JP2009042437A - 電気光学装置及びその駆動方法、並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便に電気光学装置における画面上下方向の輝度ムラを改善する。
【解決手段】電気光学装置(200)は、表示領域(10a)に配列された複数の画素部(100c)を有する表示部(100)と、表示領域に表示されるフレーム画像を構成する画像信号のフレーム期間(F)のうち一のサブフレーム期間(SF1)において、フレーム画像が表示領域に表示されるように、複数の画素部に画像信号を順次供給することによって、表示部を駆動する駆動手段(202、203)と、該駆動手段に、フレーム期間毎に、画像信号の供給を開始するタイミングを通知するタイミング信号(DY)を供給するタイミング信号供給手段(201)と、フレーム期間のうち前記一のサブフレーム期間に続く他のフレーム期間(SF2)中、且つ駆動手段にタイミング信号が供給される前に、画像信号の極性を反転するように駆動手段を制御する制御手段(201)とを備える。
【選択図】図6
【解決手段】電気光学装置(200)は、表示領域(10a)に配列された複数の画素部(100c)を有する表示部(100)と、表示領域に表示されるフレーム画像を構成する画像信号のフレーム期間(F)のうち一のサブフレーム期間(SF1)において、フレーム画像が表示領域に表示されるように、複数の画素部に画像信号を順次供給することによって、表示部を駆動する駆動手段(202、203)と、該駆動手段に、フレーム期間毎に、画像信号の供給を開始するタイミングを通知するタイミング信号(DY)を供給するタイミング信号供給手段(201)と、フレーム期間のうち前記一のサブフレーム期間に続く他のフレーム期間(SF2)中、且つ駆動手段にタイミング信号が供給される前に、画像信号の極性を反転するように駆動手段を制御する制御手段(201)とを備える。
【選択図】図6
Description
本発明は、例えばアクティブマトリックス型の液晶装置等の電気光学装置及びその駆動方法、並びに該電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置では、表示される画像の画質の向上が図られる。例えば、特許文献1には、アクティブマトリックス型液晶表示装置における、信号線電位の極性が正であり、且つ、画素電極の電位の極性が正である保持期間に、走査線電位を他の保持期間における走査線電位よりも高く設定することによって、画面上下方向の輝度傾斜を軽減する技術が記載されている。
しかしながら、上述の背景技術によれば、走査線が3種類の電位(即ち、オン状態の電位、オフ状態の電位及び第3の電位)をとるようにしなければならず、回路が複雑になる可能性があるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡便に画面上下方向の輝度ムラを改善することができる電気光学装置及びその駆動方法、並びに電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は、上記課題を解決するために、表示領域に配列された複数の画素部を有する表示部と、前記表示領域に表示されるフレーム画像を構成する画像信号のフレーム期間のうち一のサブフレーム期間において、前記フレーム画像が前記表示領域に表示されるように、前記複数の画素部に前記画像信号を順次供給することによって、前記表示部を駆動する駆動手段と、該駆動手段に、前記フレーム期間毎に、前記画像信号の供給を開始するタイミングを通知するタイミング信号を供給するタイミング信号供給手段と、前記フレーム期間のうち前記一のサブフレーム期間に続く他のサブフレーム期間中、且つ前記駆動手段に前記タイミング信号が供給される前に、前記画像信号の極性を反転するように前記駆動手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の電気光学装置によれば、表示部は、例えば電気光学物質の一例としての液晶を一対の基板間に狭持してなる液晶パネルである。表示部は、例えば基板上の表示領域に、例えばマトリックス状に平面配列された複数の画素部を有している。複数の画素部の各々は、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)等の電子素子や画素電極等を含んでなる。
例えば液晶パネルの駆動回路等である駆動手段は、フレーム画像を構成する画像信号のフレーム期間の前半を占める画像表示期間である、フレーム画像に対応して予め設定されたフレーム期間(例えば1/60秒等)を分割した一のサブフレーム期間において、フレーム画像が表示領域に表示されるように、複数の画素部に信号線等を介して画像信号を供給することによって、表示部を駆動する。
タイミング信号供給手段は、駆動手段に対し、フレーム期間毎に(即ち、例えば画像表示期間毎に或いは一のサブフレーム期間毎に)該駆動手段が複数の画素部に画像信号の供給を開始するタイミングを通知する、例えばスタートパルス等であるタイミング信号を、所定間隔(典型的には、フレーム期間と同じ周期)で供給する。駆動手段は、所定の幅を有するタイミング信号の立下りから所定時間経過後に、複数の画素部に画像信号を供給する。
制御手段は、フレーム期間を分割した、例えば垂直帰線期間である他のサブフレーム期間中、且つ駆動手段にタイミング信号が供給される前(即ち、タイミング信号の立上りの前)に、画像信号の極性(即ち、信号線電位の極性)を反転するように駆動手段を制御する(即ち、フレーム反転駆動)。
本願発明者の研究によれば、一般に、保持期間における画素電極電位の極性と画像信号の極性とが逆である時間に応じて、リーク電流の影響により画素電極電位が低下する。このため、表示部の表示領域の上部の画素電極の電位と下部の画素電極の電位との間で電位差が生じ、該生じた電位差に応じた輝度ムラが生じることが判明している。
しかるに本願発明者は、画素電極電位の極性と画像信号の極性とが逆である期間において、画素電極電位が時間と共に指数関数的に減少することを見出し、当該電気光学装置における制御手段を、他のサブフレーム期間中、且つ駆動手段にタイミング信号が供給される前に、画像信号の極性を反転するように駆動手段を制御するように構成している。
即ち、画像信号の極性を反転してから、実際に複数の画素部に画像信号が供給されるまでの時間を全画素部に対して大なり小なり延長することによって、何ら延長しなかった場合と比較して、表示領域の上部の画素電極の電位と下部の画素電極の電位との間の電位差を小さくしている。
以上の結果、本発明の電気光学装置によれば、画像信号の極性を反転する時期をずらすという簡便な方法により画面上下方向の輝度ムラを改善することができる。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記他のサブフレーム期間は、垂直帰線期間である。
この態様によれば、当該電気光学装置は、フレーム期間のうち垂直帰線期間以外の期間(即ち、画像表示期間)を、複数の画素部への画像信号の供給に使用することができ、例えば信号線等に供給される画像信号の駆動周波数を最大限に下げることができる。逆に、駆動周波数を上げることによって、垂直帰線期間を長くすれば、画像信号の極性を反転してから、実際に複数の画素部に画像信号が供給されるまでの時間をより長くすることができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記制御手段は、前記駆動手段に前記タイミング信号が供給される前、且つ前記他のサブフレーム期間の先頭から所定期間後に、前記極性を反転するように前記駆動手段を制御する。
この態様によれば、制御手段は、他のサブフレーム期間の先頭から所定期間後に、画像信号の極性を反転するように駆動手段を制御する。ここに、本発明に係る「所定期間」は、表示領域に表示されるフレーム画像に画像信号の極性が反転されることによる影響がなく、且つ極性を反転してから実際に複数の画素部に画像信号が供給されるまでの時間が可能な限り長くなるような期間として設定されている。このため、所定期間を、例えば1水平走査期間に設定すれば、確実にして、フレーム画像の最終行への書き込みが完了した後に極性反転を行うことができ、且つ他のサブフレーム期間を長く取れるので、極めて有利である。
本発明の電気光学装置の駆動方法は、上記課題を解決するために、表示領域に配列された複数の画素部を有する表示部と、前記表示領域に表示されるフレーム画像を構成する画像信号のフレーム期間のうち一のサブフレーム期間において、前記フレーム画像が前記表示領域に表示されるように、前記複数の画素部に前記画像信号を順次供給することによって、前記表示部を駆動する駆動手段と、該駆動手段に、前記フレーム期間毎に、前記画像信号の供給を開始するタイミングを通知するタイミング信号を供給するタイミング信号供給手段とを備える電気光学装置の駆動方法であって、前記フレーム期間のうち前記一のサブフレーム期間に続く他のサブフレーム期間中、且つ前記駆動手段に前記タイミング信号が供給される前に、前記画像信号の極性を反転するように前記駆動手段を制御する制御工程を備える。
本発明の電気光学装置の駆動方法によれば、上述した本発明の電気光学装置と同様に、簡便に画面上下方向の輝度ムラを改善することができる。
尚、本発明の電気光学装置の駆動方法においても、上述した本発明の電気光学装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む)を備える。
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、簡便に画面上下方向の輝度ムラを改善することができる。この結果、高品質な画像表示を行うことに適した、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
以下、本発明の電気光学装置に係る実施形態を図1乃至図7を参照して説明する。以下の実施形態では、本発明に係る電気光学装置を、TFTアクティブマトリックス駆動形式の液晶装置に適用したものである。尚、以下で参照する各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
先ず、本実施形態に係る電気光学装置の構成について、図1を参照して説明する。ここに図1は、本実施形態に係る電気光学装置のブロック図である。
図1において、電気光学装置200は、液晶パネル100、コントローラ201、走査線駆動回路202、データ線駆動回路203及び画像ソース204を備えて構成されている。ここに、本実施形態に係る「液晶パネル100」は、本発明に係る「表示部」の一例であり、本実施形態に係る「コントローラ201」は、本発明に係る「タイミング信号供給手段」及び「制御手段」の一例である。また、本発明に係る「走査線駆動回路202」及び「データ線駆動回路203」は、本発明に係る「駆動手段」の一例である。
液晶パネル100は、走査線100a、データ線100b及び画素100cを有して構成されている。詳しくは、液晶パネル100には、n本の走査線100aが、図1においてX(行)方向に延在して形成され、m本のデータ線100bがY(列)方向に沿って延在して形成されている。そして、液晶パネル100における画像表示領域10aにおいて、走査線100a及びデータ線100bが互いに交差し、該交差に対応して画素100cが設けられて、マトリックス状に配列されている。
ここで、液晶パネル100の全体構成について、図2及び図3を参照して説明する。ここに図2は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側からみた平面図であり、図3は、図2のH−H´線断面図である。
図2及び図3において、液晶パネル100では、TFTアレイ基板10及び対向基板20が対向配置されている。TFTアレイ基板10は、例えば、石英基板、ガラス基板、シリコン基板等の透明基板からなり、対向基板20は、例えば、石英基板、ガラス基板等の透明基板からなる。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素100cが設けられた領域に対応する画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂、又は紫外線・熱併用型硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。尚、ギャップ材を、シール材52に混入されるものに加えて若しくは代えて、画像表示領域10a又は画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域に、配置するようにしてもよい。
図2において、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路203及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域よりも内側に、サンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。走査線駆動回路202は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域の内側に、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。
TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。更に、外部回路接続端子102と、データ線駆動回路203、走査線駆動回路202、上下導通端子106等とを電気的に接続するための引回配線90が形成されている。
図3において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。この積層構造の詳細な構成については図3では図示を省略してあるが、この積層構造の上に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9aが、画素毎に所定のパターンで島状に形成されている。
画素電極9aは、後述する対向電極21に対向するように、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aに形成されている。TFTアレイ基板10における液晶層50の面する側の表面、即ち画素電極9a上には、配向膜16が画素電極9aを覆うように形成されている。
対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば対向基板20における対向面上に平面的に見て、格子状に形成されている。対向基板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域が、例えばプロジェクタ用のランプや直視用のバックライトから出射された光を透過させる開口領域となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、該遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられたデータ線等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
遮光膜23上に、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向して形成されている。遮光膜23上に、画像表示領域10aにおいてカラー表示を行うために、開口領域及び非開口領域の一部を含む領域に、図3には図示しないカラーフィルタが形成されるようにしてもよい。対向基板20の対向面上における、対向電極21上には、配向膜22が形成されている。
尚、図2及び図3に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路203、走査線駆動回路202、サンプリング回路7等に加えて、複数のデータ線100bに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
再び図1に戻り、コントローラ201は走査線駆動回路202及びデータ線駆動回路203に対する制御を行い、走査線駆動回路202及びデータ線駆動回路203は液晶パネル100に対する制御を行う。
コントローラ201は、例えばパソコン、映像チューナ、DVDビデオプレーヤ、ビデオレコーダ等の画像ソース204から、画像データD及び同期信号Sを取得する。そして、コントローラ201は、取得した画像データD及び同期信号Sに基づいて、垂直走査用のスタートパルスDY、走査側転送クロックCLY、水平走査用のスタートパルスDX、データ転送クロックCLX及びデータ信号Dsを生成する。ここに、本実施形態に係る「スタートパルスDY」は、本発明に係る「タイミング信号」の一例である。
スタートパルスDYは、垂直走査の開始タイミングで出力されるパルス信号である。走査側転送クロックCLYは、垂直走査を規定する信号である。データ転送クロックCLXは、データ線駆動回路203へデータを転送するタイミングを規定する信号である。データ信号Dsは、画像データDに対応するデータである。
尚、コントローラ201、走査線駆動回路202、及びデータ線駆動回路203は、その他にも各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係の無いものについては説明を省略する。
走査線駆動回路202は、コントローラ206から、スタートパルスDY及び走査側転送クロックCLYを取得し、液晶パネル100の走査線100aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnを出力する。具体的には、走査線駆動回路202は、コントローラ201から供給されるスタートパルスDYを走査側転送クロックCLYに従って転送し、走査線100aの各々に走査信号G1、G2、G3、…、Gnとして順次排他的に供給するものである。データ線駆動回路203は、コントローラ201から、スタートパルスDX、データ転送クロックCLXを取得して、サンプリング回路駆動信号をサンプリング回路7に供給する。サンプリング回路7は、このサンプルリング回路駆動信号に応じて、コントローラ201から供給されるデータ信号Dsを、サンプリンクする。これらにより、液晶パネル100のデータ線100bに対して、本発明に係る「画像信号」の一例としてのデータ信号d1、d2、d3、…、dmが供給される。
ここで、図4を参照して、画素100cについて説明を加える。図4は、画素100cにおける各種素子、配線等の等価回路である。
図4に示すように、液晶パネル100の複数の画素100cの各々に、画素電極9aと該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されている。データ信号d1、d2、d3、…、dmを供給されるデータ線100bが、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線100bに書き込むデータ信号d1、d2、d3、…、dmは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線100b同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートにゲート電極が電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線100a及びゲート電極にパルス的に走査信号G1、G2、G3、…、Gnを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線100bから供給されるデータ信号d1、d2、d3、…、dmを所定のタイミングで書き込む。
画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルのデータ信号d1、d2、d3、…、dmは、対向基板20に形成されると共に共通電位LCCOMとされた対向電極21との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素100cの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素100c単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置200からはデータ信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで保持されたデータ信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極21との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。蓄積容量70の一方の電極は、走査線100aに並んで設けられ、共通電位LCCOMとされた容量線300と電気的に接続されており、固定電位側容量電極として機能する。蓄積容量70の他方の電極は、画素電極9aと電気的に接続されており、画素電位側容量電極として機能する。
次に、本実施形態に係る電気光学装置200の動作について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、画像表示領域10aにおける複数の画素100cに、データ信号d1、d2、d3、…、dmが書き込まれる方向を説明する説明図であり、図6は、データ信号d1、d2、d3、…、dmの極性を反転させる反転タイミングを示すタイミングチャートである。
図5に示すように、データ信号d1、d2、d3、…、dmは、画像表示領域10aの左上隅の画素100cから順に、左から右へ、上から下まで書き込まれる(即ち、線順次走査)。
図6において、本実施形態では、データ信号di(i=1、2、3、…、m)は、所定周期(ここでは、1フレーム期間と同じ周期)で、共通電位LCCOMに対して高位側の正極性(図中「+」で示す)と低位側の負極性(図中「−」で示す)とで極性反転されつつデータ線100bへ供給され、更にTFT30を介して画素電極9aへ供給される。即ち、本実施形態では、画像表示領域10aの複数の画素100cにおいて、画素電極9aを同一極性の電位で夫々駆動しつつ、係る電位極性をフレーム周期で反転させる、所謂「フレーム反転駆動」が行われる。
走査線駆動回路202及びデータ線駆動回路203は、フレーム期間Fのうち一のサブフレーム期間SF1において、フレーム画像が画像表示領域10aに表示されるように、走査信号G1、G2、G3、…、Gn及びデータ信号diを供給することによって、液晶パネル100を駆動する。
コントローラ201は、フレーム期間Fのうちサブフレーム期間SF1に続く、垂直帰線期間である他のサブフレーム期間SF2中、且つ走査線駆動回路202にスタートパルスDYが供給される前(例えば、フレーム期間SF1の終わりから1水平走査期間経過後)に、データ信号di極性を反転するように、データ線駆動回路203を制御する。
本願発明者の研究によれば、データ信号diの極性が反転されてから、実際に画素電極9aに供給されるまでの時間に応じて、即ち、保持期間において、画素電極9aの電位に対しデータ線100bの電位の極性が反転している時間に応じて、リーク電流の影響により画素電極9aの電位が低下する。このため、画像表示領域10aの上部(例えば、図5における点A)の画素電極9aの電位と、下部(例えば、図5における点B)の画素電極9aの電位との間で電位差が生じ、該生じた電位差に応じた輝度ムラが生じる。
他方、画素電極9aの電位は、時間と共に指数関数的に減少することが判明している。具体的には、画素電極9aの電位をVとすると、その時間変化は、V=exp(−A/C×t)+V0−1…(1)と表される。ここで、Aは定数であり、Cは画素100cの容量であり、V0は時点t=0(即ち、データ信号diの極性が反転された時点)における画素電極9aの電位である。
上記式(1)をグラフに表すと、図7に示すようになる。ここに、図7は、画素電極9aの電位の時間変化を示すグラフである。例えば、図6において、データ信号diの極性が反転された時点をt0として、画像表示領域10aの点A及び点B各々の画素電極9aにデータ信号diが夫々供給される時点をtA及びtBとすると、点A及び点B間に生じる電位差は、図7における電位差ΔVnとなる。
仮に、図8に示すように、スタートパルスDYの立上りと同時にデータ信号diの極性を反転すると、点A及び点B間に生じる電位差は、図7における電位差ΔVrとなってしまう。ここに図8は、図6と同趣旨の、本実施形態の電気光学装置200の比較例に係るデータ信号diの極性を反転させる反転タイミングを示すタイミングチャートである。尚、図8において、時点t0’はデータ信号diの極性が反転された時点を示し、時点tA’及び時点tB’は、点A及び点B各々の画素電極9aにデータ信号diが夫々供給される時点を示している。
しかるに本実施形態に係る電気光学装置200では、上述の如く、コントローラ201によって、サブフレーム期間SF2中、且つ走査線駆動回路202にスタートパルスDYが供給される前に、データ信号diの極性を反転するように、データ線駆動回路203が制御されている。これにより、画像表示領域10aにおける上下方向で生じる電位差を低減することができ、輝度ムラを改善することができる。
<電子機器>
次に、図9を参照しながら、上述した電気光学装置を電子機器の一例であるプロジェクタに適用した場合を説明する。上述した電気光学装置200における液晶パネル100は、プロジェクタのライトバルブとして用いられている。図9は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。
次に、図9を参照しながら、上述した電気光学装置を電子機器の一例であるプロジェクタに適用した場合を説明する。上述した電気光学装置200における液晶パネル100は、プロジェクタのライトバルブとして用いられている。図9は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。
図9に示すように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等の構成を有しており、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像は、液晶パネル1110Gによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
尚、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
尚、図9を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
尚、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及びその駆動方法、並びに電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10a…画像表示領域、100…液晶パネル、100a…走査線、100b…データ線、100c…画素、200…電気光学装置、201…コントローラ、202…走査線駆動回路、203…データ線駆動回路、204…画像ソース
Claims (5)
- 表示領域に配列された複数の画素部を有する表示部と、
前記表示領域に表示されるフレーム画像を構成する画像信号のフレーム期間のうち一のサブフレーム期間において、前記フレーム画像が前記表示領域に表示されるように、前記複数の画素部に前記画像信号を順次供給することによって、前記表示部を駆動する駆動手段と、
該駆動手段に、前記フレーム期間毎に、前記画像信号の供給を開始するタイミングを通知するタイミング信号を供給するタイミング信号供給手段と、
前記フレーム期間のうち前記一のサブフレーム期間に続く他のサブフレーム期間中、且つ前記駆動手段に前記タイミング信号が供給される前に、前記画像信号の極性を反転するように前記駆動手段を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする電気光学装置。 - 前記他のサブフレーム期間は、垂直帰線期間であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記制御手段は、前記駆動手段に前記タイミング信号が供給される前、且つ前記他のサブフレーム期間の先頭から所定期間後に、前記極性を反転するように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
- 表示領域に配列された複数の画素部を有する表示部と、前記表示領域に表示されるフレーム画像を構成する画像信号のフレーム期間のうち一のサブフレーム期間において、前記フレーム画像が前記表示領域に表示されるように、前記複数の画素部に前記画像信号を順次供給することによって、前記表示部を駆動する駆動手段と、該駆動手段に、前記フレーム期間毎に、前記画像信号の供給を開始するタイミングを通知するタイミング信号を供給するタイミング信号供給手段とを備える電気光学装置の駆動方法であって、
前記フレーム期間のうち前記一のサブフレーム期間に続く他のサブフレーム期間中、且つ前記駆動手段に前記タイミング信号が供給される前に、前記画像信号の極性を反転するように前記駆動手段を制御する制御工程を備えることを特徴とする駆動方法。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007206311A JP2009042437A (ja) | 2007-08-08 | 2007-08-08 | 電気光学装置及びその駆動方法、並びに電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007206311A JP2009042437A (ja) | 2007-08-08 | 2007-08-08 | 電気光学装置及びその駆動方法、並びに電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009042437A true JP2009042437A (ja) | 2009-02-26 |
Family
ID=40443241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007206311A Pending JP2009042437A (ja) | 2007-08-08 | 2007-08-08 | 電気光学装置及びその駆動方法、並びに電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009042437A (ja) |
-
2007
- 2007-08-08 JP JP2007206311A patent/JP2009042437A/ja active Pending
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