JP2011069646A - 定量分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】イムノアッセイによる定量分析方法であって、抗原や抗体などの被検出物質を迅速にかつ高感度に定量することを可能とする定量分析方法を得る。
【解決手段】検出用カートリッジを用いた定量分析方法であって、金属ナノ粒子を内包している刺激応答性リポソームと、該刺激応答性リポソームの表面に担持されており、被検出物質と免疫的に結合する分子認識試薬とを有する分子認識試薬結合刺激応答性リポソームと、前記被検出物質とを会合させ、免疫的会合体を得る工程と、濃縮部において前記会合体を濃縮する工程と、濃縮部から検出部に至る間に特定の刺激を与えて刺激応答性リポソームを破壊し、金属ナノ粒子を放出させると共に該金属ナノ粒子を溶解し、金属イオンとする工程と、検出部において、前記金属イオンの濃度を検出し、金属イオンの濃度と相関している被検出物質濃度を求める工程とを備える、定量分析方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、抗原や抗体などの被検出物質をイムノアッセイにより定量する定量分析方法に関し、より詳細には微量の被検液が流されるマイクロ流路を有する検出用カートリッジを用いた定量分析方法に関する。
試料中の微量の被検物質を検出する方法としては、ELISA(enzyme−linked immuno sorbent assay)法やMEIA(microparticle enzyme−based immunoassay)法等が普及しているが、これら検出法は、操作時間や反応時間に長時間を要し、また、測定操作が煩雑等の問題がある。例えば、数fg/mL〜数十pg/mLのような非常に低濃度の被検液から被検出物質を測定する場合、次のようにするのが常套手段である。すなわち、先ず、被検液から被検出物質を固相抽出処理し、濃縮物を得る。次にこの濃縮物を、液体クロマトグラフィー装置または電気泳動装置に供給し定量する方法、あるいはこの濃縮物を用いてELISA法で定量する方法などが用いられている。しかしながら、これらの方法では固相抽出処理等の濃縮するための前処理に時間がかかり、全分析時間として数時間から数日と非常に長い時間を要した。
他方、次々と発見されるバイオマーカーの展開医療における実用化のためには、被検出物質を高感度かつ迅速にその場で定量分析することが求められてきている。このような要望に応えるために、イムノクロマト法や比色法を利用した簡易定量検査チップが開発されている。しかしながら、この種の簡易定量検査チップの感度は、0.1ng/mL程度が限界であった。すなわち、より微量の被検出物質を高精度に測定することはできなかった。
例えば、肝臓癌のマーカーとして、α−フェトプロテイン(以下、AFPと呼ぶ)が知られている。抗−ヒトα−フェトプロテイン抗体(以下、抗−ヒトAFP抗体と記す)を用いてヒト血清中のAFPを分析する場合、非特異的反応の影響を除去するためにはヒト血清を100倍希釈する必要がある。正常人の血清中のAFP濃度は10ng/ml以下であるから、正常人の血清を100倍希釈すると、0.1ng/ml以下の濃度のAFPを測定しなければならない。このような0.1ng/ml以下の濃度の測定が必要なバイオマーカーをイムノクロマトグラフィーや比色法を利用した簡易定量検査チップで測定することは現状できない。
高感度迅速定量を実現するために、種々の工夫が重ねられてきた。その中にリポソームアッセイと呼ばれる一群の手法がある。
下記の特許文献1には、リポソーム上に固定化された親水性の抗原又は抗体及び、該リポソーム内に封入された、蛍光性化合物、発光性化合物、吸光性化合物、糖類、イオン性化合物、補酵素類及びラジカル化合物から選ばれる親水性の標識物質からなることを特徴とする免疫分析用試薬が開示されている。
また、下記の特許文献2には、検体中の測定対象物質に対する抗原又は抗体、或いは該測定対象物質が結合され、抗原抗体反応により溶解作用を受ける膜からなり、定量可能なマーカー物質が内包されたリポソームと、検体とを共存させて、抗原抗体反応によりリポソームから遊離されるマーカー物質を検出し、測定対象物質の量を測定する免疫測定法であって、上記マーカー物質が不溶性担体であることを特徴とする免疫測定法が開示されている。
下記の特許文献3では、リポソームに内包する物質が、金属、金属コロイド、導電性物質、半導体、吸光物質、蛍光物質、発光物質、放射性物質、糖類、補酵素にまで拡張されている。
特開昭60−117159号公報 特許第3654732号公報 特許第3441376号公報
特許文献1や特許文献2に記載の分析方法では、免疫反応後に補体を加え、該補体の作用により、リポソームを破壊していた。しかる後、リポソーム内に封入されていた標識物質、例えば蛍光性化合物が流出するので、流出した標識物質の量と、試料中の被検出物質の量との相関関係に基づき、被検出物質の定量が行われている。また、特許文献3に記載の方法では、特許文献1の分析方法が引用されているものの、特許文献3には、リポソームの破壊過程については明記されていない。
ところで、特許文献1や特許文献2に記載のような補体を用いてリポソームを破壊する方法では、補体が酵素前駆体を含む多数の成分からなるため、リポソームを破壊するタイミングやリポソームの破壊率をコントロールすることが困難であった。より具体的には、補体系はカスケード反応する20種以上の蛋白質からなりたっており、蛋白質が次々と、他の蛋白質を活性させていく。この一連の反応機序が、補体カスケードと称されている。補体系は、補体制御蛋白質により制御されており、補体制御蛋白質は、血液結晶中に補体蛋白質よりも高濃度で含有されている。従って、補体を用いてリポソームを破壊する方法では、リポソームの破壊のタイミングと破壊率を自由に制御することは困難であった。
また、補体系によるリポソームの破壊は、ゆっくりした反応である。これを迅速化するには、補体の濃度を高める必要がある。しかしながら、補体の濃度を高めると、非特異的なリポソームの崩壊が生じる。
また、補体系がリポソーム破壊前に最終的に生じる脂質分解酵素、例えば、レシチン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールなどのホスホリパーゼを用いても、一部のリポソームが破壊されるだけであり、全てのリポソームを分解することはできなかった。
加えて、リポソームに内包されている脂質が、蛍光分子、錯体、有機色素、または糖のような低分子である場合、リポソームから漏洩し、そのためバックグラウンドノイズが高くなるという問題もあった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、標識物質を内包するリポソームを用いた抗原または抗体などの被検出物質の定量分析方法であって、リポソームを速やかに破壊することができ、かつ破壊のタイミング及び破壊率のコントロールが容易であり、それによって、被検出物質をイムノアッセイにより、迅速にかつ高感度で定量することを可能とする定量分析方法を提供することにある。
本発明によれば、基板上に第1の流路と、第2の流路を備え、前記第1の流路は、第1のポートと濃縮部と、第2のポートを備え、前記第2の流路は、検出部とを備え、前記検出部は、金属イオンを検出するための検出手段とを備える、検出用カートリッジを用いた定量分析方法であって、金属ナノ粒子を内包しており、特定の刺激が与えられた際に破壊し、内部の金属ナノ粒子を放出する刺激応答性リポソーム、及び該刺激応答性リポソームの表面に担持されており、被検出物質と免疫的に結合する分子認識試薬とを有する分子認識試薬結合刺激応答性リポソームと、前記被検出物質とを会合させ、免疫的な会合体を得る工程と、前記濃縮部において前記会合体を濃縮する工程と、前記濃縮部から前記検出部に至る間に前記刺激応答性リポソームに特定の刺激を与えて刺激応答性リポソームを破壊し、金属ナノ粒子を放出すると共に、該金属ナノ粒子を溶解し、金属イオンとする工程と、前記検出部において、前記金属イオンの濃度を検出し、金属イオンの濃度と相関している被検出物質濃度を求める工程とを備える、定量分析方法が提供される。
本発明に係る定量分析方法のある特定の局面では、前記刺激応答性リポソームが、リポソームと、リポソームに結合されており、かつ特定の刺激が与えられた際に形状または状態が変化する刺激応答性ポリマーとを有する。
前記刺激応答性ポリマーの状態及び形状の変化が速やかに生じると、脂質二重膜の内部構造が乱れる。リポソームの構造は、膜内の脂質が整然と配列することにより保たれているため、このように膜の内部構造が乱れる場合には、リポソームが崩壊し、内包されていた金属ナノ粒子が放出される。
好ましくは、前記刺激応答性ポリマーが、疎水性ブロックと、刺激応答する親水性ブロックとを有するAB型もしくはABC型のブロックポリマーである。この場合、疎水性ブロックがリポソームに結合されており、刺激応答する親水性ブロックが水溶液との親和性に優れているために水和しており、刺激応答性リポソームを安定分散させている。
より好ましくは、前記疎水性ブロックが前記リポソームの脂質二重膜構造に埋め込まれて、前記刺激応答性ポリマーが前記リポソーム表面に結合されている。この場合、外部刺激により刺激応答する親水性ブロックの親水性に変化が生じると、刺激応答する親水性ブロックが脱水和し、その結果、刺激応答する親水性ブロックの疎水性が増大して、当初脂質二重膜外に存在していた刺激応答する親水性ブロック全体又は一部がリポソーム膜内に入りこみ、リポソームを構成する脂質二重膜の内部構造が乱れれて、刺激応答性リポソームの全体が速やかに崩壊する。
更に好ましくは、前記刺激応答性ポリマーが温度応答性ポリマーである。このとき、温度応答性ポリマーは、疎水性ブロックと、温度応答する親水性ブロックとを有するAB型もしくはABC型のブロックポリマーであり、前記疎水性ブロックが前記リポソームの脂質二重膜構造に埋め込まれて、前記温度答性ポリマーが前記リポソーム表面に結合されている。温度変化により温度応答する親水性ブロックの親水性に変化が生じると、温度応答する親水性ブロックが脱水和し、その結果、温度応答する親水性ブロックの疎水性が増大して、当初脂質二重膜外に存在していた温度応答する親水性ブロックの全体又は一部がリポソーム膜内に入りこみ、リポソームを構成する脂質二重膜の内部構造が乱れて、刺激応答性リポソーム全体が速やかに崩壊する。ゆえに、この刺激応答性リポソームは温度応答性リポソームである。
本発明に係る定量分析方法の他の特定の局面では、前記分子認識試薬結合刺激応答性リポソームとして、第1の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームと、第2の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームとを有し、前記第1の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームでは、被検出物質としての第1の抗原または抗体に免疫的に特異結合する第1の分子認識試薬が刺激応答性リポソームに結合されており、かつ刺激応答性リポソーム内に第1の金属ナノ粒子が内包されており、前記第2の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームでは、被検出物質としての第1の抗原または抗体とは異なる第2の抗原または抗体に免疫的に特異結合する第2の分子認識試薬が刺激応答性リポソームに結合されており、かつ刺激応答性リポソーム内に第1の金属ナノ粒子とは異なる第2の金属ナノ粒子が内包されている。この場合には、1つの検出用カートリッジを用いて、2種類の被検出物質を同時に測定することができる。これは、第1の金属ナノ粒子と第2の金属ナノ粒子とでは異なる電位に電流ピークが現れるため、第1,第2の被検出物質の濃度をそれぞれ区別して高感度に測定することができるためである。特に、化学電極を用い、電流量測定により金属イオン濃度を測定する場合には、第1の被検出物質濃度に相当する電流ピークの面積と、第2の被検出物質濃度に相当する電流ピークの面積とが大きく異なるため、第1,第2の被検出物質を高感度で測定することができる。
本発明に係る定量分析方法のさらに他の特定の側面では、前記会合体を形成する工程及び前記濃縮工程が同一工程で行われてもよい。この場合には、濃縮部の表面に固定された抗原または抗体との会合体の形成そのものが濃縮という結果をもたらす。このため、濃縮部のメッシュサイズや会合体を形成する微粒子の大きさを厳密に制御する必要がない。
本発明に係る定量分析方法のさらに別の特定の局面では、前記金属イオンの濃度検出が、検出部において検出部において電位を掃引しつつ、電流量測定を行い、該電流量測定により検出される電流ピークの面積に基づき被検出物質濃度を得る。この場合には、三極式化学電極などを検出用カートリッジの検出部に構成するだけでよいため、検出用カートリッジの小型化を図ることができると共に、電位を掃引しつつ、電流量を測定することにより得られた電流ピーク値から金属イオン濃度を高精度に検出することができる。
本発明に係る定量分析方法及び検出用カートリッジによれば、特定の刺激を与えることにより、刺激応答性リポソームが、迅速かつ確実に破壊するため、リポソームを用いたイムノアッセイによる定量分析の全分析時間を著しく短くすることができる。
従来の補体系によるリポソームの破壊を用いた分析方法では、破壊のタイミングや破壊率のコントロールが困難であるだけでなく、非特異的な破壊が生じるという致命的な問題があったのに対し、本発明によれば、刺激応答性リポソームを用いているため、非特異的な破壊が生じ難い。また、内部に含まれる信号源が、金属ナノ粒子であるため、低分子の場合のようにリポソームから漏洩することがない。以上のような理由により、バックグラウンドノイズを低くすることができる。
ひとつの会合体に含まれるひとつの刺激応答リポソームから数十から数百の金属ナノ粒子が放出され、ひとつの金属ナノ粒子から数百から数千のイオンが生じるため、高感度な測定を実現できる。
従って、リポソームを用いたイムノアッセイにおいて、抗原や抗体などの被検出物質を迅速にかつ高感度で定量することが可能となる。
よって、本発明によれば、従来、検出感度が十分でなかったり、分析時間が長すぎるため、実用に供されることがなかった極低濃度のバイオマーカーを、研究現場のみならず医療現場においても広く用いることを可能とする。
本発明の定量分析方法の各工程を示す模式図である。 本発明の一実施形態で用いられる分子認識試薬結合刺激応答性リポソームの模式図である。 (a)は、本発明の一実施形態の検出用カートリッジの外観を示す斜視図であり、(b)は、カートリッジ本体内に構成されている流路と、貯留部及び検出部の関係を示す模式的斜視図である。 本発明の一実施形態の検出用カートリッジ内に構成されている流路と、貯留部及び検出部の関係を模式的に示す正面断面図である。 本発明の一実施形態の検出用カートリッジの分解斜視図である。 本発明の一実施例において測定された掃引電位と金属種ごとの電流ピークとの関係を示す図である。 本発明の一実施例における被検出物質測定結果を示す図である。 図3〜図5に示したカートリッジの流路構成を模式的に示す図である。 第1の流路部分と第2の流路部分とを接続した構造を有する検出用カートリッジの流路構造を示す模式図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
先ず、本発明の定量分析方法の各工程を図1を参照しつつ説明する。
本発明の定量分析方法では、後述の検出用カートリッジが用いられる。この検出用カートリッジは、内部に微細なマイクロ流路が形成されており、該流路の途中に貯留部及び検出部が設けられている。この場合、貯留部と一体に濃縮部が設けられていてもよく、貯留部の下流側に濃縮部が設けられていてもよい。このような検出用カートリッジを用いた定量分析方法の各工程は以下の通りである。
先ず、図1に示すように、貯留部において、被検出物質と分子認識試薬結合刺激応答性リポソームとの会合体が形成され、かつ濃縮される。上記貯留部は、イムノアッセイに代表される分子特異的結合反応を短時間化するため並びに前記イムノアッセイに代表される分子特異的結合反応を通じて会合体の濃縮及び洗浄を行うための足場を与えるものである。イムノアッセイに代表される分子特異的結合反応が拡散律速であり、反応場がカートリッジの貯留部内においてマイクロ空間に限定されていて拡散距離が短くなるために、分子特異的結合反応を短時間化することができる。拡散律速反応においては、反応が飽和するまでに要する時間は、反応空間の距離の自乗に反比例する。例えば、4ミリのウェルと40μmの空間とでは、反応が飽和するまでに要する時間は、後者が前者に比して凡そ一万分の1で済む。
上記貯留部は被検液に含まれる被検出物質と、金属ナノ粒子で標識された分子認識試薬結合刺激応答性リポソームとの会合体を濃縮し、保持する機能を有する。一方、会合体に取り込まれていない金属ナノ粒子で標識された分子認識試薬ならびに夾雑物を含有する分散媒、マスキング剤、または洗浄液などは貯留部を通過する。
貯留部は被検出物質を貯留/保持するために濃縮物を担持する担持手段を含むこと、すなわち濃縮部と一体化されていることが好ましい。濃縮担持手段として、多孔性材料や微細加工表面構造が固定されるのが好ましい。特に多孔性材料は表面積が大きいため、上記会合体をより多く担持することができる。前記濃縮担持体としては、スポンジ、織布、不織布、充填された微粒子、繊維、焼結体、モノリシック多孔質体のいずれかの様態、または、それらの組み合わせからなる様態をとる。微細加工表面としては、ナノインプリンティング法やスプレーデポジショニング法による構造表面が好適に用いられる。濃縮担持体を構成する素材としては、例えば、セラミック、ガラス、合成繊維、植物繊維、動物性繊維、合成樹脂、セルロース系材料、金属、高分子ゲル、糖鎖ゲル等が用いられる。また、基材の表面に、被検出物質と同等の標準物質、または、被検出物質に対して化学反応を行う又は結合能を有する分子や官能基を固定処理したものを用いてもよい。
上記濃縮部が一体化された貯留部において、被検出物質と分子認識試薬結合刺激応答性リポソームとの会合体が濃縮する過程で、主要な夾雑物は洗い流される。特に、フリーなイオンや錯体を含む電気化学活性な夾雑物が混入していても、この段階で洗い流される。更に必要に応じて、前記会合体が濃縮された上記貯留部に洗浄液を流してもよい。
次いで、前記会合体に含まれる前記刺激応答性リポソームを特定刺激により破壊して、放出される金属ナノ粒子を溶解しつつ金属イオンとして前記検出部に搬送する。前記会合体ひとつあたり10〜1000個の金属ナノ粒子が放出され、金属ナノ粒子ひとつあたり500〜5000のイオンが生じる。結果として、ひとつの会合体に由来する信号が、5000〜500万倍に増殖する。
(金属ナノ粒子)
上記金属ナノ粒子は、金属原子を含むナノ粒子であって、酸で溶解するナノ粒子であればよく、特に限定されない。前記条件を満たしていれば、粒子そのものは金属に限らず半導体であっても構わない。例えば、直径3nm〜100nmのカドミウムセレン(CdSe)、カドミウムテルル(CdTe)、または銀(Ag)、金(Au)、亜鉛、鉛、銅、ガリウム、ヒ素、タリウム、ニッケル、マンガン及びビスマスからなる金属ナノ粒子が用いられる。
これらの金属ナノ粒子には蛍光能は必要ないが、蛍光能を有していてもよい。
上記金属ナノ粒子としては、イオン化が容易であるため、表面が親水化された金属ナノ粒子が好ましい。このような表面が親水化された金属ナノ粒子については特に限定されないが、例えば、下記の化学式で示すカルボン酸キャップAgナノ粒子が好適に用いられる。
Ag−S−(CH−COOH
上記金属ナノ粒子は、そのサイズゆえに、酸により速やかに溶解し、金属イオンを与える。金属イオンは、比較的容易にかつ速やかに定量することができる。サイズがこの範囲より小さいナノ粒子は安定に存在し難い。また、ナノ粒子が大きすぎると、分散しにくく、また溶解しにくい。これらの金属ナノ粒子は、単独の種類を用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
上記分子認識試薬としては、特異的に被検物質と結合する分子であれさえすれば、特に種類の制約はない。典型的には、免疫学的検定法(イムノアッセイ)に用いられる抗体が好適に用いられる。特に、モノクローナル抗体は特異性が高いものも多く優れている。前記抗体は、必ずしも天然型の抗体分子である必要はなく、抗体フラグメントを含むものであってよい。すなわち、抗体のFc部分を蛋白質分解酵素(ペプシン)で除去して得たF(ab′)抗体、あるいはさらにF(ab′)を還元して得たFab´、Fv部分を利用した融合タンパクなどでもあってもよい。前記分子認識部分は、抗体に限られるものではなく、糖鎖、レクチン、セレクチン、DNA、RNA、ペブチド核酸、アプタマー、クラウンエーテル等の分子特異的結合能をもつ分子認識試薬を用いることができる。
金属ナノ粒子をイオン化する方法としては、酸を加える方法が好ましい。図7にAgナノ粒子を用いたときの硝酸濃度とピーク電流値との関係を示すように、より好ましくは、酸としては、0.5〜2Nの硝酸が好適に使用できる。塩酸ならびに硫酸は、難水溶性の塩化物ならびに硫化物を生じるが、極低濃度領域ではただちに析出するわけではなく、使用可能である。また、塩素イオンなどのカウンターアニオンの存在が、電流信号ピークを先鋭化することが知られている。
続いて、前記検出部において、金属イオンを電気化学的に還元して析出させたのち、検出部の電位を掃引しつつ電流量測定を行なう。析出した金属原子は再びイオン化し、金属種特有のイオン化電位で検出部に電流が流れる。図6に示すようにイオン化電位は、金属の種類によって決まるものであるから、夾雑物として他の金属が混入していたり、その他の導電分子が混入していても、標識に用いた金属に由来する電流ピーク信号のみをその電位により区別することができる。このため、標識に用いた金属以外の金属イオンが夾雑物として混じっていても正確な定量ができる。
前記電流量測定により検出される電流ピークの面積を求めて前記被検出物質濃度に換算する。電流ピークの面積とは、電位を掃引することにより電流量測定により求められた電流量すなわち電流密度のピークが現れる部分において、該ピークの内側の領域の面積を意味する。電流ピークの面積を求める方法は、液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーにおいてピーク信号面積を求める方法に準じればよい。
(刺激応答性リポソーム)
本発明で用いられる刺激応答性リポソームは、図2に抗体ABのような分子認識試薬が表面に結合されたリポソームL内に前述の金属ナノ粒子Mを内包しており、かつ特定の刺激が与えられた際に、リポソームLが破壊し、内部の金属ナノ粒子Mを放出させるものである。この特定の刺激については、温度、pH、光、イオン強度、電場、磁場、及び溶媒組成変換などの様々な刺激を挙げることができ、特に限定されるものではない。
また、上記特定の刺激によりリポソームを破壊する手段としては、特に限定されないが、例えば、リポソームLに結合されており、特定の刺激が与えられた際に状態や形状が変化する刺激応答性ポリマーPを結合する方法などが挙げられる。好ましくは、上記刺激応答性リポソームとして、リポソームに刺激応答性ポリマーを結合した構造が挙げられる。このような刺激応答性ポリマーとしては、特定の刺激が与えられた際に、形状または状態が変化し、それに基づいて刺激応答性ポリマーがリポソーム表面に結合されている部分に応力が加わり、リポソームが破壊されるものが挙げられる。
このような刺激応答性ポリマーをリポソームに結合する方法についても特に限定されないが、本発明では、好ましくは、リポソームの脂質二重膜構造に刺激応答性ポリマーの疎水性高分子ブロックが埋め込まれたものが挙げられる。
より好ましくは、前記刺激応答性ポリマーは、すくなくとも1つの疎水性高分子ブロックと、刺激により親水性―疎水性の性質が変化し得るブロックとを持つものである。例えば、このようなブロックポリマーの例としては、AB型のブロックポリマーでAまたはBの一方が親水性高分子ブロックで、他方が疎水性のブロックであって、その片方の親水性高分子ブロックが刺激により性質を変化し得るものが挙げられる。
前記刺激応答性ポリマーは、また、ABC型のトリブロックポリマーであってもよい。具体的には、(1)疎水性であるAブロックと、刺激に応じて親水性から疎水性へ、または疎水性から親水性へと変化するBブロックと、親水性からなるCブロックを有するABC型トリブロックポリマー化合物、(2)刺激に対する疎水性から親水性への変化もしくは親水性から疎水性への変化がAブロック、次いでBブロックへと順に変化することを特徴とするABC型トリブロックポリマー化合物、(3)刺激に対する疎水性から親水性への変化もしくは親水性から疎水性への変化が、Aブロック、次いでBブロックへ、そして最後にCブロックへと順に変化することを特徴とするABC型トリブロックポリマー化合物等が挙げられる。
本発明で用いられるブロックポリマーの一例は、AB型のブロックポリマーもしくはABC型のトリブロックポリマーであって、1つのブロックは疎水性であり、残りのブロックの少なくともひとつが親水性もしくは親水性から疎水性へと刺激により変化しうるものである。各ブロックは、単一の繰り返し単位構造からなってもよく、ランダムに複数の繰り返し単位構造からなっていてもよく、徐々に複数の繰り返し単位構造の比率が変化していく形態でもよい。
上記のような刺激応答性ポリマーは、疎水性ブロックをリポソームの脂質二重膜構造に埋め込むことにより結合することが望ましい。それによって、外部からの特定刺激により刺激応答性ポリマーの形態が変化することによりリポソームの構造が乱されて小泡構造を維持できなくなり、リポソームが確実に破壊される。好ましくは、特定刺激は、温度変化である。このとき、刺激応答性リポソームは、温度応答性リポソームである。
温度応答性リポソームは、脂質二重膜構造に温度応答性ポリマーの疎水性高分子ブロックが埋め込まれたものが用いられる。温度応答性ポリマーは、温度応答する親水性ブロックと疎水性部分を有するポリマーである。この疎水性部分がリポソーム膜の疎水部分に埋め込まれ、温度応答する親水性ブロックがリポソームの表面の膜外に存在している。
本発明の温度応答性リポソームは、低温下では高分子化合物の温度応答する親水性ブロックが水和されているが、温度を上昇させると温度応答する親水性ブロックが脱水和し、その結果、温度応答する親水性ブロックの疎水性が増大して、当初脂質二重膜外に存在していた温度応答する親水性ブロック全体又は一部がリポソーム膜内に入り、脂質二重膜の内部構造が乱れる。リポソームの構造は、膜内の脂質が整然と配列することにより保たれているため、このように膜の内部構造が乱れる場合には、リポソームが崩壊し、内包されていた金属ナノ粒子が放出される。
この温度応答性ポリマーの分子量、特にその温度応答する親水性ブロックをある程度以上大きくすると、より狭い温度領域で、内包物を放出させることができる。このブロックポリマーをリビングカチオン重合により合成する場合には、開始剤量とモノマー量を設定することにより所望の分子量のブロックポリマーを得ることができる。また、リビングカチオン重合によると、このブロックポリマーにおける温度応答する親水性ブロックと疎水性ブロックとの比率を簡単に所望の値にすることができる。また、様々な感熱温度を有するモノマーの重合、共重合も可能である。従って、リビングカチオン重合により得られるブロックポリマーを用いることにより、温度応答性リポソームの内包物の放出温度の設定が一層容易になる。また、リビングカチオン重合により得られるブロックポリマーは、ラジカル重合や通常のイオン重合に比べて分子量分布の狭いものとなり、これにより合成された温度応答性リポソームは、一層狭い温度範囲で内包物を放出できるものとなる。
本発明の刺激応答性リポソームの主成分は両親媒性の脂質であり、両親媒性の脂質としては、リポソームの膜脂質として従来公知の脂質を用いることができる。このような脂質として、例えばホスファチジン酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、大豆レシチン、卵黄レシチン等のリン脂質が挙げられる。これらのリン脂質において、脂肪酸部分はラウリル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、アラキドイル、オレイル、リノイル、リノレイル等の任意の組み合わせとすることができる。これらは単独で又は2以上組み合わせて使用できる。特に、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン等が好ましい。
温度応答性リポソームに含まれる温度応答性ポリマーは、温度応答する親水性ブロックと疎水性ブロックとを有するAB型もしくはABC型のブロックポリマーである。このような、温度応答性ポリマーの種類は特に限定されないが、例えば、水和可能なヘテロ原子を1個以上含む温度応答性ビニル系モノマーと、疎水性ビニル系モノマーとのブロック共重合体が挙げられる。
水和可能なヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子等が挙げられる。水和可能なヘテロ原子の数の上限は、重合を行える範囲であれば特に限定されない。水和可能なヘテロ原子を含む置換基としては、−CH−CH−O−、−CO−、―COO―、―CONH―、−NHCOO−等が挙げられる。
また、疎水性ビニル系モノマーとしては、炭素数3〜40個程度、特に炭素数4〜30個程度の各種の脂肪族、脂環族又は芳香族の炭化水素基を有するビニル系モノマーを使用できる。
前記のブロック共重合体において、ヘテロ原子を1個以上含む感熱応答性ビニル系モノマーと疎水性ビニル系モノマーとの共重合比率は、各モノマーの種類によっても異なるが、通常300:1〜3:1程度、特に200:1〜10:1程度が好ましい。この範囲内であれば、刺激応答性ポリマーをリポソームの脂質二重膜に安定に保持できる。
温度応答性ポリマーの数平均分子量のうち温度応答する親水性ブロックに該当する量は、特に制限されないが、通常数百〜数十万程度とすればよい。特に、1,000〜30,000程度、さらに特に10,000〜20,000程度とすることが好ましく、これにより狭い温度範囲で内包物を放出できるものとなる。
また、温度応答性ポリマー全体の分子量は、特に制限されないが、数平均分子量で、通常数百〜数十万程度とすればよい。この範囲内であれば、脂質二重膜に安定に保持される。特に2,000〜50,000程度、さらに特に10,000〜20,000程度とすることが好ましく、これにより狭い温度範囲で内包物を放出できるものとなる。
また、温度応答性ポリマーの分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、通常1〜4程度、特に1.0〜1.5程度であることが好ましい。この範囲内であれば、得られる刺激応答性リポソームが実用上十分に狭い温度範囲で内包物を放出できるものとなる。
本発明の刺激応答性リポソームにおける刺激応答性ポリマーの含有量は、通常10〜60重量%程度、特に30〜60重量%程度とすることが好ましい。刺激応答性ポリマーの含有量が多い方が、得られる刺激応答性リポソームの刺激感受性が高くなるが、含有量が余りに多いと刺激応答性リポソームを調製すること自体が困難になってくる。前記の範囲内であれば、刺激応答性リポソームを十分に温度感受性とすることができるとともに、実用上十分に安定なリポソーム膜が得られる。
特に、刺激が温度変化である場合、刺激応答性ポリマーは温度応答性ポリマーであり、刺激応答性リポソームは、温度応答性リポソームである。
本発明の温度応答性リポソームは、通常30〜100℃程度、好ましくは35〜60℃程度の温度範囲内で内包物を放出できるものである。使用する脂質によっても異なるが、30〜100℃程度の範囲内で、脂質二重膜自体が不安定になる可能性がない又は低い。内包物の放出温度は、高分子化合物の温度応答ブロックの構造、すなわち親水性部分と疎水性部分の割合及び官能基の種類等を設計することにより、この範囲内で任意に設定できる。チップ状の分析デバイスで用いる場合には、通常40〜45℃程度、特に40〜42℃程度で内包物を放出できるものであることが好ましい。
温度応答性ポリマーの好適な具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2011069646

(式中、Rは水素原子、または以下の[化2]に示す置換基又はリビングカチオン重合の開始剤として従来公知の化合物から得られる置換基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4のエステル基、アルデヒド基、フェニル基、ビフェニル基又は炭素数7〜14のアラルキル基であり、Rは炭素数4〜30の炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基又はリビングカチオン重合の停止剤として従来公知の化合物から得られる置換基である。mは5〜500、nは1〜10、yは0〜100である。)
上式において、Rとして例示した置換基は以下の通りである。
Figure 2011069646
(式中、Xは同一又は異なって、水素原子またはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子である。R11は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、エーテル基、オキシエチレン基又はアリール基である。)リビングカチオン重合の開始剤として従来公知の化合物としては、例えば特開平1−108202号公報又は特開平1−108203号公報に記載の開始剤、イニファー法(米国特許4276394号)で用いられている開始剤(α位に芳香環を有する塩素化合物)から得られる置換基(特開2001−055408)、東村らによりMacromolecules,17,265,1984において報告されている開始剤(ヨウ化水素とヨウ素とを組み合わせた開始剤)、特開昭62−48704、特開昭64−62308に記載されている開始剤から得られる置換基等が挙げられる。
は、上記列挙した置換基のうち、特に炭素数1〜4個程度のアルキル基であることが好ましい。
は、炭素数4〜30個程度の炭化水素基であるが、このような置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。特に、炭素数8〜30個程度の直鎖アルキル基が好ましい。
mとnとの比率については、R、R、R、Rの種類及びオキシエチレン鎖の長さ等によっても異なるが、m:nが300:1〜3:1程度、特に200:1〜10:1程度となるようにすればよい。
前述したように、yは0〜100程度であり、y=0の場合にはオキシエチレンは存在しない。yは特に0〜10程度であることが好ましい。オキシレチレン鎖が長いほど、内包物の放出温度が高くなるが、この範囲内であれば、刺激応答性リポソームを10〜100℃程度の温度範囲で内包物を放出させることができる。
この温度応答性ポリマーは、ビニルモノマーの種類によっても異なるが、カチオン重合等の公知の方法でモノマーを重合させることにより得られる。特に、リビングカチオン重合によることが好ましい。リビングカチオン重合法は、例えば特開平1−108202号公報、特開平1−108203号公報、特開2001−055408号公報、特開2000−198825号公報、特開平8−269118号公報に記載されている。
リビングカチオン重合によると、モノマーが無くなるか又は停止剤を添加するまで成長末端が消滅しないため、温度応答ブロック及び疎水性部分の各鎖長ひいては高分子化合物の分子量を容易に所望の値にすることができる。また、他の重合法に比べて、狭い分子量分布の高分子材料を得ることができる。従って、得られる高分子化合物を用いて調製した温度応答性リポソームは、狭い温度範囲で内包物を放出できるものとなる。
pH応答性リポソームに含まれるpH応答性ポリマーは、pH応答性高分子ブロックを有する高分子化合物である。特に、pH応答性高分子ブロックと疎水性高分子ブロックとを有するブロックポリマーであることが好ましい。このような、pH変化に応答する高分子ブロックとしては、例えば、電解質系高分子ブロックが好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸やその金属塩、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体やその金属塩、マレイン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体やその金属塩、ポリビニルスルホン酸やビニルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体、ポリビニルベンゼンスルホン酸やその金属塩、ビニルベンゼンスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体やその金属塩、ポリアクリルアミドアルキルスルホン酸やその金属塩、アクリルアミドアルキルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体やその金属塩、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドやその4級塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体やその金属塩や4級塩、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドとポリビニルアルコールとの複合体やその4級塩、ポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との複合体やその金属塩、カルボキシアルキルセルロース金属塩、ポリ(メタ)アクリロニトリルの部分加水分解物やその金属塩などが挙げられる。これは一例であり、pH応答性リポソームの構成は、この例に限られるものではない。
次に、刺激応答性リポソームの他の例として、電界応答性リポソーム、電気化学応答性リボソーム、光応答性リポソーム、磁気応答性リポソームを例示的に説明する。
(電界応答性リポソーム)
電界応答性リポソームは、前記温度応答性リポソームの温度応答性ポリマーに代えて、電界応答性ポリマーを含む。
電界応答性リポソームに含まれる電界応答性ポリマーは、電界応答性高分子ブロックを有する高分子化合物である。特に、電界応答性高分子ブロックと疎水性高分子ブロックとを有するブロックポリマーであることが好ましい。このような電界応答性高分子ブロックとしては、例えば、電界による界面活性剤などの化学物質の吸脱着によって刺激応答する機構がある。電界による界面活性剤などの化学物質の吸脱着によって刺激応答する高分子ブロックとしては強イオン性高分子ブロックが好ましく、ポリビニルスルホン酸やビニルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体、ポリビニルベンゼンスルホン酸やビニルベンゼンスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体、ポリアクリルアミドアルキルスルホン酸やアクリルアミドアルキルスルホン酸と(メタ)アリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体などが挙げられ、これらとn−ドデシルピリジニウムクロライドなどのアルキルピリジニウム塩、アルキルアンモニウム塩、フェニルアンモニウム塩、テトラフェニルホスホニウムクロライドなどのホスホニウム塩などカチオン性界面活性剤とを組み合わせることで使用される。これは一例であり、電解応答性リポソームの構成は、この例に限られるものではない。
(電気化学応答性リポソーム)
電気化学応答性リポソームは、前記温度応答性リポソームの温度応答性ポリマーに代えて、電気化学応答性ポリマーを含む。
電気化学応答性リポソームに含まれる電気化学応答性ポリマーは、電気化学応答性高分子ブロックを有する高分子化合物である。特に、電気化学応答性高分子ブロックと疎水性高分子ブロックとを有するブロックポリマーであることが好ましい。このような、電気化学刺激すなわち電気による酸化還元刺激に応答する高分子ブロックとしては、カチオン性高分子ブロックが挙げられ、電子受容性化合物と組み合わせてCT錯体(電荷移動錯体)として好ましく使用される。例えば、カチオン性高分子ゲルとしてポリジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどポリアミノ置換(メタ)アクリルアミド、ポリジメチルアミノエチル、(メタ)アクリレート、ポリジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートやポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのポリ(メタ)アクリル酸アミノ置換アルキルエステル、ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリビニルカルバゾール、ポリジメチルアミノスチレンなどが挙げられる。また、電子受容性化合物としてベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、テトラシアノエチレン、クロラニル、トリニトロベンゼン、無水マレイン酸やヨウ素などが挙げられる。これは一例であり、電気化学応答性リポソームの構成は、この例に限られるものではない。
(光応答性リポソーム)
光応答性リポソームは、前記温度応答性リポソームの温度応答性ポリマーに代えて、光応答性ポリマーを含む。
光応答性リポソームに含まれる光応答性ポリマーは、光応答性高分子ブロックを有する高分子化合物である。特に、光応答性高分子ブロックと疎水性高分子ブロックとを有するブロックポリマーであることが好ましい。このような光応答性高分子ブロックとしては、トリアリールメタン誘導体やスピロベンゾピラン誘導体などの光によってイオン解離する基を有する親水性高分子化合物が好ましく、ビニル置換トリアリールメタンロイコ誘導体とアクリルアミドとの共重合体などが挙げられる。より好ましくは、ビニル置換トリアリールメタンロイコ誘導体とアクリルアミドとの共重合体などが挙げられる。これは一例であり、光応答性リポソームの構成は、この例に限られるものではない。脂質部分には、必要に応じて、光分解性リン脂質、例えば〔化3〕で示される光分解性ホスファチジルコリン(Photo−labile Phosphatidylcholine:PLPC)を加えてもよい。
Figure 2011069646
(磁気応答性リポソーム)
磁気応答性リポソームは、前記温度応答性リポソームの温度応答性ポリマーに代えて、磁気応答性ポリマーを含む。
磁気応答性リポソームに含まれる磁気応答性ポリマーは、磁気応答性高分子ブロックを有する高分子化合物である。特に、磁気応答性高分子ブロックと疎水性高分子ブロックとを有するブロックポリマーであることが好ましい。このような磁気応答性高分子ブロックとしては、強磁性体粒子や磁性流体等を結合させた変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
刺激応答性リポソームは、粒径0.05〜200μm程度の範囲内であればよく、種々の粒径とすることができる。刺激応答性リポソームの粒径は、従来公知の方法で調節できる。例えばエクストルーダー法で刺激応答性リポソームを調製する場合にはエクストルーダーに装着するフィルターの孔径を調節することにより、任意に設定することができる。本明細書に記載の刺激応答性リポソームの粒径は、動的光散乱法又は電子顕微鏡観察により測定された値である。
本発明の刺激応答性リポソームは、前記粒径の範囲内であれば、単層リポソームまたは多重層リポソームのいずれであってもよい。
本発明に係る定量分析方法では、複数種、例えば2種の被検出物質を定量することも可能である。この場合には、上記分子認識試薬結合刺激応答性リポソームとして、第1の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームと第2の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームとを用いる方法が挙げられる。より具体的には、例えば、第1の抗原または抗体に特異結合する第1の分子認識薬を結合した第1の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームと、第2の抗原または抗体に特異結合する第2の分子認識薬を結合した第2の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームが混合された試薬を用い、第1の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームには第1の金属ナノ粒子を、第2の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームには、第1の金属ナノ粒子とは異なる第2の金属ナノ粒子を内包させる。
電流量測定において第1の金属ナノ粒子に由来する電流ピークと、第2の金属ナノ粒子に由来する電流ピークは、異なる位置に出るため、これらは区別できる。したがって、二種類の未知物質を含む試料に対して、1組の分析チップと一度の操作で、同時に二種類の未知物質の定量を行なうことができる。
(刺激応答性リポソームの製造)
本発明の刺激応答性リポソームは、従来公知のリポソームの製造方法において、脂質とともに本発明の高分子化合物を添加することにより製造することができる。従来公知のリポソーム製造方法としては、エクストルーダー法、超音波法、フレンチプレス法等が挙げられる。これらの方法の詳細は、「リポソーム」(野島小七、砂本順三、井上圭三編、南江堂)及び「ライフサイエンスにおけるリポソーム」(寺田弘、吉村哲郎編、シュプリンガー・フェアラーク東京)に記載されている。
例えば、エクストルーダー法により本発明のリポソームを製造する方法について説明すると、全体量に対して10〜60重量%程度の高分子化合物をクロロホルム等の適当な有機溶媒に溶解させた溶液を容器内に入れる。次いで、エバポレーターを用いて溶媒を除去し、容器壁に脂質と高分子化合物とからなる膜を形成させる。好ましくは、さらに3〜12時間程度真空乾燥させた後、この容器内に、内包化合物を水や適当なバッファーに溶解した溶液を入れる。内包化合物の溶液の濃度は、目的に応じて異なるが、通常、リポソーム作製時に使用する化合物溶液濃度を0.1mol/l〜0.4mol/l程度にすることができる。次いで、溶液を超音波処理またはボルテックスミキサー等を用いて強く攪拌することにより、溶媒中に分散したリポソームが得られる。さらに、リポソーム分散液をエクストルーダーに通すが、そのフィルター孔径を適宜設定することにより、粒径0.05〜0.5μm程度のリポソームが得られる。この方法により、通常1〜数層程度のリポソームが得られる。最後に、得られたリポソームから、担持されなかった高分子化合物及び内包化合物を除去する。残余の高分子化合物及び内包化合物は、通常ゲルろ過法、透析法等により除去すればよい。電荷を有する化合物の場合には、イオン交換クロマトグラフィーによることもできる。
(検出部)
検出部は、既知の化学電極として構成されうる。典型的には、参照電極R、作用電極W及び対極Cの三極式化学電極とされる。ここでは、対極Cと、参照電極Rとの間の電圧及び作用電極Wと対極Cとの間の電圧に基づいて、金属イオンの析出と電位掃引電流量測定が行われる。
(分散媒)
分散媒には、水性溶媒、なかでもリン酸食塩緩衝液が好適に用いられる。また、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロビレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒、等を添加して用いることができる。
(検出用カートリッジの実施形態)
本発明に係る定量分析方法では、上述した定量分析方法が、検出用カートリッジを用いて行われる。この検出用カートリッジの実施形態を図3〜図5を参照して説明する。
図3(a)は本発明の一実施形態に係る検出用カートリッジの外観を示す斜視図であり、(b)はカートリッジ内に形成されている流路、及び貯留部の関係を示す模式的斜視図であり、図4はカートリッジ内に設けられている流路及び貯留部並びに検出部の関係を示す模式図である。また、図5は、本実施形態の検出用カートリッジの内部構造を示す分解斜視図である。
図3に示すように、本実施形態の検出用カートリッジ1は、下方から第1〜第3のプレート11〜13を積層してなるカートリッジ本体2を有する。プレート11〜13は、例えば合成樹脂により形成される。各プレート11〜13は、典型的には35mm×50mmの矩形の平面形状を有し、1枚のプレートの厚みは1mm程度とされる。図3(a)では省略されているが、図5に示すように、第1〜第3のプレート11〜13は、粘着シート14,15を介して積層されている。従って、カートリッジ本体2は、約4mm程度の厚みを有する。
図5においては、図示を容易とするために、また理解を容易とするために、第1のプレート11及び粘着シート14の向きと、残りの第2,第3のプレート12,13及び粘着シート15の向きを代えて図示している。
カートリッジ本体2の下面には、第1〜第5のポート3〜7が形成されている。第1〜第5のポート3〜7は、カートリッジ本体2内に設けられている流路8に接続されている。流路8は、第1のプレート11,12間及び第2のプレート12及び第3のプレート13間のいずれかの内面に形成された溝及び/または第2のプレート12に設けられた貫通溝により形成されている。また、流路8は、第1の流路部分9と第2の流路部分10とを有する。第1の流路部分9は、第1,第2のポート3,4を接続している。第1の流路部分9の途中に貯留部16が設けられている。また、第2の流路部分10は、第3のポート5〜第5のポート7を接続している。第2の流路部分10の途中には検出部18が設けられている。
また、第2の流路部分10の下流側は図4には示されていない部分において、廃液貯留部19に接続されている。廃液貯留部19は、図5に示すように、第1のプレート11の上面において上方に向かって開いた凹部19a、第2のプレート12に設けられた大きな開口部19b及び第3のプレート13の下面において下方に向かって開いた凹部19cが組合わさって形成されている。
他方、貯留部16は、第1のプレート11の上面において上方に向かって開いた凹部16aと、第2のプレート12に設けられた放射状の開口部16bとが積層されて形成されている。なお、第1のプレート11には、上記貯留部16に繋がるように前述した第2のポート4が形成されている。貯留部16内には、図4においては略図的に示すように、濃縮担持手段としての濃縮担持体21が収納されている。濃縮担持体21は、適宜濃縮担持材料により形成されている。
本実施形態では、貯留部16に、流路から被検液が供給される。この貯留部16において、金属ナノ粒子で標識された分子認識試薬結合刺激応答性リポソームと被検液中の被検出物質の会合体が濃縮される。この場合、流路に、上記被検液と上記分子認識試薬結合刺激応答性リポソームと適宜の液状媒体とを含む混合液を供給し、貯留部16に導いてもよく、あるいは、貯留部にまず被検液を供給し、しかる後分子認識試薬結合刺激応答性リポソームを貯留部16に導いてもよい。貯留部16において、上記分子認識試薬結合刺激応答性リポソームと被検出物質の会合体が濃縮される。
他方、検出部18においては、化学電極としては、参照電極R、作用電極W及び対極Cが配置されている。ここでは、対極Cと、参照電極Rとの間の電圧及び作用電極Wと対極Cとの間の電圧に基づいて、金属イオンの析出と電位掃引アンペロメトリが行われ、金属イオン濃度が測定される。すなわち、貯留部16で会合体に取り込まれている金属ナノ粒子に貯留部16から検出部18に至る流路部分Fにおいて特定の刺激を与える。それによって、リポソームが破壊し、金属ナノ粒子が放出される。流路に金属ナノ粒子を溶解する金属ナノ粒子溶解液を流し、放出された金属ナノ粒子を溶解することにより、金属イオン溶液が貯留部16から下流側に排出される。この金属イオン溶液中の金属イオン濃度が検出部18において検出される。
なお、図5に示すように、第1〜第3のプレート11〜13は、粘着シート14,15を介して貼り合わされ、積層されている。粘着シート14,15は、上述した廃液貯留部19などを形成するため貫通孔を有する。また流路を接続するための複数の小さな貫通孔も有する。
上記作用電極Wとしては、例えば、3.5mm×8.4mm×0.5mm程度の板状のカーボン電極を好適に用いることができる。対極C及び参照電極Rについても同様の寸法の板状の電極を用いることができ、対極Cは作用電極Wと同様に板状のカーボン電極を用いて作製することができる。また、参照電極Rについては、金属イオン種によって適宜最適なものが選ばれる。例えば、金属イオン種がカドミウムイオンの場合には、参照電極にアルミナ基材上に銀ペーストが塗布された電極を用いることができる。金属イオン種が銀イオンの場合には、金基材にフェロセンを固定した電極を用いることができる。
もっとも、上記化学電極の寸法及び構造については特に限定されず、第1のプレート11上に適宜の電極材料を印刷することにより形成されてもよい。
本実施形態では、プレート11の上面と化学電極の表面とが面一となるように、第1のプレート11の上面に凹部が形成され、該凹部を埋めるように電極材料が充填されている。
従って、参照電極R、作用電極W及び対極Cの上面と、第1のプレート11の上面とは面一とされている。よって、第1のプレート11と第2のプレート12とを隙間を生じさせることなく容易に積層することができる。
なお、粘着シート14には、上記参照電極R、作用電極W及び対極Cを露出させるための貫通孔14a〜14cがそれぞれ形成されている。
これらの貫通孔14a〜14cを通して液体が参照電極R、作用電極W及び対極Cに接触されることになる。
上記第1〜第5のポート3〜7の内、第1のポート3は、被検液や溶離液などを導入するためのポートであり、第1のプレート11に貫通孔として形成されている。なお、第2のプレート12においては、特に図示はしていないが、参照電極Rを活性化するための活性化液としての電解質溶液が貯留された電解質溶液室を設けてもよい。このような電解質溶液を上記第2の流路部分10に接続し、第2の流路部分に供給することにより、上記参照電極Rの活性化を容易に行うことができる。
上記カートリッジにおける検出手段としては、化学電極を用いることが望ましい。より望ましくは、上記実施形態のように、カートリッジ本体2内に、化学電極としての参照電極R、作用電極Wなどが配置された検出区画が備えられていることが望ましい。化学電極を用いることにより検出手段の小型化を進めることができ、それによってカートリッジ全体の小型化を進めることができる。
上記検出用カートリッジ1におけるカートリッジ本体2の構造は、上記貯留部及び検出部と、これらを接続する流路が形成される限り、図3〜図5に図示の構造に限定されるものではない。図3〜図5に図示したカートリッジの流路構成は単純化すれば、図8の模式図に示す通りである。第2のポート4と第3のポート5の接続をカートリッジの外部から制御することにより、本発明の分析方法が実施される。図8における第1の流路部9と第2の流路部10を最初から接続しておくという考えに立てば、図9に示すような流路構成とすればよい。この場合、2つの出口を交互に閉塞することにより、本発明の分析方法を実施することができる。
(実施例1)
温度応答性ポリマーの合成
温度応答性ポリマーとするブロックコポリマーの合成は、逐次モノマー添加法により行った。三方活栓を取り付けたガラス容器を窒素雰囲気下250℃で加熱し、容器内を十分に乾燥した。系を室温に戻した後、(2−エトキシ)エトキシエチルビニルエーテル4mmol、酢酸エチル10mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.04mmol及びトルエン6.2mlを加え、系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロライドを0.2mmol加え重合を開始した。重合の停止は、系内に少量のアンモニア水を含んだメタノール3mlを加えて行った。反応を終えた混合溶液中にジクロロメタンを加えて希釈し、0.6Nの塩酸溶液で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。得られた反応物をエバポレーターで濃縮した後、真空乾燥させ、目的物のポリマーを得た。化合物の同定はNMR及びGPCを用いて行った。これによりMn=15800、Mw/Mn=1.16のポリマーが得られた。
なお、高分子化合物の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、それぞれゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の結果から算出した。GPCは、高速液体クロマトグラフ(東ソー社製のTSKgelカラムG−200HXL+G−3000 HXL+G−4000 HXL、溶離液はクロロホルム)を用いて行い、そのクロマトグラフィーの結果から、被験化合物の分子量をポリスチレンを標準物質として算出することにより、ポリスチレン換算Mw及びMnとして求めた。
前記説明したMn=15800のポリマーの合成において、(2−エトキシ)エトキシエチルビニルエーテルの量を2.6mmolとした他は同様にしてMn=8300、Mw/Mn=1.15のポリマーを得た。また、前記説明したMn=15800のポリマーの合成において、(2−エトキシ)エトキシエチルビニルエーテルの量を1.3mmolとした他は同様にしてMn=5300、Mw/Mn=1.14のポリマーを得た。
調製した分子量がMn=15800、Mn=8300、Mn=5300の温度応答性ポリマーについて、濃度0.5w%水溶液とし、500nmの光でモニターしながら臨界溶液温度を測る方法で、温度応答の変曲点を測定したところ、それぞれ 40.5℃、41.0℃、41.6℃ であった。
銀ナノ粒子内包刺激応答性リポソーム懸濁液の調製
卵黄ホスファチジルコリン(EYPC)(3mg)、オイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)(4.5mg)および高分子化合物(3.8mg〜11.3mg)をクロロホルム2mlに溶解した溶液を、10ml容のフラスコに入れ、ロータリーエバポレーターを用いてクロロホルムを除去することにより、フラスコ内壁にリン脂質と高分子化合物との混合薄膜を形成させた。さらに1晩真空乾燥した後、親水性銀ナノ粒子分散水溶液(0.75 ml)を加え、1分間バス型超音波照射器(Branson,B−32)で超音波照射して脂質/高分子複合体を分散させ、親水性銀ナノ粒子が内包された刺激応答性リポソームを得た。さらにこの刺激応答性リポソーム分散液を、エクストルーダー(Avestin,フィルター孔径100nm)を用いて、刺激応答性リポソームの粒径をそろえた。担持されてない高分子化合物および内包されていない銀ナノ粒子は、10mM Tris−HCl+100mM NaCl緩衝液(pH7.4、4℃)を溶離液とするゲル濾過(Sephadex G−75,Pharmacia Biotech)により除去した。
抗体への反応基の導入
ヒトアルファフェトプロテイン α−fetoprotein (以下、AFPという。)に対するマウスモノクローナル抗体(以下、抗AFP抗体という。)10mg/ml・1mlに30mM SPDP(エタノール溶解)30μlを加え、室温で30分間反応させた。その後酢酸緩衝液で平衡化したセファデックスG−25でゲル濾過し、緩衝液の交換とともに未反応のSPDPを除去した。得られた抗体溶液にDTTを終濃度10mMとなるように添加し室温で30分間反応させた。その後、TESで平衡化したセファデックスG−25でゲル濾過し、緩衝液の交換とともにDTTを除去した。得られた抗体溶液は、分光光度計で280nmの吸光度を測定し濃度を決定した。
抗体結合の刺激応答性リポソ−ムの調製
前記の親水性銀ナノ粒子内包刺激応答性リポソームと(リン濃度10mM)1mlと、前項で調製した反応基導入抗体溶液(濃度3mg/ml)1mlを混合し、4℃で2日間反応させた。その後、TESで平衡化したセファロースCL−4Bでゲル濾過を行い、未反応の抗体を除去し、リポソーム分画を分取した。得られた抗体が共有結合した刺激応答性リポソーム(銀ナノ粒子内包)についてリン定量を行い濃度を決定した後、リン濃度10mMになるようにTESで調製した。
抗AFP抗体のリポソームへの固定
AFPは、肝臓ガンの腫瘍マーカーとして適している。AFPの分子量は約68,000であり、1ng/mLは15pmol/Lに相当する。
前項で調製した抗体結合の刺激応答性リポソ−ム(親水性銀ナノ粒子内包)をTESでリン酸濃度1mMとなるように希釈してリポソームイムノアッセイ測定試薬とした。
AFP抗原の測定
AFP精製抗原を含む検体10μl(濃度10、25、50、250、500、1000又は1500fM/ml)、リポソーム免疫測定試薬(R1)100μl、及びリポソーム免疫測定試薬に用いた抗AFP抗体とは異なるエピトープに結合する抗AFP抗体物理感作させた直径5μmラテックスを含む酢酸緩衝液200μl(R2)とを混合してサンドイッチ型の免疫結合複合体を形成させ、メンブレンフィルターにてろ過し、緩衝液500μLで洗浄した。次いで、メンブレンを1N硝酸液に浸すと同時に温度を42℃まで上昇させ、刺激応答性リポソームを崩壊させて、放出される銀ナノ粒子を溶解イオン化させた。マイクロキャピラリー流路を介して、溶出液を電気化学セルに搬送し、−1.0Vで作用極に電析させた。さらに、作用極の電位を−0.4Vから+0.6Vまで掃引し、作用極と対極の間に流れる電流値の変化を記録した。電流アンプのゲインは必要に応じて三段階切り替えながら測定した。得られた電流ピークの面積と元の検体中の抗原濃度の対応をグラフにして、図7に示す検量線を作成した。fMまでの検出が可能であることが示された。
(実施例2)
銀ナノ粒子に代えて直径20nmのCdSeナノ粒子を用いた以外は全て実施例1と同様にしてCdSeナノ粒子内包刺激応答性リポソーム懸濁液を調製し、実施例1と同様に抗AFP抗体のリポソームへの固定、AFP抗原の測定を行なった。−0.28V近傍にカドミウム(Cd)由来のピークが計測され、AFPを定量することができた。金属種別の掃引電位とピーク位置の関係を図6に示す。
(実施例3)
温度応答性ブロックコポリマーの合成は、逐次モノマー添加法により行った。先ず、三方活栓を取り付けたガラス容器を窒素雰囲気下250℃で加熱し、容器内を十分に乾燥した。系を室温に戻した後、(2−エトキシ)エトキシエチルビニルエーテル4mmol、酢酸エチル10mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.04mmol及びトルエン6.2mlを加え、系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロライドを0.2mmol加え重合を開始した。重合がほぼ終了した時点で、第2のモノマーとしてオクタデシルビニルエーテル0.2mmolを含んだトルエン溶液3mlを加えてブロック共重合を行った。重合の停止は、系内に少量のアンモニア水を含んだメタノール3mlを加えて行った。反応を終えた混合溶液中にジクロロメタンを加えて希釈し、0.6Nの塩酸溶液で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。得られた反応物をエバポレーターで濃縮した後、真空乾燥させ、目的物のポリマーを得た。化合物の同定はNMR及びGPCを用いて行った。これによりMn=16700、Mw/Mn=1.14のポリマーが得られた。得られたポリマーにおいて、オクタデシルビニルエーテル/(2−エトキシ)エトキシエチルビニルエーテルの共重合比率は、100対5であった。
前記説明したMn=16700のポリマーの合成において、(2−エトキシ)エトキシエチルビニルエーテルの量を2.6mmolとした他は同様にしてMn=9300、Mw/Mn=1.16のポリマーを得た。得られたポリマーにおいて、オクタデシルビニルエーテル/(2−エトキシ)エトキシエチルビニルエーテルの共重合比率は、66対5であった。
また、前記説明したMn=16700のポリマーの合成において、(2−エトキシ)エトキシエチルビニルエーテルの量を1.3mmolとした他は同様にしてMn=6900、Mw/Mn=1.13のポリマーを得た。得られたポリマーにおいて、オクタデシルビニルエーテル/(2−エトキシ)エトキシエチルビニルエーテルの共重合比率は、33対5であった。
上記のように調製した分子量16700、9300、6900及びの各オクタデシルビニルエーテル−(2−エトキシ)エトキシエチルビニルエーテル共重合体を保持し、直径5nmの親水性銀ナノ粒子を内包したリポソームの分散液をそれぞれ調製し、各分散液の温度を10℃から50℃まで徐々に上げていき、銀の放出をモニターした。
それぞれの温度応答性ポリマーの温度応答特性は、以下のようであった。
Figure 2011069646
これらの温度応答性ポリマーを用いて、温度応答リポソームの崩壊温度を自由に設計できることが確認できた。また、応答曲線の変曲点の±5℃の温度変化で温度応答リポソームはほぼ完全に崩壊することを確認できた。
(実施例4)
光反応性ビオチン化プロテオリポソーム懸濁液の調製
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC:日本油脂社製)50mgとPLPC50mgとを、50ml容ナス型フラスコ中で溶解させ、更にその中に、エタノール1mlに対しアラメシチン(シグマ(Sigma)社製)を1mgの割合で含んでいる(以下、1mg/mlというように略記することもある。)溶液1mlを加えて混合する。その後、この混合液から、ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧除去する。
次に、そのフラスコの中に、金属ナノ粒子を含有する緩衝溶液(10mMのピペラジン−N,N−ビス(2−エタンスルホン酸)、150mM−NaCl、pH7.2)を加え、37℃の温度の下で、ボルテックスミキサーを用いて攪拌することにより、リポソームを構成させる。その際、光学顕微鏡を用い、生成した懸濁液中に小胞体が形成されていることを確認する。
このようにして得られた懸濁液を、エクストルーダー(商品名、日油リポソーム社製)にかけ、リポソーム径を200nm以下に揃える。この懸濁液に、1mg/mlのスルフォスクシンイミジル−6−(ビオチンアミド)ヘキサノアート(NHS−LC−BIOTIN(商品名):フナコシ薬品社製)重炭酸バッファ(pH8.5)1mlを加え、攪拌しながら2時間反応させる。セファデックス(Sephadex)G−50カラムにより、重炭酸バッファ(pH8.5)を溶離液としてゲル濾過し、金属ナノ粒子が封入された光反応性ビオチン化リポソーム懸濁液を得た。
以下、実施例1と同様にして、抗AFP抗体のリポソームへの固定、AFP抗原の測定を行なった。
(比較例)
西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase;以下、HRPと記す)で標識した96ウェル−マイクロタイタープレートでのELISA法測定の定法による定量下限を下記の表2に示す。洗浄バッファには、200mM フォスフェート・バッファード・セイライン(以下、PBSと記す)を用いた。
Figure 2011069646
1…検出用カートリッジ
2…カートリッジ本体
3…第1のポート
4…第2のポート
5…第3のポート
6…第4のポート
7…第5のポート
8…流路
9…第1の流路部分
10…第2の流路部分
11…第1のプレート
12…第2のプレート
13…第3のプレート
14,15…粘着シート
14a〜14c…貫通孔
16…貯留部
16a…凹部
16b…開口部
18…検出部
19…廃液貯留部
19a…凹部
19b…開口部
19c…凹部
21…濃縮担持体
32…表面改質シランカップリング剤

Claims (7)

  1. 基板上に第1の流路と、第2の流路を備え、
    前記第1の流路は、第1のポートと濃縮部と、第2のポートを備え、
    前記第2の流路は、検出部とを備え、
    前記検出部は、金属イオンを検出するための検出手段とを備える、
    検出用カートリッジを用いた定量分析方法であって、
    金属ナノ粒子を内包しており、特定の刺激が与えられた際に破壊し、内部の金属ナノ粒子を放出する刺激応答性リポソーム、及び該刺激応答性リポソームの表面に担持されており、被検出物質と免疫的に結合する分子認識試薬とを有する分子認識試薬結合刺激応答性リポソームと、前記被検出物質とを会合させ、免疫的な会合体を得る工程と、
    前記濃縮部において前記会合体を濃縮する工程と、
    前記濃縮部から前記検出部に至る間に前記刺激応答性リポソームに特定の刺激を与えて刺激応答性リポソームを破壊し、金属ナノ粒子を放出すると共に、該金属ナノ粒子を溶解し、金属イオンとする工程と、
    前記検出部において、前記金属イオンの濃度を検出し、金属イオンの濃度と相関している被検出物質濃度を求める工程とを備える、定量分析方法。
  2. 前記刺激応答性リポソームが、リポソームと、リポソームに結合されており、かつ特定の刺激が与えられた際に形状または状態が変化する刺激応答性ポリマーとを有する、請求項1に記載の定量分析方法。
  3. 前記刺激応答性ポリマーが、疎水性ブロックと、温度応答する親水性ブロックとを有するAB型ないしはABC型のブロックポリマーであり、前記疎水性ブロックが、リポソームに結合されている、請求項2に記載の定量分析方法。
  4. 前記疎水性ブロックが前記リポソームの脂質二重膜構造の疎水部に埋め込まれて、前記刺激応答性ポリマーが前記リポソーム表面に結合されている、請求項3に記載の定量分析方法。
  5. 前記分子認識試薬結合刺激応答性リポソームとして、第1の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームと、第2の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームとを有し、
    前記第1の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームでは、被検出物質としての第1の抗原または抗体に免疫的に特異結合する第1の分子認識試薬刺激応答性リポソームに結合されており、かつ刺激応答性リポソーム内に第1の金属ナノ粒子が内包されており、
    前記第2の分子認識試薬結合刺激応答性リポソームでは、被検出物質としての第1の抗原または抗体とは異なる第2の抗原または抗体に免疫的に特異結合する第2の分子認識試薬が刺激応答性リポソームに結合されており、かつ刺激応答性リポソーム内に第1の金属ナノ粒子とは異なる第2の金属ナノ粒子が内包されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定量分析方法。
  6. 前記貯留部と前記濃縮部とが一体化され、前記会合体を形成する工程及び前記濃縮工程が同一工程で行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の定量分析方法。
  7. 前記金属イオンの濃度検出が、検出部において検出部において電位を掃引しつつ、電流量測定を行い、該電流量測定により検出される電流ピークの面積に基づき被検出物質濃度を得る、請求項1〜6のいずれか1項に記載の定量分析方法。

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