JP2009191250A - 熱伝導性樹脂組成物の前駆体、熱伝導性樹脂組成物および熱伝導性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱特性に優れた熱伝導性樹脂技術を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)と平均粒子径10μm以下でかつ1W/m・K以上の伝熱架橋材(B)との合計100重量部に対し、(A)80〜99.9重量部、(B)0.1〜20重量部を含有してなり、その均一混練物の熱伝導率が1W/m・K以下である熱伝導性樹脂組成物の前駆体(C)を製造する第1製造工程と、第1製造工程で製造した前駆体(C)と、最大粒子径150μm以下でかつ熱伝導率1W/m・K以上の伝熱フィラー(D)との合計100重量部に対し、(C)5〜20重量部、(D)80〜95重量部となるように混練して熱伝導性樹脂組成物を製造する第2製造工程とを備えた熱伝導性樹脂組成物の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)と平均粒子径10μm以下でかつ1W/m・K以上の伝熱架橋材(B)との合計100重量部に対し、(A)80〜99.9重量部、(B)0.1〜20重量部を含有してなり、その均一混練物の熱伝導率が1W/m・K以下である熱伝導性樹脂組成物の前駆体(C)を製造する第1製造工程と、第1製造工程で製造した前駆体(C)と、最大粒子径150μm以下でかつ熱伝導率1W/m・K以上の伝熱フィラー(D)との合計100重量部に対し、(C)5〜20重量部、(D)80〜95重量部となるように混練して熱伝導性樹脂組成物を製造する第2製造工程とを備えた熱伝導性樹脂組成物の製造方法。
【選択図】なし
Description
本願発明は、放熱特性に優れた熱伝導性樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。
放熱特性に優れた熱伝導性樹脂技術に関しては、以下のような先行技術文献がある。
特許文献1は、平均粒子径5μm以下のアルミナ粒子を重量で10%ないし30%と、残部が単一粒子の平均粒子径10μm以上であり、かつカッティングエッジを有しない形状である球状コランダム粒子とからなるアルミナを充填してなることを特徴とする高熱伝導性ゴム・プラスチック組成物である。そして、当該発明について、明細書中に以下のような指摘がなされている。
(1)当該発明で用いるアルミナは、平均粒子径5μm以下のアルミナ粒子が10%ないし30%、残部が球状コランダム粒子からなるアルミナであり、この範囲外では充填性が悪く、ゴム・プラスチックに充填した際に組成物の粘度が高くなり作業性が悪化するため好ましくない(公報第2頁右下欄第5行〜10行)。
(2)上記アルミナを配合する対象は、特に限定されるものではないが、特にエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴムなどが好ましい。上記アルミナの充填量の範囲は、重量比で75%以上が望ましい。75%未満では熱伝導率が充分でなくなり好ましくない。なお、配合物中には、当該発明の主旨を損なわない範囲で難燃剤、アルミナ以外のフィラー、滑剤、着色剤、沈降防止剤、脱胞剤等を添加することは自由である(公報第2頁右下欄第11行〜20行)。
特許文献1は、平均粒子径5μm以下のアルミナ粒子を重量で10%ないし30%と、残部が単一粒子の平均粒子径10μm以上であり、かつカッティングエッジを有しない形状である球状コランダム粒子とからなるアルミナを充填してなることを特徴とする高熱伝導性ゴム・プラスチック組成物である。そして、当該発明について、明細書中に以下のような指摘がなされている。
(1)当該発明で用いるアルミナは、平均粒子径5μm以下のアルミナ粒子が10%ないし30%、残部が球状コランダム粒子からなるアルミナであり、この範囲外では充填性が悪く、ゴム・プラスチックに充填した際に組成物の粘度が高くなり作業性が悪化するため好ましくない(公報第2頁右下欄第5行〜10行)。
(2)上記アルミナを配合する対象は、特に限定されるものではないが、特にエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴムなどが好ましい。上記アルミナの充填量の範囲は、重量比で75%以上が望ましい。75%未満では熱伝導率が充分でなくなり好ましくない。なお、配合物中には、当該発明の主旨を損なわない範囲で難燃剤、アルミナ以外のフィラー、滑剤、着色剤、沈降防止剤、脱胞剤等を添加することは自由である(公報第2頁右下欄第11行〜20行)。
特許文献2は、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)の合計100容量%に対し、(A)成分5〜50容量%、(B)95〜50容量%を含有してなる放熱部材用錠剤である。そして、当該発明について、明細書中に以下のような指摘がなされている。
(1)当該発明で用いられる熱可塑性ポリエステル系樹脂と熱伝導性充填材との配合量は、用いる熱伝導性充填材の特性を発揮し、かつ溶融加工性とのバランスの点から、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)の合計100容量%に対し、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)5〜50容量%、熱伝導性充填材(B)95〜50容量%であり、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)5〜40容量%、熱伝導性充填材(B)95〜60容量%であることが好ましく、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)7〜25容量%、熱伝導性充填材(B)93〜75容量%であることがより好ましい(明細書[0058])。
(2)また、熱伝導性充填材についても溶融加工性、得られる成形品の表面外観等を考慮した場合、熱伝導性充填材のサイズはJIS−K0069に基づく篩分け試験法に基づき測定した場合、1000μmに相当する篩を通過するものであることが好ましく、より好ましくは800μmに相当する篩を通過するもの、特に500μmに相当する篩を通過するものであることが好ましい。また、0.1μmに相当する篩は実質的に通過しないものであることが好ましい。なお、ここで「実質的に通過しない」とは、95重量%以上が通過しないことを意味する(明細書[0094])。
(1)当該発明で用いられる熱可塑性ポリエステル系樹脂と熱伝導性充填材との配合量は、用いる熱伝導性充填材の特性を発揮し、かつ溶融加工性とのバランスの点から、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)の合計100容量%に対し、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)5〜50容量%、熱伝導性充填材(B)95〜50容量%であり、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)5〜40容量%、熱伝導性充填材(B)95〜60容量%であることが好ましく、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)7〜25容量%、熱伝導性充填材(B)93〜75容量%であることがより好ましい(明細書[0058])。
(2)また、熱伝導性充填材についても溶融加工性、得られる成形品の表面外観等を考慮した場合、熱伝導性充填材のサイズはJIS−K0069に基づく篩分け試験法に基づき測定した場合、1000μmに相当する篩を通過するものであることが好ましく、より好ましくは800μmに相当する篩を通過するもの、特に500μmに相当する篩を通過するものであることが好ましい。また、0.1μmに相当する篩は実質的に通過しないものであることが好ましい。なお、ここで「実質的に通過しない」とは、95重量%以上が通過しないことを意味する(明細書[0094])。
上記特許文献1及び2には、以下のような課題がある。
(1)特許文献1は、当該文献中の第4表によると,成形に必要な流動性を確保しながら、かつ2W/m・K以上(熱伝導率:53〜56×10−4cal/cm・sec℃)の熱伝導率を達成できる組成物としての実施例が上げられている。しかしながら、昨今のコンピュータ機器の高集積化、演算速度の高速化と、これに並行して進んでいる小型化、薄型化、軽量化の流れを鑑みると、この文献1の出願当時には画期的と思われた2W/m・Kという熱伝導率は、全く効果の無いレベルと言って良い。現在の小型電子機器の放熱材料として有効な熱伝導率は最低でも6W/m・K以上、望ましくは15W/m・K以上でないと、機器から発せられる熱を十分に逃がし、動作を安定させることは困難である。即ち、この文献には熱伝導率の圧倒的な不足、という重大な課題があると言える。
(2)特許文献2は、放熱部材用錠剤(タブレット)に関するものであり、その錠剤の製造方法は「必ず原料を一旦粉末化しなければならず、さらにそれを粉末プレス成形のような圧力によって錠剤形状にしなければならない」というものである(明細書[0091]及び[0092])。このような樹脂成形材料の製造方法は、一般的なペレット製造プロセス(単純に熱で樹脂を溶融させて押し出すプロセス)とは甚大な乖離がある煩雑なプロセスであり、試験・研究レベルでは可能であっても、実際の産業界で実用化するには困難を伴う。従って、特許文献2には,特殊で煩雑なプロセスを用いないと産業上の利用価値が認められず,広く普及し得ないという課題があると言える。
(1)特許文献1は、当該文献中の第4表によると,成形に必要な流動性を確保しながら、かつ2W/m・K以上(熱伝導率:53〜56×10−4cal/cm・sec℃)の熱伝導率を達成できる組成物としての実施例が上げられている。しかしながら、昨今のコンピュータ機器の高集積化、演算速度の高速化と、これに並行して進んでいる小型化、薄型化、軽量化の流れを鑑みると、この文献1の出願当時には画期的と思われた2W/m・Kという熱伝導率は、全く効果の無いレベルと言って良い。現在の小型電子機器の放熱材料として有効な熱伝導率は最低でも6W/m・K以上、望ましくは15W/m・K以上でないと、機器から発せられる熱を十分に逃がし、動作を安定させることは困難である。即ち、この文献には熱伝導率の圧倒的な不足、という重大な課題があると言える。
(2)特許文献2は、放熱部材用錠剤(タブレット)に関するものであり、その錠剤の製造方法は「必ず原料を一旦粉末化しなければならず、さらにそれを粉末プレス成形のような圧力によって錠剤形状にしなければならない」というものである(明細書[0091]及び[0092])。このような樹脂成形材料の製造方法は、一般的なペレット製造プロセス(単純に熱で樹脂を溶融させて押し出すプロセス)とは甚大な乖離がある煩雑なプロセスであり、試験・研究レベルでは可能であっても、実際の産業界で実用化するには困難を伴う。従って、特許文献2には,特殊で煩雑なプロセスを用いないと産業上の利用価値が認められず,広く普及し得ないという課題があると言える。
これに対して、本願発明は、上記したような課題を克服し、放熱特性に優れた熱伝導性樹脂技術を提供すべく鋭意研究・試験を行い、本願発明を完成するに至った。
本願発明の第1の発明は、熱可塑性樹脂(A)と平均粒子径10μm以下でかつ1W/m・K以上の伝熱架橋材(B)との合計100重量部に対し、(A)80〜99.9重量部、(B)0.1〜20重量部を含有してなり、その均一混練物の熱伝導率が1W/m・K以下であることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物の前駆体(C)である。
ここで、(A)と(B)の含有率は、好ましくは「(A)90〜99.9重量部、(B)0.1〜10重量部」である。また、均一混練物の熱伝導率は、好ましくは「0.5W/m・K以下」である。
第2の発明は、上記第1の発明の前駆体(C)と、最大粒子径150μm以下でかつ熱伝導率1W/m・K以上の伝熱フィラー(D)との合計100重量部に対し、(C)5〜20重量部、(D)80〜95重量部となるように混練されたことを特徴とする熱伝導性樹脂組成物である。
第3の発明は、熱可塑性樹脂(A)と平均粒子径10μm以下でかつ1W/m・K以上の伝熱架橋材(B)との合計100重量部に対し、(A)80〜99.9重量部、(B)0.1〜20重量部を含有してなり、その均一混練物の熱伝導率が1W/m・K以下である熱伝導性樹脂組成物の前駆体(C)を製造する第1製造工程と、第1製造工程で製造した前駆体(C)と、最大粒子径150μm以下でかつ熱伝導率1W/m・K以上の伝熱フィラー(D)との合計100重量部に対し、(C)5〜20重量部、(D)80〜95重量部となるように混練して熱伝導性樹脂組成物を製造する第2製造工程とを備えたことを特徴とする熱伝導性樹脂組成物の製造方法である。
ここで、(A)と(B)の含有率は、好ましくは「(A)90〜99.9重量部、(B)0.1〜10重量部」である。また、均一混練物の熱伝導率は、好ましくは「0.5W/m・K以下」である。
第2の発明は、上記第1の発明の前駆体(C)と、最大粒子径150μm以下でかつ熱伝導率1W/m・K以上の伝熱フィラー(D)との合計100重量部に対し、(C)5〜20重量部、(D)80〜95重量部となるように混練されたことを特徴とする熱伝導性樹脂組成物である。
第3の発明は、熱可塑性樹脂(A)と平均粒子径10μm以下でかつ1W/m・K以上の伝熱架橋材(B)との合計100重量部に対し、(A)80〜99.9重量部、(B)0.1〜20重量部を含有してなり、その均一混練物の熱伝導率が1W/m・K以下である熱伝導性樹脂組成物の前駆体(C)を製造する第1製造工程と、第1製造工程で製造した前駆体(C)と、最大粒子径150μm以下でかつ熱伝導率1W/m・K以上の伝熱フィラー(D)との合計100重量部に対し、(C)5〜20重量部、(D)80〜95重量部となるように混練して熱伝導性樹脂組成物を製造する第2製造工程とを備えたことを特徴とする熱伝導性樹脂組成物の製造方法である。
本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)熱伝導性樹脂組成物の製造にあって、まず、熱可塑性樹脂(A)と伝熱架橋材(B)とからなる熱伝導性樹脂組成物の前駆体(C)を製造し(第1製造工程)、その後に、伝熱フィラー(D)と混練する(第2製造工程)「2段階混練方式」を採用したことで、通常行われる一度に配合物を混練する「1段階混練方式」の場合(上記特許文献1及び2もこの方式を採用)よりも、熱伝導率の優れた熱伝導性樹脂組成物を提供できる。
(2)「2段階混練方式」の方が「1段階混練方式」よりも優れた熱伝導率を有する理由は、「2段階混練方式」によれば伝熱架橋材(B)の分散が良くなり(「前駆体」製造のための少量混練の方が均一分散性が良好になる)、熱伝導パスが良好になり、結果として熱伝導率が高なり、流動性も改善するものと推察される。これに対して、「1段階混練方式」では、伝熱フィラー(D)が伝熱架橋材(B)の分散を阻害して、結果として熱伝導率が低くなり、流動性を阻害するものと推察される。
(3)上記(2)で記載したように、「2段階混練方式」を採用することで、熱伝導率だけでなく、成形流動性にも優れた熱伝導性樹脂組成物を提供できる。
(1)熱伝導性樹脂組成物の製造にあって、まず、熱可塑性樹脂(A)と伝熱架橋材(B)とからなる熱伝導性樹脂組成物の前駆体(C)を製造し(第1製造工程)、その後に、伝熱フィラー(D)と混練する(第2製造工程)「2段階混練方式」を採用したことで、通常行われる一度に配合物を混練する「1段階混練方式」の場合(上記特許文献1及び2もこの方式を採用)よりも、熱伝導率の優れた熱伝導性樹脂組成物を提供できる。
(2)「2段階混練方式」の方が「1段階混練方式」よりも優れた熱伝導率を有する理由は、「2段階混練方式」によれば伝熱架橋材(B)の分散が良くなり(「前駆体」製造のための少量混練の方が均一分散性が良好になる)、熱伝導パスが良好になり、結果として熱伝導率が高なり、流動性も改善するものと推察される。これに対して、「1段階混練方式」では、伝熱フィラー(D)が伝熱架橋材(B)の分散を阻害して、結果として熱伝導率が低くなり、流動性を阻害するものと推察される。
(3)上記(2)で記載したように、「2段階混練方式」を採用することで、熱伝導率だけでなく、成形流動性にも優れた熱伝導性樹脂組成物を提供できる。
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(比較例1:1段階混練方式)
比較例1として、図1は、1段階混練時の熱伝導率を示す表であり、図2は、それをグラフにしたものである。
比較例1は、以下の配合物を「1段階混練方式」によって混練し、熱伝導性樹脂組成物を製造した。
・比較例1−1
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・比較例1−2
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 89%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・比較例1−3
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 92%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・比較例1−4
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 82%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・比較例1−5
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 84%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・比較例1−6
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
(比較例1:1段階混練方式)
比較例1として、図1は、1段階混練時の熱伝導率を示す表であり、図2は、それをグラフにしたものである。
比較例1は、以下の配合物を「1段階混練方式」によって混練し、熱伝導性樹脂組成物を製造した。
・比較例1−1
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・比較例1−2
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 89%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・比較例1−3
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 92%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・比較例1−4
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 82%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・比較例1−5
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 84%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・比較例1−6
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
(実施例1:2段階混練方式)
実施例1として、図3は、2段階混練時の熱伝導率を示す表であり、図4は、それをグラフにしたものである。
実施例1は、以下の配合物を「2段階混練方式」によって混練し、熱伝導性樹脂組成物を製造した。
・実施例1−1
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・実施例1−2
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 89%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・実施例1−3
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 92%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・実施例1−4
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 82%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・実施例1−5
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 84%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・実施例1−6
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
実施例1として、図3は、2段階混練時の熱伝導率を示す表であり、図4は、それをグラフにしたものである。
実施例1は、以下の配合物を「2段階混練方式」によって混練し、熱伝導性樹脂組成物を製造した。
・実施例1−1
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・実施例1−2
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 89%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・実施例1−3
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 92%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・実施例1−4
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 82%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・実施例1−5
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 84%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
・実施例1−6
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜6%
(比較例1と実施例1の比較)
比較例1と実施例1の比較として、図5は、比較例1と実施例1の熱伝導率の差を示す表であり、図6は、それをグラフにしたものである。この図5及び図6に示す表・グラフによって、以下のことが判明した。
(1)比較例1(1段階混練方式)よりも実施例1(2段階混練方式)の方が確実に熱伝導率が高い。これは、実施例1の2段階混練方式において、1段階目の混練で少量の伝熱架橋材(B)を混ぜることにより、この伝熱架橋材(B)が均一に分散し、熱伝導パスが良好に働くためと思われる。
(2)また、伝熱架橋材(B)の配合量は、5重量%以上では顕著な効果を有しない。従って、伝熱架橋材(B)の配合量は、0.1〜5重量%の間が好ましい。
比較例1と実施例1の比較として、図5は、比較例1と実施例1の熱伝導率の差を示す表であり、図6は、それをグラフにしたものである。この図5及び図6に示す表・グラフによって、以下のことが判明した。
(1)比較例1(1段階混練方式)よりも実施例1(2段階混練方式)の方が確実に熱伝導率が高い。これは、実施例1の2段階混練方式において、1段階目の混練で少量の伝熱架橋材(B)を混ぜることにより、この伝熱架橋材(B)が均一に分散し、熱伝導パスが良好に働くためと思われる。
(2)また、伝熱架橋材(B)の配合量は、5重量%以上では顕著な効果を有しない。従って、伝熱架橋材(B)の配合量は、0.1〜5重量%の間が好ましい。
(実施例1に対応する公知例)
また、実施例1では、熱伝導フィラー(B+D)の一番少ないものは実施例1−4で、一番多いものは実施例1−6である。この場合、熱伝導フィラー(B+D)の容量%は、次のようになる。
[実施例1−4]
<重量割合>
LCP(A):12wt%
アルミナ(D)+マイカ(B):82+6=88wt%
<容 量>
LCP(A):12wt%÷1.6(比重)=7.5cc
アルミナ(D)+マイカ(B):88wt%÷3.9(比重※)=22.6cc
<容量割合>
アルミナ(D)+マイカ(B):22.6÷(7.5+22.6)=0.75(75vol%)
[実施例1−6]
<重量割合>
LCP(A):9.5wt%
アルミナ(D)+マイカ(B):86+4.5=90.5wt%
<容 量>
LCP(A):9.5wt%÷1.6(比重)=5.9cc
アルミナ(D)+マイカ(B):90.5wt%÷3.9(比重※)=23.2cc
<容量割合>
アルミナ(D)+マイカ(B):23.2÷(5.9+23.2)=0.797(79.7vol%)
※アルミナ(D)+マイカ(B)の比重は、マイカ(比重2.7)の量が少ないので、アルミナ(比重3.9)の一部と考えて、比重3.9とした。
また、実施例1では、熱伝導フィラー(B+D)の一番少ないものは実施例1−4で、一番多いものは実施例1−6である。この場合、熱伝導フィラー(B+D)の容量%は、次のようになる。
[実施例1−4]
<重量割合>
LCP(A):12wt%
アルミナ(D)+マイカ(B):82+6=88wt%
<容 量>
LCP(A):12wt%÷1.6(比重)=7.5cc
アルミナ(D)+マイカ(B):88wt%÷3.9(比重※)=22.6cc
<容量割合>
アルミナ(D)+マイカ(B):22.6÷(7.5+22.6)=0.75(75vol%)
[実施例1−6]
<重量割合>
LCP(A):9.5wt%
アルミナ(D)+マイカ(B):86+4.5=90.5wt%
<容 量>
LCP(A):9.5wt%÷1.6(比重)=5.9cc
アルミナ(D)+マイカ(B):90.5wt%÷3.9(比重※)=23.2cc
<容量割合>
アルミナ(D)+マイカ(B):23.2÷(5.9+23.2)=0.797(79.7vol%)
※アルミナ(D)+マイカ(B)の比重は、マイカ(比重2.7)の量が少ないので、アルミナ(比重3.9)の一部と考えて、比重3.9とした。
以上のように、実施例1−4で熱伝導フィラー(B+D)の容量割合は「76.6vol%」
実施例1−6で同「79.7vol%」である。従って、アルミナを「76〜80vol%」配合している近時の他社特許文献を公知例とすることとし、公知例1(特開2007−277406号公報)と公知例2(2004−175812号)を抽出した。
実施例1−6で同「79.7vol%」である。従って、アルミナを「76〜80vol%」配合している近時の他社特許文献を公知例とすることとし、公知例1(特開2007−277406号公報)と公知例2(2004−175812号)を抽出した。
(公知例1と実施例1の比較)
そして、実施例1を公知例1と比較してみる。公知例1の試験結果を図13に示す。図13の表によれば、公知例1のアルミナ充填率(配合率)は「77vol%」で、実施例1の範囲内(「76〜80vol%」)である。公知例1の場合、最も高い熱伝導率「8.0w/mk」、平均熱伝導率「6.2w/mk」である。これに対して、実施例1の場合、実施例1−4で熱伝導率「9.1w/mk」、実施例1−6で熱伝導率「15.5w/mk」である。この公知例1との比較において、1段階混練方式よりも実施例1の採用する2段階混練方式の方が確実に熱伝導率の高いことが客観的に証明されたものと考える。
そして、実施例1を公知例1と比較してみる。公知例1の試験結果を図13に示す。図13の表によれば、公知例1のアルミナ充填率(配合率)は「77vol%」で、実施例1の範囲内(「76〜80vol%」)である。公知例1の場合、最も高い熱伝導率「8.0w/mk」、平均熱伝導率「6.2w/mk」である。これに対して、実施例1の場合、実施例1−4で熱伝導率「9.1w/mk」、実施例1−6で熱伝導率「15.5w/mk」である。この公知例1との比較において、1段階混練方式よりも実施例1の採用する2段階混練方式の方が確実に熱伝導率の高いことが客観的に証明されたものと考える。
(公知例2と実施例1の比較)
また、実施例1を公知例2と比較してみる。公知例2の試験結果を図14に示す。図14の表(表2)によれば、公知例2(実施例10)のアルミナ充填率(配合率)は「80vol%」で、実施例1−6の場合とほぼ同様である。公知例2(実施例10)では、熱伝導率「11.0w/mk」である。これに対して、実施例1−6では、熱伝導率「15.5w/mk」である。この公知例2との比較においても、やはり1段階混練方式よりも実施例1の採用する2段階混練方式の方が確実に熱伝導率の高いことが客観的に証明されたものと考える。
また、実施例1を公知例2と比較してみる。公知例2の試験結果を図14に示す。図14の表(表2)によれば、公知例2(実施例10)のアルミナ充填率(配合率)は「80vol%」で、実施例1−6の場合とほぼ同様である。公知例2(実施例10)では、熱伝導率「11.0w/mk」である。これに対して、実施例1−6では、熱伝導率「15.5w/mk」である。この公知例2との比較においても、やはり1段階混練方式よりも実施例1の採用する2段階混練方式の方が確実に熱伝導率の高いことが客観的に証明されたものと考える。
(実施例2)
実施例2として、図7は、伝熱フィラー86%固定時の伝熱架橋材の違いによる熱伝導率を示す表であり、図8は、それをグラフにしたものである。
実施例2は、以下の配合物を「2段階混練方式」によって混練し、熱伝導性樹脂組成物を製造した。
・実施例2−1
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%(固定)
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜5%
・実施例2−2
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%(固定)
(B)伝熱架橋材 「板状アルミナ」住友大阪セメント製 0%〜5%
・実施例2−3
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%(固定)
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜5%
・実施例2−4
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%(固定)
(B)伝熱架橋材 「板状アルミナ」住友大阪セメント製 0%〜5%
この図7及び図8に示す表・グラフによって、以下のことが判明した。
(1)「マイカ」よりも「アルミナ」の方が熱伝導率は高いことから、架橋用に使用するフィラー(伝熱架橋材)が熱伝導性の高いものが良いことが判明した。
(2)熱可塑性樹脂(A)としての 「LCP(液晶ポリマー)」と伝熱架橋材(B)としての「アルミナ」は熱伝導性に関して相性がよい。
実施例2として、図7は、伝熱フィラー86%固定時の伝熱架橋材の違いによる熱伝導率を示す表であり、図8は、それをグラフにしたものである。
実施例2は、以下の配合物を「2段階混練方式」によって混練し、熱伝導性樹脂組成物を製造した。
・実施例2−1
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」ユニチカ製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%(固定)
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜5%
・実施例2−2
(A)熱可塑性樹脂 「6ナイロン」
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%(固定)
(B)伝熱架橋材 「板状アルミナ」住友大阪セメント製 0%〜5%
・実施例2−3
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%(固定)
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜5%
・実施例2−4
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%(固定)
(B)伝熱架橋材 「板状アルミナ」住友大阪セメント製 0%〜5%
この図7及び図8に示す表・グラフによって、以下のことが判明した。
(1)「マイカ」よりも「アルミナ」の方が熱伝導率は高いことから、架橋用に使用するフィラー(伝熱架橋材)が熱伝導性の高いものが良いことが判明した。
(2)熱可塑性樹脂(A)としての 「LCP(液晶ポリマー)」と伝熱架橋材(B)としての「アルミナ」は熱伝導性に関して相性がよい。
(実施例3)
実施例3として、図9は、伝熱架橋材の添加量(フィラー量)による流動性を示す表であり、図10は、それをグラフにしたものである。
実施例3は、以下の配合物を「2段階混練方式」によって混練し、熱伝導性樹脂組成物を製造した。なお、流動性の試験条件については、260℃ 50kg 1mm×1mm穴 90秒保温で行った。
・実施例3−1
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%(固定)
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜7%
・実施例3−2
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%(固定)
(B)伝熱架橋材 「板状アルミナ」住友大阪セメント製 0% 〜 7%
この図9及び図10に示す表・グラフによって、以下のことが判明した。
(1)伝熱架橋材(B)の充填適正量は、2〜3重量%が最も好適であり、5重量%が限界点(ボーダー)である。流動性が10000Pa・sを超えると射出成形が困難になるからである。なお、実施例3で、伝熱フィラー(D)を固定している理由は、伝熱フィラー(D)を減らすことにより熱伝導が下がってしまい、伝熱架橋材(B)を添加している意味がなくなるためである。
(2)上記実施例3−2の場合において、伝熱架橋材(B)の充填適正量が2重量%の時に同充填量0%の時よりも流動性が向上している。
実施例3として、図9は、伝熱架橋材の添加量(フィラー量)による流動性を示す表であり、図10は、それをグラフにしたものである。
実施例3は、以下の配合物を「2段階混練方式」によって混練し、熱伝導性樹脂組成物を製造した。なお、流動性の試験条件については、260℃ 50kg 1mm×1mm穴 90秒保温で行った。
・実施例3−1
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%(固定)
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜7%
・実施例3−2
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 「球状アルミナ」住友大阪セメント製 86%(固定)
(B)伝熱架橋材 「板状アルミナ」住友大阪セメント製 0% 〜 7%
この図9及び図10に示す表・グラフによって、以下のことが判明した。
(1)伝熱架橋材(B)の充填適正量は、2〜3重量%が最も好適であり、5重量%が限界点(ボーダー)である。流動性が10000Pa・sを超えると射出成形が困難になるからである。なお、実施例3で、伝熱フィラー(D)を固定している理由は、伝熱フィラー(D)を減らすことにより熱伝導が下がってしまい、伝熱架橋材(B)を添加している意味がなくなるためである。
(2)上記実施例3−2の場合において、伝熱架橋材(B)の充填適正量が2重量%の時に同充填量0%の時よりも流動性が向上している。
(実施例4)
実施例4として、図11は、伝熱架橋材の添加量(フィラー量)による「前駆体(C)」の熱伝導率を示す表であり、図12は、それをグラフにしたものである。
実施例4は、以下の配合物を「2段階混練方式」によって混練し、前駆体(C)を製造した。
・実施例4−1
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 0%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜10%
・実施例4−2
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 0%
(B)伝熱架橋材 「板状アルミナ」住友大阪セメント製 0%〜10%
この図11及び図12に示す表・グラフによって、以下のことが判明した。
(1)伝熱架橋材(B)をある程度まで添加しても、前駆体(C)の熱伝導率が1W/m・Kを超えることはない。
実施例4として、図11は、伝熱架橋材の添加量(フィラー量)による「前駆体(C)」の熱伝導率を示す表であり、図12は、それをグラフにしたものである。
実施例4は、以下の配合物を「2段階混練方式」によって混練し、前駆体(C)を製造した。
・実施例4−1
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 0%
(B)伝熱架橋材 「マイカ」山口雲母製 0%〜10%
・実施例4−2
(A)熱可塑性樹脂 「LCP(液晶ポリマー)」上野製薬製
(D)伝熱フィラー 0%
(B)伝熱架橋材 「板状アルミナ」住友大阪セメント製 0%〜10%
この図11及び図12に示す表・グラフによって、以下のことが判明した。
(1)伝熱架橋材(B)をある程度まで添加しても、前駆体(C)の熱伝導率が1W/m・Kを超えることはない。
本願発明は、放熱特性に優れた熱伝導性樹脂組成物として、以下のようなものに利用できるが、これらに限定されるものではない。
(1)例えば、巻き線コイルを有するモーター、トランス等の構造部品
(2)発光LEDやランプを内蔵する電子機器で、光を発することによりこれが熱源に
もなるために、放熱を要求される機器
(3)半導体等のチップのパッケージ、ケース等
即ち、電流が流れると熱が発生し、それによって当該部品に動作上の制限(定格値)が必要となるものや、安定動作保証が問題となる全ての部品に有効である。
(1)例えば、巻き線コイルを有するモーター、トランス等の構造部品
(2)発光LEDやランプを内蔵する電子機器で、光を発することによりこれが熱源に
もなるために、放熱を要求される機器
(3)半導体等のチップのパッケージ、ケース等
即ち、電流が流れると熱が発生し、それによって当該部品に動作上の制限(定格値)が必要となるものや、安定動作保証が問題となる全ての部品に有効である。
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂(A)と平均粒子径10μm以下でかつ1W/m・K以上の伝熱架橋材(B)との合計100重量部に対し、(A)80〜99.9重量部、(B)0.1〜20重量部を含有してなり、その均一混練物の熱伝導率が1W/m・K以下であることを特徴とする、熱伝導性樹脂組成物の前駆体(C)。
- 請求項1記載の前駆体(C)と、最大粒子径150μm以下でかつ熱伝導率1W/m・K以上の伝熱フィラー(D)との合計100重量部に対し、(C)5〜20重量部、(D)80〜95重量部となるように混練されたことを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂(A)と平均粒子径10μm以下でかつ1W/m・K以上の伝熱架橋材(B)との合計100重量部に対し、(A)80〜99.9重量部、(B)0.1〜20重量部を含有してなり、その均一混練物の熱伝導率が1W/m・K以下である熱伝導性樹脂組成物の前駆体(C)を製造する第1製造工程と、
第1製造工程で製造した前駆体(C)と、最大粒子径150μm以下でかつ熱伝導率1W/m・K以上の伝熱フィラー(D)との合計100重量部に対し、(C)5〜20重量部、(D)80〜95重量部となるように混練して熱伝導性樹脂組成物を製造する第2製造工程とを備えたことを特徴とする熱伝導性樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008314358A JP2009191250A (ja) | 2008-01-18 | 2008-12-10 | 熱伝導性樹脂組成物の前駆体、熱伝導性樹脂組成物および熱伝導性樹脂組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2008009600 | 2008-01-18 | ||
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Publications (1)
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ID=41073549
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006342192A (ja) * | 2005-06-07 | 2006-12-21 | Daisee Kogyo Kk | 電気絶縁性でかつ熱伝導性に優れた成形用樹脂 |
JP2009013227A (ja) * | 2007-07-02 | 2009-01-22 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 電気絶縁材料用の樹脂組成物及びその製造方法 |
-
2008
- 2008-12-10 JP JP2008314358A patent/JP2009191250A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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JP2009013227A (ja) * | 2007-07-02 | 2009-01-22 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 電気絶縁材料用の樹脂組成物及びその製造方法 |
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