JP2009192567A - 薄膜形成方法及びカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

薄膜形成方法及びカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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剛司 伊藤
Sadaji Komori
貞治 小森
Takashi Hiruma
敬 蛭間
Satoru Kataue
悟 片上
Takahiro Imai
隆浩 今井
Toru Igarashi
透 五十嵐
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【課題】基板の所定の領域にスジムラの目立ちにくい薄膜を形成することが可能な薄膜形成方法及びカラーフィルタの製造方法を提供すること。
【解決手段】液状体を吐出する複数のノズルを有するヘッドと前記ノズルの吐出部分に対向して配置され薄膜形成領域を有する基板とを相対的に複数回所定の方向に走査させながら前記基板に前記液状体を吐出し、前記基板の前記薄膜形成領域に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、各走査において、複数の前記ノズルのうち他の走査で吐出を行うノズルと同一のノズルによって、前記他の走査と同一の吐出条件で、前記基板のうち薄膜形成領域を含む領域に前記液状体を吐出し、前記複数回の走査の後、前記基板のうち前記薄膜形成領域以外の領域に吐出された前記液状体を除去する。
【選択図】図8

Description

本発明は、薄膜形成方法及びカラーフィルタの製造方法に関する。
近年、液状体吐出法を用いた薄膜形成技術が注目されている。例えば、特許文献1には液晶表示装置のカラーフィルタ層を液状体吐出法によって形成する方法が開示されている。この方法によれば、基板と複数のノズルとを相対的に走査させながら、色材を含む液状体を複数のノズルから基板へ向けて吐出させ基板上の所定の領域に液状体を配置するようにしている。液状体を配置した後、当該液状体を例えば乾燥させて固化させることにより、基板上の所定の領域に上記色材の薄膜(カラーフィルタ層)が形成される。
特開2003−159787号公報
しかしながら、上記の液状体吐出法には以下の改善すべき課題がある。
液状体吐出法に用いられる液状体吐出装置には、ノズル間で液状体の吐出量にバラつきが存在する。このため走査方向に直交する方向について液状体の配置量(吐出量)にバラつきが生じ、得られる薄膜にスジ状の濃淡ムラが発生してしまうことがある。
例えば液状体吐出法によってカラーフィルタ層を形成する場合、当該カラーフィルタ層にスジムラが発生し、カラーフィルタを介して表示される画像の画質低下を招いてしまう。この他に、液状体吐出法によって例えば有機EL装置の有機EL層(発光層や正孔注入層など)を形成する場合には、当該有機EL層にスジムラが発生し、発光ムラを引き起こしてしまう。カラーフィルタ層や有機EL層に限らず、複数のノズルを用いた液状体吐出法で形成される他の薄膜についても、同様にスジムラ発生の問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、基板の所定の領域にスジムラの目立ちにくい薄膜を形成することが可能な薄膜形成方法及びカラーフィルタの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る薄膜形成方法は、液状体を吐出する複数のノズルを有するヘッドと前記ノズルの吐出部分に対向して配置され薄膜形成領域を有する基板とを相対的に複数回所定の方向に走査させながら前記基板に前記液状体を吐出し、前記基板の前記薄膜形成領域に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、各走査において、複数の前記ノズルのうち他の走査で吐出を行うノズルと同一のノズルによって、前記他の走査と同一の吐出条件で、前記基板のうち薄膜形成領域を含む領域に前記液状体を吐出し、前記複数回の走査の後、前記基板のうち前記薄膜形成領域以外の領域に吐出された前記液状体を除去することを特徴とする。
本発明によれば、複数のノズルを有するヘッドと基板とを相対的に複数回所定の方向に走査させながら液状体を吐出する場合の各走査において、複数のノズルのうち他の走査で吐出を行うノズルと同一のノズルによって、当該他の走査と同一の吐出条件で、基板のうち薄膜形成領域を含む領域に液状体を吐出することとしたので、吐出された全ての液状体についてほぼ同一の吐出量とすることができる。走査毎に液状体の吐出量にムラが発生するのを回避することができるので、走査方向の垂直方向におけるスジムラの発生を防ぐことができる。しかも、複数回の走査の後、基板のうち薄膜形成領域以外の領域に吐出された液状体を除去することとしたので、画素の形状や基板の大きさに拘らず、また煩雑な設定変更を行うことなく、基板の薄膜形成領域に薄膜を正確に形成することができる。これにより、基板の所定の領域にスジムラの目立ちにくい薄膜を形成することが可能となる。
上記の薄膜形成方法は、各走査において、全ての前記ノズルによって吐出を行うことを特徴とする。
本発明によれば、各走査において全てのノズルによって吐出を行うこととしたので、吐出を行うノズル及び吐出を行わないノズルの選択の制御を容易に行うことができる。
上記の薄膜形成方法は、各走査において、前記基板のほぼ全面に吐出を行うことを特徴とする。
本発明によれば、各走査において、基板のほぼ全面に吐出を行うこととしたので、基板の端部にまで液状体を確実に行き渡らせることができる。これにより、基板の端部においても液状体の吐出量のバラつきの発生を確実に防ぐことができる。
上記の薄膜形成方法は、前記基板に吐出された前記液状体の状態に基づいて前記ノズルの吐出条件を調節することを特徴とする。
本発明によれば、基板に吐出された液状体の状態に基づいてノズルの吐出条件を調節することとしたので、液状体の吐出量のバラつきを一層抑制することができると共に、各走査において基板に吐出される液状体のパターンを確実に同一に近づけることができる。
上記の薄膜形成方法は、複数の前記ノズルは、前記液状体の吐出量に基づいてそれぞれ異なるノズルグループに分類されており、前記ノズルグループごとに前記ノズルの吐出条件を調節することを特徴とする。
本発明によれば、複数の前記ノズルは、液状体の吐出量に基づいてそれぞれ異なるノズルグループに分類されており、当該ノズルグループごとにノズルの吐出条件を調節することとしたので、基板の寸法や薄膜形成領域の寸法に応じて吐出量の異なるノズルを効率的に使い分けることができる。
本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、上記の薄膜形成方法を用いることを特徴とする。
本発明によれば、スジムラの目立ちにくい薄膜を形成することが可能な薄膜形成方法を用いてカラーフィルタを製造することとしたので、濃淡ムラがほとんど目立たないカラーフィルタを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
以下の説明においては、本発明をカラーフィルタの製造方法に適用した場合の例について説明する。以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は本実施形態におけるカラーフィルタ1の平面構造を示す模式図であり、図2は図1のA−A線矢視断面図である。以下の説明及び図1、図2中におけるR、G、Bの各文字は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)を示すものとする。
図1及び図2に示すように、カラーフィルタ1は、カラー用表示パネルに用いられるものであり、後述する基板上に形成されたものである。このカラーフィルタ1は、図1に示すように、R、G、Bの各色に対応して着色された画素部(所定の領域)2と、カラーフィルタ層2の間に形成された隔壁(バンク)3とを有する構成になっている。
カラーフィルタ1は、矩形のカラーフィルタ層2がマトリクス状に整列されて形成されたものである。このマトリクスの配列は、図1中の縦列が同色のカラーフィルタ層2によって形成され、横列が、R、G、Bの順にカラーフィルタ層2が並ぶ、いわゆるストライプ型の画素配列となっている。本発明においては、カラーフィルタ1は周知のモザイク型やデルタ型等の画素配列であっても、例えばR、G、B以外の色要素を含むものであってもよい。
隔壁3は、図2に示すように例えばガラス製で透光性の基板4上に設けられており、平面視矩形のカラーフィルタ層2を区画形成するものである。当該隔壁3は、光を遮光する遮光部(ブラックマトリクス)6と、遮光部6上に設けられたバンク7とを有している。遮光部6は、例えばクロム等の遮光材料によって基板4上にパターニングされたものである。バンク7は、この遮光部6上に形成された樹脂製のものである。
カラーフィルタ層2は、バンク7によって区画された領域、すなわち本実施形態における所定領域(薄膜形成領域)8上に形成されたものである。所定領域8上にR、G、Bの各色のカラーフィルタ材料、すなわち液状体5(5R、5G、5B)が配置され、加熱処理されることにより、図1に示したR、G、Bからなるカラーフィルタ1を構成するものである。
液状体5は、バンク7で区画された所定領域8に対応するカラーフィルタ層2に対して配置されるが、液状体5が所定領域8上のカラーフィルタ層2内に正確に配置されるように、予め所定領域8を形成する基板4の露出面に親液化処理を施し、バンク7の表面に撥液化処理を施しておくことが好ましい。このような処理は、例えば、酸素やフッ化炭素のプラズマ処理によって行うことができる。
バンク7の形成は、液状体5の配置(パターニング)を高精度に行うために好ましいものの、本発明においては、カラーフィルタ層2を形成するためにこのような物理的な区画を必須としてはない。例えば、液状体に対して親液性になる領域(カラーフィルタ層2の形状)と、撥液性になる領域(隔壁3の形状)とをプラズマ処理等によってパターン形成し、親液性領域を前記所定領域8として、ここに液状体5を塗布し、着色層を形成するようにしてもよい。
このカラーフィルタ1には、その表面側に保護層(図示せず)が設けられている。そしてこのような構成のもとにカラーフィルタ1は、R、G、Bに着色されたカラーフィルタ層2の一つ又は複数に光が選択的に通過させられることにより、フルカラー表示をなすようになっている。
次に、本発明の液状体配置方法を実施するのに用いられる液滴吐出装置について説明する。
図3は液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。この液滴吐出装置10は、液状体5を基板4上の所定領域8上(カラーフィルタ層2内)に吐出するヘッドユニット20と、ヘッドユニット20を図3中のY方向に直線的に移動させるガイド機構30と、基板4をX方向及びY方向にそれぞれ移動させるガイド機構40とを有する構成になっている。
図3においては、ガイド機構40についてその構成の一部を省略して、基板4をX方向に移動させる構成のみ記載しているが、実際には、このX方向に移動させる機構と同様の機構でY方向に移動させる構成を有し、これらを組み合わせることにより、X方向及びY方向に基板4を移動できるようにしている。
以下の説明においては、前記X方向を基板4の主走査方向(スキャン方向)と規定し、前記Y方向を基板4の副走査方向(フィード方向)と規定する。そして、X方向とY方向とは水平面内において互いに直交するものとする。さらに、X方向とY方向とからなるX−Y平面に対して垂直方向、すなわち液滴吐出装置10の高さ方向を、Z方向と規定している。
ガイド機構30は、基台11上に設けられたZ方向に延びる2本の柱部材によって所定の高さに略水平に架設され、Y方向に直線的に設けられた一対のガイドレール31と、ガイドレール31に沿ってY方向に移動可能に設けられてヘッドユニット20を有する移動台32と、を備えて構成されたものである。
このガイド機構30は、ガイドレール31が内部にエアスライダ(図示せず)とリニアモータ(図示せず)とを備えており、ガイドレール31に接続された移動台32を、Y方向に自在に移動させることができるようになっている。
ガイド機構40は、ガイド機構30の下方であって、X方向に直線的に設けられた一対のガイドレール41と、ガイドレール41に沿ってX方向に移動可能に設けられた基板移動台42とを備えており、図示しないものの、例えばこれらガイドレール41及び基板移動台42をそのままY方向に移動させる機構を備えて構成されたものである。
また、このガイド機構40も、内部にエアスライダ(図示せず)とリニアモータ(図示せず)とを備えており、これによって基板移動台42を、X方向、Y方向に自在に移動させることができるようになっている。
また、移動台42は、吐出対象となる基板4を載置するための回転ステージ50を有しており、回転ステージ50は、基板4を載置するステージ51と、ステージ51をZ方向に延びる軸線回りに回転させる回転機構52とを有している。
ステージ51上には、基板4を位置決めする位置決めピン51aが複数設けられており、例えば、位置決めピン51aによる空気吸引等の手段によって、基板4をステージ51上に固定させる構成となっている。
回転機構52は、ステージ51の略中央部を下方から支持する形で移動台42上に設けられたもので、モータ等(図示せず)の回転駆動源を有したものである。そして、この回転駆動源を作動させることにより、基板4をZ方向に延びる軸線回りにθ度傾け、該基板4の基準軸を副走査方向及び主走査方向に正確に合わせられるようになっている。
ヘッドユニット20は、移動台32に搭載されたもので、液状体5を吐出するヘッド21と、ヘッド21をZ方向に延びる軸線回りに回転させることで向きを変えるモータ22とを備えたものである。
ヘッド21は、ヘッドユニット20の下部に設けられたもので、図4に示すようにその下面に、液状体5を吐出するノズル23をY方向(副走査方向)に沿って整列配置させ、例えば180個のノズル23からなるノズル列24を形成したものである。なお、本実施形態では、ノズル23が1列に配列されているものとしているが、例えば千鳥状に2列配列されたものであってもよく、3列以上配列されたものであってもよい。また、ノズル列24を構成するノズル23の数についても、何個であってもよい。
各ノズル23は、ヘッド21の内部に形成された各液室(キャビティ)に連通している。これら各液室には、それぞれに圧電素子25(図6参照)が設けられており、これら圧電素子25は、それぞれ電気信号(駆動信号)によって駆動させられるようになっている。このような構成によってヘッド21は、圧電素子25を駆動させて液室の容量を変化させ、液室に満たされた液状体5の液圧を制御することにより、ノズル23から液状体5を選択的に吐出させるようになっている。
なお、図示しないものの、ヘッドユニット20には、R、G、B各色に対応した複数のヘッド21が設けられている。また、ヘッド21の駆動方式としては、圧電素子によるものでなく、液室(キャビティ)に加熱素子を備えた、いわゆるサーマル方式などを採用することもできる。
ここで、各ノズル23から吐出される液状体の1ドットあたりの重量、すなわち単位吐出量は、ノズル23を吐出動作させる圧電素子25等の駆動素子(加熱素子等も含む)によって決定される。つまり、駆動素子に印加される駆動信号の波形(駆動波形)によって主に決定される。
図3に示すように前記モータ22は、ヘッド21に接続されたもので、ヘッド21の基準軸をZ方向に延びる軸線回りにα度傾け、ノズル列24A、24Bを主走査方向に正確に合わせることができるようにしたものである。
なお、モータ22は、図5(a)に示すようにノズル23からなるノズル列24がY方向に一致している状態から、ヘッド21の角度を変えて図5(b)に示すようにノズル列24をY方向から傾けることにより、図7(a)に示したようにY方向における広い吐出ピッチP1を、図5(b)に示したようにY方向における狭い吐出ピッチP2に変化させることもできる。
次に、液滴吐出装置10における液状体5の吐出制御方法を、液滴吐出装置10の電気的構成を示す図6を参照して説明する。
図6に示すように液滴吐出装置10は、装置全体の統括制御を行う制御コンピュータ(制御部)60と、制御コンピュータ60に接続されてヘッド21の電気的な駆動制御を行うための制御回路基板70とを備えている。
制御コンピュータ60は、CPU(Central Processing Unit)、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の内部メモリ、並びにヘッドユニット20、ガイド機構30、ガイド機構40との間でデータ授受を行う各種入出力インターフェース回路等から構成されている。
制御回路基板70は、フレキシブルケーブル71を介してヘッド21に設けられた圧電素子25と電気的に接続されている。なお、ヘッド21には、ノズル23毎に設けられた圧電素子25に対応して、シフトレジスタ(SL)72、ラッチ回路(LAT)73、レベルシフタ(LS)74、スイッチ(SW)75がそれぞれ備えられている。
液滴吐出装置10の吐出制御は、次のようにして行われる。
まず、制御コンピュータ60には、基板4上の各カラーフィルタ層2(所定領域8)に対する液状体5の配置パターンをデータ化したドットパターンデータが、予め記憶される。そして、このドットパターンデータは制御回路基板70に伝送される。制御回路基板70は、ドットパターンデータをデコードしてノズル23毎のON/OFF(吐出/非吐出)情報であるノズルデータを生成する。ノズルデータは、シリアル信号(SI)化されてクロック信号(CK)に同期して各シフトレジスタ72に伝送される。
シフトレジスタ72に伝送されたノズルデータは、ラッチ信号(LAT)がラッチ回路73に入力されるタイミングでラッチされ、さらにレベルシフタ74でスイッチ75用のゲート信号に変換される。すなわち、ノズルデータがONの場合には、スイッチ75が開いて圧電素子25に液状体5の吐出量に応じた駆動波形を含む駆動信号(COM)が供給され、ノズルデータがOFFの場合には、スイッチ75が閉じられて圧電素子25に駆動信号(COM)は供給されないことになる。そして、ONに対応するノズル23からは、供給された駆動波形で圧電素子25が駆動されることにより、液状体5が液滴化されて吐出され、吐出された液状体が、基板4上に設けられた所定領域8上(カラーフィルタ層2内)に配置される。
次に、前記構成の液滴吐出装置10を用いたカラーフィルタ1の製造方法について説明する。
このカラーフィルタ1の製造方法では、カラーフィルタ層2(図1及び図2参照)のR、G、B各色に対応する色材を含む液状体5(5R、5G、5B)を用意し、前記液滴吐出装置10(図3参照)を用いて液状体5R、5G、5Bを基板4上の所定領域8上(カラーフィルタ層2内)に配置し、カラーフィルタ1を形成する。
図7に示すように、本実施形態では、液状体5を配置するための基板4に、それぞれカラーフィルタ1の個体に対応した領域である4つの個体領域を設定しておき、該個体領域毎に隔壁3のバンク7(図2参照)によってカラーフィルタ層2の群を形成する。本実施形態では、カラーフィルタ層2の短辺方向を主走査方向(X方向)、長辺方向を副走査方向(Y方向)として、基板4をステージ51上に配置する(図3参照)。
液滴吐出装置10では、主走査ガイド機構40で基板4をヘッドユニット20に対してX方向、Y方向に相対的に移動(走査)させながら、ヘッド21に形成された複数のノズル23から液状体5を吐出させ、基板4上に設けられたカラーフィルタ層2に液状体5を配置する(図2参照)。
制御回路基板70では、制御コンピュータ60から伝送されたドットパターンデータに基づいて、1走査ごとの液滴Lの吐出パターンを設定する。本実施形態では、各走査において、すべてのノズル23についてON状態にし、全てのノズル23から液滴が吐出されるようにノズルデータを生成する。
このとき、従来であれば、ヘッド21から吐出される液状体5の量は、吐出特性の違いによってノズル23間で吐出量が異なり、したがってノズル組毎にバラツキが生じている。このため、カラーフィルタ層2内(所定領域8上)に配置された液状体5はその量にバラツキが生じてしまい、得られる膜はその厚さの薄い部分と厚い部分とが主走査方向にそれぞれ線状に並んでしまう。すると、図8(a)に示すように主走査方向(X方向)に沿って視認される一次元的なスジが、副走査方向(Y方向)にムラとなって生じてしまい、結果として副走査方向に濃淡ムラが生じることになる。
そこで、本実施形態では、各走査において、複数のノズル23のうち他の走査で吐出を行うノズル23と同一のノズル23によって、基板4上のうち所定領域8を含む領域に液状体を吐出するようにする。また、各走査において他の走査と同一の吐出条件で吐出を行うようにする。例えば、図8(b)に示すように、ヘッド21に設けられた全ノズル23によって基板4のほぼ全面に吐出するようにする。
各走査においてヘッド21に設けられた全ノズル23によって吐出を行うようにすることで、設定の変更等の煩雑な処理が不要になる。また、通常の液滴吐出法においては基板4の端部は基板4の中央部よりも液状体5の吐出量が少なくなりやすいことが知られている。これに対して、各走査において、基板4のほぼ全面に液状体5を吐出することで、基板4に吐出される液状態5の吐出量のバラつきを一層確実に抑えられることになる。
吐出条件として、例えば複数の駆動信号を各ノズル23に対して印加するタイミングを各走査において同一にするようにすることや、各ノズル23から同一の吐出量となるように制御すること、さらには制御回路基板70において生成されるノズルデータを各走査について同一とすることなどが挙げられる。
各走査について同一のノズルデータ用いることにより、吐出される液状体5のパターンが各走査について同一のパターンとなる。ノズルデータを走査毎に変化させる必要が無く、新たなノズルデータを作成する必要も無いため、ノズルデータを更新する際のノズルデータの補正を行う必要は無い。したがって、ノズルデータの補正については、上記各走査において用いる1種類のノズルデータを1回補正すれば済むこととなる。
また、基板4に吐出された液状体5の状態に基づいてノズル23の吐出条件を調節するようにしても良い。このように吐出条件を調節することにより、液状体5の吐出量のバラつきが一層抑制されることになる。
また、複数のノズル23が液状体5の吐出量に基づいてそれぞれ異なるノズルグループに分類されるようにヘッドユニット20を構成し、当該ノズルグループごとにノズル23の吐出条件を調節するようにしても構わない。このようにノズルグループ毎にノズル23の吐出条件を調節することによって、基板4の寸法や所定領域8の寸法に応じて吐出量の異なるノズル23を効率的に使い分けることが可能となる。
次に、複数回の走査の後、図8(c)に示すように、基板4のうち所定領域8以外の領域に吐出された液状体5を除去する。液状体5の除去に際しては、例えば基板4のうち所定領域8以外の領域にレーザ光を照射することで、当該領域に吐出された液状体5を剥離するようにする。また、液状体5の吐出前に所定領域8以外の領域に撥水処理を施したレジスト層を形成しておき、液状体5の塗布後にエッチングなどによって当該レジスト層を除去するようにしても構わない。このようにして、基板4の所定領域8に薄膜が形成されることとなる。
このように、本発明によれば、複数のノズル23を有するヘッド21と基板4とを相対的に複数回所定の方向に走査させながら液状体5を吐出する場合の各走査において、複数のノズル23のうち他の走査で吐出を行うノズル23と同一のノズルによって、当該他の走査と同一の吐出条件で、基板4のうち所定領域8を含む領域に液状体5を吐出することとしたので、吐出された全ての液状体5についてほぼ同一の吐出量とすることができる。走査毎に液状体5の吐出量にムラが発生するのを回避することができるので、走査方向の垂直方向におけるスジムラの発生を防ぐことができる。
しかも、複数回の走査の後、基板4のうち所定領域8以外の領域に吐出された液状体5を除去することとしたので、所定領域8の形状や大きさに拘らず、また煩雑な設定変更を行うことなく、基板4の所定領域8に薄膜を正確に形成することができる。このように、本実施形態によれば基板4の所定領域8にスジムラの目立ちにくいカラーフィルタ層2を形成することが可能となる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態においては、各走査においてヘッド21に設けられた全ノズル23によって基板4のほぼ全面に液状体5を吐出するようにしたが、これに限られることは無く、走査間で同一のノズル23を用いるのであれば例えばヘッド21に設けられたノズルのうち一部のノズル23によって吐出を行うようにしても構わない。また、基板4のほぼ全面に液状体5を吐出するのではなく、所定領域8を含む基板4の一部の領域に液状体5を吐出するようにしても構わない。
本実施形態におけるカラーフィルタの平面構造を示す模式図。 図1におけるカラーフィルタのA−A断面図。 液滴吐出装置の要部構成を示す斜視図。 ヘッドユニットの構成を示す斜視図。 (a)、(b)はヘッドの構成を示す模式図。 液滴吐出装置の電気的構成を示す図。 画素部内における液状体の配置パターンを示す模式図。 (a)〜(c)は所定領域に配置された液状体の状態を示す模式図。
符号の説明
1…カラーフィルタ、2…画素部、4…基板、5、5R、5G、5B…液状体、7…バンク、8…所定領域、10…液滴吐出装置、21…ヘッド、23…ノズル、24…ノズル列、X(方向)…主走査方向、Y(方向)…副走査方向

Claims (6)

  1. 液状体を吐出する複数のノズルを有するヘッドと前記ノズルの吐出部分に対向して配置され薄膜形成領域を有する基板とを相対的に複数回所定の方向に走査させながら前記基板に前記液状体を吐出し、前記基板の前記薄膜形成領域に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、
    各走査において、複数の前記ノズルのうち他の走査で吐出を行うノズルと同一のノズルによって、前記他の走査と同一の吐出条件で、前記基板のうち薄膜形成領域を含む領域に前記液状体を吐出し、
    前記複数回の走査の後、前記基板のうち前記薄膜形成領域以外の領域に吐出された前記液状体を除去する
    ことを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 各走査において、全ての前記ノズルによって吐出を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
  3. 各走査において、前記基板のほぼ全面に吐出を行う
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄膜形成方法。
  4. 前記基板に吐出された前記液状体の状態に基づいて前記ノズルの吐出条件を調節する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の薄膜形成方法。
  5. 複数の前記ノズルは、前記液状体の吐出量に基づいてそれぞれ異なるノズルグループに分類されており、
    前記ノズルグループごとに前記ノズルの吐出条件を調節する
    ことを特徴とする請求項4に記載の薄膜形成方法。
  6. 請求項1から請求項5のうちいずれか一項の薄膜形成方法を用いることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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