像が形成されない。このとき、作像装置10(Y,M,C)では、その各感光ドラム12の帯電が前記変更された帯電用電圧(電圧2)が印加された状態で行われることにより、後記する試験結果(図6)で示すように帯電による各感光ドラム12への放電生成物の付着が低減される。
続いて、作像装置10Kの感光ドラム12に形成されたブラック色のトナー像が、通常の一次転写電圧が印加される一次転写装置16により中間転写ベルト21に一次転写される。
この際、作像装置10(Y,M,C)では、その各一次転写装置16(の一次転写ロール16a)に画像形成時と同じ条件の通常の一次転写電圧が印加されるが、その各感光ドラム12上にはトナー像が形成されていないため各一次転写位置においてトナー像の中間転写ベルト21への転写が行われることはない。
また、4つの作像装置10(Y,M,C,K)ではいずれも、その各感光体ドラム12の像保持面が清掃装置17(のクリーニングブレード17a)によりそれぞれ清掃されるが、特に作像装置10(Y,M,C)における清掃装置17による清掃は感光ドラム12上にトナー像が形成されない関係上、トナーが存在しない状態で行われる。しかし、このときの作像装置10(Y,M,C)における清掃装置17のクリーニングブレード17aが感光ドラム12との間で異音の発生の有無について確認したところ、その異音の発生は認められなかった。またその後においても、作像装置10(Y,M,C)における感光ドラム12の回転に要する駆動トルクの上昇などの有無についても確認したところ、そのトルク上昇は特に認められなかった。
続いて、中間転写ベルト21に転写されたブラック色のトナー像が、通常の二次転写用電圧が印加される二次転写ロール25又は支持ロール24のある二次転写位置において用紙9に二次転写される。ブラック色のトナー像が二次転写された用紙9は、フルカラー画像の形成時の場合と同様にして、搬送装置42により定着装置30に搬送されて前記したような定着処理がされた後、図示しない排紙部に搬送されて収容される。これにより、用紙1枚に対する基本的な白黒画像の形成動作が終了する。
この単色モードの画像形成動作がすべて終了した後、その後続の画像形成動作が要求されている場合には、その後続の画像形成動作がフルカラーモードであるか否かが再び判断された(S11)後に要求されたフルカラーモード又は単色モードの画像形成動作が実行されるが、その後続の画像形成動作の要求がない場合は、画像形成装置1の画像形成動作が終了する。
ちなみに、図5に示すように、単色モードの次に後続のフルカラーモードがある場合には、単色モードの白黒画像を形成した後にフルカラーモードのフルカラー画像を形成することになり、作像装置10(Y,M,C)も使用されることになる。しかし、作像装置10(Y,M,C)では、その各感光ドラム12が、先行の単色モード時において交流電流の周波数のみを画像形成時の値よりも減少させて空間周波数SFを小さくした帯電用電圧(直流成分と交流電流は画像形成時と同じ値である)を印加した状態で帯電されているため、ほぼ画像形成時に要する帯電電位に保持されており、すぐに作像動作(露光工程など)に移行することができ、生産性の低下を招くことがない。
また、画像形成装置1では、要求されたモードの画像形成動作がすべて終了すると、図5に示すように立ち下げサイクル(e)に入り、各作像装置10(Y,M,C,K)における現像装置15の現像ロール15aの回転と現像用電圧の印加を停止させた後、感光ドラム12の回転と中間転写ベルト21の回転を停止させる。
<評価試験>
図6は、帯電用電圧の交流成分に関する空間周波数SFを変更して感光ドラムの帯電試験を行い、そのときの感光ドラムの表面(像保持面)に付着する放電生成物(具体的には硝酸アンモニウム)の量についてNH4(アンモニウムイオン)濃度として測定した結果を示すものである。
このときの測定は、有機感光材料を用いて機能分離型の感光層を形成した感光ドラム(ドラム外径60mmφ)の像保持面に対して帯電ロール(ロール径=14mmφ)を従動回転するように接触させたうえで、その帯電ロールに交流成分の周波数等を(ピーク間電圧は一定にしたうえで)調整して空間周波数SFを変更した帯電用電圧を印加させた状態で感光ドラムを所定の回転速度(プロセス速度)で回転(200回転)させて感光ドラムの像保持面を帯電した後、その像保持面に付着した物質(放電生成物)を採取してイオンクロマトグラム測定機により成分分析(NH4濃度)を行った。
図6中のP1で示す測定値が、画像形成時と同じ条件で帯電したときの測定値である。画像形成時の帯電条件は、帯電用電圧の直流成分が−700Vであり、その交流成分のピーク間電圧が2kV、その交流成分の空間周波数SFxが「5、91lp/mm(速度が220mm/秒、交流周波数が1696Hzのとき)」である。図6においてNH4濃度は、画像形成時の帯電条件時の測定値(P1)を「基準値1」としたうえで、その他の測定値をその基準値に対する相対値で示した。また、図6中において示す2本の直線のうち上方の直線は空間周波数SFxが「7、71lp/mm」である測定値(P1,P3)に対する近似線であり、下方の直線は空間周波数SFxが「5、91lp/mm」である測定値(P2,P4,P5)に対する近似線である。
図6に示すように、交流成分の周波数のみを減少させて空間周波数SFを小さくした帯電用電圧を印加して帯電した場合(測定値P2)は、NH4濃度が減少しており、これにより感光ドラムへの放電生成物の付着量が低減されていることがわかる。
また参考までに、感光ドラムの速度が「110mm/秒」の場合において、交流成分の周波数のみを減少させて空間周波数SFを小さくした帯電用電圧を印加して帯電したとき(測定値P4)には、空間周波数SFが大きい場合(測定値P3)に比べてNH4濃度が減少している。一方、感光ドラムの速度が「220mm/秒」の場合において、交流成分の周波数を1696Hzよりも増加させた値(例えば2090Hz)に変更した帯電用電圧を印加して帯電を行ったところ(この場合、空間周波数SFは画像形成時の設定値よりも大きくなる)、耳障りな放電音が発生することが確認された。
[第2の実施形態]
図7は、第2の実施形態に係る画像形成装置における要部(制御動作の構成)を示すものである。そして、この実施形態に係る画像形成装置は、制御装置5等による制御動作の一部について変更した以外は第1の実施形態に係る画像形成装置1と同じ構成のものである。
すなわち、この画像形成装置では、フルカラー画像と単色(白黒)画像が混在した複数の画像形成動作が要求された場合、制御装置5により、単色モードの画像形成が行われるときに、その画像形成に関与しない作像装置10(Y,M,C)について、その帯電用電圧の空間周波数SFを小さくするために、交流成分の周波数を画像形成時の周波数よりも減少させることに加えて、感光ドラム12の回転速度:vも画像形成時の回転速度:vxよりも減少させるという制御を実行するように構成されている。
従って、単色モードの画像形成時が実行されるときには、作像装置10(Y,M,C)における帯電用電圧について、第1の実施形態の場合と同様に、その交流成分の周波数を画像形成時の設定値よりも減少させた値に変更した帯電用電圧(図7において「電圧2」として示す)を印加し、これとほぼ同時に、その各感光ドラム12(Y,M,C)の回転速度について、画像形成時の回転速度(図7において「速度1」と示す)よりも減少させた回転速度(図7において「速度2」と示す)に変更する。
この感光ドラム12の回転速度の変更は、ドラム駆動制御部52により感光ドラムの回転駆動装置12bを制御することで行われる(図3)。具体的には、回転駆動装置12bとして、その出力回転速度を変更することができる装置を使用し、その出力回転速度を所定の値(例えば単色モード時の適用すべき回転速度)に変更する動作を実行する。この際、帯電用電圧の変更と感光ドラムの回転速度の変更は同時に行うように構成してもよい。
そして、この画像形成装置は、白黒画像の画像形成サイクル(b)になると、作像装置10(Y,M,C)では、その感光ドラム12が画像形成時の回転速度(速度1)よりも遅い回転速度(速度2)で回転するとともに、その帯電装置13による帯電が交流成分の周波数を画像形成時の条件よりも減少させた帯電用電圧(電圧2)を印加した状態で行われる。このときは、露光装置14による露光が行われず、現像装置15の現像ロール12a等の回転が停止されるので、その各感光ドラム12にはいずれもトナー像が形成されない。またこのとき、作像装置10(Y,M,C)では、その各感光ドラム12の帯電が前記変更された帯電用電圧(電圧2)が印加された状態で行われることに加えて、その各感光ドラム12の回転速度が低速(速度2)になることにより、前記した試験結果(図6)に併せて示すように帯電による各感光ドラム12への放電生成物の付着がさらに低減される。
図6に示すように、交流成分の周波数を減少させるとともに感光ドラムの回転速度を減少させることにより空間周波数SFを小さくした帯電用電圧を印加して帯電した場合(測定値P4)は、画像形成時の場合(測定値P1)と比べてNH4濃度が減少している。しかも、この場合は、第1の実施形態における制御動作のように交流成分の周波数のみを減少させて空間周波数SFを小さくした帯電用電圧で帯電した場合(測定値P2)に比べても、空間周波数SFが同じ値(5.91lp/mm)であるにもかかわらず、NH4濃度がさらに減少している。このことから、この実施形態のような制御動作を行うことにより感光ドラムへの放電生成物の付着量がさらに低減されることがわかる。参考までに、同じ空間周波数SFである場合において交流成分の周波数と感光ドラムの回転速度との双方を増加させた場合(測定値p5)には、NH4濃度が増加する傾向にある。
また、この画像形成装置では、フルカラー画像と単色(白黒)画像が混在した複数の画像形成動作が要求された場合、制御装置5により、単色モードの画像形成が行われるときに、その画像形成に関与しない作像装置10(Y,M,C)について、図7に併せて示すようにその一次転写装置16(Y,M,C)における一次転写ロール16aへの転写用電圧の印加を停止するという制御を実行するように構成されている。この際、一次転写用電圧の印加の停止は、感光ドラム12の回転速度の上記変更と同時に行うように構成してもよい。また、一次転写用電圧の印加の停止は、一次転写制御部56により一次転写用の電源装置16bの給電動作を制御することで実行される(図3)。
この作像装置10(Y,M,C)における一次転写用電圧の印加が停止されることにより、その各感光ドラム12の像保持面に対して中間転写ベルト21が転写用電圧の印加で発生する静電的作用により吸着する現象が抑制される。このため、作像装置10(Y,M,C)では単色モード時に上記したように感光ドラム12の回転速度を低速に変更することで感光ドラム12と中間転写ベルト21との間の速度差が発生するが、中間転写ベルト21が速度差をもって感光ドラム12の像保持面に静電的に吸着した状態で通過することでその像保持面に傷が付けられる不具合を回避できる。
[他の実施形態]
第1の実施形態に係る画像形成装置においては、フルカラー画像と単色画像が混在した複数の画像形成動作が要求された場合、制御装置5により、単色モードの画像形成が行われるときに、その画像形成に関与しない作像装置10(Y,M,C)について、その帯電用電圧の空間周波数SFを小さくするために、交流成分の周波数fを一定(画像形成時の周波数fxと同じ値)にしたうえで、感光ドラム12の回転速度vのみを画像形成時の回転速度vxよりも増加させるという制御を実行するように構成してもよい。
このような制御を行った場合においても、NH4濃度の測定結果(測定値P6:周波数fが1696Hz、回転速度vが約287mm/秒である場合)については、図6に示すように、少なくとも基準値の場合(測定値P1)よりも減少した結果となる。
また、このような制御を行う場合にも、第2の実施形態の場合と同様に、単色モード時には作像装置10(Y,M,C)について、その一次転写装置16(Y,M,C)における一次転写ロール16aへの転写用電圧の印加を停止するという制御を実行するように構成するとよい(図7)。なお、この制御を行う場合や第2の実施形態の場合においては、例えば前記したような感光ドラム12の像保持面の中間転写ベルト21との摺接による傷の発生のおそれがないときには、作像装置10(Y,M,C)の一次転写装置16における転写用電圧の印加を停止するという制御を行わないように構成しても差し替えない。
第1及び第2の実施形態などでは、単色モードとして白黒画像を形成する動作である場合について例示したが、単色モードとしては、前記したイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色及びシアン(C)色のいずれか1色のトナーのみからなる単色画像を形成する動作であるとしてもよい。また、単色モードに代えて、4つの作像装置10(Y,M,C,K)の2つ又は3つの作像装置を使用して2色又は3色のトナー像を混合して構成される混合色画像を形成する動作(例えば混合色モード)を設け、その混合色モードの画像形成動作に寄与しない残りの1つ又は2つの作像装置10について、第1及び第2の実施形態などで説明したような制御を行うように構成することも可能である。前記したような画像形成に関与しない作像装置の制御については、フルカラーモードによる画像形成が混在することなく単色モードや混合色モードによる画像形成が単独で行われる場合も、実行される。
また、作像装置10については、その感光ドラム12に代えてベルト形態の感光体を適用することや、その帯電ロール13aに代えてブレード形態、ブラシ形態等の固定型の帯電部材を適用することや、一次転写装置16として転写用電圧が印加されるフィルム等の転写部材を備えた接触型の転写装置を適用すること又はコロナ放電を行う非接触型の転写装置を適用することなどが可能である。さらに、作像装置10の数は、4つに限らず、2つ又は3つであっても或いは5以上であっても構わない。
さらに、第1及び第2の実施形態等に係る画像形成装置において、複数の作像装置10で形成する各トナーを転写する対象となる部材(転写材)は、中間転写装置20の中間転写ベルト21に限られるものではなく、例えば、ドラム形態の中間転写体や、用紙9を吸着して複数の作像装置10の一次転写位置を通過させるように搬送するベルト形態、ドラム形態等の用紙搬送装置を設置し、その用紙搬送装置により搬送される用紙であってもよい。
第1の実施形態等に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。 図1の画像形成装置における要部の構成を示す説明図である。 図1の画像形成装置における制御系の構成を示す説明図である。 図3の制御系における画像形成に関与しない作像装置の制御処理内容を示すフローチャートである。 カラー画像と白黒画像が混在する複数の画像を形成する際の各作像装置における制御の内容及びそのタイミングの例を示す説明図である。 接触帯電の空間周波数(交流成分の周波数と感光ドラムの回転速度)を変更して帯電したときのアンモニウムイオン濃度を測定した結果を示すグラフ図である。 第2の実施形態の主要な構成を示すものであり、カラー画像と白黒画像が混在する複数の画像を形成する際の各作像装置における制御の内容及びそのタイミングの他例を示す説明図である。
符号の説明
1…画像形成装置、5…制御装置(制御手段の一部)、10Y,10M,10C,10K…複数の作像装置、12…感光体ドラム(像保持体)、13…帯電装置、13a…帯電ロール(帯電部材)、15…現像装置、15a…現像ロール(搬送部材)、15b…攪拌搬送部材(搬送部材)、17…清掃装置、17a…クリーニングブレード(板状部材)、21…中間転写ベルト(転写材)、52…ドラム駆動制御部(制御手段の一部)、53…帯電制御部(制御手段の一部)、56…一次転写制御部(制御手段の一部)、SF…空間周波数。

Claims (5)

  1. 像を保持する像保持面を有するとともに回転する像保持体と、前記像保持体の像保持面に接触する帯電部材に交流成分が重畳された直流成分からなる帯電用電圧を印加して当該像保持面を帯電させる帯電装置と、前記像保持体の帯電された像保持面に形成される静電潜像を回転する搬送部材から供給される現像剤により現像して現像剤像を形成する現像装置と、転写用電圧を印加して前記現像剤像を転写材に転写する転写装置と、前記像保持体の転写後の像保持面に接触する板状部材により当該像保持面を清掃する清掃装置とを少なくとも備えた複数の作像装置を有し、
    かつ、前記複数の作像装置のうちの一部の作像装置を使用して画像形成を行う際にその画像形成に関与しない作像装置について、当該作像装置の現像装置における搬送部材の回転を停止させるとともに、当該作像装置の帯電装置における帯電用電圧の交流成分の周波数を像保持体の回転速度で除算して得られる空間周波数を画像形成時の設定値よりも小さい値に変更する以外は画像形成時の条件と同じ条件で稼動させる制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段が、前記帯電用電圧の交流成分の周波数のみを画像形成時の周波数よりも減少させる請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段が、前記像保持体の回転速度のみを画像形成時の回転速度よりも増加させる請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段が、前記帯電用電圧の交流成分の周波数を画像形成時の周波数よりも減少させるとともに、前記像保持体の回転速度を画像形成時の回転速度より減少させる請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段が、画像形成に関与しない作像装置について、当該作像装置の転写装置における転写用電圧の印加を停止させる請求項3又は4に記載の画像形成装置。
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JP2017194653A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 キヤノン株式会社 画像形成装置
US9846382B2 (en) 2016-01-14 2017-12-19 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming apparatus and image forming method

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