以下、本発明の実施の形態に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置におけるプラズマディスプレイパネルの一部を示す分解斜視図である。
プラズマディスプレイパネル(以下パネルという)10は、互いに対向配置されたガラス製の前面基板21及び背面基板31を備え、前面基板21と背面基板31の間に放電空間が形成されている。
前面基板21には、表示電極を構成する複数対の走査電極22及び維持電極23が互いに平行に形成されている。それらの走査電極22及び維持電極23を覆うように誘電体層24が形成され、誘電体層24上には保護層25が形成されている。
背面基板31には、絶縁体層33で覆われた複数のデータ電極32が設けられ、そして絶縁体層33上には井桁状の隔壁34が設けられている。また、絶縁体層33の表面及び隔壁34の側面に蛍光体層35が設けられている。
そして、複数対の走査電極22及び維持電極23と複数のデータ電極32とが直交するように前面基板21と背面基板31とが対向配置され、前面基板21と背面基板31との間の放電空間には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンとの混合ガスが封入されている。なお、パネルの構造は上述したものに限られず、例えばストライプ状の隔壁を備えた構造を用いてもよい。
図2はパネルの電極配列図である。行方向に沿ってn本の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極22)及びn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に沿ってm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)及び維持電極SUi(i=1〜n)と1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルDCが形成されている。それにより、放電空間内にm×n個の放電セルが形成されている。
図3は本発明の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図である。このプラズマディスプレイ装置は、パネル10、画像信号処理回路51、データ電極駆動回路52、複数の走査電極それぞれが接続されかつ走査電極への電圧の印加を制御する複数のドライバ回路(図示せず)を備えた走査電極駆動回路53、維持電極駆動回路54、タイミング発生回路55及び電源回路(図示せず)を備える。
画像信号処理回路51は、画像信号sigをパネル10の画素数に応じた画像データに変換し、各画素の画像データを複数のサブフィールド(以下SFという)に対応する複数のビットに分割し、それらをデータ電極駆動回路52に出力する。
データ電極駆動回路52は、SF毎の画像データを各データ電極D1〜Dmに対応する信号に変換し、その信号に基づいて各データ電極D1〜Dmを駆動する。
タイミング発生回路55は、水平同期信号H及び垂直同期信号Vに基づいてタイミング信号を発生し、それらのタイミング信号をそれぞれの駆動回路ブロック(画像信号処理回路51、データ電極駆動回路52、走査電極駆動回路53及び維持電極駆動回路54)へ供給する。
走査電極駆動回路53は、タイミング信号に基づいて走査電極SC1〜SCnに駆動電圧波形(以下、駆動波形と略記する)を供給し、維持電極駆動回路54はタイミング信号に基づいて維持電極SU1〜SUnに駆動波形を供給する。
ここで、本実施の形態においては、走査電極SC1〜SCnについて、連続する複数の走査電極SC1,SC2,SC3,…,SCn/2を第1の走査電極群、次に連続する走査電極SCn/2+1,SCn/2+2,SCn/2+3,…,SCnを第2の走査電極群として、複数単位の走査電極群に分割しており、また走査電極駆動回路53は、第1の走査電極群に対して第1の駆動波形を供給し、第2の走査電極群に対して第2の駆動波形を供給するように構成されている。なお、以降の説明において、上記第1の走査電極群により構成される複数の放電セルを第1の放電セル群と称し、上記第2の走査電極群により構成される複数の放電セルを第1の放電セル群と称する。
次に、上述の第1の駆動波形について第1の走査電極群に属する走査電極SC1を、第2の駆動波形を第2の走査電極群に属する走査電極SCn/2+1をそれぞれ例に挙げて説明する。
図4は、図3のプラズマディスプレイ装置のSF構成における駆動波形図である。
図4には、第1の走査電極群の1本の走査電極SC1、第2の走査電極群の1本の走査電極SCn/2+1、維持電極SU1〜SUn、及びデータ電極D1〜Dmの駆動波形を示している。なお、図4には、1フィールドのうち第1SFの初期化期間から第2SFの維持期間までが示される。
図4において、第1SFの初期化期間の前半部では、データ電極D1〜Dmの電位をVdaに保持し、維持電極SU1〜SUnを0V(接地電位)に保持し、走査電極SC1〜SCnにランプ波形L1を印加する。
このランプ波形L1は、放電開始電圧以下の正の電位Vscnから放電開始電圧を超える正の電位(Vsus+Vset)に向かって緩やかに上昇する。すると、全ての放電セルにおいて1回目の微弱な初期化放電が起こり、走査電極SC1〜SCn上に負の壁電荷が蓄えられるとともに、維持電極SU1〜SUn上及びデータ電極D1〜Dm上に正の壁電荷が蓄えられる。ここで、電極を覆う誘電体層または蛍光体層上等に蓄積した壁電荷により生じる電圧を電極上の壁電圧という。
続く初期化期間の後半部では、データ電極D1〜Dmを接地電位に保持し、維持電極SU1〜SUnを正の電位Ve1に保持し、第1の走査電極群(走査電極SC1〜SCn/2)に正の電位(Vsus)から負の電位(−Vad+Vset2)に向かって緩やかに下降するランプ波形L2を印加する。すると第1の放電セル群において2回目の微弱な初期化放電が起こる。これにより、走査電極SCi上の壁電圧及び維持電極SUi上の壁電圧が弱められ、データ電極Dj上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
一方、第2の走査電極群(走査電極SCn/2+1〜SCn)には、正の電位(Vsus)から負の電位(−Vad+Vhiz)に向かって緩やかに下降するランプ波形L3を印加する。ここで、初期化期間の後半部において第2の走査電極群に印加されるランプ波形L3は、第1の走査電極群に印加されるランプ波形L2よりも高い電圧に緩やかに向かって下降する。それにより、第2の放電セル群においては、書込み動作に適した壁電荷に調整される前に2回目の初期化放電が終了する。
第1SFの書込み期間の前半部では、維持電極SU1〜SUnを一旦電位Ve2に保持し、走査電極SC1〜SCnを一旦電位(−Vad+Vscn)に保持する。ここで、まず第1の走査電極群の書込み動作について説明する。
1行目の走査電極SC1に負の走査パルスPa(=−Vad)を印加するとともに、データ電極D1〜Dmのうち1行目において発光すべき放電セルのデータ電極Dk(kは1〜mのいずれか)に正の書込みパルスPd(=Vda)を印加する。すると、データ電極Dkと走査電極SC1との交差部の電圧は、外部印加電圧(Pd−Pa)にデータ電極Dk上の壁電圧及び走査電極SC1上の壁電圧が加算された値となり、放電開始電圧を超える。それにより、データ電極Dkと走査電極SC1との間及び維持電極SU1と走査電極SC1との間で書込み放電が発生する。その結果、その放電セルの走査電極SC1上に正の壁電荷が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電荷が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電荷が蓄積される。
このようにして、1行目において発光すべき放電セルで書込み放電が発生して各電極上に壁電荷を蓄積させる書込み動作が行われる。一方、書込みパルスPdが印加されなかったデータ電極Dh(h≠k)と走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。
上記走査電極SC1の書込み動作後、続く第1の走査電極群に属する奇数ラインの走査電極SC3、SC5、…、SCn/2−1まで上記書込み動作を順次行った後、第1の走査電極群に属する偶数ラインの走査電極SC2、SC4、…、SCn/2までの上記書込み動作を順次行い、第1の放電セル群の書込み動作が完了する。
なお、第1の走査電極群の書込み期間の後半では、維持電極SU1〜SUnが電位Ve1に保持され、全ての走査電極SC1〜SCnに接地電位から負の電位(−Vad+Vset2)に向かって緩やかに下降するランプ波形L4が印加されるが、これは以降で詳述する第2の走査電極群の初期化動作に伴うものであり、第1の走査電極群の書込み動作に影響を与えない。
ここで、第1の走査電極群に走査パルスPaが印加される期間には、第2の走査電極群には走査パルスPaが印加されない。この期間において、第2の放電セル群の壁電荷は減少する。しかしながら、上述したように、第2の放電セル群においては初期化期間において2回目の微弱な初期化放電が書込み動作に適した壁電荷になる前に停止している。そのため、初期化期間が終了した時点においては、第2の放電セル群には第1の放電セル群より十分多い壁電荷が保持されている。したがって、上記の期間において、第2の放電セル群の壁電荷が減少しても、第2の放電セル群にはまだ十分な量の壁電荷が保持されている。
そこで、本実施の形態においては、第2の走査電極群に走査パルスPaを印加する直前に、走査電極SC1〜SCnに接地電位から負の電位(−Vad+Vset2)に向かって緩やかに下降するランプ波形L4を印加する。すると、第2の放電セル群において2回目の微弱な初期化放電の続きとも言える第3の初期化放電が起こる。これにより、第2の放電セル群において、走査電極SCi上の壁電圧及び維持電極SUiの壁電圧が弱められ、データ電極Dk上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
すなわち、本実施の形態においては、第1SFの初期化期間において第1の放電セル群に属する全ての放電セルの初期化動作(第1の放電セル群の全セル初期化動作)が行われ、第1SFの初期化期間及び書込み期間において第2の放電セル群に属する全ての放電セルの初期化動作(第2の放電セル群の全セル初期化動作)が行われることとなる。
次に第2の放電セル群の書込み動作について説明する。
第1SFの書込み期間の後半部(上記ランプ波形L4の印加後)では、維持電極SU1〜SUnを再び電位Ve2に保持し、走査電極SC1〜SCnを一旦電位(−Vad+Vscn)に保持する。次に、第2の走査電極群の奇数ラインであるn/2+1行目の走査電極SCn/2+1に負の走査パルスPaを印加するとともに、データ電極D1〜Dmのうちn/2+1行目において発光すべき放電セルのデータ電極Dkに正の書込みパルスPdを印加する。すると、データ電極Dkと走査電極SCn/2+1との交差部の電圧は、放電開始電圧を超える。それにより、データ電極Dkと走査電極SCn/2+1との間及び維持電極SUn/2+1と走査電極SCn/2+1との間で書込み放電が発生する。その放電セルの走査電極SCn/2+1上に正の壁電荷が蓄積され、維持電極SCn/2+1上に負の壁電荷が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電荷が蓄積される。
このようにして、n/2+1行目において発光すべき放電セルで書込み放電が発生して各電極上に壁電荷を蓄積させる書込み動作が行われる。一方、書込みパルスPdが印加されなかったデータ電極Dhと走査電極SCn/2+1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。
上記SCn/2+1の書込み動作後、続く第2走査電極群に属する奇数ラインの走査電極SCn/2+3、SCn/2+5、…、SCn−1まで上記書込み動作を順次行った後、第2走査電極群に属する偶数ラインの走査電極SCn/2+2、SCn/2+4、…、SCnまでの上記書込み動作を順次行い、第2の放電セル群の書込み動作が完了する。
続く維持期間では、維持電極SU1〜SUnを接地電位に戻し、走査電極SC1〜SCnに維持期間の最初の維持パルスPs(=Vsus)を印加する。このとき、書込み期間で書込み放電が発生した放電セルにおいては、走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧は、維持パルスPsに走査電極SCi上の壁電圧及び維持電極SUi上の壁電圧が加算された値となり、放電開始電圧を超える。それにより、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で維持放電が起こり、放電セルが発光する。その結果、走査電極SCi上に負の壁電荷が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電荷が蓄積され、データ電極Dk上に正の壁電荷が蓄積される。
以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとにあらかじめ定められた数の維持パルスPsを交互に印加することにより、書込み期間において書込み放電が発生した放電セルでは維持放電が継続して行われる。
維持パルスPsの印加後、維持電極SUi及びデータ電極Dkを接地電位に保持した状態で、走査電極SCiにランプ波形L5を印加する。このランプ波形L5は、接地電位からの正の電位Veraseに向かって緩やかに上昇する。これにより、維持放電が起こった放電セルにおいて、走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧が放電開始電圧を超え、維持電極SUiと走査電極SCiとの間で微弱な消去放電が発生する。
その結果、走査電極SCiに負の壁電荷が蓄積され、維持電極SUiに正の壁電荷が蓄積される。このとき、データ電極Dk上には正の壁電荷が蓄積される。その後、走査電極SCiを接地電位に戻し、維持期間における維持動作を終了する。
第2SFの初期化期間では、維持電極SU1〜SUnを電位Ve1に保持し、データ電極D1〜Dmを接地電位に保持し、第1の走査電極群(走査電極SC1,SC2,…,SCn/2)に接地電位からの負の電位(−Vad+Vset3)に向かって緩やかに下降するランプ波形L6を印加する。すると、第1の放電セル群のうち、前のSFで(図4では第1SF)の維持期間で維持放電が起こった放電セルでは微弱な初期化放電が発生する。それにより、第1の放電セル群のうち前のSFで維持放電が起こった放電セルにおいて、走査電極SCi上の壁電圧及び維持電極SUi上の壁電圧が弱められ、データ電極Dk上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
前のSFで維持放電が起こらなかった放電セルにおいては、放電が発生することはなく、前のSFの初期化期間の終了時における壁電荷の状態がそのままに保たれる。
一方、第2の走査電極群(走査電極SCn/2+1,SCn/2+2,…,SCn)には、接地電位からの負の電位(−Vad+Vhiz)に向かって緩やかに下降するランプ波形L7を印加する。このとき、第2の放電セル群のうち前のSFで維持放電が起こった放電セルでは微弱な初期化放電が発生するが、第1の走査電極群に印加されるランプ波形L6よりも高い電圧に緩やかに向かって下降するため、第2の放電セル群においては、書込み動作に適した壁電荷に調整される前にランプ波形L7による初期化放電が終了する。
前のSFで維持放電が起こらなかった放電セルにおいては、放電が発生することはなく、前のSFの初期化期間の終了時における壁電荷の状態がそのままに保たれる。
したがって、第2の放電セル群に蓄積されている壁電荷の量は、第1の放電セル群に蓄積されている壁電荷の量に比べて十分に多い。
第2SFの書込み期間においては、維持電極SU1〜SUn及びデータ電極D1〜Dmに対して第1SFの書込み期間と同様の駆動波形を供給する。
この場合、第1SFと同様に、第2SFの書込み期間において第1の走査電極群に走査パルスPaが印加される期間には、第2の走査電極群には走査パルスPaが印加されない。この期間において、第2の放電セル群の壁電荷は減少する。しかしながら、上述したように、第2の放電セル群には第2SFの初期化期間終了時に十分な量の壁電荷が保持されている。従って上記の期間においてそれらの放電セルの壁電荷が減少しても、それらの放電セルにはまだ十分な量の壁電荷が保持されている。
そこで、第2の走査電極群に走査パルスPaを印加する直前に、走査電極SC1〜SCnに接地電位から負の電位(−Vad+Vset4)に向かって緩やかに下降するランプ波形L8を印加する。すると、第2の放電セル群のうち前のSFで維持放電が起こった放電セルにおいてランプ波形L7の微弱な初期化放電の続きとも言える初期化放電が起こる。これにより、第2の放電セルのうち前のSFで維持放電が起こった放電セルにおいて、走査電極SCi上の壁電圧及び維持電極SUiの壁電圧が弱められ、データ電極Dk上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
また、第2SFにおける書込み動作を行う順序も第1SFと同様の順序となる。
つまり、第1の走査電極群における奇数ラインの書込み動作を行い、次いで偶数ラインの書込み動作を行う。第1の走査電極群の書込み動作が完了した後、順次第2の走査電極群における奇数ラインの書込み動作を行い、次いで偶数ラインの書込み動作を行い、第2SFの書込み期間を終える。
なお、第2SFの維持期間においては、第1SFの維持期間と同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとにあらかじめ定められら数の維持パルスPsを交互に印加する。それにより、書込み期間において書込み放電が発生した放電セルで維持放電が行われる。
また、第3SF以降のSFでは、第1の走査電極群、第2の走査電極群、維持電極SU1〜SUn及びデータ電極D1〜Dmに対して第2SFと同様の駆動波形を供給する。
また、書込み動作を行う順序においても、第1SF及び第2SFと同様の順序となる。つまり、第1の走査電極群における奇数ラインの書込み動作を行い、次いで偶数ラインの書込み動作を行う。第1の走査電極群の書込み動作が完了した後、第2の走査電極群における奇数ラインの書込み動作を行い、次いで偶数ラインの書込み動作を行い、そのSFの書込み期間を終える。
以上のように、本発明においては、連続する複数の走査電極群を1単位として、第1の走査電極群、第2の走査電極群のように複数単位の走査電極群に分割し、そして各単位の第1の走査電極群、第2の走査電極群は、走査電極に初期化パルスを印加して初期化動作を行い、その後走査電極の奇数ラインまたは偶数ラインのうち一方のラインの書込み動作を行った後、他方のラインの書込み動作を行うように構成し、かつ第1の走査電極群、第2の走査電極群単位に順次初期化動作及び書込み動作を行うように構成したものである。このような構成により、第1の走査電極群に分類された連続する複数の走査電極は、隣接する走査電極間で全て同様の駆動波形となり、また第2の走査電極群に分類された連続する複数の走査電極も、隣接する走査電極間で同様の駆動波形となり、走査電極駆動回路の構成が複雑化することがない。
また、上述したように、書込み動作が行われる順番が早い第1の走査電極群は、通常通り初期化放電を経て書込み動作を順次行い、そして書込み動作が行われる順番が遅い第2の走査電極群は、書込み動作が行われる直前に初期化放電を別途行うように構成する、すなわち走査電極を書込み動作が行われる順番により分割し、初期化放電を行うタイミングが異なる駆動波形を印加することにより、走査パルスが印加される順番が遅い走査電極群においても、初期化放電を行ってから壁電荷が減少する時間が短くなるため、書込み放電不良が発生するのを防止することができる。
さらに、プラズマディスプレイ装置の書込み期間での書込み電力の大部分を占める、変位電流による消費電力は下記の数式で示される。
P=IV=CV2f
ここで、Iは電流、Vはデータ電極に印加されるデータパルスの電圧、Cは隣接する電極との間の静電容量、fは周波数で、パネルのデータ電極への電圧印加を制御するデータドライバーの半導体装置(IC)の単位時間当たりの平均スイッチング回数である。
上記数式に示されるように、データドライバーのスイッチング回数を減らすことで書込み電力を低減することができる。
ところで、図5に示す表示パターンについて、走査電極SC1からSCnへ順次書込み動作を行うと、1フィールド期間を分割したうちの1つのSFにおけるデータパルスのパターンは図6に示すようになり、データパルスのON/OFFが繰り返されるため、データドライバーのスイッチング回数が多くなる。これにより消費電力は大きくなり、またデータドライバーの発熱量も大きくなる。
これに対し、本発明においては、図5に示す表示パターンについて、走査電極を奇数ラインと偶数ラインとに分割し、偶数ラインまたは奇数ラインのうち一方のみに順次書込み動作を行った後、他方のラインの書込み動作を順次行う、いわゆる飛び越し走査における1フィールド期間を分割したうちの1つのSFにおけるデータパルスのパターンは図7に示すようになり、飛び越し走査によりデータパルスのON/OFFの繰り返しはなく、ONもしくはOFFの状態が続き、データドライバーのスイッチング回数が低減され、書込み電力を抑制することができる。
次に、本発明の他の実施の形態による駆動方法について、図8に示す駆動波形図を用いて説明する。なお、パネルの構成、パネルの電極配列、回路ブロックの構成は、図1〜図3に示したものと同様である。
本実施の形態においては、走査電極SC1〜SCnについて、走査電極SC1,SC2,SC3,…,SCn/3を第1の走査電極群、走査電極SCn/3+1,SCn/3+2,SCn/3+3,…,SC2n/3を第2の走査電極群、走査電極SC2n/3+1,SC2n/3+2,SC2n/3+3,…,SCnを第3の走査電極群として分割し、走査電極駆動回路53は、第1の走査電極群に対して第1の駆動波形を供給し、第2の走査電極群に対して第2の駆動波形を供給し、第3の走査電極群に対して第3の駆動波形を供給するように構成している。また、上記第1の走査電極群により構成される複数の放電セルを第1の放電セル群と称し、上記第2の走査電極群により構成される複数の放電セルを第2の放電セル群と称し、上記第3の走査電極群により構成される複数の放電セルを第3の放電セル群と称する。
図8においては、第1の走査電極群の1本の走査電極SC1、第2の走査電極群の1本の走査電極SCn/3+1、第3の走査電極群の1本の走査電極SC2n/3+1、維持電極SU1〜SUn、及びデータ電極D1〜Dmの駆動波形を示している。なお、図8には、1フィールドの第1SFの初期化期間から第2SFの維持期間までを示している。
第1SFの初期化期間の前半部では、データ電極D1〜Dmの電位をVdaに保持し、維持電極SU1〜SUnを0V(接地電位)に保持し、走査電極SC1〜SCnにランプ波形L1を印加する。
このランプ波形L1は、放電開始電圧以下の正の電位Vscnから放電開始電圧を超える正の電位(Vsus+Vset)に向かって緩やかに上昇する。すると、全ての放電セルにおいて1回目の微弱な初期化放電が起こり、走査電極SC1〜SCn上に負の壁電荷が蓄えられるとともに維持電極SU1〜SUn上及びデータ電極D1〜Dm上に正の壁電荷が蓄えられる。ここで、電極を覆う誘電体層または蛍光体層上等に蓄積した壁電荷により生じる電圧を電極上の壁電圧という。
続く初期化期間の後半部では、データ電極D1〜Dmを接地電位に保持し、維持電極SU1〜SUnを正の電位Ve1に保持し、第1の走査電極群(走査電極SC1〜SCn/3)に正の電位(Vsus)から負の電位(−Vad+Vset2)に向かって緩やかに下降するランプ波形L2を印加する。すると第1の放電セル群において2回目の微弱な初期化放電が起こる。これにより、走査電極SCi上の壁電圧及び維持電極SUi上の壁電圧が弱められ、データ電極Dj上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
一方、第2の走査電極群(走査電極SCn/3+1〜SC2n/3)及び第3の走査電極群(走査電極SC2n/3+1〜SCn)には、正の電位(Vsus)から負の電位(−Vad+Vhiz)に向かって緩やかに下降するランプ波形L3を印加する。
ここで、初期化期間の後半部において第2の走査電極群及び第3の走査電極群に印加されるランプ波形L3は、第1の走査電極群に印加されるランプ波形L2よりも高い電圧に緩やかに向かって下降する。それにより、第2の放電セル群及び第3の放電セル群においては、書込み動作に適した壁電荷に調整される前に2回目の初期化放電が終了する。
第1SFの書込み期間の前部では、維持電極SU1〜SUnを一旦電位Ve2に保持し、走査電極SC1〜SCnを一旦電位(−Vad+Vscn)に保持する。
ここで、まず第1の走査電極群の書込み動作について説明する。
1行目の走査電極SC1に負の走査パルスPa(=−Vad)を印加するとともに、データ電極D1〜Dmのうち1行目において発光すべき放電セルのデータ電極Dk(kは1〜mのいずれか)に正の書込みパルスPd(=Vda)を印加する。すると、データ電極Dkと走査電極SC1との交差部の電圧は、外部印加電圧(Pd−Pa)にデータ電極Dk上の壁電圧及び走査電極SC1上の壁電圧が加算された値となり、放電開始電圧を超える。それにより、データ電極Dkと走査電極SC1との間及び維持電極SU1と走査電極SC1との間で書込み放電が発生する。その結果、その放電セルの走査電極SC1上に正の壁電荷が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電荷が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電荷が蓄積される。
このようにして、1行目において発光すべき放電セルで書込み放電が発生して各電極上に壁電荷を蓄積させる書込み動作が行われる。一方、書込みパルスPdが印加されなかったデータ電極Dh(h≠k)と走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。
上記走査電極SC1の書込み動作後、続く第1の走査電極群に属する奇数ラインの走査電極SC3、SC5、…、SCn/3−1まで上記書込み動作を順次行った後、第1の走査電極群に属する偶数ラインの走査電極SC2、SC4、…、SCn/3までの上記書込み動作を順次行い、第1の放電セル群の書込み動作が完了する。
ここで、第1の走査電極群に走査パルスPaが印加される期間には、第2の走査電極群及び第3の走査電極群には走査パルスPaが印加されない。この期間において、第2の放電セル群及び第3走査電極群の壁電荷は減少する。しかしながら、上述したように、第2の放電セル群及び第3走査電極群においては初期化期間において2回目の微弱な初期化放電が書込み動作に適した壁電荷になる前に停止している。そのため、初期化期間が終了した時点においては、第2の放電セル群及び第3走査電極群には第1の放電セル群より十分多い壁電荷が保持されている。したがって、上記の期間において、第2の放電セル群及び第3走査電極群の壁電荷が減少しても、第2の放電セル群及び第3走査電極群にはまだ十分な量の壁電荷が保持されている。
そこで、本実施の形態においては、次に第2の走査電極群に走査パルスPaを印加する直前に、第1の走査電極群と第2の走査電極群である走査電極SC1〜SC2n/3に接地電位から負の電位(−Vad+Vset2)に向かって緩やかに下降するランプ波形L4を印加する。すると、第2の放電セル群において2回目の微弱な初期化放電の続きとも言える第3の初期化放電が起こる。これにより、第2の放電セル群において、走査電極SCi上の壁電圧及び維持電極SUiの壁電圧が弱められ、データ電極Dk上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
このとき、第3の走査電極群(走査電極SC2n/3+1〜SCn)には、正の接地電位から、ランプ波形L3と同様に、負の電位(−Vad+Vhiz)に向かって緩やかに下降するランプ波形L9が印加される。したがって、第3の走査電極群に印加されるランプ波形L9による初期化放電は発生せず、壁電荷に調整は行われないため、第3の放電セル群にはまだ十分な量の壁電荷が保持されている。
さらに、同様に、第3走査電極群に走査パルスPaを印加する直前に、走査電極SC1〜SCnに接地電位から負の電位(−Vad+Vset2)に向かって緩やかに下降するランプ波形L10を印加する。すると、第3の放電セル群において2回目の微弱な初期化放電の続きとも言える第4の初期化放電が起こる。これにより、第3の放電セル群において、走査電極SCi上の壁電圧及び維持電極SUiの壁電圧が弱められ、データ電極Dk上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
すなわち、本実施の形態においては、第1SFの初期化期間において第1の放電セル群に属する全ての放電セルの初期化動作(第1の放電セル群の全セル初期化動作)が行われ、第1SFの初期化期間及び書込み期間において、まず第2の放電セル群に属する全ての放電セルの初期化動作(第2の放電セル群の全セル初期化動作)が行われ、最後に第3の放電セル群に属する全ての放電セルの初期化動作(第3の放電セル群の全セル初期化動作)が行われる。
次に第2の放電セル群及び第3の放電セル群の書込み動作について説明する。
第1SFの書込み期間の中間部(上記ランプ波形L4の印加後)では、維持電極SU1〜SUnを再び電位Ve2に保持し、走査電極SC1〜SCnを一旦電位(−Vad+Vscn)に保持する。次に、第2の走査電極群であるn/3+1行目の走査電極SCn/3+1に負の走査パルスPaを印加するとともに、データ電極D1〜Dmのうちn/3+1行目において発光すべき放電セルのデータ電極Dkに正の書込みパルスPdを印加する。すると、データ電極Dkと走査電極SCn/3+1との交差部の電圧は、放電開始電圧を超える。それにより、データ電極Dkと走査電極SCn/3+1との間及び維持電極SUn/3+1と走査電極SCn/3+1との間で書込み放電が発生する。その放電セルの走査電極SCn/3+1上に正の壁電荷が蓄積され、維持電極SCn/3+1上に負の壁電荷が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電荷が蓄積される。
このようにして、n/3+1行目において発光すべき放電セルで書込み放電が発生して各電極上に壁電荷を蓄積させる書込み動作が行われる。一方、書込みパルスPdが印加されなかったデータ電極Dhと走査電極SCn/3+1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。
上記SCn/3+1の書込み動作後、続く第2の走査電極群に属する奇数ラインの走査電極SCn/3+3、SCn/3+5、…、SC2n/3−1まで上記書込み動作を順次行った後、第2の走査電極群に属する偶数ラインの走査電極SCn/3+2、SCn/3+4、…、SC2n/3までの上記書込み動作を順次行い、第2の放電セル群の書込み動作が完了する。
第2の放電セル群の書込み動作が完了後、第1SFの書込み期間の後部では、上記ランプ波形L10による第3の放電セル群の初期化放電を行う。
次に、第3の放電セル群の書込み動作を行うが、第1の放電セル群及び、第2の放電セル群同様、第3の走査電極群に属する奇数ラインの走査電極SC2n/3+1、SC2n/3+3、SC2n/3+5、…、SCn−1まで上記書込み動作を順次行った後、第3走査電極群に属する偶数ラインの走査電極SC2n/3+2、SC2n/3+4、…、SCnまでの上記書込み動作を順次行い、第3の放電セル群の書込み動作が完了する。
続く維持期間では、維持電極SU1〜SUnを接地電位に戻し、走査電極SC1〜SCnに維持期間の最初の維持パルスPs(=Vsus)を印加する。このとき、書込み期間で書込み放電が発生した放電セルにおいては、走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧は、維持パルスPsに走査電極SCi上の壁電圧及び維持電極SUi上の壁電圧が加算された値となり、放電開始電圧を超える。それにより、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で維持放電が起こり、放電セルが発光する。その結果、走査電極SCi上に負の壁電荷が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電荷が蓄積され、データ電極Dk上に正の壁電荷が蓄積される。
以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとにあらかじめ定められた数の維持パルスPsを交互に印加することにより、書込み期間において書込み放電が発生した放電セルでは維持放電が継続して行われる。
維持パルスPsの印加後、維持電極SUi及びデータ電極Dkを接地電位に保持した状態で、走査電極SCiにランプ波形L5を印加する。このランプ波形L5は、接地電位からの正の電位Veraseに向かって緩やかに上昇する。これにより、維持放電が起こった放電セルにおいて、走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧が放電開始電圧を超え、維持電極SUiと走査電極SCiとの間で微弱な消去放電が発生する。
その結果、走査電極SCiに負の壁電荷が蓄積され、維持電極SUiに正の壁電荷が蓄積される。このとき、データ電極Dk上には正の壁電荷が蓄積される。その後、走査電極SCiを接地電位に戻し、維持期間における維持動作を終了する。
第2SFの初期化期間では、維持電極SU1〜SUnを電位Ve1に保持し、データ電極D1〜Dmを接地電位に保持し、第1の走査電極群(走査電極SC1,SC2,…,SCn/3)に接地電位からの負の電位(−Vad+Vset3)に向かって緩やかに下降するランプ波形L6を印加する。すると、第1の放電セル群のうち前のSFで(図8では第1SF)の維持期間で維持放電が起こった放電セルでは微弱な初期化放電が発生する。それにより、第1の放電セル群のうち前のSFで維持放電が起こった放電セルにおいて、走査電極SCi上の壁電圧及び維持電極SUi上の壁電圧が弱められ、データ電極Dk上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
前のSFで維持放電が起こらなかった放電セルにおいては、放電が発生することはなく、前のSFの初期化期間の終了時における壁電荷の状態がそのままに保たれる。
一方、第2の走査電極群(走査電極SCn/3+1,SCn/3+2,…,SC2n/3)及び第3の走査電極群(走査電極SC2n/3+1〜SCn)には、接地電位からの負の電位(−Vad+Vhiz)に向かって緩やかに下降するランプ波形L7を印加する。このとき、第2の放電セル群及び第3の放電セル群のうち前のSFで維持放電が起こった放電セルでは微弱な初期化放電が発生するが、第1の走査電極群に印加されるランプ波形L6よりも高い電圧に緩やかに向かって下降するため、第2の放電セル群及び第3の放電セル群においては、書込み動作に適した壁電荷に調整される前にランプ波形L7による初期化放電が終了する。
前のSFで維持放電が起こらなかった放電セルにおいては、放電が発生することはなく、前のSFの初期化期間の終了時における壁電荷の状態がそのままに保たれる。
したがって、第2の放電セル群及び第3の放電セル群に蓄積されている壁電荷の量は、第1の放電セル群に蓄積されている壁電荷の量に比べて十分に多い。
第2SFの書込み期間においては、維持電極SU1〜SUn及びデータ電極D1〜Dmに対して第1SFの書込み期間と同様の駆動波形を供給する。
この場合、第1SFと同様に、第2SFの書込み期間において第1の走査電極群に走査パルスPaが印加される期間には、第2の走査電極群及び第3の走査電極群には走査パルスPaが印加されない。この期間において、第2の放電セル群及び第3の放電セル群の壁電荷は減少する。しかしながら、上述したように、第2の放電セル群及び第3の放電セル群には第2SFの初期化期間終了時に十分な量の壁電荷が保持されている。従って上記の期間においてそれらの放電セルの壁電荷が減少しても、それらの放電セルにはまだ十分な量の壁電荷が保持されている。
そこで、第2の走査電極群に走査パルスPaを印加する直前に、第1の走査電極群及び第2の走査電極群である走査電極SC1〜SC2n/3に接地電位から負の電位(−Vad+Vset4)に向かって緩やかに下降するランプ波形L8を印加する。すると、第2の放電セル群のうち前のSFで維持放電が起こった放電セルにおいて微弱な初期化放電が起こるランプ波形L7の微弱な初期化放電の続きとも言える初期化放電が起こる。これにより、第2の放電セルのうち前のSFで維持放電が起こった放電セルにおいて、走査電極SCi上の壁電圧及び維持電極SUiの壁電圧が弱められ、データ電極Dk上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
このとき、第3の走査電極群(走査電極SC2n/3+1〜SCn)には、正の接地電位から、ランプ波形L7と同様に、負の電位(−Vad+Vhiz)に向かって緩やかに下降するランプ波形L11を印加する。
したがって、第3の走査電極群に印加されるランプ波形L8による初期化放電は発生せず、壁電荷に調整は行われないため、第3の放電セル群にはまだ十分な量の壁電荷が保持されている。
さらに、同様に、第3走査電極群に走査パルスPaを印加する直前に、走査電極SC1〜SCnに接地電位から負の電位(−Vad+Vset4)に向かって緩やかに下降するランプ波形L12を印加する。すると、第3の放電セル群においてランプ波形L7の微弱な初期化放電の続きとも言える初期化放電が起こる。これにより、第3の放電セル群において、走査電極SCi上の壁電圧及び維持電極SUiの壁電圧が弱められ、データ電極Dk上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
また、第2SFにおける書込み動作を行う順序も第1SFと同様の順序となる。つまり、第1の走査電極群における奇数ラインの書込み動作を行い、次いで偶数ラインの書込み動作を行う。第1の走査電極群の書込み動作が完了した後、第2の走査電極群における奇数ラインの書込み動作を行い、次いで偶数ラインの書込み動作を行う。最後に第3の走査電極群における奇数ラインの書込み動作を行い、次いで偶数ラインの書込み動作を行い、第2SFの書込み期間を終える。
なお、第2SFの維持期間においては、第1SFの維持期間と同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとにあらかじめ定められら数の維持パルスPsを交互に印加する。それにより、書込み期間において書込み放電が発生した放電セルで維持放電が行われる。
また、第3SF以降のSFでは、第1の走査電極群、第2の走査電極群、第3の走査電極群、維持電極SU1〜SUn及びデータ電極D1〜Dmに対して第2SFと同様の駆動波形を供給する。
また、書込み動作を行う順序においても、第1SF及び第2SFと同様の順序となる。つまり、第1の走査電極群における奇数ラインの書込み動作を行い、次いで偶数ラインの書込み動作を行う。第1の走査電極群の書込み動作が完了した後、第2の走査電極群における奇数ラインの書込み動作を行い、次いで偶数ラインの書込み動作を行う。そして最後に第3の走査電極群における奇数ラインの書込み動作を行い、次いで偶数ラインの書込み動作を行い、そのSFの書込み期間を終える。
以上のように、本発明においては、連続する複数の走査電極群を1単位として、第1の走査電極群、第2の走査電極群、第3の走査電極群のように複数単位の走査電極群に分割し、そして各単位の第1の走査電極群、第2の走査電極群、第3の走査電極群は、走査電極に初期化パルスを印加して初期化動作を行い、その後走査電極の奇数ラインまたは偶数ラインのうち一方のラインの書込み動作を行った後、他方のラインの書込み動作を行うように構成し、かつ第1の走査電極群、第2の走査電極群、第3の走査電極群単位に順次初期化動作及び書込み動作を行うように構成したものである。このような構成により、第1の走査電極群に分類された連続する複数の走査電極は、隣接する走査電極間で全て同様の駆動波形となり、また第2の走査電極群及び第3の走査電極群に分類された連続する複数の走査電極も、隣接する走査電極間で同様の駆動波形となり、走査電極駆動回路の構成が複雑化することがない。
また、上述したように、書込み動作が行われる順番が早い第1の走査電極群は、通常通り初期化放電を経て書込み動作を順次行い、そして書込み動作が行われる順番が遅い第2の走査電極群及び第3の走査電極群は、書込み動作が行われる直前に初期化放電を別途行うように構成する、すなわち走査電極を書込み動作が行われる順番により分割し、初期化放電を行うタイミングが異なる駆動波形を印加することにより、走査パルスが印加される順番が遅い走査電極群においても、初期化放電を行ってから壁電荷が減少する時間が短くなるため、書込み放電不良が発生するのを防止することができる。
さらに、走査電極を奇数ラインと偶数ラインとに分割し、偶数ラインまたは奇数ラインのうち一方のみに順次書込み動作を行った後、他方のラインの書込み動作を順次行う飛び越し走査によりデータパルスのON/OFFの繰り返しはなく、ONもしくはOFFの状態が続き、データドライバーのスイッチング回数が低減され、書込み電力を抑制することができる。
次に、本発明の他の実施の形態による駆動方法について、図9に示す駆動波形図を用いて説明する。なお、パネルの構成、パネルの電極配列、回路ブロックの構成は、図1〜図3に示したものと同様である。
本実施の形態においては、走査電極SC1〜SCnについて、走査電極SC1,SC2,SC3,…,SCn/4を第1の走査電極群、走査電極SCn/4+1,SCn/4+2,SCn/4+3,…,SCn/2を第2の走査電極群、走査電極SCn/2+1,SCn/2+2,SCn/2+3,…,SC3n/4を第3の走査電極群、SC3n/4+1,SC3n/4+2,SC3n/4+3,…,SCnを第4の走査電極群として分割し、走査電極駆動回路53は、第1の走査電極群に対して第1の駆動波形を供給し、第2の走査電極群に対して第2の駆動波形し、第3の走査電極群に対して第3の駆動波形を供給し、第4の走査電極群に対して第4の駆動波形を供給するように構成している。また、上記第1の走査電極群により構成される複数の放電セルを第1の放電セル群と称し、上記第2の走査電極群により構成される複数の放電セルを第2の放電セル群と称し、上記第3の走査電極群により構成される複数の放電セルを第3の放電セル群と称し、上記第4の走査電極群により構成される複数の放電セルを第4の放電セル群と称する。
図9においては、第1の走査電極群の1本の走査電極SC1、第2の走査電極群の1本の走査電極SCn/4+1、第3の走査電極群の1本の走査電極SC2n/4+1、第4の走査電極群の1本の走査電極SC3n/4+1、維持電極SU1〜SUn、及びデータ電極D1〜Dmの駆動波形を示している。なお、図9には、1フィールドの第1SFの初期化期間から第2SFの維持期間までを示し、各放電については、上記図4、図8に示す実施の形態と同様な挙動を示す。
そして、本実施の形態における書込み動作を行う順序は、まず第1の走査電極群における奇数ラインの書込み動作を行い、次いで偶数ラインの書込み動作を行う。続いて、同様に第2の走査電極群、第3の走査電極群、第4の走査電極群の各走査電極群において飛び越し走査による書込み動作を行い、各SFの書込み期間を終える。
以上のように本実施の形態においても、上記実施の形態と同様な作用効果を得ることができる。
なお、上記実施の形態においては、走査電極を2分割、3分割、4分割する例を示したが、走査電極駆動回路53のドライバ回路ごとに複数の走査電極群を1単位として複数単位に分割した構成としてもよい。