JP4407166B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機などの画像形成装置に係り、より詳しくは、記録材にトナー像を転写する転写部を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、カラー画像を高速且つ高画質に形成することを目的として、所謂フルカラーのタンデム機が提案されている。このタンデム機の代表的なものとしては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニットを互いに並列的に配置し、これらの各画像形成ユニットにて順次形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナー像を、中間転写体である中間転写ベルト上に一旦、多重に転写(一次転写)した後、この中間転写ベルトから記録材(用紙)上に一括して転写(二次転写)し、この記録材上に形成されたトナー像を定着することによって、フルカラーや白黒(モノクロ)の画像を形成するものが挙げられる。
【0003】
ここで、従来技術として、中間転写ベルトに二次転写ロールを対峙させ、この二次転写ロールが配置された二次転写部にて、中間転写ベルトから記録材に対してトナー像を転写する技術が広く採用されている。しかしながら、二次転写ロールを中間転写ベルトに当接させて、搬送される記録材に二次転写を行う際、薄紙コート紙などが搬送されると、この二次転写ロール側に記録材が巻きついてしまい、ジャムなどのトラブルを引き起こす場合があった。そこで、中間転写ベルトからの記録材の剥離性を良好に保ち、また定着装置に至る記録材の搬送性を安定させるために、例えばタンデム機における二次転写部にて、記録材を搬送させる転写ベルトを中間転写ベルトに圧接配置させ、また、この二次転写部における転写ロールとして、転写ベルトを張架するロールを用いて中間転写ベルトに転写ベルトを圧接配置させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。かかる技術では、例えば転写ベルトに記録材を静電吸着させて転写/搬送し、曲率が小さい張架ロール位置にて記録材を転写ベルトから剥離するように構成することで、例えば薄紙コート紙での剥離トラブルの発生を防止することができる。
【0004】
また、タンデム機ではないが、回転する感光体ドラムに形成されたトナー像を、駆動ロールと従動ロールとによって張架された転写搬送ベルトに搬送される記録材に転写し、このトナー像が転写された記録材をこの転写搬送ベルトによって下流側に搬送する転写ベルト装置を用いた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−319741号公報(第4−6頁、図2)
【特許文献2】
特開平6−59581号公報(第4−5頁、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、中間転写ベルトに一旦、トナー像を担持する所謂中間転写方式では、二次転写に際して記録材(用紙)にトナー像を良好に転写するために、二次転写ロールと、その対向ロールであるバックアップロール(二次転写部における中間転写ベルトの内側に配置されるロール)とを高い精度で位置決めすることが必要である。転写ロールと対向部(バックアップロールや担持体)との間で位置精度のずれが生じた場合には、転写不良や平行度不良といったトラブルを引き起こしてしまう可能性があるためである。
【0007】
そこで、例えば、特許文献1に示される技術のように、二次転写部における転写ロールとして、転写ベルトを張架するロールを用いて中間転写ベルトに転写ベルトを圧接配置している場合には、この転写ロールをバックアップロールに対して高い精度で位置決めする必要がある。また、例えば、特許文献2のような所謂用紙搬送方式を採用した場合であっても、記録材に対してトナー像を転写する転写部に転写ロールなどを配置した場合には、トナー像を良好に転写するために、転写ロールと、対向するトナー像の担持体との間で正確な位置決めが必要となる。
【0008】
このとき、例えば転写ロールと対向部との間だけで位置決めを行う場合には、比較的簡易な構造によって高い位置決め精度を出すことが可能となる。しかしながら、例えば、転写ベルトを張架する他のロールや、記録材を搬送する搬送部材等、これらの転写部の構造に連結した各種機構部が存在する場合には、この各種機構部との間の部品寸法のずれなどによって、この各種機構部との間に歪み等が生じる場合がある。この各種機構部との間に歪み等が生じていると、連結された転写部の構造にも悪影響を及ぼす場合があり、転写ロールと対向部との嵌合不良や、転写部のニップ(Nip)不良などが発生する恐れがある。
【0009】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、転写部の構造に連結した各種機構部の寸法ばらつき等を考慮した装置を提供することにある。
また他の目的は、転写部の構造に連結した各種機構部にばらつきがあった場合でも、転写部におけるニップ状態を良好に保ち、良好な画像を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明は、記録材(用紙)にトナー像を転写する転写部にて、例えば、圧接部材をリトラクト/コンタクトさせる機構を備えている場合等に、コンタクト時に圧接部材の位置決めを行う際、圧接部以外の機構部に対して所定の自由度を持たせることで、位置決めに際して生じる他の機構部に対する余分なストレス等を抑制している。即ち、本発明が適用される画像形成装置は、トナー像が担持される担持体と、記録材を搬送すると共に担持体に担持されたトナー像を記録材に対して転写せしめる転写ベルトと、この記録材に対してトナー像を転写する転写部にて転写ベルトを位置決めする第1の位置決め手段と、転写ベルトにおける転写部の記録材搬送方向下流側にて、記録材搬送方向に自由度を持たせて転写ベルトを位置決めする第2の位置決め手段とを含む。
【0011】
ここで、この第1の位置決め手段は、転写ベルトを張架し転写ベルトを担持体に対して所定の圧力で当接せしめる転写ロールを位置決めすることを特徴としている。また、この担持体は中間転写ベルトであり、第1の位置決め手段は、中間転写ベルトの内側に設けられるバックアップロールに転写ロールを対向させて位置決めすることを特徴とすることができる。更に、第2の位置決め手段は、転写ベルトを張架しこの転写ベルトを駆動する駆動ロールを位置決めすること、より詳しくは、駆動ロールの軸を支えると共にこの駆動ロールを駆動する駆動装置が一体となったブラケットを記録材搬送方向に所定の自由度を持たせた状態にて位置決めすることを特徴とすることができる。
【0012】
一方、本発明が適用される画像形成装置は、転写ベルトを張架すると共に転写ベルトを担持体に所定の圧力で当接せしめる第1のロールと、転写ベルトを張架すると共にこの転写ベルトと担持体とが当接する位置よりも記録材の搬送方向下流側に設けられる第2のロールとを含み、この第1のロールは、転写ベルトを担持体に対して当接および離間せしめ、転写ベルトを当接させる際に位置決めされ、第2のロールは、第1のロールが位置決めされた際に、記録材の搬送方向にスライド可能に構成されることを特徴としている。
【0013】
ここで、この第2のロールは、転写ベルトを駆動する駆動ロールであり、駆動ロールの軸を支えると共に駆動ロールを駆動するモータを含む駆動装置と共にスライド可能に構成されることを特徴とすることができる。また、この第1のロールは、担持体に対するニップ圧力分布を変更して画像平行度の調整が可能となるように構成される。
【0014】
また、他の観点から把えると、本発明が適用される画像形成装置は、転写ベルトを張架すると共に転写ベルトを担持体に所定の圧力で当接せしめる第1のロールと、転写ベルトを張架すると共にこの転写ベルトと担持体とが当接する位置よりも記録材の搬送方向下流側に設けられる第2のロールとを含み、この第1のロールは、転写ベルトを担持体に対して当接および離間せしめ、転写ベルトを当接させる際に位置決めされ、第2のロールは、第1のロールが位置決めされた際に、記録材の面に垂直な方向にスライド可能に構成されることを特徴としている。
【0015】
ここで、第2のロールは、転写ベルトを駆動する駆動ロールであり、駆動ロールの軸を支えると共に駆動ロールを駆動するモータを含む駆動装置と共にスライド可能に構成されることを特徴とすることができる。また、第1のロールは、担持体に対する食い込み量の調整が可能となるように構成される。
【0016】
他の観点から把えると、本発明が適用される画像形成装置は、担持体に対して離間状態から当接状態に移行した後、担持体に担持されたトナー像を記録材に対して転写せしめる転写ベルトと、この転写ベルトを張架すると共に、記録材に対してトナー像が転写される転写部にて転写ベルトを担持体に所定の圧力で当接せしめる転写ロールと、転写ベルトが当接状態に移行する際、転写ロールの位置を決める位置決め部材と、転写部に向けて記録材を搬送する搬送シュートとを含み、この位置決め部材は、転写ロールが位置決めされる位置のずれに伴う変位を吸収するように構成されてなる。
【0017】
ここで、この位置決め部材は、転写ロールが位置決めされる際、言い換えると転写ベルトが当接状態に移行する際、記録材の搬送路を形成する搬送シュートに対する歪みの発生を抑制することを特徴とすれば、記録材の搬送性能を向上させることができる点で好ましい。また、この位置決め部材が変位を吸収する位置のずれは、転写ロールに対するニップ圧力分布の変更に伴うずれを含むことを特徴とすれば、転写部におけるニップ圧力分布を調整した場合であっても、機構部に対する余分なストレス等の発生を抑制することができる点で優れている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
―実施の形態1―
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。図1に示す画像形成装置は、所謂タンデム型を採用した中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる担持体である中間転写ベルト15、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(転写材)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、用紙P上に二次転写された画像を定着させる定着部30を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
【0019】
本実施の形態において、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電するための帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書き込むためのレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット10は、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y色)、マゼンタ(M色)、シアン(C色)、黒(K色)の順に、略直線状に配置されている。
【0020】
中間転写体(トナー像の担持体)である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の導電剤を適当量含有させたものが用いられ、その体積抵抗率が106〜1014Ω・cmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度のフィルム状の無端ベルトで構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を循環駆動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
【0021】
各感光体ドラム11に対向し、略直線状に延びる中間転写ベルト15の内側に設けられる各一次転写ロール16には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
【0022】
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写搬送ベルト(二次転写ベルト)21と、対向ロールとしてのバックアップロール25等とによって構成される。バックアップロール25は、表面にカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムからなり、その表面抵抗率が7〜10logΩ/□でロール径が28mmとなるように形成され、硬度は例えば70度(アスカーC)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写搬送ベルト21の対向電極をなし、二次転写バイアスを安定的に印加させるための金属製の給電ロール26が当接配置されている。
【0023】
一方、二次転写搬送ベルト(二次転写ベルト)21は、第1のロールである従動ロール(転写ロール)23と第2のロールである駆動ロール22とによって張架された、例えば体積抵抗率が106〜1010Ω・cmの半導電性の無端環状ベルトであり、100%伸張モジューラスが3.8MPaの材料が使用されている。この二次転写搬送ベルト21は、例えばSUSからなる駆動ロール22によって所定の速度で搬送され、例えばゴムロールからなる従動ロール23と、駆動ロール22とによって所定のテンションが与えられている。
【0024】
従動ロール23は、二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、二次転写搬送ベルト21上に搬送される用紙Pに対して二次転写を施すための二次転写ロールとして機能している。また、バックアップロール25と従動ロール23との圧力状態を変えることで二次転写部材の当接状態を変えることができ、アライメント調整、画像平行度の調整を行うことができる。駆動ロール22の径は、薄紙コート紙などが搬送された場合であっても二次転写搬送ベルト21に巻きつかない程度に、小さな径が採用されている。更に、二次転写搬送ベルト21には、中間転写ベルト15と当接する二次転写部の上流側近傍に、二次転写搬送ベルト21にあるトナーを掻き取るゴムの板状部材からなるクリーナ27が当接するように構成されている。
【0025】
また、中間転写ベルト15における二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングするベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット10Yの上流側には、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)における画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配置され、また、黒の画像形成ユニット10Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は画像形成を開始できるように構成されている。
【0026】
更に、本実施の形態では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写搬送ベルト21によって二次転写された後に搬送される用紙Pを定着部30へと搬送する搬送ベルト55を備えている。
【0027】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図1に示す画像形成装置に入力される。画像形成装置では、図示しない画像処理装置(IPS)にて所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット10等によって作像作業が実行される。画像処理装置(IPS)では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等、所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
【0028】
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0029】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部にて、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部において、一次転写ロール16にて中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性と逆極性の電圧が付加され、未定着トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせられて一次転写が行われる。このようにして一次転写された未定着トナー像は、中間転写ベルト15の回転に伴って二次転写部20に搬送される。
【0030】
一方、用紙搬送系では、画像形成のタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、搬送シュート53が、二次転写搬送ベルト21の上昇動作(アドバンス動作)に連動して、上昇し、二次転写部20への搬送路を形成している。用紙Pは一旦停止され、前述のようにしてトナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
【0031】
二次転写部20では、用紙Pへの二次転写のタイミングに合わせ、半導電性の二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15が間に挟まれた状態にて従動ロール23がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21との間に挟み込まれる。かかる際に、給電ロール26にトナーの帯電極性と同極性の電圧(正規の転写バイアス)が印加されると、二次転写搬送ベルト21に対向電極として転写電界が形成され、従動ロール23とバックアップロール25とによって押圧される二次転写位置にて、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像が用紙Pに静電転写される。
【0032】
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写搬送ベルト21によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写搬送ベルト21の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55まで搬送される。搬送ベルト55では、定着部30における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着部30まで搬送する。用紙P上の未定着トナー像は、定着部30によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着され、定着画像が形成された用紙Pは、排出ロール(図示せず)によって装置の外部に排出される。一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34およびベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
【0033】
次に、本実施の形態における二次転写部20の機構について説明する。
図2は、二次転写部20の機構を示した説明図であり、図2に示すように、二次転写部20は、図1に示したバックアップロール25に対する従動ロール23の押圧力を変えて平行度の調整を行う機構を備えたバックアップロールユニット70、二次転写搬送ベルト21を中間転写ベルト15から離間、当接させるための転写ベルトユニット80を備えている。
【0034】
バックアップロールユニット70は、転写ベルトユニット80にある従動ロール23を、IN(奥側、リア側)/OUT(手前側、フロント側)の両端で異なった量だけ上下動させることによって、従動ロール23とバックアップロール25との押圧力を調整し、二次転写部20におけるこれらの食い込み量を調整可能としている。この食い込み量をIN/OUTにて調整することで、画像平行度を調整することができる。かかる機能を実現させるために、バックアップロールユニット70は、図2に示すように、装置のIN/OUTの両端に各々設けられ各々が異なった位相で上下動するフレーム71、IN/OUTの各々のフレーム71に設けられバックアップロール25と従動ロール23との食い込み量をIN/OUTで調整する位置決めピン72、IN/OUTの各々に設けられIN/OUTのフレーム71を上下動させてIN/OUTでニップ幅(食い込み量、圧接量)を調整するための偏芯カム73、偏芯カム73を回動させる回転シャフト74、駆動源であるモータ75、モータ75の駆動ギアと噛み合って回転シャフト74に駆動力を伝達するギア76、その両端にて、偏芯カム73に対してフレーム71を付勢するコイルスプリング77、偏芯カム73の基準位置および回転量を検知するエンコーダ78を備えている。
【0035】
このIN/OUTに設けられた各々の偏芯カム73は、周方向に、その角度によって位相がずれるように回転シャフト74に固定されており、回転シャフト74の回転角度によって、IN/OUTのフレーム71の押し出し量が異なるように構成されている。即ち、本実施の形態が適用される画像形成装置では、図1に示した制御部40の指示に基づき、回転シャフト74の回転角度を制御することによって、IN/OUTで、転写ベルトユニット80にある従動ロール23の押し出し量を調整している。その結果、中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21とを間に介して従動ロール23とバックアップロール25との食い込み量を調整することができる。この食い込み量の調整により、画像平行度を二次転写のニップ圧力分布の変更で行うことが可能となる。本実施の形態では、二次転写部20におけるIN/OUTの食い込み調整範囲として、±0.6mmの調整を可能としている。尚、調整方法としては、連続的にその値を変えて調整する方法の他、予め数段階を用意して段階的に値を変えるように調整することもできる。
【0036】
このような転写ニップにおけるIN/OUTの食い込み調整は、二次転写部20のユニット交換時や各ベルトユニット交換時に行われることが有効である。制御部40は、例えばこれらのユニットの交換時に、二次転写の食い込み量について、IN/OUT差が例えば−A、0、+A(mm)の範囲で条件を変えたサンプルを自動的にプリントアウトし、このサンプルを例えばスキャナ等で読み取って、画像平行度を測定する。その後、制御部40は、この測定結果に基づいてモータ75を回動させて、最も好ましい値となるようにIN/OUTの食い込み量を調整すれば良い。この画像の平行度は、プリントされた用紙に形成される画像のIN/OUTで同一長さの画像を形成した場合に、用紙PにおけるIN側の長さL1(mm)と、OUT側の長さL2(mm)との差、ΔL(mm)で表される。
【0037】
一方、転写ベルトユニット80は、駆動ロール22を中心として従動ロール23の軸が上下動することで、中間転写ベルト15からの二次転写搬送ベルト21の接離を実現可能としている。そのために、転写ベルトユニット80は、図2に示すように、IN/OUTの両端に設けられ支点81を中心として回動すると共に、先端部82aと異なる他の先端が従動ロール23の軸(従動軸)と連結される揺動アーム82、IN/OUTに設けられた各揺動アーム82の先端部82aに当接して、揺動アーム82を揺動させる偏芯カムであるリトラクトカム83、IN/OUTの両端のリトラクトカム83を同時に回転させる回転シャフト84、回転シャフト84を回転駆動させるために、図示しないモータからの駆動力を受けて回動する駆動ギア85、リトラクトカム83の基準位置および回転量を検知するためのエンコーダ86、揺動アーム82をリトラクトカム83に当接させるコイルスプリング87を備えている。また、IN/OUTの両端に設けられ、位置決めピン72と係合して従動ロール23を位置決めする位置決め部材88を有している。
【0038】
転写ベルトユニット80におけるIN/OUTの各々のリトラクトカム83は、角度によってその半径がIN/OUTで変わらないように回転シャフト84に固定されている。例えば、図1に示した中間転写ベルト15に対して二次転写搬送ベルト21を当接(コンタクト)している状態から、リトラクトカム83を例えば180度回転させ、揺動アーム82の先端部82aがリトラクトカム83によって上方に持ち上げられると、先端部82aと異なる他の先端部が支点81を介して下方に回動する。これによって、中間転写ベルト15から二次転写搬送ベルト21を離間(リトラクト)させることができる。また、さらに所定角度(例えば180度)回動することで、従動ロール23をアドバンスさせ、中間転写ベルト15に対して二次転写搬送ベルト21を当接(コンタクト)させることができる。
【0039】
図3は、転写ベルトユニット80を下方から眺めた斜視図である。搬送シュート53の下方に設けられたシャフト84には、前述したリトラクトカム83と共に、このリトラクトカム83とは逆位相で回動する偏芯カムであるシュート押し上げカム56がIN側およびOUT側に設けられている。また、シュート押し上げカム56の近傍には、シュート用スプリング57が設けられている。回転シャフト84の回動によってリトラクトカム83が回動して位置決め部材88(従動ロール23)が上昇すると、この動きに同期して、シュート押し上げカム56の回動によって搬送シュート53も押し上げられる。これによって、二次転写時における用紙Pの円滑な搬送が可能となる。
【0040】
図4は、転写ベルトユニット80の機構を更に詳述するための図である。二次転写搬送ベルト21は、駆動ロール22および従動ロール23によって張架されるが、従動ロール23の従動軸23aには位置決め部材88が連結され、駆動ロール22の駆動軸22aには、駆動源であるモータ91がギア92を介して連結されている。駆動ロール22の駆動軸22a側には、駆動ロール22を支える軸受け(図示せず)と駆動装置(モータ91やギア92など)とが一体となったブラケット93が設けられている。モータ91はブラケット93に固定されており、ブラケット93は、長穴94にてネジ95によりフレーム90側(フレーム90に連結されたブロック部材等を含む)に連結される。このネジ95は、ネジ切りが途中で中断され、締め付けた状態でも所定の隙間が確保され、一定の変位以上は締結されない、例えばショルダースクリューが用いられている。そして、ブラケット93に設けられた長穴94によって、ブラケット93は、図4に示すS方向にスライド可能な状態でフレーム90側に締結される。尚、ネジ95とブラケット93との間に、例えばオイル含有樹脂ワッシャー等を設け、更に自由な摺動を確保するように構成することもできる。また、スライドさせるために生じる隙間のガタをなくすためには、板ばね等によって付勢することも有効である。
【0041】
このように、駆動ロール22の軸である駆動軸22aは、二次転写搬送ベルト21が張架される方向、即ち、用紙搬送方向であるS方向に自由度が持たされ、スライド可能に構成されている。このとき、摺動可能なブラケット93は、モータ91が固定され、このモータ91やギア92などを含む駆動装置も一体となって配置されていることから、駆動軸22aのスライドに応じて、駆動装置もスライドする。これによって、S方向にスライドさせた状態であっても、駆動ロール22を円滑に回動させることができ、円滑なベルト駆動が可能となる。
【0042】
また、位置決め部材88は、所定の位置にベアリング89が圧入されており、このベアリング89に従動ロール23の従動軸23aが挿入されている。また、従動軸23aには、搬送シュート53の端(二次転写部20に近い側)が回動可能な状態で取り付けられている。かかる構成によって、二次転写搬送ベルト21と搬送シュート53とは、ベアリング89の部分から「への字」状に折り曲げられ、このベアリング89および従動軸23aによって、位置決め部位材88が搖動可能に構成されている。これによって、この位置決め部材88が位置決めピン72に対して嵌合する際に、位置決めピン72の変位と同期して変位することができる。位置決め部材88が搖動し、また、ベアリング89の部分で搬送シュート53が回動可能に構成されることで、搬送シュート53に対する自由度が確保され、搬送シュート53に対して不要な歪み等を生じさせることがない。この歪み等に対する所定の逃げが確保されている結果、搬送シュート53の位置決めを円滑に行うことができる。
【0043】
尚、転写ベルトユニット80には、駆動ロール22の駆動軸22aおよび従動ロール23の従動軸23aに連結されたプレート96がIN/OUTに設けられており、このプレート96を、プレート中心96aから曲げることが可能である。二次転写搬送ベルト21を張架する際には、このプレート96がプレート中心96aから折り曲げられた状態で、駆動ロール22および従動ロール23に二次転写搬送ベルト21が掛けられる。その後、プレート中心96aにてプレート96を延ばすことで、一定のテンションにて二次転写搬送ベルト21を張架することが可能となる。
【0044】
次に、二次転写搬送ベルト21のリトラクト/コンタクト動作を説明する。
図5は、二次転写搬送ベルト21が図1に示した中間転写ベルト15およびバックアップロール25側からリトラクト(離間)した状態を示し、図6は、二次転写搬送ベルト21が中間転写ベルト15側にコンタクト(当接)した状態を示している。
図5に示すようなリトラクト状態では、回転シャフト84を中心として回動するリトラクトカム83により、揺動アーム82の先端部82aが押し上げられ、二次転写搬送ベルト21や従動ロール23、位置決め部材88等が駆動軸22aを中心として回動する。このとき、バックアップロールユニット70の位置決めピン72から位置決め部材88は離間状態にある。
【0045】
その後、図1に示したような画像形成プロセスによって、中間転写ベルト15上にトナー像が担持され、二次転写部20にトナー像が搬送されるタイミングの前に、また、用紙Pが二次転写部20に搬送されるタイミングの前に、二次転写搬送ベルト21が中間転写ベルト15に当接する。かかる動作では、図6に示すように、回転シャフト84が例えば180度回転し、回転シャフト84の回転により、リトラクトカム83が回動することで、揺動アーム82がコイルスプリング87により支点81を中心として反時計回り(左回り)に回動する。このとき、揺動アーム82の先端部82aに対するリトラクトカム83の付勢が徐々に取り除かれ、コイルスプリング87の力(ここでは引張り力)によって、二次転写搬送ベルト21が駆動軸22aを中心として反時計回り(左回り)に回動する。リトラクトカム83の付勢が揺動アーム82に対して完全に取り除かれた後、コイルスプリング87の力によって位置決め部材88が位置決めピン72と係合する。位置決め部材88が位置決めピン72と係合した状態にて、図1に示した従動ロール23は、中間転写ベルト15および二次転写搬送ベルト21を間に挟んで、所定の圧力でバックアップロール25に押圧される。
【0046】
一方、従動ロール23が上昇する際には、回転シャフト84の回転によって、シュート押し上げカム56も回転し、ベアリング89の部分を中心として搬送シュート53も回動する。位置決め部材88の上昇によって、搬送シュート53の二次転写位置に近接する側(搬送方向下流側、図の右側)が上昇するが、搬送シュート53の二次転写位置に遠い側(搬送方向上流側、図の左側)は、シュート押し上げカム56によって適切な高さに調整される。その結果、搬送シュート53のシュート面と、二次転写搬送ベルト21の用紙搬送面とは、ベアリング89の部分で、若干「への字」状に折り曲げられて、用紙搬送路が形成される。一般に、搬送シュート53は、二次転写を行う際に、用紙Pの姿勢を良好に保つために精度の高い位置決めが必要となる。本実施の形態では、シュート押し上げカム56による押し上げによって、その位置を正確に決定することが可能である。
【0047】
ここで、本実施の形態では、位置決め部材88が位置決めピン72と係合する際、ベアリング89によって位置決め部材88に所定の遊びが与えられる。このように所定の自由度が与えられているために、位置決めピン72と係合した際、搬送シュート53に対して不要なテンションを与えることがなく、搬送シュート53の精度を良好に保つことができる。また、位置決め部材88に所定の自由度が与えられているために、二次転写搬送ベルト21の平面を保つことが可能となる。特に、本実施の形態では、画像平行度を二次転写のニップ圧力分布の変更で行っているが、二次転写搬送ベルト21の平面が保たれることにより、ねじれによる画像不良や、平行度不良などの発生を抑制することができる。
【0048】
また、本実施の形態では、図4を用いて説明したように、駆動ロール22を支える軸受け(図示せず)と駆動装置(モータ91やギア92等)とが一体となったブラケット93が、S方向にスライド可能な状態でフレーム90側に締結されている。図6のように位置決め部材88が位置決めピン72と係合した際、ブラケット93は、S方向に対して所定量、移動できる。ブラケット93に対してこのような自由度が与えられず、完全にフレーム90側に固定されていると、二次転写搬送ベルト21の平面を保つことが難しくなり、また、ギア92の駆動軸22aとの噛み合いに際して、精度を維持することができなくなる。かかる場合には、用紙Pの搬送性能や二次転写性能に悪影響を及ぼし、良好な画像を得ることができない。本実施の形態では、駆動装置をブラケット93と一体にし、また、二次転写搬送ベルト21が中間転写ベルト15に当接して位置決めされた際に、用紙搬送方向は自由状態となるように構成することで、画像不良等の発生を抑制している。
【0049】
以上、詳述したように、本実施の形態によれば、二次転写搬送ベルト21を用いた用紙Pへの転写および用紙の搬送を行う方式にて、第1の位置決め手段として、二次転写部20の近傍両端部における従動ロール(転写ロール)23の従動軸23aに対する位置決めを行い、第2の位置決め手段として、二次転写部20から二次転写搬送ベルト21の用紙搬送方向下流側にある駆動ロール22の駆動軸22aに対する位置決めを行った。このとき、用紙搬送方向下流側の機構部における位置決めを上下方向のみとし、機構部を含むブラケット93ごと用紙搬送方向には自由状態にしている。これによって、二次転写搬送ベルト21を構成する各種機構部を含むベルト転写装置の寸法ばらつきに依存せず、二次転写部20の従動ロール(転写ロール)23とバックアップロール25とを確実に接触させることが可能となり、良好な画像を得ることができる。
【0050】
また、モータ91やギア92を含む駆動装置が一体となっているので、ギア92の噛み合い精度が一定になり、良好な画像を得ることができる。更に、画像平行度を、バックアップロール25と従動ロール(二次転写ロール)23との圧接力、即ち、二次転写ニップ圧力分布の変更で行う場合であっても、本実施の形態によれば、ベルト等のねじれによる画像不良や平行度不良等の発生を抑制することが可能となる。
【0051】
尚、本実施の形態では、二次転写ベルト方式による画像形成装置を例に挙げて説明したが、一次転写や白黒画像の転写にも応用できる。即ち、本実施の形態は、中間転写体に対する転写を行わない、所謂用紙搬送方式による画像形成装置に対しても有効に機能する。例えば、感光体ドラム等の像担持体に形成されたトナー像を、転写ベルトによって搬送される記録材に転写する際、その転写部にリトラクト/アドバンス機構を備え、その転写ベルトの用紙搬送方向にて、所定の自由度を持たせて位置決めされるように構成することができる。かかる構成によれば、寸法のばらつきなどに依存せずに、転写部における位置決めを確実に行うことができ、良好な画像を得ることが可能となる。
【0052】
―実施の形態2―
本実施の形態は、実施の形態1と略同様であるが、転写ベルトユニット80における駆動ロール22やモータ91等を、用紙搬送方向(水平方向)以外に上下方向(垂直方向)にも移動可能な状態でフレーム90側に連結するようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0053】
図7は、本実施の形態において、転写ベルトユニット80をフレーム90に連結する機構を説明するための図である。ここで、図7(a)はブラケット97を転写ベルトユニット80側から見た正面図、図7(b)は図7(a)のVIIb−VIIb断面図、図7(c)はブラケット97を上側から見た上面図である。本実施の形態において、駆動ロール22(図示せず)の駆動軸22aは、断面L字状のブラケット97の側面に下方向に開口するように設けられた長穴97aを貫通するように配置されている。つまり、駆動軸22aおよびこの駆動軸22aが取り付けられた駆動ロール22は、上下方向(垂直方向)に移動可能となっているなお、モータ91やギア92(共に図示せず)等を含む駆動装置は実施の形態1で説明したブラケット93(図示せず)に取り付けられており、このブラケット97には取り付けられていない。また、ブラケット97には、ネジ99によってフレーム90に固定され、ブラケット97の移動を規制する規制部材98が取り付けられている。
この規制部材98は、ブラケット97に対して微小な間隙をもって配設されるようになっており、ブラケット97の上下方向(垂直方向)に対する移動は規制するが、水平方向に対する移動は許容するようになっている
【0054】
このような構成を採用することで、駆動ロール22の軸である駆動軸22aは、ブラケット97によって二次転写搬送ベルト21が張架される方向、即ち、用紙搬送方向であるS方向に自由度が持たされると共に、ブラケット97に設けられた長穴97aによって上下方向即ち搬送される用紙の面に対して直交する方向であるV方向にも自由度が持たされることになる。このとき、モータ91やギア92などを含む駆動装置も一体となって配置されていることから、駆動軸22aのスライド(水平方向への移動)あるいは上下動(垂直方向への移動)に応じて、駆動装置も移動する。これによって、S方向あるいはV方向に移動させた状態であっても駆動ロール22を円滑に回動させることができ、さらに円滑なベルト駆動が可能となる。特に、本実施の形態のように、従動ロール(転写ロール)23をIN/OUTでそれぞれ上下動可能に構成する場合には、水平方向の移動を許容するだけでは二次転写搬送ベルト21がねじれた状態になり易いことから、駆動ロール22を水平方向および垂直方向に対して移動可能に配置することが有効である
【0055】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、転写部の構造に連結した各種機構部の寸法ばらつき等を考慮した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。
【図2】 二次転写部の機構を示した説明図である。
【図3】 転写ベルトユニットを下方から眺めた斜視図である。
【図4】 転写ベルトユニットの機構を更に詳述するための図である。
【図5】 二次転写搬送ベルトが中間転写ベルトおよびバックアップロール側からリトラクト(離間)した状態を示した図である。
【図6】 二次転写搬送ベルトが中間転写ベルト側にコンタクト(当接)した状態を示した図である。
【図7】 (a)〜(c)は、実施の形態2において転写ベルトユニットをフレームに連結するための機構を示す図である。
【符号の説明】
10…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、20…二次転写部、21…二次転写搬送ベルト、22…駆動ロール、23…従動ロール(転写ロール)、25…バックアップロール、53…搬送シュート、56…シュート押し上げカム、57…シュート用スプリング、70…バックアップロールユニット、72…位置決めピン、80…転写ベルトユニット、81…支点、82…揺動アーム、83…リトラクトカム、84…回転シャフト、87…コイルスプリング、88…位置決め部材、89…ベアリング、91…モータ、92…ギア、93…ブラケット、94…長穴、95…ネジ、96…プレート、97…ブラケット、97a…長穴、98…規制部材、99…ネジ

Claims (11)

  1. トナー像が担持される担持体と、
    記録材を搬送すると共に前記担持体に担持されたトナー像を当該記録材に対して転写せしめる転写ベルトと、
    前記記録材に対してトナー像を転写する転写部にて前記転写ベルトを位置決めする第1の位置決め手段と、
    前記転写ベルトにおける前記転写部の記録材搬送方向下流側にて、当該記録材搬送方向に自由度を持たせて当該転写ベルトを位置決めする第2の位置決め手段とを含む画像形成装置。
  2. 前記第1の位置決め手段は、前記転写ベルトを張架し当該転写ベルトを前記担持体に対して所定の圧力で当接せしめる転写ロールを位置決めすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記担持体は中間転写ベルトであり、
    前記第1の位置決め手段は、前記中間転写ベルトの内側に設けられるバックアップロールに前記転写ロールを対向させて位置決めすることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記第2の位置決め手段は、前記転写ベルトを張架し当該転写ベルトを駆動する駆動ロールを位置決めすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記第2の位置決め手段は、前記駆動ロールの軸を支えると共に当該駆動ロールを駆動する駆動装置が一体となったブラケットを前記記録材搬送方向に所定の自由度を持たせた状態にて位置決めすることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. トナー像が担持される担持体と、
    記録材を搬送すると共に前記担持体に担持されたトナー像を当該記録材に対して転写せしめる転写ベルトと、
    前記転写ベルトを張架すると共に当該転写ベルトを前記担持体に所定の圧力で当接せしめる第1のロールと、
    前記転写ベルトを張架すると共に当該転写ベルトと前記担持体とが当接する位置よりも前記記録材の搬送方向下流側に設けられる第2のロールとを含み、
    前記第1のロールは、前記転写ベルトを前記担持体に対して当接および離間せしめ、当該転写ベルトを当接させる際に位置決めされ、
    前記第2のロールは、前記第1のロールが位置決めされた際に、前記記録材の搬送方向にスライド可能に構成されることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記第2のロールは、前記転写ベルトを駆動する駆動ロールであり、当該駆動ロールの軸を支えると共に当該駆動ロールを駆動するモータを含む駆動装置と共にスライド可能に構成されることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  8. 前記第1のロールは、前記担持体に対するニップ圧力分布を変更して画像平行度の調整が可能となるように構成されてなる請求項6記載の画像形成装置。
  9. トナー像が担持される担持体と、
    記録材を搬送すると共に前記担持体に担持されたトナー像を当該記録材に対して転写せしめる転写ベルトと、
    前記転写ベルトを張架すると共に当該転写ベルトを前記担持体に所定の圧力で当接せしめる第1のロールと、
    前記転写ベルトを張架すると共に当該転写ベルトと前記担持体とが当接する位置よりも前記記録材の搬送方向下流側に設けられる第2のロールとを含み、
    前記第1のロールは、前記転写ベルトを前記担持体に対して当接および離間せしめ、当該転写ベルトを当接させる際に位置決めされ、
    前記第2のロールは、前記第1のロールが位置決めされた際に、前記記録材の面に垂直な方向にスライド可能に構成されることを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記第2のロールは、前記転写ベルトを駆動する駆動ロールであり、当該駆動ロールの軸を支えると共に当該駆動ロールを駆動するモータを含む駆動装置と共にスライド可能に構成されることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
  11. 前記第1のロールは、前記担持体に対する食い込み量の調整が可能となるように構成されてなることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
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