JP2009192235A - アナライト分析用カプセル及びそれを用いたアナライト分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リン脂質がカプセル内に封入した標識物質を効率よく検出するためのアナライト分析用カプセル及びそれを用いたアナライト分析方法を提供する。
【解決手段】カプセルの内部に標識物質及び金属コロイド粒子を封入し、前記カプセル表面にリガンドを接続したアナライト分析用カプセルに検出すべきアナライトを反応させる反応ステップと、未反応のアナライト分析用カプセルを除去する洗浄ステップと、アナライト結合アナライト分析用カプセルを電極に添加する電極添加ステップと、前記アナライト分析用カプセルに対して電圧を印加してアナライト分析用カプセルに封入した標識物質からの電気化学発光量を測定する測定ステップと、からなるアナライト分析方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、試料中に存在する特定のアナライトを、高感度に検出するためのアナライト分析用カプセル及びそれを用いたアナライト分析方法に関するものである。
従来のアナライト分析方法は、リン脂質の2分子膜をカプセルとして用いた抗体修飾カプセルの内部に、標識物質として電気化学発光物質であるルテニウム錯体を封入したカプセルを準備し、あらかじめ測定対象物質を固定した電極上に、このカプセルとサンプルとを共に添加して競合反応させる。
洗浄後、前記測定対象物質と結合したカプセルを破壊し、ルテニウム錯体を流出させ、電極に電圧を印加することにより、前記ルテニウム錯体から生じた電気化学発光を測定し、その発光量から対象のアナライト量を分析していた(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、ルテニウム錯体の電気化学発光について詳述する。電極近傍に存在する二価のルテニウム錯体及び、シュウ酸や第三級アミンなどの還元体は、陽極下で酸化され、三価のルテニウム錯体及び、還元体の酸化物を生成する。還元体の酸化物は、脱プロトン反応により、還元性の高い中間体となる。三価のルテニウム錯体は、この中間体によって還元され、励起状態のルテニウム錯体となり、基底状態に遷移する際に発光が生じる。
このときに、不要物質として、電極上に固定されたタンパク質等の測定対象物質や、カプセルの原料となるリン脂質が破壊され、溶出したルテニウム錯体と共に電極上に存在する。
特開2007−101339号公報
しかしながら、前記従来の構成では、ルテニウム錯体を電極に吸着させる際に、この不要物質も一緒に電極上に吸着されるため、大部分のルテニウム錯体が電極に接近できない。したがって、リポソーム内にルテニウム錯体を多量に入れても、発光に利用できるルテニウム錯体の数が少ないため、発光量が向上しないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、カプセル内に封入した標識物質を効率よく検出するためのアナライト分析用カプセル及びそれを用いたアナライト分析方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のアナライト分析用カプセル及びそれを用いたアナライト分析方法は、カプセルの内部に標識物質及び金属コロイド粒子を封入し、前記カプセル表面にリガンドを接続したアナライト分析用カプセルを特徴としたものである。
また、本発明は、前記カプセルは親水基と疎水基とを備えた物質からなる、ことを特徴としたものである。
さらに、アナライト分析用カプセル及びそれを用いたアナライト分析方法において、前記親水基はリン酸、糖、アミノ酸、グリセリン、コリン、アルコール、エタノールアミン、イノシトール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、アルデヒド、アミンまたはこれらの組み合わせからなり、前記疎水基は脂肪酸、テルペノイド、ステロイド、カロテノイド、スフィンゴシン、アルキル鎖またはこれらの組み合わせからなることを特徴としたものである。
さらに、アナライト分析用カプセル及びそれを用いたアナライト分析方法において、
アナライト分析用カプセルに検出すべきアナライトを反応させる反応ステップと、未反応のアナライト分析用カプセルを除去する洗浄ステップと、アナライト結合アナライト分析用カプセルを電極に添加する電極添加ステップと、前記アナライト分析用カプセルに対して電圧を印加してアナライト分析用カプセルに封入した標識物質からの電気化学発光量を測定する測定ステップからなることを特徴としたものである。
本発明のアナライト分析用カプセル及びそれを用いたアナライト分析方法によれば、金属コロイド粒子と標識物質とをカプセルに封入させることにより、前記金属コロイド粒子が電子伝達の役割を果たし、電極近傍から離れた標識物質の電子授受を行うことが可能となる。その結果、効率良く標識剤からのシグナルを得ることができ、従来法よりも高感度なアナライト分析が可能となる。
以下に、本発明のアナライト分析用カプセル及びそれを用いたアナライト分析方法の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施例では、本発明のアナライト分析用カプセルの詳細を説明する。以下に、アナライト分析用カプセルの具体的な作製の詳細を示す。
まず、カプセルの材料を準備する。カプセルの材質は、親水基と疎水基から形成されるものであれば特に限定されず、前記親水基は、リン酸、糖、アミノ酸、グリセリン、コリン、アルコール、エタノールアミン、イノシトール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、アルデヒド、アミンまたはこれらの組み合わせからなり、前記疎水基は、脂肪酸、テルペノイド、ステロイド、カロテノイド、スフィンゴシン、アルキル鎖またはこれらの組み合わせからなる。具体的には、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリン、コレステロール、ジセチルリン酸、ステアリルアミン、α―トコフェロール、ガングリオシド、リゾホスファチジルコリン、セレブロシド、カルジオリピン、モノガラクトシルジグリセリド、オレイルジメチルアミンオキシドのうちの何れか用いれば良い。
次に、標識物質及び金属コロイド粒子を準備する。標識物質は、酸化還元反応を示す物質であれば特に限定されず、フェロシアン化カリウム、フェロセン、カテコールアミンなどの電子伝達物質や、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、オクタテトラエン、トリスビピリジンルテニウム錯体、トリスビピリジンオスニウム錯体などの電気化学発光物質を挙げることができる。
金属コロイド粒子は、上記標識物質の酸化還元反応を行うことができる電位を与えることが可能な物質であれば特に限定されないが、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、タングステン、カーボンが好ましい。
上述したカプセルに標識物質及び、金属コロイド粒子を下記のステップで封入させる。
(ステップ1)
図1に、カプセル作製の手順を示す。まず、容器内に、有機溶媒に溶解させたカプセル材料を注入後(a)、エバポレーションや窒素気流下で有機溶媒を除去させることにより、容器の内壁に薄膜を形成させる(b)。その後、前記標識物質及び、前記金属コロイド粒子を溶解させた溶液を添加し(c)、振とう機や超音波装置などで激しく振とうさせることで、カプセルを形成させる(d)ことができる。
なお、ステップ2で後述するリガンドと結合させるために、前記カプセル材料の一部に前記リガンドと共有結合させる物質を前記カプセル材料と同時に添加する。共有結合の例としては、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、イミノ結合、ジスルフィド結合が挙げられ、もっとも広く使用されているのは、ジスルフィド結合、チオエーテル結合といった、チオールを利用した手法である。この手法は公知であるが、一例を挙げると、ジスルフィドやマレイミド等を親水基に修飾した脂肪酸(m−maleimidobenzoyl N−hydroxysuccinimide ester)等を挙げることができる。
(ステップ2)
(ステップ1)で作製したカプセルにリガンドを結合させる。リガンドは、抗原、抗体、核酸のいずれかから選択される。また、(ステップ1)で作製したカプセルと結合させるために、リガンドに反応基を修飾させる。(ステップ1)の例で挙げたジスルフィドやマレイミドの場合、リガンドにはチオール基を修飾させる。リガンドが核酸の場合、5´末端若しくは3´末端にチオール基を修飾させた核酸を合成する。また、リガンドが抗原、及び抗体の場合、アミノ酸のシステイン残基を利用したり、チオール基を有するアミノ基もしくはカルボン酸を用いて縮合反応を行い、前記リガンドにチオール基を修飾させたりする。これらの手法は公知のため、詳細は省略する。
このようにして作製したアナライト分析用カプセルの一例を図2に示す。この図では、カプセルの材料としてリン脂質の2分子膜を使用した。そのカプセル内に標識物質であるルテニウム錯体と金属コロイド粒子の金コロイドを内封させた。また、カプセル表面には、リガンドとして抗体を修飾させた。
(実施の形態2)
本実施例では、本発明のアナライト分析用カプセルを用いた分析方法について図3を用いて説明する。なお、ここでは、アナライトとして遺伝子サンプルについて詳述するが、抗原若しくは抗体をアナライトとして用いても良い。
遺伝子サンプルとは、例えば、血液、白血球、血清、尿、糞便、精液、唾液、培養細胞、各種臓器細胞のような組織細胞、その他遺伝子を含有する任意の試料から、該試料中の細胞を破壊して二本鎖核酸を遊離させたものである。また、RNAから逆転写にて得られるcDNAを遺伝子サンプルとして用いても良い。さらに、制限酵素で切断して電気泳動による分離等で精製した核酸断片を用いるのでもよい。
(ステップ1)
まず、捕捉プローブを作製する(図3a)。この捕捉プローブは、化学合成で得られた一本鎖の核酸あるいは、生物試料から抽出した核酸を制限酵素で切断し、電気泳動による分離等で精製した核酸を用いることができる。生物試料から抽出した核酸の場合には、熱処理あるいはアルカリ処理によって、一本鎖の核酸に解離させておくことが好ましい。
(ステップ2)
そしてこの後、前述のようにして得られた捕捉プローブを固相に固定する(図3b)。本発明で用いる固相は、特に限定されず、例えば、金、白金、白金黒、パラジウム、ロジウムのような貴金属や、グラファイト、グラシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンペースト、カーボンファイバーのような炭化物や、酸化チタン、酸化スズ、酸化マンガン、酸化鉛のような酸化物や、Si、Ge、 ZnO、 CdS、TiO、GaAsのような半導体等が挙げられる。なお、以上の物質は電極として利用することができる。その場合、これらの電極は、導電性高分子によって被覆しても良く、このように被覆することによって、より安定な捕捉プローブ固定化電極を調製することができる。
なお、前記捕捉プローブを前記固相に固定化する方法としては、公知の方法が用いられる。一例をあげると、例えば前記固相が金電極である場合、固定する捕捉プローブの5’−もしくは3’−末端(好ましくは、5’−末端)にチオール基を導入し、金とイオウとの共有結合を介して、前記捕捉プローブが該金電極に固定される。この捕捉プローブにチオール基を導入する方法は、文献(M.Maeda et al.,Chem.Lett.,1805〜1808(1994)及びB.A.Connolly,Nucleic Acids Res.,13,4484(1985))に記載されている手法が挙げられる。即ち、前記方法によって得られたチオール基を有する捕捉プローブを、金電極に滴下し、室温下で数時間放置することにより、該捕捉プローブが電極に固定され、捕捉プローブが作製される。
(ステップ3)
次に、検査対象となる遺伝子サンプルを作製する。この遺伝子サンプルは、前述したように、任意の試料中の細胞を破壊して二本鎖核酸を遊離させ、熱処理あるいはアルカリ処理によって、一本鎖に変性させる(図3c)。このとき、前記試料中の細胞の破壊は、公知の技術、例えば、振とう、超音波等の物理的作用を外部から加えて行うことができる。また、核酸抽出溶液(例えば、SDS、Triton−X、Tween−20等の界面活性剤、又はサポニン、EDTA、プロテア−ゼ等を含む溶液等)を用いて、細胞から核酸を遊離させることもできる。
(ステップ4)
アナライト分析用カプセルを作製する(図3d)。この手法は(実施の形態1)で詳述したので、ここでは省くが、リガンドは、遺伝子サンプルと相補的で且つ、捕捉プローブとは異なる部位で認識する配列を使用する。
(ステップ5)
上述した固相に固定化した捕捉プローブに、前記遺伝子サンプル及び前記アナライト分析用カプセルを含む溶液を添加する。これにより、前記遺伝子サンプルと、前記捕捉プローブ及び前記アナライト分析用カプセルとがハイブリダイズし、前記遺伝子サンプル及び、前記アナライト分析用カプセルが固相に固定される(図3e)。このハイブリダイズさせる手法は周知であるため、ここでは説明を省略する。
(ステップ6)
前記遺伝子サンプルと、前記捕捉プローブ及び前記アナライト分析用カプセルとで二本鎖DNAを形成させた後、リン酸バッファーなどで洗浄処理をして、未反応の遺伝子サンプル及びアナライト分析用カプセルなどを除去する。
(ステップ7)
次に、固相に固定した、前記アナライト分析用カプセルを破壊して標識物質を溶出させる(図3f)。破壊手法は、熱をかけてカプセルの成分を融解させる手法や、アルコールを添加させることにより膜を破壊する手法等が挙げられる。なお、十分な感度が得られるのであれば、この工程は行わなくても良い。
(ステップ8)
前記固相に電解液を添加し、電圧を印加させることにより生じた信号は、電流の場合は、アンペロメトリー等で計測し、電気化学発光の場合は、フォトマルチプライヤー等で計測する。ここで、電極上には金属コロイド粒子が存在し、電極近傍から離れた標識物質も電極近傍と同様の現象が生じるため、立体障害に左右されることなく、有効にシグナルを読み取ることができ、その結果、高感度測定が可能となる。
なお、カプセル内に電子を授受することが可能なカプセルを用いる場合、(ステップ6)のように、カプセルを破壊しなくても、金属コロイド粒子の効果により、標識物質を有効に発光させることができ、シグナルを読み取ることが可能である。
以下に実施例として、本発明のアナライト分析用カプセルを用いたウシ血清アルブミン(BSA)の測定手順を詳細に説明する。
(1)BSA用アナライト分析カプセルの作製
(1−1)活性型ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)の調製
ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)6.9mg(10μmol)、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)3.8mg(20μmol)、トリエチルアミン(TEA)2.8μL(12μmol)をクロロホルム:無水メタノール=9:1の混合液に溶解させ、室温で2時間撹拌した。撹拌後、リン酸二水素カリウムで調製した0.1mMリン酸緩衝液(pH7.4)を2mL加えて激しく撹拌し、上相を除去した。その後、再度蒸留水を加えて激しく撹拌させた後、上相を除去してから下相を採取した。採取した下相の溶媒を留去し、12時間、室温で減圧乾燥させることにより活性型DPPEを得た(収率65.2%)。
(1−2)リポソームの調製
ナス型フラスコにクロロホルム:無水メタノール=9:1溶液にそれぞれ溶解したジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)10μmol、活性型DPPE0.03μmol、コレステロール10μmolを入れ、エバポレーターで溶媒を留去することにより、フラスコの内壁に脂質フィルムを形成させた。この脂質フィルムを減圧乾燥させることにより、完全に溶媒を取り除いた後、標識物質である10mMのトリスビピリジンルテニウム錯体(Ru錯体)を0.5mL、10nmの金コロイド溶液を0.5mL注入した。次に、このナス型フラスコを激しく攪拌させて、フラスコ内壁の脂質フィルムを剥がすことにより、Ru錯体を封入した多重層リポソーム(MLV;multilamellar vesicle)を作製した。その後、エクストルーダーを用いて100nmのフィルターを通すことにより粒計が均一な一枚膜リポソームのルテニウム錯体‐金コロイド封入リポソームを調製した。
なお、従来例として、ルテニウム錯体のみ封入したリポソームも、上記と同様な手法で調製した。
(1−3)SPDP修飾BSA抗体の調製
100mM酢酸緩衝液(pH4.5)に溶解させたBSA抗体1mg/mLに、無水メタノールで調製した64μMSPDP5μLを加え、30分、室温で静置した。その後、透析膜(分画分子量:3500ダルトン)に移し、100mM酢酸緩衝液中(pH4.5)で24時間、透析を行った。
(1−4)BSA抗体修飾リポソームの調製
上述したSPDP修飾BSA抗体に、ジチオスレイトール(DTT)3.9μg(25.3nmol)を500μLの酢酸緩衝液に溶解させて調製したDTT溶液を添加して、30分間室温で静置した。その後、Sephadex G25で分画し、DTT、副生成物のピリジン−2−チオンを除去した。このときの溶出液はpH7.4の10mMリン酸緩衝液で行った。分画したSPDP修飾BSA抗体に、ルテニウム錯体‐金コロイド封入リポソームを加えて24時間室温にて静置した。静置したルテニウム錯体-金コロイド封入リポソームは、4℃下でSepharose 4Bで分画し、未結合のSPDP修飾抗体を除去することにより、BSA抗体修飾ルテニウム‐金コロイド内封リポソームを得た。
また、従来例としてルテニウム錯体のみ内封したリポソームも同様な手法でBSA抗体を修飾した。
得られたBSA抗体修飾ルテニウム錯体‐金コロイド封入リポソーム及び、従来例のBSA抗体修飾ルテニウム錯体内封リポソームをマルバーン社製のゼータ電位計で粒径測定したところ、共に粒径平均値が120nmであった。
(2)BSAの測定
(2−1)BSAの電極への固定
電極には、金電極を使用した。この金電極は、ガラス基板上にスパッタ装置(アルバック製SH−350)によりチタン10nmを下地に金200nmを形成し、フォトリソグラフィ工程により電極パターンを形成することで準備した。この金電極をピラニア溶液(硫酸:過酸化水素=3:1)に1分間浸漬させた後、超純水を注いで電極表面を洗浄した。
次に、ジチオブチリック酸14.0mg(58.8μmol)をエタノール7mLに溶解した溶液に、上述した金電極を浸して12時間室温で穏やかに振とうさせ、SAM(self assembled monolayer)により金電極上にチオブチル酸を修飾した。
反応後の電極は、エタノールで洗浄した後、1‐Ethyl‐3‐(3‐dimethylaminopropyl)carbodiimide50mg(0.26mmol)、N‐ヒドロキシスクシンイミド30mg(0.26mmol)を10mLのリン酸緩衝液に溶解させた溶液に1時間浸漬させて、カルボキシル基を活性化させた。
10mMのリン酸緩衝液で軽く注いだ後、BSA10mg(0.15μmol)を10mMリン酸緩衝液1mLで溶解させた溶液を1ng/mLまで希釈(100μg/mL)し、その溶液に電極を浸漬させて4℃で15時間穏やかに撹拌させ、BSAを電極に固定した。
活性化した未反応のカルボキシル基は、10mMのリン酸緩衝液10mLに溶解した2‐アミノエタノール61.0mg(0.10mmol)を4℃で1時間撹拌させることにより、不活性化(ブロッキング)させた。
その後、0.02%Tween20を含む10mMのリン酸緩衝液で軽く洗浄した。
(2−2)BSAの検出
上述のようにBSAを固定した電極にBSA抗体修飾ルテニウム錯体‐金コロイド封入リポソーム溶液10μLを添加し、室温で1時間抗原‐抗体反応を行った後、10mMのリン酸緩衝液で洗浄した。
その後、60℃に加熱したホットプレート上に電極を置き、エタノール5μLを電極上に滴下することによりリポソームを破壊し、溶出したルテニウム錯体及び金コロイドを吸着させた。
以上の工程の後、0.1Mのリン酸緩衝液及び、0.1Mのトリエチルアミンを混合した電解液を80μL滴下し、電極に電圧を印加することにより発生した電気化学発光の発光量を測定した。電圧の印加は、0Vから1.3Vまで走査し、4秒間電気化学測定を行った。電気化学発光量の測定は、光電子増倍管(浜松ホトニクス製H7360−01)を用いて行い、電圧走査中における最大発光量を測定した。
なお、従来例であるBSA抗体修飾ルテニウム錯体内封リポソームも同様な手法で測定を行なった。
図4に、本発明の本実施例であるBSA抗体修飾ルテニウム錯体‐金コロイド封入リポソームと従来例であるBSA抗体修飾ルテニウム錯体内封リポソームを用いたBSAの測定結果である。図4に示す通り、本発明の金コロイドを封入したリポソームを用いることにより、従来に比べて3倍強に最大発光量が増加した。従って、本発明の手法により、高感度に目的のアナライトを検出できる。
本発明にかかるアナライト分析用カプセル及びそれを用いたアナライト分析方法は、金属コロイド粒子と標識物質とをカプセルに封入させることにより、試料中に存在する特定のアナライトを高感度に検出することができ、遺伝子診断、感染症診断、ゲノム創薬等の用途等に適用できる。
本発明の実施の形態1におけるアナライト分析用カプセルの調製法を示す図 本発明の実施の形態1で作製したアナライト分析用カプセルを示す図 本発明の実施の形態2におけるアナライト分析カプセルを用いた分析方法を示す図 本発明の実施の形態2における実施例及び従来例のBSA測定結果を示す図
符号の説明
1 リガンド(抗体)
2 リン脂質(ホスファチジルコリン)の2分子膜
3 導電性物質(金コロイド)
4 標識物質(ルテニウム錯体)

Claims (13)

  1. カプセルの内部に標識物質及び金属コロイド粒子を封入し、前記カプセル表面にリガンドを接続したアナライト分析用カプセル。
  2. 前記カプセルは親水基と疎水基とを備えた物質からなる、請求項1に記載のアナライト分析用カプセル。
  3. 前記親水基は、リン酸、糖、アミノ酸、グリセリン、コリン、アルコール、エタノールアミン、イノシトール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、アルデヒド、アミンまたはこれらの組み合わせからなり、
    前記疎水基は、脂肪酸、テルペノイド、ステロイド、カロテノイド、スフィンゴシン、アルキル鎖またはこれらの組み合わせからなる、請求項2に記載のアナライト分析用カプセル。
  4. 前記親水基と疎水基とを備えた物質は、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリン、コレステロール、ジセチルリン酸、ステアリルアミン、α―トコフェロール、ガングリオシド、リゾホスファチジルコリン、セレブロシド、カルジオリピン、モノガラクトシルジグリセリド、オレイルジメチルアミンオキシドの何れかである、請求項2に記載のアナライト分析用カプセル。
  5. 前記標識物質は酸化還元性を有する化合物である、請求項1に記載のアナライト分析用カプセル。
  6. 前記酸化還元性を有する化合物は電気化学発光を示す化合物である、請求項5に記載のアナライト分析用カプセル。
  7. 前記金属コロイド粒子は前記標識物質の酸化還元反応を行うことができる電位を与えることが可能な物質である、請求項1に記載のアナライト分析用カプセル。
  8. 前記金属コロイド粒子は金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、タングステン、カーボンから選ばれる、請求項7に記載のアナライト分析用カプセル。
  9. 前記リガンドは抗原、抗体、核酸またはこれらの組み合わせからなりアナライトと反応する物質である、請求項1に記載のアナライト分析用カプセル。
  10. 前記アナライトは抗原、抗体、核酸またはこれらの組み合わせからなりリガンドと反応する物質である、請求項1に記載のアナライト分析用カプセル。
  11. 請求項1に記載のアナライト分析用カプセルに検出すべきアナライトを反応させる反応ステップと、
    未反応のアナライト分析用カプセルを除去する洗浄ステップと、
    アナライト結合アナライト分析用カプセルを電極に添加する電極添加ステップと、
    前記アナライト分析用カプセルに対して電圧を印加してアナライト分析用カプセルに封入した標識物質からの電気化学発光量を測定する測定ステップと、
    からなるアナライト分析方法。
  12. 前記洗浄ステップの後に、アナライト分析用カプセルを破壊する工程を設けた請求項11に記載のアナライト分析方法。
  13. 前記反応ステップは電極上で反応を行うこととする請求項11に記載のアナライト分析方法。
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