以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。
図1に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、を有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部にわたる部分に、遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、内部にLEDを備える枠装飾装置141、音声を出力するスピーカ145,145などが設けられている。
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、枠施錠装置131が設けられている。この枠施錠装置131は、前面枠本体130を機枠110に対して施錠するとともに、クリア部材保持枠140を前面枠本体130に対して施錠するものであって、錠132の鍵穴133に鍵135を入れて一方(例えば時計回り方向)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば反時計回り方向)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置(図示略)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン(図示略)が設けられている。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ157などが設けられている。
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面に、ガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そしてこのガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1a内には、普図始動ゲート4と、普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器、普図変動表示ゲームを表示する普図表示器が設けられている。また、遊技領域1a内には、第1始動入賞口13(入賞装置)と、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置7(入賞装置)と、補助遊技としての特図変動表示ゲームの未処理回数を点灯表示する特図記憶表示器、特図変動表示ゲームを表示する特図表示器9が設けられている。なお、普図記憶表示器、普図表示器、特図記憶表示器、特図表示器は、遊技状態を表す遊技状態表示LEDと併せて、セグメントLEDとして一体に設けられており、このセグメントLEDが遊技機100の状態を表示する状態表示器8をなす。
さらに遊技領域1aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の扉部材80を有し、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口61を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置50、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。この他、遊技領域1aには、一般入賞口12,12,…、打球方向変換部材としての風車14、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するための普図始動センサが設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4内を通過すると、普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート4を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。なお、普図変動表示ゲームの始動記憶は、普図記憶表示器(状態表示器8)にて表示されるようになっている。
普図(普通図柄)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた普図表示器(状態表示器8)で実行されるようになっている。なお、画像表示装置41の表示部42の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、第1始動入賞口13の下部に配設され、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電SOL)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
また、本実施形態の遊技機100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が上述の長い実行時間よりも短くなるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置7の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置7が開放される場合に、開放時間が通常状態の短い開放時間より長くされるように制御される(例えば、0.3秒が1.8秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置7が1回ではなく、2回以上の複数回(例えば、2回)開放される。さらに、時短状態においては普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常状態より高くなるように制御される。すなわち、通常状態よりも普通変動入賞装置7の開放回数が増加される。
この普通変動入賞装置7と第1始動入賞口13は、特図変動表示ゲームの始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置7と第1始動入賞口13の内部(入賞領域)に備えられた特図始動センサによって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
この特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特図始動記憶)として記憶される。従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7もしくは第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、普通変動入賞装置7もしくは第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、特図変動表示ゲームの始動記憶は、特図記憶表示器(状態表示器8)にて表示されるようになっている。
補助遊技としての特図(特別図柄、識別情報)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた特図表示器9で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、画像表示装置41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、この特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器9の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して画像表示装置41の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、遊技機100に特図表示器9を備えずに、画像表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、本実施形態の遊技機100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態においては、上述の時短状態に加え、特図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常状態より高くなるように制御される。
また、遊技領域1aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部22を形成するセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部22の後方には、画像表示装置41が配されるようになっている。この画像表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部42がセンターケース20の窓部22を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、画像表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
入賞装置としての特別変動入賞装置50は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の扉部材80によって開閉される大入賞口61を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口61を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口61内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、扉部材80は、例えば、駆動装置としてのソレノイド(大入賞口開閉SOL51)により駆動される。また、大入賞口61の内部(入賞領域)には、該大入賞口61に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントセンサ62が配設されている。
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための入賞口センサが配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、第1始動入賞口13、特別変動入賞装置50等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置によって排出される(払い出される)ようになっている。
また、遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御装置、この遊技制御装置の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置を備え、これらの制御装置によって、例えば以下のような制御を行う。
遊技制御装置では、普図始動ゲート4に備えられた普図始動センサからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出して判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電SOLを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、普通変動入賞装置7、第1始動入賞口13に備えられた特図始動センサからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図の大当たり判定用乱数値を抽出して判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。また、この他に変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御信号(演出コマンド)を、演出制御装置に出力する。そして、特図表示器9に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置では、遊技制御装置からの制御信号に基づき、画像表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理や、スピーカ145,157からの音の出力、枠装飾装置141としての装飾ランプLEDを制御する処理を行う。
そして、遊技制御装置は、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図表示器9に特別の結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理においては、例えば、大入賞口開閉SOL51により特別変動入賞装置50の扉部材80を開放し、大入賞口61内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口61に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口61の開放から所定時間(例えば25秒または1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口61を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回または2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図表示器9にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置は、各種入賞口に設けられたセンサ(特図始動センサ、カウントセンサ62、入賞口センサ)から入力される遊技球の検出信号に基づき、排出発射制御装置に制御信号を出力し、排出装置を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。
次に、特別変動入賞装置50の構成について説明する。上述したように、特別変動入賞装置50は、通常は大入賞口61を閉鎖して遊技球が流入できない閉状態とされ、特別遊技状態で大入賞口61を開放して遊技球が流入可能な開状態に変換されて、遊技者に所定の遊技価値(多量の賞球としての遊技球)の付与を可能とするものである。図2,3に示すように、この特別変動入賞装置50は、各種部材が取り付けられる本体部60と、該本体部60の前面に取り付けられ、特別変動入賞装置50を遊技盤本体1bに取り付けるためのベース部材70と、大入賞口61を開閉するための扉部材80と、該扉部材80を動作するための大入賞口開閉SOL51、リンク機構90を備える。
本体部60の前部には、所定の奥行きを有し、前方に開口する空間が形成されており、この空間が、遊技球が流入する大入賞口61となる。この大入賞口61の底面は、後方(奥側)へ向かって下るように傾斜するとともに、前面側から見て左側へ下るように傾斜しており、入賞した遊技球は左後部へ流下誘導されるようになっている。そして、傾斜下流側となる大入賞口61の底面における左後部には、大入賞口61に入賞した遊技球を外部へ排出する排出流路が形成され、この排出流路に通過する遊技球を検出するカウントセンサ62が設けられている。すなわち、カウントセンサ62により大入賞口61に入賞した遊技球のすべてが検出されるようになっている。カウントセンサ62は遊技球を検出することに基づき、遊技制御装置に検出信号を出力するようになっており、遊技制御装置ではこの検出信号に基づき、大入賞口61に入賞した遊技球を計数するとともに所定数の賞球を排出させる処理を行う。
また、本体部60における大入賞口61の後方にはLEDやレンズ部材が配されており、大入賞口61の内部を照らすことで光による装飾を行うようになっている。また本体部60の後部には、本体部60に設けられるカウントセンサ62、LED、大入賞口開閉SOL51と、各種制御装置との接続を中継する中継基板が備えられている。
本体部60の前面には、板状のベース部材70が取り付けられている。このベース部材70は正面から見て本体部60の前面よりも大きい面積を有しており、本体部60の前面を覆うように取り付けることで、ベース部材70の周縁が本体部60の周縁よりも外側へ延出した状態となる。特別変動入賞装置50は、遊技盤本体1bに形成された前後に貫通する取付孔に、遊技盤本体1bの前面側から挿入するように取り付けられるが、取付孔は本体部60が通過できる大きさであるとともに、ベース部材70が通過できない大きさに形成されている。よって、取付孔に遊技盤本体1bの前面側から挿入することでベース部材70の裏面が遊技盤本体1bの前面に当接し、遊技盤本体1bに対する特別変動入賞装置50の前後位置が決定される。さらに、ベース部材70にはねじ孔70aが形成されており、ねじにより特別変動入賞装置50を遊技盤本体1bに固定できるようになっている。また、ベース部材70の前面は遊技領域1aに露出して、遊技者から視認可能となる部分であり、この前面には装飾が施されているとともに、装飾部材71が取り付けられている。
ベース部材70の中央部には、大入賞口61が形成された位置に対応して矩形状の貫通孔72が形成されており、遊技領域1aに大入賞口61が開口するようになっている。また、このベース部材70の裏面側であって貫通孔72の左右における下部には、扉部材80の第一回動軸82を回動可能に軸支する扉部材支持部73が形成され、この扉部材支持部73により扉部材80が貫通孔72(大入賞口61)を開閉できるように取り付けられる。
ベース部材70に支持される扉部材80は、ベース部材70の貫通孔72と略同じ大きさを有する矩形板状の扉部81と、該扉部81の両側端に設けられた第一回動軸82と、扉部81の前面側から見た右端部に形成されたリンク部83とを備える。第一回動軸82は、扉部81の前面を垂直にした状態での両側端における下端をなす部分に、扉部81の左右方向に沿って外側へ延出するように設けられている。そして、扉部材80は、ベース部材70の裏面側であって貫通孔72の左右における下部に形成された扉部材支持部73により、第一回動軸82が遊技盤本体1bと平行かつ水平な状態で回動可能に支持されるようになっている。このように軸支された扉部材80の回動範囲は、扉部81の前面が略垂直となってベース部材70と略平行となり貫通孔72を閉鎖する位置と、この状態から上端が前方に傾倒して扉部81の前面が略水平となり貫通孔72を開放する位置との間とされている。これにより、特別変動入賞装置50は、大入賞口61を閉鎖して遊技球の流入を不能とする閉状態と、大入賞口61を開放して遊技球の流入を可能とする開状態とに変換可能となる。
また、図5に示すように、扉部81の前面側から見た右端部に形成されたリンク部83は、駆動源をなす大入賞口開閉SOL51からリンク機構90を介して伝達される駆動力を受ける受動部(第一受動面84a、第二受動面85a、第三受動面85b)と、リンク機構90の第二リンク部材92に形成された係止部99により係止される係止手段53の一部をなす被係止部87とを備える。このリンク部83は、扉部81の側端から裏面側へ延出する板状の側壁部84と、扉部81の側端から裏面側へ延出するリブ状の後方延出部85と、該後方延出部85の側方へ突出する側方突出部86とを備える。
側壁部84は所定の厚みを有し、扉部81の前面を垂直にした状態での後端面の下半部が後方に向かって上るように傾斜している。この後端面の下半部が第一受動面84aとして受動部の一部をなす。後方延出部85は、扉部81の前面を垂直にした状態で、側壁部84の下方の位置から後方へ向かって下るように形成されたリブ状の部分である。この後方延出部85における上側の面は第二受動面85aとして受動部の一部をなし、下側の面は第三受動面85bとして受動部の一部をなす。後方延出部85の側方へ突出する側方突出部86は、扉部81の前面を垂直にした状態で、後方延出部85の下方に延出している。また、後方延出部85の下端部には、後方延出部85の下側の面である第三受動面85bと所定の距離をおいて上下に重なるように被係止部87が突設されている。第三受動面85bと被係止部87との間の距離は、扉動作部95の第二延出部97に形成された係止部99が第三受動面85bと被係止部87との間を通過可能な距離であって、後述するようにこの第三受動面85bと被係止部87との間が間隙部88をなす。
リンク機構90は、駆動源をなす大入賞口開閉SOL51のプランジャ51aに取り付けられた第一リンク部材91と、該第一リンク部材91と接続するとともに扉部材80の受動部に当接する第二リンク部材92とを備える。駆動源をなす大入賞口開閉SOL51は、プランジャ51aが前方に延出し、前後方向に沿って動作するような向きで本体部60における前面側から見た右後部に取り付けられている。この大入賞口開閉SOL51のプランジャ51aの先端(前端)に、第一リンク部材91が取り付けられている。
第一リンク部材91は、図3に示すように、プランジャ51aとの接続部と対向する端部に、プランジャ51aの延在方向と直交する方向に貫通する連結孔91bを備える連結部91aが形成されている。この第一リンク部材91は、連結部91aが前側に位置するとともに、連結孔91bが左右方向に沿って貫通するような向きでプランジャ51aに取り付けられる。そして、本体部60によって案内されて、プランジャ51aの前後移動に伴って前後にスライド移動するようになっている。このように本体部60に配された第一リンク部材91の前方には、第二リンク部材92が配されている。
第二リンク部材92は、本体部60に軸支される第二回動軸93と、第一リンク部材91と連結するための連結軸94と、扉部材80を動作させるための扉動作部95とを備える。この第二リンク部材92は、第二回動軸93が左右方向に沿うように、本体部60に形成された軸受部によって回動可能に支持されている。
連結軸94は、第二回動軸93と延在方向が平行となるように形成された円柱状の軸部であり、第二回動軸93が本体部60により軸支された状態では、第二回動軸93の上方に位置するようになっている。この連結軸94は、第一リンク部材91の連結孔91bに挿入されるようになっており、これにより第一リンク部材91と第二リンク部材92が接続するようになっている。そして、大入賞口開閉SOL51のプランジャ51aを前後に動作することで、第一リンク部材91を介して連結軸94が前後に動作され、第二リンク部材92が第二回動軸93を中心に回動するようになっている。なお、連結孔91bは上下に長い長孔とされ、前後方向に動作する第一リンク部材91の連結孔91b内で、第二回動軸93を中心に回動する第二リンク部材92の連結軸94が上下に移動できるようにされている。
扉動作部95は、第一延出部96と第二延出部97とが空間部98を挟んで対向するように形成された略C字型をしており、第二回動軸93が本体部60に軸支された状態では、上から、第一延出部96、空間部98、第二延出部97の順に並んで、第二回動軸93の前方に位置するようになっている。そして、大入賞口開閉SOL51により、第二リンク部材92が第二回動軸93を中心に回動するように駆動されることで、第二回動軸93の前方に位置する扉動作部95が上下に動作するようになっている。また、第一延出部96の先端は、扉部材80の受動部(第一受動面84a、第二受動面85a、第三受動面85b)に当接して扉部材80を動作させる第一当接部95aをなし、第二延出部97の先端は、扉部材80の受動部に当接して扉部材80を動作させる第二当接部97aをなす。これらの第一当接部96a、第二当接部97aは、受動部と滑らかに接することができるように周面が曲面とされている。さらに、第二延出部97の側方には、扉部材80に形成された被係止部87を係止する係止手段53の一部をなす係止部99が突設されている。このように、係止手段53を第二リンク部材92に形成した係止部99と、扉部材80に形成した被係止部87とから構成することで、係止手段53を構成するために従来の機構から部品点数を増加させる必要がないので安価に実現可能となる。
以上のような構成を有する特別変動入賞装置50は、図5に示すように、扉部材80が大入賞口61を閉鎖した閉状態では、大入賞口開閉SOL51のプランジャ51aが最も前方に伸張した状態となっていて、第一リンク部材91が前後の移動範囲における前端に位置している。そして、第一リンク部材91に連結した第二リンク部材92は、右側の側面から見て、所定の回動範囲において最も反時計回り方向に回動した状態となり、扉動作部95が移動範囲における最も下側の位置にある状態となる。この状態では、扉動作部95の第一延出部96は、扉部材80のリンク部83に形成された第一受動面84aと第二受動面85aの間に位置している。また、扉動作部95の第二延出部97に形成された係止部99は、前側の面が扉部材80のリンク部83をなす側方突出部86に形成された被係止部87の後側の面に当接して係止し、被係止部87の後方への移動を規制するようになっている。これにより、扉部材80が、右側の側面から見て反時計回り方向へ回動すること、すなわち、特別変動入賞装置50が開状態となる方向へ回動することを規制するようになっている。よって、例えば、外部から扉部材80に対して、開状態へ変換する方向に力が加えられても扉部材80が開くことがなく、不正行為を防止できるようになっている。
図5に示す状態から、駆動源をなす大入賞口開閉SOL51を動作してプランジャ51aを退縮させることで、特別変動入賞装置50を開状態に変換できるようになっている。図5に示す状態から大入賞口開閉SOL51を動作してプランジャ51aを退縮させると、図6に示すように、第一リンク部材91が後方へ移動し、第一リンク部材91に連結した第二リンク部材92は、右側の側面から見て、時計回り方向に回動して扉動作部95が上方へ回動する。そして、扉動作部95の第一延出部96の第一当接部96aが、扉部材80のリンク部83に形成された第一受動面84aに当接する。また、扉動作部95の第二延出部97に形成された係止部99は、扉部材80のリンク部83をなす側方突出部86に形成された被係止部87と前後に重ならない位置に移動し、被係止部87の後方への移動の規制が解除される。また、第二延出部97の第二当接部97aが第三受動面85bに当接する。
図6に示す状態から、さらに大入賞口開閉SOL51を動作してプランジャ51aを退縮させると、図7に示すように、扉動作部95の第一延出部96の第一当接部96a、第二延出部97の第二当接部97aが、扉部材80のリンク部83に形成された第一受動面84a、第三受動面85bを上方へ押し上げる。これに伴い、扉部材80は右側の側面から見て反時計回り方向へ回動する。また、扉動作部95の第二延出部97に形成された係止部99は、被係止部87と第三受動面85bとの間の間隙部88に入るようになる。
図7に示す状態から、さらに大入賞口開閉SOL51を動作してプランジャ51aを退縮させると、図8に示すように、扉動作部95の第一延出部96の第一当接部96aが扉部材80のリンク部83に形成された第一受動面84aから離れる。そして、扉動作部95の第二延出部97の第二当接部97aのみが扉部材80のリンク部83に形成された第三受動面85bを上方へ押し上げるようになる。これに伴い、扉部材80は右側の側面から見てさらに反時計回り方向へ回動する。このとき、扉部材80の大部分の重量を占める扉部81が、第一回動軸82よりも前方に位置する状態となっており、これ以降、扉部材80は自重により上端が前方へ倒れるように回動するようになる。
図8に示す状態から、さらに大入賞口開閉SOL51を動作してプランジャ51aを退縮させると、図9に示すように、扉部材80が前方へ倒れて大入賞口61が開放された開状態となる。この状態では、大入賞口開閉SOL51のプランジャ51aが最も後方に退縮した状態となっていて、第一リンク部材91が前後の移動範囲における後端に位置している。そして、第一リンク部材91に連結した第二リンク部材92は、右側の側面から見て、所定の回動範囲において最も時計回り方向に回動した状態となり、扉動作部95が移動範囲における最も上側の位置にある状態となる。
また、大入賞口61を閉鎖する場合には、図9に示す状態から大入賞口開閉SOL51を動作してプランジャ51aを伸張させるようにする。これにより、第一リンク部材91が前方へ移動し、第一リンク部材91に連結した第二リンク部材92は、右側の側面から見て反時計回り方向に回動する。このとき、まず扉動作部95の第一延出部96の第一当接部96aが扉部材80のリンク部83に形成された第二受動面85aに当接し、下方へ押し下げるようになり、これに伴い扉部材80は、右側の側面から見て時計回り方向に回動する。さらに、プランジャ51aを退縮させると係止部99の後端と被係止部87の前端が接触する。係止部99の後端および被係止部87の前端は曲面とされ、係止部99を間隙部88へ誘導するようになっており、これによりさらに扉部材80は右側の側面から見て時計回り方向に回動する。その後、プランジャ51aが最も前方に伸張した状態となると、図5に示すように、扉部材80が大入賞口61を閉鎖した閉状態となる。また、扉動作部95の第二延出部97に形成された係止部99が、扉部材80のリンク部83をなす側方突出部86に形成された被係止部87を係止し、被係止部87の後方への移動を規制する状態となる。
次に鍵リンク機構160について説明する。上述したように、扉部材80は係止手段53により係止されて閉状態を維持するようになっているが、例えば、特別変動入賞装置50内で球詰まり等の不具合が発生し、扉部材80を開かなければいけない事態が発生した場合に、係止手段53による係止を解除する手段として鍵リンク機構160が設けられている。この鍵リンク機構160は、図2から4に示すように、遊技盤1に配される遊技盤配設部161と、前面枠本体130に配設される前面枠本体配設部162とから構成されている。
遊技盤配設部161は特別変動入賞装置50の側部から遊技盤1の側端にかけて、遊技盤本体の裏面に配される部分であって、第一カバー部材163と、該第一カバー部材163の内側に配される第一リンク棒164とを備える。第一カバー部材163は、延在方向に垂直な断面形状がコ字状とされた部材で、開口する面が前側となるように遊技盤本体1bの裏面に取り付けられるようになっている。これにより、前側の開口する面が遊技盤本体1bの裏面で閉鎖されて矩形筒状の空間が形成され、この空間内に第一リンク棒164が配されるようになっている。また、第一カバー部材163における矩形筒状の空間の内側の面であって、遊技盤本体1bの裏面と対向して配される面には、前後方向に沿って前方へ延出する回動軸163aが形成されている。そして、この回動軸163aにより第一リンク棒164が回動可能に軸支される。
第一リンク棒164は棒状の部材で、第一カバー部材163の回動軸163aにより軸支される軸受部164aが略中央に形成されている。また、特別変動入賞装置50側に配される端部には、第二リンク部材92に当接する当接部164bが形成され、遊技盤1の側端側に配される端部には、第二リンク棒166と接続するための接続部164cが形成されている。
当接部164bは、本体部60に形成された貫通孔63を介して、第二リンク部材92の下側に位置するように配され、第一リンク棒164が回動軸163aを中心に、前面側から見て時計回り方向へ回動することで、第二リンク部材92の下部に当接するとともに、上方へ押し上げることができるようになっている。また、図12に示すように、当接部164bが当接する位置は第二回動軸93よりも前側となる位置であり、第一リンク棒164は、第二リンク部材92を、第二回動軸93を中心として上方へ回動させるように押圧する。第一リンク棒164により押し上げられることによる第二リンク部材92の動作方向は、特別変動入賞装置50を開状態へ変換する際の動作方向である。このように、第一リンク棒164が第二リンク部材92を特別変動入賞装置50が開状態へ変換する方向へ押圧するようにしたことで、部品のガタを受けにくく確実に動作させることが可能となる。
図2から4に示すように、接続部164cは、軸受部164aの延在方向と平行な接続孔164dを有しており、この接続孔164dが形成された接続部164cの後方は、第一カバー部材163で覆われずに後方に露出した状態となっている。遊技盤1は前面枠本体130の前面側から取り付けるようにされており、接続孔164dが後方に露出した状態とされていることで、遊技盤1を前面枠本体130に取り付けることに伴い、接続孔164dに第二リンク棒166の接続軸166aが後方から挿入されるようになっている。また、第二リンク棒166の接続軸166aが挿入される側である接続孔164dの後端は、テーパ状に拡径するように形成され、接続軸166aと容易に接続できるようにされている。
前面枠本体配設部162は、前面枠本体130に設けられた枠施錠装置131に隣接して、遊技盤1を取り付ける開口部内に突出するように配されるようになっており、錠132から遊技盤1に設けられる上述の遊技盤配設部161にかけて配される。この前面枠本体配設部162は、第二カバー部材165と、該第二カバー部材165の内側に配される第二リンク棒166とを備える。
第二カバー部材165は、延在方向に垂直な断面形状がコ字状とされた部材で、開口する面が前側となるように、遊技盤1を取り付ける開口部の側壁に沿って取り付けられるようになっている。これにより、前側の開口する面が、開口部に取り付けられる遊技盤1を構成する遊技盤本体1bの裏面で閉鎖されて矩形筒状の空間が形成され、この空間内に第二リンク棒166が配されるようになっている。また、第二カバー部材165は、枠施錠装置131の錠132に隣接する前面側から見て右側の側面の上端部に、切欠状の開口165aが形成されている。また、遊技盤配設部161に隣接する前面側から見て左側の側面の下端部にも切欠状の開口165bが形成されている。この切欠状の開口165a,165bを介して、第二カバー部材165の内部に配される第二リンク棒166と、錠132の可動片134および第一リンク棒164とが接続されるようになっている。
第二リンク棒166は棒状の部材で、遊技盤配設部161側に配される端部には、第一リンク棒164と接続するための接続軸166aが形成され、枠施錠装置131側に配される端部には、錠132の可動片134に押圧される被押圧部166bが形成されている。この第二リンク棒166は、延在方向が上下方向に沿うように配されるとともに、第二カバー部材165に設けられる図示しない案内部材により案内されて、上下方向に沿って移動するようになっている。また、第二リンク棒166は、接続軸166aが前後方向に沿って延在するように配されるようになっており、遊技盤1を前面枠本体130の開口に取り付けることにより、遊技盤1の裏面に配された上述の第一リンク棒164の接続孔164dに対して、接続軸166aが後方から挿入されるようになっている。
被押圧部166bは、錠132と隣接する位置に設けられ、機枠110と前面枠本体130との施錠の解除および前面枠本体130とクリア部材保持枠140との施錠を解除するため可動片134により押圧される部分である。錠132の可動片134は、鍵穴133に鍵135を挿入して回動することで動作するようになっており、前面枠本体130とクリア部材保持枠140との施錠を開錠する方向である、鍵135を前面側から見て反時計回り方向へ回すことで、被押圧部166bを下方に押し下げるようになっている。
このように、鍵リンク機構160が遊技盤配設部161と前面枠本体配設部162とに分離可能であることで、遊技盤1を交換する場合に、鍵リンク機構160の一部を前面枠本体130に残すことが可能となり、鍵リンク機構160の一部を再利用可能となる。
以上のことから、鍵リンク機構160は、前面枠本体130に配される前面枠本体配設部162と、遊技盤1に配される遊技盤配設部161と、に分離可能であることとなる。
このように構成される鍵リンク機構160は、鍵135により錠132を操作していない状態では、図10,11に示すように、第一リンク棒164の当接部164bが、第二リンク部材92の下側に位置するようになっている。なお、特別変動入賞装置50が閉状態となっている状態では、第二リンク部材92は、右側の側面から見て、所定の回動範囲において最も反時計回り方向に回動した状態となる。よって、第二リンク部材92における第二回動軸93よりも前側の部分は、移動範囲における最も下側の位置にある状態となるが、このときでも当接部164bは第二リンク部材92の下側には当接しない状態となっている。
この状態から、クリア部材保持枠140を前面枠本体130に対して開放するために、図12,13に示すように、錠132の鍵穴133に鍵135を挿入して反時計回り方向に回動すると、錠132の可動片134により第二リンク棒166が下方に押し下げられる。これに伴い第一リンク棒164は、第二リンク棒166と接続する接続部164cが押し下げられ、回動軸163aを中心として前面側から見て時計回り方向に回動して、当接部164bが上方へ移動し、第二リンク部材92を上方へ押し上げる。これにより第二リンク部材92は、図6に示すように、右側の側面から見て時計回り方向に回動して扉動作部95が上方へ回動することとなる。そして、扉動作部95の第二延出部97に形成された係止部99が、扉部材80のリンク部83をなす側方突出部86に形成された被係止部87と前後に重ならない位置に移動し、被係止部87の後方への移動の規制が解除される。
このように係止を解除した状態では、扉部材80を手で開くことが可能となり、特別変動入賞装置50内で発生した不具合等を解消することができる。よって、不正に扉部材80を開放する行為を防止した上でメンテナンスを容易にすることができる。すなわち、遊技領域1aの前面を覆うクリア部材保持枠140を正当な手段で開けたときに係止が解除されるので、クリア部材保持枠140を開放できる鍵135を持つ者(店員)のみが扉部材80を開放できることとなり、確実に扉部材80を不正に開放する行為を防止した上でメンテナンスを容易にすることができる。
なお、鍵リンク機構160や特別変動入賞装置50の構成は上述の構成に限られるものではない。また、入賞装置として特別変動入賞装置50を示したが、他の変動入賞装置(普通変動入賞装置7など)に本発明を適用しても良い。
以上のことから、前面に遊技領域1aが形成された遊技盤1と、遊技盤1を保持する前面枠本体130と、該前面枠本体130の前面に回動可能に取り付けられ、遊技領域1aを前方から視認可能な状態で覆うクリア部材を備えるクリア部材保持枠140と、前面枠本体130に対して、クリア部材保持枠140が遊技領域1aを覆った状態で回動不能となるように施錠する枠施錠装置131と、を備え、遊技領域1aに遊技球を発射して遊技を行う遊技機100において、遊技領域1aに、遊技球が入賞する入賞装置(特別変動入賞装置50)を備え、入賞装置は、遊技球が流入可能な入賞口(大入賞口61)と、入賞口を開閉する扉部材80と、扉部材80を駆動するための駆動源(大入賞口開閉SOL51)と、を備え、駆動源が扉部材80を駆動することにより、扉部材80が入賞口を閉鎖して遊技球の流入を不能とする閉状態と、扉部材80が入賞口を開放して遊技球の流入を可能とする開状態と、に変換されるようにし、閉状態で扉部材80を係止して開状態への変換を不能とするとともに、閉状態から駆動源を動作することにより扉部材80の係止を解除して開状態への変換を可能とする係止手段53を備え、枠施錠装置131における前面枠本体130に対するクリア部材保持枠140の施錠の解除動作に連動して、係止手段53による係止を解除する鍵リンク機構160を備えたこととなる。
また、扉部材80を遊技盤1と平行かつ水平な第一回動軸82を中心として回動するようにし、入賞装置(特別変動入賞装置50)に、第一回動軸82と平行な第二回動軸93を中心として回動し、駆動源(大入賞口開閉SOL51)の駆動力を扉部材80に伝達するリンク部材(第二リンク部材92)を備えるリンク機構90を備え、駆動源がリンク機構90を介して扉部材80を駆動することにより、扉部材80が入賞口(大入賞口61)を閉鎖して遊技球の流入を不能とする閉状態と、扉部材80が入賞口を開放して遊技球の流入を可能とする開状態と、に変換されるようにし、係止手段53を、リンク部材に形成した係止部99と扉部材80に形成した被係止部87とから構成し、該係止手段53は、閉状態では係止部99が被係止部87を係止して開状態への変換を不能とし、閉状態から駆動源によりリンク部材を動作することにより被係止部87の係止を解除して開状態への変換を可能とするようにしたこととなる。
また、鍵リンク機構160は、リンク部材(第二リンク部材92)を開状態への変換方向へ押圧することで係止手段53による係止を解除するようにしたこととなる。
なお、上述した実施形態の遊技機の変形例として、鍵135の操作のみで特別変動入賞装置50を開状態に変換できるようにしても良い。このような構成とする場合は、錠132における鍵135(可動片134)の回動範囲を大きくするとともに、鍵リンク機構160の動作範囲を大きくする。そして、枠施錠装置131の錠132において、鍵135を初期位置から所定の第一回動角度だけ回動させると、前面枠本体130に対するクリア部材保持枠140の施錠を解除するようにし、さらに所定の第一回動角度よりも大きい所定の第二回動角度まで回動できるようにする。
また、鍵リンク機構160においては、鍵135を第一回動角度だけ回動させ場合に、第二リンク部材92を図6に示すような係止手段53による係止が解除される第一位置に移動させるように構成する。さらに、鍵リンク機構160においては、鍵135を第二回動角度まで回動させた場合に、第二リンク部材92を図9に示すように、特別変動入賞装置50が開状態となった状態における第二位置へ移動させて扉部材80を開放させるように構成する。このようにすることで、鍵135の操作だけで扉部材80を開くことが可能となり、利便性が向上する。
以上のことから、鍵リンク機構160は、枠施錠装置131における前面枠本体130に対するクリア部材保持枠140の施錠の解除動作の進行に連動して、リンク部材(第二リンク部材92)を係止手段53による係止が解除される第一位置に移動させるとともに、第一位置からリンク部材を開状態における第二位置へ移動させて扉部材80を開放させるようにしたこととなる。
以上のような遊技機100は、前面に遊技領域1aが形成された遊技盤1と、遊技盤1を保持する前面枠本体130と、該前面枠本体130の前面に回動可能に取り付けられ、遊技領域1aを前方から視認可能な状態で覆うクリア部材を備えるクリア部材保持枠140と、前面枠本体130に対して、クリア部材保持枠140が遊技領域1aを覆った状態で回動不能となるように施錠する枠施錠装置131と、を備え、遊技領域1aに遊技球を発射して遊技を行う遊技機であって、遊技領域1aに、遊技球が入賞する入賞装置(特別変動入賞装置50)を備え、入賞装置は、遊技球が流入可能な入賞口(大入賞口61)と、入賞口を開閉する扉部材80と、扉部材80を駆動するための駆動源(大入賞口開閉SOL51)と、を備え、駆動源が扉部材80を駆動することにより、扉部材80が入賞口を閉鎖して遊技球の流入を不能とする閉状態と、扉部材80が入賞口を開放して遊技球の流入を可能とする開状態と、に変換されるようにし、閉状態で扉部材80を係止して開状態への変換を不能とするとともに、閉状態から駆動源を動作することにより扉部材80の係止を解除して開状態への変換を可能とする係止手段53を備え、枠施錠装置131における前面枠本体130に対するクリア部材保持枠140の施錠の解除動作に連動して、係止手段53による係止を解除する鍵リンク機構160を備えている。
したがって、係止手段53は閉状態では扉部材80を係止して開状態への変換を不能とするので、扉部材80に対して、外部から扉部材80を不正に開く方向へ力が加えられても扉部材80が開くことがなく、不正行為を防止できる。また、枠施錠装置131における前面枠本体130に対するクリア部材保持枠140の施錠の解除動作に連動して、係止手段53による係止を解除する鍵リンク機構160を備えるので、不正に扉部材80を開放する行為を防止した上でメンテナンスを容易にすることができる。例えば、入賞装置内で球詰まり等が発生し、扉部材80を開かなければいけない事態が発生した場合に、遊技領域1aの前面を覆うクリア部材保持枠140を正当な手段で開けたときに係止が解除されるので、クリア部材保持枠140を開放できる鍵135を持つ者(店員)のみが扉部材80を開放できることとなり、確実に扉部材80を不正に開放する行為を防止した上でメンテナンスを容易にすることができる。
また、扉部材80を遊技盤1と平行かつ水平な第一回動軸82を中心として回動するようにし、入賞装置(特別変動入賞装置50)に、第一回動軸82と平行な第二回動軸93を中心として回動し、駆動源(大入賞口開閉SOL51)の駆動力を扉部材80に伝達するリンク部材(第二リンク部材92)を備えるリンク機構90を備え、駆動源がリンク機構90を介して扉部材80を駆動することにより、扉部材80が入賞口(大入賞口61)を閉鎖して遊技球の流入を不能とする閉状態と、扉部材80が入賞口を開放して遊技球の流入を可能とする開状態と、に変換されるようにし、係止手段53を、リンク部材に形成した係止部99と扉部材80に形成した被係止部87とから構成し、該係止手段53は、閉状態では係止部99が被係止部87を係止して開状態への変換を不能とし、閉状態から駆動源によりリンク部材を動作することにより被係止部87の係止を解除して開状態への変換を可能とするようにしている。
したがって、係止手段53をリンク部材に形成した係止部99と扉部材80に形成した被係止部87とからなる係止手段53を備えるので、扉部材80に対して、外部から扉部材80を不正に開く方向へ力が加えられても扉部材80が開くことがなく、不正行為を防止できる。また、係止手段53をリンク部材に形成した係止部99と扉部材80に形成した被係止部87とから構成したので、係止手段53を構成するために従来の機構から部品点数を増加させる必要がないので、安価に実現可能である。
また、鍵リンク機構160は、前面枠本体130に配される前面枠本体配設部162と、遊技盤1に配される遊技盤配設部161と、に分離可能である。
したがって、鍵リンク機構160は、前面枠本体130に配される前面枠本体配設部162と、遊技盤1に配される遊技盤配設部161と、に分離可能であるので、遊技盤1を交換する場合に、鍵リンク機構160の一部を枠側に残すことが可能となり、鍵リンク機構160の一部を再利用可能となる。
また、鍵リンク機構160は、リンク部材(第二リンク部材92)を開状態への変換方向へ押圧することで係止手段53による係止を解除するようにしている。
したがって、鍵リンク機構160は、リンク部材を開状態への変換方向へ押圧することで係止手段による係止を解除するので、部品のガタを受けにくく確実に動作させることが可能である。
また、鍵リンク機構160は、枠施錠装置131における前面枠本体130に対するクリア部材保持枠140の施錠の解除動作の進行に連動して、リンク部材(第二リンク部材92)を係止手段53による係止が解除される第一位置に移動させるとともに、第一位置からリンク部材を開状態における第二位置へ移動させて扉部材80を開放させるようにしている。
したがって、鍵リンク機構160は、枠施錠装置131における前面枠本体130に対するクリア部材保持枠140の施錠の解除動作の進行に連動して、リンク部材を係止手段53による係止が解除される第一位置に移動させるとともに、第一位置からリンク部材を開状態における第二位置へ移動させて扉部材80を開放させるので、鍵135の操作だけで入賞装置を開くことが可能となり、利便性が向上する。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。