JP2009186542A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】TFT液晶パネル等の電気光学パネルを備えたプロジェクタにおいて、電気光学パネル内の残留電荷を低減する。
【解決手段】プロジェクタは、光源(200)と、一対の基板(10、20)間に電気光学物質(50)を挟持してなり、一方の基板上に複数の画素電極(9a)及び該複数の画素電極の各々をスイッチング制御する複数の薄膜トランジスタ(30)を有し、光源から出射された光を変調する電気光学パネル(100)と、光源に対する光源用電源の供給を行う光源用電源供給手段(420)と、電気光学パネルに対する電気光学パネル用電源の供給を行う電気光学パネル用電源供給手段(410)と、電気光学パネル用電源の供給が停止された後に、光源用電源の供給が停止されるように、光源用電源供給手段及び電気光学パネル用電源供給手段を制御する電源制御手段(400)とを備える。
【選択図】図5
【解決手段】プロジェクタは、光源(200)と、一対の基板(10、20)間に電気光学物質(50)を挟持してなり、一方の基板上に複数の画素電極(9a)及び該複数の画素電極の各々をスイッチング制御する複数の薄膜トランジスタ(30)を有し、光源から出射された光を変調する電気光学パネル(100)と、光源に対する光源用電源の供給を行う光源用電源供給手段(420)と、電気光学パネルに対する電気光学パネル用電源の供給を行う電気光学パネル用電源供給手段(410)と、電気光学パネル用電源の供給が停止された後に、光源用電源の供給が停止されるように、光源用電源供給手段及び電気光学パネル用電源供給手段を制御する電源制御手段(400)とを備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、プロジェクタの技術分野に関する。
この種のプロジェクタの一例としての液晶プロジェクタでは、一対の基板間に液晶が挟持されてなる液晶パネルが光変調手段(ライトバルブ)として用いられる。この液晶パネルを構成する一対の基板のうち一方の基板上には、データ線及び走査線が互いに交差して配線され、両配線の交差に対応して画素電極がマトリクス状に設けられると共に、画素電極が設けられた画素毎に、画素電極をスイッチング制御する画素スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が設けられる。
このような液晶プロジェクタでは、電源停止(電源オフ)時に、液晶パネルに残留電荷が残ってしまうのを防ぐために、電源を停止する前に、例えば、全ての画素電極に対して黒色に係る電位信号を供給した後に全ての画素電極を接地電位(グランド電位)に電気的に接続するなどのオフシーケンス動作が行われる。このようなオフシーケンス動作が行われることで、電源が停止された後に、液晶パネルに残る残留電荷を低減でき、液晶パネルに残像が表示されてしまうこと(即ち、所謂「焼き付き」の発生)を防ぐことができる。また、このようなオフシーケンス動作は、一般的には、該動作中に望ましくない表示をさせないために、先ず光源の電源を停止させることにより、液晶パネルに光が入射されない状態で行われる。例えば特許文献1では、ユーザの電源オフ操作によって、光源としてのバックライト装置を消灯して映像の映出を終了させると共に、所定期間サイドパネル部に白レベルの信号を与えることにより、液晶パネルにおける焼き付きを防止する技術が開示されている。
上述したようなオフシーケンス動作は、複雑になってしまいやすいという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、複雑なオフシーケンス動作を必要とせずに、電気光学パネル内の残留電荷を低減可能なプロジェクタを提供することを課題とする。
本発明のプロジェクタは上記課題を解決するために、光を出射する光源と、一対の基板間に電気光学物質を挟持してなり、該一対の基板の一方の基板上に複数の画素電極及び該複数の画素電極の各々をスイッチング制御する複数の薄膜トランジスタを有し、前記光を変調する電気光学パネルと、前記光源に対する光源用電源の供給を行う光源用電源供給手段と、前記電気光学パネルに対する電気光学パネル用電源の供給を行う電気光学パネル用電源供給手段と、前記電気光学パネル用電源の供給が停止された後に、前記光源用電源の供給が停止されるように、前記光源用電源供給手段及び前記電気光学パネル用電源供給手段を制御する電源制御手段とを備える。
本発明のプロジェクタによれば、その動作時には、光源から出射された光は、電気光学パネルに入射される。電気光学パネルは、光源から出射された光を変調する光変調手段(即ち、ライトバルブ)として用いられる。電気光学パネルは、一対の基板間に例えば液晶等である電気光学物質を挟持してなる。電気光学パネルを構成する一対の基板のうち一方の基板には、例えばデータ線及び走査線が互いに交差するように配線され、該データ線及び走査線の交差に対応する画素毎に、画素電極が配置される。更に、該一方の基板上には、画素毎に、画素電極に対応して薄膜トランジスタが設けられている。薄膜トランジスタに、例えばデータ線を介して画像信号が供給されると共に例えば走査線を介して走査信号が供給されることで、画像信号が薄膜トランジスタから選択的に画素電極に供給される。これにより、電気光学パネルの複数の画素電極が配列された画素領域或いは画素アレイ領域(又は「画像表示領域」とも呼ぶ)において、アクティブマトリクス駆動による画像表示が行われる。電気光学パネルによって表示された画像は、例えば投射レンズを介して投写画像としてスクリーン等の投写面に投写される。
本発明では、光源及び電気光学パネルに対する電源の供給は、光源用電源供給手段及び電気光学パネル用電源供給手段によって夫々行われる。
本発明では特に、電源制御手段は、電気光学パネル用電源の供給が停止された後に、光源用電源の供給が停止されるように、光源用電源供給手段及び電気光学パネル用電源供給手段を制御する。即ち、例えば、当該プロジェクタの電源オフ時など、光源用電源及び電気光学パネル用電源を含む当該プロジェクタの電源の供給を停止すべき旨の指示(例えばユーザによる電源オフ操作など)が外部から入力された場合には、電源制御手段は、電気光学パネル用電源及び光源用電源の供給がこの順に停止されるように(即ち、光源用電源の供給が停止される前に、電気光学パネル用電源の供給が停止されるように)、光源用電源供給手段及び電気光学パネル用電源供給手段を制御する。よって、電気光学パネル用電源の供給が停止される際には光源に光源用電源が供給されているため、電気光学パネルに光源からの光が入射された状態で、電気光学パネル用電源の供給が停止されることになる。従って、電気光学パネルが有する薄膜トランジスタにおいて光リーク電流を生じさせることができ、画素電極に残留する電荷を薄膜トランジスタを介して例えばデータ線側に抜く(即ち、移動させる)ことができる。ここで、電気光学パネルには、典型的には、薄膜トランジスタにおける光リーク電流を表示画像に悪影響を与えない程度に低減するために、薄膜トランジスタに向かう光を遮る遮光手段としての遮光膜が設けられるが、電気光学パネル用電源の供給を停止した後に、光源からの光を電気光学パネルに入射させることで、薄膜トランジスタにおける光リーク電流を多少とも生じさせることができる。つまり、本発明によれば、電気光学パネルに光源からの光が入射された状態で、電気光学パネル用電源の供給が停止されるので、電気光学パネルが有する薄膜トランジスタにおいて多少とも生じる光リーク電流を利用して、画素電極に残留する電荷を低減することができる。これにより、上述したようなオフシーケンス動作を簡略化する或いは無くすことができる。
以上説明したように、本発明のプロジェクタによれば、複雑なオフシーケンス動作を必要とせずに、電気光学パネル内の残留電荷を低減することができる。
本発明のプロジェクタの一態様では、前記電気光学パネルは、前記一対の基板の他方の基板上に、前記複数の画素電極に対向すると共に共通電位が供給される対向電極を有しており、前記電気光学パネル用電源の供給が停止される前に、前記複数の画素電極の各々に、前記共通電位と同一の電位を有する電位信号を供給する信号供給手段を備える。
この態様によれば、電気光学パネル用電源の供給が停止される前に、複数の画素電極の各々に残留する電荷を少なくすることができる。よって、電気光学パネル用電源及び光源用電源の供給がこの順に停止された後に画素電極に残留する電荷をより一層確実に低減する或いは実践上無くすことができる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明のプロジェクタの一例である、TFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶パネルをライトバルブとして備える液晶プロジェクタを例にとる。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る液晶プロジェクタについて、図1から図5を参照して説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る液晶プロジェクタについて、図1から図5を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る液晶プロジェクタの全体構成について、図1を照して説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶プロジェクタの全体構成を示すブロック図である。
図1において、本実施形態に係る液晶プロジェクタ1は、液晶パネル100、光源200、コントローラ300、液晶パネル用電源供給部410、光源用電源供給部420、電源制御部400及び投射光学系500を備えている。
液晶パネル100は、光源200から出射される光を変調するライトバルブとして機能する。液晶パネル100は、図2から図4を参照して後に詳細に説明するが、一対の基板間に液晶を挟持してなり、一対の基板の一方の基板上に画素電極及び該画素電極をスイッチング制御するTFTを有している。
光源200は、例えばハロゲンランプ等を含んで構成され、液晶パネル100に対して光を出射する。
コントローラ300は、液晶パネル100の全体動作を制御する。コントローラ300は、例えばクロック信号やスタートパルスなどの各種タイミング信号や画像信号を液晶パネル100に供給する。
液晶パネル用電源供給部410は、液晶パネル100を動作させるための液晶パネル用電源を、電源制御部400の制御下で、液晶パネル100に供給する。
光源用電源供給部420は、光源200を動作させる(即ち、光源200から光を出射させる)ための光源用電源を、電源制御部400の制御下で、光源200に供給する。
電源制御部400は、液晶パネル用電源供給部410及び光源用電源供給部420の各々の動作を制御する。電源制御部400は、ユーザによる電源オフ操作(即ち、液晶プロジェクタ1の電源の供給を停止すべき旨の指示)が入力可能に構成されている。尚、図5を参照して後に詳細に説明するが、本実施形態では特に、電源制御部400にユーザによる電源オフ操作が入力された場合には、電源制御部400は、電気光学パネル用電源及び光源用電源の供給がこの順に停止されるように、電気光学パネル用電源供給部410及び光源用電源供給部420を制御するように構成されている。
投射光学系500は、投射レンズを含んで構成され、液晶パネル100によって変調された光をスクリーン600に投射画像として投射する。
次に、本実施形態に係る液晶プロジェクタが備える液晶パネルの構成について、図2から図4参照して説明する。
図2は、本実施形態に係る液晶プロジェクタが備える液晶パネルの構成を示す平面図であり、図3は、図2のH−H’断面図である。
図2及び図3において、液晶パネル100は、互いに対向するように配置されたTFTアレイ基板10及び対向基板20を備えている。尚、TFTアレイ基板10及び対向基板20は、本発明に係る「一対の基板」の一例であり、TFTアレイ基板10が本発明に係る「一方の基板」の一例であり、対向基板20が本発明に係る「他方の基板」の一例である。
TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
図2において、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。
外部回路接続端子102は、液晶パネル100の外部に設けられたコントローラ300及び液晶パネル用電源供給部410(図1参照)に電気的に接続可能に構成されている。液晶プロジェクタ1の動作時には、コントローラ300から外部回路接続端子102を介して各種タイミング信号や画像信号が液晶パネル100に設けられた電極や回路に供給されると共に、液晶パネル用電源供給部410から液晶パネル用電源として例えば共通電位等が液晶パネル100に設けられた電極や回路に供給される。
この一辺に沿ったシール領域よりも内側に、サンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域の内側に、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
TFTアレイ基板10上には、外部回路接続端子102と、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、上下導通端子106等とを電気的に接続するための引回配線90が形成されている。
図3において、TFTアレイ基板10上には、画素電極をスイッチング制御するためのTFTや走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成されている。画像表示領域10aには、画素電極をスイッチング制御するためのTFTや走査線、データ線等の配線の上層にITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9aがマトリクス状に設けられている。画素電極9a上には、配向膜が形成されている。他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば遮光性金属膜等から形成されており、対向基板20上の画像表示領域10a内で、例えば格子状等にパターニングされている。そして、遮光膜23上に、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向してベタ状に形成されている。液晶プロジェクタ1の動作時には、液晶パネル電源供給部410(図1参照)から外部回路接続端子102、引回配線90(図2参照)等を介して共通電位が対向電極21に供給される。対向電極21上には配向膜が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
尚、ここでは図示しないが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104の他に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路、検査用パターン等が形成されていてもよい。
図4は、液晶パネルの画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
図4において、液晶パネル100の画像表示領域10a(図2参照)を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号VS1、VS2、…、VSnは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートに走査線11aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線11aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号VS1、VS2、…、VSnを所定のタイミングで書き込む。
画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号VS1、VS2、…、VSnは、対向基板に形成されると共に共通電位が供給される対向電極21(図3参照)との間で一定期間保持される。
液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶パネル100からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。蓄積容量70の一方の電極は、画素電極9aと並列してTFT30のドレインに接続され、他方の電極は、定電位となるように、電位固定の容量配線40に接続されている。
次に、本実施形態に係る液晶プロジェクタにユーザによる電源オフ操作が入力された際の本実施形態に係る液晶プロジェクタの動作について、図1から図4に加えて図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る液晶プロジェクタの、ユーザによる電源オフ操作が入力された際の動作を示すフローチャートである。
図5において、液晶プロジェクタ1(具体的には、電源制御部400)にユーザによる電源オフ操作が入力されると、先ず、液晶パネル100の電源がオフにされる(ステップS10)。即ち、電源制御部400にユーザによる電源オフ操作(即ち、液晶プロジェクタ1の電源(つまり、光源用電源及び液晶パネル用電源)の供給を停止すべき旨の指示)が入力されると、先ず、電源制御部400は、液晶パネル100に対する液晶パネル用電源の供給を停止するように、液晶パネル用電源供給部410を制御する。これにより、液晶パネル100に対する液晶パネル用電源の供給が停止される。
次に、光源200の電源がオフにされる(ステップS20)。即ち、電源制御部400は、光源200に対する光源用電源の供給を停止するように、光源用電源供給部410を制御する。これにより、光源200に対する光源用電源の供給が停止される。
このように、本実施形態では特に、電源制御部400は、液晶パネル用電源の供給が停止された後に、光源用電源の供給が停止されるように、液晶パネル用電源供給部410及び光源用電源供給部420を制御する。即ち、液晶プロジェクタ1では、ユーザによる電源オフ操作に応じて液晶パネル用電源及び光源用電源の供給を停止する際には、電源制御部400は、液晶パネル用電源及び光源用電源の供給がこの順に停止されるように(即ち、光源用電源の供給が停止される前に、液晶パネル用電源の供給が停止されるように)、液晶パネル用電源供給部410及び光源用電源供給部420を制御する。よって、液晶パネル用電源の供給が停止される際には光源200に光源用電源が供給されているため、液晶パネル100に光源200からの光が入射された状態で、液晶パネル用電源の供給が停止されることになる。従って、液晶パネル100が有するTFT30(図4参照)において光リーク電流を生じさせることができ、画素電極9aに残留する電荷をTFT30を介してデータ線6a側に抜くことができる。
ここで、プロジェクタ1のような、TFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶パネルが用いられるプロジェクタでは、光源からの強い光が液晶パネルに入射されることにより、この光によって液晶パネル内のTFTに光リーク電流が発生することが知られている。TFTアクティブマトリクス方式の液晶パネルには、一般的に、TFTの光リーク電流を低減するために、入射光を遮る遮光手段としての遮光膜或いは遮光構造が様々な形態で内蔵されるが、光リーク電流を完全にゼロにする(即ち、無くす)ことは困難である。このため、液晶パネルに光源からの強い光が入射されると、液晶パネル内のTFTに光リーク電流が多少とも生じることになる。
つまり、本実施形態では特に、液晶パネル100に光源200からの光が入射或いは照射された状態で、液晶パネル用電源の供給が停止されるので、液晶パネル100が有するTFT30において多少とも生じる光リーク電流を利用して、画素電極9aに残留する電荷を低減することができる。これにより、仮に何らの対策も施さねば、液晶パネル100に残留電荷が残ってしまうのを防ぐために行う必要のある、例えば、全ての画素電極9aに対して所定レベルの電位信号(例えば黒表示に対応する画像信号)を供給した後に全ての画素電極9aを接地電位に電気的に接続するなどの複雑なオフシーケンス動作を簡略化する或いは無くすことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る液晶プロジェクタ1によれば、複雑なオフシーケンス動作を必要とせずに、液晶パネル100内の残留電荷を低減することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る液晶プロジェクタについて、図6を参照して説明する。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る液晶プロジェクタについて、図6を参照して説明する。
図6は、第2実施形態における図5と同趣旨のフローチャートである。尚、図6において、図5に示した第1実施形態に係る動作と同様の動作に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図6において、第2実施形態に係る液晶プロジェクタは、液晶パネル用電源の供給が停止される前(即ち、ステップS10に係る動作を行う前)に、複数の画素電極9aの各々に、対向電極21に供給される共通電位と同一の電位を有する電位信号を供給する動作(ステップS30)を行うように構成されている点で、上述した第1実施形態に係る液晶プロジェクタ1と異なり、その他の点については、上述した第1実施形態に係る液晶プロジェクタ1と概ね同様に構成されている。
即ち、第2実施形態に係る液晶プロジェクタは、図1を参照して上述したコントローラ300が、液晶パネル用電源の供給が停止される前に、液晶パネル100に画像信号として共通電位と同一の電位を有する電位信号を供給するように構成されている点で、図1を参照して上述した第1実施形態に係る液晶プロジェクタ1と異なり、その他の点については、図1を参照して上述した第1実施形態に係る液晶プロジェクタ1と概ね同様に構成されている。
尚、本実施形態では、コントローラ300は、本発明に係る「信号供給手段」の一例である。また、本実施形態では、液晶パネル100は、液晶に印加された電圧が増大するのに応じて入射光に対する透過率が増加されるノーマリーブラックモードの液晶パネルとして構成されている。
図6に示すように、第2実施形態に係る液晶プロジェクタにユーザによる電源オフ操作が入力されると、先ず、液晶パネル100の全画素に黒が書き込まれる(ステップS30)。即ち、コントローラ300は、液晶パネル100に、対向電極21に供給される共通電位と同一の電位を有する電位信号を画像信号として供給する。これにより、全ての画素電極9aに共通電位と同一の電位を有する電位信号が書き込まれ、画素電極9a及び対向電極21間に電圧が殆ど或いは全く印加されず、全ての画素において黒色が表示される。
次に、上述した第1実施形態と同様に、液晶パネル100の電源がオフにされた(ステップS10)後、光源200の電源がオフにされる(ステップS20)。
このように、本実施形態では特に、液晶パネル用電源の供給が停止される(ステップS10)前に、全ての画素電極9aに、対向電極21に供給される共通電位と同一の電位を有する電位信号が供給される(ステップS30)ので、液晶パネル用電源の供給が停止される前に、各画素電極9aに残留する電荷を少なくすることができる。よって、この後に、液晶パネル用電源及び光源用電源の供給がこの順に停止され、最終的に、画素電極9aに残留する電荷をより一層確実に低減する或いは実践上無くすことができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る液晶プロジェクタについて、図7を参照して説明する。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る液晶プロジェクタについて、図7を参照して説明する。
図7は、第3実施形態に係る液晶プロジェクタの構成を模式的に示す断面図である。
図7に示すように、第3実施形態に係る液晶プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの構成は、図1から図4を参照して上述した液晶パネル100と同等であり、図1を参照して上述したコントローラ300と概ね同様に構成されたコントローラから供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。従って、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110B及び1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
尚、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
ここで本実施形態では、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの各々は、上述した第1実施形態における液晶パネル用電源供給部410と概ね同様に構成された液晶パネル用電源供給部によって液晶パネル用電源が供給される。ランプユニット1102は、上述した第1実施形態における光源用電源供給部420と概ね同様に構成された光源用電源によって光源用電源が供給される。液晶パネル用電源供給部及び光源用電源供給部の各々の動作は、上述した第1実施形態における電源制御部400と概ね同様に構成された電源制御部によって制御される。即ち、本実施形態に係る液晶プロジェクタ1100に、ユーザによる電源オフ操作が入力された場合には、電源制御部は、液晶パネル用電源及び光源用電源の供給がこの順に停止されるように、液晶パネル用電源供給部及び光源用電源供給部を制御するように構成されている。つまり、本実施形態に係る液晶プロジェクタ1100によれば、ユーザによる電源オフ操作が入力された場合には、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに対する液晶パネル用電源の供給が停止された後に、ランプユニット1102に対する光源用電源の供給が停止される。
よって、第3実施形態に係る液晶プロジェクタ1100によれば、上述した第1実施形態に係る液晶プロジェクタ1と概ね同様に、複雑なオフシーケンス動作を必要とせずに、液晶パネル1110R、1110B及び1110G内の残留電荷を低減することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うプロジェクタもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
6a…データ線、9a…画素電極、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、11a…走査線、20…対向基板、21…対向電極、30…TFT、50…液晶層、100…液晶パネル、101…データ線駆動回路、102…外部回路接続端子、104…走査線駆動回路、200…光源、400…電源制御部、410…液晶パネル用電源供給部、420…光源用電源供給部、500…投射光学系
Claims (2)
- 光を出射する光源と、
一対の基板間に電気光学物質を挟持してなり、該一対の基板の一方の基板上に複数の画素電極及び該複数の画素電極の各々をスイッチング制御する複数の薄膜トランジスタを有し、前記光を変調する電気光学パネルと、
前記光源に対する光源用電源の供給を行う光源用電源供給手段と、
前記電気光学パネルに対する電気光学パネル用電源の供給を行う電気光学パネル用電源供給手段と、
前記電気光学パネル用電源の供給が停止された後に、前記光源用電源の供給が停止されるように、前記光源用電源供給手段及び前記電気光学パネル用電源供給手段を制御する電源制御手段と
を備えることを特徴とするプロジェクタ。 - 前記電気光学パネルは、前記一対の基板の他方の基板上に、前記複数の画素電極に対向すると共に共通電位が供給される対向電極を有しており、
前記電気光学パネル用電源の供給が停止される前に、前記複数の画素電極の各々に、前記共通電位と同一の電位を有する電位信号を供給する信号供給手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
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2008
- 2008-02-04 JP JP2008023574A patent/JP2009186542A/ja not_active Withdrawn
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