JP2009188750A - 原稿読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】読み取った画像の明るさのムラを抑制することができる原稿読取装置を提供する。
【解決手段】本発明の原稿読取装置は、画像原稿を読み取るために光源121を副走査方向へ移動させる各位置で、光源121の位置が主走査方向へずれる位置ズレ量を1ライン分の画像に含まれる画素の数を単位として検出し、予め各画素に関連付けて記憶してあるシェーディング補正データ(基準データ)を用いてシェーディング補正を行う際に、イメージセンサ15が出力する画素値に対して、位置ズレ量だけ画像上でずれた画素に関連付けられたシェーディング補正データを対応させてシェーディング補正を行う。同じ光量分布の元で得られた画素値とシェーディング補正データとを対応させることができ、シェーディング補正が正確に行われ、明るさのムラの発生を抑制した画像データが生成される。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の原稿読取装置は、画像原稿を読み取るために光源121を副走査方向へ移動させる各位置で、光源121の位置が主走査方向へずれる位置ズレ量を1ライン分の画像に含まれる画素の数を単位として検出し、予め各画素に関連付けて記憶してあるシェーディング補正データ(基準データ)を用いてシェーディング補正を行う際に、イメージセンサ15が出力する画素値に対して、位置ズレ量だけ画像上でずれた画素に関連付けられたシェーディング補正データを対応させてシェーディング補正を行う。同じ光量分布の元で得られた画素値とシェーディング補正データとを対応させることができ、シェーディング補正が正確に行われ、明るさのムラの発生を抑制した画像データが生成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、原稿画像を光学的に読み取る原稿読取装置に関し、より詳しくは、原稿画像を読み取った画像の明るさのムラの発生を抑制することができる原稿読取装置に関する。
原稿に記録された原稿画像を光学的に読み取って画像データを生成する原稿読取装置は、スキャナ装置又は複写装置として広く利用されている。通常の原稿読取装置では、冷陰極管又はLED(Light Emitting Diode)等を用いた光源からの光を原稿に照射し、原稿上で反射した光の明るさをCCD(Charge Coupled Device )センサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等のイメージセンサで検出することによって、原稿の読み取りを行う。光源及びイメージセンサはライン状に構成されており、イメージセンサは原稿を読み取った1ライン分の画像を表す画像データを出力し、原稿又は光源を移動させることによって原稿の全体が読み取られる。また原稿読取装置では、レンズ等の光学系を用い、原稿からの光を集光させてイメージセンサへ導くように構成されているものが多い。
ところで、原稿読取装置では、光源の輝度ムラ、光学系の光学特性による周辺減光、及びイメージセンサ上の受光素子間での感度のバラツキ等の原因により、イメージセンサで検出できる光の明るさは主走査方向(ラインに沿った方向)に不均一となる。そこで、従来の原稿読取装置は、主走査方向に均一な明るさで画像データを生成できるようにシェーディング補正を行う機能を備えている。具体的には、輝度分布が一様な標準の白色画像を読み取り、読み取った白色画像を表す画像データを記憶しておき、原稿画像を読み取ったときに、イメージセンサが出力する画像データを白色画像の画像データで除することにより、主走査方向の明るさの不均一性を補正する。特許文献1には、シェーディング補正を行う原稿読取装置の例が開示されている。
特開平4−236569号公報
原稿を読み取るためにライン状の光源を副走査方向(ラインに交差する方向)に移動させる構造の原稿読取装置では、光源が副走査方向へ移動する際に、組立誤差等のために光源の位置が主走査方向に若干変動する。光源の位置が主走査方向へずれた場合は、主走査方向の光量分布が変化し、光量の変化に応じてイメージセンサが出力する画像データが変化するので、シェーディング補正を正確に行うことができなくなる。従って、従来の原稿読取装置では、光源の移動に起因して、原稿画像を読み取った画像の明るさにムラが発生するという問題がある。特に、光源として複数のLEDを主走査方向に並べたLEDアレイを用いている原稿読取装置は、LEDの輝度にバラツキがあるので、画像の明るさにムラが発生し易い。特許文献1には、このような問題の解決手段は開示されていない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、副走査方向に移動する光源の主走査方向への位置変動に応じたシェーディング補正を行うことにより、読み取った画像の明るさのムラを抑制することができる原稿読取装置を提供することにある。
本発明に係る原稿読取装置は、線状に構成してあり、原稿からの反射光を受光し、受光した光量に応じて、原稿画像を読み取った1ライン分の画像に含まれる複数の画素の明るさを示す複数の画素値からなる画像データを出力するイメージセンサと、線状に構成してあり、前記イメージセンサの長手方向に対応する方向である主走査方向を長手方向にして配置され、主走査方向に交差する副走査方向に移動しながら原稿に光を照射する光源と、所定の白色物体に対して前記光源が光を照射した場合の反射光を受光した前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値に応じた基準データを、各画素に関連付けて記憶する手段と、前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値に対して、前記基準データを用いてシェーディング補正を行う補正手段とを備える原稿読取装置において、前記光源が副走査方向へ移動する際に前記光源の主走査方向の位置が所定の基準位置からずれる位置ズレ量を検出するズレ検出手段と、前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値に対して、前記補正手段がシェーディング補正を行うために対応させるべき基準データを、前記画像データを得るために前記光源が原稿に光を照射したときの位置ズレ量に応じた量だけ各画素から画像上で位置をずらした画素に関連付けられた基準データへ変更する変更手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、原稿読取装置は、画像原稿を読み取るために光源を副走査方向へ移動させる各位置で、光源の位置が主走査方向へずれる位置ズレ量を検出し、1ライン分の画像に含まれる各画素に関連付けて予め記憶されたシェーディング補正データを用いてシェーディング補正を行う際に、イメージセンサが出力した画素値に対して、検出した位置ズレ量に応じた量だけ各画素から画像上で位置をずらした画素に関連付けられたシェーディング補正データを対応させてシェーディング補正を行う。
本発明に係る原稿読取装置は、前記ズレ検出手段は、前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる画素値に対応する画素の数を単位にして位置ズレ量を検出するように構成してあり、前記変更手段は、前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値に対して、前記補正手段がシェーディング補正を行うために対応させるべき基準データを、前記ズレ検出手段が検出した位置ズレ量が表す画素数だけ各画素から画像上で位置をずらした画素に関連付けられた基準データへ変更するように構成してあることを特徴とする。
本発明においては、原稿読取装置は、光源の位置が主走査方向へずれる位置ズレ量を画素の数を単位にして検出し、シェーディング補正を行う際に、イメージセンサが出力した画素値に対して、位置ズレ量だけ画像上でずれた画素に関連付けられたシェーディング補正データを対応させてシェーディング補正を行う。
本発明に係る原稿読取装置は、前記イメージセンサが受光する光量の長手方向の分布を、少なくとも一箇所に周囲との光量差が所定の大きさ以上となるマーカ部分を含む分布にすることができるように構成してあり、前記ズレ検出手段は、前記光源が副走査方向へ移動する間に前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値を取得する手段と、各画素値に対応する画素の内、前記マーカ部分の光量に応じた画素値に対応する画素であるマーカ画素を、画素間での画素値の差に基づいて特定する手段と、特定したマーカ画素と前記光源の副走査方向の位置が所定の基準位置にある状態で特定したマーカ画素との間の画素数を前記位置ズレ量として取得する手段とを有することを特徴とする。
本発明においては、原稿読取装置は、イメージセンサが受光する光量の分布を、周囲との光量差が所定の大きさ以上となるマーカ部分を含む分布となるようにし、画素値がマーカ部分に対応する値となるマーカ画素を特定し、特定したマーカ画素と光源が基準位置にある状態でのマーカ画素との間の画素数を位置ズレ量とする。
本発明に係る原稿読取装置は、前記光源は、原稿読取時に原稿が配置される範囲の外側へ光を照射する範囲外照射部分を含んでおり、前記光源の前記範囲外照射部分から光を照射される位置に、前記光源と一体に移動する反射板を備え、前記反射板は、主走査方向の少なくとも一箇所に周囲と反射率が異なる部分を設けてあることを特徴とする。
本発明においては、原稿読取装置は、光源から原稿範囲外に照射される光を反射する反射板を、光源と一体に移動可能に備えてあり、反射板の主走査方向の少なくとも一箇所は周囲と反射率が異なるようにしてある。反射板の反射率が異なる部分で反射した光は、イメージセンサが受光する光量の分布中でマーカ部分となる。
本発明に係る原稿読取装置は、前記光源から光を照射される位置に反射板を着脱可能にし、前記反射板を装着した状態で前記反射板が前記光源と一体に移動するように構成してあり、前記反射板は、装着した状態で主走査方向の少なくとも一箇所に周囲と反射率が異なる部分を設けてあり、前記ズレ検出手段は、前記反射板を装着している状態で前記位置ズレ量を検出するように構成してあることを特徴とする。
本発明においては、原稿読取装置は、光源からの光を反射する反射板を、光源と一体に移動可能に装着することが可能であり、反射板の主走査方向の少なくとも一箇所は周囲と反射率が異なるようにしてある。反射板を装着した状態では、光源からの光が反射板で反射し、反射板の反射率が異なる部分で反射した光は、イメージセンサが受光する光量の分布中でマーカ部分となり、位置ズレ量を検出することが可能となる。
本発明に係る原稿読取装置は、前記光源は、原稿読取時に原稿が配置される範囲の外側へ光を照射する範囲外照射部分を含んでおり、前記範囲外照射部分には、主走査方向の少なくとも一箇所に周囲と輝度が異なる部分を設けてあり、前記光源の前記範囲外照射部分から照射された光を前記イメージセンサに受光させる手段を更に備えることを特徴とする。
本発明においては、原稿読取装置は、光源の原稿範囲外へ光を照射する部分には、主走査方向の少なくとも一箇所に輝度が周囲と異なる部分を設けてある。輝度が周囲と異なる部分からの光は、イメージセンサが受光する光量の分布中でマーカ部分となる。
本発明に係る原稿読取装置は、前記光源からの光が前記イメージセンサへ入射するまでの光路中に、前記光源と一体に移動し、前記光源からの光を反射するミラーを更に備え、前記光源は、原稿読取時に原稿が配置される範囲の外側へ光を照射する範囲外照射部分を含んでおり、前記ミラーには、前記範囲外照射部分からの光を反射する部分の少なくとも一箇所に、周囲と反射率が異なる部分を設けてあることを特徴とする。
本発明においては、原稿読取装置は、光源と一体に移動し、光源からの光を反射するミラーを備え、ミラーには、光源から原稿範囲外に照射される光を反射する部分の少なくとも一箇所に周囲と反射率が異なる部分を設けてある。ミラーの反射率が周囲と異なる部分で反射した光は、イメージセンサが受光する光量の分布中でマーカ部分となる。
本発明に係る原稿読取装置は、前記光源の主走査方向の少なくとも一箇所での輝度が周囲と異なった輝度になるように、前記光源の輝度分布を変更する輝度変更手段を更に備え、前記ズレ検出手段は、前記輝度変更手段が前記光源の輝度分布を変更した状態で前記位置ズレ量を検出するように構成してあることを特徴とする。
本発明においては、原稿読取装置は、光源の輝度分布を変更することが可能であり、光源の主走査方向の少なくとも一箇所での輝度が周囲と異なった輝度となった状態で、位置ズレ量を検出する。輝度が周囲と異なる部分からの光は、イメージセンサが受光する光量の分布中でマーカ部分となる。
本発明に係る原稿読取装置は、前記光源の副走査方向の各位置に関連付けて、各位置について前記ズレ検出手段が検出した位置ズレ量を記憶する記憶手段を更に備え、前記変更手段は、前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値に対して、前記補正手段がシェーディング補正を行うために対応させるべき基準データを、前記画像データを得るために前記光源が原稿に光を照射したときの前記光源の副走査方向の位置に関連付けて前記記憶手段が記憶する位置ズレ量に応じた量だけ各画素から画像上で位置をずらした画素に関連付けられた基準データへ変更するように構成してあることを特徴とする。
本発明においては、原稿読取装置は、光源の副走査方向の各位置で検出した位置ズレ量を記憶しておき、予め検出して記憶してある位置ズレ量を用いてシェーディング補正を行う。
本発明に係る原稿読取装置は、予め定められた所定のタイミングで、前記光源の副走査方向の各位置についての位置ズレ量を前記ズレ検出手段に検出させる手段を更に備えることを特徴とする。
本発明においては、原稿読取装置は、電源投入時等の所定のタイミングで位置ズレ量を検出し、検出した位置ズレ量を記憶することにより、使用者が格別な調整作業を行うこと無く最新の位置ズレ量が取得され、位置ズレ量の変化を反映させたシェーディング補正が行われる。
本発明に係る原稿読取装置は、前記光源は、複数のLEDを主走査方向に並べて構成してあることを特徴とする。
本発明においては、光源は複数のLEDを主走査方向へ並べたLEDアレイで構成されており、LEDの輝度のバラツキに起因する明るさのムラが打ち消される。
本発明にあっては、光源の位置が主走査方向にずれた状態でイメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値に対して、光源の位置ズレ量だけ画像上で位置がずれた画素に関連付けられたシェーディング補正データを対応させることにより、同じ光量分布の元で得られた画素値とシェーディング補正データとを対応させることができ、シェーディング補正を正確に行うことができる。従って、光源が副走査方向へ移動する際に主走査方向の位置が変動する場合であっても、シェーディング補正を正確に行い、明るさのムラの発生を抑制した画像データを生成することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、原稿読取装置の内部構成を示す模式的断面図である。原稿読取装置は、スキャナ装置として構成されるか、又は複写機若しくは複合機の一部として構成されている。原稿読取装置は、原稿に記録された原稿画像を光学的に読み取る読取部1と、原稿を原稿搬送路Fに沿って自動的に搬送する自動原稿送り装置(以下、ADF(Auto Document Feeder)と言う)2とを備えている。またADF2は、搬送された原稿の裏面に記録された画像を読み取る裏面読取部3を内部に備えている。読取部1とADF2とは図示しないヒンジによって連結されており、ADF2はヒンジの回動によって読取部1に対して開閉可能となっている。
(実施の形態1)
図1は、原稿読取装置の内部構成を示す模式的断面図である。原稿読取装置は、スキャナ装置として構成されるか、又は複写機若しくは複合機の一部として構成されている。原稿読取装置は、原稿に記録された原稿画像を光学的に読み取る読取部1と、原稿を原稿搬送路Fに沿って自動的に搬送する自動原稿送り装置(以下、ADF(Auto Document Feeder)と言う)2とを備えている。またADF2は、搬送された原稿の裏面に記録された画像を読み取る裏面読取部3を内部に備えている。読取部1とADF2とは図示しないヒンジによって連結されており、ADF2はヒンジの回動によって読取部1に対して開閉可能となっている。
読取部1は、筐体10と、筐体10の上面に設けられた透明なガラス板からなるプラテン板11とを備え、筐体10内には、光源121及び第1ミラー122を有する光源ユニット12、第2ミラー131及び第3ミラー132を有するミラーユニット13、レンズ14並びにイメージセンサ15が設けられている。イメージセンサ15は線状にフォトダイオード等の受光素子が並んだライン状のCCDセンサで構成されており、光源121は、イメージセンサ15の長手方向に対応する主走査方向に白色光を発光する複数のLEDが線状に並んだLEDアレイで構成されている。また光源ユニット12及びミラーユニット13は、主走査方向に交差する副走査方向へ移動可能になっている。図1では、紙面に対して垂直な方向を主走査方向、左右方向を副走査方向としている。なお、光源121は冷陰極管であってもよく、イメージセンサ15はCIS(Contact Image Sensor)であってもよい。
ADF2は、複数の原稿を重ねて載置可能な原稿載置台21と、画像読取後の原稿が載置される排紙トレイ26とを備え、ADF2の下面は、読取部1のプラテン板11上に載置された原稿を上から押さえる押さえ板27となっている。押さえ板27は、ADF2が開いている場合にプラテン板11の上面を開放し、ADF2が閉じている場合にはプラテン板11を間に介して光源121と対峙している。またADF2は、内部に、原稿載置台21に載置された原稿を1枚ずつ内部へ呼び込む呼び込みローラ22、呼び込まれた原稿を原稿搬送路Fに沿って搬送する複数対の搬送ローラ23、給紙タイミングを調節するレジストローラ24、及び読み取り後の原稿を排紙トレイ26へ排出する排紙ローラ25を備えている。
裏面読取部3は、光源31、第1ミラー32、第2ミラー33、第3ミラー34、第4ミラー35、レンズ36及びイメージセンサ37を備えるユニット状に構成されている。ユニット状の裏面読取部3は、ADF2内で、略U字状に弧を描く原稿搬送路F内に収まるように配設されている。図1中には、読取部1及び裏面読取部3の内部での光路を破線で示している。
読取部1は、使用者が原稿をプラテン板11上に載置して原稿画像の読み取りを行う原稿固定方式と、ADF2によって自動的に原稿を搬送しながら原稿画像を読み取る原稿移動方式との両方式に対応している。原稿固定方式によって原稿画像を読み取る場合、光源ユニット12及びミラーユニット13は、まず、原稿固定方式による走査の開始位置に位置する。なお、走査の開始位置には、主走査方向に明るさをほぼ一様にした白色物体である基準白板16が筐体10の上面に設けられている。その後、光源121が原稿に対して光を照射しながら、光源ユニット12は一定の速度で副走査方向へ移動し、同時にミラーユニット13は光源ユニット12の移動速度の1/2の移動速度で同じく副走査方向へ移動する。光源121から照射され原稿から反射した光は、第1ミラー122で反射してミラーユニット13へ入射し、ミラーユニット13の第2ミラー131及び第3ミラー132によって光路を180°変換される。第3ミラー132で反射した光はレンズ14を通ってイメージセンサ15に結像し、イメージセンサ15は結像した光を電気的な画像データに変換して出力する。イメージセンサ15が出力する画像データは、原稿画像を読み取った1ライン分の画像を表す画像データであり、1ライン分の画像に含まれる各画素での明るさを示す画素値からなる。
原稿移動方式によって原稿画像を読み取る場合、光源ユニット12及びミラーユニット13は原稿移動方式用の読取位置に位置し、ADF2によって読取位置の上部を通過するように原稿が搬送される。図1中には、光源ユニット12及びミラーユニット13が原稿移動方式用の読取位置に位置した状態を示している。読取位置では筐体10の上面は透明に構成されており、光源121は搬送される原稿に対して光を照射し、原稿の表面側から反射された光は、原稿固定方式と同様の経路を通ってイメージセンサ15に結像し、イメージセンサ15は光を電気的な画像データに変換する。
原稿読取装置は、読取部1及び裏面読取部3を利用して、原稿の両面を読み取ることができる。原稿の両面読み取りを行う場合は、裏面読取部3は、原稿搬送路Fを搬送される原稿の裏面側の画像を読み取る。具体的には、読取部1によって原稿の表面側が読み取られた後、該原稿は原稿搬送路Fに沿って排紙トレイ26へ向けて搬送される間に、裏面読取部3の光源31の下方を通過する。この際に光源31は原稿の裏面へ光を照射し、原稿の裏面で反射した光は、第1ミラー32、第2ミラー33、第3ミラー34及び第4ミラー35で順次反射した後、レンズ36を通ってイメージセンサ37に結像する。イメージセンサ37は結像した光を電気的な画像データに変換して出力する。
図2は、実施の形態1に係る原稿読取装置の電気的構成の主要部を示すブロック図である。原稿読取装置は、演算を行うCPU、演算に伴う情報を記憶するRAM、演算に必要なプログラムを記憶するROM等からなる制御部41を備え、制御部41は、原稿読取装置の各部の動作を制御する処理を行う。制御部41には、記憶部42が接続され、記憶部42には画像処理部43が接続されており、画像処理部43にはイメージセンサ15及びイメージセンサ37が接続されている。更に、イメージセンサ15及びイメージセンサ37が光を受光して電気的な画像データへ変換するタイミングを規定した同期信号を出力する同期信号発生器410が備えられている。画像処理部43は、イメージセンサ15及びイメージセンサ37からのデータを取り込み、ページ単位で電気的な画像データを生成する処理を行う。記憶部42は、半導体メモリ、ハードディスク又は光ディスク等で構成されており、制御部41によって制御される制御中のデータ、及び各種の指示内容を記憶する。また記憶部42は、画像処理部43が生成した画像データ、及び画像データから変換された文字列のコードからなる文書を記憶する。
制御部41及び記憶部42には、原稿読取装置の外部にあるコンピュータ又はプリンタ等の外部機器と通信を行う通信部44が接続されている。通信部44は、画像処理部43が生成した画像データを外部機器へ送信する。また通信部44は、外部機器から送信されてきたデータを原稿読取装置で処理できるデータへ展開するためのメモリを備えている。操作パネル部49は、筐体10がADF2よりも突出した部分の上面に設けられており、原稿読取時の動作モードを指定する指示等の各種の指示を使用者の操作により受け付ける。
また原稿読取装置は、読取部駆動モータ48及びローラ駆動モータ46を備え、読取部駆動モータ48はドライバ47を介して制御部41に接続され、ローラ駆動モータ46はドライバ45を介して制御部41に接続されている。読取部駆動モータ48は、原稿固定方式によって原稿画像を読み取る場合に光源ユニット12及びミラーユニット13を適宜の速度で副走査方向に移動させるためのモータであり、制御部41からの制御により、ドライバ47によって駆動制御される。ローラ駆動モータ46は、原稿搬送路Fに配置された呼び込みローラ22、搬送ローラ23、レジストローラ24及び排紙ローラ25等の各ローラを駆動するモータであり、制御部41からの制御により、ドライバ45によって駆動制御される。
図3は、実施の形態1に係る画像処理部43の内部構成を示すブロック図である。イメージセンサ37からの画像データは、増幅器431bで増幅され、A/D変換器432bによってデジタル信号に変換された後、シェーディング補正部433bでシェーディング補正が行われる。シェーディング補正が行われた画像データは、画像データ生成部434bへ入力される。イメージセンサ37が出力する画像データは、1ライン分の画像を表す画像データであり、画像データ生成部434bは、シェーディング補正部433bからの画像データを蓄積し、ページ単位で画像データを生成する処理を行う。画像データ生成部434bが生成した画像データは、記憶部42に記憶される。
シェーディング補正部433bには、シェーディング補正を行うために必要なシェーディング補正データを記憶するシェーディング補正データ記憶部435bが接続されている。シェーディング補正データは、明るさがほぼ一様な標準の白色画像を読み取ったときにイメージセンサ37が出力する画像データに応じたデータである。イメージセンサ37が出力する画像データが表す1ライン分の画像に含まれる画素Aでのシェーディング補正データS(A)は、予め定められている定数をRとし、白色画像を読み取ったときの画素Aでの画素値をUとすると、S(A)=R/Uである。原稿画像をイメージセンサ37で読み取ったときの画素Aでの画素値にシェーディング補正データS(A)を乗ずることにより、シェーディング補正部433bはシェーディング補正を行う。標準の白色画像をイメージセンサ37で読み取ってシェーディング補正データを作成する処理は例えば原稿読取装置の製造時に行われ、シェーディング補正データ記憶部435bは、画素毎にシェーディング補正データを記憶する。
イメージセンサ15からの画像データは、増幅器431aで増幅され、A/D変換器432aによってデジタル信号に変換された後、シェーディング補正部(補正手段)433a及びマーカ検出部438へ入力される。また光源121が基準白板16へ光を照射して基準白板16で反射した反射光を受光したイメージセンサ15からの画像データは、A/D変換後にシェーディング補正データ算出部439へ入力される。シェーディング補正データ算出部439は、基準白板16からの反射光を受光したイメージセンサ15が出力する画像データに含まれる画素値Uから、画素値に対応する画像Aでのシェーディング補正データS(A)=R/Uの計算を行うことにより、イメージセンサ15が出力する画像データが表す1ライン分の画像に含まれる複数の画素毎にシェーディング補正データを算出する。シェーディング補正データ算出部439には、シェーディング補正データ記憶部435aが接続されており、シェーディング補正データ記憶部435aは、シェーディング補正データ算出部439が算出した画素毎のシェーディング補正データを各画素に関連付けて記憶する。例えば、シェーディング補正データ記憶部435aでは、各画素の番号とシェーディング補正データとが互いに関連付けられて記憶されている。シェーディング補正データ記憶部435aが記憶するシェーディング補正データは、本発明における基準データに相当する。
マーカ検出部438は、イメージセンサ15が出力する画像データに含まれる画素値を順に比較し、1ライン分の画像に含まれる画素中で周囲の画素との画素値の差が所定値以上となる画素を検出することにより、光源の特定部分から発光した光に応じた画素値に対応するマーカ画素を検出する処理を行う。マーカ検出部438はズレ量算出部437に接続されており、ズレ量算出部437は、マーカ画素となる画素の1ライン分の画像上での位置変化を算出することにより、光源121の主走査方向への位置ズレ量を画素数に換算して算出する処理を行う。例えば、ズレ量算出部437は、光源ユニット12がホームポジションに位置している状態でのマーカ画素の番号を、マーカ検出部438が検出したマーカ画素の番号から減算することにより、画素数の単位で、光源121の主走査方向への位置ズレ量を算出する。マーカ検出部438及びズレ量算出部437は、本発明におけるズレ検出手段に相当する。
シェーディング補正データ記憶部435a及びズレ量算出部437には、変更部436が接続されており、変更部436はシェーディング補正部433aに接続されている。ズレ量算出部437は算出した位置ズレ量を変更部436へ入力し、変更部436は各画素に関連付けて記憶されたシェーディング補正データをシェーディング補正データ記憶部435aから読み出す。更に変更部436は、画像データに含まれる各画素値に対応させるべきシェーディング補正データを、ズレ量算出部437が算出した位置ズレ量だけ画像上で位置をずらした画素に関連付けられたシェーディング補正データへ変更する処理を行う。シェーディング補正部433aは、画像データに含まれる各画素値に、変更部436が変更したシェーディング補正データを乗ずることによって、画像データのシェーディング補正を行う。
シェーディング補正部433aでシェーディング補正が行われた画像データは、画像データ生成部434aへ入力される。画像データ生成部434aは、シェーディング補正部433aからの1ライン分の画像データを蓄積し、ページ単位で画像データを生成する処理を行う。画像データ生成部434aが生成した画像データは、記憶部42に記憶される。
図4は、実施の形態1に係る読取部1の筐体10の上面を示す模式的平面図である。筐体10の上面には、光源121からの光が通過する矩形状のプラテン板11が配置されており、プラテン板11が占める範囲は、原稿読取時に原稿が載置される原稿範囲となる。筐体10の上面では、プラテン板11の周囲にもスペースがあり、プラテン板11が占める範囲以外のスペースは、原稿読取時に原稿が載置される範囲の外側である原稿範囲外となる。プラテン板11の外側には、主走査方向を長手方向とした矩形の基準白板16が配置されている。基準白板16は主走査方向に明るさがほぼ一様な白色物体であり、基準白板16の真下は開口部又は透明部となっており、筐体10内部から基準白板16に光が照射可能である。読取部1は、光源ユニット12が原稿固定方式による走査の開始位置にある状態で光源121からの光が基準白板16に照射されるように構成されている。
図5は、実施の形態1に係る光源ユニット12の内部を示す模式図である。図5(a)は光源ユニット12の模式的断面図であり、光路を破線で示している。光源ユニット12には、光源121,121と、光源121,121からの光を反射して第1ミラー122へ入射する反射板123が備えられている。光源121,121は、2箇所から原稿へ光を照射する構成となっている。なお、本発明の原稿読取装置は、1箇所の光源121から原稿へ光を照射する構成であってもよい。図5(b)は、光源121の模式的正面図である。光源121は、複数のLEDが主走査方向に線状に並んだLEDアレイで構成されている。図6は、実施の形態1に係る光源121及び反射板123の位置関係を上側から見た模式的平面図である。光源121は、プラテン板11の主走査方向の長さよりも長くなっており、プラテン板11に載置された原稿に対して光を照射できる原稿範囲よりも外側の原稿範囲外へ光を照射する部分(範囲外照射部分)を含んでいる。図4には、光源121を破線で示しており、平面視でプラテン板11が占める範囲である原稿範囲に加えて、原稿範囲の外側の原稿範囲外にまで光源121が形成されている。反射板123は、矩形に形成され、長手方向を光源121の長手方向と平行にして、光源121から原稿範囲外へ照射された光が入射する位置に配置されている。光源121から原稿範囲へ照射される光は反射板123には入射しないようになっている。
図7は、実施の形態1に係る反射板123の反射面を示す模式図である。反射板123の反射面は、光源121からの光を反射し易いように、鏡面又は白色面に構成されている。更に、反射面の主走査方向の一箇所に、黒ラインが形成された特異部分が設けられている。特異部分では、反射板123の他の部分に比べて反射率が小さく(例えば1/10以下)、特異部分では光はほとんど反射しないようになっている。特異部分の幅は、光源121が備えるLED一個の大きさ、又はイメージセンサ15が出力する画像データが表す一ライン分の画像に含まれる画素に対応する大きさであることが望ましい。
次に、以上の構成でなる本実施の形態に係る原稿読取装置の動作を説明する。図8は、原稿固定方式で原稿画像を読み取る際に原稿読取装置が行う処理の手順を示すフローチャートであり、図9は、処理中に扱う信号を示す模式的特性図である。プラテン板11に原稿が載置された状態で、制御部41は、まず、ドライバ47に読取部駆動モータ48を駆動させて、光源ユニット12及びミラーユニット13を開始位置に配置させる(S101)。光源ユニット12の上側には、基準白板16が位置している。制御部41は、光源121の光を基準白板16へ照射させ、画像処理部43はシェーディング補正データを作成する処理を行う(S102)。
図9(a)は、同期信号発生器410が発生する同期信号を示し、横軸は時間を示す。同期信号はパルス信号でなり、原稿画像1ライン分を読み取るためのタイミングが規定されている。即ち、パルス信号を基準にして、受光したイメージセンサ15が画素値を順に出力するタイミングが規定されている。ステップS102では、光源121が照射した光は反射板123及び基準白板16で反射し、反射光はイメージセンサ15で受光され、イメージセンサ15は同期信号で規定されたタイミングで順に画素値を出力する。イメージセンサ15から出力された画素値でなる画像データは、増幅器431aで増幅され、A/D変換器432aでデジタル信号に変換された後、マーカ検出部438及びシェーディング補正データ算出部439へ入力される。
図9(b)は、光源ユニット12が開始位置にある状態でイメージセンサ15が出力する画像データを示し、横軸は画像データに含まれる画素値に対応する画素の番号を示し、縦軸は画素値を示す。画素値の分布は、イメージセンサ15が受光する光量の主走査方向の分布にほぼ対応する。光源121から照射された光の内、反射板123の特異部分に照射された光は反射光量が他の光に比べて著しく少なくなる。イメージセンサ15が受光する光量の分布中で、反射板123の特異部分で反射した光の光量が占める部分は、他の部分よりも光量が著しく小さく(例えば1/10以下)なったマーカ部分となる。従って、イメージセンサ15が出力する画像データに含まれる画素値に対応する画素の中には、画素値がマーカ部分の光量に応じた値となって他よりも著しく小さくなったマーカ画素が存在する。ステップS102では、マーカ検出部438は、後述するようにマーカ画素の画素番号を特定し、ズレ量算出部437は、光源ユニット12が開始位置にある状態でのマーカ画素の画素番号を記憶する。
更にステップS102では、シェーディング補正データ算出部439は、画素Aでの画素値をU、予め定められている定数をRとして画素Aでのシェーディング補正データS(A)をS(A)=R/Uと計算することにより、画像データに含まれる各画素値に対応する各画素でのシェーディング補正データを算出する。図9(c)は、算出した各画素でのシェーディング補正データを示し、横軸は画素番号を示す。シェーディング補正データ記憶部435aは、シェーディング補正データ算出部439が算出した各画素でのシェーディング補正データを各画素に関連付けて記憶する。
ステップS102が終了した後は、制御部41は、ドライバ47に読取部駆動モータ48を駆動させて、光源ユニット12及びミラーユニット13を副走査方向へ移動させることにより、原稿画像の最初の1ライン分を読み取れる位置へ光源ユニット12を移動させる(S103)。制御部41は、光源121に光をプラテン板11上の原稿へ照射させ、受光したイメージセンサ15は同期信号で規定されたタイミングで順に画素値を出力し、画像処理部43はイメージセンサ15から出力された画素値でなる画像データを取得する(S104)。画像データは、増幅器431aで増幅され、A/D変換器432aでデジタル信号に変換された後、マーカ検出部438及びシェーディング補正部433aへ入力される。
図9(d)は、光源ユニット12が開始位置から移動した状態でイメージセンサ15が出力する画像データを示し、横軸は画素番号を示し、縦軸は画素値を示す。光源ユニット12が副走査方向へ移動する際には、組立誤差等のために光源ユニット12の位置が主走査方向に変動する。このため、光源121上の特定の点から出た光を受光するイメージセンサ15上の受光位置は、光源ユニット12の位置の変動に伴って変動する。即ち、イメージセンサ15が受光する光量の分布が変化し、反射板123は光源ユニット12内で光源121と共に移動するので、マーカ部分の光を受光するイメージセンサ15上の位置が変化する。従って、マーカ部分の光量に応じた画素値に対応する画素であるマーカ画素は、イメージセンサ15が出力する画像データが表す1ライン分の画像上で元のマーカ画素とは位置が異なる別の画素となる。図中のP(A)は、画素Aでの画素値を示す。
マーカ検出部438は、次に、イメージセンサ15から出力された画像データに含まれる各画素値を、最初の画素値から順次比較し、画素値に対応する画素の内で隣接する画素との画素値の差が予め定められた所定量以上となる画素を、マーカ画素であると特定する(S105)。ズレ量算出部437は、次に、同期信号に基づき、マーカ検出部438が特定したマーカ画素の画素番号から、光源ユニット12が開始位置にあった状態でのマーカ画素の画素番号を減算することにより、特定したマーカ画素と光源ユニット12が開始位置にあった状態でのマーカ画素との間の画素数xを、位置ズレ量xとして算出する(S106)。位置ズレ量xは、光源ユニット12が開始位置にある状態での光源121の位置(基準位置)から光源121の位置が主走査方向へずれた位置ズレ量を、イメージセンサ15が出力する画像データが表す1ライン分の画像に含まれる画素の数を単位として定めた量である。ズレ量算出部437は、算出した位置ズレ量xを変更部436へ入力する。
変更部436は、次に、シェーディング補正部433aで行うシェーディング補正において各画素値に対応させるべきシェーディング補正データを、各画素値に対応する画素からズレ量算出部437が算出した位置ズレ量xだけ画像上で位置をずらした画素のシェーディング補正データへ変更する(S107)。ステップS107では、変更部436は、各画素値に対応する画素に関連付けて記憶されたシェーディング補正データをシェーディング補正データ記憶部435aから読み出し、画素Aにシェーディング補正データS(A−x)を対応させてシェーディング補正部433aへ入力する。ここで、S(A−x)は、シェーディング補正データ記憶部435aが記憶するシェーディング補正データの内、画像データが表す1ライン分の画像上で画素Aから画素数xだけ位置がずれた画素(A−x)に関連付けられたシェーディング補正データである。具体的には、例えば、変更部436は、画素Aの画素番号及びシェーディング補正データS(A−x)を互いに対応させてシェーディング補正部433aへ入力する。
図9(e)は、各画素に対応するシェーディング補正データを示し、横軸は画素番号を示し、縦軸はシェーディング補正データを示す。画素Aでの画素値に対してシェーディング補正データS(A−x)が対応しており、各画素での画素値に対して、画素数xだけ画像上での位置がずれた画素に関連付けて記憶されたシェーディング補正データが対応している。
シェーディング補正部433aは、次に、イメージセンサ15から出力された画像データに含まれる各画素値に、変更部436から各画素値に対応する画素に対応させて入力されたシェーディング補正データを乗ずることにより、イメージセンサ15が出力した画像データのシェーディング補正を行う(S108)。図9(f)は、シェーディング補正を行った後の画像データを示す。ステップS108では、シェーディング補正部433aは、画素Aでの画素値P(A)にシェーディング補正データS(A−x)を乗ずることにより、シェーディング補正後のデータQ(A)=P(A)・S(A−x)を計算する。シェーディング補正部433aは、シェーディング補正を行った1ライン分の画像データを画像データ生成部434aへ入力し、画像データ生成部434bはライン単位の画像データを蓄積する。
制御部41は、次に、プラテン板11に載置された原稿に記録された原稿画像の走査が最後まで完了したか否かを判定する(S109)。走査が最後まで完了していない場合は(S109:NO)、制御部41は、ドライバ47に読取部駆動モータ48を駆動させて、光源ユニット12及びミラーユニット13を副走査方向へ移動させることにより、光源ユニット12を1ライン分移動させる(S110)。制御部41は、次に、処理をステップS104へ戻し、次の1ライン分の原稿画像を読み取る処理を行う。
ステップS109で走査が完了している場合は(S109:YES)、画像データ生成部434bは、ライン単位で蓄積した画像データから、ページ単位での画像データを生成する(S111)。画像データ生成部434bは、生成したページ単位の画像データを記憶部42へ出力し、記憶部42は画像データを記憶する。制御部41は、次に、ドライバ47に読取部駆動モータ48を駆動させて、光源ユニット12及びミラーユニット13を開始位置へ戻し(S112)、処理を終了する。
以上詳述した如く、本発明においては、画像原稿を読み取るために光源ユニット12を副走査方向へ移動させる各位置で、光源121の位置が主走査方向へずれる位置ズレ量を、原稿画像を読み取った1ライン分の画像に含まれる画素の数を単位として検出する。予め各画素に関連付けて記憶されたシェーディング補正データを用いてシェーディング補正を行う際に、イメージセンサ15が出力する画像データに含まれる各画素値に対して、画素値に対応する画素から画像上で位置ズレ量だけずれた画素に関連付けられたシェーディング補正データを対応させてシェーディング補正を行う。予め各画素に関連付けて記憶されたシェーディング補正データは、光源121が基準位置にある状態でイメージセンサ15が受光した光量の分布に応じて定められたものであり、光源121の位置が主走査方向へずれた場合は、イメージセンサ15が受光する光量の分布が変化し、シェーディング補正を正確に行うことができない。本発明では、光源121の位置がずれた状態で得られた各画素値に対して、光源121の位置ズレ量だけ画像上で位置がずれた画素に関連付けられたシェーディング補正データを対応させることにより、同じ光量分布の元で得られた画素値とシェーディング補正データとを対応させることができ、シェーディング補正を正確に行うことができる。従って、本発明の原稿読取装置では、光源ユニット12が副走査方向へ移動する際に光源121の主走査方向の位置が変動する場合であっても、シェーディング補正を正確に行い、明るさのムラの発生を抑制した画像データを生成することが可能である。
また本実施の形態においては、光源121はLEDアレイで構成されている。LEDアレイに含まれる個々のLEDは輝度にバラツキがあるので、光源121の位置が主走査方向へ変動した場合は、イメージセンサ15が受光する光量の分布が大きく変化し、原稿読取装置が生成する画像データに明るさのムラが発生し易い。本発明においては、同じ光量分布の元で得られた画素値とシェーディング補正データとを対応させることができるので、光源121がLEDアレイであっても、LEDの輝度のバラツキに起因する明るさのムラが打ち消され、明るさのムラの発生を抑制することが可能である。光源121にLEDアレイを用いた原稿読取装置は、光源121に冷陰極管を用いた原稿読取装置に比べてコストを低減することができるので、本発明においては、生成する画像データの画質を低下させることなく原稿読取装置のコストを低減することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2においては、実施の形態1以外の方法を用いて光量の分布にマーカ部分を生成させる形態を示す。本実施の形態に係る原稿読取装置の内部構成、電気的構成、及び画像処理部43の内部構成は、図1、2及び3に示した実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
実施の形態2においては、実施の形態1以外の方法を用いて光量の分布にマーカ部分を生成させる形態を示す。本実施の形態に係る原稿読取装置の内部構成、電気的構成、及び画像処理部43の内部構成は、図1、2及び3に示した実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
図10は、実施の形態2に係る読取部1の筐体10の上面を示す模式的平面図である。筐体10の上面には、光源121からの光が通過する矩形状のプラテン板11が配置されており、プラテン板11が占める範囲は、原稿読取時に原稿が載置される原稿範囲となる。筐体10の上面では、プラテン板11の周囲にもスペースがあり、プラテン板11が占める範囲以外のスペースは原稿範囲外となる。プラテン板11の外側には、主走査方向を長手方向とした矩形の基準白板16と、副走査方向を長手方向とした矩形の副走査方向用白板17とが配置されている。基準白板16及び副走査方向用白板17は、明るさがほぼ一様な白色物体であり、基準白板16及び副走査方向用白板17の真下は開口部又は透明部となっており、筐体10内部から基準白板16及び副走査方向用白板17に光が照射可能である。基準白板16は、光源ユニット12が原稿固定方式による走査の開始位置にある状態で光源121から光を照射されるように構成される。
光源ユニット12の内部は、図5に示す実施の形態1に係る光源ユニット12から反射板123を除いた構成となる。図11は、実施の形態2に係る光源121の正面を示す模式的正面図である。光源121は、プラテン板11の主走査方向の長さよりも長く構成されており、原稿範囲よりも外側の原稿範囲外へ光を照射する部分(範囲外照射部分)を含んでいる。図10には、光源121を破線で示しており、平面視でプラテン板11が占める範囲である原稿範囲に加えて、原稿範囲の外側の原稿範囲外にまで光源121が形成されており、光源121から原稿範囲外へ照射された光は、副走査方向用白板17へ入射するように構成されている。また光源121は、LEDが主走査方向に並んだLEDアレイで構成されており、原稿範囲外へ光を照射する部分には、LEDが設けられていない部分であるLED一個分の幅の特異部分が存在している。特異部分にはLEDが設けられていないので、光源121の他の部分に比べて特異部分の輝度は著しく小さくなる。
以上の構成でなる本実施の形態に係る原稿読取装置の動作は、図8のフローチャートで示した実施の形態1と同様である。光源121から照射される光の内、原稿範囲外へ照射される光は、副走査方向用白板17で反射し、イメージセンサ15へ入射する。イメージセンサ15が受光する光量の分布中で、光源121の特異部分からの光の光量が占める部分は、他の部分よりも光量が著しく小さくなったマーカ部分となる。従って、イメージセンサ15が出力する画像データに含まれる画素値に対応する画素の中には、画素値がマーカ部分の光量に応じた値となって他よりも著しく小さくなったマーカ画素が存在する。本実施の形態においても、原稿読取装置は、実施の形態1と同様に、マーカ画素を検出し、検出したマーカ画素に基づいて光源121の主走査方向への位置ズレ量を検出し、検出した位置ズレ量を用いてシェーディング補正を行う。本実施の形態においても、光源121の位置がずれた状態で得られたイメージセンサ15が出力する画像データに含まれる画素値に対して、光源121の位置ズレ量だけ画像上で位置がずれた画素に関連付けられたシェーディング補正データを対応させることにより、シェーディング補正を正確に行うことができる。従って、本実施の形態においても、シェーディング補正を正確に行い、明るさのムラの発生を抑制した画像データを生成することが可能である。
なお、本実施の形態においては、光源121の一箇所で周囲よりも輝度を小さくすることにより、イメージセンサ15が受光する光量の分布中にマーカ部分を生成する形態を示したが、本発明は、光源121の一箇所で周囲よりも輝度を大きくすることによりマーカ部分を生成する形態であってもよい。図12は、実施の形態2に係る光源121の第2の構成例を示す模式的正面図である。光源121は、原稿範囲外へ光を照射する部分を含んでおり、原稿範囲外へ光を照射する部分には、一箇所の特異部分を除いてLEDが設けられていない。特異部分には、一個のLEDが設けられている。光源の原稿範囲外へ光を照射する部分の内、特異部分以外にはLEDが設けられていないので、特異部分では周囲に比べて輝度が著しく大きくなる。
図13は、実施の形態2に係る第2の構成例の光源121から照射された光を受光したイメージセンサ15が出力する画像データを示し、横軸は画素番号を示し、縦軸は画素値を示す。光源121から原稿範囲外へ照射される光は、副走査方向用白板17で反射し、イメージセンサ15へ入射する。イメージセンサ15が受光する光量の分布中で、光源121の特異部分からの光の光量が占める部分は、周囲よりも光量が著しく大きくなったマーカ部分となる。イメージセンサ15が出力する画像データに含まれる画素値に対応する画素の中には、画素値がマーカ部分の光量に応じた値となって他よりも著しく大きくなったマーカ画素が存在する。イメージセンサ15から出力された画像データに含まれる各画素値を、最初の画素値から順次比較し、画素値に対応する画素の内で隣接する画素との画素値の差が予め定められた所定量以上となる画素を、マーカ画素であると特定することにより、マーカ画素を検出することができる。検出したマーカ画素を用いることにより、光源121の主走査方向への位置ズレ量を検出し、検出した位置ズレ量を用いてシェーディング補正を行うことができる。従って、この構成例においても、シェーディング補正を正確に行い、明るさのムラの発生を抑制した画像データを生成することが可能である。
図14は、実施の形態2に係る光源ユニット12の第3の構成例を示す模式的平面図である。図中には、光源121及び第1ミラー122を示している。光源121は、原稿範囲外へ光を照射する部分を含んでおり、第1ミラー122は、光源121から原稿範囲外へ照射されて副走査方向用白板17で反射した光が入射する部分を含んでいる。第1ミラー122の反射面の内、光源121から原稿範囲外へ照射された光が入射する部分の一箇所に、黒ラインが形成された特異部分が設けられている。特異部分では、第1ミラー122の他の部分に比べて反射率が小さく、特異部分では光はほとんど反射しないようになっている。特異部分の幅は、光源121が備えるLED一個の大きさ、又はイメージセンサ15が出力する画像データが表す一ライン分の画像に含まれる画素に対応する大きさであることが望ましい。
光源121から照射される光の内、原稿範囲外へ照射される光は、副走査方向用白板17で反射し、第1ミラー122で反射してイメージセンサ15へ入射する。イメージセンサ15が受光する光量の分布中で、第1ミラー122の特異部分で反射した光の光量が占める部分は、他の部分よりも光量が著しく小さくなったマーカ部分となる。従って、イメージセンサ15が出力する画像データに含まれる画素値に対応する画素の中には、画素値がマーカ部分の光量に応じた値となって他よりも著しく小さくなったマーカ画素が存在する。実施の形態1と同様に、マーカ画素を検出し、検出したマーカ画素を用いることにより、光源121の主走査方向への位置ズレ量を検出し、検出した位置ズレ量を用いてシェーディング補正を行うことができる。この構成例においても、シェーディング補正を正確に行い、明るさのムラの発生を抑制した画像データを生成することが可能である。
なお、本実施の形態においては、光源121から原稿範囲外へ照射される光を副走査方向用白板17で反射させる形態を示したが、これに限るものではない。例えば、本実施の形態に係る原稿読取装置は、光源121から原稿範囲外へ照射される光を反射する反射板を光源ユニット12内に備えた形態であってもよい。
また、以上の実施の形態1及び2においては、原稿固定方式で原稿を読み取る都度、光源121の主走査方向への位置ズレ量を検出しながらシェーディング補正を行う形態を示したが、これに限るものではない。本発明の原稿読取装置は、光源ユニット12の副走査方向の位置と検出した光源121の主走査方向への位置ズレ量とを関連付けて記憶する手段を備え、記憶した位置ズレ量を用いてシェーディング補正を行う形態であってもよい。例えば、原稿読取装置は、一度検出した位置ズレ量を記憶し、一定の時間が経過するまで又は原稿の読み取りを所定回数行うまで同一の位置ズレ量を用いてシェーディング補正を行い、一定の時間が経過するか又は原稿の読み取りを所定回数行った都度、位置ズレ量の検出を行う形態であってもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3においては、光源121の主走査方向への位置ズレ量を検出する処理を行い、検出した位置ズレ量を記憶しておき、記憶した位置ズレ量を用いてシェーディング補正を行う形態を示す。本実施の形態に係る原稿読取装置の内部構成は、図1に示した実施の形態1の場合と同様であり、その説明を省略する。図15は、実施の形態3に係る原稿読取装置の電気的構成の主要部を示すブロック図である。原稿読取装置は、光源ユニット12の副走査方向の位置を検出する副走査位置検出部411を備える。副走査位置検出部411は、ドライバ47への制御信号に基づき、光源ユニット12の副走査方向の位置を検出し、検出した光源ユニット12の副走査方向の位置を画像処置部43へ入力する処理を行う。例えば光源ユニット12を1ライン分移動させるための制御信号が10パルスに相当するのであれば、副走査位置検出部411は、制御信号のパルスをカウントして光源ユニット12の副走査方向の位置を検出して画像処理部43へ入力する。原稿読取装置のその他の電気的構成は、図2に示した実施の形態1と同様であり、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。
実施の形態3においては、光源121の主走査方向への位置ズレ量を検出する処理を行い、検出した位置ズレ量を記憶しておき、記憶した位置ズレ量を用いてシェーディング補正を行う形態を示す。本実施の形態に係る原稿読取装置の内部構成は、図1に示した実施の形態1の場合と同様であり、その説明を省略する。図15は、実施の形態3に係る原稿読取装置の電気的構成の主要部を示すブロック図である。原稿読取装置は、光源ユニット12の副走査方向の位置を検出する副走査位置検出部411を備える。副走査位置検出部411は、ドライバ47への制御信号に基づき、光源ユニット12の副走査方向の位置を検出し、検出した光源ユニット12の副走査方向の位置を画像処置部43へ入力する処理を行う。例えば光源ユニット12を1ライン分移動させるための制御信号が10パルスに相当するのであれば、副走査位置検出部411は、制御信号のパルスをカウントして光源ユニット12の副走査方向の位置を検出して画像処理部43へ入力する。原稿読取装置のその他の電気的構成は、図2に示した実施の形態1と同様であり、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。
図16は、実施の形態3に係る画像処理部43の内部構成を示すブロック図である。ズレ量算出部437は、ズレ量記憶部4310に接続されており、ズレ量記憶部4310は変更部436に接続されている。更にズレ量記憶部4310には、副走査位置検出部411が接続されている。ズレ量記憶部4310は、副走査位置検出部411が検出した光源ユニット12の副走査方向の位置を入力され、ズレ量算出部437が算出した位置ズレ量を入力され、光源ユニット12の副走査方向の位置と光源121の主走査方向への位置ズレ量とを互いに関連付けて記憶する。画像処理部43のその他の構成は、図3に示した実施の形態3の場合と同様であり、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。また本実施の形態に係る筐体10の上面の外観は、図4に示した実施の形態1の場合と同様であり、その説明を省略する。
本実施においては、原稿読取装置の製造時又はメンテナンス時等の特定のタイミングで、光源121の主走査方向への位置ズレ量を検出するズレ検出処理を行う。本実施の形態に係る原稿読取装置は、光源ユニット12内に、光源121が発光した光を反射する反射板123を装着することが可能な構成となっており、反射板123が装着された状態でズレ検出処理が行われる。反射板123は、光源121が発光した光を反射して第1ミラー122へ入射する位置に備えられる。図17は、実施の形態3に係る光源121及び反射板123の位置関係を上側から見た模式的平面図である。反射板123は、矩形に形成され、長手方向を光源121の長手方向と平行に備えられ、原稿範囲に照射される光源121からの光が入射する位置に配置される。即ち、反射板123が装着された状態では、光源121から原稿範囲へ照射された光の一部は反射板123へ入射し、反射板123で反射される。反射板123の反射面は、図7に示した実施の形態1と同様であり、光源121からの光を反射し易いように鏡面又は白色面に構成され、更に、反射面の主走査方向の一箇所に、黒ラインが形成された特異部分が設けられている。特異部分では、反射板123の他の部分に比べて反射率が小さく、特異部分では光はほとんど反射しないようになっている。
次に、本実施の形態に係る原稿読取装置が行う動作を説明する。原稿読取装置は、反射板123を光源ユニット12内に装着した状態で、光源ユニット12が副走査方向へ移動する際の光源121の主走査方向への位置ズレ量を検出して記憶するズレ検出処理を行う。また原稿読取装置は、反射板123を外した状態で、記憶した位置ズレ量を用いてシェーディング補正を行いながら原稿を読み取る処理を行う。
図18は、実施の形態3に係る原稿読取装置が行うズレ検出処理の手順を示すフローチャートである。ズレ検出処理を実行する際には、例えばプラテン板11にダミーの原稿を載置しておけばよい。反射板123を光源ユニット12内に装着した状態で、制御部41は、ドライバ47に読取部駆動モータ48を駆動させて、光源ユニット12及びミラーユニット13を開始位置に配置させる(S201)。制御部41は、光源121に光を基準白板16へ照射させ、画像処理部43は光源ユニット12が開始位置に配置された状態でのマーカ画素を特定する処理を行う(S202)。ステップS202では、光源121が照射した光は反射板123及び基準白板16で反射し、反射光はイメージセンサ15で受光され、イメージセンサ15は複数の画素値でなる画像データを出力する。イメージセンサ15から出力された画像データは、マーカ検出部438へ入力される。
図19は、ズレ検出処理においてイメージセンサ15が出力する画像データを示す模式的特性図であり、横軸は画素番号を示し、縦軸は画素値を示す。光源121から原稿範囲へ照射された光の内、反射板123の特異部分に照射された光は反射光量が他の光に比べて著しく少なくなる。イメージセンサ15が受光する光量の分布中で、反射板123の特異部分で反射した光の光量が占める部分は、他の部分よりも光量が著しく小さくなったマーカ部分となる。従って、イメージセンサ15が出力する画像データに含まれる画素値に対応する画素の中には、画素値がマーカ部分の光量に応じた値となって他よりも著しく小さくなったマーカ画素が存在する。ステップS102では、マーカ検出部438は、後述する方法でマーカ画素の画素番号を特定し、ズレ量算出部437は、光源ユニット12が開始位置にある状態でのマーカ画素の画素番号を記憶する。
制御部41は、次に、ドライバ47に読取部駆動モータ48を駆動させて、光源ユニット12及びミラーユニット13を副走査方向へ移動させることにより、原稿画像の最初の1ライン分を読み取れる位置へ光源ユニット12を移動させる(S203)。制御部41は、光源121に光を原稿範囲へ照射させ、受光したイメージセンサ15は同期信号で規定されたタイミングで順に画素値を出力し、画像処理部43はイメージセンサ15から出力された画素値でなる画像データを取得する(S204)。イメージセンサ15からの画像データは、マーカ検出部438へ入力される。
マーカ検出部438は、次に、イメージセンサ15から出力された画像データに含まれる各画素値を順次比較することにより、マーカ画素を特定する(S205)。ズレ量算出部437は、次に、同期信号に基づき、マーカ検出部438が特定したマーカ画素の画素番号から、光源ユニット12が開始位置にあった状態でのマーカ画素の画素番号を減算することにより、位置ズレ量を算出する(S206)。副走査位置検出部411は、光源ユニット12の副走査方向の位置を検出し、検出した光源ユニット12の副走査方向の位置をズレ量記憶部4310へ入力する。ズレ量記憶部4310は、副走査位置検出部411が検出した光源ユニット12の副走査方向の位置と、ズレ量算出部437が算出した位置ズレ量とを互いに関連付けて記憶する(S207)。
制御部41は、次に、原稿範囲の走査が最後まで完了したか否かを判定する(S208)。走査が最後まで完了していない場合は(S208:NO)、制御部41は、ドライバ47に読取部駆動モータ48を駆動させて、光源ユニット12及びミラーユニット13を副走査方向へ移動させることにより、光源ユニット12を1ライン分移動させる(S209)。制御部41は、次に、処理をステップS204へ戻し、次の位置における位置ズレ量を検出する処理を行う。ステップS208で走査が完了している場合は(S208:YES)、制御部41は、ドライバ47に読取部駆動モータ48を駆動させて、光源ユニット12及びミラーユニット13を開始位置へ戻し(S210)、処理を終了する。ズレ検出処理が終了した後は、光源ユニット12内から反射板123が取り外される。
図20は、実施の形態3に係る原稿読取装置が原稿を読み取る処理の手順を示すフローチャートである。原稿を読み取る処理は、反射板123が取り外された状態で実行される。プラテン板11に原稿が載置された状態で、制御部41は、ドライバ47に読取部駆動モータ48を駆動させて、光源ユニット12及びミラーユニット13を開始位置に配置させる(S301)。制御部41は、次に、光源121に光を基準白板16へ照射させ、画像処理部43はシェーディング補正データを作成する処理を行う(S302)。反射板123は存在しないので、ステップS302では、光源121が照射した光は基準白板16で反射し、反射光はイメージセンサ15で受光される。イメージセンサ15から出力された画像データは、シェーディング補正データ算出部439へ入力される。イメージセンサ15が受光する光量の分布中には、他の部分と光量が著しく異なるマーカ部分が存在しない。シェーディング補正データ算出部439は、各画素でのシェーディング補正データを算出し、シェーディング補正データ記憶部435aは、各画素でのシェーディング補正データを各画素に関連付けて記憶する。
制御部41は、次に、ドライバ47に読取部駆動モータ48を駆動させて、光源ユニット12及びミラーユニット13を副走査方向へ移動させることにより、原稿画像の最初の1ライン分を読み取れる位置へ光源ユニット12を移動させる(S303)。制御部41は、光源121に光をプラテン板11上の原稿へ照射させ、受光したイメージセンサ15は同期信号で規定されたタイミングで順に画素値を出力し、画像処理部43はイメージセンサ15から出力された画素値でなる画像データを取得する(S304)。イメージセンサ15からの画像データは、シェーディング補正部433aへ入力される。副走査位置検出部411は、ドライバ47への制御信号に基づき、光源ユニット12の副走査方向の位置を検出する(S305)。副走査位置検出部411は、検出した光源ユニット12の副走査方向の位置をズレ量記憶部4310へ入力し、ズレ量記憶部4310は、入力された光源ユニット12の副走査方向の位置に関連付けて記憶している位置ズレ量を読み出す(S306)。ズレ量記憶部4310は、読み出した位置ズレ量を変更部436へ入力する。
変更部436は、次に、シェーディング補正部433aで行うシェーディング補正において各画素値に対応させるべきシェーディング補正データを、ズレ量記憶部4310から入力された位置ズレ量xだけ画像上で位置をずらした画素のシェーディング補正データへ変更する(S307)。ステップS307では、変更部436は、各画素に関連付けて記憶されたシェーディング補正データをシェーディング補正データ記憶部435aから読み出し、画素Aに対してシェーディング補正データS(A−x)を対応させてシェーディング補正部433aへ入力する。シェーディング補正部433aは、次に、イメージセンサ15から出力された画像データに含まれる各画素値に、変更部436から各画素値に対応する画素に対応させて入力されたシェーディング補正データを乗ずることにより、イメージセンサ15が出力した画像データのシェーディング補正を行う(S308)。シェーディング補正部433aは、シェーディング補正を行った1ライン分の画像データを画像データ生成部434aへ入力し、画像データ生成部434bはライン単位の画像データを蓄積する。
制御部41は、次に、プラテン板11に載置された原稿に記録された原稿画像の走査が最後まで完了したか否かを判定する(S309)。走査が最後まで完了していない場合は(S309:NO)、制御部41は、ドライバ47に読取部駆動モータ48を駆動させて、光源ユニット12及びミラーユニット13を副走査方向へ移動させることにより、光源ユニット12を1ライン分移動させる(S310)。制御部41は、次に、処理をステップS304へ戻し、次の1ライン分の原稿画像を読み取る処理を行う。
ステップS309で走査が完了している場合は(S309:YES)、画像データ生成部434bは、ライン単位で蓄積した画像データから、ページ単位での画像データを生成する(S311)。画像データ生成部434bは、生成したページ単位の画像データを記憶部42へ出力し、記憶部42は画像データを記憶する。制御部41は、次に、ドライバ47に読取部駆動モータ48を駆動させて、光源ユニット12及びミラーユニット13を開始位置へ戻し(S312)、処理を終了する。
以上詳述した如く、本実施の形態においては、光源ユニット12を副走査方向へ移動させる際に光源121の位置が主走査方向へずれる位置ズレ量を予め検出して記憶しておき、原稿画像を読み取る際に、イメージセンサ15が出力した画素値に対して、記憶してある位置ズレ量だけ画像上の位置がずれた画素に関連付けられたシェーディング補正データを対応させてシェーディング補正を行う。光源121の位置の主走査方向への変動は、組立誤差等のほぼ静的な条件に起因するので、ほぼ再現性がある。即ち、光源ユニット12の副走査方向の位置と光源121の位置が主走査方向へずれる位置ズレ量との関係はほぼ固定されており、光源ユニット12の副走査方向の位置に対する位置ズレ量を予め検出して記憶しておけば、光源ユニット12の副走査方向の位置を検出することで位置ズレ量を知ることができる。本実施の形態においては、予め検出して記憶してある位置ズレ量を用いて、実施の形態1及び2と同様に、光源121の位置がずれた状態でイメージセンサ15から出力された画像データに含まれる各画素値に対して、光源121の位置ズレ量だけ画像上で位置がずれた画素に関連付けられたシェーディング補正データを対応させることにより、シェーディング補正を正確に行うことができる。従って、本実施の形態においても、シェーディング補正を正確に行い、明るさのムラの発生を抑制した画像データを生成することが可能である。
また本実施の形態においては、原稿画像の読み取りを行う度に位置ズレ量を検出する必要がないので、実施の形態1及び2に比べて、原稿画像を読み取る際に行う処理が減少し、より高速で原稿画像の読み取りを行うことができる。また本実施の形態においては、光源121が原稿範囲外へ光を照射する部分を含む必要がないので、実施の形態1及び2に比べて、光源121の主走査方向への長さを短くして、より原稿読取装置を小型化することが可能となる。
(実施の形態4)
実施の形態4においては、反射板を装着することなく光源121の主走査方向への位置ズレ量を検出する処理を行う形態を示す。本実施の形態に係る原稿読取装置の内部構成は、図1に示した実施の形態1の場合と同様である。押さえ板27のプラテン板11に対向する部分は、白色面となっており、ADF2が閉じている場合には、プラテン板11を間に介して白色面が光源121と対向する構成となっている。図21は、実施の形態4に係る原稿読取装置の電気的構成の主要部を示すブロック図である。原稿読取装置は、ADF2が閉じた状態で押さえ板27に接触し、ADF2が開いた状態で押さえ板27に非接触の状態になる位置に、押さえ板検出部412を備えている。押さえ板検出部412は、接触スイッチ等で構成され、押さえ板27に接触した場合に押さえ板27を検出したことを示す情報を制御部41へ入力する処理を行う。原稿読取装置のその他の電気的構成は、図15に示した実施の形態3と同様であり、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。更に、原稿読取装置のその他の構成は、実施の形態3において反射板を取り外した構成と同様であり、本実施の形態に係る原稿読取装置は、反射板を装着する機能を備えていない。本実施の形態においては、LEDアレイで構成されている光源121の主走査方向への輝度分布を、一箇所での輝度が周囲と異なっている輝度分布に変更することにより、イメージセンサ15が受光する光量の分布中に周囲と光量が異なるマーカ部分を生成する。
実施の形態4においては、反射板を装着することなく光源121の主走査方向への位置ズレ量を検出する処理を行う形態を示す。本実施の形態に係る原稿読取装置の内部構成は、図1に示した実施の形態1の場合と同様である。押さえ板27のプラテン板11に対向する部分は、白色面となっており、ADF2が閉じている場合には、プラテン板11を間に介して白色面が光源121と対向する構成となっている。図21は、実施の形態4に係る原稿読取装置の電気的構成の主要部を示すブロック図である。原稿読取装置は、ADF2が閉じた状態で押さえ板27に接触し、ADF2が開いた状態で押さえ板27に非接触の状態になる位置に、押さえ板検出部412を備えている。押さえ板検出部412は、接触スイッチ等で構成され、押さえ板27に接触した場合に押さえ板27を検出したことを示す情報を制御部41へ入力する処理を行う。原稿読取装置のその他の電気的構成は、図15に示した実施の形態3と同様であり、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。更に、原稿読取装置のその他の構成は、実施の形態3において反射板を取り外した構成と同様であり、本実施の形態に係る原稿読取装置は、反射板を装着する機能を備えていない。本実施の形態においては、LEDアレイで構成されている光源121の主走査方向への輝度分布を、一箇所での輝度が周囲と異なっている輝度分布に変更することにより、イメージセンサ15が受光する光量の分布中に周囲と光量が異なるマーカ部分を生成する。
図22は、実施の形態4に係る原稿読取装置が光源121の主走査方向への位置ズレ量を検出する処理の手順を示すフローチャートである。制御部41は、電源投入時、ウオームアップ時、所定の日時になった時、前回位置ズレ量を検出してから所定時間が経過した時等、光源121の主走査方向への位置ズレ量を検出するズレ検出処理を行う所定のタイミングを予め記憶している。制御部41は、記憶内容に従って、ズレ検出処理を行うタイミングになったか否かを判定する処理を随時行う(S41)。ズレ検出処理を行うタイミングではない場合は(S41:NO)、制御部41は、判定の処理を随時繰り返す。ズレ検出処理を行うタイミングである場合は(S41:YES)、制御部11は、押さえ板27に接触した押さえ板検出部412から押さえ板27を検出したことを示す情報を入力されることによる、押さえ板27の検出を待ち受ける(S42)。押さえ板27の検出がない場合は(S42:NO)、制御部41は、押さえ板27の検出の待ち受けを続行する。押さえ板27を検出した場合は(S42:YES)、制御部41は、光源121の主走査方向への輝度分布を変更する(S43)。
図23は、輝度分布を変更した光源121の例を示す模式的正面図である。図23(a)は、一箇所の特異部分のLEDを消灯させ、他のLEDを点灯させた状態を示し、図23(b)は、一箇所の特異部分のLEDを点灯させ、他のLEDを消灯させた状態を示す。図23(a)に示す光源121からの光をイメージセンサ15で受光した場合は、受光する光量の分布中で、光源121の特異部分からの光の光量が占める部分は、周囲よりも光量が著しく小さくなったマーカ部分となる。イメージセンサ15の出力は、図19に示した例と同様の出力となり、画素値が周囲の画素よりも著しく小さくなるマーカ画素が存在する。また図23(b)に示す光源121からの光をイメージセンサ15で受光した場合は、受光する光量の分布中で、光源121の特異部分からの光の光量が占める部分は、周囲よりも光量が著しく大きくなったマーカ部分となる。図24は、図23(b)に示す光源121からの光を受光したイメージセンサ15が出力する画像データを示す。イメージセンサ15が出力する画像データに含まれる画素値に対応する画素の中には、画素値がマーカ部分の光量に応じた値となって他よりも著しく大きくなったマーカ画素が存在する。制御部41は、ステップS43にて、光源121に含まれる各LEDの点灯制御を行うことにより、図23に示す如く光源121の輝度分布を変更する。このとき、制御部41は本発明における輝度分布変更手段として機能する。
制御部41は、次に、光源121の輝度分布を変更した状態で、実施の形態3と同様に、図18のフローチャートに示すズレ検出処理を実行する(S44)。光源121からの光は、押さえ板27の白色面で反射し、イメージセンサ15で受光される。光源121の輝度分布が図23に示すいずれの場合であっても、イメージセンサ15が出力する画素値を順次比較し、隣接する画素との画素値の差が予め定められた所定量以上となる画素を、マーカ画素であると特定することにより、マーカ画素を検出することができる。従って、図18のフローチャートに示すズレ検出処理を実行することにより、光源ユニット12の副走査方向の位置に対応する光源121の位置ズレ量を検出して記憶することができる。制御部41は、以上で位置ズレ量を検出する処理を終了する。
更に、本実施の形態に係る原稿読取装置は、実施の形態3と同様に、図20のフローチャートに示す処理を実行することにより、記憶した位置ズレ量を用いて正確なシェーディング補正を行いながら、原稿画像を読み取る処理を実行する。従って、本実施の形態においても、シェーディング補正を正確に行い、明るさのムラの発生を抑制した画像データを生成することが可能である。
以上説明したように、本実施の形態においては、電源投入時等の所定のタイミングでズレ検出処理が行われるので、使用者が格別な調整作業を行うこと無く最新の位置ズレ量が検出されて記憶され、原稿読取装置の経年変化による位置ズレ量の変化を反映させてシェーディング補正を正確に行うことが可能となる。また本実施の形態においては、反射板を装着する機能を省くことができるので、実施の形態3に比べて原稿読取装置の構成を簡素化することができる。なお、本実施の形態に係る原稿読取装置は、所定のタイミングでズレ検出処理を実行するだけではなく、位置ズレ量を検出する処理を行うために必要な指示を操作パネル部49で受け付け、指示に従って前述のステップS43及びステップS44の処理を実行することも可能である。従って、本発明の原稿読取装置では、操作パネル部49に必要な指示を入力するだけで、位置ズレ量の検出を随時行うことが可能である。
なお、以上の実施の形態1〜4においては、原稿固定方式で原稿を読み取る都度、基準白板16を用いてシェーディング補正データを更新する形態を示したが、これに限るものではなく、本発明の原稿読取装置は、予め記憶してあるシェーディング補正データを用いてシェーディング補正を行う形態であってもよい。例えば、原稿読取装置は、製造時に作成したシェーディング補正データをシェーディング補正データ記憶部435aに記憶しておき、記憶してあるシェーディング補正データを用いてシェーディング補正を行う形態であってもよい。また原稿読取装置は、一定の時間が経過するまで又は原稿の読み取りを所定回数行うまで同一のシェーディング補正データを用いてシェーディング補正を行、一定の時間が経過するか又は原稿の読み取りを所定回数行った都度、シェーディング補正データを更新する形態であってもよい。
また実施の形態1〜4で示したシェーディング補正データの具体的内容、及びシェーディング補正の具体的処理内容は一例であり、他の方法を用いてシェーディング補正を行ってもよい。例えば、本発明の原稿読取装置は、白色画像を読み取った画素Aでの画素値をUとして、画素Aでのシェーディング補正データS(A)をS(A)=Uとし、原稿画像をイメージセンサ37で読み取ったときの画素値をシェーディング補正データで除することによりシェーディング補正を行ってもよい。
また以上の実施の形態1〜4においては、マーカ画素が一個である例を示している。実際には、画素値が他の画素と著しく異なる画素は、複数個まとまって存在する場合もある。この場合でも、画素番号の小さい方から画素値を比較していき、画素値の差が所定量より大きくなった最初の画素をマーカ画素とする等の方法でマーカ画素を特定することにより、本発明を実現することが可能である。
また実施の形態1〜4では、読取部1の他にADF2及び裏面読取部3を備えた原稿読取装置を示したが、本発明の原稿読取装置は、ADF2及び裏面読取部3のいずれか一方又は両方を備えていない形態であってもよい。また実施の形態1〜4では、画像処理部43での処理をハードウェアにより実行する形態を示したが、本発明の原稿読取装置は、画像処理部43が行うべき処理の一部又は全部をソフトウェアにより実行する形態であってもよい。
1 読取部
12 光源ユニット
121 光源
122 第1ミラー
123 反射板
15 イメージセンサ
2 ADF
3 裏面読取部
41 制御部
42 記憶部
43 画像処理部
433a シェーディング補正部
434a 画像データ生成部
435a シェーディング補正データ記憶部
436 変更部
437 ズレ量算出部
438 マーカ検出部
4310 ズレ量記憶部
12 光源ユニット
121 光源
122 第1ミラー
123 反射板
15 イメージセンサ
2 ADF
3 裏面読取部
41 制御部
42 記憶部
43 画像処理部
433a シェーディング補正部
434a 画像データ生成部
435a シェーディング補正データ記憶部
436 変更部
437 ズレ量算出部
438 マーカ検出部
4310 ズレ量記憶部
Claims (11)
- 線状に構成してあり、原稿からの反射光を受光し、受光した光量に応じて、原稿画像を読み取った1ライン分の画像に含まれる複数の画素の明るさを示す複数の画素値からなる画像データを出力するイメージセンサと、
線状に構成してあり、前記イメージセンサの長手方向に対応する方向である主走査方向を長手方向にして配置され、主走査方向に交差する副走査方向に移動しながら原稿に光を照射する光源と、
所定の白色物体に対して前記光源が光を照射した場合の反射光を受光した前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値に応じた基準データを、各画素に関連付けて記憶する手段と、
前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値に対して、前記基準データを用いてシェーディング補正を行う補正手段と
を備える原稿読取装置において、
前記光源が副走査方向へ移動する際に前記光源の主走査方向の位置が所定の基準位置からずれる位置ズレ量を検出するズレ検出手段と、
前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値に対して、前記補正手段がシェーディング補正を行うために対応させるべき基準データを、前記画像データを得るために前記光源が原稿に光を照射したときの位置ズレ量に応じた量だけ各画素から画像上で位置をずらした画素に関連付けられた基準データへ変更する変更手段と
を備えることを特徴とする原稿読取装置。 - 前記ズレ検出手段は、前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる画素値に対応する画素の数を単位にして位置ズレ量を検出するように構成してあり、
前記変更手段は、前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値に対して、前記補正手段がシェーディング補正を行うために対応させるべき基準データを、前記ズレ検出手段が検出した位置ズレ量が表す画素数だけ各画素から画像上で位置をずらした画素に関連付けられた基準データへ変更するように構成してあること
を特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。 - 前記イメージセンサが受光する光量の長手方向の分布を、少なくとも一箇所に周囲との光量差が所定の大きさ以上となるマーカ部分を含む分布にすることができるように構成してあり、
前記ズレ検出手段は、
前記光源が副走査方向へ移動する間に前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値を取得する手段と、
各画素値に対応する画素の内、前記マーカ部分の光量に応じた画素値に対応する画素であるマーカ画素を、画素間での画素値の差に基づいて特定する手段と、
特定したマーカ画素と前記光源の副走査方向の位置が所定の基準位置にある状態で特定したマーカ画素との間の画素数を前記位置ズレ量として取得する手段と
を有することを特徴とする請求項2に記載の原稿読取装置。 - 前記光源は、原稿読取時に原稿が配置される範囲の外側へ光を照射する範囲外照射部分を含んでおり、
前記光源の前記範囲外照射部分から光を照射される位置に、前記光源と一体に移動する反射板を備え、
前記反射板は、主走査方向の少なくとも一箇所に周囲と反射率が異なる部分を設けてあること
を特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。 - 前記光源から光を照射される位置に反射板を着脱可能にし、前記反射板を装着した状態で前記反射板が前記光源と一体に移動するように構成してあり、
前記反射板は、装着した状態で主走査方向の少なくとも一箇所に周囲と反射率が異なる部分を設けてあり、
前記ズレ検出手段は、前記反射板を装着している状態で前記位置ズレ量を検出するように構成してあること
を特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。 - 前記光源は、原稿読取時に原稿が配置される範囲の外側へ光を照射する範囲外照射部分を含んでおり、
前記範囲外照射部分には、主走査方向の少なくとも一箇所に周囲と輝度が異なる部分を設けてあり、
前記光源の前記範囲外照射部分から照射された光を前記イメージセンサに受光させる手段を更に備えること
を特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。 - 前記光源からの光が前記イメージセンサへ入射するまでの光路中に、前記光源と一体に移動し、前記光源からの光を反射するミラーを更に備え、
前記光源は、原稿読取時に原稿が配置される範囲の外側へ光を照射する範囲外照射部分を含んでおり、
前記ミラーには、前記範囲外照射部分からの光を反射する部分の少なくとも一箇所に、周囲と反射率が異なる部分を設けてあること
を特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。 - 前記光源の主走査方向の少なくとも一箇所での輝度が周囲と異なった輝度になるように、前記光源の輝度分布を変更する輝度変更手段を更に備え、
前記ズレ検出手段は、前記輝度変更手段が前記光源の輝度分布を変更した状態で前記位置ズレ量を検出するように構成してあること
を特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。 - 前記光源の副走査方向の各位置に関連付けて、各位置について前記ズレ検出手段が検出した位置ズレ量を記憶する記憶手段を更に備え、
前記変更手段は、
前記イメージセンサが出力する画像データに含まれる各画素値に対して、前記補正手段がシェーディング補正を行うために対応させるべき基準データを、前記画像データを得るために前記光源が原稿に光を照射したときの前記光源の副走査方向の位置に関連付けて前記記憶手段が記憶する位置ズレ量に応じた量だけ各画素から画像上で位置をずらした画素に関連付けられた基準データへ変更するように構成してあること
を特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の原稿読取装置。 - 予め定められた所定のタイミングで、前記光源の副走査方向の各位置についての位置ズレ量を前記ズレ検出手段に検出させる手段を更に備えること
を特徴とする請求項9に記載の原稿読取装置。 - 前記光源は、複数のLEDを主走査方向に並べて構成してあることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載の原稿読取装置。
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2008
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