JP2009186504A - 2次転写装置、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高湿時などの調湿状態や動作環境に係わらず、常に安定な2次転写性を確保し、きれいな画像を得る2次転写装置及びその2次転写装置を備えた画像形成装置を提供することである。
【解決手段】本発明の2次転写装置は、駆動用ローラ8−1に対向する2次転写ローラ11eと、駆動用ローラ8−1と2次転写ローラ11eとの間に2次転写電圧を印加する2次転写電圧電源82と、2次転写電圧により流れる2次転写電流Irを一定に制御するための制御手段81とを備えることにより、2次転写電流Irを一定に制御できるので、記録媒体の調湿状態や動作環境に係わらず、常に安定な2次転写性を確保することができ、きれいな印字画質を得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の2次転写装置は、駆動用ローラ8−1に対向する2次転写ローラ11eと、駆動用ローラ8−1と2次転写ローラ11eとの間に2次転写電圧を印加する2次転写電圧電源82と、2次転写電圧により流れる2次転写電流Irを一定に制御するための制御手段81とを備えることにより、2次転写電流Irを一定に制御できるので、記録媒体の調湿状態や動作環境に係わらず、常に安定な2次転写性を確保することができ、きれいな印字画質を得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関するものである。特に、中間転写ベルトを備え、かつ多色画像形成を可能としたカラー画像形成装置用の2次転写装置に関するものである。
近年、オフィス文書のカラー化に伴い、カラー複写機、カラープリンター等、カラー画像形成を可能とした電子写真方式のカラー画像形成装置が開発されている。カラー画像形成装置は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の画像形成ユニットでそれぞれトナー画像を形成し、各トナー画像を記録媒体(記録シートともいう)に重ね合わせて転写することによって、記録媒体上に未定着トナー画像を形成する。未定着トナー画像が形成されている記録媒体は、溶融・混合・圧接によるトナー画像を記録媒体に定着する定着装置に搬送されることによって、記録媒体上に堅牢な画像が形成される。
しかしながら、カラー画像形成装置においては、多種類の記録媒体上にトナー画像を転写する構造をとるために、使用環境条件などによっては、記録媒体に2次転写を行う2次転写領域において、2次転写装置の転写性が低下することによって、転写不良が発生することがある。特に、周囲環境が高湿時に、2次転写装置の転写性が大きく低下するため、転写不良の現象が起こりやすい傾向にある。具体的に言えば、高湿時などにおいて、2次転写時の転写電流が経由する個々の部材、特に記録媒体や転写ベルトから、転写電流が漏れてしまうために、実質的な2次転写電流が減少し、2次転写性が大きくダウン(2次転写効率が低下)するため、転写不良の現象が生じてしまう。
上記のように、この転写不良の現象は、実際の転写に寄与する転写電流が湿度などにより大きく変動することによるものである。この転写不良の現象を無くすため、例えば、図13(a)(b)に示すように、転写電圧Vtransfer(Vt)ではなく、トータル転写電流Itを一定に制御する方法が検討されている。
図13(a)(b)は、従来方式の2次転写装置における電気的な構成の一例を示す図である。
図13(a)(b)に示した2次転写装置において、中間転写ベルト117の駆動用ローラ118−1は、2次転写ローラ111eと対向している。駆動用ローラ118−1と2次転写ローラ111eとの間に、中間転写ベルト117、記録媒体P、2次転写ベルト(無端ベルト)111aがあって、中間転写ベルト117上にあるトナー画像が、記録媒体Pに重ね合わせて転写される。図13(a)、図13(b)は、それぞれ正バイアス定電流方式、逆バイアス定電流方式の場合を示す図である。
図に示すように、2次転写装置は、トータル転写電流Itを一定に保つための制御部181を備えている。しかしながら、トータル転写電流Itを一定に保ったとしても、記録媒体Pや中間転写ベルト117や2次転写ベルト111aの抵抗等の変化により漏れ電流Ileak(Il)が大きく変化し、2次転写の実質的な電流Itransfer(Itr)は、減少変動するため、安定な転写性が得られることが困難である。
また、特許文献1は、図14に示すように、2次転写ベルト111aによる漏れ電流Ileak(Il)を転写電流Itransfer(Itr)に反映する方式が開示されている。
つまり、2次転写ベルト111a上に生じた漏れ電流Ilを補正するように、2次転写ローラ111eに流れるトータル転写電流It(Itr+Il)が制御される。そのため、2次転写ベルト111a上に生じた漏れ電流Ilによる2次転写電流への影響を除くことができる。
特開平3−231274号公報(1991年10月15日公開)
しかしながら、特許文献1においては、2次転写ベルト111a上に生じた漏れ電流Ilが考慮されているが、当該漏れ電流Ilは全ての漏れ電流ではなく、例えば、記録媒体Pや中間転写ベルト117からの漏れ電流も存在している。つまり、特許文献1において測定している漏れ電流Ilは、一部の漏れ電流のみである。従って、2次転写ローラに供給している転写電流Itrと対向する駆動用ローラ118−1に流れる電流Itr´とは同一ではないため、正確な転写電流制御ができない。よって、2次転写装置における転写電流制御の精度がよくないために、転写不良などの問題を解決できていないのが現状である。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、高湿時などの動作環境に係わらず、常に安定な2次転写性を確保し、転写不良が抑制でき、きれいな画像を得る2次転写装置及びその2次転写装置を備えた画像形成装置を提供することである。
本発明に係る2次転写装置は、上記課題を解決するために、駆動用ローラに張架された中間転写ベルト上に転写されたトナー画像を記録媒体に転写するための2次転写装置であって、前記駆動用ローラに対向する2次転写ローラと、前記駆動用ローラと前記2次転写ローラとの間に2次転写電圧を印加する2次転写電圧電源と、前記2次転写電圧により前記2次転写ローラと前記駆動用ローラとの間に流れる2次転写電流を一定に制御するための制御手段とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、2次転写装置は、前記2次転写ローラと前記駆動用ローラとの間に流れる2次転写電流を一定に制御できるので、記録媒体(転写紙)の調湿状態や動作環境に係わらず、常に安定な2次転写性を確保することができるため、転写不良が抑制でき、きれいな画像を得る。
また、上記の構成は、2次転写ローラと駆動用ローラとの間に流れる2次転写電流の方向によらず、2次転写電流を一定に制御できる。ここで、2次転写ローラと駆動用ローラとの間に流れる2次転写電流の方向とは、2次転写ローラから駆動用ローラへ流れる正方向と、駆動用ローラから2次転写ローラへ流れる逆方向とのいずれかである。これにより、本発明に係る2次転写装置は、2次転写電流が正方向および逆方向のいずれの画像形成装置にも適用することができる。その結果、画像形成装置内部のスペースや部品コストなどを考慮した装置設計のマージンを広げることができる。
また、本発明に係る2次転写装置は、さらに2次転写ベルトと、前記2次転写ベルトを回転駆動するための2次転写ベルト用ローラとを備えることが好ましい。
上記の構成によれば、前記記録媒体を前記2次転写ベルトに沿って確実に搬送することができるため、転写時における前記記録媒体の波うちや剥離ジャムなどを抑えることができる。
また、本発明に係る2次転写装置において、前記2次転写ベルト用ローラは、2次転写ベルトを張架する駆動ローラと、駆動ローラに従動する従動ローラと、張架の弛みを防止するテンションローラとを含み、これら全てのローラがアースされていることが好ましい。
上記の構成によれば、2次転写ベルト用ローラ自体が、全てアースされていることにより、漏れ電流による2次転写電流への影響を小さく抑えるため、2次転写電流をより制御しやすくなると共に、全体の消費電力を抑えることもできる。
また、本発明に係る2次転写装置において、前記2次転写ローラと前記駆動用ローラとの間に流れる2次転写電流を測定する測定手段を備え、前記制御手段は、前記測定手段により測定された2次転写電流と所定値とを比較し、その差に応じて、前記2次転写電圧電源の電圧値を補正することで、前記2次転写電流が一定になるように制御することが好ましい。
上記の構成によれば、2次転写装置は、前記2次転写ローラと前記駆動用ローラとの間に流れる2次転写電流と所定値とを比較し、その差に応じて、前記2次転写電圧電源の電圧値を補正することにより、記録媒体(転写紙)の調湿状態や動作環境に係わらず、常に安定な2次転写性を確保することができるため、転写不良が抑制でき、きれいな画像を得る。
また、本発明の画像形成装置は、駆動用ローラに張架された中間転写ベルトと、前記2次転写装置とを備えることを特徴している。
上記の構成によれば、前記2次転写装置が、2次転写ローラと2次転写ローラに対向する前記駆動用ローラとの間に流れる2次転写電流を一定に制御できるため、常に一定の2次転写性を確保でき、きれいな印字画質を得ることができる。
また、本発明の画像形成装置は、張架された前記中間転写ベルトのたるみを防止するテンションローラを備え、上記テンションローラがアースされていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記テンションローラがアースされていることにより、漏れ電流による2次転写電流への影響を少なく抑えることができるため、2次転写電流をより制御しやすくなると共に、全体の消費電力を少なくできる。
また、本発明の画像形成装置は、前記中間転写ベルトの抵抗率が、1011Ωcm以上であることが好ましい。
上記の構成によれば、前記中間転写ベルトの抵抗率が、1011Ωcm以上であることにより、漏れ電流を小さく抑制することができるので、さらに漏れ電流による2次転写電流への影響を少なく抑えることができるため、2次転写電流をより制御しやすくなると共に、全体の消費電力を少なくできる。
また、本発明の画像形成装置は、表示部を備え、前記2次転写電圧電源から供給される電流が所定範囲を超える場合に、前記2次転写電圧電源から供給される電流が所定範囲を超えることを示す通知を前記表示部に表示することが好ましい。
上記の構成によれば、本発明の画像形成装置は、表示部を備え、前記2次転写電圧電源から供給される電流が所定範囲を超える場合に、前記2次転写電圧電源から供給される電流が所定範囲を超えることを示す通知を前記表示部に表示することにより、2次転写性を維持できないような突発的な状態においては、転写不良の状態をユーザーに知らせることができる。すなわち、通常は、2次転写電流を制御するレベルで動作しているが、例えば、特に調湿されてしまった記録媒体などの場合には、所定範囲を超えてしまうため、装置自体を停止し、ユーザーにその状況を伝えることにより、ユーザーフレンドリーな画像形成装置を維持することができる。
本発明の2次転写装置は、前記駆動用ローラに対向する2次転写ローラと、前記駆動用ローラと前記2次転写ローラとの間に2次転写電圧を印加する2次転写電圧電源と、前記2次転写電圧により前記2次転写ローラと前記駆動用ローラとの間に流れる2次転写電流を一定に制御するための制御手段とを備えることを特徴としている。
前記2次転写電圧により前記2次転写ローラと前記駆動用ローラとの間に流れる2次転写電流を一定に制御できるので、記録媒体の調湿状態や動作環境に係わらず、常に安定な2次転写性を確保することができ、きれいな印字画質を得ることができる。
本発明の一実施形態について図1ないし図12に基づいて説明すると以下の通りである。
(画像形成装置の概略構成)
まず、本発明に係る2次転写装置11を備える画像形成装置50の機構的な構成の概要を説明する。
まず、本発明に係る2次転写装置11を備える画像形成装置50の機構的な構成の概要を説明する。
図2は、本発明に係る画像形成装置50の概略構成を示す断面図である。画像形成装置50は、図2に示すように、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4、中間転写ベルトユニット8、定着ユニット12、用紙搬送路S、給紙トレイ10および排紙トレイ15、図示しない表示部(操作パネル)等より構成された電子写真方式の画像形成装置である。また、画像形成装置50は、外部から伝達された画像データに応じて所定の記録媒体(記録シート)に対して多色および単色の画像を形成するものである。
なお、本画像形成装置50において扱われる画像データは、ブラック(KあるいはBK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2(2a・2b・2c・2d)、感光体ドラム3(3a・3b・3c・3d)、帯電器5(5a・5b・5c・5d)、クリーナユニット4(4a・4b・4c・4d)は、各色に応じてそれぞれ4個ずつ設けられている。それぞれ、符号末尾の英文字は、aがブラックに、bがシアンに、cがマゼンタに、dがイエローに対応する。各色に対応した4種類の潜像が各感光体ドラム3の周面に形成される。すなわち、各色に対応した4つの画像ステーション(画像形成ユニット)が構成されている。
以下、4つの画像ステーションを代表して、一つの画像ステーションについて、その構成を説明する。他の画像ステーションも同様の構成を有しているので、その説明を省略する。また、符号末尾の英文字は、説明の便宜のため省略されている。
感光体ドラム3は、所定の電位に帯電できる表面を有する。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段である。帯電手段としては、図2に示すような接触型のローラ型のほかに、ブラシ型の帯電器やチャージャー型の帯電器が用いられてもよい。
露光ユニット1は、帯電した感光体ドラム3の表面を選択的に露光する露光手段である。露光手段としては、図2に示すレーザスキャニングユニット(LSU)のほかに、ELやLEDなどの発光素子をアレイ状に並べた書込みヘッドを用いてもよい。レーザスキャニングユニットは、レーザ照射部およびポリゴンミラーを有する。そして、レーザスキャニングユニットは、レーザ照射部からのレーザビームLを回転するポリゴンミラーに反射させて偏向し、感光体ドラム3の表面を走査させる。レーザビームLは、原稿を読み取って生成され、あるいは外部のコンピュータで生成された画像データに応じて変調されたものである。
画像データで変調されたレーザビームLで帯電した感光体ドラム3が走査、露光されることにより、感光体ドラム3の表面には、画像データに応じた電位の像(静電潜像)が形成される。
現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を、それぞれK、C、M、Yのいずれかの色のトナーにより現像(顕像化)するものである。
クリーナユニット4は、後述するように、感光体ドラム3上に現像されたトナーを中間転写ベルト7に転写された後、感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収するものである。
中間転写ベルトユニット8は、感光体ドラム3の上方に配置されている。また、中間転写ベルトユニット8は、中間転写ベルト7、中間転写ベルト7の駆動用ローラ8−1、張架された中間転写ベルト7のたるみを防止するにテンションローラ8−3、中間転写ベルト用従動ローラ8−2、中間転写ローラ6(6a・6b・6c・6d)、および中間転写ベルト用クリーニングユニット9を備えている。
駆動用ローラ8−1、テンションローラ8−3、中間転写ローラ6、中間転写ベルト用従動ローラ8−2等は、中間転写ベルト7を張架し、中間転写ベルト7を矢印B方向に回転駆動させるものである。
中間転写ローラ6は、中間転写ベルトユニット8の中間転写ローラ取付部(図示せず)に回転可能に支持されている。中間転写ローラ6には、感光体ドラム3上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアス電圧が印加される。
中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7の裏側に接触しており、感光体ドラム3から中間転写ベルト7へトナー像を転写させる転写手段である。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために数百ボルト程度の電圧の転写バイアス電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の電圧)が印加される。
中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面に、導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)が被覆されたローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト7に対して略均一な電圧を印加することができる。本実施形態では、転写手段として転写ローラを使用しているが、それ以外にブラシ状の転写電極(転写ブラシ)を中間転写ベルト7の裏側に接触させて転写手段とすることもできる。
中間転写ベルト7は、各色用の感光体ドラム3にそれぞれ接触するように設けられている。感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像は、中間転写ローラ6に印加された転写バイアス電圧によって、中間転写ベルト7に順次転写される。これによって、中間転写ベルト7上にカラーのトナー像(多色トナー像)が多層状に転写される。なお、本実施形態に用いた中間転写ベルト7は、厚さ60μm〜150μm程度のフィルムが無端状に形成されたものである。
中間転写ベルト7に転写されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転に伴って、2次転写ローラ11eが配置されている2次転写装置11に移動する。
中間転写ベルト7と2次転写ローラ11eは、所定のニップ幅を持つように圧接されている。また、2次転写ローラ11eには、後述する記録シートにトナー像を転写させるためのバイアス電圧(2次転写電圧)が印加されている(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。2次転写ローラ11eと駆動用ローラ8−1は、その何れか一方が硬質材料(金属等)からなり、他方が芯金の表面に軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラローラ等々)が被覆された弾性ローラである。これにより、2次転写ローラ11eと駆動用ローラ8−1は、所定幅のニップが定常的に得られる。
中間転写ベルト用クリーニングユニット9は、中間転写ベルト7上のトナーが除去・回収されるものである。上記のように、中間転写ベルト7が感光体ドラム3の表面へ接触することにより、記録シートに画像を転写する領域以外においても、中間転写ベルト7にトナーが付着されることもある。これらのトナーは、次工程でトナーの混色が発生する原因となり得る。このため、中間転写ベルト用クリーニングユニット9により、中間転写ベルト7上のトナーが除去・回収される。中間転写ベルト用クリーニングユニット9には、クリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードの端部が、中間転写ベルト7に接触してトナーを除去する。中間転写ベルト用クリーニングユニット9が接触する部分において、中間転写ベルト7は、裏側から中間転写ベルト用従動ローラ8−2で支持されている。
給紙トレイ10は、画像形成に使用する記録シートを蓄積しておくためのトレイである。給紙トレイ10は、画像形成装置50の露光ユニット1の下方に設けられている。また、本画像形成装置50の上部には、排紙トレイ15が設けられている。排紙トレイ15には、印刷済みの記録シートがフェイスダウンで排出されて堆積する。
また、本画像形成装置50には、給紙トレイ10の記録シートを2次転写装置11や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。さらに、給紙トレイ10から排紙トレイ15までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ16、レジストローラ14、2次転写装置11、定着ユニット12、記録シートを搬送する搬送ローラ25(25−1〜25−8)等が配されている。
搬送ローラ25−1〜25−4は、記録シートの搬送を促進・補助するための、小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10から、記録シートを1枚ずつ用紙搬送路Sに供給する。
また、レジストローラ14は、用紙搬送路Sを搬送されてくる記録シートを、一旦所定位置に停止させるものである。そして、中間転写ベルト7上のトナー像の先端と記録シートの先端を同期させるタイミングで記録シートを2次転写装置11へ搬送する機能を有している。
定着ユニット12は、ヒートローラ31、加圧ローラ32等を備えており、ヒートローラ31および加圧ローラ32は、記録シートを挟んで回転するようになっている。
また、ヒートローラ31は、図示しない温度検出器からの信号に基づき、制御基板40の制御部によって所定の定着温度となるようにその内部に配置されたヒーター(図示せず)が制御される。ヒートローラ31は、加圧ローラ32との間を通過搬送される記録シートを熱圧着する。これによって、記録シートに転写された多色トナー像が溶融・混合・圧接し、記録シートに対して熱定着する。
なお、多色トナー像の定着後の記録シートは、搬送ローラ25−5、25−6によって用紙搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態で(多色トナー像を下側に向けて)、排紙トレイ15上に排出されるようになっている。
次に、記録シート搬送経路を詳細に説明する。本画像形成装置には予め記録シートを収納する給紙トレイ10が配置されている。
給紙トレイ10の端部には、各々のピックアップローラ16が配置され、記録シートを1枚ずつ搬送路に導くようになっている。
給紙トレイ10から搬送される記録シートは搬送路中の搬送ローラ25−1〜25−4によってレジストローラ14まで搬送されて停止する。レジストローラ14は、停止した記録シートの先端と中間転写ベルト7上のトナー像の先端を整合させるタイミングで停止した記録シートを2次転写装置11へ送りだす。送り出された記録シートは、2次転写装置11で中間転写ベルト7上のトナー像が転写される。その後、記録シートは定着ユニット12を通過する。このとき、記録シート上の未定着トナーは熱で溶融し、定着ユニット12を通過後は、自然に冷却されて記録シート上に固着する。その後、記録シートは搬送ローラ25−5を経て排紙ローラ25−6から排紙トレイ15上に排出される。
排紙トレイ15の下方には、制御基板40が配置されている。制御基板40は、画像形成装置50の各部の動作を制御するためのマイクロコンピュータ、マイクロコンピュータが実行する制御プログラムを格納するROM、マイクロコンピュータの処理のためのワークエリアおよび画像データの記憶領域を提供するRAMを有する。前記マイクロコンピュータは、制御プログラムを実行することによって制御部として機能する。前述した画像形成、トナー像の転写、記録シートの搬送や定着部の温度制御などは、制御部の機能によって実現される。
また、制御基板40は、入力回路と出力回路を有している。入力回路には、画像形成装置50内の各部に配置されたセンサからの信号が入力され、マイクロコンピュータが入力された信号を用いて処理を行えるように構成されている。出力回路は、各部に配置された負荷を駆動するための信号を出力する回路である。
また、操作パネルは、画像形成装置をユーザーが操作するための表示・入力手段である。本実施形態において、操作パネルは、2次転写性を維持できないような突発的な状態において、エラー表示を行うことによりユーザーにその旨を表示し、転写不良の状態を知らせる機能を有する。すなわち、通常は、2次転写電流を制御するレベルで動作しているが、例えば、特に調湿されてしまった記録媒体などの場合には、所定範囲を超えてしまうため、装置自体を停止し、ユーザーにその状況を伝えることにより、ユーザーフレンドリーな画像形成装置を実現することができる。なお、このエラー表示が行われる処理の詳細については後述する。
(2次転写装置の概略構成)
次に、図3を用いて2次転写装置11の概略構成について説明する。
次に、図3を用いて2次転写装置11の概略構成について説明する。
2次転写装置11は、中間転写ベルト7を回転駆動するためのローラの一つである駆動用ローラ8−1と対向している。2次転写装置11は、2次転写ベルト(無端ベルト)11aと、2次転写ベルト11aを回転駆動するための2次転写用ローラ(11b、11c、11d)と、記録シートPにトナー像を転写させるためのバイアス電圧(2次転写電圧)を印加する2次転写ローラ11eとを備え、図3に示す矢印の搬送方向Rにて示す方向に回転するように配設されている。2次転写用ローラ(11b、11c、11d)は、2次駆動ローラ11b、2次従動ローラ11c、2次テンションローラ11dを備えている。
具体的には、2次駆動ローラ11bは、記録シートPの搬送方向Rの下流側に配備されており、図示しない機構により回転力が与えられ、2次転写ベルト11aを回転駆動する。2次従動ローラ11cは、記録シートPの搬送方向Rの上流側に配備されており、張架される2次転写ベルト11aのテンションにより従動する。2次テンションローラ11dは、張架される2次転写ベルト11aに対してテンションを与えるものである。2次転写ローラ11eは、2次駆動ローラ11bと2次従動ローラ11cとの間に配備されており、駆動用ローラ8−1と対向するようになっている。ここで、2次転写ローラ11eと駆動用ローラ8−1は、上記のように、その何れか一方が硬質材料(金属等)からなり、他方が芯金の表面に軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が被覆された弾性ローラである。これにより、2次転写ローラ11eと駆動用ローラ8−1は、所定幅のニップが定常的に得られる。
また、2次転写ベルト11aは、例えばポリイミドやポリカーボネイト、フッ素コートされたNBR等にカーボンブラックなどの導電材を適当量含有させたものが使用できる。なお、ベルトを用いない転写方式も可能であるが、記録シートPを2次転写ベルト11aに沿って確実に搬送することができるベルト方式のほうが、転写時における記録シートの波うちや剥離ジャムなどを抑えることができる。
ペーパーガイド70は、例えば、金属や樹脂のような汎用材料からなるものであり、記録シートPの搬送方向Rにおいて、2次従動ローラ11cの近傍かつ、2次従動ローラ11cの上流側に、2次転写ベルト11aと2次従動ローラ11cと接触しないように設置されており、記録シートPの搬送方向Rに平行する平面部分を備えている。ペーパーガイド70は、2次転写ローラ11eと駆動用ローラ8−1との2次転写ポイントに記録シートPをガイドするものであり、2次転写を行う2次転写領域への記録シートPの搬送ミスを無くすためのものである。
記録シートPは、レジストローラ14から搬送され、ペーパーガイド70に接した後、2次転写ベルト11aに吸着され、図3に示す矢印の搬送方向Rに搬送される。中間転写ベルト7上に感光体ドラム3による転写されたカラートナー画像は、2次転写ローラ11eに印加される2次転写電圧によって、搬送されてくる記録シートP上に転写される。
2次転写ベルト11aの記録シートPの搬送方向Rの下流側には、記録シートPに転写されたカラー画像を記録シートP上に定着するための定着ユニット12が設けられている。
(2次転写装置の電気的構成)
次に、2次転写装置11の電気的な構成について、図1を用いて説明する。
次に、2次転写装置11の電気的な構成について、図1を用いて説明する。
図1は、2次転写装置11の電気的な構成を示す図である。図1に示すように、2次転写ローラ11eは、駆動用ローラ8−1に対向している。
2次転写装置11は、図1に示すように、電流計80と制御部(制御手段)81と2次転写電圧電源82とを備えている。また、2次転写装置11は、2次転写電圧電源82と2次転写ローラ11eとの間に図示しない電流リミッタ回路を備えている。
2次転写電圧電源82は、2次転写ローラに電流を供給するためのものであり、制御部81により、電圧が制御される。
電流計80は、2次転写ローラ11eから駆動用ローラ8−1へ流れるリターン電流(2次転写電流)Irを測定するものである。すなわち、電流計80は、2次転写のために実質的に使用されている電流を測定している。
制御部81は、電流計80によって測定されたIrと、所定電流Thとを比較し、Irが常に所定電流Thになるように、電流−電圧換算テーブルを用いて2次転写電圧電源82の電圧を調整するものである。ここで、電流―電圧換算テーブルとは、リターン電流Irと所定電流Thとの差と、電圧の増減量との対応関係を示すものである。例えば、Irが所定電流Thよりも小さい場合、その差の大きさに応じて、電圧の増加量が設定されており、リターン電流Irが所定電流Thよりも大きい場合、その差の大きさに応じて、電圧の減少量が設定されている。これにより、リターン電流Irと所定電流Thとの差が小さくなるように、2次転写電圧電源82の電圧が制御されることとなり、リターン電流Irが所定電流Thになるように制御される。
また、電流リミッタ回路は、2次転写電圧電源82から供給される電流、すなわち、総漏れ電流ILと、リターン電流Irとの合計であるトータル転写電流Itが制限範囲(例えば100μA以下)を超えると、電流を遮断するものである。さらに、電流リミッタ回路は、トータル転写電流Itが100μAを超えると、その旨を示す信号を画像形成装置50の上記制御基板40に出力する。このとき、制御基板40は、画像形成装置の画像形成処理を停止させるとともに、図示しない操作パネルに、2次転写電流が異常値であることを示す旨を表示させる(エラー表示させる)。
また、所定電流Thは、記録シートPの種類に応じて設定されても良い。
(実験1)
本実験は、どのくらいの総漏れ電流IL(μA)およびリターン電流Irが有るのかについて記録シートPの水分量に対する依存性を確認したものである。総漏れ電流ILは、2次転写ベルト11aによる漏れ電流Ilと、それ以外の記録シートPや中間転写ベルト7からの漏れ電流との合計である。
本実験は、どのくらいの総漏れ電流IL(μA)およびリターン電流Irが有るのかについて記録シートPの水分量に対する依存性を確認したものである。総漏れ電流ILは、2次転写ベルト11aによる漏れ電流Ilと、それ以外の記録シートPや中間転写ベルト7からの漏れ電流との合計である。
図4は、図1に示した2次転写装置11の電気的な構成から制御部81を除いた電気的な構成を示す図である。
なお、本実験は、60g/m2の中質の記録シートPを水分調湿させた調湿記録シート(水分量8.3%と11%)と、水分調湿させない未調湿記録シート(水分量4%)とを用意し、常温常湿環境(25.4℃、32%RH)における印加転写したトータル転写電流Itとリターン電流Irとの関係をそれぞれ測定した。ここで、テンションローラ8−3と2次転写用ローラ(11b、11c、11d)は全てアースに接続した。また、中間転写ベルト7は、抵抗率が10の11乗(Ωcm)であるものを用いた。
図5は、図4に示す電気的な構成における測定結果を示す図である。同じトータル転写電流Itにおいて、調湿記録シートを用いた場合のリターン電流Irは、図5に示すように、未調湿記録シートを用いた場合のリターン電流Irよりも、総漏れ電流ILが生じたために減少することが分かった。つまり、調湿記録シートの場合は、未調湿記録シートの場合より、総漏れ電流が大きくなっていることが分かった。また、トータル転写電流Itに対するリターン電流Irの理想的な直線に対して、Itが大きくなるにつれて、調湿記録シートでは総漏れ電流が大きくなり直線(図中、実線で示す)から外れるようになっているも分かった。そして、水分量の増加につれ、同じトータル転写電流Itにおいて、調湿記録シート(水分量11%)を用いた場合のリターン電流Irは、調湿記録シート(水分量8.3%)を用いた場合のリターン電流Irより、総漏れ電流ILがさらに大きくなっていることもが分かった。具体的に言えば、It=21.1μAのときに、調湿記録シート(水分量8%)を用いた場合、リターン電流Ir=13.6μA、総漏れ電流IL=7.5μAであり、調湿記録シート(水分量11%)を用いた場合、リターン電流Ir=7.2μA、総漏れ電流IL=13.9μAであるが、未調湿紙では、Ir=21.1μAであり、総漏れ電流ILは殆ど見られない。
次に、図1に示した2次転写装置11の電気的な構成においてリターン電流Irによる制御を行った。なお、この実験では記録シートPは、水分調湿させたもの(水分量8.4%)とさせないもの(水分量4%)のみである。その測定結果を図6に示す。図6に示すように、制御部81によって、未調湿記録シートと調湿記録シートとの両方について、一定のリターン電流を確保できることが分かった。つまり、記録シートの調湿状態や動作環境に係わらず、一定な転写電流を確保できた。このように、制御部81を備えた2次転写装置11では、所望の2次転写性が得られ、転写不良を防止できる。
(実験2)
正バイアスを用いた上記実験1に対して、本実験では、逆バイアスを用いた場合に、どのくらいの総漏れ電流IL(μA)およびリターン電流Irが有るのかを確認するとともに、2次転写ローラ11eから駆動用ローラ8−1へ流れるリターン電流Irが、記録シートPの水分量に対する依存性を確認した。
正バイアスを用いた上記実験1に対して、本実験では、逆バイアスを用いた場合に、どのくらいの総漏れ電流IL(μA)およびリターン電流Irが有るのかを確認するとともに、2次転写ローラ11eから駆動用ローラ8−1へ流れるリターン電流Irが、記録シートPの水分量に対する依存性を確認した。
図7は、逆バイアス方式の電気的な構成を示す図である。
本実験の実験条件は、60g/m2の中質の記録シートPを水分調湿させた調湿記録シート(水分量8.3%と11%)と、水分調湿させない未調湿記録シート(水分量4%)とを用い、常温常湿環境(25.4℃、32%RH)における印加転写したトータル転写電流Itに対するリターン電流Irの関係をそれぞれ測定した。ここで、テンションローラ8−3と2次転写用ローラ(11b、11c、11d)は全てアースとした。また、中間転写ベルト7は、抵抗率が10の11乗(Ωcm)であるものを用いた。
図9は、図7に示した電気的な構成における逆バイアス方式による結果を示す図である。調湿記録シートを用いた場合のリターン電流Irは、同じトータル転写電流Itにおいて、図9に示すように、未調湿記録シートを用いた場合のリターン電流Irより、総漏れ電流ILが生じたため減少されていたことが分かった。つまり、調湿記録シートの場合は、未調湿記録シートの場合より、漏れ電流が大きくなっていることが分かった。また、トータル転写電流Itに対するリターン電流Irの理想的な直線に対して、Itが大きくなるにつれて、調湿記録シートの場合では漏れ電流が大きくなり直線から外れるようになっていることも分かった。また、水分量の増加につれ、同じトータル転写電流Itにおいて、調湿記録シート(水分量11%)を用いた場合のリターン電流Irは、調湿記録シート(水分量8.3%)を用いた場合のリターン電流Irより、総漏れ電流ILがさらに大きくなっていることも分かった。具体的に言えば、It=21.1μAのときに、調湿記録シート(水分量8.3%)を用いた場合、リターン電流Ir=13.1μAであり、総漏れ電流ILは8.0μAである、調湿記録シート(水分量11%)を用いた場合、リターン電流Ir=6.8μAであり、総漏れ電流ILは14.3μAであるが、未調湿紙ではIr=21μAで総漏れ電流ILは殆ど見られない。
次に、図8に示すように、本発明の2次転写装置11の電気的な構成において、逆バイアス方式のリターン電流Irによる制御を行った。なお、本実験では記録シートPは水分調湿させたもの(水分量8.4%)とさせないもの(水分量4%)のみである。その結果を図10に示す。図10に示すように、制御部81によって、未調湿記録シートと調湿記録シートとの両方について、一定のリターン電流を確保できることが分かった。つまり、記録シートの調湿状態に係わらず、一定な転写電流が確保できた。このように、そのため、リターン電流Irを制御する制御部81を加えた2次転写装置11では、所望の2次転写性が得られ、転写不良を防止できる。
(実験3)
本実験では、正バイアス、逆バイアスを印加する場合において、抵抗率が10の11乗(Ωcm)と10の9乗(Ωcm)である中間転写ベルト7を用い、かつ条件的に転写性で少し低下すると考えられる吸湿紙(水分6%)を用意し、2次転写ローラ11eと駆動用ローラ8−1との間に流れるリターン電流Irと中間転写ベルト7の抵抗率との関係を調べた。なお、本実験は、常温常湿環境(25.4℃、32%RH)において測定したものである。
本実験では、正バイアス、逆バイアスを印加する場合において、抵抗率が10の11乗(Ωcm)と10の9乗(Ωcm)である中間転写ベルト7を用い、かつ条件的に転写性で少し低下すると考えられる吸湿紙(水分6%)を用意し、2次転写ローラ11eと駆動用ローラ8−1との間に流れるリターン電流Irと中間転写ベルト7の抵抗率との関係を調べた。なお、本実験は、常温常湿環境(25.4℃、32%RH)において測定したものである。
図11、図12は、その測定結果を示す。なお、“◆”、 “△”は、それぞれ抵抗率が10の11乗と10の9乗である中間転写ベルト7を用い、制御部81を除いた電気的な構成(図4を参照)において、トータル転写電流Itとリターン電流Irとの関係を測定したデータを示している。
図11、12に示すように、正バイアスおよび逆バイアスのいずれにおいても、中間転写ベルト7の抵抗率が小さくなると、漏れ電流が大きくなることが分かった。そのため、中間転写ベルト7の抵抗率が、1011Ωcm以上であることにより、漏れ電流を小さく抑制することができる。その結果、さらに漏れ電流によるリターン電流Irへの影響を少なく抑えることができるため、リターン電流Irをより制御しやすくなると共に、全体の消費電力を少なくできる。
上記の実験1、2の結果に示したように、2次転写性は、正バイアス、逆バイアスにかかわらず、記録シートの吸湿状態(水分量)で影響されていることが判明した。また、上記の実験3の結果に示したように、2次転写性は、正バイアス、逆バイアスにかかわらず、さらには中間転写ベルトの抵抗値でも影響されることが分かった。
しかしながら、本実施形態の2次転写装置11は、リターン電流Irを所定電流Thになるように制御する制御部81を備えているため、記録シートPの調湿状態(水分量)や中間転写ベルト7の抵抗値の影響を受けないので、略一定な転写電流が確保できる。そのため、所望の2次転写性が得られ、転写不良を防止できる。
(実験4)
上記の実験1から実験3においては、テンションローラ8−3と2次転写用ローラ(11b、11c、11d)は全てアースとしていた。本実験は、上記テンションローラ8−3と2次転写用ローラ(11b、11c、11d)のアース効果を確認するために、フロート(アースと直接に接続しない)にした場合との比較実験を行った。
上記の実験1から実験3においては、テンションローラ8−3と2次転写用ローラ(11b、11c、11d)は全てアースとしていた。本実験は、上記テンションローラ8−3と2次転写用ローラ(11b、11c、11d)のアース効果を確認するために、フロート(アースと直接に接続しない)にした場合との比較実験を行った。
なお、本実験は、トータル電流をIt=25μAに固定させ、10回を繰り返し、リターン電流Irの変動幅を比較した。
また、測定条件としては、60g/m2の中質紙の未調湿紙(水分量4%)を用い、逆バイアス印加方式で、常温常湿環境(25.4℃、32%RH)における印加するトータル転写電流Itに対するリターン電流Irの関係をそれぞれ測定した。
表1に示すように、テンションローラ8−3と2次転写用ローラ(11b、11c、11d)とが全てアースとしていた実施例1は、リターン電流Irの変動幅が、0.2μAである。また、2次転写用ローラ(11b、11c、11d)が、アースとしなった場合において、リターン電流Irの変動幅が大きくなり、記録シートPの後端において転写不良が発生していることが分かった。つまり、テンションローラ8−3と2次転写用ローラ(11b、11c、11d)の少なくとも一方(望ましくは両方)をアースにすることにより、リターン電流Irの変動幅が小さく抑えることができるので、より安定した2次転写性を確保することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、2次転写装置を備える画像形成装置に適用できる。
7 中間転写ベルト
8−1 駆動用ローラ
8−3 テンションローラ
11 2次転写装置
11a 2次転写ベルト
11b 2次駆動ローラ
11c 2次従動ローラ
11d 2次テンションローラ
11e 2次転写ローラ
80 電流計
81 制御部(制御手段)
82 転写電圧電源
IL 総漏れ電流
Ir リターン電流(2次転写電流)
It トータル転写電流
P 記録シート(記録媒体)
L レーザビーム
R 搬送方向
Th 所定電流
8−1 駆動用ローラ
8−3 テンションローラ
11 2次転写装置
11a 2次転写ベルト
11b 2次駆動ローラ
11c 2次従動ローラ
11d 2次テンションローラ
11e 2次転写ローラ
80 電流計
81 制御部(制御手段)
82 転写電圧電源
IL 総漏れ電流
Ir リターン電流(2次転写電流)
It トータル転写電流
P 記録シート(記録媒体)
L レーザビーム
R 搬送方向
Th 所定電流
Claims (8)
- 駆動用ローラに張架された中間転写ベルト上に転写されたトナー画像を記録媒体に転写するための2次転写装置において、
前記駆動用ローラに対向する2次転写ローラと、
前記駆動用ローラと前記2次転写ローラとの間に2次転写電圧を印加する2次転写電圧電源と、
前記2次転写電圧により前記2次転写ローラと前記駆動用ローラとの間に流れる2次転写電流を一定に制御するための制御手段とを備えることを特徴とする2次転写装置。 - さらに2次転写ベルトと、前記2次転写ベルトを回転駆動するための2次転写ベルト用ローラとを備えることを特徴とする請求項1に記載の2次転写装置。
- 前記2次転写ベルト用ローラは、2次転写ベルトを張架する駆動ローラと、従動ローラと、張架の弛みを防止するテンションローラとを含み、これら全てのローラがアースされていることを特徴とする請求項2に記載の2次転写装置。
- 前記2次転写ローラと前記駆動用ローラとの間に流れる2次転写電流を測定する測定手段を備え、
前記制御手段は、前記測定手段により測定された2次転写電流と所定値とを比較し、その差に応じて、前記2次転写電圧電源の電圧値を補正することで、前記2次転写電流が一定になるように制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の2次転写装置。 - 駆動用ローラに張架された中間転写ベルトと、請求項1から4のいずれか1項に記載の2次転写装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
- 前記中間転写ベルトの弛みを防止するテンションローラを含み、そのテンションローラがアースされていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写ベルトの抵抗率が、1011Ωcm以上であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 表示部を備え、
前記2次転写電圧電源から供給される電流が所定範囲を超える場合に、前記2次転写電圧電源から供給される電流が所定範囲を超えることを示す通知を前記表示部に表示することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008023107A JP2009186504A (ja) | 2008-02-01 | 2008-02-01 | 2次転写装置、画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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-
2008
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